説明

倍率可変式光学機器

【課題】射出ひとみに使用者の眼を配置し直すことなく、眼を当てたまま倍率調整操作をすることのできる倍率可変式光学機器を提供すること。
【解決手段】接眼鏡筒1と、接眼鏡筒1に収納され、光軸を有する接眼光学系60と、接眼光学系60を構成するレンズ3b及び4bを光軸方向に移動させる接眼光学系移動手段62と、接眼鏡筒1の端部に装着される見口12と、接眼光学系移動手段62によるレンズ3b及び4bの光軸方向への移動と同期して、レンズ3b及び4bの移動による射出ひとみ距離の増減距離分だけ見口12を光軸方向に移動させる見口位置調節手段65とを備えて成ることを特徴とする倍率可変式光学機器1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、倍率可変式光学機器に関し、さらに詳しくは、射出ひとみに使用者の眼を配置し直すことなく、眼を当てたまま倍率調整操作をすることのできる倍率可変式光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
双眼鏡、単眼鏡、フィールドスコープ等のアフォーカル光学系で構成された光学機器は、光軸に沿って配置された複数個のレンズで構成される接眼光学系を備えている。接眼光学系を構成するレンズの配置を変えることで、光学機器の持つ倍率を変化させることが可能であることはよく知られており、そのような倍率可変式の光学機器(以下、倍率可変式光学機器と称することがある。)が多く提供されている。
【0003】
このような倍率可変式光学機器は、通常、接眼光学系で作られた中心像の平行光と周辺像の平行光が交差する領域である射出ひとみを光軸の延長線上に有しており、接眼光学系を構成するレンズのうち使用者の眼に最も近い位置に配置されたレンズの最終面から射出ひとみまでの距離(以下、射出ひとみ距離と称する。アイリリーフとも称することがある。)は倍率可変式光学機器に特有の値となる。このような倍率可変式光学機器において、使用者の眼を射出ひとみに正確に配置しないと、例えば、接眼光学系で作られた周辺像の平行光が使用者の眼に入射せず、倍率可変式光学機器で観測される視野特にその周辺部にかげり(ブラックアウトと称することがある。)が生じて、視野全体を観測することができなくなる。
【0004】
一般に、倍率可変式光学機器の射出ひとみ距離は接眼光学系の倍率の変化と共に変化する。眼レンズ及び変倍レンズを有する接眼光学系を備えた接眼ズーム式変倍双眼鏡は、光軸に沿って、少なくとも変倍レンズを眼レンズに接近させ、又は、離隔するように移動させることにより、接眼光学系の倍率を連続的に変化させることができる。そして、接眼光学系の倍率を変化させると、接眼光学系の焦点距離が変化して射出ひとみ距離も変化する。ここで、接眼光学系の倍率と射出ひとみ距離との関係として、例えば、接眼光学系の倍率が高くなるにつれて射出ひとみ距離が小さくなる関係、接眼光学系の倍率が高くなるにつれて射出ひとみ距離が大きくなる関係、接眼光学系の倍率が中間倍率になるまで射出ひとみ距離が小さくなり、その後、倍率が大きくなるにつれて射出ひとみ距離が大きくなる関係等が知られている。接眼光学系の倍率と射出ひとみ距離との関係を、接眼光学系の倍率が高くなるにつれて射出ひとみ距離が小さくなる関係を有している倍率可変式光学機器について、図4を参照して、説明する。このような関係を有する倍率可変式光学機器において、接眼光学系30の倍率を低倍率に設定すると、図4(a)に示されるように、接眼光学系30の焦点距離は大きくなり、射出ひとみ距離dも大きくなる。そして、接眼光学系30の倍率を徐々に上げて中間倍率及び高倍率に設定すると、図4(b)及び(c)に示されるように、接眼光学系30の焦点距離が徐々に小さくなり、射出ひとみ距離d及びdも接眼光学系30の倍率に応じて徐々に小さくなる。
【0005】
このように、倍率可変式光学機器の射出ひとみ距離は、接眼光学系の焦点距離すなわち倍率に応じて変化するから、倍率可変式光学機器の使用者は、その倍率調整操作において、倍率可変式光学機器から眼を一旦離して、調整後の倍率に応じた射出ひとみを探し出し、探し出した射出ひとみに再度自分の眼を配置する必要がある。すなわち、倍率可変式光学機器において、倍率調整操作するたびに、調整後の倍率に応じた射出ひとみに使用者の眼を配置し直さなければならないという問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、射出ひとみに使用者の眼を配置し直すことなく、眼を当てたまま倍率調整操作をすることのできる倍率可変式光学機器を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、接眼鏡筒と、前記接眼鏡筒に収納され、光軸を有する接眼光学系と、前記接眼光学系を構成するレンズを前記光軸方向に移動させる接眼光学系移動手段と、前記接眼鏡筒の端部に装着される見口と、前記接眼光学系移動手段による前記レンズの前記光軸方向への移動と同期して、前記レンズの前記移動による射出ひとみ距離の増減距離分だけ前記見口を前記光軸方向に移動させる見口位置調節手段とを備えて成ることを特徴とする倍率可変式光学機器であり、
請求項2は、前記見口位置調節手段は、前記接眼鏡筒に前記光軸を中心軸として回動可能に設けられた操作筒と、前記操作筒の外周面に前記光軸方向に移動可能に装着され、前記見口を支持する見口支持筒と、前記見口支持筒の前記光軸方向への移動を案内する見口案内手段とを備えて成り、前記接眼光学系移動手段は、前記操作筒と一体になって前記接眼鏡筒に前記光軸を中心軸として回動可能に設けられたカム筒と、前記カム筒に前記光軸方向に移動可能に収納され、前記レンズを保持するレンズ枠と、前記レンズ枠の前記光軸方向への移動を案内する接眼光学系案内手段とを備えて成ることを特徴とする請求項1に記載の倍率可変式光学機器であり、
請求項3は、前記見口案内手段は、前記接眼鏡筒にその端縁から前記光軸方向に沿って設けられた見口支持筒案内切欠部と、前記操作筒にその円周方向に対して傾斜して設けられた見口支持筒案内カム孔と、前記見口支持筒案内切欠部及び前記見口支持筒案内カム孔と係合するように前記見口支持筒に設けられ、前記見口支持筒案内切欠部及び前記見口支持筒案内カム孔に沿って移動する見口支持筒案内ピンとを備えて成ることを特徴とする請求項2に記載の倍率可変式光学機器であり、
請求項4は、前記接眼光学系案内手段は、前記接眼鏡筒に前記光軸方向に沿って設けられた接眼光学系案内軸線孔と、前記カム筒にその円周方向に対して傾斜して設けられた接眼光学系案内カム孔と、前記接眼光学系案内軸線孔及び前記接眼光学系案内カム孔と係合するように前記レンズ枠に設けられ、前記接眼光学系案内軸線孔及び前記接眼光学系案内カム孔に沿って移動する接眼光学系案内ピンとを備えて成ることを特徴とする請求項2又は3に記載の倍率可変式光学機器である。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係る倍率可変式光学機器は、前記構成を有しているから、倍率調整操作において、接眼光学系移動手段によって接眼光学系のレンズを光軸方向に移動させて倍率を変化させることができると共に、見口位置調節手段によって使用者の眼が当接される見口を、接眼光学系のレンズの移動と同期させつつ、レンズの移動による射出ひとみ距離の増減距離分だけ移動させることができる。その結果、接眼光学系移動手段で倍率を調整すると、調整された倍率に応じた射出ひとみに使用者の眼が配置されるように見口が光軸方向に前後進するから、使用者は見口に眼を当てたままの状態で倍率調整操作をすることができる。したがって、この発明によれば、射出ひとみに使用者の眼を配置し直すことなく、眼を当てたまま倍率調整操作をすることのできる倍率可変式光学機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
この発明に係る倍率可変式光学機器における一実施例である倍率可変式光学機器を、図面を参照して、説明する。この倍率可変式光学機器50は、図3に示されるように、接眼ズーム式変倍双眼鏡50であり、第1鏡筒55と、第2鏡筒56と、第1鏡筒55及び第2鏡筒56を支持する支持体57とを備えて成る。接眼ズーム式変倍双眼鏡50において、対物レンズが配置される側(図1〜図3において紙面の下側)を「前方」と称し、接眼レンズが配置される側(図1〜図3において紙面の上側)を「後方」と称する。第1鏡筒55及び第2鏡筒56それぞれは、その後方に、図1及び図2に示されるように、第1接眼鏡筒1及び第2接眼鏡筒を備えている。
【0010】
この発明は、倍率可変式光学機器において、図2に示されるように、第1接眼鏡筒1に装着される見口位置調節手段65が、後述する接眼光学系移動手段61による倍率の変化と同期しつつ見口12(図1参照。)を光軸方向に移動させることを、特徴の1つとする。したがって、接眼ズーム式変倍双眼鏡50は、前記見口位置調節手段65が装着される第1接眼鏡筒1及び第2接眼鏡筒以外、例えば、対物レンズの構成及び配置、プリズムの構成及び配置、支持体の構成等は、従来公知の接眼ズーム式変倍双眼鏡と基本的に同様である。したがって、これらの説明は省略する。
【0011】
第1接眼鏡筒1及び第2接眼鏡筒は、図3に示されるように、左右対称となっていること以外は基本的に同様に構成されているので、以下、第1接眼鏡筒1を例にして、この第1接眼鏡筒1に装備される部材を説明する。この第1接眼鏡筒1は、図1及び図2に示されるように、その小径部1gに、カム筒2、操作筒7、見口支持筒9、操作環13(図2に図示しない。)、見口12(図2に図示しない。)、第1レンズ枠3、第2レンズ枠4、第3レンズ枠11、第1接眼光学系案内ピン5、第2接眼光学系案内ピン6、操作ピン8及び見口支持筒案内ピン10を備えている。
【0012】
そして、このように構成された第1接眼鏡筒1及び第2接眼鏡筒を備えた倍率可変式光学機器50は、後述するように、光軸に沿って、第1レンズ枠3を第3レンズ枠11に接近させ、第2レンズ枠4を第3レンズ枠11から離隔させることによって連続的に接眼光学系60の倍率を高くすることができるようになっており、接眼光学系60の倍率が高くなるにつれて射出ひとみ距離が小さくなる関係を有している。
【0013】
図1及び図2に示されるように、第1接眼鏡筒1は、その後方側に円筒体が連設されている。第1接眼鏡筒1の円筒体は、円筒状に形成された大径部1fと、この大径部1fと内径及び軸線が同じであり、大径部1fの外径よりも小さな外径を有する円筒状に形成された小径部1gとからなる。この小径部1gは、第1接眼光学系案内軸線孔1a、第2接眼光学系案内軸線孔1b、回動案内孔1c、見口支持筒案内切欠部1d及び雌ネジ部1eを有している。
【0014】
図1及び図2に示されるように、第1接眼光学系案内軸線孔1aは、小径部1gの周壁にその軸線方向に沿った長穴に形成されている。第2接眼光学系案内軸線孔1bは、大径部1f側の周壁に第1接眼光学系案内軸線孔1aとは分離独立して形成され、小径部1gの軸線方向に沿った長穴に形成されている。第1接眼光学系案内軸線孔1aと第2接眼光学系案内軸線孔1bとはそれぞれ、共通の軸線を有する貫通した長穴に形成されている。第1接眼光学系案内軸線孔1a及び第2接眼光学系案内軸線孔1bは第1レンズ枠3及び第2ンズ枠4の移動量に応じて適宜の軸線長さに穿孔されている。
【0015】
図1及び図2に示されるように、回動案内孔1cは、第1接眼光学系案内軸線孔1a及び第2接眼光学系案内軸線孔1bとは分離独立して、小径部1gの周壁にその円周方向に沿った長穴に形成されている。回動案内孔1cは後述するカム筒2の回動量等に応じて適宜の軸線長さに穿孔されている。
【0016】
図1及び図2に示されるように、見口支持筒案内切欠部1dは、第1接眼光学系案内軸線孔1a、第2接眼光学系案内軸線孔1b及び回動案内孔1cとは分離独立して形成され、小径部1gの開口端縁から小径部1gの軸線方向に沿ってスリット状長溝に切欠されている。見口支持筒案内切欠部1dは、後述する見口支持筒9の移動量に応じて適宜の軸線長さに形成されている。
【0017】
図1及び図2に示されるように、雌ネジ部1eは、小径部1gの端縁から軸線方向前方に向けてその内周面に形成されている。
【0018】
図1及び図2に示されるように、前記カム筒2は、両端が開口した円筒体に形成されている。このカム筒2は、第1接眼鏡筒1の内周面上を摺動可能に形成された外周面を有している。カム筒2は、第1接眼光学系案内カム孔2a、第2接眼光学系案内カム孔2b及び雌ネジ穴2cを有している。
【0019】
図1及び図2に示されるように、第1接眼光学系案内カム孔2aは、カム筒2の周壁に貫通した長穴に形成されてなる。この長穴状に形成された第1接眼光学系案内カム孔2aは、その軸線がカム筒2の円周に対して傾斜するように、形成されている。また、この第1接眼光学系案内カム孔2aは、カム筒2を第1接眼鏡筒1の内側に配置したときに、その一部が第1接眼光学系案内軸線孔1aと重なって連通するように形成されている。同様に、第2接眼光学系案内カム孔2bは、カム筒2の周壁に貫通した長穴に形成されてなる。この長穴状に形成された第2接眼光学系案内カム孔2bは、その軸線がカム筒2の円周に対して傾斜するように、形成されている。また、この第2接眼光学系案内カム孔2bは、カム筒2を第1接眼鏡筒1の内側に配置したときに、その一部が第2接眼光学系案内軸線孔1bと重なって連通するように形成されている。そして、第1接眼光学系案内カム孔2a及び第2接眼光学系案内カム孔2bは、その一端部が互いに離隔又は接近し、その他端部が互いに接近又は離隔するように、分離独立して、形成されている。第1接眼光学系案内カム孔2a及び第2接眼光学系案内カム孔2bそれぞれは、後述する第1レンズ枠3及び第2レンズ枠4の移動量に応じて適宜の軸線長さと円周方向に対する適宜の傾斜角とに穿孔されている。具体的には、第1接眼光学系案内カム孔2aは、第1接眼光学系案内軸線孔1aの軸線長さに対応するように、その軸線長さと円周方向に対する傾斜角とが調整されている。また、第2接眼光学系案内カム孔2bは、第2接眼光学系案内軸線孔1bの軸線長さに対応するように、その軸線長さと円周方向に対する傾斜角とが調整されている。
【0020】
図1及び図2に示されるように、雌ネジ穴2cは、カム筒2を第1接眼鏡筒1の内側に配置したときに、回動案内孔1cの一部と重なって連通するように、カム筒2の周壁に形成されている。
【0021】
図1及び図2に示されるように、操作筒7は、第1接眼鏡筒1の小径部1gを内装すると共に、小径部1gの外周面上を摺動可能に形成された内周面を有する、両端が開口した円筒体に形成されている。操作筒7は、円筒状に形成された大径部7cと、この大径部7cと内径及び軸線が同じであり、大径部7cの外径よりも小さな外径を有する円筒状に形成された小径部7dとからなる。操作筒7は貫通孔7a及び見口支持筒案内カム孔7bを有している。
【0022】
図1及び図2に示されるように、貫通孔7aは、操作筒7に第1接眼鏡筒1の小径部1gを内装したときに、回動案内孔1c及び雌ネジ穴2cに重なって連通するように、大径部7cの周壁に穿孔されている。
【0023】
図1及び図2に示されるように、見口支持筒案内カム孔7bは、操作筒7の周壁に貫通した長穴に形成されてなる。この長穴状に形成された見口支持筒案内カム孔7bは、その軸線が操作筒7の円周に対して傾斜するように、形成されている。また、見口支持筒案内カム孔7bは、操作筒7を第1接眼鏡筒1の外側に配置したときに、その一部が見口支持筒案内切欠部1dと重なって連通するように形成されている。見口支持筒案内カム孔7bは、後述する見口支持筒9の移動量に応じて適宜の軸線長さと円周方向に対する適宜の傾斜角とに穿孔されている。具体的には、見口支持筒案内カム孔7bは、見口支持筒案内切欠部1dの軸線長さに対応するように、その軸線長さと円周方向に対する傾斜角とが調整されている。
【0024】
見口支持筒案内カム孔7bは、第1接眼光学系案内カム孔2a及び第2接眼光学系案内カム孔2bによって変化する接眼光学系60の倍率に応じた射出ひとみ距離の増減距離分だけ、後述する見口支持筒9を光軸方向に移動させるように、見口支持筒案内切欠部1dの軸線長さと共に、その軸線長さ及び円周方向に対する傾斜角が決定される。倍率可変式光学機器50は接眼光学系60の倍率が高くなるにつれて射出ひとみ距離が小さくなる関係を有しているから、図2に示されるように、見口支持筒案内カム孔7bは、円周方向に対して、第1接眼光学系案内カム孔2aと逆方向に、第2接眼光学系案内カム孔2bと同方向に、傾斜するように、形成されている。
【0025】
図1及び図2に示されるように、見口支持筒9は、両端が開口した円筒体に形成されている。見口支持筒9は、操作筒7の小径部7dを内装し、その小径部7dの外周面上を摺動可能に形成された内周面を有している。この見口支持筒9は、雌ネジ孔9a及び後述する見口12を固定する固定部(図示しない。)を有している。雌ネジ孔9aは、操作筒7の小径部7dを内装したときに、見口支持筒案内カム孔7bの一部と重なって連通するように、見口支持筒9の周壁に穿孔されている。
【0026】
図1に示されるように、見口12は、弾性材料で筒状に形成され、その一端縁12aから中心方向にリング状に張り出した目当部を有している。見口12において一端縁12a近傍及び目当部に使用者の眼が当てられる。
【0027】
図1に示されるように、操作環13は、操作筒7の大径部7cを覆う円筒体に形成されている。
【0028】
図1及び図2に示されるように、第1レンズ枠3は、両端が開口した円筒体に形成され、その内部にレンズ例えば変倍レンズ3bを図示しない保持部で保持している。第1レンズ枠3は、カム筒2の内周面上を摺動可能に形成された外周面を有している。この第1レンズ枠3は、第1レンズ枠3がカム筒2の内部に収納されたときに、第1接眼光学系案内カム孔2aの一部及び第1接眼光学系案内軸線孔1aの一部と重なって連通する雌ネジ孔3aが第1レンズ枠3の周壁に穿孔されている。
【0029】
図1及び図2に示されるように、第2レンズ枠4は、両端が開口した円筒体に形成され、その内部にレンズ例えば調節レンズ4bを図示しない保持部で保持している。この倍率可変式光学機器50においては調節レンズ4bとして凹レンズが採用されている。第2レンズ枠4は、カム筒2の内周面上を摺動可能に形成された外周面を有している。この第2レンズ枠4は、第2レンズ枠4がカム筒2の内部に収納されたときに、第2接眼光学系案内カム孔2bの一部及び第2接眼光学系案内軸線孔1bの一部と重なって連通する雌ネジ孔4aが第2レンズ枠4の周壁に穿孔されている。
【0030】
図1及び図2に示されるように、第3レンズ枠11は、外周面に形成された雄ネジ部11aを有する円盤体に形成されている。第3レンズ枠11は、その内部にレンズ例えば眼レンズ11bを図示しない保持部で保持している。
【0031】
図1及び図2に示されるように、第1接眼光学系案内ピン5は、雄ネジ部5aと雄ネジ部5aの端部に形成された円筒頭部5bとからなる。雄ネジ部5aはその外周面に雄ネジが形成されている。円筒頭部5bは、第1接眼光学系案内軸線孔1a及び第1接眼光学系案内カム孔2aに貫通又は挿入可能な寸法に形成されている。
【0032】
図1及び図2に示されるように、第2接眼光学系案内ピン6は、雄ネジ部6aと雄ネジ部6aの端部に形成された円筒頭部6bとからなる。雄ネジ部6aはその外周面に雄ネジが形成されている。円筒頭部6bは、第2接眼光学系案内軸線孔1b及び第2接眼光学系案内カム孔2bに貫通又は挿入可能な寸法に形成されている。
【0033】
図1及び図2に示されるように、操作ピン8は、雄ネジ部8aと雄ネジ部8aの端部に形成された円筒頭部8bとからなる。雄ネジ部8aはその外周面に雄ネジが形成されている。円筒頭部8bは、回動案内孔1c及び貫通孔7aに貫通又は挿入可能な寸法に形成されている。
【0034】
図1及び図2に示されるように、見口支持筒案内ピン10は、雄ネジ頭部10aと雄ネジ頭部10aの端部から延在する円筒部10bとからなる。雄ネジ頭部10aはその外周面に雄ネジが形成されている。円筒部10bは、雌ネジ孔9a、カム溝7b及び見口支持筒案内切欠部1dに貫通又は挿入可能な寸法に形成されている。
【0035】
次に、前記第1接眼鏡筒1に装備される前記各部材の配置、各部材の関係等を、図1及び図2を参照して、説明する。
【0036】
図1に示されるように、第1接眼鏡筒1において、カム筒2が第1接眼鏡筒1の内部に、操作筒7が第1接眼鏡筒1の外側にそれぞれ軸線を共有するように配置されている。そして、操作ピン8は、円筒頭部8bが貫通孔7a及び回動案内孔1cを貫通した状態で雄ネジ部8aが雌ネジ穴2cに螺合し、カム筒2に固定されている。したがって、円筒頭部8bは回動案内孔1c及び貫通孔7aに係合している。
【0037】
このように、円筒頭部8bが回動案内孔1c及び貫通孔7aに係合しているから、操作ピン8は回動案内孔1cに沿って移動可能になっている。したがって、カム筒2と操作筒7とは、操作ピン8によって一体になって、回動案内孔1c及び操作ピン8に案内され、操作ピン8の移動可能範囲内で、光軸を中心として第1接眼鏡筒1に対して回動可能になっている。
【0038】
第1レンズ枠3は、カム筒2の内部であって光軸方向の後方側に収納されている。そして、第1接眼光学系案内ピン5は、円筒頭部5bが第1接眼光学系案内カム孔2a及び第1接眼光学系案内軸線孔1aを貫通した状態で雄ネジ部5aが雌ネジ孔3aに螺合し、第1レンズ枠3に固定されている。したがって、円筒頭部5bは第1接眼光学系案内軸線孔1a及び第1接眼光学系案内カム孔2aに係合している。
【0039】
このように、円筒頭部5bが第1接眼光学系案内軸線孔1a及び第1接眼光学系案内カム孔2aに係合しているから、第1接眼光学系案内ピン5は、第1接眼光学系案内軸線孔1a及び第1接眼光学系案内カム孔2aに沿って移動可能になっている。したがって、第1レンズ枠3は、第1接眼光学系案内軸線孔1a、第1接眼光学系案内カム孔2a及び第1接眼光学系案内ピン5に案内され、第1接眼光学系案内ピン5と一体となって、第1接眼光学系案内ピン5の移動可能範囲内で、光軸方向に前後進可能になっている。
【0040】
第2レンズ枠4は、カム筒2の内部であって光軸方向の前方側に、光軸方向に第1レンズ枠3と直列となるように、収納されている。そして、第2接眼光学系案内ピン6は、円筒頭部6bが第2接眼光学系案内カム孔2b及び第2接眼光学系案内軸線孔2bを貫通した状態で雄ネジ部6aが雌ネジ孔4aに螺合し、第2レンズ枠4に固定されている。したがって、円筒頭部6bは第2接眼光学系案内軸線孔1b及び第2接眼光学系案内カム孔2bに係合している。
【0041】
このように、円筒頭部6bが第2接眼光学系案内軸線孔1b及び第2接眼光学系案内カム孔2bに係合しているから、第2接眼光学系案内ピン6は、第2接眼光学系案内軸線孔1b及び第2接眼光学系案内カム孔2bに沿って移動可能になっている。したがって、第2レンズ枠4は、第2接眼光学系案内軸線孔1b、第2接眼光学系案内カム孔2b及び第2接眼光学系案内ピン6に案内され、第2接眼光学系案内ピン6と一体となって、第2接眼光学系案内ピン6の移動可能範囲内で、光軸方向に前後進可能になっている。
【0042】
そして、第1接眼光学系案内カム孔2aと第2接眼光学系案内カム孔2bとはカム筒2に形成されているから、カム筒2の回動によって、第1レンズ枠3と第2レンズ枠4とは同期して、光軸方向に前後進可能になっている。
【0043】
第3レンズ枠11は、雄ネジ部11aが雌ネジ部1eに螺合されることにより、第1接眼鏡筒1の小径部1gの一端開口部に装着固定されている。このように、第3レンズ枠11は、第1レンズ枠3よりも光軸方向の後方側に、第1レンズ枠3と直列となるように、第1接眼鏡筒1に収納されている。
【0044】
このように、第1レンズ枠3、第2レンズ枠4及び第3レンズ枠11がカム筒2及び小径部1gに収納又は固定されている。したがって、第2レンズ枠4、第1レンズ枠3及び第3レンズ枠11に保持されている調節レンズ4b、変倍レンズ3b及び眼レンズ11bは、共通の光軸を有し、光軸方向に沿って前方側から後方側にこの順で第1接眼鏡筒1に収納されている。
【0045】
見口支持筒9は、操作筒7における小径部7dの外周面に操作筒7と軸線を共有するように配置されている。そして、見口支持筒案内ピン10は、円筒部10bが見口支持筒案内カム孔7bを貫通し見口支持筒案内切欠部1dに挿入された状態で雄ネジ頭部10aが雌ネジ孔9aに螺合し、見口支持筒9に固定されている。したがって、円筒部10bは見口支持筒案内カム孔7b及び見口支持筒案内切欠部1dに係合している。
【0046】
このように、円筒部10bが見口支持筒案内カム孔7b及び見口支持筒案内切欠部1dに係合しているから、見口支持筒案内ピン10は、見口支持筒案内カム孔7b及び見口支持筒案内切欠部1dに沿って移動可能になっている。したがって、見口支持筒9は、見口支持筒案内カム孔7b、見口支持筒案内切欠部1d及び見口支持筒案内ピン10に案内され、見口支持筒案内ピン10の移動可能範囲内で、光軸方向に前後進可能になっている。
【0047】
前記したように、操作筒7とカム筒2とは操作ピン8で一体になり、見口支持筒9は見口支持筒案内カム孔7bに係合している見口支持筒案内ピン10が固定されているから、操作筒7の回動によって、操作ピン8によるカム筒2の回動と、見口支持筒案内ピン10及び見口支持筒案内カム孔7bによる見口支持筒9の光軸方向への前後進移動とが同期する。その結果、第1レンズ枠3及び第2レンズ枠4の光軸方向への前後進移動と、見口支持筒9の光軸方向への前後進移動すなわち見口12の光軸方向への前後進移動とが同期する。
【0048】
見口12は、見口支持筒9の外周面であってその後方端部すなわち第1接眼鏡筒1の端部に装着され、支持されている。したがって、見口12は、見口支持筒9と一体となって、光軸方向に前後進可能になっている。見口12は、図1に示されるように、その端縁12aが眼レンズ11bの最終面11cよりも光軸方向の後方に位置しているから、最終面11cと端縁12aとの距離は最小射出ひとみ距離よりも小さくなるように調整されている。
【0049】
操作環13は、操作筒7と一体になるように大径部7cの外周面に装着され、固定されている。したがって、操作環13は、操作筒7と一体となって、光軸を中心として第1接眼鏡筒1に対して回動可能になっている。
【0050】
第1接眼鏡筒1において、カム筒2、操作筒7、見口支持筒9、見口12、操作環13、第1レンズ枠3、第2レンズ枠4及び第3レンズ枠11は軸線を共有するように同軸上に配置されており、この軸線と接眼光学系60の光軸とは一致している。
【0051】
このように、接眼ズーム式変倍双眼鏡50の第1接眼鏡筒1は、カム筒2、操作筒7、見口支持筒9、見口12、操作環13、第1レンズ枠3、第2レンズ枠4、第3レンズ枠11、第1接眼光学系案内ピン5、第2接眼光学系案内ピン6、操作ピン8及び見口支持筒案内ピン10が装備されている。すなわち、接眼ズーム式変倍双眼鏡50は、第1接眼鏡筒1と、光軸を有する接眼光学系60と、接眼光学系移動手段61と、見口12と、見口位置調節手段65とを備えている。
【0052】
具体的に説明すると、この接眼ズーム式変倍双眼鏡50において、第1接眼鏡筒1がこの発明に係る接眼鏡筒に相当する。接眼ズーム式変倍双眼鏡50において、図1に示されるように、調節レンズ4b、変倍レンズ3b及び眼レンズ11bがこの発明に係る接眼光学系60に相当する。
【0053】
図1及び図2に示されるように、接眼ズーム式変倍双眼鏡50において、カム筒2と、第1レンズ枠3と、第2レンズ枠4と、接眼光学系案内手段62とがこの発明に係る接眼光学系移動手段61に相当する。具体的には、この発明に係る接眼光学系移動手段61は、操作筒7と一体になって第1接眼鏡筒1に光軸を中心軸として回動可能に設けられたカム筒2と、カム筒2に光軸方向に移動可能に収納された第1レンズ枠3及び第2レンズ枠4と、第1レンズ枠3及び第2レンズ枠4の光軸方向への移動を案内する接眼光学系案内手段62(図1参照。)とを備えて成る。そして、この接眼光学系移動手段61は、接眼光学系60を構成するレンズを光軸方向に移動させて、接眼ズーム式変倍双眼鏡50の倍率を変化させることができる。
【0054】
図1及び図2に示されるように、この発明に係る接眼光学系案内手段62は、接眼ズーム式変倍双眼鏡50において、第1接眼鏡筒1、カム筒2、第1レンズ枠3及び第2レンズ枠4それぞれに設けられている。具体的には、この発明に係る接眼光学系案内手段62は、第1レンズ枠3の光軸方向への前後進移動を案内する第1接眼光学系案内手段63と、第2レンズ枠4の光軸方向への前後進移動を案内する第2接眼光学系案内手段64とを備えている。そして、第1接眼光学系案内手段63は、第1接眼鏡筒1に光軸方向に沿って設けられた第1接眼光学系案内軸線孔1aと、カム筒2にその円周方向に対して傾斜して設けられた第1接眼光学系案内カム孔2aと、第1接眼光学系案内軸線孔1a及び第1接眼光学系案内カム孔2aと係合するように第1レンズ枠3に設けられ、第1接眼光学系案内軸線孔1a及び第1接眼光学系案内カム孔2aに沿って移動する接眼光学系案内ピン5とを備えて成る。第2接眼光学系案内手段64は、第1接眼鏡筒1に光軸方向に沿って設けられた第2接眼光学系案内軸線孔1bと、カム筒2にその円周方向に対して傾斜して設けられた第2接眼光学系案内カム孔2bと、第2接眼光学系案内軸線孔1b及び第2接眼光学系案内カム孔2bと係合するように第2レンズ枠4に設けられ、第2接眼光学系案内軸線孔1b及び第2接眼光学系案内カム孔2bに沿って移動する接眼光学系案内ピン6とを備えて成る。
【0055】
図1及び図2に示されるように、接眼ズーム式変倍双眼鏡50において、操作筒7と、見口支持筒9と、見口案内手段66とがこの発明に係る見口位置調節手段65に相当する。具体的には、この発明に係る見口位置調節手段65は、第1接眼鏡筒1に光軸を中心軸として回動可能に設けられた操作筒7と、操作筒7の外周面に光軸方向に移動可能に装着され、見口12を支持する見口支持筒9と、見口支持筒9の光軸方向への前後進移動を案内する見口案内手段66(図1参照。)とを備えて成る。そして、この見口位置調節手段65は、接眼光学系移動手段61によるレンズの光軸方向への移動と同期して、レンズの移動による射出ひとみ距離の増減距離分だけ見口12を光軸方向に移動させることができる。
【0056】
図1及び図2に示されるように、この発明に係る見口案内手段66は、接眼ズーム式変倍双眼鏡50において、第1接眼鏡筒1、操作筒7及び見口支持筒9それぞれに設けられている。具体的には、この発明に係る見口案内手段66は、第1接眼鏡筒1にその端縁から光軸方向に沿って設けられた見口支持筒案内切欠部1dと、操作筒7にその円周方向に対して傾斜して設けられた見口支持筒案内カム孔7bと、見口支持筒案内切欠部1d及び見口支持筒案内カム孔7bと係合するように見口支持筒9に設けられ、見口支持筒案内切欠部1d及び見口支持筒案内カム孔7bに沿って移動する見口支持筒案内ピン10とを備えて成る。
【0057】
次に、前記のように構成された倍率可変式光学機器50の作用及び機能等を、図1及び図2を参照して、説明する。
【0058】
倍率可変式光学機器50の使用者は、見口12に眼を当てて目的対象物を観察する。倍率を拡大して目的対象物を観察する場合は、倍率が拡大する方向(倍率可変式光学機器50において、光軸方向前方に沿って光軸に対して時計方向)に操作環13を回転させる。そうすると、操作環13が装着固定されている操作筒7が操作環13と一体となって同方向に同量だけ回転する。操作筒7が回転すると、操作ピン8によって操作筒7に一体に連結されているカム筒2が同方向に同量だけ回転する。
【0059】
このようにしてカム筒2が回転すると、第1接眼光学系案内ピン5は、第1接眼光学系案内軸線孔1aによって円周方向への移動が規制されて、第1接眼光学系案内軸線孔1a及び第1接眼光学系案内カム孔2aに沿って光軸方向に移動する。また、この第1接眼光学系案内ピン5の移動と同期して、第2接眼光学系案内ピン6は、第2接眼光学系案内軸線孔1bによって円周方向への移動が規制されて、第2接眼光学系案内軸線孔1b及び第2接眼光学系案内カム孔2bに沿って光軸方向に移動する。ここで、前記したように、第1接眼光学系案内カム孔2a及び第2接眼光学系案内カム孔2bは、その一端部が互いに離隔又は接近し、その他端部が互いに接近又は離隔するように、分離独立して、形成されている。
【0060】
そうすると、第1接眼光学系案内ピン5の移動によって第1レンズ枠3はその回転が規制されつつ光軸方向後方に案内され、後進する。このように第1レンズ枠3が光軸方向に後進すると、第1レンズ枠3に収納されている変倍レンズ3bが眼レンズ11bに接近する。これと同期して、第2接眼光学系案内ピン6の移動によって第2レンズ枠4はその回転が規制されつつ光軸方向前方に案内され、前進する。このように、第2レンズ枠4が光軸方向に前進すると、第2レンズ枠4に収納されている調節レンズ4bが眼レンズ11bから離隔する。
【0061】
このように、操作環13を回転させると、変倍レンズ3b及び調節レンズ4bの光軸方向の位置が変位し、具体的には、光軸に沿って、変倍レンズ3bが眼レンズ11bに接近すると同時に、調節レンズ4bが眼レンズ11bから離隔して、接眼光学系60の倍率を拡大することができる。
【0062】
一方、前記のように、見口支持筒9に固定された見口支持筒案内ピン10は操作筒7の見口支持筒案内カム孔7bに係合している。したがって、操作環13によって操作筒7が回転されると、見口支持筒案内ピン10は、見口支持筒案内切欠部1dによって円周方向の移動が規制されて、見口支持筒案内切欠部1d及び見口支持筒案内カム孔7bに沿って光軸方向に移動する。ここで、前記したように、見口支持筒案内カム孔7bは、接眼光学系60の倍率が高くなるにつれて射出ひとみ距離が小さくなるように、形成されている。そして、このように形成された見口支持筒案内カム孔7bに沿って見口支持筒案内ピン10が移動すると、見口支持筒案内ピン10と一体となっている見口支持筒9はその回転が規制されつつ光軸方向前方に案内され、前進する。そうすると、見口支持筒9に装着されている見口12も同様に光軸方向前方に案内され、前進する。
【0063】
ここで、前記したように、第1接眼光学系案内カム孔2a及び第2接眼光学系案内カム孔2bが形成されたカム筒2と、見口支持筒案内カム孔7bが形成された操作環7とが一体に連結されている。また、見口支持筒9は、見口支持筒案内ピン10が見口支持筒案内カム孔7bに係合した状態で、操作環7の外側に軸線方向に移動可能に配置されている。さらに、第1レンズ枠3及び第2レンズ枠4それぞれは、第1接眼光学系案内ピン5及び第2接眼光学系案内ピン6が第1接眼光学系案内カム孔2a及び第2接眼光学系案内カム孔2bに係合した状態で、カム筒2の内部に軸線方向に移動可能に配置されている。そして、見口支持筒案内カム孔7bは、第1接眼光学系案内カム孔2a及び第2接眼光学系案内カム孔2bによって変化する接眼光学系60の倍率に応じた射出ひとみ距離の増減距離分だけ、見口支持筒9を光軸方向に移動させるように、見口支持筒案内切欠部1dの軸線長さと共に、その軸線長さ及び円周に対する傾斜角が決定されている。
【0064】
したがって、カム筒2及び操作環7の回転と見口支持筒9の光軸方向前方への移動とが同期され、見口支持筒9及びこれに支持されている見口12は、変倍レンズ3b及び調節レンズ4bの光軸方向への移動と同期して、変倍レンズ3b及び調節レンズ4bの移動量による接眼ズーム式変倍双眼鏡50の倍率変化に応じた射出ひとみ距離の短縮距離分だけ、光軸方向に前進する。
【0065】
このように、操作環13を前記方向に回転させると、接眼光学系60の倍率が拡大されるのと同期して、拡大された倍率に対応する射出ひとみ距離の短縮距離分だけ見口12が光軸方向に前進される。したがって、使用者は、倍率を拡大して目的対象物を観察する場合にも、倍率拡大前に見口12に当てていた眼を見口12から離すことなく、接眼ズーム式変倍双眼鏡50を所望の倍率に設定することができる。
【0066】
倍率を縮小して目的対象物を観察する場合は、倍率が縮小する方向(倍率可変式光学機器50において、光軸方向前方に沿って光軸に対して反時計方向)に操作環13を回転させる。そうすると、前記したように、操作筒7及びカム筒2が同方向に回転する。そして、カム筒2の回転によって、前記したように、第1レンズ枠3はその回転が規制されつつ光軸方向に前進すると共に第2レンズ枠4はその回転が規制されつつ光軸方向に後進して、接眼ズーム式変倍双眼鏡50の倍率を縮小することができる。一方、倍率を拡大する場合と同様に、第1レンズ枠3及び第2レンズ枠4の光軸方向の移動と同期して見口支持筒9及び見口12はその回転が規制されつつ光軸方向後方に案内され、後進する。そうすると、見口支持筒9及び見口12は、変倍レンズ3b及び調節レンズ4bの光軸方向への移動と同期して、変倍レンズ3b及び調節レンズ4bの移動量による接眼ズーム式変倍双眼鏡50の倍率変化に応じた射出ひとみ距離の延長距離分だけ、光軸方向に後進する。したがって、使用者は、倍率を縮小して目的対象物を観察する場合にも、倍率縮小前に見口12に当てていた眼を見口12から離すことなく、接眼ズーム式変倍双眼鏡50を所望の倍率に設定することができる。
【0067】
このようにして、倍率可変式光学機器50によれば、接眼ズーム式変倍双眼鏡50の倍率調整操作に同期して、倍率変更による射出ひとみ距離の増減距離分だけ見口12が光軸方向に前後進するから、倍率調整によって変化する射出ひとみに使用者の眼を配置し直すことなく、見口12に使用者の眼を当てたままの状態で倍率調整操作をすることができる。
【0068】
この発明に係る倍率可変式光学機器における別の一実施例である倍率可変式光学機器を、図面を参照して、説明する。この倍率可変式光学機器51は、接眼ズーム式変倍双眼鏡51であり、図5にその一部が示されるように、見口12に代えて折返型見口20が第1接眼鏡筒1の端部に装着されていること以外は、前記接眼ズーム式変倍双眼鏡50と基本的に同様に構成されている。
【0069】
接眼ズーム式変倍双眼鏡の使用者が眼鏡を装着している場合には、接眼ズーム式変倍双眼鏡の射出ひとみ距離は、使用者の眼の位置から眼鏡のレンズ表面までの距離(以下、眼鏡間距離と称することがある。)を含んでいる。したがって、通常の見口12を用いると、眼鏡間距離分だけ見口12の位置を光軸方向前方に配置しなければならない。
【0070】
接眼ズーム式変倍双眼鏡51に装着されている折返型見口20は、このような見口の配置を不要とし、使用者の眼鏡装着の有無にかかわらず対応することができる。この折返型見口20は、図5に示されるように、弾性材料で形成された筒状弾性体の内周面に、内周面を円周方向に一巡するように中心方向に突出する環状部21が形成されている。折返型見口20は、その端部又は環状部21と眼レンズ11bの最終面との距離が最小射出ひとみ距離よりも小さくなるように、見口支持筒9に支持されている。
【0071】
この折返型見口20は次のようにして使用される。使用者が眼鏡を装着していない場合には、図5に実線で示されるように、折返型見口20はそのままの状態にされる。そして、使用者は折返型見口20の端部に眼を当てて目的対象物を観察する。一方、使用者が眼鏡を装着している場合には、図5に破線で示されるように、折返型見口20は環状部21の近傍で折り返された状態にされる。そして、使用者は折返型見口20の環状部21に眼を当てて目的対象物を観察する。
【0072】
この倍率可変式光学機器51は、前記倍率可変式光学機器50と基本的に同様に構成され、かつ、折返型見口20を備えているから、前記したように使用者が眼鏡を装着しているか否かにかかわらず、倍率調整によって変化する射出ひとみに使用者の眼を配置し直すことなく、見口20に使用者の眼を当てたままの状態で倍率調整操作をすることができる。
【0073】
この発明に係る倍率可変式光学機器におけるまた別の一実施例である倍率可変式光学機器を、図面を参照して、説明する。この倍率可変式光学機器52は、接眼ズーム式変倍双眼鏡52であり、図6にその一部が示されるように、見口12に代えて繰出型見口機構25が第1接眼鏡筒1の端部に装着されていること以外は、前記接眼ズーム式変倍双眼鏡50と基本的に同様に構成されている。
【0074】
繰出型見口機構25は、図6及び図7に示されるように、見口支持筒26、繰出筒27及び見口12とを備えて成る。見口支持筒26は、その周壁上に略円柱状の突起部26aを有していること以外は、前記見口支持筒9と基本的に同様に構成されている。繰出筒27は、図7に示されるように、両端部が開口した円筒体に形成されている。繰出筒27はその内周面に繰出筒案内カム溝27aを有している。繰出筒案内カム溝27aは、前記内周面に長溝状に形成され、その軸線が円周に対して傾斜するように形成されている。
【0075】
繰出型見口機構25は、操作筒7における小径部7dの外周面に配置された見口支持筒26の外側に、突起部26aと繰出筒案内カム溝27aとが係合するように、繰出筒27が配置され、この繰出筒27の外周面に見口12が装着されてなる。このように、見口12は繰出筒27を介して見口支持筒26に支持され、繰出型見口機構25が第1接眼鏡筒1の端部に装着されている。そして、光軸を中心にして見口12を回動させると、見口支持筒26の突起部26aが繰出筒27の繰出筒案内カム溝27aに案内されて、繰出筒27及び見口12が光軸方向に前後進する。このように構成された繰出型見口機構25は、使用者の眼鏡装着の有無にかかわらず、また、使用者固有の眼鏡間距離にかかわらず、対応することができる。
【0076】
繰出型見口機構25は次のようにして使用される。使用者が眼鏡を装着していない場合は図6に示される状態すなわち繰出筒27が光軸方向先端に位置した状態にされる。一方、使用者が眼鏡を装着している場合には、使用者固有の眼鏡間距離に応じて、光軸を中心にして見口12を回動させて、繰出筒27及び見口12を光軸方向に前後進させ、前記眼鏡間距離に一致する位置に見口12を配置させる。このように、繰出型見口機構25は前記見口位置調節手段65と同期せず互いに独立に調節することができる。このように使用者固有の眼鏡間距離に応じて見口位置を調節して、目的対象物を観察することができる。
【0077】
この倍率可変式光学機器52は、前記倍率可変式光学機器50と基本的に同様に構成され、かつ、繰出型見口機構25を備えているから、使用者の眼鏡間距離に一致する位置に見口12を一旦配置させれば、使用者が眼鏡を装着しているか否かにかかわらず、また、使用者固有の眼鏡間距離にかかわらず、倍率調整によって変化する射出ひとみに使用者の眼を配置し直すことなく、見口12に使用者の眼を当てたままの状態で倍率調整操作をすることができる。
【0078】
この発明に係る倍率可変式光学機器は、前記部材を適宜の方法、例えば、金属加工、切削加工等によって作製し、これらを前記のようにして組立てて製造することができる。なお、見口はゴム等の弾性材料で成形して作製される。
【0079】
この発明に係る倍率可変式光学機器は、前記した実施例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、前記倍率可変式光学機器50〜52はいずれも接眼ズーム式変倍双眼鏡とされているが、この発明において、倍率可変式光学機器は、単眼鏡、フィールドスコープ等のアフォーカル光学系で構成された光学機器とすることができる。
【0080】
また、前記倍率可変式光学機器50〜52はいずれも接眼ズーム式変倍双眼鏡とされているが、この発明において、倍率可変式光学機器は、ズーム式ではなく、例えば、多段階切替式変倍双眼鏡、又は、2段階切替式変倍双眼鏡とされてもよい。これらの場合は、例えば、第1接眼光学系案内カム孔2a及び/又は第2接眼光学系案内カム孔2bに、第1接眼光学系案内ピン5及び/又は第2接眼光学系案内ピン6の移動が一時的に規制される移動規制部を形成すればよい。
【0081】
さらに、前記倍率可変式光学機器50〜52において、その接眼光学系60は、調節レンズ4b、変倍レンズ3b及び眼レンズ11bの3個のレンズで構成されているが、この発明において、接眼光学系は、複数個のレンズで構成されて倍率が可変となっていれば3個のレンズで構成されている必要はなく、例えば、2個のレンズ又は4個以上のレンズで構成されていてもよい。また、前記倍率可変式光学機器50〜52において、調節レンズ4bは、1個の凹レンズとされているが、この発明において、調節レンズは、複数の凹レンズとされてもよく、1個又は複数の凸レンズとされてもよく、さらに、凹レンズ及び凸レンズ等の組合せとされてもよい。
【0082】
また、前記倍率可変式光学機器50〜52において、接眼光学系60は、第1レンズ枠3を光軸方向の後方に移動させ、第2レンズ枠4を光軸方向の前方に移動させることで、倍率が大きくなるように構成されているが、この発明において、接眼光学系は、第1レンズ枠を光軸方向の前方に移動させ、第2レンズ枠を光軸方向の後方に移動させることで、倍率が大きくなるように構成されていてもよく、また、第1レンズ枠及び/又は第2レンズ枠を、中間倍率まで光軸方向の一方に移動させ、その後、光軸方向の他方に移動させることで、倍率が大きくなるように構成されていてもよい。
【0083】
さらに、前記倍率可変式光学機器50〜52において、接眼光学系移動手段61は、第1第1レンズ枠3及び第2レンズ枠4の双方が光軸方向に移動されるように構成されているが、この発明において、接眼光学系移動手段は、第1レンズ枠及び第2レンズ枠4のいずれか一方が光軸方向に移動されるように構成されていてもよい。
【0084】
また、前記倍率可変式光学機器50〜52は、接眼光学系60の倍率が高くなるにつれて射出ひとみ距離が小さくなる関係となるように、見口支持筒案内カム孔7bが、操作筒7の円周方向に対して、第1接眼光学系案内カム孔2aの傾斜方向と逆方向に傾斜し、第2接眼光学系案内カム孔2bの傾斜方向と同方向に傾斜するように、穿孔されているが、この発明において、倍率可変式光学機器は、接眼光学系の倍率が高くなるにつれて射出ひとみ距離が大きくなる関係となるように、見口支持筒案内カム孔が、操作筒の円周方向に対して、第1接眼光学系案内カム孔の傾斜方向と同方向に傾斜し、第2接眼光学系案内カム孔の傾斜方向と逆方向に傾斜するように、穿孔されてもよく、また、倍率可変式光学機器は、接眼光学系の倍率が中間倍率になるまで射出ひとみ距離が小さくなり、その後、倍率が大きくなるにつれて射出ひとみ距離が大きくなる関係となるように、見口支持筒案内カム孔が、操作筒の円周方向に対して、その軸線方向略中央部で傾斜方向が反転して略V字状に穿孔されてもよい。第1接眼光学系案内カム孔及び第2接眼光学系案内カム孔は、接眼光学系の倍率と射出ひとみ距離との関係に一致するように穿孔されていればよい。
【0085】
さらに、前記倍率可変式光学機器50〜52において、第1接眼光学系案内手段63は、前記位置に形成されているが、この発明において、第1接眼光学系案内手段は、第1接眼光学系案内軸線孔、第1接眼光学系案内カム孔及び第1接眼光学系案内ピンが係合することができる位置に形成されていればよい。
【0086】
また、前記倍率可変式光学機器50〜52において、第2接眼光学系案内手段64は、前記位置に形成されているが、この発明において、第2接眼光学系案内手段は、第2接眼光学系案内軸線孔、第2接眼光学系案内カム孔及び第2接眼光学系案内ピンが係合することができる位置に形成されていればよい。
【0087】
さらに、前記倍率可変式光学機器50〜52において、見口案内手段66は、前記位置に形成されているが、この発明において、見口案内手段は、昇降筒案内切欠部、見口支持筒案内カム孔及び見口支持筒案内ピンが係合することができる位置に形成されていればよい。
【0088】
また、前記倍率可変式光学機器50〜52において、第1接眼光学系案内軸線孔1a、第2接眼光学系案内軸線孔1b及び見口支持筒案内切欠部1dはいずれも軸線方向に沿って形成されているが、この発明において、第1接眼光学系案内軸線孔、第2接眼光学系案内軸線孔及び見口支持筒案内切欠部は、軸線方向に対してわずかに傾斜するように、形成されてもよい。また、前記倍率可変式光学機器50〜52において、回動案内孔1cは小径部1gの円周方向に沿って貫通形成されているが、この発明において、回動案内孔は円周方向に対してわずかに傾斜するように、貫通形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】図1は、この発明に係る倍率可変式光学機器における一実施例である倍率可変式光学機器における第1接眼鏡筒の断面を示す概略断面図である。
【図2】図2は、この発明に係る倍率可変式光学機器における一実施例である倍率可変式光学機器における第1接眼鏡筒の分解斜視図である。
【図3】図3は、この発明に係る倍率可変式光学機器における一実施例である倍率可変式光学機器の上面を示す概略上面図である。
【図4】図4は、倍率可変式光学機器における接眼光学系の倍率と射出ひとみ距離との関係を説明する説明図であり、図4(a)は低倍率時における倍率と射出ひとみ距離との関係を説明する説明図であり、図4(b)は中間倍率時における倍率と射出ひとみ距離との関係を説明する説明図であり、図4(c)は高倍率時における倍率と射出ひとみ距離との関係を説明する説明図である。
【図5】図5は、この発明に係る倍率可変式光学機器における別の一実施例である倍率可変式光学機器における第1接眼鏡筒の断面を示す概略部分断面図である。
【図6】図6は、この発明に係る倍率可変式光学機器におけるまた別の一実施例である倍率可変式光学機器における第1接眼鏡筒の断面を示す概略部分断面図である。
【図7】図7は、この発明に係る倍率可変式光学機器におけるまた別の一実施例である倍率可変式光学機器における繰出型見口機構の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0090】
1:第1接眼鏡筒、1a:第1接眼光学系案内軸線孔、1b:第2接眼光学系案内軸線孔、1c:回動案内孔、1d:見口支持筒案内切欠部、1e:雌ネジ部、1f:大径部、1g:小径部
2:カム筒、2a:第1接眼光学系案内カム孔、2b:第2接眼光学系案内カム孔、2c:雌ネジ穴
3:第1レンズ枠、3a:雌ネジ孔、3b:変倍レンズ
4:第2レンズ枠、4a:雌ネジ孔、4b:調節レンズ
5:第1接眼光学系案内ピン、5a:雄ネジ部、5b:円筒頭部
6:第2接眼光学系案内ピン、6a:雄ネジ部、6b:円筒頭部
7:操作筒7、7a:貫通孔、7b:見口支持筒案内カム孔、7c:大径部、7d:小径部
8:操作ピン、8a:雄ネジ部、8b:円筒頭部
9:見口支持筒、9a:雌ネジ孔
10:見口支持筒案内ピン、10a:雄ネジ頭部、10b:円筒部
11:第3レンズ枠、11a:雄ネジ部、11b:眼レンズ、11c:最終面
12:見口、12a:端縁
13:操作環
20:折返型見口、21:環状部
25:繰出型見口機構、26:見口支持筒、26a:突起部、27:繰出筒、27a:繰出筒案内カム溝
30:接眼光学系
50、51、52:倍率可変式光学機器(接眼ズーム式変倍双眼鏡)
55:第1鏡筒、56:第2鏡筒、57:支持体
60:接眼光学系、61:接眼光学系移動手段、62:接眼光学系案内手段、63:第1接眼光学系案内手段、64:第2接眼光学系案内手段
65:見口位置調節手段、66:見口案内手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接眼鏡筒と、
前記接眼鏡筒に収納され、光軸を有する接眼光学系と、
前記接眼光学系を構成するレンズを前記光軸方向に移動させる接眼光学系移動手段と、
前記接眼鏡筒の端部に装着される見口と、
前記接眼光学系移動手段による前記レンズの前記光軸方向への移動と同期して、前記レンズの前記移動による射出ひとみ距離の増減距離分だけ前記見口を前記光軸方向に移動させる見口位置調節手段とを備えて成ることを特徴とする倍率可変式光学機器。
【請求項2】
前記見口位置調節手段は、前記接眼鏡筒に前記光軸を中心軸として回動可能に設けられた操作筒と、前記操作筒の外周面に前記光軸方向に移動可能に装着され、前記見口を支持する見口支持筒と、前記見口支持筒の前記光軸方向への移動を案内する見口案内手段とを備えて成り、
前記接眼光学系移動手段は、前記操作筒と一体になって前記接眼鏡筒に前記光軸を中心軸として回動可能に設けられたカム筒と、前記カム筒に前記光軸方向に移動可能に収納され、前記レンズを保持するレンズ枠と、前記レンズ枠の前記光軸方向への移動を案内する接眼光学系案内手段とを備えて成ることを特徴とする請求項1に記載の倍率可変式光学機器。
【請求項3】
前記見口案内手段は、前記接眼鏡筒にその端縁から前記光軸方向に沿って設けられた見口支持筒案内切欠部と、前記操作筒にその円周方向に対して傾斜して設けられた見口支持筒案内カム孔と、前記見口支持筒案内切欠部及び前記見口支持筒案内カム孔と係合するように前記見口支持筒に設けられ、前記見口支持筒案内切欠部及び前記見口支持筒案内カム孔に沿って移動する見口支持筒案内ピンとを備えて成ることを特徴とする請求項2に記載の倍率可変式光学機器。
【請求項4】
前記接眼光学系案内手段は、前記接眼鏡筒にその軸線方向に沿って設けられた接眼光学系案内軸線孔と、前記カム筒にその円周方向に対して傾斜して設けられた接眼光学系案内カム孔と、前記接眼光学系案内軸線孔及び前記接眼光学系案内カム孔と係合するように前記レンズ枠に設けられ、前記接眼光学系案内軸線孔及び前記接眼光学系案内カム孔に沿って移動する接眼光学系案内ピンとを備えて成ることを特徴とする請求項2又は3に記載の倍率可変式光学機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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