係止金具及び係止金具の製造方法
【課題】両脚部の端部と係止板との接続部分の強度を従来より向上させることができると共に、容易に接続させることができる係止金具及び、この係止金具の製造方法を提供することを課題としている。
【解決手段】
棒状部材が略コ字状に折曲げられたフック部材11と、該フック部材11の略コ字状の両脚部11aが固定された板状のプレート部材12とを有し、フック部材11には、両脚部11aの長手方向の途中に鍔部11bが形成される一方、プレート部材12には、脚部11aが取り付けられる取付孔部12aが片面側に突出して形成されることにより、取付孔部12aの内部空間12bが突出方向先端部に向かうに従って先細り形状に形成され、両脚部11aが、取付孔部12aに挿入されて、鍔部11bが取付孔部12aの先端に当接されると共に、脚部11aの鍔部11bより先端部側が取付孔部12aの内部空間12b内においてカシメられたストライカー10とした。
【解決手段】
棒状部材が略コ字状に折曲げられたフック部材11と、該フック部材11の略コ字状の両脚部11aが固定された板状のプレート部材12とを有し、フック部材11には、両脚部11aの長手方向の途中に鍔部11bが形成される一方、プレート部材12には、脚部11aが取り付けられる取付孔部12aが片面側に突出して形成されることにより、取付孔部12aの内部空間12bが突出方向先端部に向かうに従って先細り形状に形成され、両脚部11aが、取付孔部12aに挿入されて、鍔部11bが取付孔部12aの先端に当接されると共に、脚部11aの鍔部11bより先端部側が取付孔部12aの内部空間12b内においてカシメられたストライカー10とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、開閉体のロック装置等に用いられる係止金具、例えば、自動車において車室、エンジンルームあるいはトランクなどの、開閉ドア(開閉体)のロック装置のストライカとして用いられる係止金具及び、この係止金具の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の「係止金具」としてのストライカは、図26及び図27に示すように、レバーなどの操作子によって操作される係合爪と対をなすもので、断面形状が円あるいは角形の棒材(ロッド)を折り曲げて水平方向の係止杵2とその両端に連結された脚部3とによって略コ字状に作られており、両脚部3の端部は係止板5へ溶接その他の手段で連結されている(特許文献1,特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平06−312670号公報
【特許文献2】特開2002−337743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来のものにあっては、両脚部3の端部を係止板5へ溶接するようにしているが、この溶接部分の強度を確保するのが容易ではないと共に、溶接作業も大変である、という問題がある。
【0004】
そこで、この発明は、両脚部の端部と係止板との接続部分の強度を従来より向上させることができると共に、容易に接続させることができる係止金具及び、この係止金具の製造方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、棒状部材が略コ字状に折曲げられたフック部材と、該フック部材の略コ字状の両脚部が固定された板状のプレート部材とを有し、前記フック部材には、前記両脚部の長手方向の途中に鍔部が形成される一方、前記プレート部材には、前記脚部が取り付けられる取付孔部が片面側に突出して形成されることにより、前記取付孔部の内部空間が突出方向先端部に向かうに従って先細り形状に形成され、前記両脚部が、前記取付孔部に挿入されて、前記鍔部が前記取付孔部の先端に当接されると共に、前記脚部の前記鍔部より先端部側が前記取付孔部の前記内部空間内においてカシメられた係止金具としたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記フック部材は、鍛造により形成され、前記脚部を軸方向に圧縮することにより、前記鍔部を形成したことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の係止金具の製造方法であって、前記フック部材は、第1棒状部材を略コ字状に折曲げた後、鍛造により、前記両脚部の所定位置より先端部側を圧縮させて前記鍔部を形成し、一方、前記プレート部材は、第2棒状部材を、塑性加工により、軸方向の中央部付近を両端部付近より、太く形成し、次いで、前記軸方向と直交する方向から圧縮させて板状に形成し、その後、前記取付孔部を形成し、次いで、前記脚部の前記鍔部より先端側を、前記プレート部材の取付孔部に挿入してカシメることにより、前記フック部材を前記プレート部材に固定する係止金具の製造方法としたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加え、前記塑性加工は、鍛造であることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加え、前記塑性加工は、転造であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記各請求項に記載の発明によれば、フック部材には、両脚部の長手方向の途中に鍔部が形成される一方、プレート部材には、脚部が取り付けられる取付孔部が片面側に突出して形成されることにより、取付孔部の内部空間が突出方向先端部に向かうに従って先細り形状に形成され、両脚部が、取付孔部に挿入されて、鍔部が取付孔部の先端に当接されると共に、脚部の鍔部より先端部側が取付孔部の内部空間内においてカシメられた係止金具としたため、両脚部の端部とプレート部材との接続部分の強度を従来より向上させることができると共に、容易に接続させることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、フック部材は、鍛造により形成され、脚部を軸方向に圧縮することにより、鍔部を形成したため、より簡単に鍔部を形成することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、フック部材及びプレート部材の何れも、棒状部材から塑性加工により成形されているため、従来のように打抜き加工することなく、歩留まりが良好である。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、フック部材及びプレート部材の何れも、棒状部材から鍛造により成形されているため、従来のように打抜き加工することなく、歩留まりが良好である。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、フック部材及びプレート部材の何れも、棒状部材から転造により成形されているため、従来のように打抜き加工することなく、歩留まりが良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
【0016】
図1乃至図24には、この発明の実施の形態を示す。
【0017】
まず構成を説明すると、図1中符号10は「係止金具」としてのストライカーで、このストライカー10は、例えば、図示していない自動車の車体に固定され、ドアやトランクに設けられたロック装置のラッチが係脱されるようになっている。
【0018】
具体的には、このストライカー10は、棒状部材が略コ字状に形成されたフック部材11と、このフック部材11の略コ字状の両脚部11aが固定された板状のプレート部材12とを有している。
【0019】
このフック部材11には、両脚部11aに鍔部11bが鍛造により形成されている。
【0020】
一方、そのプレート部材11は、鍛造により、平面視が大略菱形形状に形成され、一対の脚部11aが取り付けられる一対の取付孔部12aがバーリング加工されることにより、片面側(上面側)に突出して形成され、図2(b)に示すように、取付孔部12aの内部空間12bが突出方向先端部に向かうに従って先細り形状に形成されている。また、車体に取り付けるための皿孔形状のボルト挿通孔12cが略菱形形状の長手方向の両端部に形成されている。さらに、このプレート部材11の中央部には、重量軽減のための薄肉部12eが設けられている。
【0021】
そして、これら両脚部11aが、取付孔部12aに挿入されて、鍔部11bが取付孔部12aの先端に当接されると共に、脚部11aの鍔部11bより先端部11c側がカシメられている(図2(b)参照)。この先端部11cが短縮されて、先細り形状の内部空間12b内に充填された状態となり、この先端部11cの径が大きくなると共に、この先端部11cの端面11dが、プレート部材12の裏面12dと略面一となっている(図2(b)参照)。
【0022】
これにより、フック部材11がプレート部材12に固定されて、ストライカー10が構成されている。このプレート部材12のボルト挿通孔12cに図示省略のボルトが挿通されて、車体のピラー等に取り付けられるようになっている。
【0023】
次に、かかるストライカ10の製造方法について説明する。
【0024】
まず、フック部材11をクランクプレス機を用いて製造する場合について説明する。
【0025】
図5に示すように、鉄製の第1棒状部材16を所定の長さに切断し、次に、図6乃至図8に示すように、曲げダイ17と曲げパンチ18とを用いて第1棒状部材16を略コ字状に折曲げる。
【0026】
これはまず、図6に示す状態から曲げパンチ18を下降させて、図7に示すように、第1棒状部材16を折曲げる。次に、図7の状態から跳ね出しピン19を上昇させて、図8に示すように、コ字状に折曲げられた第1棒状部材16を取り出す。
【0027】
次いで、図9に示す状態から、左右に分割された分割型21を矢印方向に移動させて、この分割型21の間に第1棒状部材16を挟持する。
【0028】
その後、図10に示す状態から、上型22を下降させて、図11に示すように、この上型22を分割型21上に当接させた状態から、一対の押圧ピン23を下降させて、第1棒状部材16の、脚部11aとなる部分を軸方向に押圧して、鍛圧加工することにより、分割型21の鍔部形成部21aにて鍔部11bを成形する。
【0029】
次いで、図12に示すように、上型22を上昇させると共に、分割型21を左右に離間させ、跳ね出しピン24により、成形されたフック部材11を取り出す。
【0030】
次に、プレート部材12を製造する場合について説明する。
【0031】
まず、図13に示すように、鉄製の第2棒状部材27を所定の長さに切断し、次に、図14乃至図16に示すように、ヘッダーの下ダイ28と上ダイ29とを用いて第2棒状部材27を略紡錘形状に形成する。
【0032】
これは、まず、図14に示す状態から上ダイ29を下降させて、図15に示すように、鍛造(塑性加工)により第2棒状部材27を軸方向に向けて圧縮させて、中央部付近を両端部付近より、太く形成して圧縮して略紡錘形状に形成する。次に、図15の状態から上ダイ29を上昇させると共に、図16に示すように、跳ね出しピン30を上昇させて、紡錘形状に形成された半成品33を取り出す。
【0033】
次いで、クランクプレスを用いて半成品33を板状に成形すると共に、バーリング加工等を行う。
【0034】
すなわち、図17に示す状態から上ダイ35を下降させて、図18に示すように、この上ダイ35と下ダイ36とで、鍛造により、半成品33を軸方向と直交する方向から圧縮させて、薄肉部12eを有する板状に形成する。その後、上ダイ35を上昇させて、跳ね出しピン37により、板状の半成品33を取り出す。
【0035】
次いで、図19に示す状態から、カス抜きピン39が設けられたパンチ40を下降させて、下ダイ41に設けられた小孔パンチ42により、板状の半成品33の、プレート部材12の取付孔部12a及びボルト挿通孔12cに対応した位置に下孔加工を行う。図20に示すように、小孔パンチ42で半成品33に下孔を開ける場合には、カス抜きピン39は上昇する。
【0036】
その後、パンチ40を上昇させると共に、跳ね出しピン43にてエジェクター44を上昇させて、下孔が形成された半成品33を取り出す。
【0037】
しかる後、図21に示すように、面付けパンチ46が設けられたパンチ47を下降させて、その面付けパンチ46により、ボルト挿通孔12cに対応した位置に面付けを行うと共に、下ダイ48に設けられたバーリングパンチ49により、板状の半成品33の、プレート部材12の所定位置にバーリング加工を行い、取付孔部12aを形成する(図22参照)。
【0038】
その後、パンチ47を上昇させると共に、跳ね出しピン50にてエジェクター51を上昇させて、下孔が形成された半成品33を取り出す。
【0039】
次に、図23に示す状態から、受圧ピン54、孔開けパンチ55及び成形パンチ59を有する可動パンチ56を下降させて、この孔開けパンチ55により、ボルト挿通孔12cを形成すると共に、成形パンチ59により、取付孔部12aの先端の形状をバリ等のない所定の形状に成形する(図24参照)。
【0040】
その後、可動パンチ56を上昇させると共に、下ダイ58に設けられた跳ね出しピン57にて、成形されたプレート部材12を取り出す。
【0041】
次いで、上記のようにして形成されたフック部材11とプレート部材12とを固定する。
【0042】
すなわち、図2(a)に示すように、プレート部材12の取付孔部12aに、フック部材11の先端部11cを挿入し、この取付孔部12aの先端に、フック部材11の鍔部11bを当接させる。
【0043】
この状態で、そのフック部材11の先端部11cをカシメて、図2(b)に示すように、取付孔部12aの内部空間12b内に、先端部11cを充填した状態とする。
【0044】
これにより、フック部材11のプレート部材12からの外れ、及び、プレート部材12に対するフック部材11の倒れを防止した状態で、フック部材11とプレート部材12とが固定されることとなる。
【0045】
このように、プレート部材12の取付孔部12aの内部空間12bを先細り形状とし、その取付孔部12aに脚部11aの先端部11cを挿入してカシメることにより、その内部空間12bの内部に脚部11aの先端部11cがカシメられて充填された状態となり、その先端部11cの径が太くなるため、両脚部11aの端部とプレート部材12との接続部分の強度を従来より向上させることができると共に、容易に接続させることができる。
【0046】
また、フック部材11は、鍛造により形成され、脚部11aを軸方向に圧縮することにより、鍔部11bを形成したため、より簡単に鍔部11bを形成することができる。
【0047】
さらに、フック部材11及びプレート部材12の何れも、棒状部材16,27から鍛造により成形されているため、従来のように打抜き加工することなく、歩留まりが良好である。
【0048】
なお、上記実施の形態では、この発明の「係止金具」を車両のストライカーに適用したが、これに限らず、他の部品にも適用できることは勿論である。
【0049】
また、上記実施の形態では、プレート部材12の取付孔部12aをバーリング加工により形成したが、これに限らず、例えば、上下の型を用いて、鍛造により、内部空間12bを有する取付孔部12aを形成することもできる。
【0050】
さらに、第2棒状部材27から略紡錘形状の半成品33を成形するのに、上記実施の形態では、図14乃至図16に示すように、第2棒状部材27を軸方向に圧縮させて成形していたが、これに限らず、図25に示すようにして、転造(塑性加工)により半成品33を成形することもできる。すなわち、まず、図25の(a)に示すように、第2棒状部材27を転造固定ダイ62と転造スライドダイ63との間にセットし、次に、図25の(b),(c)に示すように、転造スライドダイ63を順次矢印方向にスライドさせることにより、第2棒状部材27の形状を徐々に略紡錘形状に近づけて行く。そして、図25の(d)に示すように、転造スライドダイ63のスライドが終了した時点で、略紡錘形状の半成品33を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】この発明の実施の形態に係るストライカーを示す平面図である。
【図2】同実施の形態に係る図1のA−A線に沿う断面図で、(a)はフック部材の脚部のカシメ前の状態を示す断面図、(b)は同脚部のカシメ後の状態を示す断面図である。
【図3】同実施の形態に係るフック部材を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)の右側面図である。
【図4】同実施の形態に係るプレート部材を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。
【図5】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、第1棒状部材を示す図である。
【図6】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、第1棒状部材をコ字状に折曲げる前の状態を示す図である。
【図7】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、第1棒状部材をコ字状に折曲げた状態を示す図である。
【図8】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、コ字状に折曲げた第1棒状部材を取り出した状態を示す図である。
【図9】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、コ字状に折曲げた第1棒状部材を一対の分割型で挟持する直前の状態を示す断面図である。
【図10】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、第1棒状部材の鍔部を成形する直前の状態を示す図である。
【図11】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、第1棒状部材の鍔部を成形した状態を示す図である。
【図12】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、成形されたフック部材を取り出した状態を示す図である。
【図13】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、第2棒状部材を示す図である。
【図14】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、第2棒状部材を略紡錘形状に成形する前の状態を示す図である。
【図15】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、第2棒状部材を略紡錘形状に成形した状態を示す図である。
【図16】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、略紡錘形状に成形した第2棒状部材を取り出した状態を示す図である。
【図17】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、略紡錘形状に成形した第2棒状部材を板状に成形する前の状態を示す図である。
【図18】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、略紡錘形状に成形した第2棒状部材を板状に成形した状態を示す図である。
【図19】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、下孔を開ける前の状態を示す図である。
【図20】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、下孔を開けた状態を示す図である。
【図21】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、バーリング加工と面付けを行う前の状態を示す図である。
【図22】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、バーリング加工と面付けを行った状態を示す図である。
【図23】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、孔仕上げを行う前の状態を示す図である。
【図24】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、孔仕上げを行った状態を示す図である。
【図25】変形例を示す説明図である。
【図26】従来の係止金具を示す平面図である。
【図27】従来の係止金具を示す正面図である。
【符号の説明】
【0052】
10 ストライカー(係止金具)
11 フック部材
11a 脚部
11b 鍔部
11c 先端部
11d 端面
12 プレート部材
12a 取付孔
12b 肉部
12c ボルト挿通孔
16 第1棒状部材
27 第2棒状部材
【技術分野】
【0001】
この発明は、開閉体のロック装置等に用いられる係止金具、例えば、自動車において車室、エンジンルームあるいはトランクなどの、開閉ドア(開閉体)のロック装置のストライカとして用いられる係止金具及び、この係止金具の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の「係止金具」としてのストライカは、図26及び図27に示すように、レバーなどの操作子によって操作される係合爪と対をなすもので、断面形状が円あるいは角形の棒材(ロッド)を折り曲げて水平方向の係止杵2とその両端に連結された脚部3とによって略コ字状に作られており、両脚部3の端部は係止板5へ溶接その他の手段で連結されている(特許文献1,特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平06−312670号公報
【特許文献2】特開2002−337743号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来のものにあっては、両脚部3の端部を係止板5へ溶接するようにしているが、この溶接部分の強度を確保するのが容易ではないと共に、溶接作業も大変である、という問題がある。
【0004】
そこで、この発明は、両脚部の端部と係止板との接続部分の強度を従来より向上させることができると共に、容易に接続させることができる係止金具及び、この係止金具の製造方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、棒状部材が略コ字状に折曲げられたフック部材と、該フック部材の略コ字状の両脚部が固定された板状のプレート部材とを有し、前記フック部材には、前記両脚部の長手方向の途中に鍔部が形成される一方、前記プレート部材には、前記脚部が取り付けられる取付孔部が片面側に突出して形成されることにより、前記取付孔部の内部空間が突出方向先端部に向かうに従って先細り形状に形成され、前記両脚部が、前記取付孔部に挿入されて、前記鍔部が前記取付孔部の先端に当接されると共に、前記脚部の前記鍔部より先端部側が前記取付孔部の前記内部空間内においてカシメられた係止金具としたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記フック部材は、鍛造により形成され、前記脚部を軸方向に圧縮することにより、前記鍔部を形成したことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の係止金具の製造方法であって、前記フック部材は、第1棒状部材を略コ字状に折曲げた後、鍛造により、前記両脚部の所定位置より先端部側を圧縮させて前記鍔部を形成し、一方、前記プレート部材は、第2棒状部材を、塑性加工により、軸方向の中央部付近を両端部付近より、太く形成し、次いで、前記軸方向と直交する方向から圧縮させて板状に形成し、その後、前記取付孔部を形成し、次いで、前記脚部の前記鍔部より先端側を、前記プレート部材の取付孔部に挿入してカシメることにより、前記フック部材を前記プレート部材に固定する係止金具の製造方法としたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加え、前記塑性加工は、鍛造であることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加え、前記塑性加工は、転造であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記各請求項に記載の発明によれば、フック部材には、両脚部の長手方向の途中に鍔部が形成される一方、プレート部材には、脚部が取り付けられる取付孔部が片面側に突出して形成されることにより、取付孔部の内部空間が突出方向先端部に向かうに従って先細り形状に形成され、両脚部が、取付孔部に挿入されて、鍔部が取付孔部の先端に当接されると共に、脚部の鍔部より先端部側が取付孔部の内部空間内においてカシメられた係止金具としたため、両脚部の端部とプレート部材との接続部分の強度を従来より向上させることができると共に、容易に接続させることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、フック部材は、鍛造により形成され、脚部を軸方向に圧縮することにより、鍔部を形成したため、より簡単に鍔部を形成することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、フック部材及びプレート部材の何れも、棒状部材から塑性加工により成形されているため、従来のように打抜き加工することなく、歩留まりが良好である。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、フック部材及びプレート部材の何れも、棒状部材から鍛造により成形されているため、従来のように打抜き加工することなく、歩留まりが良好である。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、フック部材及びプレート部材の何れも、棒状部材から転造により成形されているため、従来のように打抜き加工することなく、歩留まりが良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態1]
【0016】
図1乃至図24には、この発明の実施の形態を示す。
【0017】
まず構成を説明すると、図1中符号10は「係止金具」としてのストライカーで、このストライカー10は、例えば、図示していない自動車の車体に固定され、ドアやトランクに設けられたロック装置のラッチが係脱されるようになっている。
【0018】
具体的には、このストライカー10は、棒状部材が略コ字状に形成されたフック部材11と、このフック部材11の略コ字状の両脚部11aが固定された板状のプレート部材12とを有している。
【0019】
このフック部材11には、両脚部11aに鍔部11bが鍛造により形成されている。
【0020】
一方、そのプレート部材11は、鍛造により、平面視が大略菱形形状に形成され、一対の脚部11aが取り付けられる一対の取付孔部12aがバーリング加工されることにより、片面側(上面側)に突出して形成され、図2(b)に示すように、取付孔部12aの内部空間12bが突出方向先端部に向かうに従って先細り形状に形成されている。また、車体に取り付けるための皿孔形状のボルト挿通孔12cが略菱形形状の長手方向の両端部に形成されている。さらに、このプレート部材11の中央部には、重量軽減のための薄肉部12eが設けられている。
【0021】
そして、これら両脚部11aが、取付孔部12aに挿入されて、鍔部11bが取付孔部12aの先端に当接されると共に、脚部11aの鍔部11bより先端部11c側がカシメられている(図2(b)参照)。この先端部11cが短縮されて、先細り形状の内部空間12b内に充填された状態となり、この先端部11cの径が大きくなると共に、この先端部11cの端面11dが、プレート部材12の裏面12dと略面一となっている(図2(b)参照)。
【0022】
これにより、フック部材11がプレート部材12に固定されて、ストライカー10が構成されている。このプレート部材12のボルト挿通孔12cに図示省略のボルトが挿通されて、車体のピラー等に取り付けられるようになっている。
【0023】
次に、かかるストライカ10の製造方法について説明する。
【0024】
まず、フック部材11をクランクプレス機を用いて製造する場合について説明する。
【0025】
図5に示すように、鉄製の第1棒状部材16を所定の長さに切断し、次に、図6乃至図8に示すように、曲げダイ17と曲げパンチ18とを用いて第1棒状部材16を略コ字状に折曲げる。
【0026】
これはまず、図6に示す状態から曲げパンチ18を下降させて、図7に示すように、第1棒状部材16を折曲げる。次に、図7の状態から跳ね出しピン19を上昇させて、図8に示すように、コ字状に折曲げられた第1棒状部材16を取り出す。
【0027】
次いで、図9に示す状態から、左右に分割された分割型21を矢印方向に移動させて、この分割型21の間に第1棒状部材16を挟持する。
【0028】
その後、図10に示す状態から、上型22を下降させて、図11に示すように、この上型22を分割型21上に当接させた状態から、一対の押圧ピン23を下降させて、第1棒状部材16の、脚部11aとなる部分を軸方向に押圧して、鍛圧加工することにより、分割型21の鍔部形成部21aにて鍔部11bを成形する。
【0029】
次いで、図12に示すように、上型22を上昇させると共に、分割型21を左右に離間させ、跳ね出しピン24により、成形されたフック部材11を取り出す。
【0030】
次に、プレート部材12を製造する場合について説明する。
【0031】
まず、図13に示すように、鉄製の第2棒状部材27を所定の長さに切断し、次に、図14乃至図16に示すように、ヘッダーの下ダイ28と上ダイ29とを用いて第2棒状部材27を略紡錘形状に形成する。
【0032】
これは、まず、図14に示す状態から上ダイ29を下降させて、図15に示すように、鍛造(塑性加工)により第2棒状部材27を軸方向に向けて圧縮させて、中央部付近を両端部付近より、太く形成して圧縮して略紡錘形状に形成する。次に、図15の状態から上ダイ29を上昇させると共に、図16に示すように、跳ね出しピン30を上昇させて、紡錘形状に形成された半成品33を取り出す。
【0033】
次いで、クランクプレスを用いて半成品33を板状に成形すると共に、バーリング加工等を行う。
【0034】
すなわち、図17に示す状態から上ダイ35を下降させて、図18に示すように、この上ダイ35と下ダイ36とで、鍛造により、半成品33を軸方向と直交する方向から圧縮させて、薄肉部12eを有する板状に形成する。その後、上ダイ35を上昇させて、跳ね出しピン37により、板状の半成品33を取り出す。
【0035】
次いで、図19に示す状態から、カス抜きピン39が設けられたパンチ40を下降させて、下ダイ41に設けられた小孔パンチ42により、板状の半成品33の、プレート部材12の取付孔部12a及びボルト挿通孔12cに対応した位置に下孔加工を行う。図20に示すように、小孔パンチ42で半成品33に下孔を開ける場合には、カス抜きピン39は上昇する。
【0036】
その後、パンチ40を上昇させると共に、跳ね出しピン43にてエジェクター44を上昇させて、下孔が形成された半成品33を取り出す。
【0037】
しかる後、図21に示すように、面付けパンチ46が設けられたパンチ47を下降させて、その面付けパンチ46により、ボルト挿通孔12cに対応した位置に面付けを行うと共に、下ダイ48に設けられたバーリングパンチ49により、板状の半成品33の、プレート部材12の所定位置にバーリング加工を行い、取付孔部12aを形成する(図22参照)。
【0038】
その後、パンチ47を上昇させると共に、跳ね出しピン50にてエジェクター51を上昇させて、下孔が形成された半成品33を取り出す。
【0039】
次に、図23に示す状態から、受圧ピン54、孔開けパンチ55及び成形パンチ59を有する可動パンチ56を下降させて、この孔開けパンチ55により、ボルト挿通孔12cを形成すると共に、成形パンチ59により、取付孔部12aの先端の形状をバリ等のない所定の形状に成形する(図24参照)。
【0040】
その後、可動パンチ56を上昇させると共に、下ダイ58に設けられた跳ね出しピン57にて、成形されたプレート部材12を取り出す。
【0041】
次いで、上記のようにして形成されたフック部材11とプレート部材12とを固定する。
【0042】
すなわち、図2(a)に示すように、プレート部材12の取付孔部12aに、フック部材11の先端部11cを挿入し、この取付孔部12aの先端に、フック部材11の鍔部11bを当接させる。
【0043】
この状態で、そのフック部材11の先端部11cをカシメて、図2(b)に示すように、取付孔部12aの内部空間12b内に、先端部11cを充填した状態とする。
【0044】
これにより、フック部材11のプレート部材12からの外れ、及び、プレート部材12に対するフック部材11の倒れを防止した状態で、フック部材11とプレート部材12とが固定されることとなる。
【0045】
このように、プレート部材12の取付孔部12aの内部空間12bを先細り形状とし、その取付孔部12aに脚部11aの先端部11cを挿入してカシメることにより、その内部空間12bの内部に脚部11aの先端部11cがカシメられて充填された状態となり、その先端部11cの径が太くなるため、両脚部11aの端部とプレート部材12との接続部分の強度を従来より向上させることができると共に、容易に接続させることができる。
【0046】
また、フック部材11は、鍛造により形成され、脚部11aを軸方向に圧縮することにより、鍔部11bを形成したため、より簡単に鍔部11bを形成することができる。
【0047】
さらに、フック部材11及びプレート部材12の何れも、棒状部材16,27から鍛造により成形されているため、従来のように打抜き加工することなく、歩留まりが良好である。
【0048】
なお、上記実施の形態では、この発明の「係止金具」を車両のストライカーに適用したが、これに限らず、他の部品にも適用できることは勿論である。
【0049】
また、上記実施の形態では、プレート部材12の取付孔部12aをバーリング加工により形成したが、これに限らず、例えば、上下の型を用いて、鍛造により、内部空間12bを有する取付孔部12aを形成することもできる。
【0050】
さらに、第2棒状部材27から略紡錘形状の半成品33を成形するのに、上記実施の形態では、図14乃至図16に示すように、第2棒状部材27を軸方向に圧縮させて成形していたが、これに限らず、図25に示すようにして、転造(塑性加工)により半成品33を成形することもできる。すなわち、まず、図25の(a)に示すように、第2棒状部材27を転造固定ダイ62と転造スライドダイ63との間にセットし、次に、図25の(b),(c)に示すように、転造スライドダイ63を順次矢印方向にスライドさせることにより、第2棒状部材27の形状を徐々に略紡錘形状に近づけて行く。そして、図25の(d)に示すように、転造スライドダイ63のスライドが終了した時点で、略紡錘形状の半成品33を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】この発明の実施の形態に係るストライカーを示す平面図である。
【図2】同実施の形態に係る図1のA−A線に沿う断面図で、(a)はフック部材の脚部のカシメ前の状態を示す断面図、(b)は同脚部のカシメ後の状態を示す断面図である。
【図3】同実施の形態に係るフック部材を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)の右側面図である。
【図4】同実施の形態に係るプレート部材を示す図で、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。
【図5】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、第1棒状部材を示す図である。
【図6】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、第1棒状部材をコ字状に折曲げる前の状態を示す図である。
【図7】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、第1棒状部材をコ字状に折曲げた状態を示す図である。
【図8】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、コ字状に折曲げた第1棒状部材を取り出した状態を示す図である。
【図9】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、コ字状に折曲げた第1棒状部材を一対の分割型で挟持する直前の状態を示す断面図である。
【図10】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、第1棒状部材の鍔部を成形する直前の状態を示す図である。
【図11】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、第1棒状部材の鍔部を成形した状態を示す図である。
【図12】同実施の形態に係るフック部材の製造方法を示す図で、成形されたフック部材を取り出した状態を示す図である。
【図13】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、第2棒状部材を示す図である。
【図14】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、第2棒状部材を略紡錘形状に成形する前の状態を示す図である。
【図15】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、第2棒状部材を略紡錘形状に成形した状態を示す図である。
【図16】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、略紡錘形状に成形した第2棒状部材を取り出した状態を示す図である。
【図17】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、略紡錘形状に成形した第2棒状部材を板状に成形する前の状態を示す図である。
【図18】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、略紡錘形状に成形した第2棒状部材を板状に成形した状態を示す図である。
【図19】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、下孔を開ける前の状態を示す図である。
【図20】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、下孔を開けた状態を示す図である。
【図21】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、バーリング加工と面付けを行う前の状態を示す図である。
【図22】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、バーリング加工と面付けを行った状態を示す図である。
【図23】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、孔仕上げを行う前の状態を示す図である。
【図24】同実施の形態に係るプレート部材の製造方法を示す図で、孔仕上げを行った状態を示す図である。
【図25】変形例を示す説明図である。
【図26】従来の係止金具を示す平面図である。
【図27】従来の係止金具を示す正面図である。
【符号の説明】
【0052】
10 ストライカー(係止金具)
11 フック部材
11a 脚部
11b 鍔部
11c 先端部
11d 端面
12 プレート部材
12a 取付孔
12b 肉部
12c ボルト挿通孔
16 第1棒状部材
27 第2棒状部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状部材が略コ字状に折曲げられたフック部材と、該フック部材の略コ字状の両脚部が固定された板状のプレート部材とを有し、
前記フック部材には、前記両脚部の長手方向の途中に鍔部が形成される一方、前記プレート部材には、前記脚部が取り付けられる取付孔部が片面側に突出して形成されることにより、前記取付孔部の内部空間が突出方向先端部に向かうに従って先細り形状に形成され、
前記両脚部が、前記取付孔部に挿入されて、前記鍔部が前記取付孔部の先端部に当接されると共に、前記脚部の前記鍔部より先端部側が前記取付孔部の前記内部空間内においてカシメられたことを特徴とする係止金具。
【請求項2】
前記フック部材は、鍛造により形成され、前記脚部を軸方向に圧縮することにより、前記鍔部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の係止金具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の係止金具の製造方法であって、
前記フック部材は、第1棒状部材を略コ字状に折曲げた後、鍛造により、前記両脚部の所定位置より先端部側を圧縮させて前記鍔部を形成し、
一方、前記プレート部材は、第2棒状部材を、塑性加工により、軸方向の中央部付近を両端部付近より、太く形成し、次いで、前記軸方向と直交する方向から圧縮させて板状に形成し、その後、前記取付孔部を形成し、
次いで、前記脚部の前記鍔部より先端側を、前記プレート部材の取付孔部に挿入してカシメることにより、前記フック部材を前記プレート部材に固定することを特徴とする係止金具の製造方法。
【請求項4】
前記塑性加工は、鍛造であることを特徴とする請求項3に記載の係止金具の製造方法。
【請求項5】
前記塑性加工は、転造であることを特徴とする請求項3に記載の係止金具の製造方法。
【請求項1】
棒状部材が略コ字状に折曲げられたフック部材と、該フック部材の略コ字状の両脚部が固定された板状のプレート部材とを有し、
前記フック部材には、前記両脚部の長手方向の途中に鍔部が形成される一方、前記プレート部材には、前記脚部が取り付けられる取付孔部が片面側に突出して形成されることにより、前記取付孔部の内部空間が突出方向先端部に向かうに従って先細り形状に形成され、
前記両脚部が、前記取付孔部に挿入されて、前記鍔部が前記取付孔部の先端部に当接されると共に、前記脚部の前記鍔部より先端部側が前記取付孔部の前記内部空間内においてカシメられたことを特徴とする係止金具。
【請求項2】
前記フック部材は、鍛造により形成され、前記脚部を軸方向に圧縮することにより、前記鍔部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の係止金具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の係止金具の製造方法であって、
前記フック部材は、第1棒状部材を略コ字状に折曲げた後、鍛造により、前記両脚部の所定位置より先端部側を圧縮させて前記鍔部を形成し、
一方、前記プレート部材は、第2棒状部材を、塑性加工により、軸方向の中央部付近を両端部付近より、太く形成し、次いで、前記軸方向と直交する方向から圧縮させて板状に形成し、その後、前記取付孔部を形成し、
次いで、前記脚部の前記鍔部より先端側を、前記プレート部材の取付孔部に挿入してカシメることにより、前記フック部材を前記プレート部材に固定することを特徴とする係止金具の製造方法。
【請求項4】
前記塑性加工は、鍛造であることを特徴とする請求項3に記載の係止金具の製造方法。
【請求項5】
前記塑性加工は、転造であることを特徴とする請求項3に記載の係止金具の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2010−52475(P2010−52475A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−216907(P2008−216907)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(597117363)西尾精密株式会社 (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(597117363)西尾精密株式会社 (16)
【Fターム(参考)】
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