説明

偏波回転素子

【課題】容易に形成することができ、且つ偏波面(偏光面)を十分に回転させることができる偏波回転素子を提供する。
【解決手段】偏波回転素子1Aは、主面10aを有する基部10と、X軸方向に延びる光導波路20とを備える。光導波路20は、X軸方向に連続して延びる下段部21、及び該下段部21上に設けられておりX軸方向に連続して延びる上段部22を含むとともに、X軸方向に分割された第1及び第2の領域を有する。第1の領域において、下段部21の一方の側面21aはX軸方向に対して傾斜しており、Y軸方向における下段部21の幅が光導波路20の一端20f側から他端20g側へ向けて次第に拡がっている。第2の領域において、下段部21の他方の側面21bはX軸方向に対して傾斜しており、Y軸方向における下段部21の幅が光導波路20の一端20f側から他端20g側へ向けて次第に拡がっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏波回転素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光導波路構造に関する発明が記載されている。この光導波路構造は、電磁波の偏波面を回転させるための偏波回転部を有する。図14(a)は、この偏波回転部の外観を示す斜視図である。図14(a)に示されるように、この偏波回転部100は、第1段部101及び第2段部102を有する。第1段部101の側面101aには偏波回転部100の長手方向A1に対するテーパ角θが付与されており、長手方向A1に沿って第1段部101の横幅W1が減少し、最終的にその横幅W1がゼロとなる。第2段部102の横幅W2は、偏波回転部100の長手方向A1に沿って一定である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7792403号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図14(a)に示された構造では、第1段部101の幅W1が最終的にゼロとなるので、長手方向に沿って偏波回転部100の高さが変化する。また、第1段部101の側面101aの実際のテーパ角θは極めて小さい。例えば、特許文献1には、偏波回転部100の幅(すなわち、第1段部101における最大幅)が1.1μmであり、側面101aにテーパ角θが付与された区間の長さが150μm〜2000μmである実施例が示されている。つまり、第1段部101の幅がゼロとなる先端付近は、極めて薄く尖った形状となる。したがって、このような偏波回転部100を形成することは容易ではない。
【0005】
また、このような問題点を解消するために、図14(b)に示されるように、長手方向A1と交差する面で第1段部101の先端部をカットした形状とすることも考えられる。しかしながら、このような形状では偏波面を十分な角度(例えば約90°)に回転させることができない。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、容易に形成することができ、且つ偏波面(偏光面)を十分に回転させることができる偏波回転素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明による偏波回転素子は、主面を有する基部と、基部上に設けられ、主面に沿った第1方向に延びる光導波路とを備える。光導波路は、第1方向に連続して延びる第1の部分、及び該第1の部分上に設けられており第1方向に連続して延びる第2の部分を含むとともに、第1方向に分割された第1及び第2の領域を有している。光導波路の第1の領域において、第1の部分の一方の側面が第1方向に対して傾斜していることにより、第1方向と交差し且つ主面に沿った第2方向における第1の部分の幅が光導波路の一端側から他端側へ向けて次第に拡がっている。光導波路の第2の領域において、第1の部分の他方の側面が第1方向に対して傾斜していることにより、第2方向における第1の部分の幅が光導波路の一端側から他端側へ向けて次第に拡がっている。
【0008】
この偏波回転素子では、光導波路の第1の領域において、第1の部分の一方の側面が傾斜しており、これによって第1の部分の幅が光導波路の一端側から他端側へ向けて次第に拡がっている。したがって、光導波路の一端に光が入射すると、第1の領域における上述した第1の部分の形状に起因して、該入射光の偏波面が回転する。例えば、この入射光の電界面が主面に垂直である場合、入射光は、第1の部分の側面が傾斜している側に電界面を回転させながら光導波路内を伝搬する。しかしながら、第1の部分の一方の側面が傾斜している第1の領域を光が通過しても、光の偏波面は十分に(例えば90°まで)回転しない。そこで、上述した偏波回転素子では、第2の領域において、第1の部分の他方の側面が傾斜しており、これによって第1の部分の幅が光導波路の一端側から他端側へ向けて次第に拡がっている。この第2の領域を光が通過すると、光の偏波面が更に回転し、十分な角度まで(例えば90°まで)回転させることができる。すなわち、上述した偏波回転素子によれば、偏波面(偏光面)を十分に回転させることができる。
【0009】
また、上述した偏波回転素子では、光導波路において第1の部分の上に第2の部分が設けられており、これらの部分は、第1方向(すなわち光導波方向)に沿って連続して延びている。したがって、図14(a)に示された構造とは異なり、光導波路の高さの変化を抑えることができ、また薄く尖った形状も不要なので、光導波路を容易に形成することができる。
【0010】
また、上記偏波回転素子は、第1の領域における第1の部分の他方の側面が第1方向に沿って延びており、第2の領域における第1の部分の一方の側面が、第1の領域により拡がった幅を維持しつつ第1方向に沿って延びていることを特徴としてもよい。これにより、第1及び第2の領域において光の偏波面をより効果的に回転させることができる。
【0011】
また、上記偏波回転素子は、光導波路が、第1及び第2の領域と一端との間に位置し、第2方向における第1及び第2の部分の幅が一端へ向けて次第に拡がっている第3の領域を更に有することを特徴としてもよい。また、上記偏波回転素子は、光導波路が、第1及び第2の領域と他端との間に位置し、第2方向における第2の部分の幅が他端へ向けて次第に拡がっている第4の領域を更に有することを特徴としてもよい。これらのうち少なくとも一方の構成により、光導波路の一端または他端の幅が広くなり、光導波路の一端または他端に光デバイス等の光学部品を容易に結合することができる。
【0012】
また、上記偏波回転素子は、第1方向を基準とする、第1の領域における第1の部分の一方の側面の傾斜角が5°より小さいことを特徴としてもよい。これにより、第1の領域において光の偏波面をより効果的に回転させることができる。
【0013】
また、上記偏波回転素子は、板状部材の上に、第2の部分の平面形状に応じたパターンを有する第1のエッチングマスクを形成し、板状部材及び第1のエッチングマスクの上に、第1の領域における第1の部分の一方の側面の形状に応じた第1パターン、及び第2の領域における第1の部分の他方の側面の形状に応じた第2パターンを有する第2のエッチングマスクを形成し、第1及び第2のエッチングマスクを用いて板状部材をエッチングし、第2のエッチングマスクを除去したのち、第1のエッチングマスクを用いて板状部材を更にエッチングすることにより作製されたことを特徴としてもよい。また、この場合、第2のエッチングマスクの第1パターンは、第1の領域における第1の部分の一方の側面の形状を第1のエッチングマスク上に延長したパターンを含み、第2のエッチングマスクの第2パターンは、第2の領域における第1の部分の他方の側面の形状を第1のエッチングマスク上に延長したパターンを含むことが好ましい。これにより、第2のエッチングマスクの位置が所定の位置からずれた場合であっても、第1の部分の両側面を好適に形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明による偏波回転素子によれば、容易に形成することができ、且つ偏波面(偏光面)を十分に回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明に係る偏波回転素子の第1実施形態の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示された偏波回転素子が有する光導波路の平面図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)は、図2に示された偏波回転素子が有する光導波路のI−I線に沿った切断面及びII−II線に沿った切断面をそれぞれ示す図である。
【図4】図4(a)及び図3(b)は、図2に示された偏波回転素子が有する光導波路のIII−III線に沿った切断面及びIV−IV線に沿った切断面をそれぞれ示す図である。
【図5】図5(a)〜図5(d)は、偏波回転素子の動作の様子を示す図である。
【図6】図6(a)は、第1の領域を通過する光の電界面の回転角の変化の一例を示すグラフである。図6(b)は、第2の領域を通過する光の電界面の回転角の変化の一例を示すグラフである。
【図7】図7は、第1の領域を通過する光の電界面の回転角の変化に関する或る実施例を示すグラフである。
【図8】図8は、偏波回転素子を作製する方法の各工程を示す断面図であって、光導波方向(X軸方向)に垂直な断面を示している。
【図9】図9は、偏波回転素子を作製する方法の各工程を示す断面図であって、光導波方向(X軸方向)に垂直な断面を示している。
【図10】図10は、偏波回転素子を作製する方法の各工程を示す断面図であって、光導波方向(X軸方向)に垂直な断面を示している。
【図11】図11は、第1及び第2のエッチングマスクの平面形状を示す模式図である。
【図12】図12は、第2実施形態に係る偏波回転素子の平面図である。
【図13】図13(a)〜図13(d)それぞれは、図12に示されたV−V線、VI−VI線、VII−VII線、及びVIII−VIII線それぞれに沿った断面を示している。
【図14】図14(a)及び図14(b)は、従来の偏波回転部の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明による偏波回転素子の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る偏波回転素子の第1実施形態の外観を示す斜視図である。図2は、図1に示された偏波回転素子1Aが有する光導波路20の平面図である。図3(a)及び(b)は、図2に示された光導波路20のI−I線に沿った切断面及びII−II線に沿った切断面をそれぞれ示す。図4(a)及び(b)は、図2に示された偏波回転素子1Aが有する光導波路20のIII−III線に沿った切断面及びIV−IV線に沿った切断面をそれぞれ示す。なお、図1〜図4には、理解の容易の為にXYZ直交座標系が併せて示されている。X軸は、偏波回転素子1Aが備える光導波路20の光導波方向に沿って設定されている。Y軸は、該光導波方向と直交する方向に設定されている。Z軸は、光導波路20の高さ方向(すなわち基部10の厚さ方向)に設定されている。
【0018】
図1〜図4に示されるように、本実施形態の偏波回転素子1Aは、基部10と、基部10上に設けられた光導波路20とを備えている。基部10は、例えばInPといった半導体から成る板状部材であって、主面10aを有している。光導波路20は、主面10aに沿った第1方向(本実施形態ではX軸方向)に延びており、その上面および側面は基部10から露出している。
【0019】
光導波路20は、基部10上に設けられた下部クラッド層26と、下部クラッド層26上に設けられたコア層27と、コア層27上に設けられた上部クラッド層28とから成る。これらの層21〜23は、Z軸方向に積層されている。下部クラッド層26及び上部クラッド層28は、例えば基部10と同一の材料(InP)から成る。コア層27は、下部クラッド層26及び上部クラッド層28より屈折率が大きい材料、例えばGaInAsPから成る。一実施例では、下部クラッド層26及び基部10の主面10aは、基板材料(例えばInP基板)がエッチングされることにより形成される。また、コア層27は、該基板材料の上にエピタキシャル成長した半導体層(例えばGaInAsP層)がエッチングされることにより形成される。また、上部クラッド層28は、コア層27の為の半導体層の上にエピタキシャル成長した半導体層(例えばInP層)がエッチングされることにより形成される。一実施例では、下部クラッド層26の厚さは2.65μmであり、コア層27の厚さは0.38μmであり、上部クラッド層28の厚さは1.25μmである。
【0020】
光導波路20は、下段部21と、上段部22とを含んで構成される。本実施形態において、下段部21は第1の部分であり、上段部22は第2の部分である。下段部21は、X軸方向に沿って連続して(中断することなく)延びている。下段部21の厚さ(主面10aを含む平面を基準とする下段部21の上端の高さ)Dは、光導波路20の一端20fから他端20gにかけて一定である。一実施例では、厚さDは2.93μmである。本実施形態では、下段部21は、下部クラッド層26と、コア層27の一部とから成る。下段部21は、主面10aに対して略垂直に形成された一対の側面21a及び21bを有する。
【0021】
上段部22は、下段部21上に設けられている。上段部22は、X軸方向に沿って連続して(中断することなく)延びている。上段部22の厚さ(下段部21の上端から上段部22の上端までの高さ)Dは、光導波路20の一端20fから他端20gにかけて一定である。一実施例では、厚さDは1.35μmである。本実施形態では、上段部22は、コア層27の残りの部分と、上部クラッド層28とから成る。上段部22は、主面10aに対して略垂直に形成された一対の側面22a及び22bを有する。
【0022】
また、光導波路20は、X軸方向に沿って分割された領域20a〜20eを有している。領域20aは、本実施形態における第1の領域である。領域20bは、本実施形態における第2の領域であって、領域20aと光導波路20の他端20gとの間に位置している。領域20cは、本実施形態における第3の領域であって、領域20aと光導波路20の一端20fとの間に位置している。領域20dは、本実施形態における第4の領域であって、領域20bと光導波路20の他端20gとの間に位置している。領域20eは、領域20dと光導波路20の他端20gとの間に位置している。
【0023】
図2に示されるように、領域20aでは、下段部21の一方の側面21aがX軸に対して角度θだけ傾斜している。これにより、X軸方向と交差し且つ主面10aに沿った第2方向(本実施形態ではY軸方向)における下段部21の幅は、光導波路20の一端20f側から他端20g側へ向けて次第に拡がっている。一方、下段部21の他方の側面21bは、X軸方向に沿って延びている。領域20aにおける一端20f側の下段部21の幅はWaであり、他端20g側の下段部21の幅はWb(>Wa)である。一実施例では、幅Waは0.75μmであり、側面21aの傾斜角θは5°より小さい。
【0024】
領域20bでは、下段部21の他方の側面21bがX軸に対して角度θだけ傾斜している。これにより、上述した第2方向(本実施形態ではY軸方向)における下段部21の幅は、光導波路20の一端20f側から他端20g側へ向けて次第に拡がっている。一方、下段部21の一方の側面21aは、領域20aにおいて拡がった幅を維持しつつ、X軸方向に沿って延びている。領域20bにおける一端20f側の下段部21の幅はWbであり、他端20g側の下段部21の幅はWc(>Wb)である。一実施例では、側面22bの傾斜角θは5°より小さい。また、領域20bにおける側面22bの傾斜角θは、領域20aにおける側面21aの傾斜角θと略等しくてもよい。
【0025】
領域20a及び20bにおいて、上段部22の両側面22a,22bは、X軸方向に沿って延びている。これにより、Y軸方向における上段部22の幅は一貫してWaとなっている。領域20aにおいて、下段部21の側面21aと上段部22の側面22aとの間には、XY平面に沿った段差面23が形成されており、下段部21の側面21bと上段部22の側面22bとは互いに面一に形成されている。また、領域20bにおいて、側面21aと側面22aとの間には上記段差面23が形成されており、側面21bと側面22bとの間には、XY平面に沿った段差面24が形成されている。
【0026】
なお、本実施形態では、図2に示されるように、領域20aでの側面21a及び領域20bでの側面22bは、主面10aの法線方向から見て直線状に(すなわち平坦に)形成されている。側面21a,22bの形態はこれに限られず、例えば主面10aの法線方向から見て湾曲していてもよい。
【0027】
領域20cでは、下段部21の両側面21a,21b及び上段部22の両側面22a,22bが、X軸に対して傾斜している。これにより、Y軸方向における下段部21及び上段部22の幅が、光導波路20の一端20fへ向けて次第に拡がっている。領域20cにおける他端20g側の下段部21及び上段部22の幅はWaであり、一端20f側の下段部21及び上段部22の幅はWd(>Wa)である。一実施例では、幅Waは0.75μmであり、幅Wdは1.5μmである。
【0028】
領域20dでは、上段部22の両側面22a,22bが、X軸に対して傾斜している。これにより、Y軸方向における上段部22の幅が、光導波路20の他端20gへ向けて次第に拡がっている。領域20dにおける一端20f側の上段部22の幅はWaであり、他端20g側の上段部22の幅はWe(>Wa)である。一実施例では、幅Waは0.75μmであり、幅Weは1.5μmである。なお、領域20dにおいて、下段部21の側面21a,21bは、幅Wcを維持しつつX軸に沿って延びている。
【0029】
領域20eでは、下段部21の両側面21a,21bが、X軸に対して傾斜している。これにより、Y軸方向における下段部21の幅が、光導波路20の他端20gへ向けて次第に狭くなっている。領域20eにおける一端20f側の下段部21の幅はWcであり、他端20g側の下段部21の幅はWeである。この領域20eによって、他端20gにおける下段部21の側面21aと上段部22の側面22aとが互いに面一となり、下段部21の側面21bと上段部22の側面22bとが互いに面一となる。
【0030】
ここで、本実施形態による偏波回転素子1Aの動作について説明する。図5は、偏波回転素子1Aの動作の様子を示す図である。図5(a)は光導波路20の一端20fにおける光の偏波の様子を示しており、図5(b)は領域20aと領域20bとの境界部分における光の偏波の様子を示しており、図5(c)は領域20bと領域20cとの境界部分における光の偏波の様子を示しており、図5(d)は光導波路20の他端20gにおける光の偏波の様子を示している。なお、図5(a)〜図5(d)において、矢印Aeは電界の向きを示しており、矢印Amは磁界の向きを示している。
【0031】
一例では、準TMモードの光が、光導波路20の一端20fに入射する。この場合、図5(a)に示されるように、光導波路20の一端20fでは準TMモードが維持される。そして、この光が領域20aを通過するとき、図5(b)に示されるように、電界および磁界の向きが、0°より大きく90°より小さい或る角度だけ回転する。すなわち、本実施形態の領域20aでは、下段部21の一方の側面21aがX軸方向に対して傾斜しており、これによって下段部21の幅が光導波路20の一端20f側から他端20g側へ向けて次第に拡がっている。一方、上段部22の一方の側面22aはX軸に沿って延びている。領域20aにおけるこのような下段部21及び上段部22の形状に起因して、入射光は、下段部21の側面が傾斜している側(本実施形態では側面21a側)に電界の向きを回転させながら、光導波路20内を伝搬する。なお、このときの回転角は、図2に示された幅Wbと幅Waとの差(Wb−Wa)に依存し、この差が大きいほど電界および磁界の回転角は大きくなる。但し、領域20aでは電界および磁界の回転角が90°に近づくことはなく、90°より小さい一定の角度(例えば80°)に漸近する。
【0032】
続いて、領域20aを通過した光が領域20bを通過するとき、図5(c)に示されるように、電界および磁界の向きが更に回転する。すなわち、本実施形態の領域20bでは、下段部21の他方の側面21bがX軸方向に対して傾斜しており、これによって下段部21の幅が光導波路20の一端20f側から他端20g側へ向けて次第に拡がっている。一方、上段部22の他方の側面22bはX軸に沿って延びている。領域20bにおけるこのような下段部21及び上段部22の形状に起因して、電界および磁界の向きが上記一定の角度から更に回転する。このような作用によって、領域20bを通過した光の電界および磁界の回転角は90°に漸近し、準TEモードの光が生成される(図5(d))。その後、この光は、領域20dを通過して光導波路20の他端20gから出射する。
【0033】
なお、上述した説明では、準TMモードの光が光導波路20の一端20fに入射される場合について述べたが、準TEモードの光が他端20gに入射されてもよい。この場合、図5(c)、図5(b)の順に電界および磁界の向きが回転し、光導波路20の一端20fから準TMモードの光が出射される。
【0034】
ここで、図6(a)は、領域20aを通過する光の電界面の回転角の変化の一例を示すグラフである。また、図6(b)は、領域20bを通過する光の電界面の回転角の変化の一例を示すグラフである。図6(a)及び図6(b)において、縦軸はXY平面に対する電界面の角度(単位:度)を示している。また、図6(a)の横軸は、主面10aの法線方向から見た領域20aにおける側面21aと側面22aとの距離W2A(すなわち幅Wbと幅Waとの差(Wb−Wa))(単位:μm)を示しており、図6(b)の横軸は、主面10aの法線方向から見た領域20bにおける側面21bと側面22bとの距離W2B(すなわち幅Wcと幅Wbとの差(Wc−Wb))(単位:μm)を示している。
【0035】
図6(a)に示されるように、この例では、距離W2Aが大きくなるほど、領域20aにおいてXY平面に対する電界面の角度が初期値(90°)から次第に小さくなっている。しかしながら、距離W2Aが或る程度大きくなると、この角度は10°に漸近し、それ以上小さくならない。そして、その後の領域20bでは、図6(b)に示されるように、距離W2Bが大きくなるほど、XY平面に対する電界面の角度が10°から次第に小さくなっており、0°に漸近する。このように、本実施形態による偏波回転素子1Aによれば、偏波面(偏光面)を、90°といった十分な角度にわたって回転させることができる。
【0036】
また、本実施形態の偏波回転素子1Aでは、光導波路20において下段部21の上に上段部22が設けられており、これらの下段部21及び上段部22は、X軸方向(すなわち光導波方向)に沿って連続して延びている。したがって、図14(a)に示された構造とは異なり、光導波路20の高さの変化を抑えることができ、また薄く尖った形状も不要なので、光導波路20を容易に形成することができる。
【0037】
なお、本実施形態のように、光導波路20の領域20aにおける下段部21の他方の側面21bは、X軸方向(すなわち光導波方向)に沿って延びていることが好ましい。また、領域20bにおける下段部21の一方の側面21aは、領域20aにおいて拡がった幅を維持しつつX軸方向に沿って延びていることが好ましい。これらの構成によって、領域20a,20bにおいて光の電界および磁界の向きをより効果的に回転させることができる。
【0038】
また、本実施形態のように、光導波路20は、領域20a,20bと一端20fとの間に位置し、下段部21及び上段部22の幅が一端20fへ向けて次第に拡がっている領域20cを有することが好ましい。また、光導波路20は、領域20a,20bと他端20gとの間に位置し、下段部21及び上段部22の幅が他端20gへ向けて次第に拡がっている領域20dを有することが好ましい。これらの構成によって、光導波路20の一端20fおよび他端20gの幅が広くなるので、光導波路20の一端20fおよび他端20gのそれぞれに光デバイス等の光学部品を容易に結合することができる。
【0039】
また、本実施形態のように、X軸を基準とする、領域20aにおける下段部21の一方の側面21aの傾斜角θは、5°より小さいことが好ましい。ここで、図7は、領域20aを通過する光の電界面の回転角の変化に関する或る実施例を示すグラフである。図7において、グラフG11は、傾斜角θが5°より小さい場合における回転角の変化を示しており、図6(a)に示されたグラフと同一である。また、グラフG12は、傾斜角θが5°より大きい場合における回転角の変化を示している。傾斜角θが5°より大きい場合には、光導波路20を伝搬する光のうち約半分が、偏波方向が90度異なるモードに結合してしまう。したがって、光導波路20を伝搬する光全体の偏波方向は、グラフG12に示されるようにXY平面に対して45°付近まで回転した後、再び90°へ向けて増加することとなる。これに対し、傾斜角θが5°より小さく、下段部21の幅の変化が緩やかな場合には、一端20fに入射した準TMモードの光は、他のモードに結合することなく、電界の向きをXY平面に沿った方向に近づけながら伝搬することができる。すなわち、傾斜角θが5°より小さいことにより、領域20aにおいて光の偏波面をより効果的に回転させることができる。なお、これと同様の理由から、領域20bにおいても傾斜角θは5°より小さいことが好ましい。
【0040】
続いて、本実施形態に係る偏波回転素子1Aを作製する方法の一例について説明する。図8〜図10は、偏波回転素子1Aを作製する方法の各工程を示す断面図であって、光導波方向(X軸方向)に垂直な断面を示している。また、図11は、第1のエッチングマスクM2及び第2のエッチングマスクM4の平面形状を示す模式図である。
【0041】
まず、図8(a)に示されるように、例えばInPから成る基板51の上に、下部クラッド層26のための半導体層52、コア層27のための半導体層53、および上部クラッド層28のための半導体層54をエピタキシャル成長させる。これらの半導体層52〜54は、例えば有機金属気相成長法によって好適に成長する。これにより、基板51及び半導体層52〜54から成る板状部材55が作製される。
【0042】
続いて、この板状部材55の上に、上段部22の平面形状に応じたパターンを有するエッチングマスク(第1のエッチングマスク)を形成する。具体的には、通常のフォトリソグラフィ技術を用いて、上段部22の平面形状に応じた開口を有するレジストパターンR1を形成する。そして、基板51上の全面にエッチングマスクのためのマスク材料M1(例えばCr)を蒸着したのち、図8(b)に示されるように、レジストパターンR1のリフトオフを行う。これにより、上段部22の平面形状に応じたパターンを有するエッチングマスクM2が板状部材55上に残る。
【0043】
続いて、板状部材55及びエッチングマスクM2の上に、第2のエッチングマスクを形成する。このエッチングマスクは、領域20aにおける下段部21の一方の側面21aの形状に応じた第1パターン、及び領域20bにおける下段部21の他方の側面21bの形状に応じた第2パターンを有する。具体的には、図9(a)に示されるように、通常のフォトリソグラフィ技術を用いて、領域20aにおける側面21aの形状に応じた開口側面(第1パターン)R21と、領域20bにおける側面21bの形状に応じた開口側面(第2パターン)とを含むレジストパターンR2を形成する。そして、基板51上の全面にエッチングマスクのためのマスク材料M3(例えばNi)を蒸着したのち、レジストパターンR2のリフトオフを行う。これにより、図9(b)及び図11に示されるように、領域20aにおける側面21aの形状に応じた第1パターンM41、及び領域20bにおける側面21bの形状に応じた第2パターンM42を有するエッチングマスクM4が、板状部材55及びエッチングマスクM2の上に残る。
【0044】
続いて、図10(a)に示されるように、エッチングマスクM2及びM4を用いて板状部材55をエッチングする。このとき、エッチング方法としては例えば反応性イオンエッチング(RIE)が好適である。また、エッチング深さは、例えば半導体層52に達する程度が好適である。この工程では、下段部21の平面形状と、上段部22の平面形状とを重ね合わせた形状に半導体層53,54がエッチングされる。この工程ののち、例えばウェットエッチングによりエッチングマスクM4を除去する。
【0045】
続いて、図10(b)に示されるように、エッチングマスクM2を用いて板状部材55をエッチングすることにより、光導波路20の下段部21及び上段部22を形成する。このとき、先の工程においてエッチングされた板状部材55の領域(すなわちエッチングマスクM2及びM4の何れにも覆われていなかった半導体層52の領域)は、更に深くエッチングされる。このエッチング方法としては例えば反応性イオンエッチング(RIE)が好適である。また、エッチング深さは、例えば基板51に達する程度が好適である。この工程ののち、例えばウェットエッチングによりエッチングマスクM2を除去する。こうして、本実施形態に係る偏波回転素子1Aが好適に作製される。
【0046】
なお、上述した作製方法では、図11に示されるように、エッチングマスクM4の第1パターンM41は、領域20aにおける下段部21の側面21aの形状を、エッチングマスクM2上に延長したパターンM43を含むことが好ましい。同様に、エッチングマスクM4の第2パターンM42は、領域20bにおける上段部22の側面22bの形状を、エッチングマスクM2上に延長したパターンM44を含むことが好ましい。これにより、エッチングマスクM4の位置が所定の位置から(例えばY軸方向に)ずれた場合であっても、下段部21の両側面21a,21bの変形を抑えて好適に形成することができる。
【0047】
(第2の実施の形態)
図12及び図13(a)〜図13(d)は、本発明の第2実施形態に係る偏波回転素子1Bの構造を示す図である。図12は、偏波回転素子1Bの平面図である。図13(a)〜図13(d)それぞれは、図12に示されたV−V線、VI−VI線、VII−VII線、及びVIII−VIII線それぞれに沿った断面を示している。
【0048】
図12及び図13に示されるように、本実施形態の偏波回転素子1Bは、基部60と、基部60上に設けられた光導波路70と、光導波路70を覆うクラッド層80とを備えている。基部60は、例えばSiOといった絶縁性シリコン化合物から成る板状部材であって、主面60aを有している。光導波路70は、例えばSiといった、基部60よりも屈折率が大きい材料からなり、主面60aに沿った第1方向(X軸方向)に延びている。光導波路70の上面および側面は、SiOといった絶縁性シリコン化合物から成るクラッド層80によって覆われている。
【0049】
光導波路70は、下段部71と、上段部72とを含んで構成される。本実施形態において、下段部71は第1の部分であり、上段部72は第2の部分である。下段部71は、X軸方向に沿って連続して(中断することなく)延びている。下段部71の厚さ(主面60aを基準とする下段部71の上端の高さ)Dは、光導波路70の一端70fから他端70gにかけて一定である。一実施例では、厚さDは0.18μmである。下段部71は、主面60aに対して略垂直に形成された一対の側面71a及び71bを有する。
【0050】
上段部72は、下段部71上に設けられている。上段部72は、X軸方向に沿って連続して(中断することなく)延びている。上段部72の厚さ(下段部71の上端から上段部72の上端までの高さ)Dは、光導波路70の一端70fから他端70gにかけて一定である。一実施例では、厚さDは0.12μmである。上段部72は、主面60aに対して略垂直に形成された一対の側面72a及び72bを有する。
【0051】
また、光導波路70は、X軸方向に沿って分割された領域70a〜70eを有している。領域70aは、本実施形態における第1の領域である。領域70bは、本実施形態における第2の領域であって、領域70aと光導波路70の他端70gとの間に位置している。領域70cは、本実施形態における第3の領域であって、領域70aと光導波路70の一端70fとの間に位置している。領域70dは、本実施形態における第4の領域であって、領域70bと光導波路70の他端70gとの間に位置している。領域70eは、領域70dと光導波路70の他端70gとの間に位置している。
【0052】
図12に示されるように、領域70aでは、下段部71の一方の側面71aがX軸に対して角度θだけ傾斜している。これにより、X軸方向と交差し且つ主面60aに沿った第2方向(本実施形態ではY軸方向)における下段部71の幅は、光導波路70の一端70f側から他端70g側へ向けて次第に拡がっている。一方、下段部71の他方の側面71bは、X軸方向に沿って延びている。領域70aにおける一端70f側の下段部71の幅はWaであり、他端70g側の下段部71の幅はWb(>Wa)である。一実施例では、幅Waは0.3μmであり、側面71aの傾斜角θは5°より小さい。
【0053】
領域70bでは、下段部71の他方の側面71bがX軸に対して角度θだけ傾斜している。これにより、上述した第2方向(本実施形態ではY軸方向)における下段部71の幅は、光導波路70の一端70f側から他端70g側へ向けて次第に拡がっている。一方、下段部71の一方の側面71aは、領域70aにおいて拡がった幅を維持しつつ、X軸方向に沿って延びている。領域70bにおける一端70f側の下段部71の幅はWbであり、他端70g側の下段部71の幅はWc(>Wb)である。一実施例では、側面72bの傾斜角θは5°より小さい。また、側面72bの傾斜角θは、側面71aの傾斜角θと略等しくてもよい。
【0054】
領域70a及び70bにおいて、上段部72の両側面72a,72bは、X軸方向に沿って延びている。これにより、Y軸方向における上段部72の幅は一貫してWaとなっている。領域70aにおいて、下段部71の側面71aと上段部72の側面72aとの間にはXY平面に沿った段差面73が形成されており、下段部71の側面71bと上段部72の側面72bとは互いに面一に形成されている。また、領域70bでは、側面71aと側面72aとの間には上記段差面73が形成されており、側面71bと側面72bとの間には、XY平面に沿った段差面74が形成されている。
【0055】
なお、本実施形態では、図12に示されるように、領域70aでの側面71a及び領域70bでの側面72bは、主面60aの法線方向から見て直線状に形成されている。側面71a,72bの形態はこれに限られず、例えば主面60aの法線方向から見て湾曲していてもよい。
【0056】
領域70cでは、下段部71の両側面71a,71b及び上段部72の両側面72a,72bが、X軸に対して傾斜している。これにより、Y軸方向における下段部71及び上段部72の幅が、光導波路70の一端70fへ向けて次第に拡がっている。領域70cにおける他端70g側の下段部71及び上段部72の幅はWaであり、一端70f側の下段部71及び上段部72の幅はWd(>Wa)である。一実施例では、幅Waは0.3μmであり、幅Wdは0.4μmである。
【0057】
領域70dでは、上段部72の両側面72a,72bが、X軸に対して傾斜している。これにより、Y軸方向における上段部72の幅が、光導波路70の他端70gへ向けて次第に拡がっている。領域70dにおける一端70f側の上段部72の幅はWaであり、他端70g側の上段部72の幅はWe(>Wa)である。一実施例では、幅Waは0.3μmであり、幅Weは0.4μmである。なお、下段部71の側面71a,71bは、X軸に沿って延びている。
【0058】
領域70eでは、下段部71の両側面71a,71bが、X軸に対して傾斜している。これにより、Y軸方向における下段部71の幅が、光導波路70の他端70gへ向けて次第に狭くなっている。領域70eにおける一端70f側の下段部71の幅はWcであり、他端70g側の下段部71の幅はWeである。この領域70eによって、他端70gにおける下段部71の側面71aと上段部72の側面72aとが互いに面一となり、下段部71の側面71bと上段部72の側面72bとが互いに面一となる。
【0059】
以上の構成を備える本実施形態の偏波回転素子1Bによれば、第1実施形態と同様の動作を行うことができ、入射光の偏波面(偏光面)を十分に回転させることができる。また、偏波回転素子1Bでは、下段部71の上に上段部72が設けられており、これらの下段部71及び上段部72は、X軸方向(すなわち光導波方向)に沿って連続して延びている。したがって、光導波路70の高さの変化を抑えることができ、また薄く尖った形状も不要なので、光導波路70を容易に形成することができる。
【0060】
本発明による偏波回転素子は、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上述した各実施形態では、偏波回転素子を構成する材料としてInP系半導体やシリコン及びその化合物を例示したが、本発明に係る偏波回転素子は、これら以外にも様々な材料によって構成されることができる。
【符号の説明】
【0061】
1A,1B…偏波回転素子、10,60…基部、10a,60a…主面、20,70…光導波路、20a,70a…第1の領域、20b,70b…第2の領域、20c〜20e,70c〜70e…領域、20f,70f…一端、20g,70g…他端、21,71…下段部、22,72…上段部、26…下部クラッド層、27…コア層、28…上部クラッド層、51…基板、52〜54…半導体層、55…板状部材、80…クラッド層、Ae…電界の向き、Am…磁界の向き、M1,M3…マスク材料、M2…第1のエッチングマスク、M4…第2のエッチングマスク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主面を有する基部と、
前記基部上に設けられ、前記主面に沿った第1方向に延びる光導波路と
を備え、
前記光導波路は、前記第1方向に連続して延びる第1の部分、及び該第1の部分上に設けられており前記第1方向に連続して延びる第2の部分を含むとともに、前記第1方向に分割された第1及び第2の領域を有しており、
前記光導波路の前記第1の領域において、前記第1の部分の一方の側面が前記第1方向に対して傾斜していることにより、前記第1方向と交差し且つ前記主面に沿った第2方向における前記第1の部分の幅が前記光導波路の一端側から他端側へ向けて次第に拡がっており、
前記前記光導波路の前記第2の領域において、前記第1の部分の他方の側面が前記第1方向に対して傾斜していることにより、前記第2方向における前記第1の部分の幅が前記光導波路の一端側から他端側へ向けて次第に拡がっていることを特徴とする、偏波回転素子。
【請求項2】
前記第1の領域における前記第1の部分の他方の側面が前記第1方向に沿って延びており、
前記第2の領域における前記第1の部分の一方の側面が、前記第1の領域により拡がった幅を維持しつつ前記第1方向に沿って延びていることを特徴とする、請求項1に記載の偏波回転素子。
【請求項3】
前記第1方向を基準とする、前記第1の領域における前記第1の部分の前記一方の側面の傾斜角が5°より小さいことを特徴とする、請求項1または2に記載の偏波回転素子。
【請求項4】
前記光導波路が、前記第1及び第2の領域と前記一端との間に位置し、前記第2方向における前記第1及び第2の部分の幅が前記一端へ向けて次第に拡がっている第3の領域を更に有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の偏波回転素子。
【請求項5】
前記光導波路が、前記第1及び第2の領域と前記他端との間に位置し、前記第2方向における前記第2の部分の幅が前記他端へ向けて次第に拡がっている第4の領域を更に有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の偏波回転素子。
【請求項6】
板状部材の上に、前記第2の部分の平面形状に応じたパターンを有する第1のエッチングマスクを形成し、
前記板状部材及び前記第1のエッチングマスクの上に、前記第1の領域における前記第1の部分の前記一方の側面の形状に応じた第1パターン、及び前記第2の領域における前記第1の部分の前記他方の側面の形状に応じた第2パターンを有する第2のエッチングマスクを形成し、
前記第1及び第2のエッチングマスクを用いて前記板状部材をエッチングし、前記第2のエッチングマスクを除去したのち、前記第1のエッチングマスクを用いて前記板状部材を更にエッチングすることにより作製されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の偏波回転素子。
【請求項7】
前記第2のエッチングマスクの前記第1パターンが、前記第1の領域における前記第1の部分の前記一方の側面の形状を前記第1のエッチングマスク上に延長したパターンを含み、
前記第2のエッチングマスクの前記第2パターンが、前記第2の領域における前記第1の部分の前記他方の側面の形状を前記第1のエッチングマスク上に延長したパターンを含むことを特徴とする、請求項5に記載の偏波回転素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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