説明

停止線灯における航空機検知処理装置

【課題】 誘導路から滑走路に進入する航空機を正確、かつ、確実に検知することにある。
【解決手段】 誘導路等に相対して設置するセンサ送信部3とセンサ受信部4は電源部21,43と論理部22,44と送・受信アンテナ部23,45で構成され、各電源部は、二重化構成とし、かつ二重化直流電源電圧をOR出力して論理部に供給する。送信アンテナ部23は、2つの発信部の送信パルスを系切換器38を通して発射する2つの送信系と、各発信部36-1,36-2の送信パルスレベルを検定する2つのレベル検定部40-1,40-2とを有し、送信系論理部22は、各レベル検定部の検定レベルから系切換器に系切換え指示信号を送出する。一方、受信アンテナ部45は、受信信号を分配器61で分配しバンドパスフィルタを通して検波部に導く2つの系統を有し、受信系論理部44は、各検波部で検波された高いレベルの受信系の受信レベルを取得する論理処理部52を有する航空機検知処理装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導路と滑走路との交差点付近に設置される停止線灯の点灯制御に用いられる停止線灯における航空機検知処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、誘導路を走行する航空機その他の移動体の走行位置を検知し、誘導路に設置される誘導路中心線灯を始め、停止線灯の点灯・消灯制御を実施することにより、航空機が誘導路から滑走路へ誤って進入するのを防いでいる。よって、停止線灯制御システムとしては、誘導路と滑走路との交差点付近を走行する航空機を正確に検知することが非常に重要な要件となる。
【0003】
従来、航空機検出装置としては、航空機の走行路の両側に2組のセンサを設置したものが提案されている。すなわち、走行路の片側に所定の距離を有して2つの送波器が設置され、もう一つの片側には各送波器と向き合うように所定の距離をもって2つの受波器が設置される。ここで、所定の距離とは、航空機のノーズギアとメインギアとの間隔に相当する距離である。
【0004】
この航空機検出装置では、2つの送波器から走行路を横断して送信パルスビームを送信し、2つの受波器は走行路を横断してくる送信パルスビームの受信有無を検出し、受信有無検出信号を信号処理回路に送出する。信号処理回路は、航空機が走行路を移動しているとき、2つの送波器から送信される送信パルスビームが航空機のノーズギアとメインギアとで同時に遮断されたとき、つまり2つの受波器から航空機無しの信号を受けたとき、航空機通過と判断する(特許文献1)。
【0005】
ところで、通常、走行路の片側に適宜な距離をもって2つの送波器を設置し、もう一つの片側にも各送波器と向き合うように2つの受波器を設置し、機種や大きさに影響されることなく航空機の有無を検出するのが一般的である。
【0006】
このような航空機検出装置は、信号処理回路が2つの受波器から出力される信号に基づき、それぞれ車輪有りから無し、又は車輪有りから無しに変化したとき、フラグをセットし、またはリセットし、これら2つのフラグの状態から航空機の通過状態を判断している。しかし、このような検出技術では、ノーズギアまたはメインギアを検出したときの検出信号にチャタリング成分が含まれることから、フラグの設定状態にも誤動作が発生し、正確に航空機を検知することが難しいという問題があり、前述した特許文献1の技術に至っている。
【0007】
その他、従来の航空機検出装置としては、送波器から送信されてくるマイクロ波の航空機による影響を受けたときの受信波形と航空機による影響を受けないときの定常受信波形とのパターン相関値から航空機の進入、停留等を判断するものがある(特許文献2)。
【特許文献1】特開平5−217100号公報(図1参照)
【特許文献2】特開平5−197899号公報(図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1の技術では、航空機のノーズギアとメインギアとの間隔に依存して航空機の通過有無を検出するものであり、機種や大きさの異なる航空機の検出には不向きである。つまり、航空機の機種や大きさに十分対応できない問題がある。
【0009】
一方、特許文献2の技術は、送波器と受波器との距離が離れたとき、受波器は全ての送信パルスビームを受信できるとは限らず、路面等で乱反射されてくる妨害波の影響も受け、単に受信波形パターンから正確に航空機を検知することは難しいと考えられる。
【0010】
本発明は上記事情にかんがみてなされたもので、誘導路から滑走路に進入する航空機その他の移動体を正確、かつ、確実に検知する停止線灯における航空機検知処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1) 上記課題を解決するために、本発明は、空港に設置される停止線灯の点灯・消灯制御を行う停止線灯制御システムにおいて、前記空港の誘導路と滑走路との交差点付近に相対するようにセンサ送信部とセンサ受信部とを設置し、前記センサ送信部は、電源部と論理部と送信アンテナ部とで構成され、
前記電源部は、2つの交流電源電圧をそれぞれ直流電源電圧に変換する2つのAC/DC電源変換部と、これらAC/DC電源変換部で変換された直流電源電圧をOR出力して前記論理部に供給する2つの方向性半導体素子とを有し、前記送信アンテナ部は、2つの発信部から発信する送信パルスを系切換器を通して送信アンテナから空中に発射する2つの送信系統と、各発信部から発信される送信パルスの出力レベルを検定する2つのレベル検定部とを有し、前記論理部は、前記2つのレベル検定部で検定される出力レベルに基づき、前記系切換器に系切換え指示信号を送出し、何れか1つの送信系統に切換えて送信パルスを送信可能にする論理処理部を有する航空機検知処理装置である。
【0012】
また、本発明に係る航空機検知処理装置は、前述した構成に新たに、前記センサ受信部は、電源部と論理部と受信アンテナ部とで構成され、
前記電源部は、2つの交流電源電圧をそれぞれ直流電源電圧に変換する2つのAC/DC電源変換部と、これらAC/DC電源変換部で変換された直流電源電圧をOR出力して前記論理部に供給する2つの方向性半導体素子とを有し、前記受信アンテナ部は、受信アンテナから入力される送信パルスビームを分配器で分配した後にそれぞれバンドパスフィルタを通して対応する検波部に導く2つの受信系統を有し、前記論理部は、前記2つの検波部で検波された受信レベルのうち、高い受信レベルの前記受信系統の受信レベルを取得する論理処理部を有する構成を付加したものである。
【0013】
(2) なお、前記送信アンテナ部としては、送信パルスを発信する2つの発信部の出力側にそれぞれ導波管への入り切り可能な送信スイッチ部を介して前記系切換器に接続し、
前記センサ送信部の前記論理部としては、通常時は所定周期ごとに所定のパルス幅の送信パルスを送信するように前記送信スイッチ部を駆動し、テスト時は前記所定周期の1/n(nは1よりも大きい整数)の周期ごとに所定のパルス幅の送信パルスを送信するように前記送信スイッチ部を駆動することにより、見かけ上の送信パルスの出力を低下させて模擬的に検知状態を作り出すことが可能である。
【0014】
また、前記センサ受信部の前記論理部としては、前記検波部で検波された受信レベルを規定回数積分した積分データとするとともに、複数の積分データを所定の割合で上下の積分データを除去することによって得られるデータを短周期データとし、この短周期データを一定期間蓄えることによって得られる長周期データを記憶し、これら長周期データの移動平均によってしきい値を決定し、このしきい値と前記短周期データとの差から移動体有無を検知するものである。
【0015】
さらに、前記センサ送信部及びセンサ受信部としては、使用周波数の奇数倍長の長さを有する金属素材で形成されたひさしを備えた保護枠カバーを装着することにより、上方からの雨,雪及び下方からの路面反射波の影響を回避することが可能である。
【0016】
さらに、前記受信アンテナ部としては、前記センサ送信部の方向にλ/4波長ずらした2つの受信アンテナを設け、前記分配器を通さずに直接対応する前記バンドパスフィルタに導くようにすれば、風力等によって前記センサ送・受信部が揺れた場合でも安定な受信レベルを受信することが可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、誘導路から滑走路に進入する航空機その他の移動体を正確、かつ、確実に検知できる停止線灯における航空機検知処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
本発明に係る停止線灯における航空機検知処理装置の第1の実施の形態について図1ないし図7を参照して説明する。
【0019】
図1は本発明に係る停止線灯における航空機検知処理装置を適用した停止線灯制御システムの全体構成図である。
【0020】
この停止線灯制御システムは、誘導路1と滑走路2との交差点付近に2組の航空機検知センサを備えた航空機検知処理装置が設けられている。すなわち、1組の航空機検知センサは、誘導路1と滑走路2との交差点付近となる誘導路1の両側にセンサ送信部3とセンサ受信部4が対峙するように設置され、もう1組の航空機検知センサは、誘導路1と滑走路2との交差点付近となる滑走路2の両側にセンサ送信部3とセンサ受信部4が対峙するように設置される。5は誘導路1を横断するように配列された複数の停止線灯、6は航空機その他の移動体(以下、航空機と総称する)である。
【0021】
停止線灯制御システムは、2組の航空機検知センサ3,4を備えた航空機検知処理装置の他、情報処理装置7と、各組航空機検知センサ対応の信号伝送装置8と、LAN,WAN等の情報ネットワーク9と、監視制御装置10と、灯火監視センタサーバ11とで構成される。
【0022】
情報処理装置7は、各誘導路1及び各滑走路2に設置される各組の航空機検知センサを統括的に制御するものであって、シーケンスプログラム(シーケンスロジック)が搭載され、各組のセンサ受信部4から送信されてくるセンサ情報から航空機6の通過位置を検知し、シーケンスプログラムに従って滑走路2に近い誘導路1の所定位置に航空機6が近づいたとき、停止線灯5を点灯制御し、滑走路2への進入を阻止する機能を有する。また、情報処理装置7は、各誘導路1の航空機通過情報及び停止線灯5の点灯・消灯情報を情報ネットワーク9を通して監視制御装置10に伝送する。
【0023】
信号伝送装置8は、各組の航空機検知センサ3,4からのセンサ情報を情報処理装置7に送信するとともに、情報処理装置7から送信されてくるセンサ識別情報を含む制御情報を判断し、航空機検知センサ3,4や停止線灯5の点灯・消灯制御を実行する。
【0024】
監視制御装置10は、大画面の表示装置が設けられ、常時は表示装置に空港モデル画像が表示され、情報処理装置7から情報ネットワーク9を通して伝送されてくる現在の各誘導路1の航空機通過情報や停止線灯5の点灯・消灯情報を受信し、センサ送・受信部3,4や停止線灯5の状態を空港モデル画像に反映させることにより、空港の現在状況を監視する機能を有する。
【0025】
また、監視制御装置10は、監視結果に基づき、必要に応じて手動操作のもとに必要なセンサや停止線灯に関する制御情報を情報処理装置7に伝送する。具体的には、監視制御装置10は、例えば情報処理装置7に対して停止線灯制御システムの起動を促すことにより、特定の誘導路1に待機中の航空機6に対して進入許可を与えるなどの制御を行うものである。
【0026】
灯火監視センタサーバ11は、データベースを備え、情報処理装置7から伝送されてくる各誘導路1の航空機通過情報や停止線灯5の点灯・消灯情報を取り込むことにより、各誘導路1や滑走路2への航空機進入、航空機6の発着情報、停止線灯5を含む各種の灯火に関する情報を蓄積する機能を持っている。
【0027】
図2は各組のセンサ送信部3の構成を示す図である。
このセンサ送信部3は、電源部21と、論理部22と、送信アンテナ部23とからなる。
電源部21は、2つの交流電源電圧を所要の直流電源電圧に変換するAC/DC電源変換部24−1,24−2と、各AC/DC電源変換部24−1,24−2から出力される直流電源電圧をOR出力して論理部22に送出するダイオード等の方向性半導体素子25−1,25−2と、各AC/DC電源変換部24−1,24−2の出力側にそれぞれ接続され、直流電源電圧の有無を監視する電源監視部26−1,26−2と、直流電源電圧の異常状態を論理部22に通知する電源異常通知部27とが設けられている。
【0028】
すなわち、電源部21としては、電源系統を二重化するとともに、これら電源系統から所定の直流電源電圧をOR出力することにより、何れか一方の電源系統の故障によって他方の電源系統に切換えたとき、その切換えによるノイズが生じないようにし、故障時の切換えによって受給側に影響を与えない構成としている。
【0029】
論理部22は、電源部21から出力された直流電源電圧を論理部22内で必要とする直流電圧に変換するDC/DC電圧変換部30と、送信アンテナ部23内の送信系統の切換え処理、送信時又はテスト時の送信アンテナ部23のスイッチ制御、その他必要な処理を実行する論理処理部31と、この論理処理部31の処理状態や送信アンテナ部23の動作状態などを表示する表示部32と、論理処理部31の処理状態、送信アンテナ部23の動作状態、電源部21の状態を信号伝送装置8に送信する送受信インタフェース部33とで構成される。
【0030】
送信アンテナ部23は、2つの送信系統のうち何れか1つの送信系統を選択し、アンテナから送信パルスを発射する機能を持っている。送信アンテナ部23は、具体的には、論理部22側で変換された直流電圧を送信アンテナ部23で必要な直流電圧に変換するDC/DC電圧変換部35と、このDC/DC電圧変換部35で変換された直流電力の給電を受けて動作する1系発信部36−1,2系発信部36−2とが設けられている。これら1系発信部36−1,2系発信部36−2の出力側には、各発信部36−1,36−2からの送信パルスを導波管に入り切りするための送信スイッチ部37−1,37−2を介して系切換器38が接続されている。この系切換器38には送信アンテナ39が接続されている。なお、送信スイッチ部37−1,37−2と系切換器38との間には導波管が設けられている。
【0031】
すなわち、送信系統としては、2系の送信系統が設けられ、発信部36−1,発信部36−2で発信された2系統の送信パルスから系切換器38で1つの系統の送信パルスを取り込んで出力し、送信アンテナ39を介して空中に発射する構成となっている。
【0032】
また、各発信部36−1,36−2の出力側にはそれぞれ1系レベル検定部40−1,2系レベル検定部40−2が接続されている。これらレベル検定部40−1,40−2は、該当する発信部36−1,36−2の出力レベルを常時監視し、この監視結果の検定レベルを論理処理部31に通知する。ここで、論理処理部31は、レベル検定部40−1,40−2で検定されたレベルを比較し、高いレベルに属する送信系統に切換えるための切換え指示信号を生成し、系切換器38に送出する。系切換器38は、切換え指示信号に従って送信系統を切換える。
【0033】
図3は各組のセンサ受信部4の構成を示す図である。
このセンサ受信部4は、電源部43と、論理部44と、受信アンテナ部45とからなる。
電源部43は、センサ送信部3の電源部21と同様な構成であって、AC/DC電源変換部46−1,46−2、各AC/DC電源変換部46−1,46−2の直流電源電圧をOR出力して論理部44に送出する方向性半導体素子47−1,4−2、電源監視部48−1,48−2及び電源異常通知部49が設けられている。すなわち、電源部43は電源部21と同様に電源系統を二重化するとともに、これら電源系統から所定の直流電源電圧をOR出力することにより、何れか一方の電源系統の故障によって他方の電源系統に切換えたとき、切換え時にノイズが発生しないようにしている。
【0034】
論理部44は、図2に示す論理部22と同様にDC/DC電圧変換部51、論理処理部52、表示部53及び送受信インタフェース部54が設けられ、さらに、受信アンテナ部45にて受信検波されたアナログ受信レベルをデジタル受信レベルに変換するAC/DC信号変換部55−1,55−2と、両AC/DC信号変換部55−1,55−2の受信レベルを比較し、高い受信レベルの信号を論理処理部52に送出する比較演算部56と、所要とする各種のデータを格納するデータ記憶部57とが設けられている。
【0035】
受信アンテナ部45は、受信アンテナ60が設けられ、受信アンテナ60には分配器61が接続されている。この分配器61は、受信アンテナ60で受信された受信信号を1系と2系の受信系統に分配し、それぞれバンドパスフィルタ62−1,62−2を通して対応する検波部63−1,63−2に導入する。各受信系統は、バンドパスフィルタ62−1,62−2によって受信レベル信号に重畳される外乱等のノイズを除去し、さらに各検波部63−1,63−2にて所要帯域に絞り込んだ受信レベル信号を抽出し、論理部44のAC/DC信号変換部55−1,55−2に送出する。そして、各AC/DC信号変換部55−1,55−2にて、アナログ受信レベルをデジタル受信レベルに変換して比較演算部56に送出する。比較演算部56は、各受信系統の受信レベルの大きさを比較判断し、大きな受信レベルの系統の信号を取り出して論理処理部52に渡す。64はDC/DC電圧変換部である。
【0036】
前記データ記憶部57には、比較演算部56で所得されるデータや論理処理部52によって処理され、かつ、処理結果の各種のデータを格納する。
【0037】
図4はセンサ送信部3の電源部21の一具体例を示す電源回路構成図である。なお、センサ受信部4を構成する各電源部43の構成も図4と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0038】
センサ送信部3の電源部21は、図2に示すように1つの交流電源系統に連なるAC/DC電源変換部24−1及び電源監視部26−1と、他の1つの交流電源系統に連なるAC/DC電源変換部24−2及び電源監視部26−2とを有するが、そのうち、AC/DC電源変換部24−1は、例えば磁気遮断器24−1a、この遮断器24−1aを通ってくる交流電源に重畳されるノイズを除去するノイズフィルタ24−1b及びノイズ除去後の交流電源電圧を直流電源電圧に変換するAC/DC変換回路24−1c等からなり、このAC/DC変換回路24−1cにより所要の直流電源電圧を取り出す。
【0039】
一方、電源監視部26−1としては、AC/DC変換回路24−1cの出力端にリレー回路X1が接続されている。リレー回路X1には2つの接点が並列に設けられ、当該リレー回路X1が動作したときに何れの接点もオンとなる。
【0040】
なお、一方の接点の両端部には第1系統状態表示灯26−1aを介して前述した1つの交流電源系統に接続されている。これにより、一方の接点がオンしたとき、第1系統状態表示灯26−1aが点灯する。また、他方の接点両端部には例えば出力端子26−1bが接続され、当該他方の接点がオンしたとき、AC/DC変換回路24−1cから所定の直流電源電圧が出力されていることを示す信号が論理処理部31に送られる。
【0041】
他の交流電源系統に連なるAC/DC電源変換部24−2及び電源監視部26−2については、AC/DC電源変換部24−1及び電源監視部26−1と同様の構成であるので、ここではその説明を省略する。
【0042】
さらに、センサ送信部3の電源部21には方向性半導体素子25−1,25−2及び電源異常通知部27が設けられている。方向性半導体素子25−1はダイオード25−1a,25−1bからなり、方向性半導体素子25−2はダイオード25−2a,2−2bからなる。これら方向性半導体素子25−1,25−2の出力端間には、電源異常通知用リレー27aと各リレー回路X1,X2のb接点x1b,x2bをシリアル接続してなる回路が接続されている。これら接点x1b,x2bは常時はオン状態にあるが、AC/DC変換回路24−1c又は24ほ2cから所定の直流電源電圧が出ていないときにオフし、電源異常通知用リレー27aの励磁を解除し、片系統以上の電源異常発生時、論理処理部31に電源異常状態を通知する。論理処理部31は、電源異常通知を受けたとき、直ちに送受信インタフェース33を通して信号伝送装置8に送出する。
【0043】
図5は論理処理部31(又は52)が電源監視部26−1,26−2の出力状態から電源故障を判定する処理例を説明する図である。なお、電源監視部26−1,26−2は、通常電源電圧有りの状態が継続するが、図5は仮に電源監視部26−1,26−2の出力状態が電源電圧有りや電源電圧無しの状態が繰り返されるなどの不安定な出力状態となった場合の電源故障を判定する処理例を説明するものである。
【0044】
論理処理部31は、図5(a)に示すように所定間隔毎(例えば1,2,…,46,…)に電源監視部26−1の出力,つまり図4の(ロ)の出力の有無をサンプリングにより監視し、一定間隔以上(例えば2回のサンプリング等)で続けて出力有りの状態が続いたとき、1つの交流電源系統に属する直流電源電圧が正常であることを確定する一方、出力無しの状態に移行したときには一定期間(例えば1秒間)にわたり確定状態を保持する。
【0045】
論理処理部31は、電源監視部26−2の出力についても、図5(b)に示すように同様に処理する。
【0046】
しかる後、論理処理部31は、図5(c)に示すように、同図(a)の出力と同図(b)の出力をOR出力することにより、電源出力有りの確定区間を除く区間を電源故障と判定し、表示部32に表示し、またセンサ識別情報等を付して送受信インタフェース部33を介して信号伝送装置8に送出する。論理処理部31は、完全に電源故障と判定したとき、送信制御及び受信制御を停止する処理を行う。
【0047】
図6は送信アンテナ部23に設けた系切換器38の切換え処理を実行する論理処理部31の切換え処理フローを示す図である。
【0048】
予めデー記憶部57の所定領域にプログラムデータや規定値データが格納されている。論理処理部31は、1系の送信系統に属する発信部36−1の出力側に接続される1系レベル検定部40−1の検定レベルを取り込み(S1)、当該検定レベルがデータ記憶部57に設定される規定値以上であるか否かを判断する(S2)。ここで、論理処理部31は、検定レベルが規定値より低いと判断したとき、1系の送信系統が故障であると判断し(S3)、発信部36−2の出力側に接続される2系レベル検定部40−2の検定レベルを取り込み(S4)、検定レベルが規定値以上であるか否かを判断する(S5)。ここで、検定レベルが規定値より低いと判断したとき、2系の送信系統が故障であると判断し(S6)、切換未実施とする(S7)。すなわち、論理処理部31は、系切換器38に対して切換え指示信号を送出しない。これにより、系切換器38は、何れの送信系統の送信信号とも選択せずに、送信停止状態に設定する。
【0049】
ところで、論理処理部31は、ステップS2において、検定レベルが規定値以上であると判断したとき、系切換器38の出力を取り込み(S8)、正常な1系の送信系統に切換え中となっているか否かを判断する(S9)。ここで、1系の送信系統に切換え中であれば、切換未実施とする(S10)。つまり、論理処理部31は2系の送信系統への切換え指示信号を出力しない。
【0050】
さらに、論理処理部31は、ステップS9において1系の送信系統が切換え中でないと判断すれば、2系の送信系統に切換えて使用中であれば(S11)、送信スイッチ部37−2をオフとした後(S12)、1系の送信系統の送信スイッチ部37−1へのスイッチ信号出力タイミングを監視し(S13)、休止中であれば(S14)、切換え指示信号を系切換器38に送出し(S15)、1系の送信系統に切換え、発信部36−1から発信される送信パルスを送信アンテナ39から発射する。
【0051】
さらに、論理処理部31は、前述したステップS5において、2系レベル検定部401の検定レベルが規定値以上であると判断すると、2系の送信系統が正常であると判断し(S16)、2系の送信系統に属する送信スイッチ部37−2へのスイッチ信号出力タイミングを監視し(S17)、休止中であれば(S18)、切換え指示信号を系切換器38に送出し(S19)、2系の送信系統に切換え、発信部36−2から発信される送信パルスを送信アンテナ39から発射する。
【0052】
一方、センサ受信部4の論理部44における比較演算部56及び論理処理部52は図7に示すような処理を実行する。
【0053】
センサ送信部3においては、何れかの発信部36−1又は36−2から所定周期幅(例えば1msないし100ms)毎に送信アンテナ39を通して送信パルスを発射している。
【0054】
センサ受信部4の受信アンテナ部45は、送信パルスを受信し、分配器61で2つの受信系統に分配し、バンドパスフィルタ62−1,62−2を通して対応する1系及び2系検波部63−1,63−2に送出する。ここで、各系の検波部63−1,63−2は、最終的に所定帯域周波数の受信信号を抽出し、論理部44に渡す。
【0055】
論理部44の各系に対応するAC/DC信号変換部55−1,55−2は、それぞれ検波されたアナログ受信レベルをデジタル受信信号に変換し、比較演算部56に送出する。比較演算部56は、変換された各系のデジタル受信信号のレベルを算出し、順次データ記憶部57の所定領域に記憶するとともに、例えば25回の受信データレベルのうち、上下10個の受信データを除いた残りの受信データの平均化処理を行って平均値x0を求める。そして、最終的に受信レベルS0=20×log10(x0)を算出する。
【0056】
比較演算部56は、以上のようにして1系及び2系の受信レベルを算出した後、これら両受信レベルを比較し、その比較結果を出力し、論理処理部52に送出する。ここで、論理処理部52は比較結果から受信レベルの大きい系の受信レベルを選択し、航空機の検知処理に使用する。
【0057】
従って、以上のような実施の形態によれば、航空機検知センサとして、センサ送信部3とセンサ受信部4とで対を構成し、センサ送信部3は、2つの交流電源電圧をそれぞれ直流電源電圧に変換してOR出力することにより、送信制御する論理部22の利用に供するので、何れか1つの電源故障によって他の電源に切換えても切換えノイズを発生させずに論理部22に給電できる。センサ送信部3を構成する送信アンテナ部23は、それぞれ発信部36−1,36−2を有する第1,第2送信系統を備え、1系レベル検定部40−1及び2系レベル検定部40−2で検定される発信部36−1,36−2の出力レベルのうち、規定値以下の出力レベルを監視し、故障と判断すると共に、他の送信系統の発信部送信パルス信号を選択し送信するので、常に送信系統の状態を監視しつつ最適な状態で送信パルス信号を送信できる。
【0058】
また、センサ受信部4は、センサ送信部3と同様に2つの交流電源電圧をそれぞれ直流電源電圧に変換してOR出力することにより、センサ送信部3と同様な効果を奏する他、受信アンテナ60で受信された送信パルスビームを分配器61で分配した後、レベルの高い受信レベルを選択し必要な処理に利用するので、比較的精度よく航空機を検知することが可能である。
【0059】
(第2の実施の形態)
本発明に係る停止線灯における航空機検知処理装置の第2の実施の形態について図2、図8及び図9を参照して説明する。なお、図2に示すセンサ送信部3の構成については前述した通りである。すなわち、各系の発信部36−1,36−2からは図8(a)に示すような信号が発信され、送信スイッチ部37−1,37−2を介して送信アンテナ39から発射される。
【0060】
そこで、論理処理部31では、同図(b)で示すごとく送信スイッチ部371,372を一定の周期幅毎に規定のパルス幅で駆動することにより、図7の上段ないし図8(b)で示すような送信パルス信号を発射する。その結果、論理処理部31としては、予めデータ記憶部57等に設定される周期やパルス幅で駆動するが、例えば当該周期やパルス幅を適宜変更するか、予め特定の条件のもとに異なる周期やパルス幅を設定しておけば、天候の変化、航空機の形状等に合わせて送信パルス信号を発射することが可能であり、ひいては確実に検知可能な送信パターンの調整を行うことが可能である。
【0061】
例えば論理処理部31による通常のスイッチ駆動信号は、図8(b)ないし図9(a)のような周期で駆動するが、例えばテスト中などの場合には通常の周期の1/nにより駆動すれば、各送信スイッチ部37−1,37−2の出力は1/nとなり、それに伴って受信レベルも低下するので、模擬的に検知状態を確認することが可能である。因みに、前述した周期は1ms〜100msのオーダとし、また、パルス幅は周期/10〜周期/1に設定するものとする
この実施の形態によれば、常時所定の周期及びパルス幅で送信スイッチ部37−1,37−2を駆動するが、天候等やテスト状態に応じて適宜に周期及びパルス幅を変更して送信スイッチ部37−1,37−2を駆動することにより、安定、かつ確実に航空機を検知可能な状況を作り出すことができる。
【0062】
(第3の実施の形態)
本発明に係る停止線灯における航空機検知処理装置の第3の実施の形態について図3、図10〜図13を参照して説明する。なお、図3に示すセンサ受信部4については前述した通りである。すなわち、センサ受信部4の論理処理部52は、1系検波部63−1及び2系検波部63−2で検波されたアナログ信号をデジタル化した受信レベルに変換する。ここで、比較演算部56を含む論理処理部52は、一回の送信周期に対し、所定のタイミング周期T0,T1,…,T39で受信レベルを取り込んでデータ記憶部57に一次保存し、予め定める規定回nにわたって取り込んだ受信レベルを積算し、この積算値を一回の受信レベルとしてデータ記憶部57に保存する。つまり、送信周期を例えば40分割し、均等化された各受信レベルを規定回nにわたって足し込む。そして、n回足しこむことにより、スパイクノイズ的な一過性の変動が無視できるようにする。この一連の処理は送信周期ごとに繰り返し実施する。図10に示す処理例としては、例えば25回繰り返す。
【0063】
以上のようにして収集された受信レベルは、図11に示すように論理処理部52のフィルター処理により、上位受信レベル20%、下位受信レベル20%を異常値として破棄し、残りのデータの積算値の平均値から受信レベルX0を求める。そして、当該受信レベルX0を用いて、20×log10(X0)によって受信レベル[dB]S0(短周期データ)を算出し、航空機の検知処理に使用される。
【0064】
このような処理により、例えば受信レベルが正規分布であると仮定すると、標準偏差における1Σが68%であることから、前述するように60%の受信レベルを使用することにより、正規の値として取り扱うことができる。
【0065】
ところで、論理処理部52は、以上のようにして得られた短周期の受信レベルと予め定めるしきい値とを用いて、航空機6有無の検知を行うが、同時に当該しきい値は航空機6の不在の受信レベルにも用いられる。
【0066】
しかし、特に航空機6無し時の受信レベルは、周囲温度,天候等に影響されることが多く、それに伴ってしきい値も定期的に更新する必要がある。つまり、しきい値を採用するに対しては、長期間安定したしきい値データを採用する。
【0067】
論理処理部52は、図12に示すようにフィルター処理により得られた受信レベルをx分間オーダ(例えば1000回以上)にわたって取得し、この取得された受信レベルがしきい値から一定範囲(±αdB)内にある場合に限って最新のしきい値を得るために採用し、過去のしきい値との移動平均を実施し、新規なしきい値(長周期データ)として採用する。図12の右側に示すように、一定範囲(±α)外となった受信レベルは破棄し、最新のしきい値を取得するために使用しない。
【0068】
すなわち、論理処理部52は、±αdB範囲内のx分間の受信レベルの平均値A0を最新しきい値として採用し、データ記憶部57に履歴として保存し、常に最新のしきい値を用いて移動平均することにより、新規しきい値Avrを取得する。
【0069】
そこで、論理処理部52は、フィルター処理によって得られた受信レベルS0(短周期データ)と前述した移動平均によって求められた新規しきい値(長周期データ)とを用いて航空機6の有無を検知するが、図13に示すように移動平均によるしきい値自体が変化するので、受信レベルS0と移動平均によるしきい値との差が所定値β(=10〜20dB)以上あったとき、航空機6の有りと検知する。なお、図13に示す各受信レベルS0の位置は受信レベルのサンプリング位置を示す。
【0070】
なお、しきい値との差は、絶対値で行い、β以上受信レベルS0が大きい場合とβ以上受信レベルS0が小さい場合、双方とも受信レベルから航空機検知と判断する。そして、一旦航空機検知と判断された場合、一定時間(例えば1分間)の間,検知状態を保持する。
【0071】
従って、このような実施の形態によれば、航空機6無し時のx分間オーダにわたって取得された受信レベルがしきい値から一定範囲(±αdB)内にある場合に限って最新のしきい値とし、過去のしきい値との移動平均を行って新規なしきい値を取得するので、周囲環境の変化に応じてしきい値を変えつつ、受信レベルと比較するので、周囲環境の変化に対しても正確に航空機6の有無を検知できる。
【0072】
(第4の実施の形態)
本発明に係る停止線灯における航空機検知処理装置の第4の実施の形態について、図14及び図15を参照して説明する。
【0073】
通常、航空機検知センサは路面から1m以内の高さに設置されるのが一般的である。かかる設置条件下において、センサ送信部3とセンサ受信部4との設置間隔が130mとした場合、論理部22及び送信アンテナ部23を収納したセンサ送信部3から発射された送信パルスビームの約半分は路面に衝突する。その結果、センサ受信部4の受信アンテナ部45には送信アンテナ部23から直接入射する送信パルスビーム以外の乱反射されてくる他のパルスビームも多く入り込んでくる。
【0074】
よって、乱反射などによる間接パルスビームの入射を避ける必要があり、さらに地域によっては雪の付着や雨等の影響を避ける必要が出てくる。
【0075】
そこで、センサ送信部3及びセンサ受信部4としては、図15に示すように、地面等の乱反射保護を含んで雪,雨等の影響を避けるために、送信アンテナ部23,受信アンテナ部45に保護枠カバー23が取り付けられる。保護枠カバー23の上下ひさし長さは、使用する周波数λの5倍以上の奇数倍の長さのものを用いることにより、ノイズを除去できるとともに、地面等の乱反射による妨害波の影響を避ける。保護枠カバー23としては、電波を遮断する性能を有する金属素材で形成され、例えば上側ひさしの長さは9λ、下側ひさしの長さは5λとする。
【0076】
このような構成とすることにより、地面等からの乱反射を避ける岳でなく、雪の付着や雨等の影響を避けることができる。
【0077】
(第5の実施の形態)
本発明に係る停止線灯における航空機検知処理装置の第5の実施の形態について図3及び図16を参照して説明する。
【0078】
空港においては、航空機検知センサが複数組設置され、各センサ送信部3及び各センサ受信部4が風の力を受けて揺れる場合がある。その結果、各センサ送信部3から発射される送信パルスは空中にて定在波が形成される。空中で定在波が形成されると、λ/2毎に送信波の届かない空間位置が存在する。よって、定在波の谷となる部分では、受信レベルが著しく低くなり、航空機6無しの平常時であっても、センサ受信部4に生じる振動によって検知有りの状態となる可能性あり、検知精度に対する信頼性の低下を招くことが考えられる。
【0079】
そこで、図3では、1つの受信アンテナ60から分配部61を介して2つの検波部63−1,63−2に分配していたが、本実施の形態では、図16に示すように2つの受信アンテナ60−1,60−2を用意し、これら受信アンテナ60−1,60−2を誘導路1,滑走路2と直交する方向にλ/2の距離だけずらして設置すれば、空中で定在波が形成される状態が発生しても、何れかの受信アンテナ60−1又は60−2で安定した状態で受信できる。
【0080】
このような実施の形態によれば、受信アンテナ部45に送信アンテナ39との受信距離が異なる2つの受信アンテナ60−1,60−2を設置することにより、各センサ送信部3及び各センサ受信部4が風によって揺れる状態が発生しても、送信アンテナ39から発射される送信パルスビームを安定に受信することが可能となる。
【0081】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る停止線灯における航空機検知処理装置を適用した停止線灯システムの一例を示す全体構成図。
【図2】図1のセンサ送信部の構成を示す図。
【図3】図1のセンサ受信部の構成を示す図。
【図4】図2ないし図3に示す電源部のより詳細な構成図。
【図5】電源部内の電源監視部の監視処理例を説明する図。
【図6】センサ送信部の論理処理部における送信系の切換え処理を説明するフローを示す図。
【図7】センサ受信部の論理処理部における受信系の切換え処理を説明するフローを示す図。
【図8】送信センサ部の論理処理部におけるスイッチ駆動及び駆動による送信パルスの出力状態を説明する図。
【図9】送信センサ部の論理処理部におけるスイッチ駆動による通常送信出力とテスト送信出力を説明する図。
【図10】受信アンテナで受信された受信レベルの積算処理例を説明する図。
【図11】図10による複数回の受信レベル積算値から上位及び下位を破棄して平均値を求めて最適な受信レベルを取得する例を説明する図。
【図12】受信レベルと比較するためのしきい値の算出処理例を説明する図。
【図13】移動平均して求める変化したしきい値と受信レベルとに基づいて航空機の検知処理を行う例を説明する図。
【図14】航空機検知センサの設置形態とセンサ送信系から発射される送信パルスの影響との関係を説明する図。
【図15】航空機検知センサの路面反射及び気候条件の影響を回避する保護対策を説明する図。
【図16】航空機検知センサの揺れによって形成される定在波の発生による受信レベルの影響を回避するためのアンテナ設置例を示す図。
【符号の説明】
【0083】
1…誘導路、2…滑走路、3…センサ送信部、4…センサ受信部、5…停止線灯、6…航空機、7…情報処理装置、8…信号伝送装置、9…情報ネットワーク、10…監視制御装置、11…灯火監視センタサーバ、21…電源部、22…論理部、23…送信アンテナ部、25−1,25−2…方向性半導体素子、26−1,26−2…電源監視部、31…論理処理部、36−1,36−2…発信部、37−1,37−2…送信スイッチ部、38…系切換器、39…送信アンテナ、40−1,40−2…レベル検定部、43…電源部、44…論理部、45…受信アンテナ部、47−1,47−2…方向性半導体素子、48−1,48−2…電源監視部、52…論理処理部、56…比較演算部、57…データ記憶部、60…受信アンテナ、61…分配器、63−1,63−2…検波部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空港に設置される停止線灯の点灯・消灯制御を行う停止線灯制御システムにおいて、
前記空港の誘導路と滑走路との交差点付近に相対するようにセンサ送信部とセンサ受信部とを設置し、
前記センサ送信部は、電源部と論理部と送信アンテナ部とで構成され、
前記電源部は、2つの交流電源電圧をそれぞれ直流電源電圧に変換する2つのAC/DC電源変換部と、これらAC/DC電源変換部で変換された直流電源電圧をOR出力して前記論理部に供給する2つの方向性半導体素子とを有し、
前記送信アンテナ部は、2つの発信部から発信する送信パルスを系切換器を通して送信アンテナから空中に発射する2つの送信系統と、各発信部から発信される送信パルスの出力レベルを検定する2つのレベル検定部とを有し、
前記論理部は、前記2つのレベル検定部で検定される出力レベルに基づき、前記系切換器に系切換え指示信号を送出し、何れか1つの送信系統に切換えて送信パルスを送信可能にする論理処理部を有することを特徴とする航空機検知処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の航空機検知処理装置において、
前記センサ受信部は、電源部と論理部と受信アンテナ部とで構成され、
前記電源部は、2つの交流電源電圧をそれぞれ直流電源電圧に変換する2つのAC/DC電源変換部と、これらAC/DC電源変換部で変換された直流電源電圧をOR出力して前記論理部に供給する2つの方向性半導体素子とを有し、
前記受信アンテナ部は、受信アンテナから入力される送信パルスビームを分配器で分配した後にそれぞれバンドパスフィルタを通して対応する検波部に導く2つの受信系統を有し、
前記論理部は、前記2つの検波部で検波された受信レベルのうち、高い受信レベルの前記受信系統の受信レベルを取得する論理処理部を有する構成を、さらに付加したことを特徴とする航空機検知処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の航空機検知処理装置において、
前記送信アンテナ部は、送信パルスを発信する2つの発信部の出力側にそれぞれ導波管への入り切り可能な送信スイッチ部を介して前記系切換器に接続し、
前記センサ送信部の前記論理部は、通常時は所定周期ごとに所定のパルス幅の送信パルスを送信するように前記送信スイッチ部を駆動し、テスト時は前記所定周期の1/n(nは1よりも大きい整数)の周期ごとに所定のパルス幅の送信パルスを送信するように前記送信スイッチ部を駆動することによって見かけ上の送信パルスの出力を低下させて模擬的に検知状態を作り出すことを特徴とする航空機検知処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の航空機検知処理装置において、
前記センサ受信部の前記論理部は、前記検波部で検波された受信レベルを規定回数積分した積分データとするとともに、複数の積分データを所定の割合で上下の積分データを除去することによって得られるデータを短周期データとし、この短周期データを一定期間蓄えることによって得られる長周期データを記憶し、これら長周期データの移動平均によってしきい値を決定し、このしきい値と前記短周期データとの差から移動体有無を検知することを特徴とする航空機検知処理装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の航空機検知処理装置において、
前記センサ送信部及びセンサ受信部は、使用周波数の奇数倍長の長さを有する金属素材で形成されたひさしを備えた保護枠カバーを装着し、上方からの雨,雪及び下方からの路面反射波の影響を回避することを特徴とする航空機検知処理装置。
【請求項6】
請求項2に記載の航空機検知処理装置において、
前記受信アンテナ部は、前記センサ送信部の方向にλ/4波長ずらした2つの受信アンテナを設け、前記分配器を通さずに直接対応する前記バンドパスフィルタに導くことにより、風力等によって前記センサ送・受信部が揺れた場合でも安定な受信レベルを受信することを特徴とする航空機検知処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−314041(P2007−314041A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−145629(P2006−145629)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】