説明

信号灯用の面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法

【課題】光源を白熱電球からLED光源に変更した信号灯に、新たに氷雪付着の防止対策を行なうに際し、容易に設置することができ、確実に信号灯の視認性を確保することができる面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法を提供する。
【解決手段】所定のパターンに形成された金属線抵抗体が、シート状の可撓性透明基材の表面または内部に設けられた構成を有する面状ヒータとする。また、光源を白熱電球からLED光源に変更した信号灯の窓の表面に、前記の面状ヒータを貼り付けて、該信号灯の窓の表面に氷または雪が付着する際に該金属線抵抗体に通電し、白熱電球からLED光源への変更により生じた電球の発熱量不足を補足して氷または雪の付着を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号灯に氷または雪が付着した際にこれらを融かし、視認性を確保することができる面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法に関する。
【背景技術】
【0002】
寒冷地において、道路、鉄道等に交通整理等の目的で用いられる信号灯(信号機)は、氷または雪が付着することによりそれらの表示面が覆われて視認性が妨げられるという問題がある。このような信号灯への氷雪付着を防ぐためには、信号灯の表示窓、あるいはその近辺の部分にヒータを設ける方法が一般的に知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、信号機の表示灯の庇と同形の発熱体をこの庇に取付け、発熱体上部の雪を融かす融雪装置が開示されており、特許文献2には、光源である電球から発生する熱を伝達させることにより融雪を行なう融雪機能付き交通信号機が開示されている。また、特許文献3においては、遠赤外線面状発熱シートを信号機の表示面の庇に設け、遠赤外線の放射により、庇だけでなく表示面への着雪も防止できる交通信号機が開示されている。特許文献4には、通気口を有するLED信号灯アセンブリーを具備し、表示面のレンズを加熱するため、通気口の近傍に遠赤外線面状発熱シートを配置したLED交通信号機が開示されている。信号機の表示面に直に取付け可能なヒータとしては、特許文献5に、透明導電膜であるITO膜を発熱抵抗体として用いた透明導電膜ヒータが開示されている。その他に、特許文献6においては、抵抗発熱体をセラミックス基材に埋設し、一体成型された物を焼成した融雪セラミックスが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−303399
【特許文献2】実開平6−40015
【特許文献3】実案3161877
【特許文献4】実案3163928
【特許文献5】特開2007−220636
【特許文献6】特開2008−50923
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来から、信号灯の光源には白熱電球が使用されてきたが、近年においては消費電力が少なく寿命が長いLED光源(LED電球等)が使用されるようになりつつある。LED光源は前記のような長所がある反面、電球からの放熱量が少ないため、白熱電球が使用される場合より氷や雪が付着しやすいという短所がある。そのため、LED光源に変更した場合、氷雪付着の防止対策を行なう必要が発生する場合がある。
【0006】
しかし、新たに信号灯を設置する場合は、例えば特許文献1〜6のような装置を予め用意すればよいが、既存の信号灯において単に白熱電球からLED光源に変更する場合は、氷雪付着の防止対策を施すのに手間がかり、また不用品が発生するという不都合が発生する。例えば、特許文献5の透明導電膜ヒータを用いた信号灯の場合は、ヒータが付いていない表示窓を取り外し、ヒータが付いた新規なものと取り替える必要があり、また取り替える前に用いていた表示窓が不用品となる。
【0007】
従って、本発明が解決しようとする課題は、光源を白熱電球からLED光源に変更した信号灯に、新たに氷雪付着の防止対策を行なうに際し、容易に設置することができ、確実に信号灯の視認性を確保することができる面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定のパターンに形成された金属線抵抗体が、シート状の可撓性透明基材の表面または内部に設けられた面状ヒータを用いることにより、信号灯の窓の表面に容易にこれを貼り付けることが可能で、白熱電球からLED光源に変更する際に不用品が発生せず、また信号灯の視認性が妨げられることなく、氷または雪の付着を防止できることを見出し、本発明の信号灯用の面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法に到達した。
【0009】
すなわち、本発明は、所定のパターンに形成された金属線抵抗体が、シート状の可撓性透明基材の表面または内部に設けられた構成を有することを特徴とする信号灯用の面状ヒータである。
また、本発明は、光源を白熱電球からLED光源に変更した信号灯の窓の表面に、所定のパターンに形成された金属線抵抗体がシート状の可撓性透明基材の表面または内部に設けられた構成を有する面状ヒータを貼り付けて、該信号灯の窓の表面に氷または雪が付着する際に該金属線抵抗体に通電し、白熱電球からLED光源への変更により生じた電球の発熱量不足を補足して氷または雪の付着を防止することを特徴とする氷雪付着防止方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の面状ヒータは、金属線抵抗体が可撓性を有するシート状の透明基材の表面または内部に設けられた面状ヒータなので、信号灯(信号機)等の表示面に対して直に容易に貼り付けることができ、氷または雪を融かし、確実に信号灯の視認性を確保することができる。また、本発明の氷雪付着防止方法により、信号灯の光源を白熱電球からLED光源に変更し、新たに氷雪付着の防止対策を行なう場合、面状ヒータの設置が容易で手間がからなくなり、不用品が発生するという不都合がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の信号灯用の面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法は、信号灯用の面状ヒータ及び氷雪付着防止方法、特に光源として白熱電球からLED光源に変更する信号灯用の面状ヒータ及び氷雪付着防止方法に適用される。
以下、本発明の信号灯用の面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法を、図1〜図6に基づいて説明するが、本発明がこれにより限定されるものではない。尚、図1は本発明の信号灯用の面状ヒータの一例を示す正面構成図、図2は図1におけるA−Aの断面の例を示す断面図、図3は図1の面状ヒータを信号機へ取付けた状態の一例を示す正面構成図、図4は図3におけるB−Bの断面の例を示す断面図、図5は本発明の図1以外の信号灯用の面状ヒータの一例を示す正面構成図、図6は図5の面状ヒータを信号機へ取付けた状態の一例を示す正面構成図である。
【0012】
本発明の信号灯用の面状ヒータは、図1、図2に示すように、所定のパターンに形成された金属線抵抗体2が、シート状の可撓性透明基材3の表面または内部に設けられた構成を有する信号灯用の面状ヒータである。
また、本発明の信号灯用の面状ヒータを用いた氷雪付着防止方法は、図3、図4に示すように、光源を白熱電球からLED光源4に変更した信号灯の窓5の表面に、前記の面状ヒータ1を貼り付けて、該信号灯の窓の表面に氷または雪が付着する際に金属線抵抗体2に通電し、白熱電球からLED光源への変更により生じた電球の発熱量不足を補足して氷または雪の付着を防止する氷雪付着防止方法である。
【0013】
以下、本発明の信号灯用の面状ヒータについて詳細に説明する。
本発明の信号灯用の面状ヒータに用いられる金属線抵抗体としては、銅ニッケル線、ニクロム線、ステンレス線等が挙げられる。金属線抵抗体の形状は、断線及び劣化等の不具合が生じることなく、信号の視認性を妨げない範囲で任意に設定することができるが、通常は直径0.03〜1mmの円形断面を有する金属線、好ましくは直径0.05〜0.5mmの円形断面を有する金属線である。金属線抵抗体は、通常は図1に示すように蛇行状に配置されるが、本発明においてはこのような配置パターンに限定されることはない。しかし、蛇行状の配置により直線部が短くなり、金属線が高温になった際に金属線の熱膨張による断線を防止できる点で、蛇行状の配置にすることが好ましい。
【0014】
本発明においては、金属線抵抗体の間隔に粗密をつけることで、着雪等の度合いに応じて温度分布を最適化することもできる。また、可撓性透明基材の表面に刻まれた溝の中に金属線抵抗体を埋設してもよく、また可撓性透明基材の成形段階で可撓性透明基材の中に埋設してもよい。しかし、信号灯の窓に付着した氷または雪を効率よく融かすため、図2(1)(3)(4)に示すように、可撓性透明基材の表面に埋設して、金属線抵抗体が信号灯の窓に近接して取付けできるようにすることが好ましい。電極6は、可撓性透明基材3に埋設された金属線抵抗体2と、可撓性透明基材3の外部に存在するリード線7とを接続するためにあり、リード線7からの電流が電極6を介して金属線抵抗体2に通電されることにより、面状ヒータ1が発熱する構成となっている。
【0015】
また、本発明の信号灯用の面状ヒータに用いられる可撓性透明基材としては、金属線抵抗体の発する熱に耐えるだけの耐熱性を有し、電気絶縁性を有し、表示面の視認性を妨げない程度に透明であり、屋外での使用に耐えるだけの耐候性を有する材料を用いることができる。このような材料としては、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。可撓性透明基材は単一の材料から構成されてもよいが、加工の容易さと耐候性の確保のために、アクリル樹脂層及びポリカーボネート樹脂層の積層構造であることが好ましい。例えば、図2(1)〜(3)において、可撓性透明基材3はアクリル樹脂及びポリカーボネート樹脂からなる2層構造であり、金属線抵抗体がアクリル樹脂に埋設された構造とすることができる。可撓性透明基材3の厚みは、通常は0.1〜2mm、好ましくは0.2〜1.5mmである。
【0016】
尚、本発明の面状ヒータには、前記の可撓性透明基材の一部の層に、耐候処理が施されていることが好ましい。特に、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂を基材として使用する場合は、これらの基材に対して耐候処理が必要である。例えば前記の2層(外側:アクリル樹脂層、内側:ポリカーボネート樹脂層)からなる樹脂層の場合は、互いに接する面のどちらかの表面に耐候処理を施すことにより、ポリカーボネート樹脂層を保護することができる。耐候処理の方法としては、例えば耐候性樹脂を塗布する方法等が挙げられる。
【0017】
本発明の信号灯用の面状ヒータの形状は、図1に示すような円形、図5に示すような半円形のほか、楕円形、三角形、四角形、多角形等の形状とすることができる。また、面状ヒータの大きさ(片面の表面積)は、通常は表示窓の面積の10%〜150%、好ましくは20%〜100%である。また、信号灯の窓に貼り付けるため、面状ヒータの片面に、粘着テープ等の接着材層を設けることもできる。このような場合は、使用されるまでの期間中、剥離紙等により被覆される。
【0018】
次に、本発明の信号灯用の面状ヒータを用いた氷雪付着防止方法について詳細に説明する。
前述にように、近年においては消費電力が少なく寿命が長いLED光源が、白熱電球の代替品として使用されるようになりつつあるが、LED光源は白熱電球よりも放熱量が少ない。本発明の氷雪付着防止方法は、透明な信号灯の窓の表面に、前記の面状ヒータを貼り付けて、該信号灯の窓の表面に氷または雪が付着する際、付着した際、あるいは付着する虞がある際に、金属線抵抗体に通電し、白熱電球からLED光源への変更により生じた電球の発熱量不足を補足して氷または雪の付着を防止する方法である。
【0019】
本発明の氷雪付着防止方法に適用される信号灯(信号機)としては、例えば図4に示すように、筐体8の内部に、白熱電球から代替したLED光源4が設置され、庇9を有するものである。このような信号灯は、LED光源が使用される前は白熱電球が使用されており、白熱電球からの発熱により氷または雪の付着が少なく、ヒータがなくても信号の視認性を確保することができていたが、白熱電球からLED光源への変更により、氷または雪の付着が多くなり、信号の視認性を確保できなくなる虞が生じたものである。
【0020】
本発明の氷雪付着防止方法において、面状ヒータを貼り付ける場所としては、信号灯の窓の中央部のほか、図6に示すように、信号灯の下部等を挙げることができる。このような取付け形態は、信号機の庇により遮られなかった雪が、信号灯の窓の下部に着雪する傾向が強いことを考慮した取付け形態である。尚、面状ヒータは、通常は信号灯の窓の内側に貼り付けられる。金属線抵抗体の断線及び劣化等を防止するために、窓の内側(光源側)、すなわち信号灯の筐体内に設置されることが好ましい。本発明の面状ヒータは可撓性を有するので、信号灯の窓が図4に示すように曲面である場合、面状ヒータとの曲率半径が多少異なっていても、信号灯の窓の表面に面状ヒータを隙間なく貼り付けることが可能であり、信号灯の窓を効率よく加熱することができる。
【実施例】
【0021】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
【0022】
(面状ヒータの製作)
図1、図2(3)に示すような面状ヒータを製作した。可撓性透明基材は、アクリル樹脂層(厚さ0.5mm)及びポリカーボネート樹脂層(厚さ0.45mm)の2層構造からなる直径140mmの円形を有するものである。アクリル樹脂層側の表面に蛇行状の溝を彫り、この溝に沿って断面直径0.08mmの発熱線抵抗体を埋設した。金属線抵抗体は、信号灯の窓に近接して取付けできるように埋設された。また、発熱線抵抗体の両端には、直径5mmの銅製の電極を介してリード線を接続した。発熱部は、可撓性透明基材と同心円状の直径130mmの円形とした。発熱線抵抗体は、銅ニッケル線からなり、100V仕様で、消費電力は11W、抵抗は207Ω/mであった。尚、この面状ヒータは、湾曲した信号灯の窓に密着して取り付けられるように湾曲させた。
【0023】
(氷雪付着防止実験)
図4に示すようなLED光源(LED電球)を内蔵する構造を有する信号灯が3個縦方向に重ねられた構成の信号機に、前記の面状ヒータを適用して効果を確認する実験を行なった。この信号灯は、縦方向の上から順に、赤色、黄色、青色の3種類の信号を有するものである。また、信号灯の点灯サイクルは、青色を60秒間、黄色を5秒間、赤色を60秒間の順に点灯させるサイクルを1サイクルとするものであり、このサイクルを連続的に繰り返す。前記のように製作した面状ヒータを、各色の信号灯の窓(直径325mm)の内部側表面の中央部に貼り付けるとともに配線を行なった。
【0024】
雪が降り出した後、赤色の信号灯については、LEDの点灯時のみ面状ヒータに通電(実施例1)、黄色の信号灯については常に面状ヒータに通電(実施例2)、青色の信号灯については面状ヒータに通電しない(比較例1)という条件で積雪の状態を観察した。その結果、いずれの信号灯も徐々に表示面の中央部から下部にかけて積雪が観察されたが、積雪量は青色の信号灯(比較例1)が最も多く、黄色の信号灯(実施例2)が最も少なかった。従って、融雪及び着雪防止の効果は、黄色の信号灯(実施例2)、赤色の信号灯(実施例1)、青色の信号灯(比較例1)の順に大きかった。
【0025】
黄色の表示面は、面状ヒータ設置部のほぼ全面が視認可能であり、十分な融雪効果が確認できた。一方、青色の表示面は、面状ヒータ設置部が完全に雪で覆われてこの部分については視認不能となった。すなわち、融雪及び着雪防止の効果は、ヒータへの通電時間が長いほど大きい。また、黄色の表示面は、3つの表示面の中で光源の点灯時間が最も短く設定されていたにもかかわらず、融雪及び着雪防止の効果が最も大きかった。これは、確認された融雪及び着雪防止の効果が光源の発熱によるものではなく、面状ヒータによるものであることを示している。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、信号灯に氷または雪が付着した際にこれらを融かし、視認性を確保する面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の信号灯用の面状ヒータの一例を示す正面構成図
【図2】図1におけるA−Aの断面の例を示す断面図
【図3】図1の面状ヒータを信号機へ取付けた状態の一例を示す正面構成図
【図4】図3におけるB−Bの断面の例を示す断面図
【図5】本発明の図1以外の信号灯用の面状ヒータの一例を示す正面構成図
【図6】図5の面状ヒータを信号機へ取付けた状態の一例を示す正面構成図
【符号の説明】
【0028】
1 面状ヒータ
2 金属線抵抗体
3 可撓性透明基材
4 LED光源
5 信号灯の窓
6 電極
7 リード線
8 筐体
9 庇

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のパターンに形成された金属線抵抗体が、シート状の可撓性透明基材の表面または内部に設けられた構成を有することを特徴とする信号灯用の面状ヒータ。
【請求項2】
可撓性透明基材の一部の層に、耐候処理が施された請求項1に記載の信号灯用の面状ヒータ。
【請求項3】
可撓性透明基材が、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、及びポリエステル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂の層からなる請求項1に記載の信号灯用の面状ヒータ。
【請求項4】
光源を白熱電球からLED光源に変更した信号灯の窓の表面に、所定のパターンに形成された金属線抵抗体がシート状の可撓性透明基材の表面または内部に設けられた構成を有する面状ヒータを貼り付けて、該信号灯の窓の表面に氷または雪が付着する際に該金属線抵抗体に通電し、白熱電球からLED光源への変更により生じた電球の発熱量不足を補足して氷または雪の付着を防止することを特徴とする氷雪付着防止方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−30391(P2013−30391A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166438(P2011−166438)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000229601)日本パイオニクス株式会社 (96)
【出願人】(390006677)菱有工業株式会社 (17)
【Fターム(参考)】