説明

健康器具

【課題】刺激箇所を良好に刺激することができるとともに、刺激箇所の変更が容易で、また、例えば、デスクワークや自動車の運転をしながらでも使用が可能な健康器具を提供する。
【解決手段】木製の2個の球体10を、湾曲可能な連結部材によって連結する。球体10には、十字状に貫通孔10a,10bを穿設する。貫通孔10a,10bの4箇所の入口近傍に、マイナスイオンを発生させるマイナスイオンボール13とネオジム磁石12とを配設して、これらを粘土性硬化物14によって固める。ネオジム磁石12によってフェライト磁石11を磁気的に保持する。フェライト磁石11は、表面が、球体10の表面から出っ張らないようにして、人体に直接、当たることを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁力線,遠赤外線,マイナスイオンのいずれかを発生させる発生源を有する球体を、人体のつぼに押し当てて刺激する健康器具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、磁力線を発生させるチップを人体に貼り付けて、磁力線によって血流を良くしたりすることで健康を増進させる器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、人体のつぼを刺激する健康器具が種々、提案されているが、これらは、専用の保持具を使用して、人体の特定な部分に取り付けたり、あるいは手でもって使用者が患部に押し当てたりするものである。
【特許文献1】特開2001−112875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のものは、チップを人体に貼り付けて使用するため、刺激箇所(貼り付け部分)を簡単に変更することができない。
【0005】
一方、専用の保持具を使用するものも、被治具の取り付け直しが必要となるため、簡単には刺激箇所を変更することができず、また手で持って使用するものは、刺激箇所の変更は容易であるものの、仕事(例えば、デスクワーク)をしながらの使用は困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、刺激箇所を良好に刺激することができるとともに、刺激箇所の変更が容易で、また、例えば、デスクワークや自動車の運転をしながらでも使用が可能な健康器具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、人体に押し当ててつぼを刺激する健康器具に関する。この発明に係る健康器具は、表面に凹部を有し、人体のつぼに押し当てられる2個の球体と、前記2個の球体が人体の背骨の両側に位置するつぼにそれぞれ対応するように球体を連結する湾曲可能な棒状の連結部材と、前記凹部に埋設されて、磁力線,遠赤外線,マイナスイオンのいずれかにより人体に良好な作用をなす発生源と、を備えた、ことを特徴としている。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る健康器具において、前記球体が木製である、ことを特徴としている。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る健康器具において、前記発生源は、表面が前記球体の表面よりも内側に位置するように埋設されている、ことを特徴としている。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る健康器具において、前記凹部が、前記球体の断面のうち、前記連結部材に直交する断面で、かつ前記球体の直径を含む断面上に形成される周方向に沿って複数形成され、前記複数の凹部のそれぞれに前記発生源が配設されている、ことを特徴としている。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に係る健康器具において、前記連結部材は、前記2個の球体を連結する、弾性を有する芯材と、前記芯材における前記2つの球体の間に位置する部分に嵌められた複数の回転体とを有する、ことを特徴としている。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る健康器具において、前記複数の回転体のうちの少なくとも1個が前記発生源である、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によると、球体を人体のつぼに押しつけることにより、つぼを刺激することができる。また、球体の凹部に埋設された発生源により、磁力線、遠赤外線、マイナスイオンのいずれかを発生させて、人体に良好な作用をなすことができる。
【0014】
請求項2の発明によると、球体が木製であるので、例えば、球体が金属製や硬質の合成樹脂製等の場合と比較して、球体を人体のつぼに押しつけた際に、柔らかく当接する。
【0015】
請求項3の発明によると、球体よりも硬い発生源が直接人体に押圧されることがない。
【0016】
請求項4の発明によると、発生源が人体に当接されやすい。
【0017】
請求項5の発明によると、連結部材は、弾性を有する芯材に複数の回転体を嵌めることで、湾曲可能に構成されている。
【0018】
請求項6の発明によると、連結部材の一部が発生源となるので、ここからも磁力線、遠赤外線、マイナスイオンのいずれかが発生する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づき詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同じ構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
<実施形態1>
【0020】
図1〜図7を参照して、本発明に係る健康器具1について説明する。このうち図1は、健康器具1の全体を示す斜視図である。ただし、発生源としてのフェライト磁石11は、取り外した状態を示している。図2は、2個の球体10を連結部材20で連結する方法を説明する図である。図3(a)は、図2のA−A線矢視図であり、(b)は、図2中の球体10の断面図と同じ位置の断面図である。図4は、芯材21の端部を説明する図である。図5は、人体Mの背中側のつぼを説明する図である。図6は、自動車の運転中における健康器具1の使用例を説明する図である。図7は、デスクワーク中における健康器具1の使用例を説明する図である。
【0021】
図1〜図4に示すように、健康器具1は、2個の球体10と、これらを連結する連結部材20とを備えている。球体10は、本実施形態では、木材によって形成されていて、例えば、檜の無垢材が使用されている。球体10は、ほぼ球形に形成されていて、連結部材20に直交する断面で、かつ球体10の直径を含む断面上に形成される周方向に沿って、2つ(複数)の貫通孔10a,10bが形成されている。これら2つ貫通孔10a,10bは、それぞれの中心において相互に直交している。すなわち、これら貫通孔10a,10bは、図3(a)に示す状態においては、十字形を構成している。これら貫通孔10a,10bの4つの入口には、本実施形態では、磁力線を発生させる発生源としてのフェライト磁石(異方性フェライト永久磁石)11が配置されている。フェライト磁石11の表面は、球面状に形成されていて、この表面は、球体10の表面よりも内側に位置するように配置されている。つまり、フェライト磁石11の表面は、球体10の表面よりも窪んだ位置に配置されていて、健康器具1で人体Mのつぼを刺激する際に、木製の球体10よりも固いフェライト磁石11が直接、人体Mに触れないようにしている。フェライト磁石11の裏面は、平面状に形成されていて、円板状のネオジム磁石12によって磁気的に保持されている。ネオジム磁石12は、貫通孔10a,10bのほぼ充填された粘土性硬化物14に埋め込まれた状態で保持されていて、表面側(フェライト磁石11側)を露出させている。この露出された表面側に、フェライト磁石11の裏面が磁力によってくっつけられている。つまり、フェライト磁石11は、ネオジム磁石12及び粘土性硬化物14によって形成された凹部10d(図3(a)参照)に埋設されていることになる。粘土性硬化物14におけるネオジム磁石12のすぐ裏面側には、球状のマイナスイオンボール13が粘土性硬化物14に埋め込まれた状態で配設されている。マイナスイオンボール13は、人体に好適なマイナスイオンを発生させるものである。図2に示すように、2個の球体10における相互に対向する部分には、半球状の凹部10eが形成され、また、これとは反対側には、円筒状の凹部10cが形成されている。これら凹部10e,10cは、次に説明する連結部材20によって2個の球体10を連結するためのものであり、これら凹部10e,10cは、球体10の中心を通る細い孔10fによって連通されている。
【0022】
連結部材20は、弾性を有する芯材21と、この芯材21に嵌められた複数の回転体22〜25とを有している。ここで、回転体22〜25とは、平面図形を1つの軸を中心に回転させたときに形成される立体のことをいう。本実施形態では、例えば、球や、球を1つの直径方向に伸ばした形状がこれに相当する。芯材21は、例えば、直径0.7mm程度のピアノ線を使用すると、丈夫で適度な弾性があるので好適である。図2に示すように、芯材21は、2個の球体10の間に位置する部分に複数の回転体22〜25が取り付けられ、端部側の部分が球体10の中心の細い孔10fを貫通し、端縁21aが凹部10cに配置された抜け止め21aに貫通された後、3mm程度屈曲されている。回転体22〜25は、いずれも中心に芯材21が貫通する細い孔(不図示)が穿設されている。回転体22〜25のうち、例えば、回転体22,23は、マグネットによって構成することで、磁力線を強めることができる。また、回転体24,25は、木製とし、外側の回転体25の外半分を、球体10の半球状の凹部10eに押し当てるようにする。回転体25を、球体10を形成する檜の無垢材よりも硬い材質の木材で形成することにより、球体10に芯材21が食い込まないようにして、球体10を保護している。また、2個の回転体24のうちの一方を、2つ割に構成している。これにより、芯材21に他の回転体22,23,25等を所定の位置に配置した状態で、最後に2つ割の回転体24で芯材21を挟み込んで接着することで、連結部材20を完成する。これにより、連結部材20全体は、適度な弾性を有し、また、適度に湾曲することが可能となる。連結部材20は、これを曲げようとする力が作用すると、隣接する回転体の間で、芯材21が延びようとするので、これにより芯材21に張力が発生して、弾性を発揮することになり、また、適度な湾曲が可能となる。
【0023】
上述の健康器具1は、図5に示す人体Mの、例えば、背骨Bを基準として左右に振り分けられている、経絡上のつぼTに対応するように、球体10及び連結部材20が構成されている。このため、図6に示すように、自動車を運転中に、人体MとシートSの背もたれとの間に挟み込んで、運転をしながら人体Mのつぼを刺激するのに好適である。つぼTを刺激することで、経絡を流れる気血の流れを安定化させることができる。また、首とヘッドレストHとの間に挟み込んで、首を刺激することもできる。また、例えば、太腿の裏面側と、シートSの座部との間に挟み込んで、太腿の裏面側を刺激することも可能である。さらに、図7に示すように、椅子に座ってのデスクワーク中に、人体Mと椅子Cの背もたれとの間に挟み込んで、デスクワークをしながら人体Mのつぼを刺激するのに好適である。また、例えば、太腿の裏面側と、椅子Cの座部との間に挟み込んで、太腿の裏面側を刺激することも可能である。また、図8に示すように、電車、バス、飛行機等による長時間の移動中に、人体MとシートSとの間に健康器具1を挟み込むことで、つぼを刺激することができる。本発明に係る健康器具1は、2個の球体10を連結部材20によって連結して構成しているため、上述のように、人体Mの背中とシートS又は椅子Cとの間に挟み込んだ際に、球体10の一部が、シートSもしくは椅子C側、又は人体M側にめり込むので、人が多少、姿勢を変化させた場合であっても、ほぼそのままの位置を保持して、脱落しにくい。また、健康保持具1の位置を、積極的に代える場合には、従来例とはことなり、健康保持具1が人体Mに貼り付けられていたり、保持具によって保持されていたりしないので、姿勢を変えるだけで簡単に位置を移動させることができる。
【0024】
以上の実施形態では、発生源としてのフェライト磁石11が、球体10の周方向を4等分する位置に配置されているので、球体10が人体に押し当てられた際に、これら4個のフェライト磁石11のうち、少なくとも1つは、人体Mに近接した位置に配置されるので、フェライト磁石から発生される磁力線の効果を有効に発揮させることができる。なお、以上では、フェライト磁石11を、球体10の周囲を4等分する位置のそれぞれに配置した例を説明したが、これに代えて、6等分や8等分する位置のそれぞれに配設するようにしてもよい。
【0025】
また、以上の説明では、発生源として、フェライト磁石11を選択した場合を例に説明したが、これに変えて、遠赤外線を発生させる鉱石や、マイナスイオンを発生させるものを使用することが可能である。また、発生源としてこれらを適宜に組み合わせて配設したり、連結部材20の回転体22〜24にこれらを使用するようにしてもよい。
【0026】
また、連結部材20としては、上述の構成に代えて、適度な弾性を有する棒状の合成樹脂によって構成することも可能である。
【0027】
また、球体10として、木製のものを例に説明したが、これに代えて、例えば、軟質のゴム等によって形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】健康器具の全体を示す斜視図である。
【図2】2個の球体を連結部材で連結する方法を説明する図である。
【図3】(a)は図2のA−A線矢視図であり、(b)は図2中の球体の断面図と同じ位置の断面図である。
【図4】芯材の端部を説明する図である。
【図5】人体の背中側のつぼを説明する図である。
【図6】自動車の運転中における健康器具の使用例を説明する図である。
【図7】デスクワーク中における健康器具の使用例を説明する図である。
【図8】電車、バス、飛行機等による長時間の移動中における健康器具の使用例を説明する図である。
【符号の説明】
【0029】
1 健康器具
10 球体
10d 凹部
11 フェライト磁石(発生源)
20 連結部材
21 芯材
22〜25 回転体
M 人体
T つぼ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に押し当ててつぼを刺激する健康器具において、
表面に凹部を有し、人体のつぼに押し当てられる2個の球体と、
前記2個の球体が人体の背骨の両側に位置するつぼにそれぞれ対応するように球体を連結する湾曲可能な棒状の連結部材と、
前記凹部に埋設されて、磁力線,遠赤外線,マイナスイオンのいずれかにより人体に良好な作用をなす発生源と、を備えた、
ことを特徴とする健康器具。
【請求項2】
前記球体が木製である、
ことを特徴とする請求項1に記載の健康器具。
【請求項3】
前記発生源は、表面が前記球体の表面よりも内側に位置するように埋設されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の健康器具。
【請求項4】
前記凹部が、前記球体の断面のうち、前記連結部材に直交する断面で、かつ前記球体の直径を含む断面上に形成される周方向に沿って複数形成され、
前記複数の凹部のそれぞれに前記発生源が配設されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の健康器具。
【請求項5】
前記連結部材は、前記2個の球体を連結する、弾性を有する芯材と、
前記芯材における前記2つの球体の間に位置する部分に嵌められた複数の回転体とを有する、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の健康器具。
【請求項6】
前記複数の回転体のうちの少なくとも1個が前記発生源である、
ことを特徴とする請求項5に記載の健康器具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−142607(P2009−142607A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325966(P2007−325966)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(507413387)
【Fターム(参考)】