説明

信号検出方法、熱レンズ分光分析システム、蛍光検出システム、信号検出装置、信号検出システム、信号検出プログラム、及び記憶媒体

【課題】測定信号に含まれる複数の周波数成分を容易に抽出することができる信号検出方法、熱レンズ分光分析システム、蛍光検出システム、信号検出装置、信号検出システム、信号検出プログラム、及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】熱レンズ分光分析システムは、第1の光源ユニット10と、第2の光源ユニット20と、第3の光源ユニット30と、第4の光源ユニット40と、プローブ51,52,53,54と、試料61,62,63,64を備えるマイクロ化学チップ60と、フォトダイオード70と、IVアンプ80と、PC90とを備える。PC90は、IVアンプ80から出力される電気信号を高速フーリエ変換によって周波数分析して、横軸を周波数、縦軸をデシベル単位で表した測定信号強度とする周波数スペクトルに変換し、変調周波数F1,F2,F3,F4の±50Hzの周波数帯域におけるピーク値を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号検出方法、熱レンズ分光分析システム、蛍光検出システム、信号検出装置、信号検出システム、信号検出プログラム、及び記憶媒体に関し、特に、熱レンズ分光分析システム、及び蛍光検出システムにおける信号検出方法、熱レンズ分光分析システム、蛍光検出システム、信号検出装置、信号検出システム、信号検出プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、化学反応の高速化や微少量での反応、オンサイト分析等の観点から、化学反応を微小空間で行うための集積化技術が注目されており、そのための研究が精力的に進められている。
【0003】
このような集積化技術の1つとして、マイクロチップ内部の微細流路で液体試料の混合、反応、分離、抽出、検出等を行うマイクロ化学システムがある。
【0004】
マイクロチップは、溝が形成されたガラス基板上に、試料注入・排出用小穴が溝の対応位置に配置された他のガラス基板を接合したものをいい、接合後その溝部分が、前述の微細流路を形成するものである。
【0005】
このようなマイクロ化学システムにおいては、試料の量が微量であるので、試料の高感度な検出方法が必須である。高感度な検出方法としては、例えば、熱レンズ効果を利用した光熱変換分光分析法を利用する熱レンズ分光分析法及び蛍光検出法がある。
【0006】
上記熱レンズ分光分析法は、このマイクロチップ内部の微細な流路を流れる試料に集光するようにマイクロチップ表面に光を照射し、照射された光を試料中の溶質が吸収して熱エネルギーを放出し、この熱エネルギーによって溶媒が局所的に温度上昇することによって屈折率が変化するという光熱変換効果、即ち、熱レンズ効果を利用するものである。
【0007】
具体的には、マイクロチップを顕微鏡の対物レンズの下方に配置し、励起光源から出力され、変調器によって所定の周波数(以下「変調周波数」という)で変調された所定波長の励起光を顕微鏡に入射する。この励起光を顕微鏡の対物レンズによりマイクロチップ内部の微細な流路内の試料溶液に集光照射する。集光照射された励起光の焦点位置は溶液試料中にあり、この焦点位置を中心として熱レンズが形成される。
【0008】
一方、検出光源から出力された波長が励起光と異なる検出光を顕微鏡に入射する。この検出光を励起光と同様に顕微鏡の対物レンズによって集光する。
【0009】
こうすることにより、熱レンズが凹レンズの効果を有するときに、検出光は試料溶液を透過して発散し、熱レンズが凸レンズの効果を有するときに、検出光は試料溶液を透過して集光する。この発散又は集光した検出光が集光レンズとフィルタ又はフィルタのみを介して検出器に受光されると、検出器は、受光した光を測定信号として検出する。即ち、この測定信号の強度が、試料溶液において形成された熱レンズに応じたものとなる。なお、検出光は励起光と同じ波長のものでもよく、また、励起光が検出光を兼ねることもできる。
【0010】
また、上記蛍光検出法は、このマイクロチップ内部の微細な流路を流れる試料に集光するようにマイクロチップ表面に光を照射し、照射された光を試料中の溶質が吸収して発した蛍光の強度を検出器で測定することによって行う。この蛍光検出法においても、ノイズと信号との分離を容易にするため、照射する励起光を変調器によって所定の周波数で変調することを行う。
【0011】
検出器によって検出された測定信号は、微小信号検出装置によって、試料溶液に対応する周波数成分が抽出され、抽出された周波数成分の強度を、PC等の情報処理装置によって分析し、試料溶液の濃度が求められる。
【0012】
このとき、微小信号検出装置として、ロックインアンプが使用される。ロックインアンプは、一定周波数の参照信号を使って、複数の周波数成分やノイズが混在した測定信号から、参照信号に対応する周波数成分を抽出する装置である。このロックインアンプによって、変調器により変調された励起光の変調周波数と同じ周波数の信号を参照信号として、測定信号から変調周波数の成分が抽出され、その抽出された変調周波数成分の強度によって試料溶液の濃度が求められる(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
また、測定信号の周波数成分を抽出する装置として、高速フーリエ変換により得られた周波数スペクトルから所定のしきい値以下のピークをノイズとして取り除くFFT信号処理装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2003−344323号公報
【特許文献2】特開平11−051989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記ロックインアンプによって測定信号から所望の周波数成分を抽出する際に、参照信号が常に必要となる。
【0015】
ロックインアンプは、また、1つの参照信号に対応する周波数成分を抽出するものであるので、測定信号に複数の周波数成分が混在している場合には、当該複数の周波数成分のうち、抽出できるのは参照信号に対応する1つの周波数成分のみであり、複数の試料の濃度測定を行う場合には、試料と同じ数だけのロックインアンプが必要となる。
【0016】
ロックインアンプは、さらに、そのダイナミックリザーブが決まっているので、ユーザは測定信号の強弱に応じて測定レンジを最適値に調整しなければならない。
【0017】
加えて、ロックインアンプは高価且つ大型であるので、測定システム全体のコスト及び大きさが増大する。
【0018】
本発明の目的は、測定信号に含まれる1つないし複数の周波数成分を容易に抽出することができる信号検出方法、熱レンズ分光分析システム、蛍光検出システム、信号検出装置、信号検出システム、信号検出プログラム、及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、請求項1記載の信号検出方法は、信号を入力する入力ステップと、前記入力された信号に高速フーリエ変換を施す高速フーリエ変換ステップと、前記高速フーリエ変換が施された信号の周波数スペクトルを出力する出力ステップとを備える信号検出方法において、前記出力された周波数スペクトルから所定の周波数帯域におけるピーク波形の大きさを検出する検出ステップを備えることを特徴とする。
【0020】
請求項2記載の信号検出方法は、請求項1記載の信号検出方法において、前記所定の周波数帯域の幅は、500Hz以下であることを特徴とする。
【0021】
請求項3記載の信号検出方法は、請求項2記載の信号検出方法において、前記所定の周波数帯域の幅は、100Hz以下であることを特徴とする。
【0022】
請求項4記載の信号検出方法は、請求項3記載の信号検出方法において、前記所定の周波数帯域の幅は、10〜100Hzであることを特徴とする。
【0023】
請求項5記載の信号検出方法は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の信号検出方法において、所定の周波数で物理現象を繰り返し発生させ、前記物理現象の変化を検出する検出システムに用いられることを特徴とする。
【0024】
請求項6記載の信号検出方法は、請求項5記載の信号検出方法において、前記検出システムは、熱レンズ分光分析システム又は蛍光検出システムであることを特徴とする。
【0025】
請求項7記載の信号検出方法は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の信号検出方法において、前記ピーク波形の大きさは、ピーク値であることを特徴とする。
【0026】
請求項8記載の信号検出方法は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の信号検出方法において、前記ピーク波形の大きさは、ピークの積分値であることを特徴とする。
【0027】
上記目的を達成するために、請求項9記載の熱レンズ分光分析システムは、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の信号検出方法を用いたことを特徴とする。
【0028】
上記目的を達成するために、請求項10記載の蛍光検出システムは、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の信号検出方法を用いたことを特徴とする。
【0029】
上記目的を達成するために、請求項11記載の信号検出装置は、信号を入力する入力手段と、前記入力された信号に高速フーリエ変換を施す高速フーリエ変換手段と、前記高速フーリエ変換が施された信号の周波数スペクトルを出力する出力手段とを備える信号検出装置において、前記出力された周波数スペクトルから所定の周波数帯域におけるピーク波形の大きさを検出する検出手段を備えることを特徴とする。
【0030】
請求項12記載の信号検出装置は、請求項11記載の信号検出装置において、前記所定の周波数帯域の幅は、500Hz以下であることを特徴とする。
【0031】
請求項13記載の信号検出装置は、請求項12記載の信号検出装置において、前記所定の周波数帯域の幅は、100Hz以下であることを特徴とする。
【0032】
請求項14記載の信号検出装置は、請求項13記載の信号検出装置において、前記所定の周波数帯域の幅は、10〜100Hzであることを特徴とする。
【0033】
請求項15記載の信号検出装置は、請求項11乃至14のいずれか1項に記載の信号検出装置において、所定の周波数で物理現象を繰り返し発生させ、前記物理現象の変化を検出する検出システムの一部を構成することを特徴とする。
【0034】
請求項16記載の信号検出装置は、請求項15記載の信号検出装置において、前記検出システムは、熱レンズ分光分析システム又は蛍光検出システムであることを特徴とする。
【0035】
請求項17記載の信号検出装置は、請求項11乃至16のいずれか1項に記載の信号検出装置において、前記入力手段は音声入力端子を有することを特徴とする。
【0036】
請求項18記載の信号検出装置は、請求項11乃至17のいずれか1項に記載の信号検出装置において、前記ピーク波形の大きさは、ピーク値であることを特徴とする。
【0037】
請求項19記載の信号検出装置は、請求項11乃至17のいずれか1項に記載の信号検出装置において、前記ピーク波形の大きさは、ピークの積分値であることを特徴とする。
【0038】
請求項20記載の信号検出システムは、請求項11乃至19のいずれか1項に記載の信号検出装置を備える信号検出システムであって、複数の光源と、前記複数の光源から出力された光を各々異なった周波数で変調する変調器とを備え、前記変調された光を各々の試料に照射し、前記照射によって生成した各々の信号を前記入力手段に同時に入力し、前記高速フーリエ変換手段は、前記入力された各々の信号を同時に高速フーリエ変換し、前記検出手段は、前記各々異なった周波数に対応した各々の周波数において、前記所定の周波数帯域におけるピーク波形の大きさを同時に検出することを特徴とする。
【0039】
請求項21記載の信号検出システムは、請求項20記載の信号検出システムにおいて、前記各々異なった周波数の間隔が30Hz以上200Hz以下であることを特徴とする。
【0040】
請求項22記載の信号検出システムは、請求項21記載の信号検出システムにおいて、前記各々異なった周波数の間隔が50Hz以上200Hz以下であることを特徴とする。
【0041】
請求項23記載の信号検出システムは、請求項22記載の信号検出システムにおいて、前記各々異なった周波数の間隔が100Hz以上200Hz以下であることを特徴とする。
【0042】
請求項24記載の信号検出システムは、請求項20乃至23のいずれか1項に記載の信号検出装置において、1つの光電変換素子と、前記光電変換素子及び前記各々の試料を結ぶ光ファイバとを備えることを特徴とする。
【0043】
上記目的を達成するために、請求項25記載の信号検出プログラムは、信号を入力する入力モジュールと、前記入力された信号に高速フーリエ変換を施す高速フーリエ変換モジュールと、前記高速フーリエ変換が施された信号の周波数スペクトルを出力する出力モジュールとを備える信号検出プログラムにおいて、前記出力された周波数スペクトルにおいて所定の周波数帯域におけるピーク波形の大きさを検出する検出モジュールを備えることを特徴とする。
【0044】
請求項26記載の信号検出プログラムは、請求項25記載の信号検出プログラムにおいて、前記所定の周波数帯域の幅は、500Hz以下であることを特徴とする。
【0045】
請求項27記載の信号検出プログラムは、請求項26記載の信号検出プログラムにおいて、前記所定の周波数帯域の幅は、100Hz以下であることを特徴とする。
【0046】
請求項28記載の信号検出プログラムは、請求項27記載の信号検出プログラムにおいて、前記所定の周波数帯域の幅は、10〜100Hzであることを特徴とする。
【0047】
請求項29記載の信号検出プログラムは、請求項25乃至28のいずれか1項に記載の信号検出プログラムにおいて、前記ピーク波形の大きさは、ピーク値であることを特徴とする。
【0048】
請求項30記載の信号検出プログラムは、請求項25乃至28のいずれか1項記載の信号検出プログラムにおいて、前記ピーク波形の大きさは、ピークの積分値であることを特徴とする。
【0049】
上記目的を達成するために、請求項31記載の記憶媒体は、請求項25乃至30のいずれか1項に記載のプログラムを格納することを特徴とする。
【発明の効果】
【0050】
請求項1記載の信号検出方法、請求項9記載の熱レンズ分光分析システム、請求項10記載の蛍光検出システム、請求項11記載の信号検出装置、請求項20記載の信号検出システム、請求項25記載の信号検出プログラム、及び請求項31記載の記憶媒体によれば、周波数スペクトルから所定の周波数帯域におけるピーク波形の大きさを検出するので、測定信号に含まれる周波数成分を容易に抽出することができる。また、測定信号に複数の異なった周波数成分があっても同時に容易に抽出することができる。
【0051】
請求項2記載の信号検出方法、請求項12記載の信号検出装置、及び請求項26記載の信号検出プログラムによれば、所定の周波数帯域の幅が500Hz以下であるので、測定信号に含まれる周波数成分を確実に抽出することができる。また、測定信号に複数の異なった周波数成分があっても同時に確実に抽出することができる。
【0052】
請求項6記載の信号検出方法及び請求項16記載の信号検出装置によれば、熱レンズ分光分析システム又は蛍光検出システムに使用されているので、熱レンズ分光分析システム又は蛍光検出システム自体の低コスト化及び小型化を実現することができる。
【0053】
請求項17記載の信号検出装置によれば、入力手段は音声入力端子を有するので、外部装置からの出力を音声信号として入力することができ、A/Dコンバータを用意する必要がなくなるので、もって熱レンズ分光分析システム又は蛍光検出システム自体の低コスト化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述する。
【0055】
図1は、本発明の実施の形態に係る信号検出方法が実施される熱レンズ分光分析システムの構成を概略的に示すブロック図である。ただし、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0056】
図1において、熱レンズ分光分析システムAは、励起光を出力する励起光用光源11、励起光を所定の変調周波数F1で変調する変調器14、連続光である検出光を出力する検出光用光源12、及び光ファイバに入射させた変調された励起光及び出力された検出光を合波する合波器13から成る第1の光源ユニット10と、励起光を出力する励起光用光源21、励起光を所定の変調周波数F2で変調する変調器24、連続光である検出光を出力する検出光用光源22、及び光ファイバに入射させた変調された励起光及び出力された検出光を合波する合波器23から成る第2の光源ユニット20と、励起光を出力する励起光用光源31、励起光を所定の変調周波数F3で変調する変調器34、連続光である検出光を出力する検出光用光源32、及び光ファイバに入射させた変調された励起光及び出力された検出光を合波する合波器33から成る第3の光源ユニット30と、励起光を出力する励起光用光源41、励起光を所定の変調周波数F4で変調する変調器44、連続光である検出光を出力する検出光用光源42、及び光ファイバに入射させた変調された励起光及び出力された検出光を合波する合波器43から成る第4の光源ユニット40とを備える。
【0057】
熱レンズ分光分析システムAは、さらに、合波器13,23,33,43にて合波された励起光及び検出光を伝播する光ファイバ101,102,103,104と、光ファイバ101,102,103,104により伝搬された励起光及び検出光を、夫々、マイクロ化学チップ60の内部の微細流路に注入された試料61,62,63,64に照射するプローブ(セルフォックマイクロレンズ(SML)(登録商標))51,52,53,54と、試料61,62,63,64を透過した検出光を受光する光ファイバ111,112,113,114と、光ファイバ111,112,113,114によって伝搬された検出光を光電変換して検出光の強度に応じた信号を出力するフォトダイオード70と、出力された信号を電流−電圧変換すると共に増幅して、測定信号として出力するIVアンプ80と、IVアンプ80から入力された測定信号の微小信号検出処理(後述する図2)を実行するPC90(信号検出装置)とを備える。
【0058】
試料61,62,63,64に照射されて透過した励起光をカットするためのフィルター71は、光ファイバ111,112,113,114に光が入射する前、または、光ファイバ111,112,113,114とフォトダイオード70の間に配置される。
【0059】
IVアンプ80は、マイクロフォンジャック115を介してPC90の音声入力端子(不図示)と接続されている。
【0060】
ここで、音声入力端子とは、アナログ信号として流れる信号をデジタル変換し、PC90が音声として処理できるデータへ変換するときに用いられる入力素子を示し、具体的には、マイクロフォン端子、PCカード型入力端子、USB型入力端子、ボード型入力端子等のことである。
【0061】
更に詳細には、マイクロフォン端子として、PC90に附属している端子を利用することができ、USB型端子としては、株式会社アイ・オー・データ機器製のDAVOXL等を利用することができ、PCカード型端子としては、クリエイティブ社製のPCMCIA Sound Blaster Audigy 2 ZS Notebook等を利用することができ、ボード型端子としては、クリエイティブ社製のSound Blaster Audigy 2 ZS Digital Audio等を用いることができる。
【0062】
また、これらの端子を用いずに、アナログ−デジタル変換素子(ADコンバーター)を用いてアナログ信号をデジタル信号に変換し、得られたデジタル信号をPC90に取り込み、ソフトウエアを用いてデジタル信号を音声に変換することもできる。
【0063】
試料61,62,63,64に夫々照射された変調周波数F1,F2,F3,F4で変調された励起光により、試料61,62,63,64内に熱レンズが形成されて熱レンズ効果が生じる。試料61,62,63,64に照射された検出光は、夫々上記形成された熱レンズにより屈折される。この熱レンズは、変調周波数F1,F2,F3,F4で変調された励起光により形成されるので、熱レンズを透過した検出光は、夫々変調周波数F1,F2,F3,F4と同じ周波数で変調される。光ファイバ111,112,113,114には、試料61,62,63,64の濃度に対応する強度で且つ変調周波数F1,F2,F3,F4と同じ周波数で変調された検出光が入射する。光ファイバ111,112,113,114に夫々入射された検出光は、フォトダイオード70にまとめて照射させることで光電変換され、試料61,62,63,64の各々の濃度に対応する強度を有する4つの周波数成分を含む1つの電気信号としてIVアンプ80に出力される。出力された電気信号は、IVアンプ80により電流−電圧変換されると共に増幅され、測定信号として出力される。
【0064】
IVアンプ80から出力された測定信号は、PC90の音声入力端子に接続されたマイクロフォンジャック115を介してPC90に音声信号として入力される。これにより、IVアンプ80とPC90とを接続する際に、A/Dコンバータを用意する必要がなく、熱レンズ分光分析システムAのコストを抑えることができる。
【0065】
図2は、図1のPCによって実行される微小信号検出処理の手順を示すフローチャートである。
【0066】
図2において、PC90は、IVアンプ80から出力された測定信号を高速フーリエ変換(以下「FFT」という)によって周波数分析して、横軸を周波数、縦軸をデシベル(dB)単位で表した測定信号強度とする周波数スペクトル(図3)に変換し(ステップS21)、図4に示すように、変調周波数F1,F2,F3,F4の±50Hzの周波数帯域(例えば、変調周波数Fが1000Hzの場合、950〜1050Hzの周波数帯域)におけるピーク値を検出し(ステップS22)、検出されたピーク値の経時変化を示すグラフ、即ち、縦軸をピーク値、横軸を時間とするグラフを表示し(ステップS23)、表示されたグラフのデータをCSVファイルとして出力して(ステップS24)、本処理を終了する。
【0067】
ステップS21において、高速フーリエ変換された測定信号の強度はデシベルで表されるので、広範囲の強度の測定信号を検出することができ、もって測定信号の強度差が大きい場合であっても、ロックインアンプで必要とされた測定信号の強弱に応じた測定レンジの調整を行うことなく、確実にピーク値を検出することができる。
【0068】
ステップS22において、PC90が変調周波数F1,F2,F3,F4の±50Hzの周波数帯域(所定の周波数帯域)におけるピーク値を検出することにより、測定信号から試料61,62,63,64に対応する周波数成分を確実に抽出することができる。
【0069】
ステップS23において、異なる周波数帯域における夫々のピーク値の経時変化が同じ時間軸上に表現されたグラフを表示することができる。
【0070】
図2の処理によれば、PC90は、IVアンプ80から出力された測定信号をFFTによって周波数分析して、周波数スペクトルに変換し(ステップS21)、この周波数スペクトルから変調周波数F1,F2,F3,F4の±50Hzの周波数帯域におけるピーク値を検出する(ステップS22)ので、ロックインアンプのように参照信号を使うことなく、測定信号から試料61,62,63,64の濃度に対応する強度の周波数成分を同時にかつ容易に抽出することができ、もって試料61,62,63,64の濃度を同時にかつ容易に測定することができる。
【0071】
図5は、本発明の実施の形態に係る信号検出方法によって検出されたピーク値に基づく検量線を説明する図であり、(a)は、図2の微小信号検出処理(FFT方式)により求められた検量線であり、(b)は、従来のロックインアンプにより求められた検量線である。
【0072】
図5(a)及び図5(b)において、図2の微小信号検出処理(FFT方式)により求められた検量線と、従来のロックインアンプにより求められた検量線は、略同一の形状をしている。よって、図2の微小信号検出処理は、従来のロックインアンプによる微小信号検出処理と同じレベルの精度で試料61,62,63,64の濃度を求めることができると言える。
【0073】
本実施の形態によれば、周波数スペクトルから変調周波数F1,F2,F3,F4の±50Hzの周波数帯域におけるピーク値を検出するので、ロックインアンプのように参照信号を使うことなく、測定信号から試料61,62,63,64の濃度に対応する強度の周波数成分を同時にかつ容易に抽出することができ、もって試料61,62,63,64の濃度を同時にかつ容易に測定することができる。
【0074】
本実施の形態によれば、PC90が周波数スペクトルから変調周波数F1,F2,F3,F4の±50Hzの周波数帯域におけるピーク値を検出するので、熱レンズ分光分析システムAからロックインアンプを不要とすることができ、もって熱レンズ分光分析システムAの低コスト化及び小型化を実現することができる。
【0075】
本実施の形態によれば、フォトダイオード70が試料61,62,63,64を夫々透過した複数の検出光を検出するので、1台のPC90で複数の試料61,62,63,64の各々の濃度に対応する強度を有する周波数成分を抽出することができ、もって1台のPC90で複数の試料61,62,63,64の濃度測定を行うことができる。
【0076】
本実施の形態では、周波数スペクトルからピーク値を検出したが、これに限定されるものではなく、周波数スペクトルからピーク値とホワイトノイズ値との差や、ピークの積分値を検出してもよい。これにより、測定信号の状態に応じて柔軟に対応することができる。
【0077】
本実施の形態では、検出されたピーク値の経時変化を示すグラフを表示したが(ステップS23)、これに限定されるものではなく、ステップS21で求められた周波数スペクトルをそのまま表示しても良い。また、図5に示すような、濃度が既知である複数の標準試料による測定結果に基づいて作成された検量線を表示してもよい。ユーザは、この検量線に基づいて、検出されたピーク値から試料61,62,63,64の濃度を求めることができる。
【0078】
本実施の形態では、ピーク値が検出される周波数帯域が変調周波数F1,F2,F3,F4の±50Hzの範囲であるが、これは±250Hz以下であればよく、また、ホワイトノイズのレベルやその他の測定環境に応じて、変調周波数F1,F2,F3,F4の±50Hz又は±20Hz、より狭くは±5Hz、さらに狭くは±1Hzの範囲まで狭めてもよい。これにより、試料61,62,63,64に対応する周波数帯域のピーク値が微小な場合や、変調周波数F1,F2,F3,F4の間隔が狭い場合であっても確実に当該ピーク値を検出することができる。
【0079】
変調周波数F1,F2,F3,F4の各々の間隔に関しては、100Hz以上であることが望ましい。変調周波数F1,F2,F3,F4の各々の間隔があまりに狭いと、2つのピークが重なりあって分離できなくなる(例えば、図6)。また、変調周波数F1,F2,F3,F4の各々の間隔が広くなると、ピーク検出の際のピークの分離(例えば、図7)は容易になるが、所定の周波数帯域の中に挿入できる周波数の数が少なくなり、もって同時に測定できる試料の数が少なくなってしまう。これは、一番低い変調周波数F1の2倍波及び3倍波の影響により、変調周波数F1の2倍波の周波数より低い周波数に全ての変調周波数を設定する必要があるためである。よって、ピーク分離検出ができる一番狭い間隔で変調周波数F1,F2,F3,F4の各々を設定することが望ましい。
【0080】
具体的に説明すると、例えば、一番低い変調周波数F1を1kHzとすると、変調周波数F1の2倍波は2kHzのところに出る(図8)。変調周波数F1,F2,F3,F4の各々の間隔を100Hzに設定すると、一番低い変調周波数F1の1kHzと2倍波の周波数2kHzとの間に挿入することができる変調周波数は9個となって、10個の試料までしか同時に測定できない。ここで、変調周波数F1,F2,F3,F4の各々の間隔を50Hzに設定すると、変調周波数F1の1kHzと2倍波の周波数2kHzとの間に挿入することができる変調周波数は19個となって、20個の試料を同時に測定することができる。
【0081】
なお、一番低い変調周波数F1を1kHzに設定しているのは、熱レンズ信号は変調周波数が低いほど大きな信号となるものの、変調周波数が低くなりすぎると熱の緩和のために感度が低くなる(SNが悪くなる)ことに基づくものである。斯かる傾向は、熱レンズ測定のみならず蛍光測定においても当てはまる。
【0082】
微小信号検出処理(FFT方式)においては、信号を取り込むサンプリング周波数(サンプリングの間隔)と、一度の計算に用いるサンプリング数によって周波数分解能が変化する。このため、測定条件によってピークの分離のし易さが変化する。また、隣合うピークの高さの違い(濃度の違いによる)によっても2つのピークの重なり方が異なって分離のし易さが変化する。
【0083】
表1に、変調周波数F1,F2を用いて2つの試料を同時に測定した場合の2つの信号ピークの分離可否を示す。
【0084】
【表1】

【0085】
表1においては、サンプリング周波数と、サンプリング数と、変調周波数F1及び変調周波数F2の周波数間隔(変調周波数F1を1057Hzで固定してF2を変更)と、変調周波数F1で測定した試料のピーク信号高さと、変調周波数F2で測定した試料のピーク信号高さとを変化させた。表1より、サンプル周波数、サンプリング数、及び各ピーク信号高さが変化すると、分離可能な周波数の最小間隔が変化することが分かる。そのため、微小信号検出処理(FFT方式)においては、測定する試料の種類、試料濃度、及びサンプリング条件等にあわせて変調周波数の間隔を調整することが望ましい。よって、変調周波数の間隔を、多くの条件で2つのピークを分離可能である100Hz以上とすることが望ましいが、多くの試料を測定する場合には、より狭い50〜100Hz、さらに狭い30〜50Hzとすることが望ましい。
【0086】
また、同時に測定できる試料の数が減少してしまうので、変調周波数の間隔を200Hz以下、好ましくは、150Hz以下とすることが望ましい。
【0087】
本発明の実施の形態では、試料61,62,63,64を透過した検出光の強度に応じた信号がPC90に入力されているが、これに限定されるものではなく、電気信号であれば何でも良い。
【0088】
本発明の実施の形態では、複数の検出光用光源12,22,32,42を備えていたが、検出用光源は1つであってもよい。
【0089】
また、本発明の実施の形態では、複数の試料の検出を実施したが、1つの試料の場合も同様に検出できる。
【0090】
図9は、本発明の実施の形態に係る信号検出方法が実施される蛍光検出システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【0091】
図9において、本発明の実施の形態に係る信号検出法が実施される蛍光検出システムBは、図1に示される熱レンズ分光分析システムAと同じ構成部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0092】
図9において、蛍光検出システムBにおいては、熱レンズ分光分析システムAとは異なり、検出光が必要ないので、光源ユニット210,220,230,240には検出光用光源及び合波器が省かれている。
【0093】
蛍光検出システムBでは、試料61,62,63,64に照射された励起光によって発生した蛍光を、励起光を照射するために用いたプローブ(セルフォックマイクロレンズ(SML)(登録商標))51,52,53,54で集光する。プローブ51,52,53,54で集光された蛍光は、光ファイバ101,102,103,104にて伝搬され、光ファイバ101,102,103,104の途中に設けられた分波モジュール211,212,213,214にて励起光と分離される。分離された蛍光は光ファイバ121,122,123,124を伝搬し、フォトダイオード70にまとめて照射される。
【0094】
フォトダイオード70に照射された蛍光は、フォトダイオード70によって光電変換され、信号としてIVアンプ80に送られる。
【0095】
IVアンプ80以降の信号の処理は、熱レンズ分光分析システムAの場合と同様である。
【0096】
また、本発明の目的は、実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
【0097】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0098】
又、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0099】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0100】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の実施の形態に係る信号検出方法が実施される熱レンズ分光分析システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】図1のPCによって実行される微小信号検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】図2におけるFFT処理によって変換された周波数スペクトルを示すグラフである。
【図4】図2におけるピーク検出を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る信号検出方法によって検出されたピーク値に基づく検量線を説明する図であり、(a)は、図2の微小信号検出処理(FFT方式)により求められた検量線であり、(b)は、従来のロックインアンプにより求められた検量線である。
【図6】図2におけるピーク検出により検出されたピークが重なって分離されていないことを示す図である。
【図7】図2におけるピーク検出により検出されたピークが分離されていることを示す図である。
【図8】図2におけるピーク検出により基本波と2倍波が表れることを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る信号検出方法が実施される蛍光検出システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0102】
10 第1の光源ユニット
11 励起光用光源
12 検出光用光源
13 合波器
14 変調器
51 プローブ
60 マイクロ化学チップ
61 試料
80 IVアンプ
90 PC
A 熱レンズ分光分析システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を入力する入力ステップと、前記入力された信号に高速フーリエ変換を施す高速フーリエ変換ステップと、前記高速フーリエ変換が施された信号の周波数スペクトルを出力する出力ステップとを備える信号検出方法において、前記出力された周波数スペクトルから所定の周波数帯域におけるピーク波形の大きさを検出する検出ステップを備えることを特徴とする信号検出方法。
【請求項2】
前記所定の周波数帯域の幅は、500Hz以下であることを特徴とする請求項1記載の信号検出方法。
【請求項3】
前記所定の周波数帯域の幅は、100Hz以下であることを特徴とする請求項2記載の信号検出方法。
【請求項4】
前記所定の周波数帯域の幅は、10〜100Hzであることを特徴とする請求項3記載の信号検出方法。
【請求項5】
所定の周波数で物理現象を繰り返し発生させ、前記物理現象の変化を検出する検出システムに用いられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の信号検出方法。
【請求項6】
前記検出システムは、熱レンズ分光分析システム又は蛍光検出システムであることを特徴とする請求項5記載の信号検出方法。
【請求項7】
前記ピーク波形の大きさは、ピーク値であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の信号検出方法。
【請求項8】
前記ピーク波形の大きさは、ピークの積分値であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の信号検出方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の信号検出方法を用いたことを特徴とする熱レンズ分光分析システム。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の信号検出方法を用いたことを特徴とする蛍光検出システム。
【請求項11】
信号を入力する入力手段と、前記入力された信号に高速フーリエ変換を施す高速フーリエ変換手段と、前記高速フーリエ変換が施された信号の周波数スペクトルを出力する出力手段とを備える信号検出装置において、前記出力された周波数スペクトルから所定の周波数帯域におけるピーク波形の大きさを検出する検出手段を備えることを特徴とする信号検出装置。
【請求項12】
前記所定の周波数帯域の幅は、500Hz以下であることを特徴とする請求項11記載の信号検出装置。
【請求項13】
前記所定の周波数帯域の幅は、100Hz以下であることを特徴とする請求項12記載の信号検出装置。
【請求項14】
前記所定の周波数帯域の幅は、10〜100Hzであることを特徴とする請求項13記載の信号検出装置。
【請求項15】
所定の周波数で物理現象を繰り返し発生させ、前記物理現象の変化を検出する検出システムの一部を構成することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の信号検出装置。
【請求項16】
前記検出システムは、熱レンズ分光分析システム又は蛍光検出システムであることを特徴とする請求項15記載の信号検出装置。
【請求項17】
前記入力手段は音声入力端子を有することを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の信号検出装置。
【請求項18】
前記ピーク波形の大きさは、ピーク値であることを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載の信号検出装置。
【請求項19】
前記ピーク波形の大きさは、ピークの積分値であることを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載の信号検出装置。
【請求項20】
請求項11乃至19のいずれか1項に記載の信号検出装置を備える信号検出システムであって、複数の光源と、前記複数の光源から出力された光を各々異なった周波数で変調する変調器とを備え、前記変調された光を各々の試料に照射し、前記照射によって生成した各々の信号を前記入力手段に同時に入力し、前記高速フーリエ変換手段は、前記入力された各々の信号を同時に高速フーリエ変換し、前記検出手段は、前記各々異なった周波数に対応した各々の周波数において、前記所定の周波数帯域におけるピーク波形の大きさを同時に検出することを特徴とする信号検出システム。
【請求項21】
前記各々異なった周波数の間隔が30Hz以上200Hz以下であることを特徴とする請求項20記載の信号検出システム。
【請求項22】
前記各々異なった周波数の間隔が50Hz以上200Hz以下であることを特徴とする請求項21記載の信号検出システム。
【請求項23】
前記各々異なった周波数の間隔が100Hz以上200Hz以下であることを特徴とする請求項22記載の信号検出システム。
【請求項24】
1つの光電変換素子と、前記光電変換素子及び前記各々の試料を結ぶ光ファイバとを備えることを特徴とする請求項20乃至23のいずれか1項に記載の信号検出システム。
【請求項25】
信号を入力する入力モジュールと、前記入力された信号に高速フーリエ変換を施す高速フーリエ変換モジュールと、前記高速フーリエ変換が施された信号の周波数スペクトルを出力する出力モジュールとを備える信号検出プログラムにおいて、前記出力された周波数スペクトルにおいて所定の周波数帯域におけるピーク波形の大きさを検出する検出モジュールを備えることを特徴とする信号検出プログラム。
【請求項26】
前記所定の周波数帯域の幅は、500Hz以下であることを特徴とする請求項25記載の信号検出プログラム。
【請求項27】
前記所定の周波数帯域の幅は、100Hz以下であることを特徴とする請求項26記載の信号検出プログラム。
【請求項28】
前記所定の周波数帯域の幅は、10〜100Hzであることを特徴とする請求項27記載の信号検出プログラム。
【請求項29】
前記ピーク波形の大きさは、ピーク値であることを特徴とする請求項25乃至28のいずれか1項に記載の信号検出プログラム。
【請求項30】
前記ピーク波形の大きさは、ピークの積分値であることを特徴とする請求項25乃至28のいずれか1項に記載の信号検出プログラム。
【請求項31】
請求項25乃至30のいずれか1項に記載のプログラムを格納することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−234794(P2006−234794A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368050(P2005−368050)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】