信号受信装置
【課題】 映像信号とともに音声信号を伝送できるDVI規格の信号伝送システムを実現する。
【解決手段】 複数のチャンネルから信号を受信する受信部と、第1の制御信号、及び第2の制御信号を用いて、第1の多重信号から、第1の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び第1のデジタルビデオ信号を分離するとともに、第1の制御信号、及び第2の制御信号を用いて、第2の多重信号から、第2の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び第2のデジタルビデオ信号を分離する分離部とを備え、受信部が、信号送信装置から第1のデジタルビデオ信号の第1のサンプリングクロックを更に受信し、第1のデジタルビデオ信号の第1のサンプリングクロックを元に音声クロックを再生する音声クロック再生部をさらに備えたものとする。
【解決手段】 複数のチャンネルから信号を受信する受信部と、第1の制御信号、及び第2の制御信号を用いて、第1の多重信号から、第1の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び第1のデジタルビデオ信号を分離するとともに、第1の制御信号、及び第2の制御信号を用いて、第2の多重信号から、第2の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び第2のデジタルビデオ信号を分離する分離部とを備え、受信部が、信号送信装置から第1のデジタルビデオ信号の第1のサンプリングクロックを更に受信し、第1のデジタルビデオ信号の第1のサンプリングクロックを元に音声クロックを再生する音声クロック再生部をさらに備えたものとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のDVI(Digital Visual Interface)規格の信号伝送システムについて図26を用いて説明する。図26は、従来の伝送システムの構成を示す図である。
【0003】
図において、2601〜2603は送信側に設けられたTMDSエンコーダ/シリアライザであり、入力されたRED,GREEN,BLUEといったコンポーネント信号をTMDSエンコードし、シリアライズして伝送路に送出する。2604〜2606は受信側に設けられたTMDSデコーダ/リカバリーであり、受信した信号をTMDSデコードし、リカバーしてコンポーネント信号を復元する。
【0004】
DE(データイネーブル)信号は、RED,GREEN,BLUEといったコンポーネント信号が存在する期間を示す信号で、HIGHアクティブの信号である。例えば、DE信号がLOWとなる期間というのは、映像の水平同期信号期間あるいは垂直同期信号期間である。
【0005】
また、CTL(コントロール)信号CTL0,CTL1,CTL2,CTL3は、制御信号として用意されている。しかしながら、現在のDVI規格ではこれらの信号は未使用状態である。具体的には信号のレベルが常時0になっている。
【0006】
以上のように構成された従来の信号伝送システムについて説明する。
【0007】
送信側のTMDSエンコーダ/シリアライザ2601〜2603では、8ビットで入力された映像信号(RGB信号)を10ビットに変換し、シリアライズして伝送路に送出する。8ビット/10ビット変換の目的は、データの変化点を少なくして高速伝送に適した形にするためである。また、TMDSエンコーダ/シリアライザ2601〜2603では、CLT信号2ビットを10ビットに変換して伝送路に送出する。また、DE信号も合わせてエンコード,シリアライズされ伝送路に送出される。
【0008】
受信側のTMDSデコーダ/リカバリー2604〜2606では、伝送路から受け取った10ビットのシリアルデータを色信号の8ビット,DE信号,CTL信号の2ビットにデコードして展開する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6‐303552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、DVI規格は映像信号のみを伝送する規格であり、従来の信号伝送システムでは音声信号を伝送することができないという問題点があった。
【0011】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたもので、映像信号とともに音声信号を伝送できるDVI規格の信号伝送システムを実現可能な信号受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1に記載の信号受信装置は、伝送路を介して信号送信装置に接続された、DVI規格ソースに準拠した信号受信装置において、第1のデジタルビデオ信号、第1の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び第1の制御信号が多重化された第1の多重信号を伝送する第1のチャンネルと、第2のデジタルビデオ信号、第2の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び第2の制御信号が多重化された第2の多重信号を伝送する第2のチャンネルと、第3のデジタルビデオ信号、及び同期信号が多重化された第3の多重信号を伝送する第3のチャンネルと、を含むチャンネルから信号を受信する受信部と、上記受信部にて受信した上記第1の制御信号、及び上記第2の制御信号を用いて、上記受信部にて受信した上記第1の多重信号から、上記第1の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び上記第1のデジタルビデオ信号を分離するとともに、上記受信部にて受信した上記第1の制御信号、及び上記第2の制御信号を用いて、上記受信部にて受信した上記第2の多重信号から、上記第2の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び上記第2のデジタルビデオ信号を分離する分離部とを備え、上記受信部が、上記信号送信装置から上記第1のデジタルビデオ信号の第1のサンプリングクロックを更に受信し、上記第1のデジタルビデオ信号の上記第1のサンプリングクロックを元に音声クロックを再生する音声クロック再生部をさらに備えた、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の信号送信装置によれば、伝送路を介して信号受信装置に接続された信号送信装置において、第1の信号を時間軸圧縮する時間軸圧縮手段と、第2の信号に基づいて多重制御信号を生成する多重制御信号発生装置と、上記多重制御信号発生装置により生成した多重制御信号を用いて、上記時間軸圧縮された第1の信号と、上記第2の信号と、第3の信号とを多重化し多重信号として出力する信号多重手段と、上記多重信号及び上記多重制御信号を上記信号受信装置に送信する信号送信手段とを、備えたことより、第1、第2、第3の信号を同一の伝送路で伝送する信号伝送システムを実現可能である。
【0014】
本発明の信号送信装置によれば、伝送路を介して信号受信装置に接続された信号送信装置において、第1の信号を時間軸圧縮する時間軸圧縮手段と、第2の信号に基づいて多重制御信号を生成する多重制御信号発生装置と、上記多重制御信号発生装置により生成した多重制御信号を用いて、上記時間軸圧縮された第1の信号と、上記第2の信号と、第3の信号とを多重化し多重信号として出力する信号多重手段と、上記多重信号を上記信号受信装置に送信する信号送信手段と、を備えたことより、多重制御信号を信号受信装置に伝送することなく、第1,第2,第3の信号を同一の伝送路で伝送する信号伝送システムを実現可能である。
【0015】
本発明の信号送信装置によれば、上記信号送信装置において、上記第1の信号は音声信号であり、上記第2の信号は水平同期信号または垂直同期信号であり、上記第3の信号は映像信号であるようにしたので、映像信号とともに音声信号を伝送できるDVI規格の信号伝送システムを実現可能である。
【0016】
本発明の信号送信装置によれば、RGBの映像信号をシリアルデータとして伝送するDVI伝送規格の信号送信装置において、上記RGBの映像信号をシリアルデータとして伝送する第1のモードに加え、輝度信号、色差信号、及び音声信号の3つの信号を伝送する第2のモードを有し、上記第1のモードと上記第2のモードを切り替える切り替え手段を備えたことより、映像信号とともに音声信号を伝送できるDVI規格の信号伝送システムを実現可能である。
【0017】
本発明の信号受信装置によれば、伝送路を介して信号送信装置に接続された信号受信装置において、上記信号送信装置から、時間軸多重された第1の信号、第2の信号、及び第3の信号が多重化された多重信号を受信する第1の受信手段と、上記信号送信装置から多重制御信号を受信する第2の受信手段と、上記第2の受信手段にて受信した上記多重制御信号を用いて、上記第1の受信手段にて受信した上記多重信号を上記第1,第2の信号に分離する分離手段と、上記分離手段により分離された第1の信号を時間軸伸張する時間軸伸張手段と、を備えたことより、第1,第2,第3の信号を同一の伝送路で伝送できる信号伝送システムを実現可能である。
【0018】
本発明の信号受信装置によれば、伝送路を介して信号送信装置に接続された信号受信装置において、上記信号送信装置から、時間軸多重された第1の信号、第2の信号、及び第3の信号が多重化された多重信号を受信する受信手段と、上記多重信号から上記第2の信号を検出する検出手段と、上記検出手段により検出された第2の信号に基づいて多重制御信号を生成する多重制御信号発生手段と、上記多重制御信号を用いて、上記多重信号を上記第1、第2、第3の信号に分離する分離手段と、上記分離手段により分離された上記第1の信号を時間軸伸張する時間軸伸張手段と、を備えたことより、信号送信装置から多重制御信号を受信することなく、多重信号を分離でき、また、第1,第2,第3の信号を同一の伝送路で受信できる信号伝送システムを実現可能である。
【0019】
本発明の信号受信装置によれば、上記信号受信装置において、上記第1の信号は音声信号であり、上記第2の信号は水平同期信号または垂直同期信号であり、上記第3の信号は映像信号であるようにしたので、映像信号とともに音声信号を伝送できるDVI規格の信号伝送システムを実現可能である。
【0020】
本発明の信号受信装置によれば、RGBの映像信号をシリアルデータとして受信するDVI伝送規格の信号受信装置において、上記RGBの映像信号をシリアルデータとして受信する第1のモードに加え、輝度信号、色差信号、及び音声信号の3つの信号を受信する第2のモードを有し、上記第1のモードと上記第2のモードを切り替える切り替え手段を備えたことより、映像信号とともに音声信号を伝送できるDVI規格の信号伝送システムを実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1による信号伝送システムの構成を示す図である。
【図2】映像信号と時間軸圧縮前の音声信号との関係を示す図である。
【図3】水平同期期間及び垂直同期期間を説明するための図である。
【図4】実施の形態1による信号伝送システムの時間軸圧縮部の構成を示す図である。
【図5】実施の形態1による信号伝送システムにおける時間軸圧縮を説明するための図である。
【図6】実施の形態1による信号伝送システムの多重部の構成を示す図である。
【図7】実施の形態1による信号伝送システムにおける映像信号と音声信号の多重の様子を示す図である。
【図8】実施の形態1による信号伝送システムの分離部の構成を示す図である。
【図9】実施の形態1による信号伝送システムにおける映像信号と音声信号の分離の様子を示す図である。
【図10】実施の形態1による信号伝送システムの時間軸伸長部の構成を示す図である。
【図11】実施の形態1による信号伝送システムにおける時間軸伸長を説明するための図である。
【図12】実施の形態2による信号伝送システムの構成を示す図である。
【図13】実施の形態2による信号伝送システムの時間軸圧縮部の構成を示す図である。
【図14】実施の形態2による信号伝送システムにおける時間軸圧縮を説明するための図である。
【図15】実施の形態2による信号伝送システムにおける映像信号と音声信号の多重の様子を示す図である。
【図16】実施の形態2による信号伝送システムの分離部の構成を示す図である。
【図17】実施の形態2による信号伝送システムにおける映像信号と音声信号の分離の様子を示す図である。
【図18】実施の形態2による信号伝送システムの時間軸伸長部の構成を示す図である。
【図19】実施の形態2による信号伝送システムにおける時間軸伸長を説明するための図である。
【図20】実施の形態3による信号伝送システムの構成を示す図である。
【図21】実施の形態3による信号伝送システムにおけるデータの様子を示す図である。
【図22】実施の形態3による信号伝送システムにおける受信側での音声分離の方法を示す図である。
【図23】実施の形態3による信号伝送システムにおける受信側でのデコードの方法を示す図である。
【図24】実施の形態4による信号伝送システムの構成を示す図である。
【図25】実施の形態4による信号伝送システムにおける伝送路上の信号イメージを示す図である。
【図26】従来の信号伝送システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0023】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態1にかかる信号伝送システムについて図1〜図11を用いて説明する。
【0024】
図1は実施の形態1による信号伝送システムの構成を示す図である。
【0025】
図1において、信号送信装置は、音声信号を時間軸上で圧縮する時間軸圧縮部101と、多重制御信号を用いて映像信号と時間軸圧縮された音声信号を多重化し、映像音声多重信号として後述するデータライン106に送出する多重部102とからなるものである。
【0026】
信号受信装置は、多重制御信号を用いて、データライン106を介して受信した映像信号と音声信号が多重化された映像音声多重信号を分離する分離部103と、分離部103で分離された音声信号に対して時間軸伸長を行い、元の音声信号を復元する時間軸伸長部104と、送信側からクロックライン107を介して受信した映像クロックを元に音声クロックを再生する音声クロック再生部105とからなるものである。
【0027】
データライン106は、信号送信装置と信号受信装置を結ぶシリアルの伝送路である。
【0028】
なお、多重制御信号は、例えば、映像信号の水平同期信号あるいは垂直同期信号などの映像信号の空き時間に、音声信号を多重化するよう制御するものであり、多重制御信号発生装置(図示していない)により生成される。
【0029】
次に、本実施の形態1による信号伝送システムの動作について説明する。
【0030】
まず、図2に映像信号と時間軸圧縮前の音声信号の関係を模式的に示す。一般的に映像信号は音声信号に対してデータ量が多いので、映像信号数サンプルにおき音声信号1サンプルがほぼ時間的に対応している。本実施の形態1による信号伝送システムでは、この映像音声信号を時間的に圧縮して映像信号の存在しない領域に多重化する。具体的に映像信号の存在しない時間というのは、例えば、図3に示すように映像信号の水平同期期間,垂直同期期間が挙げられる。図3において、有効画面以外のハッチをつけた部分がその同期期間に相当する。この図3においては、例としてMPEG2のMP@ML(メインプロファイルメインレベル)のSD画面を例に挙げている。全画面は横に858画素、縦に525ラインである。その中の有効画面は横720画素、縦480ラインであり、全画面とこの有効画面の差が同期期間となる。この同期期間に音声信号を多重化する。
【0031】
次に、送信側の動作の説明を行う。
【0032】
図4は時間軸圧縮部101の構成を示す図である。時間軸圧縮部101は主にメモリで構成され、入力された音声信号をレート変換するものである。具体的には、入力のサンプリングクロックは音声のクロックfaとし、出力のクロックは映像のクロックfvとする。なお、faは音声のサンプリングクロック周波数、fvは映像のサンプリングクロック周波数である。また、時間圧縮部101の出力制御には多重制御信号を用いる。この多重制御信号には水平同期信号あるいは垂直同期信号を用いる。
【0033】
図5は時間軸圧縮部101による時間軸圧縮の様子を示す図である。時間軸圧縮前の音声信号はサンプリング周波数faで入力され、時間軸圧縮後の音声信号はサンプリング周波数fvでもって多重部102へ出力される。この時間軸圧縮後の音声信号が出力されるのは多重制御信号がLOWの期間である。この図では、簡略化のため、多重制御信号がLOWの期間に出力されるオーディオサンプル点の数を少なく表示しているが、実際に出力されるオーディオサンプル点はこれよりももっとはるかに多い。
【0034】
図6は、多重部102の構成を示す図である。多重部102は、映像信号と時間軸圧縮された音声信号を多重化して映像音声多重信号として送出する。映像信号と時間軸圧縮された音声信号の多重部102への入力の切り換えは多重制御信号で行う。この多重制御信号には映像の水平同期信号あるいは垂直同期信号を用いる。
【0035】
図7は、多重部102による映像信号と音声信号の多重の様子を示すである。図において、映像信号と時間軸圧縮後の音声信号が上の2段である。白丸が映像信号のサンプル点、黒丸が音声信号のサンプル点である。そして、多重制御信号がLOWの期間に映像信号に対して音声信号が多重化されていく様子を一番下に示す。そして、この映像音声多重信号がすなわち伝送路の信号となって、伝送路に送出されていく。
【0036】
次に受信側の動作の説明を行う。
【0037】
図8は分離部103の構成を示す図である。分離部103ではデータライン106から流れてきた映像音声多重信号を、映像信号と時間軸圧縮された音声信号とに分離する。なお、分離には分離制御信号を用いるが、この分離制御信号としては送信側からデータライン106とは別に設けられた伝送路を介して提供される多重制御信号を用いる。
【0038】
図9は分離部103による映像信号と音声信号の分離の様子を示す図である。データライン106から流れてきた映像音声多重信号を分離制御信号でもって映像信号と音声信号に分離する。具体的には分離制御信号がLOWの期間の信号を時間軸圧縮された音声信号とみなして、図8に示した分離部103のセレクタを音声信号出力の方にセットする。
【0039】
図10は時間軸伸長部104の構成を示す図である。時間軸伸長部104は主にメモリで構成され、時間軸圧縮された音声信号を分離制御信号がLOWの期間に映像のサンプリングクロックfvでもって入力し、音声のサンプリングクロック周波数faでもって出力する。これにより、もと通りに時間軸伸長された音声信号が得られる。
【0040】
図11は時間伸張部104による時間軸伸長の様子を示す図である。分離制御信号がLOWの期間のデータを音声信号とみなし、時間軸圧縮された音声信号を分離制御信号がLOWの期間だけサンプリング周波数fvで入力し、それをサンプリング周波数faでもって、たたき出すことで時間軸伸長された音声信号を得ることができる。
【0041】
次に音声クロック再生部105の動作について説明する。受信側では送信側から送られてきた映像クロックを元にしてPLL(Phase Lock Loop)をかけて音声クロックを再生し、時間軸伸長部104に音声クロックを供給する。
【0042】
このように、本発明の実施の形態1による信号伝送システムでは、送信側の多重部102において、映像信号と時間軸圧縮された音声信号とを多重制御信号に基づき多重化することにより、映像信号と音声信号を同一のデータライン106で送ることが可能になる。また、受信側では、データライン106を介して受信した映像音声多重信号を分離制御信号でもって分離することにより、映像信号と音声信号に分離することができる。
【0043】
また、多重制御信号,分離制御信号として映像信号の水平同期信号あるいは垂直同期信号を用い、また、音声信号を送信側で時間軸圧縮して受信側で時間軸伸長するようにしたので、音声信号を映像信号の隙間に多重化し、また分離することが可能となる。
【0044】
(実施の形態2)
以下、本実施の形態2にかかる信号伝送システムについて図12〜図19を用いて説明する。
【0045】
図12は、実施の形態2による信号伝送システムの構成図である。
【0046】
図12において、信号送信装置は、音声信号を時間軸圧縮する時間軸圧縮部201と、多重制御信号を用いて映像信号と音声信号を多重化し、映像音声多重信号として出力する多重部202と、多重制御信号を加工する多重制御信号加工部208とからなるものである。
【0047】
信号受信装置は、データライン206を介して受信した映像音声多重信号を分離する分離部203と、分離部203で分離された音声信号を時間軸伸長する時間軸伸長部204と、送信側からクロックライン207を介して受信した映像クロックから音声クロックを再生する音声クロック再生部205とからなるものである
【0048】
データライン206は、信号送信装置と信号受信装置を結ぶ伝送路である。
【0049】
なお、本実施の形態2による信号伝送システムが実施の形態1の信号伝送システムと異なる点は、実施の形態2による信号伝送システムでは多重制御信号を受信側に通知しないという点である。
【0050】
以下、本実施の形態2による信号伝送システムの動作について説明する。なお、時間軸圧縮部201では実施の形態1と同様、音声信号の時間軸圧縮を行うが、時間軸圧縮のための多重制御信号が実施の形態1とは異なる。
【0051】
図13は時間軸圧縮部201の構成を示す図である。時間軸圧縮部201は実施の形態1の時間軸圧縮部101と同様メモリで構成され、音声信号のサンプリングレートを変換するものである。実施の形態1ではこのメモリの制御信号として、多重制御信号、すなわち水平同期信号または垂直同期信号をそのまま使っていたが、本実施の形態2ではこれを若干加工して用いる。具体的には多重制御信号(水平同期信号または垂直同期信号)の立ち下がりから映像のサンプリングクロックのLクロックの期間(L×1/fv sec.)カウントして立ち下がる信号を用いる。これを行う目的は、時間軸圧縮後の音声信号の手前に無信号期間(Lクロック期間)を設けて、この無信号期間を受信側で映像信号と音声信号の切り換わりタイミングと認識させるためである。
【0052】
図14は時間圧縮部201による時間軸圧縮の様子を示す図である。この図において、時間軸圧縮前の音声信号と時間軸圧縮後の音声信号との関係は、実施の形態1におけるこれらの関係とほぼ同じであるが、多重制御信号の立ち下がりに対して時間軸圧縮後の音声信号はLクロック分、遅延している。このLクロックの期間は無信号状態である。
【0053】
図15は本実施の形態2における映像信号と音声信号の多重化の様子を示す図である。図14において説明したように、映像信号と時間軸圧縮後の音声信号との間にはLクロックの無信号期間が設けられる。そして、実施の形態2では映像信号と多重化すべき時間軸圧縮された音声信号のサンプルを映像のサンプリングクロックのMクロック期間(M×1/fv sec.)として定める。このL,Mというのは整数であり、なおかつ一定の値とする。多重制御信号加工部208は、多重制御信号(水平同期信号または垂直同期信号)の立ち下がりをLクロック遅延させた新たな多重制御信号を生成するものである。このようにすることで、受信側でどこに音声信号が何サンプル点あるか認識することができ、音声信号を分離することができる。
【0054】
図16は、分離部203の構成を示す図である。図において、210は映像信号と時間軸圧縮音声信号とを分離するセレクタ回路である。211はセレクタ回路210を制御する信号を生成するセレクタ制御信号生成部である。212は無信号検出部であり、伝送路を流れてくる映像音声多重信号の無信号状態を検出するものである。カウンタ213は音声信号のサンプルが存在する期間をカウントするもので、Mクロック期間(M×1/fv sec.)をカウントするものである。
【0055】
次に分離部203の具体的な動作を説明する。無信号検出部212はLクロック期間(L×1/fv sec.)の無信号状態を検出したとき、その出力のレベルをHIGHからLOWに変化させる。カウンタ213のカウント開始(出力の立ち下り)のタイミングは無信号検出部212の出力の立ち下りタイミングと同じである。カウンタ213は無信号検出部212の出力の立ち下がりからMクロック期間カウントしたら、その出力をLOWからHIGHに立ち上げる。セレクタ制御信号生成部211は無信号検出部212の出力とカウンタ213の出力とのOR(論理和)をとる回路である。セレクタ回路210は、セレクタ制御信号生成部211の出力がHIGHの期間にはAを選択して映像信号を抽出し、セレクタ制御信号生成部211の出力がLOWの期間にはBを選択して時間軸圧縮された音声信号を抽出する。
【0056】
図17は、本実施の形態2における映像信号と音声信号との分離の様子を示す。伝送路上の映像音声多重信号には、無信号期間がLクロック期間続いた後、音声信号サンプルがMクロック期間存在する。そして、図16で説明したように、セレクタ制御信号がLOWの期間は、セレクタをBに切り換えておき、それ以外の期間はAにセットしておけば、映像音声多重信号から映像信号と音声信号とを分離して抽出することができる。
【0057】
図18は時間軸伸長部204の構成を示す図である。時間軸伸長部204は実施の形態1の時間軸伸長部104と同様にメモリで構成されるが、分離制御信号としては図16で説明したセレクタ制御信号が用いられる。
【0058】
図19は、時間軸伸張部204による時間軸伸長の様子を示す図である。時間軸圧縮された音声信号を、分離制御信号すなわちセレクタ制御信号がLOWの期間だけサンプリング周波数fvで時間軸伸長部204に入力し、それをオーディオのサンプリングクロックfaでたたき出すことにより時間軸伸長された音声信号を得ることができる。
【0059】
このように、本実施の形態2による信号伝送システムでは、多重制御信号を受信側に伝えることなく、上記実施の形態1による信号伝送システムと同様の作用を実現できる。すなわち、実施の形態2では、映像信号と音声信号とが多重化される期間において、映像信号と音声信号の間にLクロック期間の信号状態を設け、また、音声信号のサンプル点をMクロック期間として一定とし、受信側で、無信号期間をLクロック期間検出後、Mクロック期間を音声信号の分離タイミングとみなす構成とすることにより、多重制御信号を受信側に伝えることなく音声信号と映像信号の分離を可能とできる。
【0060】
(実施の形態3)
以下、本実施の形態3にかかる信号伝送システムについて図20〜図23を用いて説明する。なお、実施の形態3は、実施の形態1,2による信号伝送システムをDVI(Digital Visual Interface)規格に適用したものである。
【0061】
図20は、実施の形態3による信号伝送システムの構成を示す図である。
【0062】
図20において、301は時間軸圧縮部で、これは実施の形態1あるいは2で用いたものと同一である。302は分解部であり、時間軸圧縮された音声信号をDVI規格のCTL2,CTL3,CTL1の信号に分解して重畳するものである。303〜305はTMDSエンコーダ/シリアライザ、306〜308はTMDSデコーダ/リカバリーであり、これらは従来例の技術で説明したものと同じである。309は合成部であり、CTL1,2,3からきた音声信号を合成するものである。310は時間軸伸長部であり、合成部309から出力された時間軸圧縮されたままの音声信号を伸長するものである。この図において、伝送路のチャンネル0にはBLUEと映像信号のHSYNC,VSYNC(水平同期信号,垂直同期信号)が時分割多重されたシリアルデータが伝送され、チャンネル1においてはGREENと音声(CTL1)が時分割多重されたシリアルデータが伝送され、チャンネル2ではREDと音声(CTL2,3)が時分割多重されたシリアルデータが伝送される。
【0063】
以上のように構成された信号伝送システムの動作について説明する。
【0064】
図21に実施の形態3における伝送路上の信号の様子を示す。
【0065】
まず、1番上にTMDSエンコーダへの入力のデータを示す。DE(データイネーブル)信号がLOWの間にCTL(コントロール信号)が挿入され、このCTL1,2,3のところに時間軸圧縮された音声信号をのせてTMDSエンコードされる。そして、伝送路上の信号ではチャンネル2にエンコードされたCTL2,3が重畳され、チャンネル1にエンコードされたCTL1が重畳される。そして、これらにより伝送路では、水平同期信号,または垂直同期信号の期間にオーディオ(音声信号)が重畳されていることになる。そして1番下に受信側でTMDSデコード,リカバーされたデータを示す。このリカバーされたデータというのは、送信側における入力のデータと全く同一のものである。
【0066】
次に受信側での音声を分離する方法を説明する。
【0067】
図22に示すように、まずチャンネル0のデータの一定期間をデータ一定期間検出回路350により検出する。このデータの一定期間というのは、水平同期期間あるいは垂直同期期間である。このデータの一定期間を検出して、DE(データイネーブル)信号を生成してやり、このDE信号がLOWの期間を音声信号が多重化されている期間とみなし、チャンネル1,チャンネル2のデコード・映像音声分離回路351,352に対してDE信号を供給しチャンネル1,チャンネル2のデコーダで映像信号と音声信号を分離する。そして、CTL1,CTL2,CTL3のラインの分離された音声信号があらわれる。
【0068】
次に受信側でのデコードの方法について説明する。
【0069】
図23において、チャンネル2に伝送されてきた映像音声多重信号をシリアル/パラレル変換回路360でシリアル/パラレル変換し、DE(データイネーブル)信号がHIGHの期間は映像信号とみなし、デコーダ362により10ビット/8ビットTMDSデコードを行い、これによりRED信号を得ることができる。そして、DE(データイネーブル)信号がLOWの期間は音声信号とみなし、デコーダ363により10ビット/2ビットTMDSデコードを行い、CTL2,CTL3のラインに音声信号を得ることができる。同様にチャンネル1においても伝送されてきた映像音声多重信号をシリアル/パラレル変換回路361でシリアル/パラレル変換し、DE(データイネーブル)信号がHIGHの期間はGREENの映像信号とみなし、デコーダ364により10ビット/8ビットTMDSデコードを行う。そしてDE(データイネーブル)信号がLOWの期間にはデコーダ365により10ビット/2ビットTMDSデコードを行い、CTL1に音声信号を得ることができる。
【0070】
このようにして、CTL(コントロール)ライン上で得られた音声信号を、合成部309で合成し、さらに時間軸伸長部310でレート変換することにより、元の音声信号を得ることができる。
【0071】
次に分解部302,合成部309の動作について説明する。
【0072】
分解部302においては、時間軸圧縮された音声信号をCTL2,3,1の3本に分解するわけであるが、音声信号の帯域によってはCTL2の1本のみを、あるいはCTL2,3の2本を使うという使い方をしても構わない。また、音声信号のサンプリング点の順番に従って、CTL2,3,1,2,3,1の順に分解すればよい。合成部309では、伝送路から流れてきた音声信号をデコードしたものに対して、CTL2,3,1の順番で音声信号がやってきているとみなして、合成すればよい。なお、CTL2,3,1の順でなくともこの3本を任意の順番で使っても構わないが、送信側と受信側でこの分解,合成の順は取り決めておく必要がある。
【0073】
このように、実施の形態3による信号伝送システムでは、実施の形態1,2における信号伝送システムの構成をDVI規格に適用し、音声信号を時間軸圧縮したものをCTL2,3,1のラインに分解し、受信側ではCTL2,3,1で伝送されてきた音声信号を合成し、時間軸伸長して音声信号を復元するようにしたから、従来映像しか伝送できなかったDVI規格の信号伝送システムにおいて、音声信号の伝送も可能とできる。
【0074】
(実施の形態4)
以下、本実施の形態4にかかる信号伝送システムについて図24及び図25を用いて説明する。なお、実施の形態4は実施の形態1〜3とは異なり、音声信号を映像信号の隙間を用いて伝送するものではなく、DVI規格の信号伝送システムにおいて用いられる3本の伝送路のうちの1本を音声信号用の伝送路として確保するようにしたものである。すなわち、DVI規格では映像信号の伝送は、RED,GREEN,BLUEといったコンポーネント信号で行われているが、本実施の形態4ではY,Pb,PrといったY色差信号で伝送するモードを追加し、またそこで空いたチャンネルを音声信号に割り当てるようにしたものである。
【0075】
図24は、実施の形態4による信号伝送システムの構成を示す図である。
【0076】
図において、401はセレクタであり、RED信号と輝度信号(Y)を選択してTMDSエンコーダに供給するものである。402もセレクタであり、GREEN信号とPbまたはPr信号を選択するものである。403はセレクタであり、BLUE信号と音声信号からどちらか一方を選択するものである。404〜406はTMDSエンコーダ/シリアライザ、407〜409はTMDSデコーダ/リカバリーである。これらの構成は実施の形態1,2,3と同一である。
【0077】
この実施の形態4の特徴としては、映像信号の伝送にY色差伝送を用いることである。Y色差伝送では、例えば4:2:0伝送というものがある。4:2:0伝送というのは図25に示すように、色信号のレートを輝度信号のレートの半分にするものである。具体的には輝度信号に対して色信号のサンプリング数を半分にする。これにより、DVIの伝送路では2チャンネルでもって映像信号を伝送することが可能となる。具体的にはチャンネル2で輝度信号、チャンネル1で色信号Pb,Pr信号を伝送する。そして空いたチャンネル0に音声信号を重畳するものである。この音声信号は時間軸圧縮されていない元のままの音声信号である。
【0078】
このように本実施の形態4による信号伝送システムでは、Y,Pb,PrといったY色差信号で伝送するモードを追加し、またそこで空いたチャンネルを音声信号に割り当てるようにしたから、映像信号とともに音声信号を伝送できるDVI規格に適合する信号伝送システムを実現できる。
【0079】
なお、実施の形態4では、Y,Pb/Pr,音声をそれぞれチャンネル2,チャンネル1,チャンネル0に割当てたが、この割当ての順序はこれに限るものではない。
【0080】
なお、本発明の実施の形態において、信号の多重化と送信を多重部が行っているが、多重と送信を別々の構成要件としても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、映像信号とともに音声信号を伝送できる、DVI規格ソースに準拠した信号伝送システムに有用である。
【符号の説明】
【0082】
101,201 時間軸圧縮部
102,202 多重部
103,203 分離部
104,204 時間軸伸長部
105,205 音声クロック再生部
106,206 データライン
107,207 クロックライン
208 多重制御信号加工部
210 セレクタ回路
211 セレクタ制御信号生成部
212 無信号検出部
213 カウンタ
301 時間軸圧縮部
302 分解部
303〜305 TMDSエンコーダ/シリアライザ
306〜308 TMDSデコーダ/リカバリー
309 合成部
310 時間軸伸長部
401〜403 セレクタ
404〜406 TMDSエンコーダ/シリアライザ
407〜409 TMDSデコーダ/リカバリー
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のDVI(Digital Visual Interface)規格の信号伝送システムについて図26を用いて説明する。図26は、従来の伝送システムの構成を示す図である。
【0003】
図において、2601〜2603は送信側に設けられたTMDSエンコーダ/シリアライザであり、入力されたRED,GREEN,BLUEといったコンポーネント信号をTMDSエンコードし、シリアライズして伝送路に送出する。2604〜2606は受信側に設けられたTMDSデコーダ/リカバリーであり、受信した信号をTMDSデコードし、リカバーしてコンポーネント信号を復元する。
【0004】
DE(データイネーブル)信号は、RED,GREEN,BLUEといったコンポーネント信号が存在する期間を示す信号で、HIGHアクティブの信号である。例えば、DE信号がLOWとなる期間というのは、映像の水平同期信号期間あるいは垂直同期信号期間である。
【0005】
また、CTL(コントロール)信号CTL0,CTL1,CTL2,CTL3は、制御信号として用意されている。しかしながら、現在のDVI規格ではこれらの信号は未使用状態である。具体的には信号のレベルが常時0になっている。
【0006】
以上のように構成された従来の信号伝送システムについて説明する。
【0007】
送信側のTMDSエンコーダ/シリアライザ2601〜2603では、8ビットで入力された映像信号(RGB信号)を10ビットに変換し、シリアライズして伝送路に送出する。8ビット/10ビット変換の目的は、データの変化点を少なくして高速伝送に適した形にするためである。また、TMDSエンコーダ/シリアライザ2601〜2603では、CLT信号2ビットを10ビットに変換して伝送路に送出する。また、DE信号も合わせてエンコード,シリアライズされ伝送路に送出される。
【0008】
受信側のTMDSデコーダ/リカバリー2604〜2606では、伝送路から受け取った10ビットのシリアルデータを色信号の8ビット,DE信号,CTL信号の2ビットにデコードして展開する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6‐303552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、DVI規格は映像信号のみを伝送する規格であり、従来の信号伝送システムでは音声信号を伝送することができないという問題点があった。
【0011】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたもので、映像信号とともに音声信号を伝送できるDVI規格の信号伝送システムを実現可能な信号受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1に記載の信号受信装置は、伝送路を介して信号送信装置に接続された、DVI規格ソースに準拠した信号受信装置において、第1のデジタルビデオ信号、第1の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び第1の制御信号が多重化された第1の多重信号を伝送する第1のチャンネルと、第2のデジタルビデオ信号、第2の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び第2の制御信号が多重化された第2の多重信号を伝送する第2のチャンネルと、第3のデジタルビデオ信号、及び同期信号が多重化された第3の多重信号を伝送する第3のチャンネルと、を含むチャンネルから信号を受信する受信部と、上記受信部にて受信した上記第1の制御信号、及び上記第2の制御信号を用いて、上記受信部にて受信した上記第1の多重信号から、上記第1の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び上記第1のデジタルビデオ信号を分離するとともに、上記受信部にて受信した上記第1の制御信号、及び上記第2の制御信号を用いて、上記受信部にて受信した上記第2の多重信号から、上記第2の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び上記第2のデジタルビデオ信号を分離する分離部とを備え、上記受信部が、上記信号送信装置から上記第1のデジタルビデオ信号の第1のサンプリングクロックを更に受信し、上記第1のデジタルビデオ信号の上記第1のサンプリングクロックを元に音声クロックを再生する音声クロック再生部をさらに備えた、ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の信号送信装置によれば、伝送路を介して信号受信装置に接続された信号送信装置において、第1の信号を時間軸圧縮する時間軸圧縮手段と、第2の信号に基づいて多重制御信号を生成する多重制御信号発生装置と、上記多重制御信号発生装置により生成した多重制御信号を用いて、上記時間軸圧縮された第1の信号と、上記第2の信号と、第3の信号とを多重化し多重信号として出力する信号多重手段と、上記多重信号及び上記多重制御信号を上記信号受信装置に送信する信号送信手段とを、備えたことより、第1、第2、第3の信号を同一の伝送路で伝送する信号伝送システムを実現可能である。
【0014】
本発明の信号送信装置によれば、伝送路を介して信号受信装置に接続された信号送信装置において、第1の信号を時間軸圧縮する時間軸圧縮手段と、第2の信号に基づいて多重制御信号を生成する多重制御信号発生装置と、上記多重制御信号発生装置により生成した多重制御信号を用いて、上記時間軸圧縮された第1の信号と、上記第2の信号と、第3の信号とを多重化し多重信号として出力する信号多重手段と、上記多重信号を上記信号受信装置に送信する信号送信手段と、を備えたことより、多重制御信号を信号受信装置に伝送することなく、第1,第2,第3の信号を同一の伝送路で伝送する信号伝送システムを実現可能である。
【0015】
本発明の信号送信装置によれば、上記信号送信装置において、上記第1の信号は音声信号であり、上記第2の信号は水平同期信号または垂直同期信号であり、上記第3の信号は映像信号であるようにしたので、映像信号とともに音声信号を伝送できるDVI規格の信号伝送システムを実現可能である。
【0016】
本発明の信号送信装置によれば、RGBの映像信号をシリアルデータとして伝送するDVI伝送規格の信号送信装置において、上記RGBの映像信号をシリアルデータとして伝送する第1のモードに加え、輝度信号、色差信号、及び音声信号の3つの信号を伝送する第2のモードを有し、上記第1のモードと上記第2のモードを切り替える切り替え手段を備えたことより、映像信号とともに音声信号を伝送できるDVI規格の信号伝送システムを実現可能である。
【0017】
本発明の信号受信装置によれば、伝送路を介して信号送信装置に接続された信号受信装置において、上記信号送信装置から、時間軸多重された第1の信号、第2の信号、及び第3の信号が多重化された多重信号を受信する第1の受信手段と、上記信号送信装置から多重制御信号を受信する第2の受信手段と、上記第2の受信手段にて受信した上記多重制御信号を用いて、上記第1の受信手段にて受信した上記多重信号を上記第1,第2の信号に分離する分離手段と、上記分離手段により分離された第1の信号を時間軸伸張する時間軸伸張手段と、を備えたことより、第1,第2,第3の信号を同一の伝送路で伝送できる信号伝送システムを実現可能である。
【0018】
本発明の信号受信装置によれば、伝送路を介して信号送信装置に接続された信号受信装置において、上記信号送信装置から、時間軸多重された第1の信号、第2の信号、及び第3の信号が多重化された多重信号を受信する受信手段と、上記多重信号から上記第2の信号を検出する検出手段と、上記検出手段により検出された第2の信号に基づいて多重制御信号を生成する多重制御信号発生手段と、上記多重制御信号を用いて、上記多重信号を上記第1、第2、第3の信号に分離する分離手段と、上記分離手段により分離された上記第1の信号を時間軸伸張する時間軸伸張手段と、を備えたことより、信号送信装置から多重制御信号を受信することなく、多重信号を分離でき、また、第1,第2,第3の信号を同一の伝送路で受信できる信号伝送システムを実現可能である。
【0019】
本発明の信号受信装置によれば、上記信号受信装置において、上記第1の信号は音声信号であり、上記第2の信号は水平同期信号または垂直同期信号であり、上記第3の信号は映像信号であるようにしたので、映像信号とともに音声信号を伝送できるDVI規格の信号伝送システムを実現可能である。
【0020】
本発明の信号受信装置によれば、RGBの映像信号をシリアルデータとして受信するDVI伝送規格の信号受信装置において、上記RGBの映像信号をシリアルデータとして受信する第1のモードに加え、輝度信号、色差信号、及び音声信号の3つの信号を受信する第2のモードを有し、上記第1のモードと上記第2のモードを切り替える切り替え手段を備えたことより、映像信号とともに音声信号を伝送できるDVI規格の信号伝送システムを実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1による信号伝送システムの構成を示す図である。
【図2】映像信号と時間軸圧縮前の音声信号との関係を示す図である。
【図3】水平同期期間及び垂直同期期間を説明するための図である。
【図4】実施の形態1による信号伝送システムの時間軸圧縮部の構成を示す図である。
【図5】実施の形態1による信号伝送システムにおける時間軸圧縮を説明するための図である。
【図6】実施の形態1による信号伝送システムの多重部の構成を示す図である。
【図7】実施の形態1による信号伝送システムにおける映像信号と音声信号の多重の様子を示す図である。
【図8】実施の形態1による信号伝送システムの分離部の構成を示す図である。
【図9】実施の形態1による信号伝送システムにおける映像信号と音声信号の分離の様子を示す図である。
【図10】実施の形態1による信号伝送システムの時間軸伸長部の構成を示す図である。
【図11】実施の形態1による信号伝送システムにおける時間軸伸長を説明するための図である。
【図12】実施の形態2による信号伝送システムの構成を示す図である。
【図13】実施の形態2による信号伝送システムの時間軸圧縮部の構成を示す図である。
【図14】実施の形態2による信号伝送システムにおける時間軸圧縮を説明するための図である。
【図15】実施の形態2による信号伝送システムにおける映像信号と音声信号の多重の様子を示す図である。
【図16】実施の形態2による信号伝送システムの分離部の構成を示す図である。
【図17】実施の形態2による信号伝送システムにおける映像信号と音声信号の分離の様子を示す図である。
【図18】実施の形態2による信号伝送システムの時間軸伸長部の構成を示す図である。
【図19】実施の形態2による信号伝送システムにおける時間軸伸長を説明するための図である。
【図20】実施の形態3による信号伝送システムの構成を示す図である。
【図21】実施の形態3による信号伝送システムにおけるデータの様子を示す図である。
【図22】実施の形態3による信号伝送システムにおける受信側での音声分離の方法を示す図である。
【図23】実施の形態3による信号伝送システムにおける受信側でのデコードの方法を示す図である。
【図24】実施の形態4による信号伝送システムの構成を示す図である。
【図25】実施の形態4による信号伝送システムにおける伝送路上の信号イメージを示す図である。
【図26】従来の信号伝送システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずしもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0023】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態1にかかる信号伝送システムについて図1〜図11を用いて説明する。
【0024】
図1は実施の形態1による信号伝送システムの構成を示す図である。
【0025】
図1において、信号送信装置は、音声信号を時間軸上で圧縮する時間軸圧縮部101と、多重制御信号を用いて映像信号と時間軸圧縮された音声信号を多重化し、映像音声多重信号として後述するデータライン106に送出する多重部102とからなるものである。
【0026】
信号受信装置は、多重制御信号を用いて、データライン106を介して受信した映像信号と音声信号が多重化された映像音声多重信号を分離する分離部103と、分離部103で分離された音声信号に対して時間軸伸長を行い、元の音声信号を復元する時間軸伸長部104と、送信側からクロックライン107を介して受信した映像クロックを元に音声クロックを再生する音声クロック再生部105とからなるものである。
【0027】
データライン106は、信号送信装置と信号受信装置を結ぶシリアルの伝送路である。
【0028】
なお、多重制御信号は、例えば、映像信号の水平同期信号あるいは垂直同期信号などの映像信号の空き時間に、音声信号を多重化するよう制御するものであり、多重制御信号発生装置(図示していない)により生成される。
【0029】
次に、本実施の形態1による信号伝送システムの動作について説明する。
【0030】
まず、図2に映像信号と時間軸圧縮前の音声信号の関係を模式的に示す。一般的に映像信号は音声信号に対してデータ量が多いので、映像信号数サンプルにおき音声信号1サンプルがほぼ時間的に対応している。本実施の形態1による信号伝送システムでは、この映像音声信号を時間的に圧縮して映像信号の存在しない領域に多重化する。具体的に映像信号の存在しない時間というのは、例えば、図3に示すように映像信号の水平同期期間,垂直同期期間が挙げられる。図3において、有効画面以外のハッチをつけた部分がその同期期間に相当する。この図3においては、例としてMPEG2のMP@ML(メインプロファイルメインレベル)のSD画面を例に挙げている。全画面は横に858画素、縦に525ラインである。その中の有効画面は横720画素、縦480ラインであり、全画面とこの有効画面の差が同期期間となる。この同期期間に音声信号を多重化する。
【0031】
次に、送信側の動作の説明を行う。
【0032】
図4は時間軸圧縮部101の構成を示す図である。時間軸圧縮部101は主にメモリで構成され、入力された音声信号をレート変換するものである。具体的には、入力のサンプリングクロックは音声のクロックfaとし、出力のクロックは映像のクロックfvとする。なお、faは音声のサンプリングクロック周波数、fvは映像のサンプリングクロック周波数である。また、時間圧縮部101の出力制御には多重制御信号を用いる。この多重制御信号には水平同期信号あるいは垂直同期信号を用いる。
【0033】
図5は時間軸圧縮部101による時間軸圧縮の様子を示す図である。時間軸圧縮前の音声信号はサンプリング周波数faで入力され、時間軸圧縮後の音声信号はサンプリング周波数fvでもって多重部102へ出力される。この時間軸圧縮後の音声信号が出力されるのは多重制御信号がLOWの期間である。この図では、簡略化のため、多重制御信号がLOWの期間に出力されるオーディオサンプル点の数を少なく表示しているが、実際に出力されるオーディオサンプル点はこれよりももっとはるかに多い。
【0034】
図6は、多重部102の構成を示す図である。多重部102は、映像信号と時間軸圧縮された音声信号を多重化して映像音声多重信号として送出する。映像信号と時間軸圧縮された音声信号の多重部102への入力の切り換えは多重制御信号で行う。この多重制御信号には映像の水平同期信号あるいは垂直同期信号を用いる。
【0035】
図7は、多重部102による映像信号と音声信号の多重の様子を示すである。図において、映像信号と時間軸圧縮後の音声信号が上の2段である。白丸が映像信号のサンプル点、黒丸が音声信号のサンプル点である。そして、多重制御信号がLOWの期間に映像信号に対して音声信号が多重化されていく様子を一番下に示す。そして、この映像音声多重信号がすなわち伝送路の信号となって、伝送路に送出されていく。
【0036】
次に受信側の動作の説明を行う。
【0037】
図8は分離部103の構成を示す図である。分離部103ではデータライン106から流れてきた映像音声多重信号を、映像信号と時間軸圧縮された音声信号とに分離する。なお、分離には分離制御信号を用いるが、この分離制御信号としては送信側からデータライン106とは別に設けられた伝送路を介して提供される多重制御信号を用いる。
【0038】
図9は分離部103による映像信号と音声信号の分離の様子を示す図である。データライン106から流れてきた映像音声多重信号を分離制御信号でもって映像信号と音声信号に分離する。具体的には分離制御信号がLOWの期間の信号を時間軸圧縮された音声信号とみなして、図8に示した分離部103のセレクタを音声信号出力の方にセットする。
【0039】
図10は時間軸伸長部104の構成を示す図である。時間軸伸長部104は主にメモリで構成され、時間軸圧縮された音声信号を分離制御信号がLOWの期間に映像のサンプリングクロックfvでもって入力し、音声のサンプリングクロック周波数faでもって出力する。これにより、もと通りに時間軸伸長された音声信号が得られる。
【0040】
図11は時間伸張部104による時間軸伸長の様子を示す図である。分離制御信号がLOWの期間のデータを音声信号とみなし、時間軸圧縮された音声信号を分離制御信号がLOWの期間だけサンプリング周波数fvで入力し、それをサンプリング周波数faでもって、たたき出すことで時間軸伸長された音声信号を得ることができる。
【0041】
次に音声クロック再生部105の動作について説明する。受信側では送信側から送られてきた映像クロックを元にしてPLL(Phase Lock Loop)をかけて音声クロックを再生し、時間軸伸長部104に音声クロックを供給する。
【0042】
このように、本発明の実施の形態1による信号伝送システムでは、送信側の多重部102において、映像信号と時間軸圧縮された音声信号とを多重制御信号に基づき多重化することにより、映像信号と音声信号を同一のデータライン106で送ることが可能になる。また、受信側では、データライン106を介して受信した映像音声多重信号を分離制御信号でもって分離することにより、映像信号と音声信号に分離することができる。
【0043】
また、多重制御信号,分離制御信号として映像信号の水平同期信号あるいは垂直同期信号を用い、また、音声信号を送信側で時間軸圧縮して受信側で時間軸伸長するようにしたので、音声信号を映像信号の隙間に多重化し、また分離することが可能となる。
【0044】
(実施の形態2)
以下、本実施の形態2にかかる信号伝送システムについて図12〜図19を用いて説明する。
【0045】
図12は、実施の形態2による信号伝送システムの構成図である。
【0046】
図12において、信号送信装置は、音声信号を時間軸圧縮する時間軸圧縮部201と、多重制御信号を用いて映像信号と音声信号を多重化し、映像音声多重信号として出力する多重部202と、多重制御信号を加工する多重制御信号加工部208とからなるものである。
【0047】
信号受信装置は、データライン206を介して受信した映像音声多重信号を分離する分離部203と、分離部203で分離された音声信号を時間軸伸長する時間軸伸長部204と、送信側からクロックライン207を介して受信した映像クロックから音声クロックを再生する音声クロック再生部205とからなるものである
【0048】
データライン206は、信号送信装置と信号受信装置を結ぶ伝送路である。
【0049】
なお、本実施の形態2による信号伝送システムが実施の形態1の信号伝送システムと異なる点は、実施の形態2による信号伝送システムでは多重制御信号を受信側に通知しないという点である。
【0050】
以下、本実施の形態2による信号伝送システムの動作について説明する。なお、時間軸圧縮部201では実施の形態1と同様、音声信号の時間軸圧縮を行うが、時間軸圧縮のための多重制御信号が実施の形態1とは異なる。
【0051】
図13は時間軸圧縮部201の構成を示す図である。時間軸圧縮部201は実施の形態1の時間軸圧縮部101と同様メモリで構成され、音声信号のサンプリングレートを変換するものである。実施の形態1ではこのメモリの制御信号として、多重制御信号、すなわち水平同期信号または垂直同期信号をそのまま使っていたが、本実施の形態2ではこれを若干加工して用いる。具体的には多重制御信号(水平同期信号または垂直同期信号)の立ち下がりから映像のサンプリングクロックのLクロックの期間(L×1/fv sec.)カウントして立ち下がる信号を用いる。これを行う目的は、時間軸圧縮後の音声信号の手前に無信号期間(Lクロック期間)を設けて、この無信号期間を受信側で映像信号と音声信号の切り換わりタイミングと認識させるためである。
【0052】
図14は時間圧縮部201による時間軸圧縮の様子を示す図である。この図において、時間軸圧縮前の音声信号と時間軸圧縮後の音声信号との関係は、実施の形態1におけるこれらの関係とほぼ同じであるが、多重制御信号の立ち下がりに対して時間軸圧縮後の音声信号はLクロック分、遅延している。このLクロックの期間は無信号状態である。
【0053】
図15は本実施の形態2における映像信号と音声信号の多重化の様子を示す図である。図14において説明したように、映像信号と時間軸圧縮後の音声信号との間にはLクロックの無信号期間が設けられる。そして、実施の形態2では映像信号と多重化すべき時間軸圧縮された音声信号のサンプルを映像のサンプリングクロックのMクロック期間(M×1/fv sec.)として定める。このL,Mというのは整数であり、なおかつ一定の値とする。多重制御信号加工部208は、多重制御信号(水平同期信号または垂直同期信号)の立ち下がりをLクロック遅延させた新たな多重制御信号を生成するものである。このようにすることで、受信側でどこに音声信号が何サンプル点あるか認識することができ、音声信号を分離することができる。
【0054】
図16は、分離部203の構成を示す図である。図において、210は映像信号と時間軸圧縮音声信号とを分離するセレクタ回路である。211はセレクタ回路210を制御する信号を生成するセレクタ制御信号生成部である。212は無信号検出部であり、伝送路を流れてくる映像音声多重信号の無信号状態を検出するものである。カウンタ213は音声信号のサンプルが存在する期間をカウントするもので、Mクロック期間(M×1/fv sec.)をカウントするものである。
【0055】
次に分離部203の具体的な動作を説明する。無信号検出部212はLクロック期間(L×1/fv sec.)の無信号状態を検出したとき、その出力のレベルをHIGHからLOWに変化させる。カウンタ213のカウント開始(出力の立ち下り)のタイミングは無信号検出部212の出力の立ち下りタイミングと同じである。カウンタ213は無信号検出部212の出力の立ち下がりからMクロック期間カウントしたら、その出力をLOWからHIGHに立ち上げる。セレクタ制御信号生成部211は無信号検出部212の出力とカウンタ213の出力とのOR(論理和)をとる回路である。セレクタ回路210は、セレクタ制御信号生成部211の出力がHIGHの期間にはAを選択して映像信号を抽出し、セレクタ制御信号生成部211の出力がLOWの期間にはBを選択して時間軸圧縮された音声信号を抽出する。
【0056】
図17は、本実施の形態2における映像信号と音声信号との分離の様子を示す。伝送路上の映像音声多重信号には、無信号期間がLクロック期間続いた後、音声信号サンプルがMクロック期間存在する。そして、図16で説明したように、セレクタ制御信号がLOWの期間は、セレクタをBに切り換えておき、それ以外の期間はAにセットしておけば、映像音声多重信号から映像信号と音声信号とを分離して抽出することができる。
【0057】
図18は時間軸伸長部204の構成を示す図である。時間軸伸長部204は実施の形態1の時間軸伸長部104と同様にメモリで構成されるが、分離制御信号としては図16で説明したセレクタ制御信号が用いられる。
【0058】
図19は、時間軸伸張部204による時間軸伸長の様子を示す図である。時間軸圧縮された音声信号を、分離制御信号すなわちセレクタ制御信号がLOWの期間だけサンプリング周波数fvで時間軸伸長部204に入力し、それをオーディオのサンプリングクロックfaでたたき出すことにより時間軸伸長された音声信号を得ることができる。
【0059】
このように、本実施の形態2による信号伝送システムでは、多重制御信号を受信側に伝えることなく、上記実施の形態1による信号伝送システムと同様の作用を実現できる。すなわち、実施の形態2では、映像信号と音声信号とが多重化される期間において、映像信号と音声信号の間にLクロック期間の信号状態を設け、また、音声信号のサンプル点をMクロック期間として一定とし、受信側で、無信号期間をLクロック期間検出後、Mクロック期間を音声信号の分離タイミングとみなす構成とすることにより、多重制御信号を受信側に伝えることなく音声信号と映像信号の分離を可能とできる。
【0060】
(実施の形態3)
以下、本実施の形態3にかかる信号伝送システムについて図20〜図23を用いて説明する。なお、実施の形態3は、実施の形態1,2による信号伝送システムをDVI(Digital Visual Interface)規格に適用したものである。
【0061】
図20は、実施の形態3による信号伝送システムの構成を示す図である。
【0062】
図20において、301は時間軸圧縮部で、これは実施の形態1あるいは2で用いたものと同一である。302は分解部であり、時間軸圧縮された音声信号をDVI規格のCTL2,CTL3,CTL1の信号に分解して重畳するものである。303〜305はTMDSエンコーダ/シリアライザ、306〜308はTMDSデコーダ/リカバリーであり、これらは従来例の技術で説明したものと同じである。309は合成部であり、CTL1,2,3からきた音声信号を合成するものである。310は時間軸伸長部であり、合成部309から出力された時間軸圧縮されたままの音声信号を伸長するものである。この図において、伝送路のチャンネル0にはBLUEと映像信号のHSYNC,VSYNC(水平同期信号,垂直同期信号)が時分割多重されたシリアルデータが伝送され、チャンネル1においてはGREENと音声(CTL1)が時分割多重されたシリアルデータが伝送され、チャンネル2ではREDと音声(CTL2,3)が時分割多重されたシリアルデータが伝送される。
【0063】
以上のように構成された信号伝送システムの動作について説明する。
【0064】
図21に実施の形態3における伝送路上の信号の様子を示す。
【0065】
まず、1番上にTMDSエンコーダへの入力のデータを示す。DE(データイネーブル)信号がLOWの間にCTL(コントロール信号)が挿入され、このCTL1,2,3のところに時間軸圧縮された音声信号をのせてTMDSエンコードされる。そして、伝送路上の信号ではチャンネル2にエンコードされたCTL2,3が重畳され、チャンネル1にエンコードされたCTL1が重畳される。そして、これらにより伝送路では、水平同期信号,または垂直同期信号の期間にオーディオ(音声信号)が重畳されていることになる。そして1番下に受信側でTMDSデコード,リカバーされたデータを示す。このリカバーされたデータというのは、送信側における入力のデータと全く同一のものである。
【0066】
次に受信側での音声を分離する方法を説明する。
【0067】
図22に示すように、まずチャンネル0のデータの一定期間をデータ一定期間検出回路350により検出する。このデータの一定期間というのは、水平同期期間あるいは垂直同期期間である。このデータの一定期間を検出して、DE(データイネーブル)信号を生成してやり、このDE信号がLOWの期間を音声信号が多重化されている期間とみなし、チャンネル1,チャンネル2のデコード・映像音声分離回路351,352に対してDE信号を供給しチャンネル1,チャンネル2のデコーダで映像信号と音声信号を分離する。そして、CTL1,CTL2,CTL3のラインの分離された音声信号があらわれる。
【0068】
次に受信側でのデコードの方法について説明する。
【0069】
図23において、チャンネル2に伝送されてきた映像音声多重信号をシリアル/パラレル変換回路360でシリアル/パラレル変換し、DE(データイネーブル)信号がHIGHの期間は映像信号とみなし、デコーダ362により10ビット/8ビットTMDSデコードを行い、これによりRED信号を得ることができる。そして、DE(データイネーブル)信号がLOWの期間は音声信号とみなし、デコーダ363により10ビット/2ビットTMDSデコードを行い、CTL2,CTL3のラインに音声信号を得ることができる。同様にチャンネル1においても伝送されてきた映像音声多重信号をシリアル/パラレル変換回路361でシリアル/パラレル変換し、DE(データイネーブル)信号がHIGHの期間はGREENの映像信号とみなし、デコーダ364により10ビット/8ビットTMDSデコードを行う。そしてDE(データイネーブル)信号がLOWの期間にはデコーダ365により10ビット/2ビットTMDSデコードを行い、CTL1に音声信号を得ることができる。
【0070】
このようにして、CTL(コントロール)ライン上で得られた音声信号を、合成部309で合成し、さらに時間軸伸長部310でレート変換することにより、元の音声信号を得ることができる。
【0071】
次に分解部302,合成部309の動作について説明する。
【0072】
分解部302においては、時間軸圧縮された音声信号をCTL2,3,1の3本に分解するわけであるが、音声信号の帯域によってはCTL2の1本のみを、あるいはCTL2,3の2本を使うという使い方をしても構わない。また、音声信号のサンプリング点の順番に従って、CTL2,3,1,2,3,1の順に分解すればよい。合成部309では、伝送路から流れてきた音声信号をデコードしたものに対して、CTL2,3,1の順番で音声信号がやってきているとみなして、合成すればよい。なお、CTL2,3,1の順でなくともこの3本を任意の順番で使っても構わないが、送信側と受信側でこの分解,合成の順は取り決めておく必要がある。
【0073】
このように、実施の形態3による信号伝送システムでは、実施の形態1,2における信号伝送システムの構成をDVI規格に適用し、音声信号を時間軸圧縮したものをCTL2,3,1のラインに分解し、受信側ではCTL2,3,1で伝送されてきた音声信号を合成し、時間軸伸長して音声信号を復元するようにしたから、従来映像しか伝送できなかったDVI規格の信号伝送システムにおいて、音声信号の伝送も可能とできる。
【0074】
(実施の形態4)
以下、本実施の形態4にかかる信号伝送システムについて図24及び図25を用いて説明する。なお、実施の形態4は実施の形態1〜3とは異なり、音声信号を映像信号の隙間を用いて伝送するものではなく、DVI規格の信号伝送システムにおいて用いられる3本の伝送路のうちの1本を音声信号用の伝送路として確保するようにしたものである。すなわち、DVI規格では映像信号の伝送は、RED,GREEN,BLUEといったコンポーネント信号で行われているが、本実施の形態4ではY,Pb,PrといったY色差信号で伝送するモードを追加し、またそこで空いたチャンネルを音声信号に割り当てるようにしたものである。
【0075】
図24は、実施の形態4による信号伝送システムの構成を示す図である。
【0076】
図において、401はセレクタであり、RED信号と輝度信号(Y)を選択してTMDSエンコーダに供給するものである。402もセレクタであり、GREEN信号とPbまたはPr信号を選択するものである。403はセレクタであり、BLUE信号と音声信号からどちらか一方を選択するものである。404〜406はTMDSエンコーダ/シリアライザ、407〜409はTMDSデコーダ/リカバリーである。これらの構成は実施の形態1,2,3と同一である。
【0077】
この実施の形態4の特徴としては、映像信号の伝送にY色差伝送を用いることである。Y色差伝送では、例えば4:2:0伝送というものがある。4:2:0伝送というのは図25に示すように、色信号のレートを輝度信号のレートの半分にするものである。具体的には輝度信号に対して色信号のサンプリング数を半分にする。これにより、DVIの伝送路では2チャンネルでもって映像信号を伝送することが可能となる。具体的にはチャンネル2で輝度信号、チャンネル1で色信号Pb,Pr信号を伝送する。そして空いたチャンネル0に音声信号を重畳するものである。この音声信号は時間軸圧縮されていない元のままの音声信号である。
【0078】
このように本実施の形態4による信号伝送システムでは、Y,Pb,PrといったY色差信号で伝送するモードを追加し、またそこで空いたチャンネルを音声信号に割り当てるようにしたから、映像信号とともに音声信号を伝送できるDVI規格に適合する信号伝送システムを実現できる。
【0079】
なお、実施の形態4では、Y,Pb/Pr,音声をそれぞれチャンネル2,チャンネル1,チャンネル0に割当てたが、この割当ての順序はこれに限るものではない。
【0080】
なお、本発明の実施の形態において、信号の多重化と送信を多重部が行っているが、多重と送信を別々の構成要件としても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、映像信号とともに音声信号を伝送できる、DVI規格ソースに準拠した信号伝送システムに有用である。
【符号の説明】
【0082】
101,201 時間軸圧縮部
102,202 多重部
103,203 分離部
104,204 時間軸伸長部
105,205 音声クロック再生部
106,206 データライン
107,207 クロックライン
208 多重制御信号加工部
210 セレクタ回路
211 セレクタ制御信号生成部
212 無信号検出部
213 カウンタ
301 時間軸圧縮部
302 分解部
303〜305 TMDSエンコーダ/シリアライザ
306〜308 TMDSデコーダ/リカバリー
309 合成部
310 時間軸伸長部
401〜403 セレクタ
404〜406 TMDSエンコーダ/シリアライザ
407〜409 TMDSデコーダ/リカバリー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送路を介して信号送信装置に接続された、DVI規格ソースに準拠した信号受信装置において、
第1のデジタルビデオ信号、第1の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び第1の制御信号が多重化された第1の多重信号を伝送する第1のチャンネルと、
第2のデジタルビデオ信号、第2の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び第2の制御信号が多重化された第2の多重信号を伝送する第2のチャンネルと、
第3のデジタルビデオ信号、及び同期信号が多重化された第3の多重信号を伝送する第3のチャンネルと、
を含むチャンネルから信号を受信する受信部と、
上記受信部にて受信した上記第1の制御信号、及び上記第2の制御信号を用いて、上記受信部にて受信した上記第1の多重信号から、上記第1の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び上記第1のデジタルビデオ信号を分離するとともに、上記受信部にて受信した上記第1の制御信号、及び上記第2の制御信号を用いて、上記受信部にて受信した上記第2の多重信号から、上記第2の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び上記第2のデジタルビデオ信号を分離する分離部とを備え、
上記受信部は、上記信号送信装置から上記第1のデジタルビデオ信号の第1のサンプリングクロックを更に受信し、
上記第1のデジタルビデオ信号の上記第1のサンプリングクロックを元に音声クロックを再生する音声クロック再生部をさらに備えた、ことを特徴とする信号受信装置。
【請求項1】
伝送路を介して信号送信装置に接続された、DVI規格ソースに準拠した信号受信装置において、
第1のデジタルビデオ信号、第1の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び第1の制御信号が多重化された第1の多重信号を伝送する第1のチャンネルと、
第2のデジタルビデオ信号、第2の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び第2の制御信号が多重化された第2の多重信号を伝送する第2のチャンネルと、
第3のデジタルビデオ信号、及び同期信号が多重化された第3の多重信号を伝送する第3のチャンネルと、
を含むチャンネルから信号を受信する受信部と、
上記受信部にて受信した上記第1の制御信号、及び上記第2の制御信号を用いて、上記受信部にて受信した上記第1の多重信号から、上記第1の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び上記第1のデジタルビデオ信号を分離するとともに、上記受信部にて受信した上記第1の制御信号、及び上記第2の制御信号を用いて、上記受信部にて受信した上記第2の多重信号から、上記第2の時間軸圧縮されたデジタル音声信号、及び上記第2のデジタルビデオ信号を分離する分離部とを備え、
上記受信部は、上記信号送信装置から上記第1のデジタルビデオ信号の第1のサンプリングクロックを更に受信し、
上記第1のデジタルビデオ信号の上記第1のサンプリングクロックを元に音声クロックを再生する音声クロック再生部をさらに備えた、ことを特徴とする信号受信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2011−120253(P2011−120253A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288355(P2010−288355)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【分割の表示】特願2001−221841(P2001−221841)の分割
【原出願日】平成13年7月23日(2001.7.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【分割の表示】特願2001−221841(P2001−221841)の分割
【原出願日】平成13年7月23日(2001.7.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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