説明

個体識別装置、個体識別方法、及びプログラム

【課題】 印刷に現れる特徴に基づいて個々の物品を識別することが可能な個体識別装置、個体識別方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】 印刷は、印刷の条件(個々の印刷装置、インク、気温、湿度、その他の要因)によって異なる特徴が現れる。この特徴を画像処理によって顕現させ、個々の物品を識別する。即ち、基準とする物品に付与された印刷部を光学的に読み取った基準画像データに二値化処理等の画像処理を施して特徴点を抽出し、基準特徴点データとして記憶する。また、識別対象とする物品に付与された印刷部についても同様の手法で画像を読み取り、同様の画像処理を施して特徴点を抽出する。そして、抽出された対象物特徴点データと記憶されている基準特徴点データとを比較することにより、識別対象とする物品と基準物品とが同一個体であるか否かを判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々の物品に付与された印刷部から特徴を抽出し、物品を個体識別する個体識別装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工業製品や商品パッケージ等には製造番号が付与され、製造管理や物流管理に利用されている。製造番号は物品の所定位置に文字或いはバーコード等の符号として印字される。また、証明書等の公的証書や商品券等の有価証券に対し、偽造防止や真正性認証を目的としてシリアルナンバーが印字されている。しかし、製造管理や物流管理を目的として個体識別のための製造番号を付与する場合は、明確に視認或いは機械識別を行うことを目的としているため、明示的に印字されることが多く、特にバーコードや2次元コードの形式で付与される場合は本来の製品等の意匠性を損なうことがあった。また、偽造防止を目的とした場合、文字やバーコード等の印字は容易に偽造・変造される恐れがあり、その効果は不十分であった。
【0003】
また近年では、個体識別の手段として、ICタグを用いて個別IDを付与する方法が提案されている。ICタグは書換え困難かつユニークなIDを各々付与することができ、非接触で読取可能なことから製品等の基材裏面、もしくは内部にICタグを設けることにより個体識別が可能となる。しかし、ICタグは単価が高く普及しにくいという問題があった。
【0004】
これらの問題に対し、例えば特許文献1では、真の個体の表面のランダムな特徴と判定対象の個体の表面の特徴とを、比較対象とする領域を移動しながら比較照合を繰り返すことにより、真偽を判定する方法について提案されている。この例では、特徴量として紙の透明度(紙を形成する繊維質材料の絡み具合等に起因する明暗パターン)をスキャナ等で読み取って比較するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4103826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1の手法では、個体表面がランダムな特徴を有する場合に適用可能なものであり、個体表面の特徴が少ない物品の個体識別には適用できなかった。また、真偽判定の精度を向上するために、物品の表面基材を特徴的なものに交換したり、或いは表面に特殊な加工を施したりすると、意匠性が損なわれたり、製造コスト増大につながる恐れがあった。そこで、物品に容易に付与でき、かつ普及した技術を利用しつつも、高い精度で個体識別や真偽判定を行えるようにすることが望まれている。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、印刷に現れる特徴に基づいて個々の物品を識別することが可能な個体識別装置、個体識別方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するため第1の発明は、基準物品に付与された印刷部を光学的に読み取った基準画像データに対して所定の画像処理を施すことにより特徴点を顕現させ、基準特徴点データとして記憶する記憶手段と、識別対象とする物品に付与された印刷部を前記基準画像データの読み取りと同様の手法で読み取った対象物画像データに対して前記画像処理と同様の画像処理を施し、対象物特徴点データとして抽出する対象物特徴点データ抽出手段と、前記対象物特徴点データ抽出手段により抽出された対象物特徴点データと前記記憶手段に記憶されている基準特徴点データとを比較することにより前記識別対象とする物品と前記基準物品とが同一個体であるか否かを判別する判別手段と、を備えることを特徴とする個体識別装置である。
【0009】
また、第2の発明は、基準物品に付与された印刷部を光学的に読み取った基準画像データに対して所定の画像処理を施すことにより特徴点を顕現させ、基準特徴点データとして記憶するステップと、識別対象とする物品に付与された印刷部を前記基準画像データの読み取りと同様の手法で読み取った対象物画像データに対して前記画像処理と同様の画像処理を施し、対象物特徴点データとして抽出するステップと、前記対象物特徴点データと前記基準特徴点データとを比較することにより前記識別対象とする物品と前記基準物品とが同一個体であるか否かを判別するステップと、を含むことを特徴とする個体識別方法である。
【0010】
第1及び第2の発明によれば、基準物品に付与された印刷部を光学的に読み取った基準画像データに対して所定の画像処理を施すことにより特徴点を顕現させ、基準特徴点データとして記憶し、また、識別対象とする物品に付与された印刷部を前記基準画像データの読み取りと同様の手法で読み取った対象物画像データに対して前記画像処理と同様の画像処理を施し、対象物特徴点データとして抽出し、前記対象物特徴点データと前記基準特徴点データとを比較することにより前記識別対象とする物品と前記基準物品とが同一個体であるか否かを判別する。
【0011】
したがって、印刷の仕上がり状態の違いから個々の物品を識別でき、真偽判定に利用できる。また、個体識別用の特別な形式のコード等を物品の本来のデザインとは別に印刷する必要はなく、本来のデザインそのものの印刷状態に基づいて個体識別できるため、物品の意匠性を損なわない。また、識別用のタグ等を付加する必要もないためコストがかからない。
【0012】
また、第1の発明において、前記画像処理は、画像データの各画素の輝度値の中央値を閾値とする二値化処理、画像データの各画素の輝度値の平均値を閾値とする二値化処理、画像データから抽出した輪郭線の各画素の輝度値の中央値を閾値とする二値化処理、または画像データから抽出した輪郭線の各画素の輝度値の平均値を閾値とする二値化処理等のうちいずれかを採用することが好適である。
【0013】
また、上述の画像処理の後、ノイズ除去処理を行うノイズ除去手段を更に備えることが有効である。
【0014】
また、前記基準画像データ及び前記対象画像データについて圧縮画像を生成する圧縮手段を更に備え、前記圧縮手段により圧縮された基準画像データ及び前記対象画像データに対して前記画像処理を施すことにより特徴点を抽出すれば、特徴点を適宜間引くことができ、より適切な特徴点を抽出できるとともに、演算を高速化できる。
【0015】
また、前記基準特徴点データ及び前記対象物特徴点データは、元となる画像データに対する各特徴点の絶対位置情報とすればよい。
これにより、基準画像データと対象物画像データとで画像読取りの向き、範囲、位置が一致していれば、高速かつ高精度に個体を識別することが可能である。
【0016】
また、前記基準特徴点データ及び前記対象物特徴点データは、元となる画像データにおける各特徴点の相対位置情報であることが望ましい。
これにより、基準画像データと対象物画像データとで画像読取りの向き、範囲、位置が異なっていても照合を行えるようになる。
【0017】
第3の発明は、コンピュータにより読み取り可能な形式で記述されたプログラムであって、基準物品に付与された印刷部を光学的に読み取った基準画像データに対して所定の画像処理を施すことにより特徴点を顕現させ、基準特徴点データとして記憶するステップと、識別対象とする物品に付与された印刷部を前記基準画像データの読み取りと同様の手法で読み取った対象物画像データに対して前記画像処理と同様の画像処理を施し、対象物特徴点データとして抽出するステップと、前記対象物特徴点データと前記基準特徴点データとを比較することにより前記識別対象とする物品と前記基準物品とが同一個体であるか否かを判別するステップと、を含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0018】
第3の発明により、コンピュータを第1の発明の個体識別装置として機能させることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、印刷に現れる特徴に基づいて個々の物品を識別することが可能な個体識別装置、個体識別方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】個体識別装置1のハードウエア構成図
【図2】個体識別処理の手順を説明するフローチャート
【図3】基準物品及び対象物品と、読み取る画像データの例
【図4】基準画像データ及び対象物画像データから抽出された特徴点の例
【図5】間引き処理を説明するフローチャート
【図6】ノイズ除去処理を説明するフローチャート
【図7】特徴点データの相対位置情報の算出について説明する図
【図8】第2の実施の形態における個体識別処理の手順を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0022】
[第1の実施の形態]
まず、本発明に係る個体識別装置1の構成について説明する。
図1は、個体識別装置1のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、個体識別装置1は、制御部11、記憶部12、入力部13、表示部14、メディア入出力部15、通信I/F部16、周辺機器I/F部17等がバス19を介して接続されて構成される。また、周辺機器I/F部17には画像読取装置18が接続されている。
【0024】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Accsess Memory)等により構成される。
CPUは、記憶部12、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス18を介して接続された各部を駆動制御する。ROMは、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持する。RAMは、ロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部11が後述する個体識別処理を行うために使用するワークエリアを備える。
【0025】
記憶部12は、HDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部11が実行するプログラムや、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティング・システム)等が格納されている。これらのプログラムコードは、制御部11により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて実行される。例えば、記憶部12には個体識別処理プログラムが格納されており、この個体識別処理プログラムが制御部11により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて実行される。
【0026】
入力部13は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、タブレット等のポインティング・デバイス、テンキー等の入力装置であり、入力されたデータを制御部11へ出力する。
【0027】
表示部14は、例えば液晶パネル、CRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路(ビデオアダプタ等)で構成され、制御部11の制御により入力された表示情報をディスプレイ装置上に表示させる。
なお、入力部13と表示部14が一体的に構成されたタッチパネル式の入出力部としてもよい。
【0028】
メディア入出力部15は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、PDドライブ、CDドライブ、DVDドライブ、MOドライブ等のメディア入出力装置であり、データの入出力を行う。
通信I/F16は、通信制御装置、通信ポート等を有し、ネットワークとの通信を媒介する通信インタフェースであり、通信制御を行う。
【0029】
周辺機器I/F(インタフェース)17は、コンピュータに周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F17を介してコンピュータは周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器I/F17は、USBやIEEE1394やRS−232C等で構成されており、通常複数の周辺機器I/Fを有する。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
【0030】
画像読取装置18は、スキャナ、CCDカメラ等であり、画像を光学的に読取り、画像データとして取得する装置である。画像読取装置18は、周辺機器I/F17を介して個体識別装置1に接続される。或いは、画像読取装置18は、通信I/F16を介して個体識別装置1と通信接続される構成としてもよい。画像読取装置18は読み取った画像データを制御部11へ出力する。制御部11は取得した画像データをRAMまたは記憶部12の所定のメモリ領域に記憶する。
バス19は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
【0031】
次に、本発明の個体識別の概念について説明する。
本発明では、物品に付与された印刷に現れる特徴を、画像処理によって顕現させ、その個体の特徴量として照合に利用する。
印刷は被印刷体である物品に対して物理的、化学的、或いは電磁的な作用によりインクを転写するものであるが、たとえ同じ機種の製品であっても個々の印刷装置には固有の癖があり、これが印刷の「かすれ」、「ずれ」、「にじみ」等として現れ、厳密には同じ仕上がり状態を得られない。そのため、印刷装置や、用いるインク、インクの残存量、印刷の設定、更には、印刷時の気温や湿度等の諸条件によって、異なる印刷結果を得る。本発明は、この点に着目し、印刷に現れる特徴を適切な画像処理により求め、比較照合することにより個体の一致、不一致(真偽)を判別しようとするものである。
【0032】
図2〜図8を参照して、個体識別装置1の実行する個体識別処理について説明する。
図2は、個体識別処理の流れを説明するフローチャート、図3は基準物品及び対象物品と、読み取る画像データの例、図4は基準画像データ及び対象物画像データから抽出された特徴点の例である。
【0033】
図2に示すように、個体識別装置1の制御部11は、個体識別処理として、まず事前処理(ステップS101〜ステップS103)を行う。事前処理では、まず画像読取装置18を用いて基準物品(真の物品)に付与された印刷部を光学的に読み取る(ステップS101)。読み取り対象とする部位は、印刷部の全部としてもよいし、一部としてもよい。本実施の形態では、一例として図3に示すように、基準物品である名刺2の一部に印刷された絵柄を含む画像データ21を読み取るものとする。制御部11は、画像読取装置18によって読み取った画像データ(階調画像)を基準画像データとしてRAMに保持する。
【0034】
次に、制御部11は、読み取った基準画像データに対して、特徴点抽出のための画像処理を行う(ステップS102)。
特徴点を抽出するための画像処理としては、例えば、(A)中央値による二値化処理、(B)平均値による二値化処理、(C)輪郭線抽出後、中央値による二値化処理、(D)輪郭線抽出後、平均値による二値化処理、等のうちいずれかを採用することが好適である。以下、各処理について説明する。
【0035】
(A)中央値による二値化処理
以下の式(1)により算出される閾値Scにより、読み取った画像データ(階調画像)を二値化する。
【0036】
閾値Sc=(画像内の最大輝度値‐画像内の最少輝度値)/2・・・(1)
【0037】
(B)平均値による二値化処理
以下の式(2)により算出される閾値Saにより、読み取った画像データ(階調画像)を二値化する。
【0038】
閾値Sa=Σ(各画像の輝度値)/画素総数 ・・・ (2)
【0039】
(C)輪郭線抽出後、中央値による二値化処理、
読み取った画像データに対して輪郭線抽出アルゴリズムを適用して輪郭線抽出画像を取得した後、上述の閾値Sc(中央値)により輪郭線抽出画像を二値化する。
【0040】
(D)輪郭線抽出後、平均値による二値化処理、
読み取った画像データに対して輪郭線抽出アルゴリズムを適用して輪郭線抽出画像を取得した後、上述の閾値Sa(平均値)により輪郭線抽出画像を二値化する。
【0041】
なお、輪郭線は、図形の輪郭部において画素の輝度値が大きく変化することを利用し抽出される。一般的な輪郭線抽出アルゴリズムとして、例えば、ソーベル、プレヴィット、グラデーション、ロバーツ、差分、ラプラス等、各種計算方法が知られているが、本実施の形態では、これらのいずれの輪郭線抽出アルゴリズムを利用してもよい。
【0042】
輪郭線を抽出した後に特徴点を抽出することにより、内部が塗りつぶされた図形や背景とのコントラストの大きい画像から印刷部の特徴点を速やかに精度よく抽出できるようになる。例えば、ロゴタイプ等の明確な輪郭線で描かれる図案や文字から特徴点を抽出するのに好適である。
【0043】
上述の手法(A)〜(D)のいずれかを用いて特徴点を抽出後、制御部11は、抽出した特徴点の絶対位置情報を算出し、基準特徴点データとしてRAMまたは記憶部12に記憶する(ステップS103)。
【0044】
ここで、特徴点の絶対位置情報とは、読み取った画像データ内での各特徴点の絶対位置を示す座標情報である。具体的には、読み取った画像を所定の画素数で正規化し、例えば画像データの中心を原点として各特徴点の2次元絶対位置座標(X,Y)を求めればよい。
【0045】
以上の処理により基準物品から基準特徴点データを取得すると、次に、制御部11は、本処理(ステップS104〜ステップS109)へ移行する。
【0046】
本処理において、個体識別装置1は、対象物品に付与された印刷部を読み取る(ステップS104)。ここで、対象物品の読取りは、基準物品の読取りと同じ画像読取装置18を用い、同じ条件で読み取る。また、読み取りの向き、位置、範囲も、基準物品の読取りと同一とする。制御部11は、読み取った画像データを対象物画像データとしてRAMに保持する。
【0047】
次に、制御部11は、読み取った対象物画像データから特徴点抽出のための画像処理を行う(ステップS105)。ここで、対象物品に対して行う画像処理は、基準物品に対して行った画像処理と同一のものとする。すなわち、基準物品から読み取った基準画像データに対して上述の(A)中央値による二値化処理を行った場合は、対象物品から読み取った対象物画像データに対しても(A)の画像処理を行う。同様に、基準物品から読み取った基準画像データに対して上述の(B)、(C)、(D)による画像処理を行った場合は、対象物品から読み取った対象物画像データに対しても、それぞれ(B)、(C)、(D)の画像処理を行う。
【0048】
その後、制御部11は、抽出した特徴点の絶対位置情報を算出し、対象物特徴点データとしてRAMに記憶する(ステップS106)。絶対位置情報の算出についても、基準物品と同様の手法を用いるものとする。
【0049】
次に、制御部11は、RAMまたは記憶部12に記憶されている基準特徴点データと、ステップS106で求めた対象物特徴点データとを照合し、一致するか否かを判断する(ステップS107)。
【0050】
照合は、一般的なテンプレートマッチングの手法を用いればよい。すなわち、基準特徴点データと対象物特徴点データとの類似度(正規化相互相関;NCC(Normalized Cross-Correlation)、ZNCC(Zero-mean NCC))や相違度(SSD;Sum of Squared Difference、SAD;Sum Of Absolute Difference)といった評価値を算出し、これらの評価値が所定の閾値範囲内にある場合に、両データが一致すると判断する。
【0051】
なお、上述の閾値は真偽判定に必要な精度に応じて、任意に設定できるようにしてもよい。
【0052】
制御部11は、照合結果(「一致」または「不一致」)を例えば表示部14に表示したり、所定の結果送信先へ送信したり、或いは所定のリストに登録する等の出力処理を行い(ステップS108)、次の対象物品の読取り処理へ移行する(ステップS109;Yes)。
【0053】
別の対象物品について読取りを行う場合は、その対象物品についてステップS104〜ステップS109の処理を繰り返す。
別の対象物品の読取りを行わない場合は(ステップS109;No)、個体識別処理を終了する。
【0054】
上述の個体識別処理の具体例を図3及び図4を参照して説明する。この具体例では、印刷された名刺2、3A、3B、3Cについて上述の個体識別処理を施すものとする。
【0055】
図3に示すように、基準物品を名刺2(試料No.1)とし、これと同じ条件(印刷装置、印刷設定、インク等が同じ。例えば同じロット)で印刷された名刺3Aを試料No.1R、基準物品と異なる条件で印刷された名刺3B、3Cをそれぞれ試料No.2、No.3とする。
【0056】
まず事前処理(図2のステップS101〜ステップS103)として試料No.1の絵柄を含む読取範囲21を読取り、例えば上述の画像処理(A)の「中央値で二値化処理」を行う。そして、抽出された各特徴点の絶対位置情報(基準特徴点データ)を算出する。名刺2から抽出した基準特徴点データを示す画像22を図4に示す。
【0057】
次に、本処理として、試料No.1R(図3参照)の絵柄を含む読取範囲31を事前処理と同じ条件で読取り、事前処理と同じ画像処理(例えば画像処理(A))で特徴点を抽出し、抽出された各点(各画素)の絶対位置情報(対象物特徴点データ)を算出する。試料No.1Rから抽出した対象物特徴点データを示す画像34を図4に示す。制御部11は算出した対象物特徴点データと基準特徴点データとを照合し、照合結果を出力する。
【0058】
また、試料No.2(図3参照)の絵柄を含む読取範囲32を事前処理と同じ条件で読取り、事前処理と同じ画像処理(例えば画像処理(A))で特徴点を抽出し、抽出された各点(各画素)の絶対位置情報(対象物特徴点データ)を算出する。試料No.2から抽出した対象物特徴点データを示す画像35を図4に示す。制御部11は算出した対象物特徴点データと基準特徴点データとを照合し、照合結果を出力する。
【0059】
また、試料No.3(図3参照)の絵柄を含む読取範囲33を事前処理と同じ条件で読取り、事前処理と同じ画像処理(例えば画像処理(A))で特徴点を抽出し、抽出された各点(各画素)の絶対位置情報(対象物特徴点データ)を算出する。試料No.3から抽出した対象物特徴点データを示す画像36を図4に示す。制御部11は算出した対象物特徴点データと基準特徴点データとを照合し、照合結果を出力する。
【0060】
照合の結果、図3及び図4の例では、基準物品と同じ条件で印刷された対象物品No.1Rが「一致」と判別され、基準物品と異なる条件で印刷された対象物品No.2、No.3が「不一致」と判別される。
【0061】
なお、上述の実施の形態において、画像処理の結果、抽出される特徴点の点数が多い場合は、図2のステップS102及びステップS105の特徴点抽出処理において、図5に示す間引き処理を適用してもよい。
図5に間引き処理の流れを説明するフローチャートを示す。
【0062】
制御部11は、まず、読み取った画像データ(基準画像データ及び対象物画像データ)を圧縮(一定間隔でサンプリング)する(ステップS201)。次に、元の画素数に戻し、間引き画像を作成する(ステップS202)。その後、制御部11は間引き画像に上述の(A)〜(D)の画像処理を施して特徴点を抽出する(ステップS203)。
【0063】
このように圧縮画像を用いることにより、特徴点を間引くことができ、照合に適した数の特徴点を抽出できる。その結果、照合の精度を向上させることが可能となり、また演算を高速化できる。特に、輪郭線のように、特徴点が線で現れる場合に間引き処理を適用することが好適である。
【0064】
また、上述の実施の形態において、画像の二値化処理等により得られた画像にノイズが残る(または生じる)場合は、得られた画像データにローパスフィルタを適用すれば、ノイズを除去することができる。
すなわち、制御部11は、図2のステップS102及びステップS105の特徴点抽出処理において、図6に示すノイズ除去処理を適用してもよい。
図6にノイズ除去処理の流れを説明するフローチャートを示す。
【0065】
制御部11は、まず、上述の画像処理(A)〜(D)のいずれかの画像処理を行い(ステップS301)、得られた画像データにローパスフィルタを適用して、ノイズを除去する(ステップS302)。その後、ステップS103またはステップS106へ戻り、ノイズ除去後の特徴点について絶対位置情報を算出する。
【0066】
以上説明したように、第1の実施の形態の個体識別装置1によれば、基準物品2に付与された印刷部を光学的に読み取った基準画像データに対して所定の画像処理を施して特徴点を抽出し、基準特徴点データとして記憶部12に記憶しておき、識別対象とする対象物品3に付与された印刷部を基準画像データの読み取りと同様の手法で読み取った対象画像データに対して同一の画像処理を施し、対象物特徴点データを抽出する。そして抽出された対象物特徴点データと、記憶部12に記憶されている基準特徴点データとを比較照合することにより対象物品と基準物品とが同一個体であるか否かを判別し、その結果を出力する。
【0067】
これにより、印刷に現れる特徴から物品の真偽を確認することが可能となる。照合の対象は物品に付与される本来のデザインの印刷状態であるため、特別な形式のコード等を本来のデザインとは別に付与する必要はない。そのため物品そのものの意匠性を損なうがない。
【0068】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0069】
第1の実施の形態では、特徴点の絶対位置情報を用いて基準物品と対象物品とを照合する例を示したが、絶対位置を用いる場合、識別対象の対象物画像データが基準画像データと同じ向き、同じ切り取り位置でなければならない。マーカ等を用いて読取り位置を正確に一致させて画像を読み取れば、容易な手法で高速かつ高精度に個体識別を行うことが可能であるが、マーカ等を付与できない場合には精度よく照合を行えないことがある。
しかし、基準画像データと対象物画像データとが、異なる位置、異なるサイズ、或いは異なる角度で読み取られた場合でも、同一の対象であれば、各画像データ内の各特徴点の相対的な位置関係は同一である。
【0070】
そこで、第2の実施の形態の個体識別処理では、特徴点の相対位置情報を用いて基準物品と対象物品とを照合する例について説明する。
なお、第2の実施の形態の個体識別装置1のハードウエア構成は第1の実施の形態と同様であるため説明を省略し、同一の各部には同一の符号を付すものとする。
【0071】
まず、図7を参照して、特徴点の相対距離の算出について説明する。
ある画像データから抽出された複数の特徴点のうち、任意の点を基準点に設定する。そして、その基準点に隣接するn個の隣接点P1〜Pnを選択し、基準点から各隣接点までの各距離を算出する(nは2以上の整数)。次に、基準点を変更し、その基準点に隣接するn個の隣接点P1〜Pnを新たに選択し、基準点から各隣接点までの各距離を算出する。これを全ての特徴点について繰り返し、各特徴点と隣接するn個の特徴点との相対距離の集合データを求める。
このようにして、基準画像データと対象物画像データとについて、それぞれ各特徴点の相対距離の集合データを求め、比較する。基準画像データと対象物画像データのうち一致する(許容範囲内のものも含む)集合データがあれば、同一と判別する。基準画像データと対象物画像データとで画像データの読取り範囲が異なる場合は、比較位置をずらしながら照合を繰り返せばよい。
【0072】
なお、読取り角度が異なる画像間の比較については国際公開WO2006/092957号等に詳細な手法が記載されている。本実施の形態の個体識別処理において、この文献に開示される手法(特徴点の近傍のn個の点を選択し、これらの相対的な位置情報として例えば、各点の複比の組み合わせを求め、特徴量として照合に利用する方法)を利用して、画像間の比較を行うようにしてもよい。
【0073】
次に、図8を参照して、第2の実施の形態の個体識別処理の流れについて説明する。
【0074】
まず事前処理(ステップS501〜ステップS503)として、個体識別装置1の画像読取装置18を用いて基準物品(真の物品)に付与された印刷部を光学的に読み取る(ステップS501)。次に、制御部11は、読み取った基準画像データから特徴点抽出のための画像処理を行う(ステップS502)。印刷部の読取り、及び特徴点抽出については第1の実施の形態(図2のステップS101〜ステップS102)と同様である。すなわち、特徴点を抽出するための画像処理として、(A)中央値による二値化処理、(B)平均値による二値化処理、(C)輪郭線抽出後、中央値による二値化処理、(D)輪郭線抽出後、平均値による二値化処理等のうちいずれを採用してもよい。
【0075】
特徴点抽出後、制御部11は、抽出した特徴点の相対位置情報(相対距離の集合データ)を算出し、基準特徴点データとしてRAMまたは記憶部12に記憶する(ステップS503)。相対位置情報の算出については上述の通りである。
【0076】
以上の処理により基準物品から基準特徴点データを取得すると、次に、制御部11は、本処理(ステップS504〜ステップS509)へ移行する。
【0077】
本処理において、個体識別装置1は、対象物品(真の物品)に付与された印刷部を読み取る(ステップS504)。ここで、対象物品の読取りは、基準物品の読取りと同じ画像読取装置18を用いる。ただし、第2の実施の形態では、読み取り範囲は基準物品の読取り部位と全く同じとする必要はなく、基準物品の読取り部位のうち一部が含まれていれば足りる。制御部11は、読み取った画像データを対象物画像データとしてRAMに保持する。
【0078】
次に、制御部11は、読み取った対象物画像データから特徴点抽出のための画像処理を行う(ステップS505)。ここで、対象物品の特徴点抽出は、基準物品に対して行った特徴点抽出と同様の抽出手法を用いて行うものとする。すなわち、基準物品から読み取った画像データに対して上述の(A)中央値による二値化処理を行った場合は、対象物品から読み取った画像データに対しても(A)の手法を用いる。同様に、基準物品から読み取った画像データに対して上述の(B)、(C)、(D)による処理を行った場合は、対象物品から読み取った画像データに対しても、それぞれ(B)、(C)、(D)の手法を用いる。
【0079】
その後、制御部11は、抽出した各特徴点の相対位置情報(相対距離の集合データ)を算出し、対象物特徴点データとしてRAMに記憶する(ステップS506)。相対位置情報の算出についても、基準物品と同様の手法を用いるものとする。
【0080】
次に、制御部11は、RAMまたは記憶部12に記憶されている基準特徴点データと、ステップS106で求めた対象物特徴点データとを照合し、一致するか否かを判断する(ステップS507)。
【0081】
基準画像データと対象物画像データとで、画像の読取範囲が異なる場合は、範囲の小さい方の画像データを用いて他方(範囲の大きい方)の画像データの各部を走査し、範囲の小さい方の画像データの特徴点の相対位置情報は、他方の画像データの特徴点の相対位置情報と一致すれば、基準画像データと対象物画像データとする。
例えば、一方の画像データからm点(mはn以上の整数)の特徴点が抽出されている場合は、他方の画像データにもm点以上の特徴点があれば、画像の読取り角度、読取サイズによらず、比較を行うことができる。ただし、読取範囲の重複が大きい方がより精度のよい照合結果を得ることができる。
【0082】
制御部11は、照合結果(「一致」または「不一致」)を例えば表示部14に表示する、或いはデータベース(不図示)に登録する等の出力処理を行い(ステップS508)、次の対象物品の読取り処理へ移行する(ステップS509;Yes)。
【0083】
別の対象物品について読取りを行う場合は、その対象物品についてステップS504〜ステップS509の処理を繰り返す。
別の対象物品の読取りを行わない場合は(ステップS509;No)、個体識別処理を終了する。
【0084】
なお、上述の個体識別処理において、ステップS502、ステップS505で抽出した特徴点の点数が多い場合は、第1の実施の形態と同様に、図5に示す間引き処理を適用してもよい。また、画像の二値化処理等により得られた画像にノイズが残る(または生じる)場合は、第1の実施の形態と同様に、得られた画像データにローパスフィルタを適用すれば(図6参照)、ノイズを除去することができる。
【0085】
以上説明したように、第2の実施の形態の個体識別装置1によれば、基準物品2に付与された印刷部を光学的に読み取った基準画像データに対して所定の画像処理を施して特徴点を抽出し、その相対位置情報を算出して基準特徴点データとして記憶部12に記憶しておき、識別対象とする対象物品3に付与された印刷部を基準画像データの読み取りと同様の手法で読み取った対象画像データから基準画像データに対する画像処理方法と同様の手法で特徴点を抽出し、その相対位置情報を算出し、算出した特徴点データの相対位置情報と予め算出され、記憶部12に記憶されている基準特徴点データの相対位置情報とを比較することにより対象物品と基準物品とが同一個体であるか否かを判別し、その結果を出力する。
【0086】
これにより、物品に付与された印刷に現れる特徴から物品の真偽を確認することが可能となる。
特に、第2の実施の形態のように、特徴点の相対位置情報を算出して、この相対位置情報を照合に用いる場合には、基準画像データと対象物画像データとで読取りの向き、読取範囲、読取位置が異なっていても、照合を行える。したがって、マーカ等の読取り位置を示すものは不要となる。
【0087】
一方、第1の実施の形態のように、絶対位置情報を用いて照合を行う場合には、なんらかのマーカ等を用いて読取りの向き、読取範囲、読取位置を一致させる必要はあるが、読取りの向き、読取範囲、読取位置が一致していれば、高速かつ高精度に個体識別することが可能となる。
【0088】
なお、上述の第1及び第2の実施の形態では、画像読取装置18により読み込んだ画像が単色画像データの場合を想定しているが、読み込んだ画像データがカラー画像データの場合はグレースケール化した後に上述の画像処理を施す方法や、色毎に特徴点データを抽出し、色毎に照合を行う方法のいずれかを採用する。
【0089】
グレースケール化する場合、図2のステップS102やステップS105、或いは図8のステップS501やステップS505の特徴点抽出ステップにおいて、二値化処理等の画像処理の前に、読み込んだカラー画像をグレースケール化し、単色画像データに変換した上で、上述の画像処理を実行する。グレースケール化の方法としては、RGBの平均値をグレースケール値とするのが一般的である。また、人間の比視感度に合わせて補正する方法を採用してもよい。
【0090】
また、色毎に特徴点データの照合を行う場合は、図2のステップS102やステップS105、或いは図8のステップS501やステップS505の特徴点抽出ステップにおいて、読み込んだカラー画像データをRGBの各色データに分解し、各色データについて、二値化処理等の画像処理を行い、図2のステップS107または図8のステップS507の照合ステップで、各色毎に基準特徴点データと対象物特徴点データとの比較を行い、その結果から同一個体か否かの判定を行う。判定方法としては、各色の評価値(類似度、相関値等)の平均値を対象画像の評価値として一致または不一致を判定する方法、または、各色について判定を行い、全ての色で一致と判定された場合に対象物品と基準物品とが一致すると判定する方法等が考えられる。
【0091】
また、上述の実施の形態では、絵柄を読み取り、照合に利用しているが読み取る画像は絵柄に限定されず、文字や図案でもよい。
また、本発明は、印刷物の他、塗装や刻印に対しても適用できる。
【0092】
その他、当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0093】
1・・・・・・・・・・個体識別装置
11・・・・・・・・・制御部
12・・・・・・・・・記憶部
18・・・・・・・・・画像読取装置
2・・・・・・・・・・基準物品
21・・・・・・・・・基準画像データ
22・・・・・・・・・基準特徴点データ
3A,3B,3C・・・対象物品
31,32,33・・・対象物画像データ
34,35,36・・・対象物特徴点データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準物品に付与された印刷部を光学的に読み取った基準画像データに対して所定の画像処理を施すことにより特徴点を顕現させ、基準特徴点データとして記憶する記憶手段と、
識別対象とする物品に付与された印刷部を前記基準画像データの読み取りと同様の手法で読み取った対象物画像データに対して前記画像処理と同様の画像処理を施し、対象物特徴点データとして抽出する対象物特徴点データ抽出手段と、
前記対象物特徴点データ抽出手段により抽出された対象物特徴点データと前記記憶手段に記憶されている基準特徴点データとを比較することにより前記識別対象とする物品と前記基準物品とが同一個体であるか否かを判別する判別手段と、
を備えることを特徴とする個体識別装置。
【請求項2】
前記画像処理は、画像データの各画素の輝度値の中央値を閾値とする二値化処理であることを特徴とする請求項1に記載の個体識別装置。
【請求項3】
前記画像処理は、画像データの各画素の輝度値の平均値を閾値とする二値化処理であることを特徴とする請求項1に記載の個体識別装置。
【請求項4】
前記画像処理は、画像データからの輪郭線抽出処理、及び抽出した輪郭線の各画素の輝度値の中央値を閾値とする二値化処理であることを特徴とする請求項1に記載の個体識別装置。
【請求項5】
前記画像処理は、画像データからの輪郭線抽出処理、及び抽出した輪郭線の各画素の輝度値の平均値を閾値とする二値化処理であることを特徴とする請求項1に記載の個体識別装置。
【請求項6】
前記画像処理の後、ノイズ除去処理を行うノイズ除去手段を更に備えることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の個体識別装置。
【請求項7】
前記基準画像データ及び前記対象画像データについて圧縮画像を生成する圧縮手段を更に備え、
前記圧縮手段により圧縮された基準画像データ及び前記対象画像データに対して前記画像処理を施すことにより特徴点を抽出することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載の個体識別装置。
【請求項8】
前記基準特徴点データ及び前記対象物特徴点データは、元となる画像データに対する各特徴点の絶対位置情報であることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれかに記載の個体識別装置。
【請求項9】
前記基準特徴点データ及び前記対象物特徴点データは、元となる画像データにおける各特徴点の相対位置情報であることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれかに記載の個体識別装置。
【請求項10】
基準物品に付与された印刷部を光学的に読み取った基準画像データに対して所定の画像処理を施すことにより特徴点を顕現させ、基準特徴点データとして記憶するステップと、
識別対象とする物品に付与された印刷部を前記基準画像データの読み取りと同様の手法で読み取った対象物画像データに対して前記画像処理と同様の画像処理を施し、対象物特徴点データとして抽出するステップと、
前記対象物特徴点データと前記基準特徴点データとを比較することにより前記識別対象とする物品と前記基準物品とが同一個体であるか否かを判別するステップと、
を含むことを特徴とする個体識別方法。
【請求項11】
コンピュータにより読み取り可能な形式で記述されたプログラムであって、
基準物品に付与された印刷部を光学的に読み取った基準画像データに対して所定の画像処理を施すことにより特徴点を顕現させ、基準特徴点データとして記憶するステップと、
識別対象とする物品に付与された印刷部を前記基準画像データの読み取りと同様の手法で読み取った対象物画像データに対して前記画像処理と同様の画像処理を施し、対象物特徴点データとして抽出するステップと、
前記対象物特徴点データと前記基準特徴点データとを比較することにより前記識別対象とする物品と前記基準物品とが同一個体であるか否かを判別するステップと、
を含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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