説明

側溝コンクリートブロック

【課題】積雪地域では除雪用のブルドーザー、ショベルカー等の除雪板に鋼製の側溝頂盤部がひっかかって外れるような事態が発生しており、強度があるだけでは対抗できないので、対処として衝撃を吸収できる構造を提供する。
【解決手段】側溝コンクリートブロックの側溝底盤部のコンクリート層Cと集水開口部2を形成する頂盤部のコンクリート層Aの間に緩衝材による中間層Bを介在させて側溝コンクリートブロックを成形し、中間層Bの緩衝材によって車両等の通行による衝撃を吸収させるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路脇に設けられる集排水用の側溝を構築するコンクリートブロックで、特に、道路を横断して設定される溝部分について問題となる車両等の通行による衝撃によって側溝が破損することを防止するため車両等の通行が側溝に与える衝撃を緩衝するようにしたコンクリートブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両等の通行による衝撃によって側溝が破損することに対処する手段としては、例えば特許文献1に記載のように集水開口部に設けた鋼製受け枠に鋼製グレーチング蓋をしたり、鋼製受け枠を側溝打設の際に埋め込み、排水用水抜穴付鋼板蓋をしたりして対応してきている。
【0003】
ところが、このような対処方法では鋼製受け枠外側のコンクリート受け部が破損していくため、更に、コンクリート受け部を鋼製部材で補強したり、側溝の開口部を出来るだけ小さくして、その天端部を鋼材で補強したりする対処方法も行われてきた。
【特許文献4】特開2000ー352106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、積雪地域では除雪用のブルドーザー、ショベルカー等の除雪板が路面ぎりぎりの所を除雪するため、特に、道路横断溝部分では、除雪板に鋼製部材がひっかかって外れるような事態が発生し、除雪後の車両等の通行に大きな支障となり、危険な事故にもつながりかねない問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、従来の対応が通行衝撃に対して素材強度で対抗し、衝撃の吸収が顧慮されていない点に着目し、側溝を構成するコンクリートブロックの側溝底盤部コンクリート層と集水開口部を形成する頂盤部コンクリート層の間に緩衝材による中間層を介在させて、頂盤部にかかる衝撃を中間層で吸収するようにした。
【0006】
また、頂盤部コンクリート層の素材コンクリートを底盤部コンクリート層の素材コンクリートより高強度のコンクリートを用いて表面部を強度対抗させ、支持部に衝撃吸収力を持つ弾性素材を用いることによって底盤部コンクリート層の素材コストを下げると共に、衝撃吸収力も強化されるようにしたものである。
【実施例】
【0007】
以下図面に従って本発明の実施例を説明する。1は本発明による側溝用ブロック本体であり、頂盤部コンクリート層A、側溝底盤部コンクリート層C、その中間に介在する中間層Bの3層から成っている。
【0008】
頂盤部コンクリート層Aは集水開口部2によって2分されるため、側溝頂盤部2a、2bから成り、超高強度コンクリートによって成形され、矢張り排水溝3によって2分され別に成形されたゴム製側盤3a、3bによって構成される中間層Bの上部に接着剤等によってそれぞれ着接される。
【0009】
側溝底盤部コンクリート層Cは、上面に排水溝3の底面4を形成して普通コンクリートにより一体に成形され、上面両翼に上記側溝頂盤部2a、2bを上面に着接したゴム製側盤3a、3bをそれぞれ着接して側溝用ブロックとして一体化して側溝コンクリートブロックとして完成する。
【0010】
中間層Bを形成する緩衝材は、上記ゴムによるほか、合成樹脂、発泡コンクリートによることもでき、発泡コンクリートによる場合は1つの型枠に各素材を順次重積して1度に成形、養生を行うこともできる。
【0011】
本発明は以上のように構成したので、従来、車両通行等により破損や故障を免れなかった側溝頂盤部を衝撃吸収によって保護し、側溝構造の安定を図ることができたものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による側溝コンクリートブロックの実施例を示すもので、ブロックの全体構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0013】
1 側溝用ブロック本体
2 側溝用ブロックの集水開口部
2a、2b 側溝用ブロックの側溝頂盤部
3 側溝用ブロックの排水溝
3a、3b 側溝用ブロックの側溝頂盤部
4 側溝用ブロック排水溝の底面
A 頂盤部コンクリート層
B 中間層
C 底盤部コンクリート層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
側溝底盤部のコンクリート層と集水開口部を形成する頂盤部のコンクリート層の間に緩衝材による中間層を介在させて成る側溝コンクリートブロック
【請求項2】
集水開口部を形成する頂盤部のコンクリート層を高強度コンクリートにより形成した請求項1記載の側溝コンクリートブロック

【図1】
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【公開番号】特開2007−277970(P2007−277970A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−107073(P2006−107073)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(000157315)丸高コンクリート工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】