説明

保守管理システム

【課題】 PHSアダプタを設置することにより、携帯保守端末装置のワイヤレス接続を可能にした機械室レスエレベータ用として好適な保守管理システムを得る。
【解決手段】 被保守機器を監視するために公衆回線を介して接続された情報監視センター3と、情報監視センターと被保守機器制御盤1及び被保守機器監視装置2との間を接続するために被保守機器近傍に設置されたPHSアダプタ5と、PHSアダプタにPHSカードを用いてトランシーバーモード接続可能な携帯保守端末装置11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、PHS(Personal Handyphone System)を利用した機械室レスエレベータ用として好適な保守管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、機械室レスエレベータが多く導入されてきている。機械室レスエレベータでは、保守点検時に携帯保守端末装置を接続する際には、最下階の乗場ボタンを取り外してコネクターに接続していた。また、機械室レスエレベータでは、機械室がないためエレベータ制御盤は昇降路の中に設置されている。
また、従来技術として、携帯端末装置に保守プログラムをインストールし、被保守機器との間、及び保守のためのホストコンピュータとの間で、少なくとも現場では無線でデータ送受信を行うエレベータ等の保守管理システムが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−37558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、機械室レスエレベータでは、保守点検時に携帯保守端末装置を接続する際には、最下階の乗場ボタンを取り外してコネクターに接続していたため、接続作業が面倒であった。また接続ケーブルの長さが短いため乗場床面上に座って保守点検作業を行うこととなり、顧客対応の面で見苦しいという問題があった。また、機械室レスエレベータは、エレベータ制御盤が昇降路の中にあり、PHSの電波が入りにくいという問題があった。また、特許文献1記載に記載されたものは、機械室レスエレベータを対象としたものではないため、上記課題を解決するための考慮は払われていない。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、PHSアダプタを乗場等に設置することにより、携帯保守端末装置のワイヤレス接続を可能にした機械室レスエレベータ用として好適な保守管理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る保守管理システムにおいては、被保守機器を監視するために公衆回線を介して接続された情報監視センターと、情報監視センターと被保守機器制御盤及び被保守機器監視装置との間を接続するために被保守機器近傍に設置されたPHSアダプタと、PHSアダプタにPHSカードを用いてトランシーバーモード接続可能な携帯保守端末装置とを備えたものである。
【0007】
また、この発明に係る機械室レスエレベータの保守管理システムにおいては、エレベータを監視するために公衆回線を介して接続された情報監視センターと、情報監視センターと昇降路内に設けられたエレベータ制御盤及びエレベータ監視装置との間を接続するためにエレベータ乗場に設置されたPHSアダプタと、PHSアダプタにPHSカードを用いてトランシーバーモード接続可能な携帯保守端末装置とを備えたものである。
【0008】
また、PHSアダプタは、トランシーバーモードの時に点灯するLED表示器を備えるものである。
【0009】
また、PHSアダプタは、一定時間、携帯保守端末装置からのアクセスがなければ公衆モードに戻るものである。
【0010】
また、PHSアダプタは、監視装置から発報があれば、携帯保守端末装置を切り離して公衆モードに戻り、情報監視センターに発報するものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明の保守点検システムによれば、携帯保守端末装置を使用する時に、カバー等を取り外す必要がなくなる。また、接続ケーブルが不要なため、電波の届く範囲であれば作業が可能となり、床面上に座っての作業がなくなるので、顧客対応の面でも見苦しさがなくなる。また、PHSアダプタを設置可能とすることで、安価に構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1はこの発明を実施するための実施の形態1における機械室レスエレベータ用として好適な保守管理システムを示すシステム構成図である。
図において、1は被保守機器である機械室レスエレベータの制御盤で、昇降路内に設置される。2はエレベータ監視装置、3はエレベータを監視するため基地局4を介して公衆回線により接続された情報監視センター、5はエレベータ制御盤1及びエレベータ監視装置2と情報監視センター3との間を接続するために被保守機器近傍であるエレベータ乗場に設置されたPHSアダプタである。このPHSアダプタ5は、アナログ回線インターフェース6、A/D変換器7、RS−232C8、PHSインターフェース9、及びPHSアダプタ5がトランシーバーモードの時に点灯するLED表示器10等から構成されている。11は保守作業員が持ち運びできる携帯保守端末装置で、PHSカード(図示せず)を用いてPHSアダプタ5にトランシーバーモードで接続可能であり、PHSアダプタ5経由でRS−232C8にてエレベータ制御盤1に接続し、保守作業を行う。また、PHSアダプタ5は、予め決められた電話番号からの着信(発信者番号で識別する)があると、PHSのトランシーバ−モードに変更になる。例えば、予め電話番号を登録してある手持ちの携帯電話機12で電話すると、着信と同時にトランシーバーモードに切り替わる。トランシーバーモード変更をLED表示器10の点灯で確認した後、携帯保守端末装置11からPHSカード(図示せず)を用いて、PHSアダプタ5にトランシーバーモードで接続を行う。PHSアダプタ5は一定時間、携帯保守端末装置11からのアクセスがなければ公衆モードに戻る。また、PHSアダプタ5はエレベータ監視装置2から発報があれば、携帯保守端末装置11を切り離して公衆モードに戻り、情報監視センター3に発報を行う。なお、トランシーバーモードに切り替えるための電話番号やトランシーバーモード接続可能なPHSカード情報等は情報監視センター3からダウンロード可能である。
したがって、携帯保守端末装置11を使用する時に、乗場ボタンを取り外す必要がなくなる。また、接続ケーブルが不要なため、電波の届く範囲であれば作業が可能となり、乗場床面上に座っての作業がなくなるので、顧客対応の面でも見苦しさがなくなる。また、PHSアダプタを乗場に設置可能とすることで、安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施の形態1における機械室レスエレベータ用として好適な保守管理システムを示すシステム構成図である。
【符号の説明】
【0014】
1 エレベータ制御盤
2 エレベータ監視装置
3 情報監視センター
4 基地局
5 PHSアダプタ
6 アナログ回線インターフェース
7 A/D変換器
8 RS−232C
9 PHSインターフェース
10 LED表示器
11 携帯保守端末装置
12 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被保守機器を監視するために公衆回線を介して接続された情報監視センターと、
前記情報監視センターと被保守機器制御盤及び被保守機器監視装置との間を接続するために被保守機器近傍に設置されたPHSアダプタと、
前記PHSアダプタにPHSカードを用いてトランシーバーモード接続可能な携帯保守端末装置と、
を備えたことを特徴とする保守管理システム。
【請求項2】
エレベータを監視するために公衆回線を介して接続された情報監視センターと、
前記情報監視センターと昇降路内に設けられたエレベータ制御盤及びエレベータ監視装置との間を接続するためにエレベータ乗場に設置されたPHSアダプタと、
前記PHSアダプタにPHSカードを用いてトランシーバーモード接続可能な携帯保守端末装置と、
を備えたことを特徴とする機械室レスエレベータの保守管理システム。
【請求項3】
PHSアダプタは、トランシーバーモードの時に点灯するLED表示器を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の保守管理システム。
【請求項4】
PHSアダプタは、一定時間、携帯保守端末装置からのアクセスがなければ公衆モードに戻ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の保守管理システム。
【請求項5】
PHSアダプタは、監視装置から発報があれば、携帯保守端末装置を切り離して公衆モードに戻り、情報監視センターに発報することを特徴とする請求項1〜請求項4記載の保守管理システム。

【図1】
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【公開番号】特開2006−8290(P2006−8290A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185324(P2004−185324)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】