説明

健康管理支援装置、健康管理支援システムおよび健康管理支援プログラム

【課題】健康行動への動機付けを提案する。
【解決手段】健康管理支援システムは、ユーザについて測定された2種以上の身体的情報を測定時間データとともに受理する通信部と、受理した2種類以上の身体的情報を、所定ルールに従って、両者の関連性に基づいた分析をするためのエンジン部4と、分析の結果に基づき、アドバイスを生成するアドバイス生成部と、生成されたアドバイスを出力する出力部16と、を備える。所定ルールを格納する知識ファイル群5と、分析を実行するためのエンジン部4とは独立して備えられる。アドバイス生成部は、第1の所定期間において測定された2種以上の身体的情報の分析によって、目標達成度を知らせるためのアドバイスを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は健康管理支援装置、健康管理支援システムおよび健康管理支援プログラムに関し、特に、ユーザ側から収集した身体的情報、生活態様に関する情報を分析し、分析結果に基づく健康管理のアドバイスを提供する健康管理支援装置、健康管理支援システムおよび健康管理支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年は健康志向の傾向が強くなり、ネットワークに接続できる健康機器からのアップロード情報や、インターネットを介して入力される日々の生活記録などを基にサーバ装置により分析し、健康行動に関してユーザにナビゲート(案内・アドバイス)する技術の提供に関心がもたれている。
【0003】
自分で健康管理することを支援するシステムにおいては、生活習慣改善の具体的方法や技術を提供することは、行動変容を促す一つの方法として重要な要素となっている。従来の、人が介在しない全自動型の健康管理支援システムにおいては、定期的に実施する質問とアドバイス、ユーザによる健康情報の検索、健康機器データなどのモニタリング(記録とグラフ表示)機能などで支援を行ってきたが、測定データの手入力による精度上の課題や、システムによる支援介入頻度の少なさや、個別化しての情報提供の限界や、ユーザデータを活用した適切なタイミングでの行動変容支援という面での難しさがあった。
【0004】
従来の、データ活用によるアドバイス提供を行うシステムやその方法としては、(1)生体情報分析による予測変化パターンの提供が提案されている(特許文献1)。(2)ユーザへ提示した栄養管理情報や健康食品に基づく健康増進実施の効果を、日常の健康情報を時系列データ解析することにより確認できるシステムが提案されている(特許文献2)。(3)一定期間の生活習慣データの平均値と傾向(傾き)を観察して、習慣改善に対する患者の意識を評価してアドバイスすることで、医師からのアドバイスをフォローアップするシステムや方法が提案されている(特許文献3)。
【0005】
取分け、健康面で関心が高い体重管理では、朝と夜の体重測定で得られる「朝から夜に増える体重」と「夜から朝に減る体重」をパターン化し、そのパターン発現頻度から減量サポートする方法が、朝晩ダイエット法として一般的に知られている。また、朝晩体重差による一般的な減量サポートにおいては、「朝から夜に増える体重」と「夜から朝に減る体重」を、経験値から500〜600g程度、あるいは、現体重の0.7%程度を基準として扱っている。
【0006】
従来の体重計または体組成計における体重測定で、日内体重変化の表示方法としては、(1)体重測定時刻と同時刻に測定された過去データから比較の対象となる基準データを作成し、その基準データとの比較結果を表示する、また測定日の日内変動と比較して、体重が増加傾向にあるか減少傾向にあるかを表示する方法が提案されている(特許文献4)。(2)同日内の体重測定値の変動幅が、所定の基準幅以内であるかを判定するとともに、所定期間内におけるその判定日の割合を表示する方法が提案されている(特許文献5)。
【0007】
また、従来の指導支援システムにおける日々の体重入力での減量サポート方法としては(3)入力された日々の体重と日々のエネルギー増減量、および基準日からの体重変化のパターン適合度により、減量予測や減量停滞期の検出などを行いアドバイスをおこなう方法が提案されている(特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−319283号公報
【特許文献2】特開2006−244018号公報
【特許文献3】特開2007−34744号公報
【特許文献4】特開2005−218582号公報
【特許文献5】特開2008−304421号公報
【特許文献6】特開2008−33909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような従来の生活習慣改善のための行動変容支援においては、依然として、システムからの積極的(アクティブ)な情報提供とはなっていない、アドバイスも注意喚起程度で行動変容に結びつくものとなっていない、データ分析が一般的なもの(時間軸)となってしまっている、アドバイスのタイミングの面でユーザの利便性を考慮していない、などの課題が残る。
【0010】
また、従来の体重計または体組成計を用いた体重管理では、依然として、自分の体重変動パターンをベースとしたデータ管理となっていない、自分の体重変動パターンであっても、それを認識することができない、一定期間(1週間など)の生活サイクルと関連させて日々の体重変化をみることができない、など、減量や体重コントロールの動機付けが弱いままとなっていた。
【0011】
また、上述の従来技術では、体重などの身体的情報を分析するための手順(ルールなど)と、当該手順を参照して分析処理を実行する部分とを独立して備えるという構成ではないために、分析の手順のみに限定して更新(追加・変更)することができず、分析するための手順の改変が容易ではない。
【0012】
それゆえに、この発明の目的は、健康行動への動機付けを提案する健康管理支援装置、健康管理支援システムおよび健康管理支援プログラムを提供することである。
【0013】
また、この発明の他の目的は、分析するための手順を容易に改変することが可能な健康管理支援装置、健康管理支援システムおよび健康管理支援プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明のある局面に従うと、健康管理支援装置は、ユーザについて測定された2種以上の身体的情報を測定時間データとともに受理する手段と、受理した2種類以上の身体的情報を、所定ルールに従って、両者の関連性に基づいた分析をするための分析手段と、分析の結果に基づき、アドバイスを生成するアドバイス生成手段と、生成されたアドバイスを出力するアドバイス出力手段と、を備える。分析手段は、所定ルールを格納する知識ファイルと、分析を実行するためのエンジン部と、を含む。アドバイス生成手段は、第1の所定期間において測定された2種以上の身体的情報の分析によって、目標達成度を知らせるためのアドバイスを生成する。
【0015】
好ましくは、第2の所定期間において測定された2種以上の身体的情報の分析によって、目標達成を可能にするための前記アドバイスを生成する。
【0016】
好ましくは、分析手段は、2種以上の身体的情報について、所定の測定期間毎に、時間経過に従う変化を分析する。
【0017】
好ましくは、所定の測定期間は、日単位、週単位または月単位を含む。
好ましくは、アドバイス生成手段は、分析手段により分析された時間経過に従う変化点に対応のアドバイスを生成する。
【0018】
好ましくは、アドバイス生成手段は、分析手段により分析された時間経過に従い検出された所定の特徴に対応のアドバイスを生成する。
【0019】
好ましくは、分析手段は、2種類以上の身体的情報と、身体的情報とは異なる種類の情報を、所定ルールに従って、両者の関連性に基づいた分析をするための手段を含む。
【0020】
好ましくは、ユーザの体重データを測定時刻データとともに受理する手段と、測定時刻データに基づき、体重データは、朝時間帯または夜時間帯に測定された体重データであるか否かを判定する判定手段と、判定手段により、朝時間帯または夜時間帯に測定された体重データの、一定期間の朝夜体重変化量を時系列に従って演算する演算手段と、演算結果に基づき、所定アドバイスを生成する所定アドバイス生成手段と、生成された所定アドバイスを出力するアドバイス出力手段と、をさらに備える。
【0021】
好ましくは、演算手段は、朝夜体重変化量を曜日ごとに累積する手段を含む。
好ましくは、演算手段は、朝夜体重変化量のばらつきを算出する手段を含む。
【0022】
好ましくは、一定期間に測定された体重データに基づく朝夜体重変化量に基づき、「朝から夜に増える体重」と「夜から朝に減る体重」を度数分布化して出力する手段を、さらに備える。
【0023】
好ましくは、一定期間に測定された体重データに基づく朝夜体重変化量に基づき、曜日毎に「朝から夜に増える体重」と「夜から朝に減る体重」を度数分布化しグラフ表示する手段を、さらに備える。
【0024】
この発明の他の局面に従うと、サーバ装置と、ユーザについて測定された2種以上の身体的情報を測定時間データとともにサーバ装置に送信し、サーバ装置から受信する情報を出力する情報端末と、を備える健康管理支援システムであって、サーバ装置は、情報端末から、2種以上の身体的情報を測定時間データとともに受理する手段と、受理した2種類以上の身体的情報を、所定ルールに従って、両者の関連性に基づいた分析をするための分析手段と、分析の結果に基づき、アドバイスを生成するアドバイス生成手段と、生成されたアドバイスを情報端末に送信する手段と、を含む。分析手段は、所定ルールを格納する知識ファイルと、分析を実行するためのエンジン部と、を含む。アドバイス生成手段は、第1の所定期間において測定された2種以上の身体的情報の分析によって、目標達成度を知らせるためのアドバイスを生成する。
【0025】
好ましくは、アドバイス生成手段は、第2の所定期間において測定された2種以上の身体的情報の分析によって、目標達成を可能にするためのアドバイスを生成する。
【0026】
好ましくは、ユーザについて、2種以上の身体的情報を測定するための1つ以上の健康機器を更に備える。
【0027】
この発明のさらに他の局面に従うと、ユーザについて測定された2種以上の身体的情報を処理する健康管理支援プログラムであって、2種以上の身体的情報を測定時間データとともに受理するステップと、受理した2種類以上の身体的情報を、所定ルールに従って、両者の関連性に基づいた分析をするためのステップと、分析の結果に基づき、アドバイスを生成するステップと、生成されたアドバイスを出力するステップと、をコンピュータに実行させる。分析するためのステップでは、所定ルールを格納する知識ファイルを参照して分析が実行される。アドバイスを生成するステップでは、第1の所定期間において測定された2種以上の身体的情報の分析によって、目標達成度を知らせるためのアドバイスを生成する。
【0028】
好ましくは、アドバイスを生成するステップでは、第2の所定期間において測定された2種以上の身体的情報の分析によって、目標達成を可能にするためのアドバイスを生成する。
【発明の効果】
【0029】
この発明によれば、ユーザから測定された2種以上の身体的情報の両者の関連性に基づいた分析をし、その結果から、第1の所定期間において測定された2種以上の身体的情報の分析によって、目標達成度を知らせるためのアドバイスを生成し、出力するとしたので、適切なタイミングで健康行動の提案をすることができる。
【0030】
また、分析のために参照される所定ルールを格納した知識ファイルを、分析を実行するエンジン部とは個別に設けたので、エンジン部とは独立して所定ルールを更新(修正・追加)することができる。その結果、健康管理支援のための分析するための手順を容易に改変することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態に係る健康管理支援システムの概略的な構成図である。
【図2】サーバ装置の機能構成図である。
【図3】データ蓄積部の格納データを模式的に示す図である。
【図4】データ蓄積部に格納されるデータベースの種類を示す図である。
【図5】ユーザプロフィール用データベースの内容例を示す図である。
【図6】歩数計用データベースの内容例を示す図である。
【図7】体組成計用データベースの内容例を示す図である。
【図8】血圧計用データベースの内容例を示す図である。
【図9】サーバ装置のハードウェア構成図である。
【図10】情報端末のハードウェア構成図である。
【図11】健康機器の構成を示すブロック図である。
【図12】メッセージ生成のための機能構成図である。
【図13】変数定義情報で定義される変数の一例を示す図である。
【図14】事前計算式情報を組込んだメッセージ生成ルール群の一例を説明する図である。
【図15】入力データセットを例示する図である。
【図16】体重・体組成計において実行される測定処理のフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態における健康管理支援システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図18】健康管理支援システムのメニュー画面の表示例を示す図である。
【図19】健康管理支援システムのデータ転送の画面の表示例を示す図である。
【図20】情報端末の記憶内容の一例を示す図である。
【図21】本実施の形態に係るユーザの身体的情報の分析内容を例示する図である。
【図22】本実施の形態に係るユーザの身体的情報の分析内容を例示する図である。
【図23】本実施の形態に係るユーザの身体的情報の分析内容を例示する図である。
【図24】本実施の形態に係る朝晩ダイエットプログラムのための処理フローチャートである。
【図25】(A)と(B)は、朝晩の体重変化量によるグラフとメッセージによる表示例を示す図である。
【図26】朝晩の体重変化量によるグラフとメッセージによる表示例を示す図である。
【図27】昼間増加体重発生頻度と夜間増加体重発生頻度とをヒストグラムで示す図である。
【図28】昼間増加体重発生頻度と夜間増加体重発生頻度とをヒストグラムで示す図である。
【図29】昼間増加体重・夜間減少体重の頻度を指すヒストグラムを示す図である。
【図30】体重変化量の出現頻度を曜日単位で示す図である。
【図31】体重変化量の最大・最小・平均の出現頻度を曜日単位で示す図である。
【図32】体重と骨格筋率の測定値の変化グラフ)と近似直線を示すグラフである。
【図33】朝体重の増減量平均を、曜日単位で示す図である。
【図34】朝体重の像減量の累積値を時間を追って示すグラフである。
【図35】1週間の体重データを平滑した算出値を時系列にプロットしたグラフである。
【図36】メッセージを一覧にして示す図である。
【図37】メッセージを一覧にして示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、この発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を指し、その説明は繰返さない。
【0033】
図1には、本発明の実施の形態に係る健康管理支援システムの概略的な構成が示される。健康管理支援システムは、ユーザの生活パターン、身体・健康状態を把握するための身体的情報を測定するなどして収集するために、ユーザに装着または携帯される健康機器と、健康機器と通信するユーザ端末である情報端末21、22および23、これら情報端末と通信する健康管理支援装置に対応のサーバ装置1、およびこれら機器間を通信によって接続するための通信路(通信回線)51、52および53を含む。健康機器は、たとえば、生活パターンを計測するための歩数計33および睡眠計31、身体・健康状態を把握するための情報を計測する体重・体組成計34および血圧計32を含む。健康機器の種類はこれらに限定されるものではない。
【0034】
なお、各機器間は通信路51〜53に代替して、記録媒体を介して情報を授受するようにしてもよい。
【0035】
健康機器31〜34と情報端末21〜23を接続するための通信路51は、有線または無線による通信路を含む。無線による通信路としては、たとえば、短距離無線(USB(Universal Serial Bus)、BT(Bluetooth)、非接触通信方式によるフェリカなどを含む。サーバ装置1と情報端末21〜23を接続するための通信路52およびサーバ装置1とユーザの家族の情報端末、他のユーザの情報端末、病院・スポーツジムの情報端末を接続するための通信路53は、インターネットなどの各種ネットワークを含む。情報端末21〜23は、ユーザの携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)およびパーソナルコンピュータなどの携帯型または固定型の通信機能を有したコンピュータを含む。情報端末21〜23の種類は、サーバ装置1との通信機能および健康機器との通信機能を有するものであればよく、これらに限定されない。
【0036】
図2を参照して、サーバ装置1の機能構成を説明する。サーバ装置1は、データベース(DB:Data Base)からなる1種の記憶部であるデータ蓄積部2、データ蓄積部2のデータを検索するデータ抽出部3、データ抽出部3によって検索されたデータを分析し、分析結果に基づき健康に関する行動をユーザに提案するための情報(メッセージ7またはグラフ8など)を生成するエンジン部4、およびエンジン部4によって参照される知識ファイル群5を含む。
【0037】
さらに、サーバ装置1は、エンジン部4の出力データに基づきグラフを作成するグラフ作成部6、グラフ作成部6によって作成されたグラフ8およびエンジン部4から出力されたメッセージ7のデータを図示のない表示部および印刷部ならびに通信部10に出力するための出力部9を含む。
【0038】
さらに、サーバ装置1は、通信部10によって情報端末21〜23より受信したデータをデータ蓄積部2に格納するためのデータ格納部12および機器情報設定部11を含む。機器情報設定部11は、データ蓄積部2から読出されたデータの送信先を指定する送信先指定情報を入力して通信部10に出力する。通信部10は、出力部9から与えられるメッセージ7またはグラフ8などの送信すべきデータに、機器情報設定部11から入力する送信先指定情報を付与して、情報端末21、22および23などの各種機器に送信する。
【0039】
さらに、サーバ装置1は、外部からの情報に基づき知識ファイル群5の知識データを設定、更新、削除などするための知識定義部13および知識ファイル群5から読出した知識データを外部に表示するための知識表示部14を含む。
【0040】
図3には、データ蓄積部2の格納データが模式的に示される。データ蓄積部2には、健康管理支援システムのユーザのプロフィール情報、健康機器31〜34から収集した(受信した)健康機器データ、およびユーザの生活情報、ならびにシステム操作状況データ、エンジン部4の分析によって生成されたメッセージ7、グラフ8の情報、および外部の図示されない外部DBなどから入手する情報(検診結果情報、お天気情報など)が格納される。
【0041】
生活情報は、ユーザが日々実践していること、情報端末と通信できない、すなわちIT(Information Technology)対応でない健康機器のデータの手入力による記録、気分・体調、食事・運動・睡眠・喫煙、飲酒状況などの情報を指す。プロフィール情報は、ユーザのニックネーム、性別、年齢、家族構成などの情報を含む。
【0042】
健康機器データは、歩数計33の測定情報(日付、歩数、時間帯別歩数など)、血圧計32の測定情報(最高血圧・最低血圧、脈拍数、測定時刻など)、体重・体組成計34の測定情報(体重、体脂肪、骨格筋率、測定時刻など)の情報を含む。
【0043】
システム操作状況データは、健康管理支援システムへの情報端末21〜23によるログイン間隔などのシステムの操作に係るユーザの状況データを含む。外部DBは、今日の天気、気温などおよびユーザの検診結果情報(腹囲、最高血圧、最低血圧、中性脂肪、空腹時血糖値など)を含む。
【0044】
また、図3には示されないが、アンケート回答結果の情報がデータ蓄積部2に格納されてもよい。アンケート回答結果の情報は各ユーザについてサーバ装置1が開設ずる所定ホームページから収集したユーザの健康管理に関するアンケートの情報を指す。
【0045】
図4には、データ蓄積部2に格納されるデータベースの種類が示される。データ蓄積部2は、ユーザの健康機器31〜34から情報端末21〜23を経由して受信した情報を格納するために、ユーザプロフィール用データベースDB1、歩数計用データベースDB2、睡眠計用データベースDB3、体組成計用データベースDB4および血圧計用データベースDB5を含む。データ蓄積部2には、他の種類のデータベースが格納されてもよい。ここでは説明を簡単にするために図4に示す5つのデータベースを例示する。
【0046】
図5には、ユーザプロフィール用データベースDB1の内容例が示される。ユーザプロフィール用データベースDB1には、ユーザのそれぞれについて、当該ユーザを一意に識別するためのID(Identifier)、ニックネーム、年齢、性別、居住地域、電話番号、メールアドレスなどの情報が格納されるとともに、登録された健康機器の情報が格納される。健康機器の情報は、登録された健康機器毎に日付、目標値、実施プログラムなどの情報、機器設定情報(機器へのダウンロード情報:身長、性別、年齢、歩幅など)、その他情報(最新データアップ日時、ログイン頻度・・・)を含む。ダウンロード情報とは、サーバ装置1から各情報端末に宛てて送信される情報を指す。
【0047】
図6〜図8には、図4に示す歩数計用データベースDB2、体組成計用データベースDB4および血圧計用データベースDB5のそれぞれの内容例が示されている。
【0048】
図6を参照して、歩数計用データベースDB2には、ユーザのそれぞれについて、アップロード情報(測定年月日、歩数、歩行時間、歩行距離、消費カロリー、脂肪燃焼量、しっかり歩数、しっかり歩行時間、エクササイズ歩数、エクササイズ量、時間帯別情報、区間情報など)、付加情報(当該ユーザを一意に識別するためのID、測定曜日・・・)が格納される。なお、アップロード情報とは、情報端末からサーバ装置1宛てに送信される情報を指す。
【0049】
図7を参照して、体組成計用データベースDB4には、ユーザのそれぞれについて、アップロード情報(性別、測定日時、体重、体脂肪率、BMI(Body Mass Index)、体年齢、基礎代謝、骨格筋率、性別、身長、朝晩実施結果など)、付加情報(当該ユーザを一意に識別するためのID、測定曜日、1日変動値、リバウンド指数、ダイエット指数、MYダイエット判定結果・・・)などが格納される。
【0050】
図8を参照して、血圧計用データベースDB5には、ユーザのそれぞれについて、アップロード情報(測定日時、最高血圧、最低血圧、脈拍数、機器検出情報など)、付加情報(当該ユーザを一意に識別するためのID、測定曜日、脈圧、平均血圧、ME平均、ME差、1日変動値・・・)などが格納される。なお、MEは「Morning」と「Evening」の頭文字を取ったものである。「ME平均」は、起床後(M)と就寝前(E)の最高血圧の平均値を指し、「ME差」は、最高血圧の差を指す。
【0051】
睡眠計用データベースDB3には、ユーザのそれぞれについて、アップロード情報(測定日、実睡眠時間、寝つき時間、覚醒時刻・時間・回数、いびき回数、いびきレベルなど)、付加情報(当該ユーザを一意に識別するためのID、曜日・・・)などが格納される。
【0052】
図9には、サーバ装置1のハードウェア構成が示される。サーバ装置1は、サーバ装置1全体の制御をするためのCPU(Central Processing Unit)301、予めプログラムやデータが格納されるROM(Read Only Memory)302、各種データを格納するRAM(Random Access Memory)303、タイマ304、ハードディスク306、通信路53(53)とサーバ装置1を接続するための通信I/F(Interface)307、出力部16および入力部17を含む。出力部16は、表示部、印刷部、音声出力部などを含む。入力部は、キーボード、マウスなどのポインティングデバイスなどを含む。
【0053】
図10には、情報端末のハードウェア構成が示される。ここでは、情報端末22を例示する。図10を参照して、情報端末22は、情報端末22全体の制御をするためのCPU201、予めプログラムやデータが格納されるROM202、各種データを記録するRAM203、ユーザからの指示や各種情報の入力を受付けるための操作部204、情報を表示するための表示部205、不揮発性メモリ、たとえばフラッシュメモリ206、通信路51(52)と接続される通信I/F207、記録媒体410へのデータの書込および読出を行なうドライブ装置208、および、健康機器31〜34との間でデータの授受を行なうための入出力I/F209を含む。
【0054】
図11には、健康機器の構成を示すブロック図である。ここでは、健康機器として体重・体組成計34を例示する。体重・体組成計34の構成は、出願人による特開2007−296093号で提案されたものであるので、ここでは説明を簡単にする。
【0055】
体重・体組成計34は、体重測定機能と、インピーダンスを計測することによりユーザの体組成を測定する機能を有する。インピーダンスについては、ユーザの身体の複数の所定の部位に対応付けて接触させるための複数の電極E11〜E14,E21〜E24と、複数の電極を用いて、被験者の部位別インピーダンスを計測する。体重・体組成計34は、ユーザが両手で把持可能な上肢ユニット341と、ユーザの両足を載置可能な下肢ユニット342と、上肢ユニット341および下肢ユニット342を電気的に接続するためのケーブル343とを備える。
【0056】
上肢ユニット341は、手用電極E10、表示部15Aおよび操作部16Aに加え、手用電極E10および足用電極E20の双方により、ユーザの手足間に電流を印加して少なくとも手足間(全身)の電位差を検出するための検出部11Aと、体重・体組成計34全体の制御をするための制御部12Aと、日時を計測するためのタイマ13Aと、各種データおよびプログラムを記憶するためのメモリ14Aと、制御部12Aに電源を供給するための電源部17Aと、情報端末21〜23との間でデータの授受を行なうための通信部19と、外部のデバイスと入出力するためのデータ入出力部18Aとをさらに含む。
【0057】
下肢ユニット342は、足用電極E20に加え、ユーザの体重を測定するための体重測定部22Aをさらに含む。体重測定部22Aは、たとえばセンサにより構成される。
【0058】
メモリ14Aは、予めプログラムやデータが格納されるROM141、各種データを記録するRAM142、および、不揮発性メモリ、たとえばフラッシュメモリ143を有する。フラッシュメモリ143の内容例ついては、後述する。
【0059】
表示部15Aは、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)により構成される。
操作部16Aは、たとえば、複数のボタンを含む。操作部16Aは、たとえば、電源のON/OFFを指示するための電源ボタン、過去の測定情報の表示を指示するためのメモリボタン、測定開始を指示するための測定ボタン、複数のユーザが体重・体組成計34を使用できるように、操作部16Aに、複数たとえば4つの個人番号ボタンが含まれてもよい。本実施の形態では、このような4つの個人番号ボタンが操作部16Aに含まれているものとして説明する。
【0060】
検出部11Aは、制御部12Aにより制御されて電極の切替を行なう。検出部11Aは、さらに、手用電極E10および足用電極E20のいずれか一方により、ユーザの両手間または両足間に電流を印加して両手間または両足間の電位差を検出する。検出された電位差の情報は、制御部12Aに出力される。
【0061】
制御部12Aは、たとえばCPUにより構成される。制御部12Aは、ROM141に予め記憶されたプログラムに基づいて、ユーザの2種以上の体組成を算出するための体組成算出部121と、後に詳述する仕様プログラムに基づいて、体組成算出部121による算出結果を表示部15Aに表示する制御を行なうための表示制御部122と、後述する朝晩ダイエットプログラムの機能を制御するための朝晩ダイエットプログラム部123とを含む。
【0062】
体組成算出部121は、検出部11Aにより検出された手足間、両手間および両足間の電位差それぞれに基づき、全身インピーダンス、両手間インピーダンスおよび両足間インピーダンスを計測する。そして、計測されたこれらのインピーダンスに基づき、ユーザの各種体組成を算出する。
【0063】
本実施の形態において、体組成算出部121は、全身インピーダンス、両手間インピーダンスおよび両足間インピーダンスに基づき、4種の体組成、たとえば、体脂肪率、骨格筋率、内臓脂肪面積(「内臓脂肪レベル」ともいう)、および基礎代謝を算出する。算出される体組成は、これらに限定されない。
【0064】
図12にはサーバ装置1における、ユーザの身体的情報の分析および分析結果に基づくメッセージ生成のための機能構成が示される。図12を参照してサーバ装置1は、分析・メッセージ生成のためのエンジン部4、エンジン部4を制御するための制御部15を備える。エンジン部4によって知識ファイル群5のデータが参照され、エンジン部4の分析結果によるエラーデータは、エラーファイル6Dに格納される。
【0065】
知識ファイル群5は、事前計算式情報5B、事前計算式情報5Bに従う計算結果のデータが設定される変数などの変数定義情報5A、所定のインタプリタ言語で記載されたプログラムによりメッセージ7を生成するためのルール(命令コード)を指すメッセージ生成ルール群5C、メッセージファイル5Dおよびグラフ作成要綱情報5Eを含む。
【0066】
変数定義情報5A、事前計算式情報5Bおよびメッセージ生成ルール群5Cのそれぞれは、随時の実行タイミングでメッセージ生成動作が行われるときにエンジン部4により参照される情報・ルールと、週単位でメッセージ生成動作が行われるときにエンジン部4により参照される情報・ルールと、月単位でメッセージ生成動作が行われるときにエンジン部4により参照される情報・ルールとを含む。
【0067】
メッセージファイル5Dは、複数種類のメッセージ7と、メッセージ7のそれぞれに関連付けて、当該メッセージ7を一意に識別する識別値とが予め格納される。グラフ作成要綱情報5Eは、グラフ8を作成するための手順(命令コード)を指す複数種類のグラフ作成要綱と、グラフ作成要綱のそれぞれに関連付けて当該要綱を一意に識別する識別値が予め格納される。
【0068】
本実施の形態では、エンジン部4の各部が、ユーザの健康機器31〜34から収集した情報を、分析し、分析結果に基づくメッセージを生成する動作を、各ユーザからの情報について、随時(データが収集される都度)、週単位(1週〜4周の各週毎)および月単位で実行することができる。
【0069】
エンジン部4は、制御部15からの要求に基づき、変数定義情報5A、事前計算式情報5Bおよびメッセージ生成ルール群5Cのそれぞれについて、当該要求に対応する変数定義情報5A、事前計算式情報5Bおよびメッセージ生成ルール群5Cを参照するように切換える。
【0070】
エンジン部4は、事前計算式情報5Bから読出した所定の演算式(関数・四則演算・論理演算・比較演算など)に基づき、ユーザから収集した身体的情報の各種測定データを演算処理して、測定データによる特徴値(回帰計数、Max、Min、平均値、標準偏差、最頻値、計数などを含む)を算出する機能を有した計算部4A、計算結果に基づきメッセージ生成ルール群5Cのルールを分析し、分析結果を出力するルール実行部4Cおよび分析結果に基づきグラフ作成要綱情報5Eを参照し、参照結果に基づきグラフ作成要求を出力するグラフ作成要求部4Dを備える。
【0071】
ルール実行部4Cは、インタプリタを含む。インタプリタは、メッセージ生成ルール群5Cのプログラムの命令コードを解釈し実行する。エンジン部4は、実行結果(値)に基づき、メッセージファイル5Dを検索し、当該実行結果に一致する識別値に関連付けされたメッセージ7を読出し、制御部15に出力する。また、ルール実行部4Cの実行結果は、グラフ作成要求部4Dに出力される。グラフ作成要求部4Dは、ルール実行部4Cの実行結果(値)に基づき、グラフ作成要綱情報5Eを検索し、当該実行結果に一致する識別値に関連付けされたグラフ作成要綱を読出し、グラフ作成要求とともに制御部15に出力する。
【0072】
なお、本実施の形態では、分析およびメッセージ生成に関してインタプリタによる処理系を適用するが、適用される処理系は、インタプリタに限定されず、他の処理系であってもよい。
【0073】
このように、ルール実行部4Cの分析によってユーザから測定した身体的情報に基づく生活パターン・健康状況が分析され得る、当該分析結果に対応のメッセージ7、グラフ8を生成して提示することで、ユーザに目標達成を可能にする生活パターンへの改善アドバイスを提供することができる。
【0074】
計算部4Aは後述する朝晩ダイエットプログラムを実行するための朝晩体重計算部4Bを含む。
【0075】
制御部15は、エンジン部4を起動するためのエンジン起動部151、データ蓄積部2から読出したデータを入力し、入力データセット6Aに編集してエンジン部4に出力する入力データ設定部152、通信部10または入力部17を介して与えられるデータに基づくメッセージ7を格納するメッセージ格納部153、グラフ作成部154(図2のグラフ作成部6に対応)、出力処理部155、データ蓄積部2を検索し、検索結果に基づくデータを出力するデータ抽出部156(図2のデータ抽出部3に対応)、通信部10または入力部17から与えられるデータをデータ蓄積部2に格納するためのデータ格納部157(図2のデータ格納部12に対応)、機器情報設定部158(図2の機器情報設定部11に対応)、知識定義部159(図2の知識定義部13に対応)および知識表示部160(図2の知識表示部14に対応)を含む。
【0076】
エンジン起動部151は、通信部10または入力部17から入力した情報に基づき、エンジン部4を起動する。メッセージ格納部153は、エンジン部4から出力されたメッセージ7を所定記憶領域に一時的に格納する。グラフ作成部154は、エンジン部4から出力されたグラフ作成要求に応じてグラフデータを作成する。具体的には、データ抽出部156は、グラフ作成要綱に基づきデータ蓄積部2を検索してデータを読出し、グラフ作成部154に出力する。グラフ作成部154は、データ蓄積部2から読出されたデータを、グラフ作成要綱に基づきグラフ8に編集し、出力する。
【0077】
機器情報設定部158は、通信部10から送信されるデータの宛先情報を、通信部10に出力する。機器情報設定部158は、ユーザIDに基づきユーザプロフィール用データベースDB1から読出したメールアドレスを、宛先情報として出力する。
【0078】
出力処理部155は、メッセージ7、グラフ8などの各種データを出力部16を介して出力する。知識定義部159は、入力部17からの入力情報に基づき、知識ファイル群5内の情報を更新する。これにより、エンジン部4とは独立してメッセージファイル5Dおよびグラフ作成要綱情報5Eの情報を更新(追加・変更・削除)することができる。
【0079】
知識表示部160は、知識ファイル群5内の情報を出力部16を介して出力する。これにより、メッセージファイル5Dおよびグラフ作成要綱情報5Eの情報を出力部16を介して確認しながら、情報を更新することができる。エラーファイル6Dの内容も、出力処理部155により出力部16を介して出力することができる。
【0080】
図13には、変数定義情報5Aで定義される変数の一例が示される。変数定義情報5Aの変数は、システム変数(プロフィール、データ加工のための情報、操作の情報、収集した健康データの情報などが設定される変数)と内部変数(事前計算式情報5Bから出力される計算結果が設定される変数)から構成される。ここで、変数は1種の記憶領域を指し、情報(結果)が変数に設定されるとは、当該記憶領域に情報(結果)が書込まれる(格納)ことを指す。図13の変数名は、間接的に当該記憶領域のアドレスを指すことになる。したがって、エンジン部4の各部は、変数定義情報5Aで定義された変数を介して、処理に必要なデータを入出力することができる。記憶領域はたとえばRAM303の領域を指す。
【0081】
事前計算式情報5Bは、入力データセット6Aの値から予め集計するなど、計算が必要な場合に参照される演算のための式を記述する。演算の種類は、関数(期間中の回帰係数、Max、Min、平均値、標準偏差、最頻値、計数、変化度合い算出など)、四則演算、論理演算、比較などを含む。メッセージ生成ルールを実行するために、計算部4Aが、計算式に従う演算を実行する。
【0082】
図14を参照して、事前計算式情報5Bを組込んだメッセージ生成ルール群5Cの一例を説明する。図14に示すように、メッセージ生成のためのルールは、IF(条件)THEN(条件)ELSE(条件)IF〜の条件分岐により記載される。条件分岐においては、図13で示した各種変数を用いて条件(条件式)が記載される。この条件は、たとえば、後述の図21〜図23に示す“条件1”〜“条件4”を指す。そして、各条件において記載される演算式または、演算式の項は、事前計算式情報5Bの式が適用される。
【0083】
ルール実行部4Cは、入力データセット6Aの変数値をメッセージ生成ルール群5Cの各条件の変数に設定しながら、ルールを順次実行し、条件に合致した出力テキスト(メッセージ7)とグラフ作成要綱情報5Eの要綱を指示する実行結果(値)を出力する。ルールの条件式では、2種類以上の身体的情報の関連性の有無、および相関の程度を検出するための演算式、および所定基準値との比較のための式を表すことができるので、ルールを実行することにより、これら身体情報の相互の関連性および所定基準値との比較結果による評価値を検出することができる。
【0084】
図15には、入力データセット6Aが例示される。入力データ設定部152は、データ蓄積部2から読出した情報の各値を、変数定義情報5Aから読出した対応する各変数に設定する。図15の入力データセット6Aは各変数に対応して値(データ)が設定された状況が示される。
【0085】
(体重・体組成測定処理)
図16を参照して、体重・体組成計34において実行される測定処理について説明する。
【0086】
はじめに、制御部12Aは、ユーザにより個人番号が指定されたか否かを判断する(ステップS102)。すなわち、ユーザにより4つのボタンのうちいずれか1つが押下されたか否かが判断される。制御部12Aは、個人番号が指定されるまで待機する(ステップS102でNO)。個人番号が指定されたと判断した場合(ステップS102でYES)、ステップS106に進む。
【0087】
ステップS106において、制御部12Aは、測定ボタンが押下されたか否かを判断し、測定ボタンが押下されるまで待機する(ステップS106でNO)。測定ボタンが押下されると(ステップS106でYES)、ステップS108に進む。
【0088】
ステップS108において、体組成算出部121は、ユーザにより指定された個人番号に対応する身体情報(身長、年齢、性別)を、これらが予め記憶されたフラッシュメモリ143から読出す。読出された身体情報は、内部メモリに記録される。
【0089】
次に、体組成算出部121は、体重測定部22Aからの信号に基づいて、体重を計測する(ステップS110)。計測された体重値は、フラッシュメモリ143に一時記録される。
【0090】
続いて、体組成算出部121は、インピーダンス計測処理を実行する(ステップS112)。計測された各インピーダンスの値は、内部メモリに記録される。
【0091】
体組成算出部121は、内部メモリに一時記録した各データと、所定の計算式等とに基づいて、ユーザの4種の体組成を算出する(ステップS114)。なお、ここでは、4種すべての測定項目に対応する体組成が算出される。そして、制御部12Aは、測定結果、すなわち、ステップS114で算出された体組成の値を内部メモリに記録する(ステップS116)。体重および体組成の測定結果は表示される。以上で、測定処理は終了する。
【0092】
(システムの処理について)
図17は、本発明の実施の形態における健康管理支援システムの動作を説明するためのフローチャートである。図17では、体重・体組成計34からデータを、情報端末22を介してサーバ装置1に送信するフローと、エンジン部4の各部の実行タイミングを、“月単位”に設定してデータの分析をするフローとを示している。
【0093】
データ送信フローについて説明する。図17を参照して、情報端末22は、ユーザからの指示に基づき、サーバ装置1が提供するホームページへアクセスする(ステップS202)。このとき通信端末200は、サーバ装置1から送信されてきた健康管理支援システムのメニュー画面を表示部205に表示する。表示される画面の一例を図18に示す。
【0094】
図18を参照して、健康管理支援システムのプログラムを選択する際のメニュー画面には、各プログラムを示す項目(ボタン)と、ユーザの個人番号を入力するための入力欄とが表示される。
【0095】
このような画面が表示部205に表示されている状態で、ユーザから、プログラムの選択および個人番号の入力がされる。図18では、プログラムとして、“体重・体組成管理”が選択され、個人番号として1が入力されたことが示される。入力された個人番号のデータは、RAM203に一時記録される。
【0096】
その後、ユーザより、測定データの取込み指示が入力されると(ステップS204)、情報端末22は、ユーザに対し測定データ送信の促進を行なう(ステップS206)。具体的には、たとえば、表示部205に、「体重・体組成の測定データを送信してください」というメッセージが表示される。
【0097】
体重・体組成計34では、ユーザが操作部16Aを操作することにより、体重・体組成測定データが、フラッシュメモリ143から読出されて(S208)、通信部19を介して、情報端末22に送信される処理が実行される(ステップS209)。体重・体組成計34は、ユーザの身体情報と測定データとを情報端末22に出力する(ステップS210)。具体的には、体重・体組成計34の制御部12Aは、ステップS208にいてユーザが入力した個人番号と、これに対応して記憶された年齢データ、性別データおよび身長データと、フラッシュメモリ143に記憶されたユーザの直近の測定データ(体重、体脂肪率、骨格筋率、内臓脂肪レベル、基礎代謝など)とを読出し、読出したこれらのデータを、通信部19より情報端末22に送信する。
【0098】
情報端末22は、入出力I/F209において、身体情報および測定データを受け取り、フラッシュメモリ206に一時的に格納する(ステップS212)。そうすると、たとえば図19に示すような画面が表示部205に表示される。図19を参照して、表示部205には、「測定データを転送してください」というメッセージと、転送を指示するためのボタンが表示される。
【0099】
このような画面が表示された状態において、ユーザより、操作部204が操作されて測定データの転送指示が入力されると(ステップS214)、情報端末22は、ステップS212で受信した身体情報および測定データをサーバ装置1に転送する(ステップS216)。ステップS212で受付けた個人番号情報は、RAM203に一時記録される。
【0100】
なお、情報端末22からサーバ装置1へのデータ転送は、ユーザの指示により実行されるとしたが、転送の方法はこれに限定されない。たとえば、情報端末22は、体重・体組成計34から測定データの受信を完了した時点で、自動的にサーバ装置1に測定データを転送するようにしてもよい。
【0101】
サーバ装置1は、情報端末22より、身体情報および測定データを受信し、データ蓄積部2の体組成計用データベースDB4にアップロード情報として格納する(ステップS218)。これにより、サーバ装置1は、体重・体組成計34から情報を収集することができる。
【0102】
次にエンジン部4を用いた分析フローについて説明する。情報端末22では、ユーザが操作部204を操作して、ユーザIDとともに、“体重・体組成のデータについて月単位の分析”の要求を入力する。入力された要求は、サーバ装置1に送信される(ステップS219)。ここでは、ユーザIDは、個人番号に相当する。
【0103】
分析の要求は、ユーザからのデータ入力であってもよい。また、ユーザからのメッセージ開始要求日や目標設定日からの経過日数により、分析要求日時を自動で認識してもよい。
【0104】
サーバ装置1のCPU301では、分析要求を受信すると、要求とともに受信したIDに基づき、要求にしたがって、データ蓄積部2の体組成計用データベースDB4から、当該ユーザの過去1ヶ月分の測定データを読出す。読出された測定データは、エンジン部4によって分析される(ステップS220)。その分析結果に基づく、メッセージ7およびグラフ8が生成される(ステップS222)。ステップS220およびS222の詳細な説明は後述する。
【0105】
ステップS222で生成されたデータは、通信部10により、機器情報設定部11から出力された宛先情報が付与されて、情報端末22に宛てて送信される(ステップS224)。
【0106】
情報端末22は、サーバ装置1より送られてきたメッセージ7よびグラフ8の情報を受信し(ステップS225)、表示部205に表示する(ステップS226)。表示例については、後述する。
【0107】
受信したメッセージ7およびグラフ8のデータは、ユーザ毎に、RAM203に格納される(ステップS227)。その後、処理は終了する。
【0108】
図20には、情報端末22のRAM203の記憶内容の一例が示される。図20を参照して、AM203には、個人番号毎に、対応するユーザに関する情報を記憶するための領域143A〜143Dのそれぞれを含む。領域143A〜143Dのそれぞれには、当該個人番号に対応するユーザの個人情報(図5のユーザプロフィール用データベースDB1に格納される情報)記憶領域42と、身体情報を記憶するための身体情報記憶領域41が含まれる。身体情報記憶領域41には、サーバ装置1から受信した健康管理に関するデータ(メッセージ7およびグラフ8のデータ)が格納される。他の個人番号に対応する領域143B〜143Dについても、領域143Aと同様の記憶領域を含んでいるものとする。ここでは、記憶領域42の内容は、ID毎に、ユーザプロフィール用データベースDB1に予め格納されていると想定する。
【0109】
次に、上記ステップS220およびS222における具体的な処理について説明する。
(測定データの分析処理・メッセージおよびグラフ生成処理の具体例について)
本実施の形態では、測定データの分析処理として、ユーザから収集した1種類以上の、好ましくは複数種類の身体的情報に基づき、健康管理のためにユーザに提供されるアドバイス(メッセージ7、グラフ8)が生成される。
【0110】
ステップS220とS222の処理において、制御部15は、通信部10を介して入力したユーザIDと、“体重・体組成のデータについて月単位の分析”の要求(以下、単に要求という)とを、エンジン部4に出力するとともに、エンジン起動部151は、エンジン部4を起動する。
【0111】
制御部15のデータ抽出部156は、ユーザIDと要求に基づきデータ蓄積部2の体組成計用データベースDB4を検索し、タイマ304の計時時間データに基づき当該ユーザの過去1ヶ月分の測定データを読出し、入力データ設定部152に出力する。
【0112】
入力データ設定部152は、データ抽出部156から入力したデータを、月単位の体重・体組成用の変数定義情報5Aの各変数に設定することにより、入力データセット6Aを生成し、出力する。
【0113】
エンジン部4の計算部4Aは、月単位の体重・体組成用の事前計算式情報5Bを読出し、読出した各計算式の変数に、入力データセット6Aの対応する変数の値を代入して、計算式に従う演算を実行する。計算結果は、ルール実行部4Cに出力される。
【0114】
ルール実行部4Cは、月単位の体重・体組成用のメッセージ生成ルール群5Cの各ルールの条件に、入力データセット6Aの変数と、計算結果値とを代入し順次実行する。この実行結果は、グラフ作成要求部4Dに出力される。エンジン部4は、ルール実行部4Cの実行結果に基づき、メッセージファイルから、当該実行結果に関連付けされたメッセージ7を読出し、制御部15に出力する。
【0115】
また、グラフ作成要求部4Dは、ルール実行部4Cの実行結果に基づき、グラフ作成要綱情報5Eから、当該実行結果に一致する識別値に関連付けされたグラフ作成要綱を読出し、グラフ作成要求とともに制御部15に出力する。
【0116】
制御部15のグラフ作成部154は、グラフ作成要求を入力すると、グラフ作成要綱に基づきデータ蓄積部2から読出された当該ユーザのデータを用いて、グラフ8を生成し、出力する。
【0117】
通信部10は、分析結果に基づくメッセージ7とグラフ8に、宛先情報(機器情報設定部158が、ユーザIDに基づきユーザプロフィール用データベースDB1を検索して読出したメールアドレス)を付与し、通信路52に出力する。
【0118】
情報端末22は、サーバ装置1から受信したメッセージ7とグラフ8を表示する。
これにより、体重・体組成計34で測定された1ヶ月単位のデータの分析と分析結果に基づく、健康管理のアドバイス(メッセージ7、グラフ8)がユーザに提供される。
【0119】
上述の身体的情報の分析は、体重と体組成の2種類の情報としているが、身体的情報の種類の組み合わせる種類数および種類は、これに限定されず、血圧と体組成、血圧と体重と体組成などの組み合わせであってもよい。
【0120】
(分析の例と表示例)
図21〜図23には、本実施の形態に係るサーバ装置1によるユーザの身体的情報の分析内容が例示される。
【0121】
先ず、図21では、“月単位”の分析が実行される場合の2つのケースが例示される。上段には、体重・体組成計34により測定された体重と体組成の2種類の身体的情報を分析した例示がされ、下段には、血圧計32により測定された血圧に関する情報を分析する例示がされる。
【0122】
図21では、各ケースについて、ルール実行部4Cが実行するメッセージ生成ルール群5Cのルールで示される条件の種類(条件1〜条件4)が示され、分析により出力されるメッセージ7およびグラフ8の内容が例示される。メッセージ7では、測定データの変化、知識・エビデンス紹介、励まし、注意点、目標達成方法のための食事や運動など、健康機器についての測定または利用の方法、表示されるデータの見方などが紹介される。
【0123】
図21の上段のケースでは、グラフ8により、体重・体組成計34の測定データによる体重と体脂肪との2種類の身体的情報による分析結果による変化が関連付けて測定時間の経過に連動して折れ線グラフで示され、両者の身体的情報の分析結果に基づく、メッセージ7が示される。
【0124】
図22では、“週単位”の分析が実行される場合において、歩数計33から収集した1種類の身体的情報の分析内容(適用されるルールの条件1〜4、出力メッセージ7とグラフ8)が例示される。
【0125】
図23の上段では、“月単位”で歩数計33と体重・体組成計34から収集した2種類以上の身体的情報の分析内容(適用されるルールの条件1〜4、出力メッセージ7とグラフ8)が例示され、中段では、“随時単位”で血圧計32と体重・体組成計34から収集した2種類以上の身体的情報の分析内容(適用されるルールの条件1〜4、出力メッセージ7とグラフ8)が例示され、下段では、“月単位”で歩数計33と血圧計32から収集した2種類以上の身体的情報の分析内容(適用されるルールの条件1〜4、出力メッセージ7とグラフ8)が例示される。
【0126】
図示されるように、グラフ8は、折れ線グラフ、棒グラフ(ヒストグラム)の各種態様で提示される。
【0127】
比較的短い期間(たとえば、1週間)での2種の身体的情報の分析によって、目標達成度を知らせるとともに、比較的長い期間(たとえば2週間、1か月など)の分析によって生活パターンを分析し、目標達成を可能にする生活パターンへの改善アドバイスを提供することが可能となる。さらに長期間ごとに、生活パターン(生活習慣)と各指標との関連についての情報を提供するようにしてもよい。
【0128】
また、グラフ8の時間経過に従う体重・体組成の変化点または発現(検出)した所定の特徴に対応のメッセージ7を、グラフ8と同時に、または関連付けて表示することもできる。
【0129】
このように、健康管理のための行動変容の継続支援として、健康機器データ、操作情報、生活情報記録などから得たユーザのデータを、基準値評価や日単位・週単位・月単位などの時間軸でのデータ変化解析(変化度合など)やデータパターンの特徴抽出や機器データ間・機器データと生活情報間などの関連性分析を行い、変化点や特徴発現などのタイミングでアドバイスしてナビゲートする構成としたので、適切な自動介入により、より個別化した情報を提供できる、対話形式の情報提供でシステム操作の負担感を軽減できる、次回操作時の楽しみ感を演出できることで、行動変容の継続率アップが期待できる、という効果が得られる。
【0130】
(朝晩体重管理プログラム)
本実施の形態に係る健康支援システムでは、体重計または体重・体組成計34で測定した朝晩体重をサーバ装置1に送信し、サーバ装置1は、朝から夜に増える体重と、夜から朝に減る体重を、減量のための指標としてメッセージ7およびグラフ8で出力する減量・体重コントロール支援システムが提供される。
【0131】
ユーザが図18のメニュー画面の“朝晩ダイエット”を選択すると、朝晩体重差による減量・体重コントロール支援のための分析およびメッセージ7とグラフ8の提供がなされる。このとき、ユーザIDと“体重・体組成のデータについての分析”の要求(以下、朝晩ダイエット要求という)とが、情報端末22からサーバ装置1に送信される。“朝晩ダイエット”の要求がされると、計算部4Aの朝晩体重計算部4Bが起動される。
【0132】
図24には、サーバ装置1における朝晩ダイエットプログラムのための処理フローチャートが示される。朝晩ダイエット要求が受信されると、朝晩ダイエットプログラムが開始されて、エンジン起動部151は、エンジン部4を起動する。
【0133】
まず、制御部15がユーザIDおよび朝晩ダイエット要求(S301)を入力すると、データ抽出部156は、データ蓄積部2から、ユーザIDおよび朝晩ダイエット要求に基づき、データ蓄積部2の体組成計用データベースDB4を検索し、過去の一定期間に測定された体重のデータを、関連付けされた骨格筋率および測定時刻データとともに読出す(S303)。
【0134】
データ抽出部156は、読出したデータの測定時刻が朝時間帯(5時から10時まで)または夜時間帯(20時から翌日の5時まで)を指すデータであるかを判定し、当該時間帯に測定されたデータのみを入力データ設定部152に出力する。このようにして、過去の一定期間に測定された全てのデータの読出しと時間帯の判定がされる(S301〜S307)。
【0135】
入力したデータが朝時間帯または夜時間帯のデータであることが判定されると(S305でYES)、入力データ設定部152により朝晩ダイエットプログラムのための変数定義情報5Aを用いて入力データセット6Aが生成される。朝晩体重計算部4Bは、入力データセット6Aの変数値と、朝晩ダイエットプログラムのための事前計算式情報5Bの朝晩体重変化量の演算式に基づき、計算処理を行う(S309)。演算結果はルール実行部4Cに出力されて、朝晩ダイエットプログラムのためのメッセージ生成ルール群5Cのルールが実行されて、グラフ作成部154によりグラフ8を生成するための処理が行なわれる(S311)。そして、メッセージ7のデータが生成される(ステップS315)。生成されたグラフ8およびメッセージ7は、通信部10を経由して宛先情報が付されて、情報端末22に送信されて、表示部15Aに表示される(S317)。
【0136】
グラフ8およびメッセージ7の作成手順は、上述した手順とほぼ同様であるので、ここでは詳細な説明を略す。
【0137】
図25(A)と(B)と図26には、グラフ8とメッセージ7による表示例として、朝晩の体重変化量に基準値を設け、基準値と計測された体重変化量とを比較したグラフ8と、その比較結果に基づくメッセージ7(アドバイス)が関連付けて示される。図25(A)と(B)は朝測定データと夜測定データの比較結果によるものを例示し、図26は朝測定データと夜測定データと朝測定データの比較結果によるものを例示する。このように1日での分析によって、目標達成度を知らせることができる。
【0138】
図27と図28には、グラフ8の表示例として、昼間増加体重発生頻度と夜間増加体重発生頻度とがヒストグラムで示されて、最頻値やバラツキを知ることができる。朝晩体重計算部4Bにおいては、夜間減少体重=前夜体重−今朝体重で計算されて、昼間増加体重=今夜体重−今朝体重で計算される。また、1日変化体重=前日朝体重−今朝朝体重を算出して、朝夜体重変化量のばらつきを算出しグラフ表示することもできる。
【0139】
図27と図28のグラフ8を確認することで、ユーザは、測定時間のバラツキ、水分摂取のしかた、食事量や時間のムラなどにより、体重増加にバラツキがでるため、できるだけ小さくして、1日の目標を立てやすくなる。
【0140】
また、現在の自分の平均的な活動時(朝->夜)増加体重を知ることができる。増加体重の分布から最頻値を得ることもできる。また、現在の自分の平均的な就寝時(夜->朝)減少体重を知って、減少体重の分布から最頻値を得ることもできる。
【0141】
図29には、他のグラフの表示例が示される。図29では、一定期間について、昼間増加体重・夜間減少体重を指定のデータ区分で集計し、その頻度がヒストグラムで示される。
【0142】
図30には、一定期間において、前日からの体重変化量を指定のデータ区間で集計し、その頻度を曜日で分布させて示したグラフ8が示される。図31には、一定期間において、前日からの体重変化量を曜日毎に、最大値・最少値・平均値で示したグラフ8が示される。
【0143】
図32には、体重と骨格筋率の測定値の変化(折れ線グラフ)、それらの近似直線および直線式が示される。
【0144】
図33には、朝体重の増減量平均が、曜日単位で示される。図33のグラフ8によれば、週単位での生活パターンに対する注意が喚起される。たとえば、休日の過ごし方の改善などの動機付けをすることができる。
【0145】
図34には、朝体重の増減量の累積値が時間を追ってグラフ化して示される。図34のグラフ8によれば、1週間単位で増減した量の平均値も示される。ダイエットを長期間(3ヶ月など)続けて、その効果を確認することができる。体重の減量に成功すれば、血圧も正常値に近づく可能性があるので、ユーザに血圧計32で血圧を測定し確認するように促すメッセージ7を表示してもよい。
【0146】
図35には、ユーザが長期間にわたりダイエットに挑戦している場合において、体重の過去1週間の測定データを平滑(移動平均)した算出値を時系列にプロットしたグラフ8を示す。また、このグラフ8には、体重の変化点や特徴発現(特徴検出)などのタイミングで、当該変化または特徴に対応のメッセージ番号(図中の丸付き数値1〜16)が表示される。ユーザが操作部204を操作してメッセージ番号の数値をクリックなどして指定すると、当該メッセージ番号の関連付けされたメッセージ7が表示される。
【0147】
表示される各メッセージ番号に対応のメッセージ7を、図36と図37において一覧表示する。メッセージ7は、体重の変化点や特徴発現などに関連したアドバイス、励ましなどを提示するものとなっている。
【0148】
このように比較的に長い期間の体重データの分析によって生活パターンが分析されて、分析結果に基づいたメッセージ7、グラフ8を生成して提示することにより、目標達成を可能にする生活パターンへの改善アドバイスを提供することができる。
【0149】
減量や体重コントロールを支援するシステムにおいて、一定期間の曜日データを基に「朝から夜に増える体重」と「夜から朝に減る体重」を度数分布化し、それぞれの最頻値やバラツキ値を算出し、グラフや数値で表示する構成としたので、ユーザは1日の摂取エネルギー量や消費エネルギー量の目安を知ることができる、1週間単位という比較的短期間の生活パターンと体重を関係づけて振り返ることができる、などにより、減量や体重コントロールの動機付けや行動変容の継続率アップが期待できる、という効果が得られる。
【0150】
なお、朝晩体重管理を含めた健康管理システムのプログラムは、サーバ装置1で実行されるとしているが、図2に示す環境を情報端末22において構成した場合には、健康管理支援装置は情報端末22に相当し、情報端末22処理を実行してメッセージ7とグラフ8を表示部205を介して提供することもできる。
【0151】
また、健康機器である体重・体組成計34のハードウェアの機能を拡張すれば、図2に示す環境を構成することも可能である。その場合には、健康管理支援装置は体重・体組成計34となり、表示部154Aを介して、メッセージ7とグラフ8を提供することもできる。
【0152】
本実施の形態では、健康機器から収集した身体的情報に基づく分析を例示したが、基礎とするデータは、身体的情報に限定されない。たとえば、健康機器の利用頻度などの操作情報、生活情報(睡眠時間、シフトワーカなど)を収集して、これら情報を組合わせて分析するようにしてもよい。
【0153】
また、健康状態は気候(天気)と関係することも知れらているので、外部機関のデータベースから天気情報を収集して、天気情報を組合わせて分析してもよい。
【0154】
また、病院・診療所などのデータベースから、ユーザの健康診断の情報を収集して、健康診断情報を組合わせて分析してもよい。
【0155】
なお、本実施の形態の情報を分析し、分析結果に基づく健康管理のアドバイスを提供する方法を、プログラムとして提供することもできる。このようなプログラムは、CD−ROM(Compact Disc-ROM)などの光学媒体や、メモリカードなどのコンピュータ読取り可能な一時的でない(non-transitory)記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0156】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0157】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0158】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記憶された記憶媒体とを含む。
【0159】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0160】
1 サーバ装置、2 データ蓄積部、4 エンジン部、5 知識ファイル群、6 グラフ作成部、7 メッセージ、8 グラフ、15 制御部、21〜23 情報端末、34 体重・体組成計、51〜53 通信路、4A 計算部、4B 朝晩体重計算部、4C ルール実行部、4D グラフ作成要求部、6A 入力データセット、5D メッセージファイル、5E グラフ作成要綱情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザについて測定された2種以上の身体的情報を測定時間データとともに受理する手段と、
受理した前記2種類以上の身体的情報を、所定ルールに従って、両者の関連性に基づいた分析をするための分析手段と、
前記分析の結果に基づき、アドバイスを生成するアドバイス生成手段と、
生成された前記アドバイスを出力するアドバイス出力手段と、を備え、
前記分析手段は、
前記所定ルールを格納する知識ファイルと、
前記分析を実行するためのエンジン部と、を含み、
前記アドバイス生成手段は、
第1の所定期間において測定された前記2種以上の身体的情報の分析によって、目標達成度を知らせるための前記アドバイスを生成する、健康管理支援装置。
【請求項2】
前記アドバイス生成手段は、
第2の所定期間において測定された前記2種以上の身体的情報の分析によって、目標達成を可能にするための前記アドバイスを生成する、請求項1に記載の健康管理支援装置。
【請求項3】
前記分析手段は、
前記2種以上の身体的情報について、所定の測定期間毎に、時間経過に従う変化を分析する、請求項1または2に記載の健康管理支援装置。
【請求項4】
前記所定の測定期間は、日単位、週単位または月単位を含む、請求項3に記載の健康管理支援装置。
【請求項5】
前記アドバイス生成手段は、
前記分析手段により分析された時間経過に従う変化点に対応のアドバイスを生成する、請求項4に記載の健康管理支援装置。
【請求項6】
前記アドバイス生成手段は、
前記分析手段により分析された時間経過に従い検出された所定の特徴に対応のアドバイスを生成する、請求項4または5に記載の健康管理支援装置。
【請求項7】
前記分析手段は、
前記2種類以上の身体的情報と、前記身体的情報とは異なる種類の情報を、所定ルールに従って、両者の関連性に基づいた分析をするための手段を含む、請求項1から6のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項8】
ユーザの体重データを測定時刻データとともに受理する手段と、
前記測定時刻データに基づき、前記体重データは、朝時間帯または夜時間帯に測定された体重データであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記朝時間帯または夜時間帯に測定された体重データの、一定期間の朝夜体重変化量を時系列に従って演算する演算手段と、
演算結果に基づき、所定アドバイスを生成する所定アドバイス生成手段と、
生成された前記所定アドバイスを出力するアドバイス出力手段と、をさらに備える、請求項1から7のいずれかに記載の健康管理支援装置。
【請求項9】
前記演算手段は、
前記朝夜体重変化量を曜日ごとに累積する手段を含む、請求項8に記載の健康管理支援装置。
【請求項10】
前記演算手段は、前記朝夜体重変化量のばらつきを算出する手段を含む、請求項8または9に記載の健康管理支援装置。
【請求項11】
一定期間に測定された前記体重データに基づく前記朝夜体重変化量に基づき、「朝から夜に増える体重」と「夜から朝に減る体重」を度数分布化して出力する手段を、さらに備える、請求項8に記載の健康管理支援装置。
【請求項12】
一定期間に測定された前記体重データに基づく前記朝夜体重変化量に基づき、曜日毎に「朝から夜に増える体重」と「夜から朝に減る体重」を度数分布化しグラフ表示する手段を、さらに備える請求項8に記載の健康管理支援装置。
【請求項13】
サーバ装置と、
ユーザについて測定された2種以上の身体的情報を測定時間データとともに前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置から受信する情報を出力する情報端末と、を備える健康管理支援システムであって、
前記サーバ装置は、
前記情報端末から、前記2種以上の身体的情報を測定時間データとともに受理する手段と、
受理した前記2種類以上の身体的情報を、所定ルールに従って、両者の関連性に基づいた分析をするための分析手段と、
前記分析の結果に基づき、アドバイスを生成するアドバイス生成手段と、
生成された前記アドバイスを前記情報端末に送信する手段と、を含み、
前記分析手段は、
前記所定ルールを格納する知識ファイルと、
前記分析を実行するためのエンジン部と、を有し、
前記アドバイス生成手段は、
第1の所定期間において測定された前記2種以上の身体的情報の分析によって、目標達成度を知らせるための前記アドバイスを生成する、健康管理支援システム。
【請求項14】
前記アドバイス生成手段は、
第2の所定期間において測定された前記2種以上の身体的情報の分析によって、目標達成を可能にするための前記アドバイスを生成する、請求項13に記載の健康管理支援システム。
【請求項15】
前記ユーザについて、前記2種以上の身体的情報を測定するための1つ以上の健康機器を更に備える、請求項13または14に記載の健康管理支援システム。
【請求項16】
ユーザについて測定された2種以上の身体的情報を処理する健康管理支援プログラムであって、
前記2種以上の身体的情報を測定時間データとともに受理するステップと、
受理した前記2種類以上の身体的情報を、所定ルールに従って、両者の関連性に基づいた分析をするためのステップと、
前記分析の結果に基づき、アドバイスを生成するステップと、
生成された前記アドバイスを出力するステップと、をコンピュータに実行させ、
前記分析するためのステップでは、
前記所定ルールを格納する知識ファイルを参照して、前記分析を実行するためのステップ、を含み、
前記アドバイスを生成するステップでは、
第1の所定期間において測定された前記2種以上の身体的情報の分析によって、目標達成度を知らせるための前記アドバイスを生成する、健康管理支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2011−209871(P2011−209871A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75331(P2010−75331)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】