説明

信号灯

【課題】 色覚異常者が認識しやすい信号灯を提供する。
【解決手段】 二次元的に配置された複数のLED1と、この複数のLED1のそれぞれを収納する井戸型の収納部6を有し、この収納部6に収納されたLED1からの出力光を外側頂部からそれぞれ出射する複数の砲弾型のレンズ媒体4と、複数のレンズ媒体4を二次元的に固定する固定手段とを備え、レンズ媒体4は、外側頂部に連続する外周部を有し、収納部6は、レンズ媒体4の底部から外側頂部に向かってレンズ媒体4の内部に設けられ、円筒形状の側壁部5、この側壁部5に接続された天井部2とを有し、レンズ媒体4の外周部の外径2reが、収納部6の内径2riの3倍以上、10倍以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色覚異常者にも識別可能な交通信号灯、鉄道用信号灯或いは船舶用信号灯等の信号灯に関する。
【背景技術】
【0002】
現代は車社会ともいわれ、日常の移動手段、営業活動手段、物流手段として、広く自動車が用いられている。自動車の運転を行うためには免許証を得る必要があるが、色覚異常者は交通信号灯の識別能力が低いという理由で免許証を得ることが出来ない。交通信号灯は、警交仕規第9、21〜24、29、30号等に規定されているように所定の色度範囲の赤・黄・緑の3色が使用されている。正常眼を持つ人がこの3色を識別することは色覚の3つの錐体が正常に機能しているため容易である。しかし、3つの錐体が正常に機能していない色覚異常者がこの3色を識別することは非常に困難な場合がある。色覚異常者というだけで、日常の移動等に大変便利な自動車を運転する権利が無いばかりでなく、自動車を利用する職業に従事することも出来ないという不平等がある。鉄道信号灯についても同様であり、電車の運転は色覚異常者に対し制限されている。
【0003】
色覚異常者は以下のような場合、特に問題がある。即ち、
(イ)朝日や西日の射し込んだ赤の表示ランプが見えにくい,
(ロ)夜間の田舎道等でオレンジの街路灯が続いているとき、信号灯の存在自体が分からない,
(ハ)発光ダイオード(LED)を用いた信号灯は見えにくい,
などの問題点である。(イ)の問題点は、信号灯器の正面から太陽光が入射し、滅灯時にあたかも点灯しているかのように見える現象で、「疑似点灯」と呼ばれる。疑似点灯は、正常者に対しても色の識別を困難にするが、色覚異常者には特に重大で、赤の信号が点灯状態であるのか滅灯状態であるのか識別出来なくなる。赤色の点灯に気が付かないことは極めて危険である。(ロ)の問題点は、信号灯器から500m程度離れると直径30cmの信号灯器が1〜2mmの点になってしまうので、特に色覚異常者には見えにくくなる。これは、街路灯の色との相対的な問題である。(ハ)の問題点は、従来色覚異常者は色が識別出来なくても、明度の差を利用して色を特定している場合があった。例えば赤は黄よりも明度が低いので、赤と黄が直接識別出来なくても色は特定出来ていた。しかし、信号灯としてLEDを用いると、LEDの赤の明度が相対的に高いため、明度差により黄色と識別出来なくなり見えにくくなってしまうからである。更に、特にLEDの発光は赤と緑の区別が付かないという問題もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記問題の内(イ)の朝日や西日の射し込んだ赤のランプが見えにくい問題は、LEDを用いれば解決する。即ちLED自身が発光するために、従来の白熱球を色ガラスフィルターを通している場合に比して視認性が良好となる。又LEDは耐久性や消費電力の点からも好ましい。又ランプ式の場合は大きな電源制御機が柱に設置されているが、この様な制御機は不要になる利点もある。しかし、LEDを用いると、(ハ)の問題が発生する。即ち今度は各色間の明度差がなくなり、他の色との区別が出来なくなる。つまり、(イ)と(ハ)の問題は二律背反の関係にある。
【0005】
本発明は上記のような色覚異常者が不便を感じている問題を解決するためになされたものである。したがって本発明の目的は、色覚異常者が見やすい信号灯を提供することである。
【0006】
又、本発明の別の目的は、朝日や西日の射し込んだ時でも色覚異常者が見やすい赤の表示灯を有する信号灯を提供することである。
【0007】
更に本発明の別の目的は、夜間田舎道でオレンジの街路灯が続いているときにも色覚異常者が遠方からその存在を見つけやすい信号灯を提供することである。
【0008】
更に本発明の別の目的は、信号灯としてLEDを用いても、色覚異常者が互いの色を識別しやすい信号灯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様は、(イ)二次元的に配置された複数のLEDと、(ロ)この複数のLEDのそれぞれを収納する井戸型の収納部を有し、この収納部に収納されたLEDからの出力光を外側頂部からそれぞれ出射する複数の砲弾型のレンズ媒体と、(ハ)複数のレンズ媒体を二次元的に固定する固定手段とを備え、レンズ媒体は、外側頂部に連続する外周部を有し、収納部は、レンズ媒体の底部から外側頂部に向かってレンズ媒体の内部に設けられ、円筒形状の側壁部、この側壁部に接続された天井部とを有し、レンズ媒体の外周部の外径が、収納部の内径の3倍以上、10倍以下である信号灯であることを要旨とする。
【0010】
本発明の第2の態様は、(イ)二次元的に配置された複数の第1のLEDと、(ロ)この第1のLEDとは異なる波長の光を発光し、二次元的に配置された複数の第2のLEDと、(ハ)複数の第1のLEDのそれぞれを収納する第1の井戸型の収納部を有し、この第1の収納部に収納された第1のLEDからの出力光を外側頂部からそれぞれ出射する複数の第1の砲弾型のレンズ媒体と、(ニ)複数の第2のLEDのそれぞれを収納する第2の井戸型の収納部を有し、この第2の収納部に収納された第2のLEDからの出力光を外側頂部からそれぞれ出射する複数の第2の砲弾型のレンズ媒体と、(ホ)第1及び第2の砲弾型のレンズ媒体をそれぞれ二次元的に固定する固定手段とを備え、第1及び2の砲弾型のレンズ媒体は、それぞれ外側頂部に連続する外周部を有し、第1及び2の収納部は、第1及び2の砲弾型のレンズ媒体底部から外側頂部に向かって第1及び2の砲弾型のレンズ媒体の内部にそれぞれ設けられ、円筒形状の側壁部、この側壁部に接続された天井部とを有し、第1及び2のレンズ媒体の外周部の外径がそれぞれ、第1及び2の砲弾型のレンズ媒体の収納部の内径の3倍以上、10倍以下である信号灯であることを要旨とする。
【0011】
第1及び第2の態様において、色覚正常者に対して設定された所定の波長スペクトルの発光をする主表示灯と、波長スペクトルのピーク波長に対応した基準波数に対して1〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光するLEDを光源とする補助表示灯とから構成された信号灯であるように構成しても良い。更に、この信号灯において、補助表示灯は主表示灯の内部に若しくは主表示灯に隣接して配置されているように構成しても良い。「色覚正常者に対して設定された所定の波長スペクトル」とは、例えば、警交仕規第9、21〜24、29、30号等に規定されているような交通信号灯の赤・黄・緑の3色の波長スペクトルの意である。具体的には、警交仕規第23号等の規格として、ピーク波長λ=625nmの赤色信号の光が定められている。一般に、交通信号灯では、黄色信号は590nm程度にピーク波長を有し、緑色信号は505nm程度にピークを持つスペクトルとなる。
【0012】
人間の細胞外節には、赤、緑、青の光に感度の高い視物質を持つ3種類の錐体が存在し、それぞれ赤錐体、緑錐体、青錐体と呼ばれている。これら各錐体が正常に機能していない場合、色盲、色弱などの色覚異常が現れる。人間に対するすべての色刺激は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原刺激に分解可能である。これを三次元座標上に示したのが図22(a)である。更にこれを平面上に正射影したのが図22(b)の色度図である。図22(b)においては、色度図に一般的な系統色を対応させてある。色覚異常は、1色型色覚(全色盲)、2色型色覚(色盲)、異常3色型色覚(色弱)の3つに分類される。又2色型色覚は、第1色盲、第2色盲及び第3色盲とに分別される。例えば色覚異常者の中で最も多いとされている第1色盲色覚異常者は、波長460nm以上の青の光の強さを適当に加減すると、赤650nmの光の色と区別出来なくなる。即ち混同してしまうのである。この様な色光を色度図上で結んだ軌跡を「混同色軌跡」と言う。つまり、この混同色軌跡上にある任意の2点の波長を持つ色は、色覚異常者には識別出来ない色の組み合わせである。図23(a)は第1色盲の混同色軌跡、図23(b)は第2色盲の混同色軌跡、図23(c)は第3色盲の混同色軌跡である。
【0013】
図23(a)、図23(b)及び図23(c)の3つの図を重ね合わせた図が図24である。図24の線上にある任意の2色は、2色型色覚異常者が混同してしまう色の組み合わせである。この図を参照すると、445〜500nmの波長の青と560〜590nmの波長の黄色とを2色色覚異常者は混同しない。したがって、2つの補助発光体の発光波長をそれぞれ445〜500nmと560〜590nmに選ぶことにより、色覚異常者でもこれらの色を識別することが出来る。緑色信号の波長スペクトルのピーク波長を505nmとすると、これに対応した基準波数k0は、k0=1980cm-1となる。緑色信号の補助発光体の発光波長445〜500nmは、波数に換算すると2247cm-1〜2000cm-1になる。つまり、緑色信号の基準波数k0=1980cm-1からは、167cm-1〜20cm-1シフトしていることになる。これは基準波数k0に対して、8%〜1%シフトしていることに相当する。より好ましくは、緑色信号の補助発光体の発光波長は445〜480nmのコバルトブルーが良い。これは、これは基準波数k0に対して、8%〜5%シフトしていることに相当する。緑色信号の周りの補助発光体を、色覚異常者が識別しやすいコバルトブルーを発光するようにすれば、田舎道で街路灯が続いているとき、色覚異常者であっても信号灯があることが分かるようになる。
【0014】
同様に、黄色信号の波長スペクトルのピーク波長を590nmとすると、これに対応した基準波数k0は、k0=1695cm-1となる。黄色信号の補助発光体の発光波長は、例えば560〜580nm程度、波数に換算すると1786cm-1〜1724cm-1に選定すれば良い。つまり、黄色信号の基準波数k0=1695cm-1からは、91cm-1〜29cm-1シフトしていることになる。これは基準波数k0に対して、5%〜2%シフトしていることに相当する。
【0015】
補助表示灯は、砲弾型レンズとこの砲弾型レンズの収納部に収納されたLEDとを有する発光体の複数個の集合から構成することが好ましい。砲弾型レンズは、外側頂部、底部及び光軸に平行方向の側面からなる外周部を有するレンズ媒体と、底部から外側頂部に向かってレンズ媒体の内部に設けられた光軸に平行方向の面からなる側壁部、この側壁部に接続された天井部とを有する収納部とから構成される。砲弾型レンズの外側頂部の形状は、光の出射方向に対して凸形状でも凹形状でも構わない。例えば、光を収束する場合は光の出射方向に対して凸形状を、光を発散する場合は光の出射方向に対して凹形状に外側頂部の形状を選択すれば良い。そして、砲弾型レンズのレンズ媒体の外周部の外径が、収納部の内径の3倍以上、10倍以下であることが必要である。砲弾型レンズのレンズ媒体の外径と内径との比を大きくすることは、レンズ媒体の収納部(井戸型の凹部)の側壁部の肉厚を十分に厚くすることに等価である。側壁部の肉厚を十分に厚くすることにより、砲弾型レンズの外周部に反射膜を設けなくてもLED光源の迷光成分を有効に集光出来る。「迷光成分」とは、LED光源の出力光の発散特性により、収納部の天井部(主入射面)以外に入射する出力光の成分を意味する。一般には、樹脂モールドされたLEDの封止樹脂の凸形状の湾曲面以外の所から出る光は、いわゆる迷光成分となり、照明には寄与しない。しかし、砲弾型レンズの収納部の側壁部の肉厚を十分に厚くすることにより、凸形状の湾曲面以外の所から出た光からなる迷光成分が、100%に近い集光効率で、有効に照明に寄与出来るようになる。即ち、第1の湾曲面からなる主入射面(凹部天井部)以外の収納部の側壁部(凹部側壁部)も、有効な光の入射面(側壁入射面)として機能し得るのである。又、LEDと砲弾型レンズの収納部との間にはそれぞれの界面で反射した光の成分が多重反射し、迷光成分となっている。従来公知のレンズ等の光学系では、これらの迷光成分は照明に寄与出来るように取り出すことは出来ない。しかし、これらのLEDの迷光成分も、本発明の砲弾型レンズにおいては、収納部の内部に閉じこめられ、凹部側壁部(側壁入射面)を介して入射出来るので、最終的には、照明に寄与出来る成分となり得る。即ち、本発明の砲弾型レンズの入射面は、第1の湾曲面からなる主入射面と、この第1の湾曲面とは曲率の異なる側壁入射面とから構成されているのである。主入射面となる第1の湾曲面は、円錐形でも良い。第2のレンズ面は第2の湾曲面から構成されている。当然であるが、第2の湾曲面とこの第2の湾曲面に接続されるレンズ媒体の外周部とは曲率が異なる。十分厚い側壁部を有した幾何学的構造からなる新規な砲弾型レンズを用いることにより、砲弾型レンズの外周部に反射鏡を用いなくても、砲弾型レンズの凹部側壁部から入力したLEDの光が、砲弾型レンズの外周部からそのまま出力(漏洩)するのが防止出来るからである。
【0016】
実際に、砲弾型レンズの収納部に樹脂モールドされたLEDを収納し、砲弾型レンズの外周部及び底部に背面鏡を付した場合と、背面鏡を付さない場合について、外側頂部から出力する光の強度(照度)を測定すると、両者でその照度がほとんど変わらないという結果が得られた。つまり、砲弾型レンズでは、レンズ媒体の外周部や底部に反射鏡を用いなくても、LEDの迷光成分をほぼ100%に近い集光効率で、外側頂部から効率良く出力する構造であることが分かる。砲弾型レンズでは、側壁部を十分厚くすれば、レンズ媒体の外周部や底部での背面鏡は意味がないということである。100%に近い集光効率というのは、凹部側壁部に垂直に入射した光は外周部から漏洩するであろうからである。しかし、凹部側壁部に、樹脂封止されたLEDの構造で決まるそれぞれの入射角で入射した光は、レンズ媒体の内部でスネルの法則で決まる屈折角で屈折する。収納部の側壁部に位置するレンズ媒体の厚さが厚くなると、レンズ媒体の外周部から漏洩する成分は減少して、逆に、外側頂部から効率良く出力する成分が増大してゆく。そして、十分厚い側壁部を有した幾何学的形状になると、レンズ媒体の外周部から漏洩する成分はほとんど無視出来るようになる。特に、樹脂封止されたLEDでは、その構造上、凸形状の湾曲面以外の所から出た光の内、凹部側壁部に垂直に入射する成分は、他の迷光成分に比し相対的に少ないので、側壁部が十分厚くなると、レンズ媒体の外周部から漏洩する成分はほとんど無視出来、100%に近い集光効率で、外側頂部から効率良く出力するようになると推定出来る。このため、実際に測定してみると、樹脂モールドされたLEDの場合では、背面鏡の有り、無しで、照度がほとんど変わらないという結果が得られたと考えられる。この結果、LEDの封止樹脂の形状等の光の取り出し効率や、光学系相互の反射成分等に依存せず、ほぼLEDの内部量子効率に近い効率で、潜在的なLEDの光エネルギを有効に取り出すことが可能となる。
【0017】
本発明の第1及び第2の態様に係る信号灯としては、交通信号灯、鉄道用信号灯、船舶用信号灯等の他に自動車のストップランプ、ウィンカー等も該当する。砲弾型レンズの光軸方向に垂直な断面の形状は、真円、楕円、三角形、四角形、多角形等が可能である。したがって、バルク型のレンズ媒体の光軸に平行方向の側面からなる外周部は、真円柱、楕円柱でも角柱でも構わない。交通信号灯の場合は、楕円の断面を有する砲弾型レンズが好ましい。即ち、楕円の長軸が垂直方向、楕円の短軸が水平方向になるように交通信号灯に設定すれば、水平方向には出力光は拡がらず、垂直方向の光の指向性を失う。この様にしておけば遠方からでも近距離からでも、交通信号灯を容易に視認出来る。水平方向に出力光が拡がらないので、光強度を高く維持出来る。
【0018】
交通信号灯の場合であれば、主表示灯は緑/黄/赤を表示する第1/第2/第3主表示灯から構成される。第1主表示灯は、第1白色光源と、この第1白色光源から発せられる光の内第1の波長スペクトルの光を透過する第1のカバーレンズとからなる。第2主表示灯は、第2白色光源と、この第2白色光源から発せられる光の内第1の波長スペクトルより長波長の第2の波長スペクトルの光を透過する第2のカバーレンズとからなる。そして、第3主表示灯は、第3白色光源と、この第3白色光源から発せられる光の内第2の波長スペクトルより長波長の第3の波長スペクトルの光を透過する第3のカバーレンズとからなる。第1乃至第3白色光源としては、白熱球や放電管等が使用可能である。又、第1乃至第3のカバーレンズとしては、それぞれの第1乃至第3の波長スペクトルに対応した色が着色されたアクリル樹脂等の透明樹脂等が使用可能である。この場合、補助表示灯は、第1主表示灯の表面若しくは周辺部に配置され、第1の波長スペクトルのピーク波長に対応した第1基準波数に対して1〜8%高波数側にシフトした波数の第4の波長の光を発する第1の補助発光体の複数個の集合から構成される。更に、補助表示灯として、第2主表示灯の表面若しくは周辺部に配置され、第2の波長スペクトルのピーク波長に対応した第2基準波数に対して2〜5%高波数側にシフトした波数の第4の波長の光を発する第2の補助発光体の複数個の集合から構成されるようにしても良い。
【0019】
なお、主表示灯を砲弾型レンズと、砲弾型レンズの収納部に収納されたLEDとを有する発光体の複数個の集合から構成しても良い。砲弾型レンズは前述したように、外側頂部、底部及び光軸に平行方向の側面からなる外周部を有するレンズ媒体と、底部から外側頂部に向かってレンズ媒体の内部に設けられた光軸に平行方向の面からなる側壁部、この側壁部に接続された天井部とを有する収納部とを有する。そして、レンズ媒体の外周部の外径が、収納部の内径の3倍以上、10倍以下となるように十分厚い側壁部を持つことが必要である。砲弾型レンズを用いることにより、一つのLEDで高い照度を得ることが出来るので、少ないLEDで十分な輝度を得ることが出来る。又、LEDを用いることによって、カバーレンズを不要とし、疑似点灯現象を防止出来る。更に電球を用いた場合に比べて消費電力が少なく耐久性が優れている。したがって、安価、低消費電力で耐久性の良い信号灯を提供することが出来る。
【0020】
又、主表示灯を、第1の波長スペクトルの光を発光する第1主表示灯と、第1の波長スペクトルより長波長の第2の波長スペクトルの光を発光する第2主表示灯と、白色光源と、この白色光源から発せられる光の内第2の波長スペクトルより長波長の第3の波長スペクトルの光を透過するカバーレンズとからなる第3主表示灯とから構成し、第3主表示灯の表面若しくは周辺部に配置され、第3の波長スペクトルのピーク波長と実質的に等しいピーク波長の光を発光するLEDを光源とする補助発光体を更に有するようにしても良い。第3主表示灯の周りの補助発光体は明度の高い赤を発光する。この補助発光体はカバーレンズを用いず、LEDが自ら発する赤を認識することによって、色覚異常者は朝日の射し込んだ赤の表示灯でも見やすくなる。同時に第3主表示灯の第3のカバーレンズを透過した第3の波長スペクトルの光は明度の低い赤である。つまり、色覚異常者は、中央が暗く、周囲が明るいリングからなる明暗のパターンを視認し、これを赤色の信号であると判断可能である。
【0021】
本発明の第1及び第2の態様において、主表示灯と、この主表示灯よりも明度の高い光を発光するLEDを光源とする補助表示灯とから構成された信号灯であることを要旨とする。但し、補助表示灯は主表示灯の内部に若しくは主表示灯に隣接して配置されているように構成しても良い。主表示灯は、LEDを用いるタイプでも、白色光源と、この白色光源から発せられる光の内特定の波長スペクトルの光を透過するカバーレンズとからなるタイプでも構わない。主表示灯と補助表示灯との明度の差は、色覚異常者が容易に視認出来る程度の差が必要で、例えば主表示灯よりも1.5倍〜30倍程度明度の高い光を発光するLEDを光源とする補助表示灯が好ましい。好ましくは、2倍〜30倍程度、更に好ましくは主表示灯よりも10倍〜30倍程度明度の高い光を発光する補助表示灯とすれば良い。この様な明度の高い光を発光する補助表示灯は、本発明の第1及び第2の態様で述べた砲弾型レンズ(以下において、単に「砲弾型レンズ」と言う。)と、この砲弾型レンズの収納部に収納されたLEDとを有する発光体の複数個の集合で容易に構成することが出来る。この際、主表示灯は白色光源若しくは砲弾型レンズを用いないLEDを光源とする表示灯である。
【0022】
特に赤色の主表示灯に本発明の上記のような補助表示灯を用いた構成を付加すれば、混同しやすい黄色との識別が容易となる。冒頭で従来技術の問題点として述べたように、従来は朝日や西日の射し込んだ赤の表示ランプが見えにくいという不都合があった。白色光源の主表示灯の一方の周辺部にLEDを用いた明度の高い補助表示灯をリング状に配列することで、白色光源の信号灯器の正面から太陽光が入射した場合の疑似点灯による誤認を防止出来る。疑似点灯が生じても、補助表示灯が疑似点灯の明度より十分高ければ識別出来るからである。ドーナツ構造等の明度差のパターンが見えないときは、赤の表示灯は点灯していないと判断(認識)すれば良いのである。この様にして、一方(赤色)が、ドーナツ構造等の明度差のパターンに見えることを利用して、混同しやすい他の色(黄色)との識別が容易となる。更に、積極的に、赤色の主表示灯の滅灯時に青色表示灯の内部(表面)に「進め」、「GO]等の文字、若しく類似のパターンを補助表示灯により表現出来るようにしても良い。朝日や西日の射し込んだ青の表示灯が見えにくい場合でも、疑似点灯の明度より十分明度の高い補助表示灯により所定のパターンをその内部に配列することで、疑似点灯による誤認を防止出来る。
【0023】
或いは、赤色表示灯の内部に「止まれ」、「STOP]等の文字用の第1のパターンと、「進め」、「GO]等の文字用の第2のパターンの2種類の補助表示灯のパターンを組み込んでおいても良い。この場合は、赤色の主表示灯の滅灯時に赤色表示灯の内部に「進め」、「GO]等の文字、若しく類似のパターンを疑似点灯の明度より十分明度の高い補助表示灯により表現する。そして、赤色の主表示灯の点灯時に赤色表示灯の内部に「止まれ」、「STOP]等の文字若しく類似のパターンを、疑似点灯の明度より十分明度の高い補助表示灯により表現する。
【0024】
赤色と黄色の主表示灯にLED(この場合は砲弾型レンズを用いない裸のLED)を用いた場合も、明度差のパターンとして識別出来る。即ち、従来技術の問題点として述べたように、主表示灯相互の比較では、赤のLEDの明度が高いため、明度差による黄色のLEDと識別出来にくくなってしまう場合でも、補助表示灯による明度のパターンとして混同しやすい他の色との識別をすることが出来る。砲弾型レンズを用いない裸のLEDからの発光は、砲弾型レンズを用いたLEDよりも十分に明度が低いからである。
【0025】
この結果、二律背反の関係にある疑似点灯の問題と、LEDの使用による各色間の明度差がなくなる問題とが同時に解消される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、色覚異常者が見やすい信号灯を提供することが出来る。
【0027】
又、本発明によれば朝日や西日の射し込んだ時でも色覚異常者が見やすい赤の表示灯を有する信号灯を提供することが出来る。
【0028】
更に、本発明によれば夜間田舎道でオレンジの街路灯が続いているときにも色覚異常者が遠方からその存在を見つけやすい信号灯を提供することが出来る。
【0029】
更に、本発明によれば信号灯として明度の高いLEDを用いても、色覚異常者が互いの色を識別しやすい信号灯を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、図面を参照して、本発明の第1乃至第9の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0031】

(第1の実施の形態)
図1(a)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る交通信号灯は、色覚正常者に対して設定された緑、黄及び赤の3つの主表示灯と、緑の波長スペクトルのピーク波長(505nm)に対応した基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDを光源とする第1の補助表示灯と、黄の波長スペクトルのピーク波長(590nm)に対応した基準波数(k0=1695cm-1)に対して2〜5%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する黄色LEDを光源とする第2の補助表示灯とから構成されている。更に、赤の主表示灯の周辺部には、この赤の主表示灯よりも明度の高い光を発光する赤色LEDを光源とする補助表示灯(以下において、「高明度補助表示灯」と言う。)が配置されている。
【0032】
緑の主表示灯は、第1白色光源241、第1白色光源241から発せられる光の内第1の波長スペクトルの光を透過する第1のカバーレンズ221とから構成されている。黄の主表示灯は、第2白色光源242、第2白色光源242から発せられる光の内第1の波長スペクトルより長波長の第2の波長スペクトルの光を透過する第2のカバーレンズ222とから構成されている。赤の主表示灯は、第3白色光源243、第3白色光源243から発せられる光の内第2の波長スペクトルより長波長の第3の波長スペクトルの光を透過する第3のカバーレンズ223とから構成されている。第1の補助表示灯は、第1のカバーレンズ221の周辺部に配置された第1の波長スペクトルの呈する基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数の第4の波長の光を発する第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、231hから構成されている。第2の補助表示灯は、第2のカバーレンズ222の周辺部に配置された第2の波長スペクトルの呈する基準波数(k0=1695cm-1)に対して2〜5%高波数側にシフトした波数の第5の波長の光を発する第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・、232hとから構成されている。更に、第3のカバーレンズ223の周辺部には第3の波長スペクトルとは異なる第5の波長の光を発する第3の補助発光体233a、233b、233c、・・・・・、233hが配置されている。第3の補助発光体233a、233b、233c、・・・・・、233hは、赤の主表示灯よりも明度の高い光を発光する高明度補助表示灯である。そして、第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223と、第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、231h、第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・、232h及び第3の補助発光体233a、233b、233c、・・・・・、233hは、信号箱21に固定されている。
【0033】
図1(b)に示すように、第1のカバーレンズ221と第1白色光源241との間には第1の多眼レンズ271が配置されている。第2のカバーレンズ222と第2白色光源242、第3のカバーレンズ223と第3白色光源243の間にも、図示を省略した第2及び第3の多眼レンズが配置されている。更に、第1白色光源241の背面にはアルミニウム板等で構成された第1の反射鏡251が配置されている。第2白色光源242と第3白色光源243の背面にも、図示を省略した第2及び第3の反射鏡が配置されている。第1白色光源241、第2白色光源242及び第3白色光源243は、白熱球等の白色光源である。ガラス若しくはアクリル樹脂等で構成された第1のカバーレンズ221は、図1(b)に示すように、凸形状の湾曲面を持っており、凸形状の湾曲面の内部方向に第1の多眼レンズ271を介して第1白色光源241が設置されている。第1カバーレンズ221及び第1の多眼レンズ271は、緑のカラーフィルターとして機能する。第2のカバーレンズ222も第1のカバーレンズ221と同様、凸形状の湾曲面を持っており、凸形状の湾曲面の内部方向に多眼レンズが設置されている。第2のカバーレンズ222及び第2の多眼レンズは黄のカラーフィルターとして機能する。第3のカバーレンズ223も第1のカバーレンズ221と同様、凸形状の湾曲面を持っており、凸形状の湾曲面の内部方向に第3の多眼レンズが設置されている。第3のカバーレンズ223及び第3の多眼レンズは赤のカラーフィルターとして機能する。
【0034】
耐熱アクリル等で構成された第1、第2及び第3の多眼レンズは、それぞれ、150個程度のレンズから構成されている。そして、これらの多眼レンズはそれぞれ第1白色光源241、第2白色光源242及び第3白色光源243の光を多数の2次白色光源に分割する。そして、この第1、第2及び第3の多眼レンズからの分散した光を第1、第2及び第3のカバーレンズを透過させることにより、より光強度の一様な光を得て正面から見た場合の頻度むらを少なくしている。多眼レンズは疑似点灯現象を防止する機能を有する。更に効果的に疑似点灯現象を防止するためには、遮光板を多眼レンズと白色光源241、242及び243の間の多眼レンズの焦点の位置近傍に設けても良い。多眼レンズと遮光板を傾けることにより、疑似点灯現象は有効に防止される。
【0035】
図2は、前述した第1の波長スペクトルλ、第2の波長スペクトルλ、第3の波長スペクトルλ、第4の波長λ及び第5の波長λ及びこれらの光の強度の関係を示したものである。第3の波長スペクトルλの明度は、第1の波長スペクトルλ及び第2の波長スペクトルλの明度に比べて低い。又、第4の波長λ及び第5の波長λの明度は、第4及び第5の白色光源としてLEDを使用しているため、第1、第2及び第3白色光源の明度に比べて高い。更に、波長λの高明度補助表示灯の明度は、第3白色光源の明度に比べて十分に高い。
【0036】
交通信号灯であるから、第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223のそれぞれの背面にある第1白色光源241、第2白色光源242及び第3白色光源243は、3つの内のいずれかが必ず点灯している。その点灯と同期して、第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223の周辺部にある第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、231h、第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・、232h及び第3の補助発光体233a、233b、233c、・・・・・、233hが点灯する。例えば、交通信号灯の緑色が点灯すると、緑色の第1のカバーレンズ221の周囲に配置された第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、231hが同時に点灯し、点灯していない交通信号灯の黄色の第2のカバーレンズ222と赤色の第3のカバーレンズ223の周囲に配置された第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・、232h及び第3の補助発光体233a、233b、233c、・・・・・、233hは滅灯する。
【0037】
中央の第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223から出射する光は、警交仕規第23号等に定められた従来通りの交通信号灯の色である。第1のカバーレンズ221及び第2のカバーレンズ222の周囲にある第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、231h及び第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・、232hは、色覚異常者でも識別しやすい色の波長λ及びλを発光する。
【0038】
既に述べたように、色盲・色弱の色覚異常者にでも識別出来る色に青と黄の組み合わせがある。図24を考慮すれば、青と黄の波長をそれぞれλ=445〜500nm、λ=560〜590nmとすれば、2色色覚異常者は混同しない。例えば、交通信号灯の赤の周りの補助発光体233a、233b、233c、・・・・・、233hは警交仕規第23号等の規格である波長λ=625nmの赤の光とし、交通信号灯の緑の周りの第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、231hは第4の波長λ=445〜500nmの青の光をそれぞれ発するようにする。より好ましくは、第4の波長λ=445〜480nmとする。又、交通信号灯の黄の周りの第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・、232hは、第5の波長λ=560〜590nmの黄の光を発光するように設定することが好ましい。具体的には、例えば青のLEDチップとしてInGa1−xNを用いることとすれば、Inの組成xを選ぶことにより、第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、231hは第4の波長λ=445〜500nm(或いは445〜480nm)とすることが出来る。又、黄色のLEDチップとしてAlGaIn1−x−yPを用いることとすれば、Alの組成x、Gaの組成yを選ぶことにより、第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・、232hは第5の波長λ=560〜590nmとすることが出来る。第3の補助発光体233a、233b、233c、・・・・・、233hとなる赤色のLEDチップとしては波長λ=625nmのAlGaAs1−x−yPを用いることが出来る。AlGaAs1−x−yPのLEDは極めて高輝度であるので、高明度補助表示灯に好適である。
【0039】
第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、231h、第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・、232h及び第3の補助発光体233a、233b、233c、・・・・・、233hはすべて基本的には同一構造である。その代表的な内部構造を図3に示す。
【0040】
図3に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る発光体は、所定の波長の光を発する樹脂モールドされたLED(第1の実施の形態では、以下において単に「LED」と言う。)1と、このLED1をほぼ完全に覆う砲弾型レンズ20とから少なくとも構成されている。そして、この砲弾型レンズ20は、外側頂部3(出射面)3、底部及び光軸に平行方向の側面からなる外周部を有する砲弾型(砲弾型)のレンズ媒体4と、この底部から外側頂部3に向かってレンズ媒体4の内部に設けられた光軸に平行方向の面からなる側壁部を有する井戸型の凹部からなる収納部6とから構成されている。レンズ媒体4の内部に設けられた収納部6を構成する凹部の天井部(凹部天井部)が主入射面(第1のレンズ面の主入射面)2、レンズ媒体4の頂部(外側頂部)が出射面(第2のレンズ面)3として機能する。そして、収納部6の内部にLED1が完全に収納される。
【0041】
第1のレンズ面2は、第1の湾曲面からなる主入射面2と第1の湾曲面とは曲率の異なる側壁入射面5とから構成されている。収納部6は、第1の湾曲面からなる凹部天井部2と、凹部を構成すべくこの凹部天井部2に連続して形成された凹部側壁部(側壁入射面)5とから構成されている。主入射面2から入射した光は、第2のレンズ面3、即ち、第2の湾曲面からなる出射面3から出力する。レンズ媒体4の主入射面2と出射面3とを接続する部分は、光伝送部として機能するので、LED1から発せられた光の波長に対して透明な材料からなる必要がある。
【0042】
図3のLED1は、第1のピン11に一体的に接続された基台の上に配置されたLEDチップ13と、このLEDチップ13を被覆する封止樹脂14と、第1のピン11と対をなす第2のピン12とから少なくとも構成されている。このLED1の主発光部の頂部は、図3に示すように、凸形状の湾曲面を有している。この様に封止樹脂14の頂部近傍が凸形状の湾曲面をなすことにより、LEDチップ13からの光は、所定の発散角で図3の右方向に出力する。
【0043】
凸形状の湾曲面部を除けば、LED1は、例えば、直径(外径)2rLED=2〜3mmφの円柱形状である。砲弾型レンズ20の収納部6の側壁部は、LED1の主発光部を収納出来るように、直径(内径)2r=2.5〜4mmφの円筒形状となっている。図示を省略しているが、LED1と砲弾型レンズ20とを固定するために、LED1と砲弾型レンズ20の収納部6との間には、厚さ0.25〜0.5mm程度のスペーサが挿入されている。即ち、LED1の外径2rLEDと、収納部6の内径2rとは、ほぼ同一で且つ僅かに、LED1の外径2rLEDの方が小さく設定されている。スペーサは、LED1の主発光部を除く位置、即ち、図3において、LEDチップ13の底面より左方に配置すれば良い。砲弾型レンズ20は、凸形状の第2の湾曲面からなる出射面を有する外側頂部3を除けば、ほぼLED1と同様な円柱形状である。この砲弾型レンズ20の円柱形状部分の直径(外径)2rは、10〜30mmφである。砲弾型レンズ20の直径(外径)2rは、本発明の第1の実施の形態に係る発光体の使用目的に応じて選択出来る。したがって、10mmφ以下でも、30mmφ以上でも構わない。しかしながら、より集光効率を高くするためには、
10r > r > 3r ・・・・・(1)
の関係を満足することが好ましい。砲弾型レンズ20の直径(外径)2rが、収納部6の内径2rの10倍以上でも、本発明の砲弾型レンズは、機能するが、必要以上に大きくなり、小型化を目的とする場合は好ましくない。
【0044】
一般には、LED1の封止樹脂14の凸形状の湾曲面以外の所から出る光は、いわゆる迷光成分となり、照明には寄与しない。しかし、(1)式を満足する幾何学的形状を有する砲弾型レンズ20においては、凸形状の湾曲面以外の所から出た光からなる迷光成分が、100%に近い集光効率で、有効に照明に寄与出来るようになる。即ち、第1の湾曲面からなる主入射面(凹部天井部)2以外の収納部6の側壁部(凹部側壁部)5も、有効な光の入射面(側壁入射面)として機能し得るのである。又、LED1と砲弾型レンズ20の収納部6との間にはそれぞれの界面で反射した光の成分が多重反射し、迷光成分となっている。従来公知のレンズ等の光学系では、これらの迷光成分は、照明に寄与出来るように取り出すことは出来ない。しかし、これらの迷光成分も、本発明の第1の実施の形態においては、収納部6の内部に閉じこめられ、凹部側壁部(側壁入射面)5を介して入射出来るので、最終的には、照明に寄与出来る成分となり得る。(1)式を満足するように、十分厚い側壁部を有して幾何学的構造が設計することにより、外周部に反射鏡を用いなくても、凹部側壁部5から入力した光が、砲弾型レンズ20の外周部からそのまま出力(漏洩)するのが防止出来る。この結果、封止樹脂14の形状等の光の取り出し効率や、光学系相互の反射成分等に依存せず、ほぼ、内部量子効率に近い効率で、潜在的なLEDチップ13の光エネルギを有効に取り出すことが可能となる。
【0045】
本発明の第1の実施の形態に係るLED1は、第1の屈折率nを有したエポキシ樹脂等の透明樹脂材料で砲弾型にモールドされている。そして、砲弾型レンズ20は、第1の屈折率nとは異なる第2の屈折率nを有する空気を介してLED1を収納している。空気以外の流体若しくは流動体を介してLED1を収納部に収納しても良い。又、砲弾型レンズ20は、第2の屈折率nとは異なる第3の屈折率nを有するようにしても良い。第1の屈折率n、第2の屈折率n、及び第3の屈折率nを、それぞれ最適な値に選定することにより、LEDチップ13からの光を収束させることも分散させることも可能である。又、砲弾型レンズ20の光伝送部の有する第3の屈折率nを次第に大きく、若しくは、次第に小さくするようにして光路設計をしても良い。
【0046】
砲弾型レンズ20の外側頂部3の形状は、図3に示す光の出射方向に対して凸形状に限定されない。外側頂部3の形状を光の出射方向に対して凹形状にしても良い。例えば、光を収束する場合は、図3に示すように、光の出射方向に対して凸形状を、光を発散する場合は光の出射方向に対して凹形状に外側頂部3の形状を選択可能である。
【0047】
図1(a)においては第1乃至第3の補助発光体はそれぞれ8個ずつ示したが、あくまでも模式的な例示である。好ましくは、互いに隣接するように多数配列し、閉じたリングを構成するようにすれば良い。例えば第1乃至第3のカバーレンズの直径を300mmφとすれば、直径30mmφの補助発光体の数を(330×3.14)/30≒34個程度並べれば閉じたリングが完成する。
【0048】
(第2の実施の形態)
図4(a)に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る交通信号灯は、色覚正常者に対して設定された緑、黄及び赤の3つの主表示灯と、緑の波長スペクトルのピーク波長(505nm)に対応した基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDを光源とする第1の補助表示灯と、黄の波長スペクトルのピーク波長(590nm)に対応した基準波数(k0=1695cm-1)に対して2〜5%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する黄色LEDを光源とする第2の補助表示灯とから構成されている。
【0049】
緑の主表示灯は、第1白色光源241、第1白色光源241から発せられる光の内第1の波長スペクトルの光を透過する第1のカバーレンズ221とから構成されている。黄の主表示灯は、第2白色光源242、第2白色光源242から発せられる光の内第1の波長スペクトルより長波長の第2の波長スペクトルの光を透過する第2のカバーレンズ222とから構成されている。赤の主表示灯は、第3白色光源243、第3白色光源243から発せられる光の内第2の波長スペクトルより長波長の第3の波長スペクトルの光を透過する第3のカバーレンズ223とから構成されている。第1の補助表示灯は、第1のカバーレンズ221の内部に配置された第1の波長スペクトルとは異なる第4の波長の光を発する第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・から構成されている。第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・は、それぞれ、緑の基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDを用いている。第2の補助表示灯は、第2のカバーレンズ222の内部に配置された第2の波長スペクトルとは異なる第5の波長の光を発する第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・とから構成されている。第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・は、それぞれ黄の基準波数(k0=1695cm-1)に対して2〜5%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する黄色LEDを用いている。そして、第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223は信号箱21に固定されている。
【0050】
図4(b)に第1白色光源241の周辺部の断面図を示すように、第1白色光源241、第2白色光源242及び第3白色光源243の周辺部の断面構造は、カバーレンズ221、222の構造以外は、第1の実施の形態と基本的に共通する。
【0051】
第1の実施の形態と同様に第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223それぞれの背面にある第1白色光源241、第2白色光源242及び第3白色光源243は、3つの内のいずれかが必ず点灯している。その点灯に同期して、第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223の内部にある第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・及び第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・が点灯する。色覚異常者は、第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・及び第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・からの発光を認知することにより、交通信号灯のどの色が点灯し、どの色が滅灯しているか認識出来る。
【0052】
中央の第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223は警交仕規第23号等に規定された従来の交通信号灯の色である。第1のカバーレンズ221及び第2のカバーレンズ222の表面上に点在させた第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・及び第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・は、色覚異常者でも識別しやすい色の波長を発光する。例えば、交通信号灯の緑のカバーレンズの内部の第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・は第4の波長λ=445〜500nmの青の光をそれぞれ発するとする。又、交通信号灯の黄のカバーレンズの内部の第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・は、波長λ=560〜580nmの黄の光を点灯するとする。赤色の第3のカバーレンズには補助発光体が無い。したがって黄色と赤色とが区別しにくい色覚異常者でも第2の補助発光体がある方を黄色、第2の補助発光体が無い方を赤色と判断出来る。第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・は、第1のカバーレンズ221の内部に均一に(一様に)点在させる必要は無い。例えば、第1のカバーレンズ221の内部に「進め」、「GO]等の文字、若しく類似のパターンを表現出来るように、第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・を配列しても良い。同様に、第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・は、第2のカバーレンズ222の内部に一様に点在させる必要は無い。例えば、第2のカバーレンズ222の内部に「注意」等の文字、若しく類似のパターンを表現出来るように、第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・を配列しても良い。
【0053】
第1及び第2の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、232a、232b、232c、・・・・・の内部構造は、図3と同様で構わない。但し、本発明の第2の実施の形態に係る交通信号灯においては、図5に示す構造を採用し、図3よりも、更に照度を高くしている。第1及び第2の補助発光体231a、231b、231c・・・・・、232a、232b、232c、・・・・・は、図5に示すように、複数のLEDチップ41、42、43、・・・・・のそれぞれを、チップの面に垂直方向に積層し、それぞれの出力光の光軸を一致させている。
【0054】
図6は、図5に示した複数のLEDチップ41、42、43、・・・・・の積層状態を詳細に説明する図である。簡単化のため3層の積層で示しているが、4層以上の多層で良いことは勿論である。図6において、第1層のLEDチップ(第1層LED)41は、サファイア基板411の上に積層されたn型半導体層412、活性層413、p型半導体層414から構成されている。サファイア基板411は、接着剤402により、支持台44に固定されている。アノード電極415は、p型半導体層414の上面のほぼ全面に形成することが出来る。アノード電極415の中央部は、活性層413の発光に対して、透明な電極層で構成すれば良い。アノード電極415の額縁状の周辺部は、ボンディング用に0.5μm乃至2μm程度の比較的厚い金(Au)薄膜等で構成されている。カソード電極416は特に透明である必要は無い。アノード電極415の額縁状の周辺部に銅(Cu)箔からなるTABリード(ビームリード)417が接続されている。カソード電極416も同様に、銅箔からなるTABリード(ビームリード)418が接続されている。同様に、第2層のLEDチップ(第2層LED)42は、サファイア基板421の上に積層されたn型半導体層422、活性層423、p型半導体層424から構成されている。サファイア基板421は、透明接着剤405により、第1層のLEDチップ41の上に固定されている。アノード電極425の中央部は、活性層423の発光に対して、透明な電極層で構成すれば良い。アノード電極425の額縁状の周辺部は、ボンディング用に0.5μm乃至2μm程度の比較的厚い金(Au)薄膜等で構成されている。アノード電極425の額縁状の周辺部に銅(Cu)箔からなるTABリード(ビームリード)427が接続されている。カソード電極426も同様に、銅箔からなるTABリード(ビームリード)428が接続されている。同様に、第3層のLEDチップ(第3層LED)43は、サファイア基板431の上に積層されたn型半導体層432、活性層433、p型半導体層434から構成されている。サファイア基板431は、透明接着剤406により、第2層のLEDチップ42の上に固定されている。アノード電極435の中央部は、活性層433の発光に対して、透明な電極層で構成すれば良い。アノード電極435の額縁状の周辺部は、ボンディング用に0.5μm乃至2μm程度の比較的厚い金(Au)薄膜等で構成されている。アノード電極435の額縁状の周辺部に銅(Cu)箔からなるTABリード(ビームリード)437が接続されている。カソード電極436も同様に、銅箔からなるTABリード(ビームリード)438が接続されている。TABリード(ビームリード)417、427、437、418、428、438とボンディングパッド415、425、435、416、426、436との接続は、熱圧着ボンディング、超音波ボンディング、金(Au)バンプ、半田等の通常TABボンディングで用いられている手法を用いれば良い。又、TABリード(ビームリード)417、427、437は、端子403に導電性の接着剤や半田等により接続されている。TABリード(ビームリード)418、428、438は、端子404に導電性の接着剤や半田等により接続されている。複数のLEDチップ41、42、43は樹脂封止体408でモールドされている。
【0055】
図6に示すように、端子403は、第2のピン32に、端子404は、第1のピン31に接続されている。端子403及び端子404は、補強具45を経由して、背面鏡33に設けられた貫通穴から外部に引き出されている。背面鏡33をより有効に機能させるためには、支持台44として透明絶縁性基板等の透明材料を用い、複数のLEDチップ41、42、43から右方向(裏方向)に出力する光を積極的に利用出来る構造にすれば良い。或いは、支持台44を貫通孔を有する構造とし、この貫通孔の内部に、複数LEDチップ41、42、43をはめ込む構造でも良い。砲弾型レンズ34の凹部に充填される樹脂35も透明材料を用いれば、複数のLEDチップ41、42、43からの発光は裏面方向(図5において右方)にも進む。この複数LEDチップ41、42、43から右方向(裏方向)に出力する光は、背面鏡33で反射され、複数のLEDチップ41、42、43の表面から左方向に出力される。結局、複数のLEDチップ41、42、43の右方向(裏方向)に出力する光も、表面方向(図5において左方向)にも進む光と合成され、出射面により所定の発散角が与えられる。この様に、本発明の第2の実施の形態においては、複数のLEDチップ41、42、43が砲弾型レンズ34の凹部にほぼ完全に閉じこめられ、砲弾型レンズ34の後面には、背面鏡33が配置されている。このため、迷光成分となり得る光を含めて、すべての光が、最終的には発光面となる前面から、ほぼ同一の光軸に沿って出力可能である。したがって、LEDチップ41、42、43の各種方向に発せられたすべての発光成分が、有効にコリメートされ、照明に寄与出来るようになる。
【0056】
LEDチップ41、42、43を、それぞれ赤(R)色LEDチップ、緑(G)色LEDチップ、青(B)色LEDチップとし、赤(R)、緑(G)及び青(B)各LEDチップ41、42、43に印加する電流を独立に制御するように構成すれば、任意の色が合成出来る。したがって、色合成により、色覚異常者が見やすい色への発光波長の微調整が可能になる。赤(R)色LEDチップ、緑(G)色LEDチップ、青色LEDチップを図5及び図6に示すように、積層せず、同一平面レベルにおいて、点光源と見なせる程度に近接配置しても、同様な色合成が可能である。
【0057】
前述したように、色覚異常は、1色型色覚(全色盲)、2色型色覚(色盲)、異常3色型色覚(色弱)の3つに分類される。又2色型色覚は、第1色盲、第2色盲及び第3色盲とに分別される。したがって、すべての色覚異常者に満足出来る色の組み合わせは、現実には困難である。しかし、この場合でも、現場での種々の環境を含めた実験的を行い、可能な限り多くの色覚異常者に満足してもらえる最良な色の選択が出来る。即ち、それぞれ、図5及び図6に示されるような、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップの組み合わせによる色合成を利用して、試行錯誤的に、緑色表示灯、黄色表示灯及び赤色表示灯に用いる補助表示灯の波長を、それぞれ選択出来る。この結果、交通信号灯として、可能な限り最良な色の組み合わせを、現場での試行錯誤を通して求めることが可能となる。
【0058】
例えば、周辺にオレンジの街路灯が点灯している夜間と、日中で、補助表示灯の発光スペクトルのピーク波長をシフトしても良い。或いは、朝日や西日の射し込む時間帯とそれ以外の時間帯とで、補助表示灯の発光スペクトルのピーク波長をシフトしても良い。更に晴天時、曇り、夜間等で補助表示灯の発光スペクトルのピーク波長をシフトしても良い。種々の色覚異常者の現場での要望を聞きながら最適の波長を選択すればよい。最適の波長が決まったら、照度計、特定の色の光センサからの信号をフィードバックすることで、或いはプログラム制御により、波長シフト回路にトリガ信号を供給することにより、補助表示灯の発光スペクトルのピーク波長をシフトすることが可能である。更に、その後不都合が生じれば、再度、色覚異常者の要望を聞き、補助表示灯の発光スペクトルのピーク波長を最適の波長に変更すればよい。
【0059】
(第3の実施の形態)
図7(a)に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る交通信号灯は、色覚正常者に対して設定された緑、黄及び赤の3つの主表示灯と、緑の波長スペクトルのピーク波長(505nm)に対応した基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDを光源とする第1の補助表示灯と、黄の波長スペクトルのピーク波長(590nm)に対応した基準波数(k0=1695cm-1)に対して2〜5%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する黄色LEDを光源とする第2の補助表示灯とから構成されている。更に、赤の主表示灯の周辺部には、この赤の主表示灯よりも明度の高い光を発光する赤色LEDを光源とする高明度補助表示灯が配置されている。
【0060】
緑の主表示灯は、第1白色光源241、第1白色光源241から発せられる光の内第1の波長スペクトルの光を透過する第1のカバーレンズ221とから構成されている。黄の主表示灯は、第2白色光源242、第2白色光源242から発せられる光の内第1の波長スペクトルより長波長の第2の波長スペクトルの光を透過する第2のカバーレンズ222とから構成されている。赤の主表示灯は、第3白色光源243、第3白色光源243から発せられる光の内第2の波長スペクトルより長波長の第3の波長スペクトルの光を透過する第3のカバーレンズ223とから構成されている。第1の補助表示灯は、第1のカバーレンズ221の周辺部に配置された第1の波長スペクトルとは異なる第4の波長の光を発する第1のLED261a、261b、261c、・・・・・から構成されている。第1のLED261a、261b、261c、・・・・・は、それぞれ、緑の基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDである。第2の補助表示灯は、第2のカバーレンズ222の周辺部に配置された第1の波長スペクトルとは異なる第5の波長の光を発する第2のLED262a、262b、262c、・・・・・とから構成されている。第2のLED262a、262b、262c、・・・・・は、それぞれ黄の基準波数(k0=1695cm-1)に対して2〜5%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する黄色LEDである。更に、第3のカバーレンズ223の周辺部には第6の波長の光を発する第3のLED263a、263b、263c・・・・・が配置されている。第3のLED263a、263b、263c・・・・・は、赤の主表示灯よりも明度の高い高明度補助表示灯を構成している。そして、第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222、第3のカバーレンズ223、第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・、及び第3の補助発光体233a、233b、233c、・・・・・は信号箱21に固定されている。
【0061】
図7(b)に第1白色光源241の周辺部の断面図を示すように、第1白色光源241、第2白色光源242及び第3白色光源243の周辺部の断面構造は、カバーレンズ221、222、223の周辺部の信号箱21構造以外は、第1の実施の形態と基本的に共通する。第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223の周辺部に位置する信号箱21の内壁側に中空の円筒型のLEDアダプタを有する。信号箱21は、ポリカーボネイト樹脂等の透明な固体材料で形成されており、中空の円筒の内部に収納された第1、第2及び第3のLED261a、261b、261c、・・・・・、262a、262b、262c、・・・・・、263a、263b、263c、・・・・・が発する光のビーム径が拡大され、出射面を広くしている。
【0062】
第1、第2及び第3のLED261a、261b、261c、・・・・・、262a、262b、262c、・・・・・、263a、263b、263c、・・・・・は、例えば、直径(外径)2〜8mmφの円柱形状である。図示を省略しているが、信号箱21の内壁部は、第1、第2及び第3のLED261a、261b、261c、・・・・・、262a、262b、262c、・・・・・、263a、263b、263c、・・・・・を信号箱21に設けられた中空の円筒の内部に固定するために、第1、第2及び第3のLED261a、261b、261c、・・・・・、262a、262b、262c、・・・・・、263a、263b、263c、・・・・・と信号箱21の凹部の間には、厚さ0.25〜0.5mm程度のスペーサが挿入されている。
【0063】
第1、第2及び第3のLED261a、261b、261c、・・・・・、262a、262b、262c、・・・・・、263a、263b、263c、・・・・・は、第1白色光源241、第2白色光源242及び第3白色光源243の点灯に同期して点灯する。
【0064】
中央の第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223は警交仕規第23号に規定された従来通りの交通信号灯の色である。第1及び第2のLED261a、261b、261c、・・・・・、262a、262b、262c、・・・・・は、基準波数に対して高波数側にシフトした波数のスペクトルの色を発光するので、色覚異常者でも識別可能となる。即ち、第1のLED261a、261b、261c、・・・・・は、波長λ=445〜500nmの青色を発光する。又、第2のLED262a、262b、262c、・・・・・は波長λy=560〜580nmの黄の光を発光する。
【0065】
第3のLED263a、263b、263c・・・・・は、警交仕規第23号等に規定されたλ=625nmの光を発光する。第3のカバーレンズ223を透過した光の明度に比し、第3のLED263a、263b、263c、・・・・・の明度が十分に高いので明暗のパターンにより赤色を認識することが出来る。
【0066】
青・黄・赤のそれぞれの色を発光するLEDチップは第1の実施の形態と同様の半導体材料のものを、図6のように積層して使用すれば良い。
【0067】
(第4の実施の形態)
図8(a)に示すように、本発明の第4の実施の形態に係る交通信号灯は、色覚正常者に対して設定された緑、黄及び赤の3つの主表示灯と、緑の波長スペクトルのピーク波長(505nm)に対応した基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDを光源とする第1の補助表示灯と、黄の波長スペクトルのピーク波長(590nm)に対応した基準波数(k0=1695cm-1)に対して2〜5%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する黄色LEDを光源とする第2の補助表示灯とから構成されている。
【0068】
緑の主表示灯は、第1白色光源241、第1白色光源241から発せられる光の内第1の波長スペクトルの光を透過する第1のカバーレンズ221とから構成されている。黄の主表示灯は、第2白色光源242、第2白色光源242から発せられる光の内第1の波長スペクトルより長波長の第2の波長スペクトルの光を透過する第2のカバーレンズ222とから構成されている。赤の主表示灯は、第3白色光源243、第3白色光源243から発せられる光の内第2の波長スペクトルより長波長の第3の波長スペクトルの光を透過する第3のカバーレンズ223とから構成されている。第1の補助表示灯は、第1のカバーレンズ221の裏側に配置された第1の波長スペクトルとは異なる第4の波長の光を発する第1のLED261a、261b、261c、・・・・・から構成されている。第1のLED261a、261b、261c、・・・・・は、それぞれ、緑の基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDである。第2の補助表示灯は、第2のカバーレンズ222の裏側に配置された第1の波長スペクトルとは異なる第5の波長の光を発する第2のLED262a、262b、262c、・・・・・とから構成されている。第2のLED262a、262b、262c、・・・・・は、それぞれ黄の基準波数(k0=1695cm-1)に対して2〜5%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する黄色LEDである。第1のLED261a、261b、261c、・・・・・は、第1のカバーレンズ221の内部に一様に点在させる必要は無い。例えば、第1のカバーレンズ221の内部に「進め」、「GO]等の文字、若しく類似のパターンを表現出来るように、第1のLED261a、261b、261c、・・・・・・を配列しても良い。同様に、第2のLED262a、262b、262c、・・・・・は、第2のカバーレンズ222の内部に一様に点在させる必要は無い。例えば、第2のカバーレンズ222の内部に「注意」等の文字、若しく類似のパターンを表現出来るように、第2のLED262a、262b、262c、・・・・・を配列しても良い。第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223は信号箱21に固定されている。
【0069】
図8(b)に第1白色光源241の周辺部の断面図を示すように、第1白色光源241、第2白色光源242及び第3白色光源243の周辺部の断面構造は、カバーレンズ221、222の構造以外は、第1の実施の形態と基本的に共通する。第1のカバーレンズ221及び第2のカバーレンズ222は裏面部に中空の円筒部を持つ。その中空の円筒部の内部には第1及び第2のLED261a、261b、261c、・・・・・、262a、262b、262c、・・・・・が収納されている。第1及び第2のLED261a、261b、261c、・・・・・、262a、262b、262c、・・・・・は、樹脂モールドされたLEDである。樹脂モールドされたLEDから発光された光は、中空の円筒部の底部を入射面、この入射面に対応した第1のカバーレンズ221及び第2のカバーレンズ222の表面を出射面として構成されるレンズによりビーム径が拡大され、出射面が広い平行ビームとなる。
【0070】
第1及び第2白色光源241及び242の点灯に同期して、第1及び第2のLED261a、261b、261c、・・・・・262a、262b、262c、・・・・・が点灯する。第1及び第2のLED261a、261b、261c、・・・・・、262a、262b、262c、・・・・・は、色覚異常者でも識別しやすい色の波長を発光する。第1のLED261a、261b、261c、・・・・・は、波長λ=445〜500nmの青色を発光する。第2のLED262a、262b、262c、・・・・・は波長λy=560〜590nmの黄の光を点滅する。青・黄のそれぞれの色を発光するLEDチップは第1の実施の形態と同様である。赤色の第3のカバーレンズ223の裏面にはLEDが無い。したがって黄色と赤色の区別がしにくい色覚異常者でも第2のLEDがある方を黄色、無い方を赤色と判断出来る。
【0071】
(第5の実施の形態)
図9に示すように、本発明の第5の実施の形態に係る交通信号灯は、色覚正常者に対して設定された緑、黄及び赤の3つの主表示灯と、緑の波長スペクトルのピーク波長(505nm)に対応した基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDを光源とする第1の補助表示灯と、黄の波長スペクトルのピーク波長(590nm)に対応した基準波数(k0=1695cm-1)に対して2〜5%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する黄色LEDを光源とする第2の補助表示灯とから構成されている。
【0072】
緑の主表示灯は、隣接配置された複数の第1の砲弾型レンズ281a、281b、281c、・・・・・からから構成されている。黄の主表示灯は、隣接配置された複数の第2の砲弾型レンズ2082a、282b、282c、・・・・・からから構成されている。赤の主表示灯は、隣接配置された複数の第3の砲弾型レンズ2083a、283b、283cからなる第3信号灯から構成されている。
【0073】
第1の砲弾型レンズ281a、281b、281c、・・・・・のそれぞれの約半分の井戸型の凹部の内部には警交仕規第23号等で規定された交通信号灯の色、即ち第1の波長スペクトル(λ=505nm)の光を発光する第1LEDが収納されている。第2の砲弾型レンズ282a、282b、282c、・・・・・のそれぞれの約半分の井戸型の凹部の内部には警交仕規第23号等で規定された交通信号灯の色、即ち第1の波長スペクトルより長波長の第2の波長スペクトル(λ=590nm)の光を発する第2LEDが収納されている。第1の砲弾型レンズ281a、281b、281c、・・・・・の内の残る半分の井戸型の凹部の内部には、色覚異常者でも識別しやすい青色λ=445〜500nmとλ=505nmの波長の光を交互に発光する色覚異常者用LEDが収納されている。λ=445〜500nmのLEDは、λ=505nmの基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDである。第2の砲弾型レンズ282a、282b、282c、・・・・・の内の残る半分の井戸型の凹部の内部には、色覚異常者でも識別しやすい黄色λ=565〜580nmとλ=590nmの波長の光を交互に発光する色覚異常者用LEDが収納されている。λ=565〜580nmのLEDは、λ=590nmの基準波数(k0=1695cm-1)に対して2〜5%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する黄色LEDである。第3の砲弾型レンズの井戸型凹部の内部には、警交仕規第23号等で規定されたλ=625nmの赤色(第2の波長スペクトルより長波長の第3の波長スペクトルの光)の第3LEDが収納されている。砲弾型レンズ281a、281b、281c、・・・・・、282a、282b、282c、・・・・・、283a、283b、283c、・・・・・のそれぞれの内部構造は既に図3又は図6に示した構造である。
【0074】
青色の色覚異常者用LEDはλbn=505nmの光とλba=445〜500nmの光を100〜200ms程度のパルス幅で交互に点灯する。黄色の色覚異常者用LEDはλbn=590nmの光とλba=560〜580nmの光を100〜200ms程度のパルス幅で交互に点灯する。点灯の周波数を20Hzよりも高くすると視覚的に混色されるので好ましくない。視覚の空間周波数特性を考慮すると例えば、上側半分を警交仕規第23号等の波長のLED、下側半分を色覚異常者用LED灯に分けるのが好ましい。上下を逆でも良く、左右で分けても良い。
【0075】
或いは、「進め」、「GO]等の文字、若しく類似のパターンを表現出来るように、第1の砲弾型レンズ281a、281b、281c、・・・・・のそれぞれの井戸型の凹部の内部に収納するLEDの配列を設計しても良い。同様に、「注意」等の文字、若しく類似のパターンを表現出来るように、第2の砲弾型レンズ282a、282b、282c、・・・・・のそれぞれの井戸型の凹部の内部に収納するLEDの配列を設計しても良い。この場合、視覚の空間周波数特性を考慮すれば、あまり複雑な文字は回避し、単純なパターンを採用すべきである。
【0076】
一方赤色の表示は単色であるので、赤色と黄色の区別がしにくい色覚異常者でもその判別が出来る。
【0077】
2つの色を交互に点灯するためには、図6に示すようなRGBの3つのLEDチップを1個の井戸型の凹部の内部に収納し、各LEDチップに与えるバイアスを独立に制御して、2種類の波長の光を、同一の砲弾型レンズから出すように構成すれば良い。図6では縦に積層しているが、互いに点光源と見なせる程度に隣接させてもかまわない。
【0078】
(第6の実施の形態)
図10(a)に示すように、本発明の第6の実施の形態に係る交通信号灯は、色覚正常者に対して設定された緑、黄及び赤の3つの主表示灯と、緑の波長スペクトルのピーク波長(505nm)に対応した基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDを光源とする第1の補助表示灯と、黄の波長スペクトルのピーク波長(590nm)に対応した基準波数(k0=1695cm-1)に対して2〜5%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する黄色LEDを光源とする第2の補助表示灯とから構成されている。更に、赤の主表示灯の内部(表面)には、この赤の主表示灯よりも明度の高い光を発光する赤色LEDを光源とする高明度補助表示灯が配置されている。
【0079】
緑の主表示灯は、第1白色光源241、第1白色光源241から発せられる光の内第1の波長スペクトルの光を透過する第1のカバーレンズ221とから構成されている。黄の主表示灯は、第2白色光源242、第2白色光源242から発せられる光の内第1の波長スペクトルより長波長の第2の波長スペクトルの光を透過する第2のカバーレンズ222とから構成されている。赤の主表示灯は、第3白色光源243、第3白色光源243から発せられる光の内第2の波長スペクトルより長波長の第3の波長スペクトルの光を透過する第3のカバーレンズ223とから構成されている。第1の補助表示灯は、第1のカバーレンズ221の裏面に設けられた複数の中空の円筒部の内部にそれぞれ配置された複数の第1LED261a、261b、261c、・・・・・から構成されている。第1LED261a、261b、261c、・・・・・は、それぞれ、緑の基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDである。第2の補助表示灯は、第2のカバーレンズ222の裏面に設けられた複数の中空の円筒部の内部にそれぞれ配置された複数の第2LED262a、262b、262c、・・・・・から構成されている。第2LED262a、262b、262c、・・・・・は、それぞれ黄の基準波数(k0=1695cm-1)に対して2〜5%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する黄色LEDである。更に、第3のカバーレンズ223の裏面に設けられた複数の中空の円筒部の内部には、それぞれ複数の第3LED263a、263b、263c、・・・・・が配置されている。第3LED263a、263b、263c、・・・・・は、赤の主表示灯よりも明度の高い光を発光する赤色LEDを光源とする高明度補助表示灯である。そして、第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223は信号箱21に固定されている。
【0080】
第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223は、図10(c)のように、図10(b)よりも厚くして、その裏面に井戸型の凹部を有するようにしても良い。図10(c)の構造ではその井戸型の凹部の内部に第1、第2及び第3のLED261a、261b、261c、・・・・・、262a、262b、262c、・・・・・、263a、263b、263c、・・・・・を収納しても良い。
【0081】
第1及び第2のLED261a、261b、261c、・・・・・、262a、262b、262c、・・・・・のそれぞれの約半分は警交仕規第23号等で規定された交通信号灯の色を発光する。第1及び第2のLED261a、261b、261c、・・・・・、262a、262b、262c、・・・・・の内の残る半分のLEDは、それぞれ色覚異常者でも識別しやすい青色λba=445〜500nmの、黄色λya=565〜580nmの波長とλbn=505nm、λyn=590nmの光を交互に発光する色覚異常者用LEDである。第3の砲弾型レンズの井戸型凹部の内部には、警交仕規台23号等で規定されたλ=625nmの赤色のLEDが収納されている。
【0082】
LED261a、261b、261c、・・・・・、262a、262b、262c、・・・・・、263a、263b、263c、・・・・・のそれぞれは、既に図6に示した3枚のLEDチップの積層構造を単位として構成されている。
【0083】
即ち青色の色覚異常者用LEDはλbn=505nmの光とλba=445〜500nmの光を100〜200msのパルス幅で交互に点灯する。黄色の色覚異常者用LEDはλbn=590nmの光とλba=560〜580nmの光を100〜200msのパルス幅で交互に点灯する。上述したように点灯の周波数を20Hzよりも高くすると視覚的に混色されるので好ましくない。
【0084】
視覚の空間周波数特性による混色を防止するためには、上側半分を警交仕規第23号等の波長のLED、下側半分を色覚異常者用LED灯に分けるのが好ましいことは第5の実施の携帯と同様である。又、第1のカバーレンズ221の内部に「進め」、「GO]等の文字、若しく類似のパターンを表現出来るように、第1のLED261a、261b、261c、・・・・・・を配列しても良い。同様に、第2のカバーレンズ222の内部に「注意」等の文字、若しく類似のパターンを表現出来るように、第2のLED262a、262b、262c、・・・・・を配列しても良い。この場合、視覚の空間周波数特性を考慮すれば、あまり複雑な文字は回避し、単純なパターンを採用すべきである。
【0085】
一方赤色の表示は単色であるので、赤色と黄色の区別がしにくい色覚異常者でもその判別が出来る。
【0086】
(第7の実施の形態)
図11及び図12に示すように、本発明の第7の実施の形態に係る交通信号灯は、色覚正常者に対して設定された緑、黄及び赤の3つの主表示灯と、緑の波長スペクトルのピーク波長(505nm)に対応した基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDを光源とする補助表示灯とから構成されている。更に、赤の主表示灯の周辺部には、この赤の主表示灯よりも明度の高い光を発光する赤色LEDを光源とする高明度補助表示灯が配置されている。
【0087】
緑の主表示灯は、第1白色光源241、第1白色光源241から発せられる光の内第1の波長スペクトルの光を透過する第1のカバーレンズ221とから構成されている。黄の主表示灯は、第2白色光源242、第2白色光源242から発せられる光の内第1の波長スペクトルより長波長の第2の波長スペクトルの光を透過する第2のカバーレンズ222とから構成されている。赤の主表示灯は、第3白色光源243、第3白色光源243から発せられる光の内第2の波長スペクトルより長波長の第3の波長スペクトルの光を透過する第3のカバーレンズ223とから構成されている。補助表示灯は、第1のカバーレンズ221の周辺部に配置された第1の波長スペクトルとは異なる第4の波長の光を発する第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・から構成されている。第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・は、それぞれ、緑の基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDを用いている。更に、第3のカバーレンズ223の周辺部には第3の波長スペクトルよりも短波長の第5の波長の光を発する第2の補助発光体233a、233b、233c、・・・・・が配置されている。第2の補助発光体233a、233b、233c、・・・・・は、赤の主表示灯よりも明度の高い高明度補助表示灯を構成している。そして、第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222、第3のカバーレンズ223、第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、及び第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・は信号箱21に固定されている。
【0088】
図12(a)に断面を示す第1白色光源241の周辺部の断面構造は、カバーレンズ221の周辺部の信号箱21構造以外は、第1の実施の形態と基本的に共通する。又、図12(b)に断面を示す第2白色光源242の周辺部の断面構造は第1の実施の形態で説明した構造と同一であり、図示を省略しているが、第3白色光源243の周辺部の断面構造はカバーレンズ223の周辺部の信号箱21構造を除けば第1の実施の形態と基本的に同一である。
【0089】
図13は、前述した第1の波長スペクトルλ、第2の波長スペクトルλ、第3の波長スペクトルλ、第4の波長λ及び第5の波長λ及びこれらの光の強度の関係を示したものである。第3の波長スペクトルλの光の強度は、第1の波長スペクトルλ及び第2の波長スペクトルλの光の強度に比べて低い。又、第4の波長λ及び第5の波長λの明度は、第4及び第5の白色光源としてLEDを使用しているため、第1、第2及び第3白色光源の明度に比べて高い。
【0090】
交通信号灯であるから、第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223のそれぞれの背面にある第1白色光源241、第2白色光源242及び第3白色光源243は、3つの内のいずれかが必ず点灯している。その点灯と同期して、カバーレンズ221及び223の周辺部にある補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、232a、232b、232c、・・・・・が点灯する。
【0091】
中央の第1のカバーレンズ221、第2のカバーレンズ222及び第3のカバーレンズ223は警交仕規第23号等に規定された従来の交通信号灯の色である。第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、及び第2の補助発光体232a、232b、233c、・・・・・は、色覚異常者でも識別しやすい色を発光する。例えば第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・は、波長λ=445〜490nmのコバルトブルー等の色の光を発する。第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・は、波長λ=610〜630nmの明るい赤色の光を発する。第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・がコバルトブルーの色を発光するようにすれば、夜間オレンジの街路灯が続いている場合でも、遠方から交通信号灯の存在を確認しやすい。カバーレンズ223を透過した光は暗い赤であり、第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・は明るい赤を発光する。つまり、色覚異常者は、中央が暗く、周囲が明るいリングからなる明暗のパターンを視認し、これを赤色の信号であると判別可能である。又、補助発光体にLEDを用いることによって、疑似点灯現象を防止することが出来る。
【0092】
(第8の実施の形態)
図14乃至図17に示すように、本発明の第8の実施の形態に係る交通信号灯は、色覚正常者に対して設定された緑、黄及び赤の3つの主表示灯と、緑の波長スペクトルのピーク波長(505nm)に対応した基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDを光源とする補助表示灯とから構成されている。更に、赤の主表示灯の周辺部には、この赤の主表示灯よりも明度の高い光を発光する赤色LEDを光源とする高明度補助表示灯が配置されている。
【0093】
緑の主表示灯は、第1の波長スペクトルの光を発する複数の第1主発光体511a、511b、511c、・・・・・の集合体から構成されている。黄の主表示灯は、第1の波長スペクトルよりも長波長の第2の波長スペクトルの光を発する複数の第2主発光体512a、512b、512c、・・・・・の集合体から構成されている。赤の主表示灯は、白色光源243、白色光源243から発せられる光の内第2の波長スペクトルより長波長の第3の波長スペクトルの光を透過する第3のカバーレンズ223とから構成されている。補助表示灯は、第1主発光体511a、511b、511c、・・・・・の集合体の周辺部に配置された第1の波長スペクトルとは異なる第4の波長の光を発する複数の第1の補助発光体521a、521b、521c、・・・・・から構成されている。第1の補助発光体521a、521b、521c、・・・・・は、それぞれ、緑の基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDを用いている。更に、カバーレンズ223の周辺部には、第3の波長スペクトルとは異なる第5の波長の光を発する第2の補助発光体522a、522b、522c、・・・・・が配置されている。第2の補助発光体522a、522b、522c、・・・・・は、赤の主表示灯よりも明度の高い光を発光する高明度補助表示灯を構成している。
【0094】
又、図17に示すようにカバーレンズ223の内部構造は、既に第1の実施の形態で説明した構造と同一である。第1の主発光体511a、511b、511c、・・・・・、第2の主発光体512a、512b、512c、・・・・・、第1の補助発光体521a、521b、521c、・・・・・、第2の補助発光体522a、522b、522c、・・・・・及びカバーレンズ223は信号箱21に固定されている。
【0095】
図14のH−H方向に沿った断面図を図15(a)、I−I方向に沿った断面図を図16(a)に示した。しかし、図15(a)及び図16(a)に示す構造に限られず、例えば、それぞれ図15(b)、図16(b)のように、第1の主発光体511a、511b、511c、・・・・・、第2の主発光体512a、512b、512c、・・・・・及び第1の補助発光体521a、521b、521c、・・・・・を平面に配置しても良い。
【0096】
中央の第1主発光体511a、511b、511c、・・・・・と第2主発光体512a、512b、512c、・・・・・及びカバーレンズ223は、警交仕規第23号等に規定された従来通りの交通信号灯の色である。第1の補助発光体521a、521b、521c、・・・・・は色覚異常者にも識別しやすい波長λ=445〜500nmの波長の光を発光する。カバーレンズ223の周りの第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・は、波長λ=610〜630nmの明るい赤色の光を発する。
【0097】
より好ましくは、第1補助発光体521a、521b、521c、・・・・・は、色覚異常者が識別しやすいコバルトブルーを発光するようにすれば良い。これにより、色覚異常者は夜間田舎道でオレンジの街路灯が続いている場合でも遠方から交通信号灯の存在を認識することが出来る。第2補助発光体522a、522b、522c、・・・・・はカバーレンズ223から発光されるよりも明るい赤を発光する。これにより、赤と黄の区別を色の明暗で識別していた色覚異常者は、LEDを用いても赤と黄を明度差のパターンにより認識することが出来る。しかも第2補助発光体522a、522b、522c、・・・・・はカバーレンズを介さず自ら発光するので、朝日、夕日が当たっている場合でも点灯を視認出来る。
【0098】
(第9の実施の形態)
図18乃至図20に示すように、本発明の第9の実施の形態に係る交通信号灯は、色覚正常者に対して設定された緑、黄及び赤の3つの主表示灯と、緑の波長スペクトルのピーク波長(505nm)に対応した基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDを光源とする補助表示灯とから構成されている。更に、赤の主表示灯の周辺部には、この赤の主表示灯よりも明度の高い光を発光する赤色LEDを光源とする高明度補助表示灯が配置されている。
【0099】
緑の主表示灯は第1の波長スペクトルの光を発する複数の第1主発光体511a、511b、511c、・・・・・の集合体から構成されている。黄の主表示灯は、第1の波長スペクトルよりも長波長の第2の波長スペクトルの光を発する複数の第2主発光体512a、512b、512c、・・・・・の集合体から構成されている。赤の主表示灯は、第2の波長スペクトルよりも長波長の第3の波長スペクトルの光を発する複数の第3主発光体513a、513b、513c、・・・・・の集合体から構成されている。補助表示灯は、第1主発光体511a、511b、511c、・・・・・の集合体の周辺部に配置された第1の波長スペクトルとは異なる第4の波長の光を発する複数の第1の補助発光体521a、521b、521c、・・・・・から構成されている。第1の補助発光体521a、521b、521c、・・・・・は、それぞれ、緑の基準波数(k0=1980cm-1)に対して5〜8%高波数側にシフトした波数のスペクトルの光を発光する青色LEDを用いている。更に、第3主発光体513a、513b、513c、・・・・・の集合体の周辺部には、第3の波長スペクトルとは異なる第5の波長の光を発する複数の第2の補助発光体522a、522b、522c、・・・・・が配置されている。第2の補助発光体522a、522b、522c、・・・・・は、赤の主表示灯よりも明度の高い高明度補助表示灯を構成している。
【0100】
図18のK−K方向に沿った断面図を図19(a)、L−L方向に沿った断面図を図20(a)に示す。図19(b)、図20(b)は本発明の第9の実施の形態の変形例に係る交通信号灯の断面図で、それぞれ、図18のK−K方向及びL−L方向に沿った断面図に対応する。図19(b)、図20(b)のように、第1主発光体511a、511b、511c、・・・・・、第1の補助発光体521a、521b、521c、・・・・・及び第2主発光体512a、512b、512c、・・・・・を平面に配置しても良い。
【0101】
中央の第1主発光体511a、511b、511c、・・・・・と第2主発光体512a、512b、512c、・・・・・及び第3主発光体513a、513b、513c、・・・・・は、警交仕規第23号等に規定されたλ=505nmの青、λ=590nmの黄、λ=625nmの赤を発光する。第1の補助発光体521a、521b、521c、・・・・・は色覚異常者にも識別しやすいコバルトブルーの光、例えば波長λ=445〜500nmの波長の光を発光する。カバーレンズ223の周りの第2の補助発光体232a、232b、232c、・・・・・は、波長λ=610〜630nmの明るい赤色の光を発する。第1の補助発光体521a、521b、521c、・・・・・が色覚異常者が識別しやすいコバルトブルーを発光するようにすれば、色覚異常者は夜間オレンジの街路灯が続いている場合でも、遠方から交通信号灯の存在を認識することが出来る。第2補助発光体522a、522b、522c、・・・・・は第3主発光体513a、513b、513c、・・・・・から発光されるよりも明るい赤を発光する。これにより、赤と黄の区別を色の明暗で識別していた色覚異常者は、LEDを用いても赤と黄を明度差のパターンにより認識することが出来る。しかもそれぞれの発光体はカバーレンズを介さず自ら発光するので、朝日、夕日が当たっている場合でも点灯を視認出来る。
【0102】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1乃至第9の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0103】
既に述べた第1乃至第9の実施の形態の説明においては、LEDを用いた発明であったが、色覚異常者にも判別出来るある特定の波長の色を発光するものであれば、LEDに限ることは無く、半導体レーザーでも構わない。更に例えば、白熱球をLEDの代わりに用いて色ガラスからなる光学媒体の組み合わせを用いて補助白色光源を構成し、この補助白色光源の色を色覚異常者にも判別出来る特定の波長の光を発光するようにすれば、色覚異常者でも容易に認識することが出来る。更に第2の実施の形態で説明した井戸型の凹部の内部に複数のLEDチップを収納した構造や背面鏡を有する構造は、他の実施の形態に用いても良いことは勿論である。
【0104】
信号灯は信頼性が重要である。多数の直並列接続されたLEDをその駆動回路の一部が故障した場合でも、信頼性良点灯するためには、図21に示すように、主駆動回路61に、主駆動回路61より低い電圧を供給する予備駆動回路62を並列接続した回路構成を用意しておけば良い。図21において、表示部71は、第1列のLEDD11,D12,・・・・・,D1nからなる直列接続回路、第2列のLEDD21,D22,・・・・・,D2nからなる直列接続回路、第3列のLEDD31,D32,・・・・・,D3nからなる直列接続回路、第4列のLEDD41,D42,・・・・・,D4nからなる直列接続回路、・・・・・・を並列接続して構成されている。表示部71は、例えば、図10に示した第1のLED261a、261b、261c、・・・・・からなる第1の補助表示灯、第2のLED262a、262b、262c、・・・・・からなる第2の補助表示灯、又は、第3のLED263a、263b、263c、・・・・・からなる第3の補助表示灯に対応する。
【0105】
主駆動回路61の出力端子P1と共通端子COMとの間には、主駆動回路用一般ダイオードD1を介して、第1列のLEDD11,D12,・・・・・,D1nが接続されている。主駆動回路61の出力端子P2と共通端子COMとの間には、主駆動回路用一般ダイオードD2を介して第2列のLEDD21,D22,・・・・・,D2nが接続されている。主駆動回路61の出力端子P3と共通端子COMとの間には、主駆動回路用一般ダイオードD3を介して第3列のLEDD31,D32,・・・・・,D3nが接続されている。主駆動回路61の出力端子P4と共通端子COMとの間には、主駆動回路用一般ダイオードD4を介して第4列のLEDD41,D42,・・・・・,D4nが接続されている。予備駆動回路62の出力端子P1sと共通端子COMとの間には、予備駆動回路用一般ダイオードD1sを介して、第1列のLEDD11,D12,・・・・・,D1nが接続されている。予備駆動回路62の出力端子P2sと共通端子COMとの間には予備駆動回路用一般ダイオードD2sを介して、第2列のLEDD21,D22,・・・・・,D2nが接続されている。予備駆動回路62の出力端子P3sと共通端子COMとの間には、予備駆動回路用一般ダイオードD3sを介して第3列のLEDD31,D32,・・・・・,D3nが接続されている。予備駆動回路62の出力端子P4sと共通端子COMとの間には、予備駆動回路用一般ダイオードD4sを介して第4列のLEDD41,D42,・・・・・,D4nが接続されている。図21に示す回路構成で、例えば、主駆動回路61の出力端子P3の出力電圧が、何らかの事情で停止すれば、直ちに予備駆動回路62の出力端子P3sから、主駆動回路61の出力端子P3より低い電圧が供給され、第3列のLEDD31,D32,・・・・・,D3nは再び点灯する。主駆動回路用一般ダイオードD3及び予備駆動回路用一般ダイオードD3sとは切り替えスイッチの機能を果たしている。主駆動回路61の他の出力端子P1,P2,P4,・・・・・の出力電圧が何らかの事情で停止した場合も、同様に、予備駆動回路62の出力端子P1s,P2s,P4s,・・・・・から電源電圧が供給されるので信頼性が確保出来る。
【0106】
又、以上の実施の形態では交通信号灯について主に説明したが、鉄道用信号灯、船舶用信号灯等他の信号灯についても同様である。更には、同様な色の混同が問題になる自動車のストップランプ、ウィンカー等にも適用可能である。
【0107】
図5に示したLEDチップ41、42、43を、それぞれ赤(R)色LEDチップ、緑(G)LEDチップ、青(B)LEDチップとし、各LEDチップ41、42、43に印加する電流を独立に制御するように構成すれば、任意の色が合成出来ることは既に説明した通りである。即ち、RGBの3枚のLEDチップの駆動電圧(駆動電流)を互いに独立に制御出来るようにしておけば、あらゆる色の混合(色合成)が可能であるので、白色光を得ることが出来る(更に、白色光以外の任意の色を、RGB各色の発光強度を制御した色合成により得ることも容易で、色合いの変化を楽しむことが可能である。)。したがって、色合成により、白色光を得ることにより、各種一般照明に、本発明の第1〜第9の実施の形態に用いた構造を応用することが可能である。
【0108】
例えば、図4(a)に示した第1のカバーレンズ221と、第1のカバーレンズ221の内部に配置された第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・から構成された構造を室内照明に用いても良い。この場合は、第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・の内部には、RGB各色の色合成により得た白色光を出力するLEDを用いれば良い。第1のカバーレンズ221の内部には、一般室内照明に用いる蛍光灯を用いれば良い。或いは、簡易取付方式や、引掛シーリング方式の室内照明灯の乳白アクリルカバーの内部に、図10(b)若しくは図10(c)に示すような構造を設け、第1LED261a、261b、261c、・・・・・として、RGB各色LEDチップからなる白色LEDを用いることも可能である。又、一般の白色電球の傘に、図1に示した第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、231hからなる構造を用いても良い。この場合は、図1に示す構造で、例えば、第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、231hのそれぞれの収納部の内部に、RGB各色LEDチップからなる白色LEDを用いれば良い。そして、これらの第1の補助発光体231a、231b、231c、・・・・・、231hを豆球調光と同様な調光照明に使用することも可能である。調光照明は、一般室内照明に用いられているように、マイコンとリモコンを用いても良い。
【0109】
更には、トンネル内や地下道の照明にも、本発明の第1〜第9の実施の形態に用いた各種の構造を用いることが可能である。この場合は、RGB各色の色合成により得た黄色光を出力するLEDを採用することも可能である。
【0110】
この様に、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る交通信号灯を示す模式的な平面図で、図1(b)は、図1(a)のA−A方向に沿った断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る光の波長と発光強度(明度)のグラフである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る交通信号灯に使われている発光体の詳細な図である。
【図4】図4(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る交通信号灯を示す模式的な平面図で、図4(b)は、図4(a)のB−B方向に沿った断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る交通信号灯に使われている発光体の詳細な図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る交通信号灯に使われている発光体のLED近辺の詳細な図である。
【図7】図7(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る交通信号灯を示す模式的な平面図で、図7(b)は、図7(a)のC−C方向に沿った断面図である。
【図8】図8(a)は、本発明の第4の実施の形態に係る交通信号灯を示す模式的な平面図で、図8(b)は、図8(a)のD−D方向に沿った断面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態に係る交通信号灯を示す模式的な鳥瞰図である。
【図10】図10(a)は、本発明の第6の実施の形態に係る交通信号灯を示す模式的な平面図で、図10(b)は、図10(a)のE−E方向に沿った断面図である。図10(c)は本発明の第6の実施の形態の変形例に係る交通信号灯を示す模式的な平面図で、図10(a)のE−E方向に沿った断面図に対応する。
【図11】本発明の第7の実施の形態に係る交通信号灯を示す模式的な図である。
【図12】図12(a)は、図11(a)のF−F方向に沿った断面図で、図12(b)は、図11のG−Gに沿った断面図である。
【図13】本発明の第7の実施の形態に係る光の波長と発光強度(明度)のグラフである。
【図14】本発明の第8の実施の形態に係る交通信号灯を示す模式的な図である。
【図15】図15(a)は図14のH−Hに沿った断面図で、図15(b)は本発明の第8の実施の形態の変形例に係る交通信号灯の図14のH−Hに沿った断面図に対応する図である。
【図16】図16(a)は図14のI−Iに沿った断面図で、図16(b)は本発明の第8の実施の形態の変形例に係る交通信号灯の図14のI−Iに沿った断面図に対応する図である。
【図17】図14のJ−Jに沿った断面図である。
【図18】本発明の第9の実施の形態に係る交通信号灯を示す模式的な図である。
【図19】図19(a)は図18のK−Kに沿った断面図で、図19(b)は本発明の第9の実施の形態の変形例に係る交通信号灯の図18のK−Kに沿った断面図に対応する図である。
【図20】図20(a)は図18のL−Lに沿った断面図で、図20(b)は本発明の第9の実施の形態の変形例に係る交通信号灯の図18のL−Lに沿った断面図に対応する図である。
【図21】発光体を駆動する回路の一例を示す図である。
【図22】色刺激のスペクトル色度軌跡である。
【図23】図23(a)は第1色盲の混同色軌跡、図23(b)は第2色盲の混同色軌跡、図23(c)は第3色盲の混同色軌跡である。
【図24】図23(a)乃至(c)を重ねた図である。
【符号の説明】
【0112】
1 樹脂モールドされたLED
2 凹部天井部
3 外側頂部
4 レンズ媒体
5 凹部側壁部
6 収納部
11,31 第1のピン
12、32 第2のピン
13 LEDチップ
14、35 封止樹脂
20、281a、281b、281c、282a、282b、282c、283a、283b、283c、・・・・・ 砲弾型レンズ
21 信号箱
33 背面鏡
34 砲弾型レンズ
221、222、223 カバーレンズ
231a、231b、231c、231h、232a、232b、232c、232h、233a、233b、233c、233h、521a、521b、521c、522a、522b、522c、・・・・・ 補助発光体
241、242、243 白色光源
251、252、253 反射鏡
261a、261b、261c、262a、262b、262c、263a、263b、263c、・・・・・ LED
271、272、273 多眼レンズ
403、404 端子
41 第1層LED
42 第2層LED
43 第3層LED
411、421,431 サファイア(Al)基板
412、422、432 n型半導体層
413、423、433 活性層
414、424、434 p型半導体層
415、425、435 アノード電極
416、426、436 カソード電極
417、427、437、418、428、438 TABリード
44 支持台
511a、511b、511c、512a、512b、512c、513a、513b、513c、・・・・・ 主発光体
61 主駆動回路
62 予備駆動回路
71 表示部
D1,D2,D3,D4,・・・・・ 主駆動回路用一般ダイオード
D1s,D2s,D3s,D4s,・・・・・ 予備駆動回路用一般ダイオード
D11,D12,・・・・・,D1n,D21,・・・・・,D4n,・・・・・ LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元的に配置された複数のLEDと、
該複数のLEDのそれぞれを収納する井戸型の収納部を有し、該収納部に収納された前記LEDからの出力光を外側頂部からそれぞれ出射する複数の砲弾型のレンズ媒体と、
前記複数のレンズ媒体を二次元的に固定する固定手段
とを備え、前記レンズ媒体は、前記外側頂部に連続する外周部を有し、前記収納部は、前記レンズ媒体の底部から前記外側頂部に向かって前記レンズ媒体の内部に設けられ、円筒形状の側壁部、該側壁部に接続された天井部とを有し、前記レンズ媒体の外周部の外径が、前記収納部の内径の3倍以上、10倍以下であることを特徴とする信号灯。
【請求項2】
二次元的に配置された複数の第1のLEDと、
該第1のLEDとは異なる波長の光を発光し、二次元的に配置された複数の第2のLEDと、
前記複数の第1のLEDのそれぞれを収納する第1の井戸型の収納部を有し、該第1の収納部に収納された前記第1のLEDからの出力光を外側頂部からそれぞれ出射する複数の第1の砲弾型のレンズ媒体と、
前記複数の第2のLEDのそれぞれを収納する第2の井戸型の収納部を有し、該第2の収納部に収納された前記第2のLEDからの出力光を外側頂部からそれぞれ出射する複数の第2の砲弾型のレンズ媒体と、
前記第1及び第2の砲弾型のレンズ媒体をそれぞれ二次元的に固定する固定手段
とを備え、前記第1及び2の砲弾型のレンズ媒体は、それぞれ前記外側頂部に連続する外周部を有し、前記第1及び2の収納部は、前記第1及び2の砲弾型のレンズ媒体底部から前記外側頂部に向かって前記第1及び2の砲弾型のレンズ媒体の内部にそれぞれ設けられ、円筒形状の側壁部、該側壁部に接続された天井部とを有し、前記第1及び2のレンズ媒体の外周部の外径がそれぞれ、前記前記第1及び2の砲弾型のレンズ媒体の収納部の内径の3倍以上、10倍以下であることを特徴とする信号灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−165339(P2007−165339A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−38422(P2007−38422)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【分割の表示】特願2001−18723(P2001−18723)の分割
【原出願日】平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願人】(599104299)ラボ・スフィア株式会社 (8)
【Fターム(参考)】