説明

保護カバー、この保護カバーを有する車輪用転がり軸受装置

【課題】軸受装置の組み付け作業おける追加作業を無くし、かつ圧入時の磁気エンコーダー部の破損不具合を無くすようにした保護カバーをを提供する。
【解決手段】円環状の磁気エンコーダー部16を保護するための保護カバー20において、磁気エンコーダー部16を覆う円環状の第1円板部21と、この第1円板部21の外径端から軸方向に延び、凹部15の内周壁15bに嵌り込む円筒部22とによってカバー本体23が形成され、このカバー本体23にはアクスルシャフトAの軸方向において、凹部15の底部に遠い上側から近い下側に向って縮径される案内部24が形成され、アクスルシャフトAの軸方向において、保護カバー20に向って接近するように装着される車輪用転がり軸受装置10のスペーサF1、リテーナリングF2が案内部24によりアクスルシャフトAの中心線に対してセンタリングされるように案内されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気エンコーダー部を備えた車輪用転がり軸受装置の保護カバー、この保護カバーを装着する磁気エンコーダー部を備えた車輪用転がり軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、ディファレンシャルを介して連結する左右一対のリヤアクスルシャフトAに、車輪Bが取り付けられた車軸懸架式における後輪懸架装置Cが知られている。この後輪懸架装置CはリヤアクスルシャフトAの一端側に軸受Dが組み付けられており、この軸受Dにおける外輪側D1をリヤアクスルハウジングEに固定して、リヤアクスルシャフトAを軸受Dにおける内輪側D2によって回転支持するようにした半浮動式となしている。
【0003】
また、このような車輪回転支持用に使用される軸受には、車輪の回転速度を検出する回転検出装置が取り付けられる。その回転検出装置は、例えば、車輪を取り付けるハブと、このハブを内輪側で回転自在に支持し、かつ懸架装置に固定される外輪側を備えた軸受からなる軸受ユニットが使用される。この軸受ユニットの軸受の内輪側における車両インナー側には、磁気エンコーダーが固定される。外輪側における車両インナー側には、環状カバー体に保持されるセンサーが設けられる。これによって車輪の回転に伴い回転する磁気エンコーダーの回転変化をセンサーによって検出するように構成されたものが知られている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平9−21823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような後輪懸架装置Cにおいて、リヤアクスルシャフトAに軸受Dを固定するため、リヤアクスルシャフトAを垂直に保持し、このリヤアクスルシャフトAの上方から軸受Dと、この軸受Dを車両インナー側で固定するために、スペーサF1やリテーナリングF2等の周辺部品FをリヤアクスルシャフトAに通して落とし込み、その後、圧入治具によって軸受Dと周辺部品Fを同時にリヤアクスルシャフトAの外周に圧入(図1参照)させるようして、軸受Dにおける車両インナー側を周辺部品Fで固定させている。
【0006】
ところが、図10に示すように、この落とし込みした軸受Dの車両インナー側に、特許文献1の磁気エンコーダーG1、環状カバー体G2からなる回転検出装置Gを有する場合、その上方の周辺部品Fの一部が磁気エンコーダーG1、環状カバー体G2に当接し、偏芯して傾いた状態でセットされてしまうことがある。このようなセット状態のままで圧入操作が行われると、周辺部品Fによって軸受Dに装着された回転検出装置Gの磁気エンコーダーG1を環状カバー体G2とともに同時に破損させてしまう不具合が発生するため、周辺部品Fの変位姿勢を手直しする追加作業が必要となり、作業効率が低下する問題点を有していた。
【0007】
本発明の課題は、アクスルシャフトに対する軸受装置の組み付け作業おける圧入前の軸受、周辺部品を、同軸線状にセンタリングするようにセット可能となし、追加作業を無くして作業効率を向上させ、かつ圧入時の磁気エンコーダー部の破損不具合を無くすようにした保護カバー、この保護カバーを装着する車輪用転がり軸受装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の保護カバーは、アクスルシャフトに対しその軸方向に挿入通される車輪用転がり軸受装置に使用され、この車輪用転がり軸受装置の車両インナー側に形成される凹部の底部側に装着される円環状の磁気エンコーダー部を保護するための保護カバーにおいて、前記磁気エンコーダー部を覆う円環状の第1円板部と、この第1円板部の外径端から前記軸方向に延び、前記凹部の内周壁に嵌り込む円筒部とによってカバー本体が形成され、このカバー本体には、前記アクスルシャフトの軸方向において、前記凹部の底部に遠い側から近い側に向って縮径される案内部が形成され、前記アクスルシャフトを立てた状態でその軸方向において、前記保護カバーに向って自重で落下するように挿通される前記車輪用転がり軸受装置の周辺部品が前記案内部により前記アクスルシャフトの中心線に対してセンタリングされるように案内されることを特徴とする。
【0009】
上記構成とすることにより、アクスルシャフトへの車輪用転がり軸受装置の組み付け時に発生していた周辺部品の変位の発生が無くなるため、追加作業を無くすことができ、これによって作業効率が向上する。また、周辺部品が変位の無い状態で、圧入前にセットできるため、磁気エンコーダー部を破損させることなく、車輪用転がり軸受装置、周辺部品を同時に圧入処理できる。
【0010】
また、案内部は、円筒部から第1円板部の内径端にわたってテーパー縁部を有するリブ片を円周方向に複数配設したことを特徴とすることにより、周辺部品をセンタリングするリブ片が、円筒部と第1円板部の補強部位として機能するため、周辺部品が落とし込みされる際の落下による衝撃に対しても、磁気エンコーダー部を保護している第1円板部が変形されにくくなり、周辺部品の落とし込み時の磁気エンコーダー部の破損を防止できる。
【0011】
また、案内部は、第1円板部の内径端から車両インナー側に向ってテーパー筒部を形成したことを特徴とすることにより、周辺部品のセンタリングは、面状形態を有するテーパー筒部で行われるため、周辺部品がテーパー筒部に引っかかることなく、スムーズにセンタリングを行うことができる。
【0012】
また、円筒部の上端から外径方向に延びる把持部が形成されたことを特徴とすることにより、アクスルシャフトへの車輪用転がり軸受装置の圧入組み付け後においても、把持部が外径方向に延びて形成されているため、アクスルシャフトを圧入装置にて垂直に保持した状態のまま、把持部を持つことによって車輪用転がり軸受装置から保護カバーを外してアクスルシャフトから抜くことができる。
【0013】
また、円筒部の外周側には、凹部の内周壁に嵌り込んだ状態を保持するように複数の突条が形成されたことにより、保護カバーの車輪用転がり軸受装置への装着状態が安定し、車輪用転がり軸受装置の搬送時における保護カバーの脱落を防止することができる。
【0014】
また、本発明の車輪用転がり軸受装置は、外輪と、この外輪と同心に配置された内輪と、外輪と内輪との間に介装される転動体とを有し、内輪の軸方向にはアクスルシャフトが挿入通され、外輪はアクスルハウジングに固定される車輪用転がり軸受装置において、この車輪用転がり軸受装置の車両インナー側には凹部が形成され、この凹部の底部側には円環状の磁気エンコーダー部が装着され、この磁気エンコーダー部を保護するように、保護カバーを装着したことを特徴とすることにより、アクスルシャフトへの車輪用転がり軸受装置の組み付け時に発生していた周辺部品の変位の発生が無くなるため、追加作業を無くすことができ、これによって作業効率が向上する。また、周辺部品が変位の無い状態で、圧入前にセットできるため、磁気エンコーダー部を破損させることなく、車輪用転がり軸受装置、周辺部品を同時に圧入処理できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態につき図面に示す実施例を参照して説明する。図1は車両における車軸懸架式における後輪懸架装置を示す概要図、図2は本発明の実施形態に係る後輪懸架装置における保護カバーを有する車輪用転がり軸受装置をリヤアクスルシャフトに組み付けた状態を示す断面図、図3は本発明の実施形態に係る保護カバーを示す斜視図、図4は保護カバーを装着した車輪用転がり軸受装置を示す斜視図である。
【0016】
車輪用転がり軸受装置10は、図1に示す背景技術と同様な前提技術としての車軸懸架式における後輪懸架装置Cにおける軸受Dに替わって使用される。この車輪用転がり軸受装置10の具体例は、図2に示すように、例えば複列外向きアンギュラ玉軸受で構成されている。アクスルシャフトとしてのリヤアクスルシャフトAに対しその軸方向に挿通され、圧入外嵌される内輪11と、この内輪11と同芯に配置された外輪12と、この内輪11と外輪12との間に介装される転動体13とを有している。外輪12の車両インナー側の端部12aにおける外周側には、図4に示すように、アクスルハウジングとしてのリヤアクスルハウジングEに固定するためのフランジ12bが一体形成される。このフランジ12bには、ボルトを挿通させるボルト挿通孔14が形成され、そのボルトを介してリヤアクスルハウジングEに固定される。
【0017】
リヤアクスルシャフトAの車両アウター側には、車輪用転がり軸受装置10の内輪11を当接させて位置決めするための段部A1が形成される。この段部A1に連続する車両インナー側には、車輪用転がり軸受装置10の内輪11が圧入外嵌される圧入軸部A2が形成されている。この圧入軸部A2は車輪用転がり軸受装置10の内輪11と、後述する車輪用転がり軸受装置10を固定するためのスペーサF1やリテーナリングF2等の周辺部品Fが圧入外嵌される程度の軸長を有している。
【0018】
また、車輪用転がり軸受装置10の車両インナー側の端部側10aには凹部15が形成される。この凹部15は、外輪12の車両インナー側の端部12aを、内輪11の端部11aよりも車両インナー側に突出させることによって形成されている。
【0019】
車輪用転がり軸受装置10の凹部15の底部15a側に位置する内輪11における外径端11b側には、円環状の磁気エンコーダー部16が装着固定される。この磁気エンコーダー部16は異なる極性の磁極(N極,S極)が周方向に交互並んで形成される。磁気エンコーダー部16は内輪11に固定された状態で、内輪11の端部11aから若干車両インナー側へ突出する程度の厚みで形成されている。
【0020】
また、磁気エンコーダー部16の回転による磁気変化を検出するためのセンサー17は、外輪12のフランジ12bに装着される。このフランジ12bに形成されるセンサ挿入孔17a内に外部からセンサー17が挿入されている。挿入されるセンサー17は、その先端が磁気エンコーダー部16に近接されて配設されることによって、磁気変化を検出する。
【0021】
次に、車輪用転がり軸受装置10に使用され、この車輪用転がり軸受装置10の凹部15の底部15a側に装着される円環状の磁気エンコーダー部16を保護するための本発明に係る保護カバー20について説明する。
この保護カバー20は、図2、3に示すように、車輪用転がり軸受装置10の凹部15における底部15a側に位置する磁気エンコーダー部16を覆う円環状の第1円板部21が形成される。この第1円板部21の内径端21aの径寸法は、内輪11の端部11aにおける内外径の間に位置するような寸法に設定されている。
【0022】
この第1円板部21の外径端21bからリヤアクスルシャフトAの軸方向に延び、車輪用転がり軸受装置10の凹部15の内周壁15b(フランジ12b内)に嵌り込むように円筒部22が連続形成されることによってカバー本体23が形成される。
【0023】
このカバー本体23には、リヤアクスルシャフトAの軸方向において、凹部15の底部15aに遠い側から近い側に向って縮径される案内部24が形成される。この案内部24は、リヤアクスルシャフトAを垂直に立てた場合でその軸方向において、保護カバー20に向って自重で落下して接近するように挿通される車輪用転がり軸受装置10を固定するためのスペーサF1やリテーナリングF2等の周辺部品Fが、案内部24によりリヤアクスルシャフトAの中心線CLに対してセンタリングされるように案内する機能を備えている。この案内部24は、円筒部22から第1円板部21の内径端21aにわたってテーパー縁部25を有するリブ片26を円周方向に複数配設して構成することができる。
【0024】
また、カバー本体23における円筒部22の上端から外径方向に延びる第2円板部27が形成され、さらにこの第2円板部27から外径方向に延びる把持部28が形成されている。また、カバー本体23における円筒部22の外周側には、凹部15の内周壁15bに嵌り込んだ状態を保持するように複数の突条22aが形成されている。また、このような保護カバー20は、プラスチックによって一体成形することが可能となる。
【0025】
次に、保護カバー20を装着する車輪用転がり軸受装置10をリヤアクスルシャフトAに組み付ける例として、図5に示すように、車輪用転がり軸受装置10の凹部15の内周壁15bに、円筒部22の突条22aを接触させながら保護カバー20を凹部15内に装着する。
【0026】
次に、リヤアクスルシャフトAを垂直に保持し、このリヤアクスルシャフトAの上方から車輪用転がり軸受装置10、スペーサF1やリテーナリングF2等の周辺部品Fの順で、リヤアクスルシャフトAに落とし込みすると、最初に落とし込まれた車輪用転がり軸受装置10は、リヤアクスルシャフトAの圧入軸部A2と連続形成されるテーパー軸部A3によって、リヤアクスルシャフトAの中心線CLに対して車輪用転がり軸受装置10の軸心が同軸線状となるように案内されて圧入軸部A2の上端側に配置される。
【0027】
車輪用転がり軸受装置10の後に、落とし込みされる周辺部品Fは、リヤアクスルシャフトAの中心線CLに対して傾いた偏芯状態で下方へ移動するも、保護カバ−20における案内部24としてのリブ片26のテーパー縁部25に、周辺部品Fの外径下端縁が接した状態で滑りながら車輪用転がり軸受装置10の軸心CL1(リヤアクスルシャフトAの中心線CLでもある)とが同軸線状となるように案内されて、保護カバ−20の第1円板部21における内径端21aの内側位置である内輪11の端部11a上に配置される。
【0028】
その後は、図示しない圧入治具によって車輪用転がり軸受装置10、周辺部品Fを同時にリヤアクスルシャフトAの圧入軸部A2に、車輪用転がり軸受装置10の内輪11がリヤアクスルシャフトAの段部A1に当接するまで圧入外嵌させることによって、車輪用転がり軸受装置10がリヤアクスルシャフトAに組み付けされる。その後、保護カバ−20の把持部28を持ち、保護カバ−20のみを車輪用転がり軸受装置10から外すように上方へ持上げてリヤアクスルシャフトAから抜き取る。
【0029】
次に、保護カバ−20の他の実施の形態として、図6に示すように、第1円板部21の内径端21aから軸方向(車両インナー側)に向って延びるようにテーパー筒部29を一体形成することも可能である。他の構成は上述の例と同じであるため省略する。この例の保護カバ−20における周辺部品Fのセンタリングの機能として、テーパー筒部29の傾斜内周面29aが、その機能を達成する個所となる。
【0030】
次に、リヤアクスルシャフトAの変形例を説明する。この変形例は、図7に示すように、リヤアクスルシャフトAに車輪用転がり軸受装置10を落とし込みした際に、この車輪用転がり軸受装置10の軸心CL1がリヤアクスルシャフトAの中心線CLに対して傾斜した状態、例えば車輪用転がり軸受装置10の内輪11側の内径部11aがリヤアクスルシャフトAのテーパー軸部A3に当接した状態で、圧入軸部A2の上端側に配置されることがある。
【0031】
このような配置状態になると、次に落とし込みするスペーサF1やリテーナリングF2等の周辺部品Fをセットすることができなくなる。このため、車輪用転がり軸受装置10の傾きを修正するための追加作業が必要となる。本例はこのような追加作業を無くし、組付作業の効率化を図ることを目的として、リヤアクスルシャフトAの形状の改良に関するものである。
【0032】
即ち、図8、9に示すように、このリヤアクスルシャフトAは車輪用転がり軸受装置10における内輪11や、スペーサF1やリテーナリングF2等の周辺部品Fが圧入外嵌される程度の軸長を有する圧入軸部A2と、テーパー軸部A3を有し、この圧入軸部A2とテーパー軸部A3との間には、小径ガイド部A4が設けられる。この小径ガイド部A4は、車輪用転がり軸受装置10の内輪11の内径部11aが接したときに、車輪用転がり軸受装置10の傾きを規制するようにしている。
【0033】
この小径ガイド部A4は、圧入軸部A2の上端側からテーパー軸部A3の下端側にわたって、所定の軸長で連続して、圧入軸部A2の外径寸法より小径となす外径寸法で形成されている。この小径ガイド部A4の軸心方向の軸長と外径寸法は、内輪11の内径部11aが圧入軸部A2と小径ガイド部A4との接続部位P1と、テーパー軸部A3と小径ガイド部A4との接続部位P2の2箇所に接した状態において、車輪用転がり軸受装置10の傾きが、リヤアクスルシャフトAの中心線CLと一致するような0度から中心線CLと車輪用転がり軸受装置10の軸心CL1との傾き角度Dが10度程度の範囲となるように設定されている。
【0034】
また、この傾き角度の範囲は、0度から5度が好ましく、5度を超えると、車輪用転がり軸受装置10の内輪11を圧入軸部A2に圧入するときの押し込み力が必要以上に大きくなることにより、車輪用転がり軸受装置10に損傷を与えるおそれをを有しているので好ましくない。
【0035】
このように形成されるリヤアクスルシャフトAを垂直に保持し、このリヤアクスルシャフトAの上方から車輪用転がり軸受装置10を落とし込みすると、テーパー軸部A3によって、リヤアクスルシャフトAの中心線CLに対して車輪用転がり軸受装置10の軸心CL1が同軸線状となるように案内されるときに、落とし込みされる車輪用転がり軸受装置10が傾斜姿勢で落とし込みされても、圧入軸部A2の上端側からテーパー軸部A3の下端側にわたって小径ガイド部A4が形成されていることにより、この小径ガイド部A4の接続部位P1と、接続部位P2の2箇所に、車輪用転がり軸受装置10の内輪11の内径部11aが接することとなる。
【0036】
この結果、車輪用転がり軸受装置10の傾きが、リヤアクスルシャフトAの中心線CLと一致するような0度から中心線CLと車輪用転がり軸受装置10の軸心CL1との傾き角度Dが10度程度の範囲となるように規制されるので、例え傾斜状態でリヤアクスルシャフトAに車輪用転がり軸受装置10が配置されたとしても、その傾斜状態のままで、車輪用転がり軸受装置10を押し込んで圧入軸部A2に圧入できるため、組付け作業の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】車軸懸架式における後輪懸架装置を示す概要図。
【図2】本発明の実施形態に係る後輪懸架装置における保護カバーを有する車輪用転がり軸受装置をリヤアクスルシャフトの組み付けた状態を示す断面図。
【図3】本発明の実施形態に係る保護カバーを示す斜視図。
【図4】保護カバーを装着した車輪用転がり軸受装置を示す斜視図。
【図5】リヤアクスルシャフトに車輪用転がり軸受装置を組み付ける際の状態を示す断面図。
【図6】保護カバーの他の実施の形態を示す斜視図、断面図。
【図7】リヤアクスルシャフトに車輪用転がり軸受装置が傾斜状態で落とし込みされた形態を示す図。
【図8】リヤアクスルシャフトの変形例を示す図。
【図9】図8のリヤアクスルシャフトの一部を拡大した図。
【図10】車軸懸架式における後輪懸架装置の背景技術を示す説明図。
【符号の説明】
【0038】
10 車輪用転がり軸受装置
11 内輪
12 外輪
13 転動体
15 凹部
15a 低部
15b 内周壁
16 磁気エンコーダー部
20 保護カバー
21 第1円板部
21b 外径端
22 円筒部
22a 突条
23 カバー本体
24 案内部
25 テーパー縁部
26 リブ片
28 把持部
A リヤアクスルシャフト
F 周辺部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクスルシャフトに対しその軸方向に挿通される車輪用転がり軸受装置に使用され、この車輪用転がり軸受装置の車両インナー側に形成される凹部の底部側に装着される円環状の磁気エンコーダー部を保護するための保護カバーにおいて、
前記磁気エンコーダー部を覆う円環状の第1円板部と、
この第1円板部の外径端から前記軸方向に延び、前記凹部の内周壁に嵌り込む円筒部とによってカバー本体が形成され、
このカバー本体には、前記アクスルシャフトの軸方向において、前記凹部の底部に遠い側から近い側に向って縮径される案内部が形成され、前記アクスルシャフトを立てた状態でその軸方向において、前記保護カバーに向って自重で落下するように挿通される前記車輪用転がり軸受装置の周辺部品が前記案内部により前記アクスルシャフトの中心線に対してセンタリングされるように案内されることを特徴とする保護カバー。
【請求項2】
前記案内部は、前記円筒部から前記第1円板部の内径端にわたってテーパー縁部を有するリブ片を円周方向に複数配設したことを特徴とする請求項1記載の保護カバー。
【請求項3】
前記案内部は、前記第1円板部の内径端から車両インナー側に向ってテーパー筒部を形成したことを特徴とする請求項1記載の保護カバー。
【請求項4】
外輪と、この外輪と同心に配置された内輪と、前記外輪と前記内輪との間に介装される転動体とを有し、前記内輪の軸方向にはアクスルシャフトが挿入通され、前記外輪はアクスルハウジングに固定される車輪用転がり軸受装置において、
この車輪用転がり軸受装置の車両インナー側には凹部が形成され、この凹部の底部側には円環状の磁気エンコーダー部が装着され、この磁気エンコーダー部を保護するように、前記請求項1ないし3のいずれか1項に記載の保護カバーを装着したことを特徴とする車輪用転がり軸受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−73473(P2009−73473A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−156303(P2008−156303)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】