説明

信号処理装置、制御方法、並びに信号処理システムおよび方法

【課題】超音波画像を生成する場合に、信号処理を行う際に必要となる電力を削減することができるようにする。
【解決手段】制御部は、電池ユニットの電池の消費を抑えるため、加速度センサおよび圧力センサにより検出された情報に応じて、振動子から受信する信号または振動子へ送信する信号を処理する信号処理ブロックを構成する各部のパフォーマンスを下げるように制御する。本開示は、例えば、超音波画像を撮影するプローブおよび超音波画像を生成し表示する装置からなる信号処理システムに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、信号処理装置、制御方法、並びに信号処理システムおよび方法に関し、特に、信号処理を行う際に必要となる電力を削減することができるようにした信号処理装置、制御方法、並びに信号処理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波画像の撮影を行う超音波診断装置においては、無線のプローブを利用しているとき送受信に必要な電力を削減するため、プローブにセンサやスイッチを設け、送受信を停止/再開することがいくつか提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
提案されているスイッチングの方法は、例えば、物理的なスイッチを設ける手法、プローブの位置を検出する手法、あるいはプローブの動きを検出する手法などである。これらの手法により、プローブが診断に使用されていないタイミングが検出され、切り忘れを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−253500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した提案において、プローブ使用中の電力使用量についての言及はなかった。したがって、提案されている手法を用いたとしても、プローブは、ユーザである技師や医師に握られている時(場合によっては、患者に接触されている時)、常に同一の設定で動作していた。
【0006】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、超音波画像を生成する場合に、信号処理を行う際に必要となる電力を削減することができるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面の信号処理装置は、プローブを構成する振動子から受信する信号または前記振動子へ送信する信号を処理する信号処理部と、前記プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、前記信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記信号処理部の信号処理パラメータを制御する制御部とを備える。
【0008】
本開示の一側面の制御方法は、プローブを構成する振動子から受信する信号または前記振動子へ送信する信号を処理する信号処理部を備える信号処理装置が、前記プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、前記信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記信号処理部の信号処理パラメータを制御する。
【0009】
本開示の他の側面の信号処理システムは、プローブを構成する振動子から受信する信号または前記振動子へ送信する信号を処理する信号処理部と、前記プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、前記信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記信号処理部の信号処理パラメータを制御する制御部と、前記信号処理部により処理された信号を送信する送信部とを備える第1の信号処理装置と、前記第1の信号処理装置からの信号を受信する受信部と、前記受信部により受信された信号に基づいて、超音波画像を生成する生成部とを備える第2の信号処理装置とからなる。
【0010】
本開示の他の側面の信号処理方法は、プローブを構成する振動子から受信する信号または前記振動子へ送信する信号を処理する信号処理部を備える第1の信号処理装置が、前記プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、前記信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記信号処理部の信号処理パラメータを制御し、前記振動子から受信する前記信号または前記振動子へ送信する前記信号を処理し、処理された信号を送信し、第2の信号処理装置が、前記第1の信号処理装置からの信号を受信し、受信された信号に基づいて、超音波画像を生成する。
【0011】
本開示の一側面においては、プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、前記プローブを構成する振動子から受信する信号または前記振動子へ送信する信号を処理する信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記信号処理部の信号処理パラメータが制御される。
【0012】
本開示の他の側面においては、プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、前記プローブを構成する振動子から受信する信号または前記振動子へ送信する信号を処理する信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記信号処理部の信号処理パラメータが制御され、処理された信号が送信される。そして、送信された信号が受信され、受信された信号に基づいて、超音波画像が生成される。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、超音波画像を生成する場合に、信号処理を行う際に必要となる電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本技術を適用した信号処理システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】受信側処理を行う場合のプローブユニットの構成例を示すブロック図である。
【図3】送信側処理を行う場合のプローブユニットの構成例を示すブロック図である。
【図4】プローブユニットの動きを説明する図である。
【図5】センサの出力と信号処理パラメータの制御の関係を示す図である。
【図6】プローブユニットの超音波受信処理の例を説明するフローチャートである。
【図7】受信表示装置の受信表示処理の例を説明するフローチャートである。
【図8】プローブユニットの超音波送信処理の例を説明するフローチャートである
【図9】プローブユニットにおける制御処理の例を説明するフローチャートである。
【図10】プローブユニットの他の構成例を示すブロック図である。
【図11】プローブの構成例を示す模式図である。
【図12】プローブユニットの超音波送受信処理の例を説明するフローチャートである。
【図13】プローブユニットにおける制御処理の例を説明するフローチャートである。
【図14】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(加速度センサを内蔵するプローブ)
2.第2の実施の形態(角度センサを内蔵するプローブ)
【0016】
<第1の実施の形態>
[信号処理システムの構成例]
図1は、本技術を適用した信号処理システムの構成例を示す図である。
【0017】
図1に示される信号処理システム101は、超音波を用いて被写体の内部の画像(すなわち、超音波画像)を撮影し、表示する装置である。信号処理システム101は、例えば、医療用として患者の身体の内部や胎児などの撮影に用いられたり、工業用として製品の内部の断面などの撮影に用いられたりする。
【0018】
信号処理システム101は、プローブユニット111と受信表示装置112を含むように構成されている。プローブユニット111と受信表示装置112は、例えば、無線通信によりデータの送受を行う。なお、無線の方式は、データを送受信するのに十分な帯域が確保できれば、特に限定されない。また、通信の方式は、無線に限らず、有線であってもよい。
【0019】
プローブユニット111は、プローブ120および信号処理ブロック122により構成される。プローブ120は、被写体の皮膚などに押しつけられる部位であり、内部に、超音波のトランスデューサと呼ばれる複数の振動子121を含むように構成される。プローブ120は、例えば、64chや128chの振動子121で構成される。なお、プローブ120に含まれる振動子121の数は限定されない。
【0020】
振動子121は、信号処理ブロック122からの信号に基づいて、被写体に対して超音波ビーム(以下、送信波とも称する)を送信する。振動子121は、被写体からの反射波(以下、受信波とも称する)を受信し、受信した信号を信号処理ブロック122に供給する。
【0021】
信号処理ブロック122は、振動子121からの信号または振動子121への信号を処理するブロックである。信号処理ブロック122は、変換部131、フロントエンド信号処理部132、および無線IF(インタフェース)133を含むように構成される。
【0022】
変換部131は、後述する図2のAD(Analog/Digital)変換部162および図3のDA(Digital /Analog)変換部182を含むように構成されている。変換部131は、振動子121からの反射波をデジタルデータに変換し、変換したデジタルデータをフロントエンド信号処理部132に供給する。変換部131は、フロントエンド信号処理部132からのデジタルデータをアナログ信号に変換し、変換したアナログ信号を振動子121に供給する。
【0023】
フロントエンド信号処理部132は、変換部131からのデジタルデータに対して、ビームフォーミング処理、信号圧縮処理、およびエラー訂正処理などの信号処理を行い、処理後のデータを、無線IF133に供給する。フロントエンド信号処理部132は、振動子121が送信する送信波のもとになるデジタルデータを生成し、生成したデジタルデータを、変換部131に供給する。
【0024】
無線IF133は、フロントエンド信号処理部132からのデータを、無線通信により、受信表示装置112に送信する。
【0025】
受信表示装置112は、無線IF141、バックエンド信号処理部142、および表示部143を含むように構成される。
【0026】
無線IF141は、プローブユニット111からのデータを受信し、バックエンド信号処理部142に供給する。
【0027】
バックエンド信号処理部142は、無線IF141からの送信された圧縮データを復号する。バックエンド信号処理部142は、復号したデータに基づいて、被写体の内部を示す超音波画像を生成する。バックエンド信号処理部142は、生成した超音波画像を、表示部143に供給する。
【0028】
表示部143は、バックエンド信号処理部142により生成された超音波画像を表示する。
【0029】
なお、図1の例において、プローブユニット111の構成は、単純化して示されたものであり、本技術と関連が薄い処理部や機械部などに関しては省略されている。
【0030】
[受信側処理の場合のプローブユニットの構成例]
図2は、超音波の受信側処理を行う場合のプローブユニットの構成例を示す図である。
【0031】
図2の例においては、プローブユニット111は、振動子121、信号処理ブロック122、加速度センサ151、圧力センサ152、制御部153、並びに電池ユニット154を含むように構成されている。
【0032】
超音波の受信側処理を行う場合の信号処理ブロック122は、スイッチ部161、AD変換部162、信号処理部163、信号圧縮部164、および送信部165を含むように構成されている。図2の信号処理ブロック122のうち、信号処理部163、信号圧縮部164、および送信部165は、図1のフロントエンド信号処理部132に対応している。
【0033】
振動子121は、被写体からの反射波を受信し、受信した信号を、信号処理ブロック122のスイッチ部161に供給する。
【0034】
スイッチ部161は、制御部153の制御のもと、振動子121の各振動子で受信された信号のうち、どの信号を読み出すかを選択する。振動子121が、例えば、128chの振動子からなり、そのうち、例えば、32chの信号を読み出す場合、スイッチ部161は、128chのうち、どの32chの信号を読み出すかを選択する。スイッチ部161は、選択した信号を読み出して、読み出した信号をAD変換部162に供給する。
【0035】
AD変換部162は、制御部153の制御のもと、スイッチ部161からの信号に対して、AD変換を行う。AD変換部162は、AD変換後のデジタルデータを、信号処理部163に供給する。
【0036】
信号処理部163は、制御部153の制御のもと、AD変換部162からのデジタルデータに対して、ビームフォーミング処理を行う。信号処理部163は、必要に応じて、ビームフォーミング後のデータ(以下、RFデータとも称する)に対し、画像強調およびノイズリダクションなどの信号処理も行う。信号処理部163は、処理後のデータを、信号圧縮部164に供給する。
【0037】
信号圧縮部164は、制御部153の制御のもと、信号処理部163からのデジタルデータを所定の圧縮形式で圧縮する。信号圧縮部164は、圧縮後のデータを、送信部165に供給する。なお、圧縮形式は限定されない。
【0038】
送信部165は、制御部153の制御のもと、信号圧縮部164からのデータに対して、伝送エラー補償のための冗長なエラー訂正符号の追加などを行い、図1の無線IF133を介して、受信表示装置112に対して送信する。送信部165は、伝送エラーを補償するために、送信するデータを再送する。
【0039】
加速度センサ151は、プローブ120内またはプローブユニット111内に設けられる。加速度センサ151は、ユーザによるプローブ120の動きを検出し、検出したプローブ120の動きの特徴を示す情報である動きパラメータを、制御部153に供給する。例えば、加速度センサ151は、プローブ120の速度という動きの特徴を示す動きパラメータを制御部153に供給する。なお、動きパラメータは、プローブ120の移動量や動きの大きさなど、動きの特徴を示すものであれば速度に限らない。
【0040】
圧力センサ152は、プローブ120内の、被写体の肌との接触面に設けられる。圧力センサ152は、プローブ120に被写体の肌などが押しつけられた圧力を検出し、検出した圧力の情報を、制御部153に供給する。
【0041】
電池ユニット154は、充電式の電池などからなり、プローブユニット111の各部に電力を供給している。
【0042】
この電池ユニット154に蓄積される電力の消費を抑えるため、制御部153は、加速度センサ151および圧力センサ152により検出された情報に応じて、信号処理ブロック122を構成する各部の動作を制御する。すなわち、制御部153は、加速度センサ151および圧力センサ152により検出された情報に応じて、信号処理ブロック122を構成する各部のパフォーマンスを下げるように、信号処理ブロック122を構成する各部の処理パラメータを変更させる。
【0043】
なお、本開示で言うパフォーマンスは、処理スピード、動作クロック(周波数)、データの転送速度、各処理に割り当てるプロセッサの使用コア数、およびソフトウエア処理のスレッド数などを意味する。
【0044】
すなわち、パフォーマンスを下げるとは、処理スピードを遅くする、動作クロックを下げる、転送速度を遅くする、プロセッサの使用コア数を少なくする、スレッド数を減らすというように、消費電力を下げるようにすることを意味している。パフォーマンスを下げることは、より具体的には、信号処理ブロック122を構成する各部の処理パラメータを、消費電力を下げるように制御することを意味する。
【0045】
信号処理の処理パラメータは、以下に詳しく後述するが、信号処理ブロック122においては、例えば、外部信号処理パラメータ、超音波信号処理パラメータ、および内部信号処理パラメータなどがある。外部信号処理パラメータは、伝送に関する信号処理を行う際に用いられるパラメータである。超音波信号処理パラメータは、超音波処理に関する信号処理を行う際に用いられるパラメータであり、内部信号処理パラメータは、ADまたはDA変換に関する信号処理を行う際に用いられるパラメータである。
【0046】
図2に戻って、制御部153は、例えば、スイッチ部161を制御し、受信に利用する振動子121の数を変更させる。受信信号のSNを上げるため、複数の振動子121からの情報を用いるのは一般的である。その受信に利用する振動子121のチャンネル数を減らすことによって、後段の信号処理部163における演算処理量を減らすことができる。その結果、消費電力を削減することができる。
【0047】
制御部153は、例えば、AD変換部162を制御し、受信された各チャンネルのアナログ信号を、デジタルデータに変換するときのサンプリング周波数またはデジタルデータのビット長を変更させる。
【0048】
なお、信号処理システム101は、医用画像の診断支援システムCAD(Computer Aided Diagnosis)に用いられることがある。サンプリング周波数を高くサンプリングすれば、得られる信号の情報量が上がり、より高精度なビームフォーミングが行えるようになり、結果、画質が向上する。したがって、サンプリング周波数を高くサンプリングすることは、CADでの診断能力の向上につながる。
【0049】
しかしながら、AD変換の周波数が高いことは、データの増大を招き、その後の信号処理の量にも影響してしまう。CADに用いられない場合、すなわち、通常の診断などの場合、それほどの画質は必要ない。したがって、通常の診断などの際に、サンプリング周波数を落とすことは、AD変換部162そのものの消費電力を削減するとともに、信号処理の演算処理量を減らすことができる。その結果、消費電力を削減することができる。AD変換部162において、デジタルデータのビット長を短くすることも、サンプリング周波数を落とすことと同様の効果を得ることができる。
【0050】
制御部153は、例えば、信号処理部163を制御し、ビームフォーミングを行う際のパラメータのうち、電力に関係するパラメータである、受信フォーカスの点数、またはRFデータのサンプリング周波数などを変更させる。
【0051】
受信フォーカス点数を減らしたり、RFデータのサンプリング周波数を下げたりすることにより、処理自体の削減、後段に渡るデータ量の削減ができ、その結果、消費電力を削減することができる。
【0052】
なお、信号処理部163における画像強調およびノイズリダクションなどの信号処理のON/OFFや、アルゴリズムの複雑さの制御なども、電力に影響する。制御部153は、これらも制御するようにしてもよい。
【0053】
制御部153は、例えば、信号圧縮部164を制御し、圧縮率を変更させる。データの圧縮率を高くすることにより、プローブユニット111から受信表示装置112に対して送信すべきデータ量が削減され、その結果、送信電力を抑制することができる。
【0054】
制御部153は、例えば、送信部165を制御し、エラー訂正符号の付加の強度やその有無を変更させる。エラー訂正の強度を下げたり、または、エラー訂正機能そのものを使用しないことにより、送出に要する電力量を削減することができる。また、送信部165に対して、受信表示装置112との協調動作で生じるデータの再送要求の受諾を拒否に変更させることも、電力量の削減につながる。
【0055】
[送信側処理の場合のプローブユニットの構成例]
図3は、送信側処理を行う場合のプローブユニットの構成例を示す図である。
【0056】
図3の例においては、プローブユニット111は、図2のプローブユニット111と同様に、振動子121、信号処理ブロック122、加速度センサ151、圧力センサ152、制御部153、並びに電池ユニット154を含むように構成されている。なお、対応する部には、対応する符号が付してあり、その説明は繰り返しになるので適宜省略される。
【0057】
超音波の送信側処理を行う場合の信号処理ブロック122は、図2の信号処理ブロック122と異なり、スイッチ部181、DA変換部182、および信号処理部183を含むように構成されている。図3の信号処理ブロック122のうち、信号処理部183は、図1のフロントエンド信号処理部132に対応している。
【0058】
スイッチ部181は、DA変換部182からのアナログ信号に基づいて、振動子121を選択する。すなわち、スイッチ部181は、振動子121を構成する複数の振動子のうち、動作させる振動子の組み合わせを選択する。スイッチ部181は、選択した振動子121を接続し、信号を送出することで、選択した振動子121を振動させる。これにより、振動子121から、被写体に対して超音波ビームが送信される。
【0059】
DA変換部182は、信号処理部183からのデジタルデータを、アナログ信号に変換し、スイッチ部181に供給する。
【0060】
信号処理部183は、振動子121が被写体に対して送信する超音波ビームのもととなるデジタルデータを生成する。信号処理部183は、生成したデジタルデータを、DA変換部182に供給する。
【0061】
図3の例においても、制御部153は、電池ユニット154の電池の消費を抑えるため、加速度センサ151および圧力センサ152により検出された情報に応じて、信号処理ブロック122を構成する各部の動作を制御する。すなわち、制御部153は、加速度センサ151および圧力センサ152により検出された情報に応じて、信号処理ブロック122を構成する各部のパフォーマンスを下げるように、信号処理ブロック122を構成する各部の処理パラメータを変更させる。
【0062】
ただし、図2の受信側処理の場合と異なり、図3の送信側処理の場合、スイッチ部181、DA変換部182、および信号処理部183は、基本的に協働動作を行う。
【0063】
信号処理部183で生成されるデジタルデータは、DA変換部182を通るデジタルデータのビット長、サンプリング周波数、ライン数(動作させる振動子数)を一意に決め、スイッチ部181で接続する(振動させる)振動子121の組み合わせをも決定する。
【0064】
換言するに、信号処理部183は、DA変換部182を通るデジタルデータのビット長、サンプリング周波数、ライン数、並びに、スイッチ部181で接続する振動子121の組み合わせを一意に決め、決めたパラメータの組み合わせで、デジタルデータを生成する。
【0065】
したがって、送信側処理の場合、制御部153は、信号処理部183を制御し、DA変換部182を通るデジタルデータのビット長、サンプリング周波数、ライン数、並びに、スイッチ部181で接続する振動子121の組み合わせなどを変更させる。
【0066】
信号処理部183において、デジタルデータのビット長を短く、または、サンプリング周波数を低く変更することにより、DA変換処理を減らすことができる。また、ライン数を減らすことにより、超音波送出に係る電力を減らすことができる。
【0067】
以上のように、制御部153は、超音波の送信側処理においても、超音波の受信側処理においても、電池ユニット154の電池の消費を抑えるため、信号処理ブロック122を構成する各信号処理部のパフォーマンスを下げさせる。
【0068】
このとき、制御部153は、圧力センサ152により検出された圧力の情報に応じて、信号処理ブロック122を構成する各部のオン、オフを制御する。制御部153は、加速度センサ151により検出された動きの情報である動きパラメータの大きさに応じて、信号処理ブロック122を構成する各部のパラメータのパフォーマンスを変更させる。
【0069】
[プローブの動きの例]
図4は、プローブの動きを説明する図である。
【0070】
ユーザは、プローブ120を含むプローブユニット111を持って、プローブ120を被写体上に押し付けながら動かし、受信表示装置112に表示される超音波画像を確認する。その際、ユーザによるプローブ120の動きパターンは、大きく、以下の2通りにわけられる。
【0071】
被写体上において、プローブ120の位置が詳細を見たいポイントに近づいている場合、図4Aに示されるように、ユーザは、プローブユニット111を狭い範囲で小さく、遅く動かす傾向がある。すなわち、プローブ120の動きが小さい、速度が遅い、または、移動量が少ない場合、プローブ120の位置は詳細を見たいポイントに近づいている可能性が高い。したがって、このような場合、画像品質はできるだけ高いことが望まれる。
【0072】
一方、詳細を見たいポイントを広い範囲で探している場合、図4Bに示されるように、ユーザは、プローブユニット111を広い範囲で大きく、速く動かす傾向がある。すなわち、プローブ120の動きが大きい、速度が速い、または、移動量が多い場合、ユーザは詳細を見たいポイントを探している可能性が高い。したがって、このような場合、画像品質は、図4Aの場合よりも低くてもよい。
【0073】
以上のことから、制御部153は、プローブ120の動きの情報である動きパラメータ(速度、移動量、または動きの大きさなど)が大きい場合、信号処理ブロック122を構成する各部の処理パラメータのパフォーマンスを下げるように、各部の処理パラメータを変更させる。
【0074】
一方、制御部153は、プローブ120の動きの情報である動きパラメータ(速度、移動量、または動きの大きさなど)が小さい場合、信号処理ブロック122を構成する各部の処理パラメータのパフォーマンスを標準に戻す(または上げる)ように、各部の処理パラメータを変更させる。
【0075】
これにより、信号処理システム101を用いての診断の途中であっても、消費電力を削減することができるので、結果、プローブユニット111に備えられる電池ユニット154に蓄積された電力の持ちを長くすることができる。
【0076】
なお、ユーザがプローブユニット111を持って動かすことで、プローブ120も動く。したがって、以下、プローブ120の動きとプローブユニット111の動きは、同意であるとして説明する。
【0077】
[パラメータの組み合わせの例]
図5は、センサの出力と各部のパラメータの制御の関係を示す図である。
【0078】
図5の例において、左から1列目は、処理パラメータの組み合わせパターンの番号を示している。左から2列目と3列目は、センサからの出力の度合いを示している。左から4列目乃至11列目は、信号処理ブロック122の各部の処理パラメータの制御状況を示している。右から1列目は、センサの出力と制御の結果を示している。
【0079】
具体的には、左から2列目は、圧力センサ152からの振動子への圧力の有無を示している。左から3列目は、加速度センサ151からのプローブ120の動きのパラメータである速度の度合いを示している。
【0080】
左から4列目乃至11列目は、左から順に、4つの無線伝送パラメータ、2つの超音波送受パラメータ、および2つの内部信号処理パラメータの制御状況を示している。
【0081】
これらのパラメータの並び順は、画質への影響の度合いを示しており、左側に配置されているパラメータほど、画質への影響が大きいパラメータであることを示している。一方、右側に配置されているパラメータほど、画質への影響が小さいパラメータであることを示している。すなわち、無線伝送パラメータ、超音波送受パラメータ、内部信号処理パラメータのうち、無線伝送パラメータが最も画質への影響が大きいパラメータであり、内部信号処理パラメータが最も画質への影響が小さいパラメータとなっている。
【0082】
無線伝送パラメータは、外部との伝送に関する信号処理を行う際に用いる信号処理パラメータである。図5の例の場合、フレームレート、解像度、ビットレート、およびエラー訂正は、無線伝送パラメータに含まれる。なお、4つの処理パラメータのうち、フレームレートが最も画質への影響が大きいパラメータであり、エラー訂正が最も画質への影響が小さいパラメータとなっている。
【0083】
この無線伝送パラメータは、受信側処理においてのみ必要とされる。フレームレートおよび解像度は、信号処理部163の処理パラメータである。ビットレートは、信号圧縮部164の処理パラメータであり、エラー訂正は、送信部165の処理パラメータである。
【0084】
超音波送受パラメータは、超音波処理に関する信号処理を行う際に用いる超音波信号処理パラメータである。図5の例の場合、送出ビーム数および受信/送信振動子数は、超音波送受パラメータに含まれる。送出ビーム数は、受信/送信振動子数よりも画質への影響が大きいパラメータである。
【0085】
送出ビーム数および受信/送信振動子数は、受信側処理の場合、スイッチ部161の処理パラメータであり、送信側処理の場合、信号処理部183の処理パラメータである。
【0086】
内部信号処理パラメータは、ADまたはDA変換に関する信号処理を行う際に用いる信号処理パラメータである。図5の例の場合、ADビット長およびADサンプリングレート(サンプリング周波数)は、内部信号処理パラメータに含まれる。ADサンプリングレートは、ADビット長よりも画質への影響が小さいパラメータである。
【0087】
ADビット長およびADサンプリングレートは、受信側処理の場合、AD変換部162の処理パラメータであり、送信側処理の場合、信号処理部183の処理パラメータである。
【0088】
ここで、図5に示される×印は、処理パラメータが対応する機能(処理部)のオフを示している。△印は、処理パラメータを、標準より弱く、小さく、少なく、電力を消費しない、すなわち、パフォーマンスを下げるように制御されることを示している。○印は、処理パラメータが標準動作するように制御されることを示している。
【0089】
以下、図5を参照して制御部153の制御処理について具体的に説明する。例えば、制御部153は、圧力センサ152の出力を用い、プローブユニット111のプローブ120が人体(皮膚)に触れているか否かを判定する。触れていないと判定された場合、組み合わせパターン0の×印に示されるように、制御部153は、信号処理ブロック122のあらゆる機能をオフにして消費電力を削減する。すなわち、組み合わせパターン0は、プローブユニット111のOFFとほぼ等価と判定されるパターンである。
【0090】
圧力センサ152の出力から、何らかの圧力がかかっていると判定された場合、すなわち、プローブユニット111のプローブ120が何かに当っている場合、制御部153は、信号処理ブロック122の各部の機能をオンにする。そして、制御部153は、加速度センサ151から得られるプローブ120の動きパラメータとしての速度を基にして、各処理パラメータを制御する。
【0091】
制御部153は、プローブ120の動きパラメータが大きく、すなわち、プローブ120の速度が速くなってくるに従い、画質への影響が小さい処理パラメータから節電(低電力)するように制御する。
【0092】
例えば、制御部153は、9段階のプローブ120の動きパラメータの閾値として速度1乃至速度9を図示せぬメモリに記憶している。これらの速度のうち、速度1は最も速い速度(最速)であり、速度9は最も遅い速度(最低速)である。制御部153は、記憶されている閾値と加速度センサ151からの出力とを比較する。
【0093】
制御部153は、プローブ120の速度が、速度1(最速)以上の速さであると判定した場合、組み合わせパターン1に示されるように、すべての処理パラメータを、パフォーマンスを下げるように制御する。すなわち、組み合わせパターン1は、プローブ120を用いての人体へのジェルなどの塗布であるため、最低限の電力でよいと判定されるパターンである。
【0094】
制御部153は、プローブ120の速度が、速度1より遅く、かつ速度2以上の速さであると判定した場合、組み合わせパターン2に示されるように、フレームレート以外の処理パラメータを、パフォーマンスを下げるように制御する。すなわち、制御部153は、解像度、ビットレート、エラー訂正、送出ビーム数、受信/送信振動数、ADビット長、およびADサンプリングレートを、パフォーマンスを下げるように制御する。
【0095】
制御部153は、プローブ120の速度が、速度2より遅く、かつ速度3以上の速さであると判定した場合、組み合わせパターン3に示されるように、フレームレートと解像度以外の処理パラメータを、パフォーマンスを下げるように制御する。すなわち、制御部153は、ビットレート、エラー訂正、送出ビーム数、受信/送信振動数、ADビット長、およびADサンプリングレートを、パフォーマンスを下げるように制御する。
【0096】
制御部153は、プローブ120の速度が、速度3より遅く、かつ速度4以上の速さであると判定した場合、組み合わせパターン4に示されるように、フレームレート、解像度、およびビットレート以外の処理パラメータを、パフォーマンスを下げるように制御する。すなわち、制御部153は、エラー訂正、送出ビーム数、受信/送信振動数、ADビット長、およびADサンプリングレートを、パフォーマンスを下げるように制御する。
【0097】
制御部153は、プローブ120の速度が、速度4より遅く、かつ速度5以上の速さであると判定した場合、組み合わせパターン5に示されるように制御する。すなわち、制御部153は、フレームレート、解像度、ビットレート、およびエラー訂正以外の処理パラメータを、パフォーマンスを下げるように制御する。制御部153は、送出ビーム数、受信/送信振動数、ADビット長、およびADサンプリングレートを、パフォーマンスを下げるように制御する。
【0098】
制御部153は、プローブ120の速度が、速度5より遅く、かつ速度6以上の速さであると判定した場合、組み合わせパターン6に示されるように、受信/送信振動数、ADビット長、およびADサンプリングレートを、パフォーマンスを下げるように制御する。すなわち、制御部153は、フレームレート、解像度、ビットレート、エラー訂正、および送出ビーム数以外の処理パラメータを、パフォーマンスを下げるように制御する。
【0099】
制御部153は、プローブ120の速度が、速度6より遅く、かつ速度7以上の速さであると判定した場合、組み合わせパターン7に示されるように、ADビット長、およびADサンプリングレートを、パフォーマンスを下げるように制御する。すなわち、制御部153は、フレームレート、解像度、ビットレート、エラー訂正、送出ビーム数、および受信/送信振動数以外の処理パラメータを、パフォーマンスを下げるように制御する。
【0100】
制御部153は、プローブ120の速度が、速度7より遅く、かつ速度8以上の速さであると判定した場合、組み合わせパターン8に示されるように、ADサンプリングレートを、パフォーマンスを下げるように制御する。すなわち、制御部153は、フレームレート、解像度、ビットレート、エラー訂正、送出ビーム数、受信/送信振動数、およびADビット長以外の処理パラメータを、パフォーマンスを下げるように制御する。
【0101】
制御部153は、プローブ120の速度が、速度8より遅く、かつ速度9(最低速)以上の速さであると判定した場合、組み合わせパターン9に示されるように、すべての処理パラメータを、標準動作するように制御する。
【0102】
以上のように、制御部153は、プローブ120の速度が速く(すなわち、動きパラメータが大きく)なってくるにつれて、画質への影響が小さい処理パラメータから徐々に節電するように制御する。
【0103】
なお、図5の例においては、圧力があるとされた場合の制御が、組み合わせパターン1乃至9の9段階に分けて示されているが、図5の例は、各処理パラメータを2値(○印と△印)で制御した場合の一例である。実際には、処理パラメータをリニアに変化させることにより、制御部153は、無段階に制御することが可能である。
【0104】
また、図5の例においては、各処理パラメータを画質への影響度に並べ、順に画質を落とす制御を加える方式を示しているが、各処理パラメータは、独立に制御してもよい。なお、制御部153が、超音波信号処理パラメータ、外部信号処理パラメータ、内部信号処理パラメータに対して、例えば、図5の例に示されるような優先度を設定して、制御するようにしてもよい。
【0105】
さらに、信号処理システム101においては、ユーザからの要求により敢えて制御しない(パフォーマンスを落とさない)パラメータを選ぶことや、制御する順番を変更することができるようにしてもよい。また、処理パラメータは、図5に示したパラメータに限らない。本技術は、振動子から受信する信号または振動子へ送信する信号を処理するためのパラメータであれば、どのようなパラメータにも適用される。
【0106】
図5の例においては、プローブ120の速度を判定基準に用いているが、上述したように、動きパラメータは、速度に限定されない。加速度センサ151からの出力から得られる値であれば、加速度やプローブ120の単位時間あたりの移動量などを基準として用いてもよい。また、センサは、加速度センサ151に限らない。
【0107】
[超音波受信処理の流れ]
次に、図6のフローチャートを参照して、プローブユニット111の超音波受信処理について説明する。
【0108】
ステップS111において、振動子121は、被写体からの反射波を受信する。振動子121は、受信した信号を、信号処理ブロック122のスイッチ部161に供給する。
【0109】
ステップS112において、スイッチ部161は、信号を選択する。すなわち、スイッチ部161は、振動子121の各振動子で受信された信号のうち、どの信号を読み出すかを選択する。このときの受信振動子数は、制御部153により加速度センサ151からの動きパラメータの大きさに応じて制御される。スイッチ部161は、選択した信号を読み出して、AD変換部162に供給する。
【0110】
ステップS113において、AD変換部162は、スイッチ部161からの信号に対して、所定のサンプリングレートでAD変換を行う。このときのAD(デジタルデータ)ビット長およびADサンプリングレートは、制御部153により加速度センサ151からの動きパラメータの大きさに応じて制御される。AD変換部162は、AD変換後のデジタルデータを、信号処理部163に供給する。
【0111】
ステップS114において、信号処理部163は、AD変換部162からのデジタルデータに対して、ビームフォーミング処理を行う。信号処理部163は、制御部153の制御のもと、RFデータに対し、画像強調およびノイズリダクションなどの信号処理も行う。このときのフレームレートおよび解像度は、制御部153により加速度センサ151からの動きパラメータの大きさに応じて制御される。画像強調およびノイズリダクションなどの処理も、制御部153により加速度センサ151からの動きパラメータの大きさに応じて制御される。信号処理部163は、処理後のデータを、信号圧縮部164に供給する。
【0112】
ステップS115において、信号圧縮部164は、信号処理部163からのデジタルデータを所定の圧縮形式で圧縮する。このときのビットレートは、制御部153により加速度センサ151からの動きパラメータの大きさに応じて制御される。信号圧縮部164は、圧縮後のデータを、送信部165に供給する。
【0113】
ステップS116において、送信部165は、信号圧縮部164からのデータに対して、伝送エラー補償のための冗長なエラー訂正符号の追加などを行い、無線IF133を介して、受信表示装置112に対して送信する。このときのエラー訂正の追加などは、制御部153により加速度センサ151からの動きパラメータの大きさに応じて制御される。
【0114】
以上のようにして、プローブユニット111から、受信された超音波に対して信号処理が施されたデータが、無線通信を介して受信表示装置112に送信される。
【0115】
[受信表示処理の流れ]
次に、図7のフローチャートを参照して、受信表示装置112の受信表示処理について説明する。
【0116】
ステップS121において、無線IF141は、上述した図6のステップS116において送信されたデータを受信する。無線IF141は、受信したデータを、バックエンド信号処理部142に供給する。
【0117】
ステップS122において、バックエンド信号処理部142は、無線IF141からの圧縮されているデータを、信号圧縮部164の圧縮に対応する方法で復号し、被写体の内部を示す超音波画像を生成する。バックエンド信号処理部142は、生成した超音波画像を、表示部143に供給する。
【0118】
ステップS123において、表示部143は、超音波画像を表示する。
【0119】
以上のようにして、受信表示装置112においては、プローブユニット111により超音波受信されたデータに対応する超音波画像が表示される。
【0120】
[超音波送信処理の流れ]
次に、図8のフローチャートを参照して、プローブユニット111の超音波送信処理について説明する。
【0121】
ステップS131において、信号処理部183は、制御部153の制御のもと、振動子121が被写体に対して送信する超音波ビームのもととなるデジタルデータを生成する。
【0122】
すなわち、信号処理部183は、DA変換部182を通るデジタルデータのビット長、サンプリング周波数、ライン数、並びに、スイッチ部181で接続する振動子121の組み合わせを一意に決め、決めたパラメータの組み合わせで、デジタルデータを生成する。このときの各処理パラメータは、制御部153により加速度センサ151からの動きパラメータの大きさに応じて制御される。
【0123】
信号処理部183は、生成したデジタルデータを、DA変換部182に供給する。
【0124】
ステップS132において、DA変換部182は、DA変換を行う。すなわち、DA変換部182は、信号処理部183からのデジタルデータを、アナログ信号に変換し、スイッチ部181に供給する。
【0125】
ステップS133において、振動子121は、被写体に対して超音波ビームを送信する。すなわち、スイッチ部181は、DA変換部182からのアナログ信号に基づいて、振動子121を選択する。スイッチ部181は、選択した振動子121を接続し、信号を送出することで、選択した振動子121を振動させる。これにより、振動子121から、被写体に対して超音波ビームが送信される。
【0126】
以上のようにして、プローブユニット111においては、被写体に対して超音波ビームが送信される。
【0127】
[制御処理の流れ]
次に、図9のフローチャートを参照して、プローブユニット111における制御処理について説明する。
【0128】
圧力センサ152からの圧力の情報は、制御部153に入力される。制御部153は、ステップS151において、プローブ120に対して圧力がかかっているか否かを判定する。ステップS151において、圧力がかかっていると判定された場合、処理は、ステップS152に進む。すなわち、ステップS152は、プローブ120が診断に用いられていると判定された場合の処理である。
【0129】
加速度センサ151は、プローブ120の動きを検出し、検出した動きの情報である動きパラメータを、制御部153に供給している。ステップS152において、制御部153は、加速度センサ151からの動きパラメータを取得する。ステップS153において、制御部153は、取得した動きパラメータの大きさに応じて、例えば、図5を参照して上述したように、パフォーマンスを下げるように制御する処理パラメータを決定する。
【0130】
ステップS154において、制御部153は、ステップS153の処理により決定された処理パラメータを、パフォーマンスを下げるように制御する。これにより、信号処理ブロック122の各部のうち、その処理パラメータを用いて信号を処理する部が制御される。このとき、ステップS153の処理により決定されなかった処理パラメータは、標準動作するように制御される。
【0131】
一方、ステップS151において、圧力がかかっていると判定された場合、処理は、ステップS155に進む。すなわち、ステップS155は、プローブ120が診断に用いられていないと判定された場合の処理である。
【0132】
ステップS155において、制御部153は、信号処理ブロック122のすべての機能(各部)をOFFにして、消費電力を削減する。
【0133】
なお、このとき、制御部153はON状態であるので、次の制御処理のステップS151において、圧力がかかっていると判定された場合、信号処理ブロック122の機能がONされ、それ以降の処理が繰り返される。
【0134】
以上のように、ユーザによるプローブユニット111(プローブ120)の動きによって、ユーザの必要とする超音波画像の画質がわかる。このことから、プローブユニット111は、プローブ120の動きに応じて、信号処理ブロック122の各部の処理を制御する。特に、プローブユニット111は、プローブ120の動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、信号処理のパフォーマンスを下げるように制御する。
【0135】
したがって、ユーザが、プローブユニット111を用い、例えば、超音波画像を撮影する場所をより明確に見るため、ゆっくりまたは小さく動かしている場合には、電力消費の抑制よりも優先的に、画像の品質を向上させることができる。
【0136】
一方、ユーザが、プローブユニット111を用い、例えば、身体上のおおまかな場所からポイントを探るため、速く、または大きく動かしている場合には、画像の品質よりも優先的に、消費電力を抑えることができる。
【0137】
これにより、プローブユニット111が診断に用いられている場合であっても、プローブユニット111における電池ユニット154の消費電力を抑えることができる。その結果、電池ユニット154の電力の持ちを長くすることができる。
【0138】
なお、図9の例においては、圧力センサ152からの出力を、人体に当てているか否かの判定基準に用いているが、例えば、受信された超音波の深度からのエコー強度を用いて、人体に当てているか否かを判定することも可能である。これは、プローブの接触表面が空気に触れている、すなわち、ジェルなどを経由して人体に触れていない場合、その空気との境界面で超音波がすべて反射してしまうため、深部(プローブから離れた遠方)からのエコーが観測できないことを利用できるからである。
【0139】
<第2の実施の形態>
[プローブユニットの構成例]
図10は、図1のプローブユニットの他の構成例を示す図である。
【0140】
プローブユニット201は、プローブ211a、プローブ211b、回転軸212、角度センサ213、制御部214、信号処理ブロック215、および電池ユニット216を含むように構成される。
【0141】
信号処理ブロック215は、図1の信号処理ブロック122に相当するブロックである。信号処理ブロック215は、送受信切替部221、送信BF(ビームフォーミング)部222、受信BF(ビームフォーミング)部223、遅延計算部224、信号圧縮部225、および送信部226を含むように構成される。
【0142】
プローブ211aは、図11に示されるように、振動子251a−1乃至251a−4を備えている。振動子251a−1乃至251a−4はそれぞれ、送信BF部222の制御の下に超音波の送信を行う。また、振動子251a−1乃至251a−4は、送信した超音波に対する反射波を受信し、受信した反射波の強度を示す受信信号を、送受信切替部221を介して受信BF部223に供給する。
【0143】
プローブ211bは、図11に示されるように、プローブ211aと同様の構成を有しており、振動子251b−1乃至251b−4を備えている。振動子251b−1乃至251b−4はそれぞれ、送信BF部222の制御の下に超音波の送信を行う。また、振動子251b−1乃至251b−4は、送信した超音波に対する反射波を受信し、受信した反射波の強度を示す受信信号を、送受信切替部221を介して受信BF部223に供給する。
【0144】
プローブ211aとプローブ211bは、2つで図1のプローブ120に相当する。プローブ211aとプローブ211bは、回転軸212を含むヒンジ構造により連結されており、回転軸212を支点にして、プローブ211aとプローブ211bの間の相対角度を変化させることができる。その結果、プローブ211aの振動子251a−1乃至251a−4と、プローブ211bの振動子251b−1乃至251b−4との間の相対位置が変化する。
【0145】
なお、以下、プローブ211aとプローブ211bを個々に区別する必要がない場合、単にプローブ211と称する。また、振動子251a−1乃至251a−4を個々に区別する必要がない場合、単に振動子251aと称し、振動子251b−1乃至251b−4を個々に区別する必要がない場合、単に振動子251bと称する。さらに、振動子251a−1乃至251b−4を個々に区別する必要がない場合、単に振動子251と称する。
【0146】
また、回転軸212には、角度センサ213が内蔵されている。角度センサ213は、回転軸212の回転角を検出し、検出した回転角を示すセンサ信号を、制御部214および遅延計算部224に供給する。
【0147】
ここで、回転軸212は、プローブ211が動くことにより回転するものである。ユーザが、プローブユニット201を用い、例えば、超音波画像を撮影する場所をより明確に見るため、ゆっくりまたは小さく動かしている場合には、角度センサ213により検出される回転角の変化が少ない。一方、ユーザが、プローブユニット201を用い、例えば、身体上のおおまかな場所からポイントを探るため、速く、または大きく動かしている場合には、角度センサ213により検出される回転角の変化が大きい。すなわち、この角度センサ213により検出される回転角は、プローブ211の動きの特徴を示す動きパラメータの1つである。
【0148】
制御部214は、角度センサ213により検出された動きパラメータ(例えば、回転角の変化の大きさ)に応じて、信号処理ブロック215の各部を制御する。
【0149】
信号処理ブロック215の送受信切替部221は、内蔵するスイッチを切り替えることにより、送信BF部222および受信BF部223のいずれかを選択して、プローブ211に接続する。
【0150】
さらに、送受信切替部221は、図2のスイッチ部161および図3のスイッチ部181に相当する処理も行う。すなわち、送受信切替部221は、送信BF部222を選択した場合、送信BF部222からのアナログ信号に基づいて、動作する振動子251を選択する。送受信切替部221は、受信BF部223を選択した場合、振動子251の各振動子で受信された信号のうち、どの信号を読み出すかを選択する。
【0151】
送信BF部222は、図3のDA変換部182および信号処理部183に相当し、遅延計算部224の制御のもと、送信ビームフォーミングを行い、処理後のRFデータをアナログ信号に変換する。すなわち、送信BF部222は、デジタルデータを生成し、プローブ211の各振動子251からの超音波の送信タイミング等を制御することにより、各振動子251から送信される超音波により形成される超音波ビームの波形を制御する。
【0152】
受信BF部223は、図2のAD変換部162および信号処理部163に相当し、送受信切替部221からの信号に対して、所定のサンプリングレートでAD変換を行い、遅延計算部224の制御のもと、受信ビームフォーミングを行う。すなわち、受信BF部223は、各プローブ211の各振動子251から供給される受信信号を、時間をシフトして合成することにより、被写体の各位置からの反射波の強度を示す信号(以下、反射波検出信号と称する)を生成する。受信BF部223は、生成した反射波検出信号を信号圧縮部225に供給する。
【0153】
受信BF部223は、必要に応じて、ビームフォーミング後のデータ(反射波検出信号)に対し、画像強調およびノイズリダクションなどの信号処理も行う。
【0154】
遅延計算部224は、角度センサ213による回転軸212の回転角の検出結果等に基づいて、プローブ211の各振動子251の送信の遅延時間を示す遅延量(以下、送信遅延量と称する)を計算する。そして、遅延計算部224は、送信遅延量を送信BF部222に供給することにより、送信BF部222による送信ビームフォーミングの制御を行う。
【0155】
遅延計算部224は、角度センサ213による回転軸212の回転角の検出結果等に基づいて、プローブ211の各振動子251の受信の遅延時間を示す遅延量(以下、受信遅延量と称する)を計算する。そして、遅延計算部224は、受信遅延量を受信BF部223に供給することにより、受信BF部223による受信ビームフォーミングの制御を行う。
【0156】
信号圧縮部225は、図2の信号圧縮部164に相当し、受信BF部223から供給されるデジタルデータを所定の圧縮形式で圧縮する。信号圧縮部225は、圧縮後のデータを、送信部226に供給する。
【0157】
送信部226は、図2の送信部165に相当し、信号圧縮部225からのデータに対して、伝送エラー補償のための冗長なエラー訂正符号の追加などを行い、図示せぬ無線IFを介して、図1の受信表示装置112に対して送信する。送信部226は、伝送エラーを補償するために、送信するデータを再送する。
【0158】
電池ユニット216は、充電式の電池などからなり、プローブユニット201の各部に電力を供給している。
【0159】
この電池ユニット216に蓄積された電力の消費を抑えるため、制御部214は、信号処理ブロック215を構成する各部のパフォーマンスを下げるように、信号処理ブロック215を構成する各部の処理パラメータを変更させる。
【0160】
制御部214は、信号処理ブロック215を構成する各部のパフォーマンスを下げるように、例えば、遅延計算部224の機能のオン、オフを制御する。
【0161】
プローブユニット201においては、遅延計算部224が機能している場合、遅延計算部224は、送信BF部222および受信BF部223の制御を行っている。したがって、この場合、制御部214は、遅延計算部224が計算に用いるパラメータを制御することで、送信BF部222および受信BF部223の処理パラメータを制御する。なお、遅延計算部224が機能している場合であっても、制御部214は、上述した図1のプローブユニット111と同様に、送信BF部222および受信BF部223の処理パラメータを制御するようにすることもできる。
【0162】
制御部214は、遅延計算部224を制御し、送信BF部222で用いられる処理パラメータを変更させる。すなわち、制御部214は、遅延計算部224を制御し、有効振動子の数、ライン数(送信焦点位置の設定数)、デジタルデータのビット長およびサンプリング周波数、並びに送受信切替部221で接続する振動子251の組み合わせなどを変更させる。
【0163】
制御部214は、遅延計算部224を制御し、受信BF部223で用いられる処理パラメータを変更させる。すなわち、制御部214は、遅延計算部224を制御し、受信振動子の数、受信フォーカスの点数、RFデータのサンプリング周波数、画像強調およびノイズリダクションの信号処理のON/OFF、およびアルゴリズムの複雑さのパラメータなどを変更させる。
【0164】
一方、遅延計算部224が機能していない場合、制御部214は、上述したプローブユニット111と同様に、送信BF部222および受信BF部223の処理パラメータを制御する。
【0165】
例えば、制御部214は、送受信切替部221を制御し、受信振動子の数を変更させる。制御部214は、送信BF部222を制御し、デジタルデータのビット長、サンプリング周波数、ライン数、並びに、送受信切替部221で接続する振動子251の組み合わせなどを変更させる。
【0166】
制御部214は、受信BF部223を制御し、受信フォーカスの点数、RFデータのサンプリング周波数、画像強調およびノイズリダクションなどの信号処理のON/OFF、およびアルゴリズムの複雑さのパラメータなどを変更させる。
【0167】
さらに、制御部214は、信号圧縮部225を制御し、圧縮率を制御する。制御部214は、送信部226を制御し、エラー訂正符号の付加の強度やその有無を変更させる。
【0168】
[プローブユニットの処理]
次に、図12のフローチャートを参照して、プローブユニット201により実行される超音波送受信処理について説明する。なお、この処理は、例えば、図示せぬ入力部を介して、処理の開始の指令が入力されたとき開始される。
【0169】
ステップS211において、遅延計算部224は、角度センサ213から供給されるセンサ信号に基づいて、プローブ211間の角度を読み取る。
【0170】
ステップS212において、遅延計算部224は、送信遅延量を計算する。
【0171】
ここで、プローブユニット201は、プローブ211の各振動子251により送信される超音波ビーム(送信波)を、所定の走査方向(例えば、放射状あるいは超音波ビームの進行方向に対して垂直方向)に走査する。
【0172】
また、プローブユニット201は、超音波ビームの電子フォーカスを行う。すなわち、プローブユニット201は、超音波ビームの送受信に用いる振動子251(以下、有効振動子と称する)を切り替えるとともに、各有効振動子の送信タイミングを制御し、各有効振動子から送信される超音波の位相を制御する。これにより、有効振動子から送信される超音波により形成される超音波ビームの焦点位置(以下、送信焦点位置と称する)が制御される。
【0173】
なお、1本の走査線について、送信焦点位置を1つ設定して、1回だけ超音波ビームを送信するようにしてもよいし、深度が異なる複数の送信焦点位置を設定して、複数回超音波ビームを送信する多段フォーカスを行うようにしてもよい。ただし、送信焦点位置を多く設定するほど、より詳細な超音波画像を得ることができる一方、超音波ビームの送受信回数が増えるため、フレームレートが低くなる。この送信焦点位置の設定数は、処理パラメータの1つであり、例えば、角度センサ213からの動きパラメータに応じて制御部214により制御される。
【0174】
また、超音波ビームを走査する範囲である走査面の形状は、例えば、ユーザが設定するようにしてもよいし、プローブ211間の角度に基づいて自動的に設定するようにしてもよいし、制御部214により制御されるようにしてもよい。
【0175】
遅延計算部224は、走査線の数、1走査線当たりの送信焦点位置の数などの処理パラメータに基づいて、1フレームの超音波画像の撮影に用いる複数の送信焦点位置を設定する。そして、遅延計算部224は、それらの送信焦点位置の中から、次に送信する超音波ビームの送信焦点位置を選択する。
【0176】
また、遅延計算部224は、選択した送信焦点位置に応じて、次の超音波ビームの送受信に用いる複数の有効振動子を選択する。このとき、有効振動子が、2つのプローブ120にまたがってもよい。
【0177】
なお、有効振動子の数は、処理パラメータの1つであり、角度センサ213からの動きパラメータに応じて制御部214により制御されるが、固定するようにしてもよい。後者の場合、例えば、有効振動子の数が所定の値(例えば、4つ)に固定され、送信焦点位置に応じて、有効振動子の位置がシフトされる。
【0178】
一方、前者の場合、例えば、送信焦点位置に応じて、かつ、角度センサ213からの動きパラメータに応じて、有効振動子の位置だけでなく、有効振動子の数も変更される。例えば、最初に振動子251a−1乃至251a−3の組が有効振動子に設定された後、次の順に、有効振動子の数や位置を変更することが可能である。次の順とは、すなわち、振動子251a−2乃至251a−4の組、振動子251a−4と251b−1の組、振動子251b−1乃至251b−3の組、振動子251b−2乃至251b−4の組の順である。
【0179】
あるいは、常にプローブ211aおよび211bの全ての振動子251を有効振動子に設定するようにすることも可能である。
【0180】
なお、送信に用いる振動子251と受信に用いる振動子251とを必ずしも一致させる必要はない。例えば、送信に用いる振動子251の組み合わせと異なる振動子251の組み合わせにより、超音波ビームの反射波を受信するようにしてもよい。
【0181】
なお、以下では、特に記載がない限り、一例として、同じ振動子251を用いて超音波の送受信を行うものとする。
【0182】
また、遅延計算部224は、プローブ211間の角度、および、既知のジオメトリ情報に基づいて、有効振動子間の相対位置を計算する。ここで、ジオメトリ情報には、例えば、各プローブ211における各振動子251間の距離、回転軸212から各振動子251までの距離等が含まれる。
【0183】
さらに、遅延計算部224は、有効振動子間の相対位置に基づいて、各有効振動子と送信焦点位置との間の距離、あるいは、その距離の差を計算する。
【0184】
そして、遅延計算部224は、各有効振動子から送信される超音波が送信焦点位置に到達する時間の差に基づいて、各有効振動子から超音波を送信するタイミングを遅らせる時間を示す送信遅延量を計算する。すなわち、遅延計算部224は、各有効振動子から送信される超音波により形成される焦点位置が、設定した送信焦点位置と一致するように、各有効振動子に対する送信遅延量を計算する。
【0185】
なお、送信遅延量の計算には、上述したパラメータ以外にも、例えば、表示モードやゲイン設定などの他のパラメータを用いる場合もある。
【0186】
遅延計算部224は、各有効振動子に対する送信遅延量を示す情報を送信BF部222に送信する。
【0187】
ステップS213において、送信BF部222は、送信ビームフォーミングを行う。具体的には、送信BF部222は、遅延計算部224により計算された各有効振動子の送信遅延量に基づいて、各有効振動子から送信する超音波の波形の計算を行う。
【0188】
ステップS214において、プローブユニット201は、超音波ビームを送信する。具体的には、送受信切替部221は、スイッチの位置を送信BF部222側に切り替える。送信BF部222は、送受信切替部221を介して、各有効振動子に制御信号を供給し、ステップS213で計算した波形の超音波を送信させる。
【0189】
そして、各有効振動子から送信される超音波により形成される超音波ビームは、ステップS212で設定した送信焦点位置において焦点を形成する。
【0190】
ステップS215において、プローブユニット111は、反射波を受信する。具体的には、送受信切替部221は、スイッチの位置を受信BF部223側に切り替える。そして、各有効振動子は、ステップS214において送信された超音波ビームに対する反射波を受信する。各有効振動子は、受信した反射波の強度を電気信号に変換し、受信した反射波の強度の時系列の変化を示す受信信号を、送受信切替部221を介して、受信BF部223に供給する。
【0191】
受信BF部223は、例えば、各有効振動子からの受信信号を増幅するとともに、デジタルの信号にAD変換する。なお、このときのAD(デジタルデータ)ビット長およびADサンプリングレートは、制御部214により角度センサ213からの動きパラメータの大きさに応じて制御される。
【0192】
ステップS216において、遅延計算部224は、ステップS211の処理と同様に、プローブ120間の角度を読み取る。
【0193】
ステップS217において、遅延計算部224は、受信遅延量を計算する。
【0194】
ここで、プローブユニット111は、1回の超音波ビームの送信につき、デジタル処理により焦点位置(以下、受信焦点位置と称する)を変えながら、有効振動子により受信される反射波(受信波)の受信を行うダイナミックフォーカスを行う。
【0195】
そこで、遅延計算部224は、ステップS214において送信した超音波ビームの走査線上に、複数の受信焦点位置を設定する。
【0196】
なお、受信焦点位置の設定数は、例えば、要求される画質やフレームレート等に基づいて設定されるが、角度センサ213からの動きパラメータに応じて制御部214により制御されてもよい。なお、通常、受信焦点位置は送信焦点位置より多く設定される。
【0197】
また、遅延計算部224は、プローブ211間の角度、および、既知のジオメトリ情報に基づいて、有効振動子間の相対位置を計算する。そして、遅延計算部224は、有効振動子間の相対位置に基づいて、設定した全ての受信焦点位置について、各有効振動子との間の距離、あるいは、各有効振動子との間の距離の差を計算する。
【0198】
ここで、ある受信焦点位置からの反射波は、その受信焦点位置からの距離に応じた時間差で各有効振動子に到達する。従って、各有効振動子から供給される受信信号を、その時間差を設けて合成することにより、その受信焦点位置からの反射波の強度を示す反射波検出信号を生成することができる。
【0199】
そして、遅延計算部224は、各受信焦点位置について、その受信焦点位置からの反射波が各有効振動子に到達する時間差に基づいて、各有効振動子で生成された受信信号を合成する際の各受信信号の時間方向のシフト量を示す受信遅延量を計算する。
【0200】
ステップS218において、受信BF部223は、受信ビームフォーミングを行う。具体的には、受信BF部223は、受信焦点位置を1つ選択し、選択した受信焦点位置に対する受信遅延量に基づいて、各有効振動子からの受信信号を、時間をシフトして合成する。これにより、選択した受信焦点位置からの反射波の強度を示す反射波検出信号が生成される。
【0201】
受信BF部223は、同様の処理を全ての受信焦点位置について実行する。これにより、現在の走査線上に設定されている各受信焦点位置に対する反射波検出信号が生成される。
【0202】
受信BF部223は、各受信焦点位置における反射波検出信号であるデジタルデータを、信号圧縮部225に送信する。
【0203】
ステップS219において、信号圧縮部225は、受信BF部223からのデジタルデータを所定の圧縮形式で圧縮する。このときのビットレートは、制御部214により角度センサ213の動きパラメータに応じて制御される。信号圧縮部225は、圧縮後のデータを、送信部165に供給する。
【0204】
ステップS220において、送信部226は、信号圧縮部225からのデータに対して、伝送エラー補償のための冗長なエラー訂正符号の追加などを行い、図示せぬ無線IFを介して、図1の受信表示装置112に対して送信する。このときのエラー訂正の追加などは、制御部214により角度センサ213の出力に応じて制御される。
【0205】
以上のようにして、受信表示装置112には、受信された超音波に対して信号処理が施されたデータが、無線通信を介して送信される。これに対応して、受信表示装置112は、図7を参照して上述したようにして、プローブユニット201からのデータを受信し、超音波画像を表示する。
【0206】
[制御処理の流れ]
次に、図13のフローチャートを参照して、プローブユニット201における制御処理について説明する。
【0207】
角度センサ213は、プローブ211の動きを検出し、検出した動きの情報である動きパラメータを制御部214に供給する。ステップS231において、制御部214は、角度センサ213からの動きパラメータを取得する。ステップS232において、制御部214は、取得した動きパラメータに応じて、例えば、図5を参照して上述したように、パフォーマンスを下げるように制御するパラメータを決定する。
【0208】
ステップS233において、制御部214は、ステップS232において決定されたパラメータを、パフォーマンスを下げるように制御する。これにより、信号処理ブロック215の各部のうち、そのパラメータを用いて信号を処理する部が制御される。なお、このとき、ステップS232の処理により決定されなかったパラメータは、標準動作するように制御される。
【0209】
以上のように、ユーザによるプローブユニット201(プローブ211)の動きによって、ユーザの必要とする超音波画像の画質がわかる。このことから、信号処理システム101においては、プローブ211の動きに応じて、信号処理ブロック215の各部の処理を制御するようにした。特に、プローブユニット201においては、プローブ211の動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、信号処理のパフォーマンスを下げるように制御するようにした。
【0210】
したがって、ユーザが、プローブユニット201を用い、例えば、撮像する場所をより明確に見るため、ゆっくり、小さく動かしている場合には、電力消費の抑制よりも優先的に、画像の品質を向上させることができる。
【0211】
一方、ユーザが、プローブユニット201を用い、例えば、身体上のおおまかな場所を探るため、速く、大きく動かしている場合には、画像の品質よりも優先的に、消費電力を抑えることができる。
【0212】
以上により、プローブユニット201における電池ユニット216の持ちを長くすることができる。
【0213】
以上のように、信号処理システム101においては、プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、信号処理のパフォーマンスを下げるように制御するようにした。これにより、診断の最中であっても、積極的に処理部の電力を削減し、結果、プローブユニットの電池の持ちを長くすることができる。
【0214】
また、プローブの温度上昇などを抑えることができる。さらに、プローブの寿命を長くすることができる。
【0215】
なお、上記説明においては、プローブの動きを検出するものとして、加速度センサや角度センサを用いる例を説明したが、プローブの動きを検出するものは、それらのセンサに限定されない。センサは、プローブの動きを検出するできるものであれば、どのようなセンサでもよく、例えば、ジャイロなどであってもよい。
【0216】
また、図1の例においては、受信表示装置112においてデータを受信し、画像を生成する例を説明したが、送信側のプローブユニット111において画像を生成してから圧縮して送信するようにしてもよい。
【0217】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0218】
[コンピュータの構成例]
図14は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0219】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403は、バス404により相互に接続されている。
【0220】
バス404には、さらに、入出力インタフェース405が接続されている。入出力インタフェース405には、入力部406、出力部407、記憶部408、通信部409、およびドライブ410が接続されている。
【0221】
入力部406は、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる。出力部407は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部408は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部409は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ410は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア411を駆動する。
【0222】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU401が、例えば、記憶部408に記憶されているプログラムを入出力インタフェース405及びバス404を介してRAM403にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0223】
コンピュータ(CPU401)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア411に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0224】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア411をドライブ410に装着することにより、入出力インタフェース405を介して、記憶部408にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部409で受信し、記憶部408にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM402や記憶部408に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0225】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0226】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置、ブロック、手段などにより構成される全体的な装置を意味するものである。
【0227】
なお、本開示における実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0228】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有するであれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例また修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0229】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1) プローブを構成する振動子から受信する信号または前記振動子へ送信する信号を処理する信号処理部と、
前記プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、前記信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記信号処理部の信号処理パラメータを制御する制御部と
を備える信号処理装置。
(2) 前記信号処理パラメータは、伝送に関する信号処理を行う際に用いる外部信号処理パラメータ、および超音波処理に関する信号処理を行う際に用いる超音波信号処理パラメータであり、
前記制御部は、前記超音波信号処理パラメータと前記外部信号処理パラメータに対して優先度を設定して、パフォーマンスを下げるように制御する
前記(1)に記載の信号処理装置。
(3) 前記信号処理パラメータは、伝送に関する信号処理を行う際に用いる外部信号処理パラメータ、超音波処理に関する信号処理を行う際に用いる超音波信号処理パラメータ、および、ADまたはDA変換に関する信号処理を行う際に用いる内部信号処理パラメータであり、
前記制御部は、前記超音波信号処理パラメータと前記外部信号処理パラメータと前記内部信号処理パラメータに対して優先度を設定して、パフォーマンスを下げるように制御する
前記(2)に記載の信号処理装置。
(4) 前記信号処理パラメータは、伝送に関する信号処理を行う際に用いる外部信号処理パラメータ、超音波処理に関する信号処理を行う際に用いる超音波信号処理パラメータ、および、ADまたはDA変換に関する信号処理を行う際に用いる内部信号処理パラメータであり、
前記制御部は、前記動きパラメータの大きさに応じて、前記内部信号処理パラメータ、前記超音波信号処理パラメータ、前記外部信号処理パラメータの順に、パフォーマンスを下げるように制御する
前記(3)に記載の信号処理装置。
(5) 前記内部信号処理パラメータは、ADサンプリングレート、およびADビット長であり、
前記制御部は、前記動きパラメータの大きさに応じて、前記ADサンプリングレート、前記ADビット長の順に、パフォーマンスを下げるように制御する
前記(3)または(4)に記載の信号処理装置。
(6) 前記超音波信号処理パラメータは、受信/送信振動子数、および送出ビーム数であり、
前記制御部は、前記動きパラメータの大きさに応じて、前記受信/送信振動子数、前記送出ビーム数の順に、パフォーマンスを下げるように制御する
前記(3)乃至(5)のいずれかに記載の信号処理装置。
(7) 前記外部信号処理パラメータは、エラー訂正、ビットレート、解像度、およびフレームレートであり、
前記制御部は、前記動きパラメータの大きさに応じて、前記エラー訂正、前記ビットレート、前記解像度、前記フレームレートの順に、パフォーマンスを下げるように制御する
前記(3)乃至(6)のいずれかに記載の信号処理装置。
(8) 前記センサにより検出された前記プローブの動きから得られる、複数の前記振動子の相対位置に関する位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御する焦点位置制御部を
さらに備え、
前記制御部は、前記動きパラメータが大きい場合、前記信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記焦点位置制御部が制御に用いるパラメータを制御する
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の信号処理装置。
(9) 前記プローブの動きを検出するセンサを
さらに備える前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の信号処理装置。
(10) プローブを構成する振動子から受信する信号または前記振動子へ送信する信号を処理する信号処理部を備える信号処理装置が、
前記プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、前記信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記信号処理部の信号処理パラメータを制御する
制御方法。
(11) プローブを構成する振動子から受信する信号または前記振動子へ送信する信号を処理する信号処理部と、
前記プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、前記信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記信号処理部の信号処理パラメータを制御する制御部と、
前記信号処理部により処理された信号を送信する送信部と
を備える第1の信号処理装置と、
前記第1の信号処理装置からの信号を受信する受信部と、
前記受信部により受信された信号に基づいて、超音波画像を生成する生成部と
を備える第2の信号処理装置と
からなる信号処理システム。
(12) プローブを構成する振動子から受信する信号または前記振動子へ送信する信号を処理する信号処理部を備える第1の信号処理装置が、
前記プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、前記信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記信号処理部の信号処理パラメータを制御し、
前記振動子から受信する前記信号または前記振動子へ送信する前記信号を処理し、
処理された信号を送信し、
第2の信号処理装置が、
前記第1の信号処理装置からの信号を受信し、
受信された信号に基づいて、超音波画像を生成する
信号処理方法。
【符号の説明】
【0230】
101 信号処理システム, 111 プローブユニット, 112 受信表示装置,120 プローブ, 121 振動子, 122 信号処理ブロック, 131 変換部, 132 フロントエンド信号処理部, 133 無線IF, 151 加速度センサ, 152 圧力センサ, 153 制御部, 154 電池ユニット, 161 スイッチ部, 162 AD変換部, 163 信号処理部, 164 信号圧縮部, 165 送信部, 181 スイッチ部, 182 DA変換部, 183 信号処理部, 201 プローブユニット, 211a,211b プローブ, 212 回転軸, 213 角度センサ, 214 制御部, 215 信号処理ブロック, 216 電池ユニット, 221 送受信切替部, 222 送信BF部, 223 受信BF部, 224 遅延計算部, 225 信号圧縮部, 226 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブを構成する振動子から受信する信号または前記振動子へ送信する信号を処理する信号処理部と、
前記プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、前記信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記信号処理部の信号処理パラメータを制御する制御部と
を備える信号処理装置。
【請求項2】
前記信号処理パラメータは、伝送に関する信号処理を行う際に用いる外部信号処理パラメータ、および超音波処理に関する信号処理を行う際に用いる超音波信号処理パラメータであり、
前記制御部は、前記超音波信号処理パラメータと前記外部信号処理パラメータに対して優先度を設定して、パフォーマンスを下げるように制御する
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記信号処理パラメータは、伝送に関する信号処理を行う際に用いる外部信号処理パラメータ、超音波処理に関する信号処理を行う際に用いる超音波信号処理パラメータ、および、ADまたはDA変換に関する信号処理を行う際に用いる内部信号処理パラメータであり、
前記制御部は、前記超音波信号処理パラメータと前記外部信号処理パラメータと前記内部信号処理パラメータに対して優先度を設定して、パフォーマンスを下げるように制御する
請求項2に記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記信号処理パラメータは、伝送に関する信号処理を行う際に用いる外部信号処理パラメータ、超音波処理に関する信号処理を行う際に用いる超音波信号処理パラメータ、および、ADまたはDA変換に関する信号処理を行う際に用いる内部信号処理パラメータであり、
前記制御部は、前記動きパラメータの大きさに応じて、前記内部信号処理パラメータ、前記超音波信号処理パラメータ、前記外部信号処理パラメータの順に、パフォーマンスを下げるように制御する
請求項3に記載の信号処理装置。
【請求項5】
前記内部信号処理パラメータは、ADサンプリングレート、およびADビット長であり、
前記制御部は、前記動きパラメータの大きさに応じて、前記ADサンプリングレート、前記ADビット長の順に、パフォーマンスを下げるように制御する
請求項4に記載の信号処理装置。
【請求項6】
前記超音波信号処理パラメータは、受信/送信振動子数、および送出ビーム数であり、
前記制御部は、前記動きパラメータの大きさに応じて、前記受信/送信振動子数、前記送出ビーム数の順に、パフォーマンスを下げるように制御する
請求項4に記載の信号処理装置。
【請求項7】
前記外部信号処理パラメータは、エラー訂正、ビットレート、解像度、およびフレームレートであり、
前記制御部は、前記動きパラメータの大きさに応じて、前記エラー訂正、前記ビットレート、前記解像度、前記フレームレートの順に、パフォーマンスを下げるように制御する
請求項4に記載の信号処理装置。
【請求項8】
前記センサにより検出された前記プローブの動きから得られる、複数の前記振動子の相対位置に関する位置情報に基づいて、複数の前記振動子により送信される送信波の焦点位置である送信焦点位置、および、複数の前記振動子により受信される受信波の焦点位置である受信焦点位置を制御する焦点位置制御部を
さらに備え、
前記制御部は、前記動きパラメータが大きい場合、前記信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記焦点位置制御部が制御に用いるパラメータを制御する
請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項9】
前記プローブの動きを検出するセンサを
さらに備える請求項1に記載の信号処理装置。
【請求項10】
プローブを構成する振動子から受信する信号または前記振動子へ送信する信号を処理する信号処理部を備える信号処理装置が、
前記プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、前記信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記信号処理部の信号処理パラメータを制御する
制御方法。
【請求項11】
プローブを構成する振動子から受信する信号または前記振動子へ送信する信号を処理する信号処理部と、
前記プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、前記信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記信号処理部の信号処理パラメータを制御する制御部と、
前記信号処理部により処理された信号を送信する送信部と
を備える第1の信号処理装置と、
前記第1の信号処理装置からの信号を受信する受信部と、
前記受信部により受信された信号に基づいて、超音波画像を生成する生成部と
を備える第2の信号処理装置と
からなる信号処理システム。
【請求項12】
プローブを構成する振動子から受信する信号または前記振動子へ送信する信号を処理する信号処理部を備える第1の信号処理装置が、
前記プローブの動きの特徴を示す動きパラメータが大きい場合、前記信号処理部のパフォーマンスを下げるように、前記信号処理部の信号処理パラメータを制御し、
前記振動子から受信する前記信号または前記振動子へ送信する前記信号を処理し、
処理された信号を送信し、
第2の信号処理装置が、
前記第1の信号処理装置からの信号を受信し、
受信された信号に基づいて、超音波画像を生成する
信号処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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