説明

側溝用ブロック及び排水性側溝構造

【課題】 従来の蓋部材に相当する桟部材を用い、この桟部材をブロック本体と一体に形成させることで製造コスト、運搬コスト、人件費、作業手間、工期等、多くの面で有利になる側溝用ブロックの提供。
【解決手段】 左右の側壁22a,22b間に形成された側溝水路23の上部に溝開口部24が形成されたコンクリート製のブロック本体2と、ブロック本体の長さ方向に並列した状態で隣り合う間にスリット状の通水間隙31を保持して溝開口部に架設される複数個の桟部材3を備え、桟部材3の上で溝開口部を塞ぐように排水性側溝表層4を形成させるようにした側溝用ブロック1である。複数の各桟部材は、その両端部が側壁に埋設されて前記ブロック本体と一体に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水の排水機能を有する側溝用ブロック及びこの側溝用ブロックを用いた排水性側溝構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、側溝用ブロックの溝開口部を雨水の排水機能を有する排水性側溝表層によって覆うことで形成した排水性側溝構造が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この排水性側溝構造は、上面が開口した一般的な側溝用ブロックと、この側溝用ブロックとは別体に形成した蓋体との組み合わせによる構造で、この蓋体は複数の蓋部材(等辺山形型材)をスリット状の通水間隙を保持して連結部材により連結させるものであった。
【0004】
施工に際しては、側溝用ブロックとは別に蓋体を工場で組み立て製造して現場に搬送し、先に側溝用ブロックを敷設させたのち(現場打ちでもコンクリート二次製品を用いてもよい)、その側溝用ブロックの蓋受け段差面に蓋体を載置させて溝開口部に架設させ、その上で蓋体の上に排水性側溝表層を形成させる構造になっていた。
【0005】
従って、雨水は排水性側溝表層を透水し、さらに蓋体を形成する蓋部材間の通水間隙を通して側溝水路内に流入するもので、これにより雨水を効率よく側溝水路内に排水させることができる。
【0006】
又、排水性側溝構造では、非透水性路面下地層の上に排水性路面表層を形成した排水性舗装路の路肩に側溝用ブロックを設置させ、この側溝用ブロックの溝開口部を塞ぐように形成した排水性側溝表層を前記排水性路面表層に一体に連続して形成させることになる。
【0007】
これにより、排水性舗装路上の雨水を排水性路面表層から排水性側溝表層に流入させ、この排水性側溝表層から前記蓋部材間の通水間隙を通して側溝水路内に連続して排水させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−23776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のように、蓋体が側溝用ブロックと別体のものでは、側溝用ブロックと蓋体を別々に製造してそれぞれを別々に運搬し、現場で組み立てていくことになるため、製造コスト、運搬コスト、人件費、作業手間、工期等、多くの面で不利になってしまうという問題があった。
【0010】
本発明は、従来の蓋部材に相当する桟部材を用い、この桟部材をブロック本体と一体に形成させることで製造コスト、運搬コスト、人件費、作業手間、工期等、多くの面で有利になる側溝用ブロック及びこの側溝用ブロックを用いた排水性側溝構造を提供することを課題としている。
【0011】
尚、従来、側溝用ブロックの溝開口部を排水性側溝表層によって覆うようにした側溝用ブロック又は排水性側溝構造において、ブロック本体と桟部材を備え、この桟部材をブロック本体と一体に形成したものは見当たらない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明は以下のような構成を採用した。
即ち、請求項1記載の側溝用ブロックは、
左右の側壁(22a),(22b)間に形成された側溝水路(23)の上部に溝開口部(24)が形成されたコンクリート製のブロック本体(2)と、
ブロック本体(2)の長さ方向に並列した状態で隣り合う間にスリット状の通水間隙(31)を保持して前記溝開口部(24)に架設される複数個の桟部材(3)を備え、
前記桟部材(3)の上で溝開口部(24)を塞ぐように排水性側溝表層(4)を形成させるようにした側溝用ブロック(1)であって、
前記複数の各桟部材(3)は、その両端部が前記側壁(22a),(22b)に埋設されて前記ブロック本体(2)と一体に形成されている構成とした。
【0013】
請求項2記載の側溝用ブロックは、
請求項1記載の側溝用ブロック(1)において、
前記桟部材(3)が角部を頂部とした等辺山形型材である構成とした。
【0014】
請求項3記載の側溝用ブロックは、
請求項1記載の側溝用ブロック(1)において、
前記ブロック本体(2)の両端面に前記側溝水路(23)の内縁に沿って継目用目地溝(25)が形成され、ブロック本体(2)の両端部には後付け用桟部材(5)を装着するための上面開放部(26)が形成され、かつ前記左右の側壁(22a),(22b)の両端部上面にそれぞれ後付け用桟部材(5)を載置させるための装着部(27)が形成されている構成とした。
【0015】
請求項4記載の側溝用ブロックは、
請求項1記載の側溝用ブロック(1)において、
前記側壁(22a)の上端面にブロック本体(2)の長さ方向に長いスリット排水口(6)が形成され、前記桟部材(3)のうち数個置きに配設された桟部材(3a)の端面に排水開口部(60)が形成され、この排水開口部(60)を介して前記スリット排水口(6)がブロック本体(2)の側溝水路(23)内に連通され、かつ前記スリット排水口(6)に前記排水開口部(60)に向けて下り傾斜した流下傾斜面(62)が形成されている構成とした。
【0016】
請求項5記載の排水性側溝構造は、
非透水性路面下地層(91)の上に排水性路面表層(92)を形成した排水性舗装路(9)に側溝用ブロック(A)を設置して形成した排水性側溝構造であって、
前記側溝用ブロック(A)は、左右の側壁(22a),(22b)間に形成された側溝水路(23)の上部に溝開口部(24)が形成されたブロック本体(2)と、ブロック本体(2)の長さ方向に並列した状態で隣り合う間にスリット状の通水間隙(31)を保持して前記溝開口部(24)に架設される複数個の桟部材(3)を備え、
左右の側壁(22a),(22b)は一方の高さと他方の高さが異なる高側壁(22a)と低側壁(22b)に形成され、
前記低側壁(22b)が前記排水性舗装路9の側に面するように配設されると共に、その低側壁(22b)の上面が前記排水性舗装路(9)の非透水性路面下地層(91)とほぼ同一高さに形成され、
前記桟部材(3)の上で溝開口部(24)を塞ぐように形成された排水性側溝表層(4)が前記排水性舗装路(9)の排水性路面表層(92)に一体に連続して形成され、
かつ前記複数の各桟部材(3)は、その両端部が前記側壁(22a),(22b)に埋設されて前記ブロック本体(2)と一体に形成されている構成とした。
【0017】
請求項6記載の排水性側溝構造は、
請求項5記載の排水性側溝構造において、
前記ブロック本体(2)の両端面に前記側溝水路(23)の内縁に沿って継目用目地溝(25)が形成され、ブロック本体(2)の両端部には後付け用桟部材(5)を装着するための上面開放部(26)が形成され、かつ前記左右の側壁(22a),(22b)の両端部上面にそれぞれ後付け用桟部材(5)を載置させるための装着部(27)が形成され、
前記低側壁(22a)の上面に形成された装着部(27)の谷部(28)はブロック本体(2)の外面まで延長して形成されると共に、その谷深さが前記排水性舗装路(9)の非透水性路面下地層(91)の下に形成された路盤面(94)の高さほぼ同一に形成され、前記谷部(28)を介して路盤面(94)に溜まった雨水を側溝水路(23)内に導入できるように形成されている構成とした。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1〜4の側溝用ブロック及び請求項5、6の排水性側溝構造は、複数の桟部材の両端部を側壁左右の側壁(22a),(22b)に埋設させてブロック本体(2)と一体に形成させた構成に特徴がある。
このように、ブロック本体(2)の溝開口部(24)に架設される複数個の桟部材(3)をブロック本体(2)と一体形成することにより、生産コスト、運送コスト、人件費、作業手間等、多くの面で有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例に係る側溝用ブロックを示す一部切欠平面図である。
【図2】その側溝用ブロックを示す左側面図である。
【図3】その側溝用ブロックを示す側面断面図で、図1のA−A断面図である。
【図4】その側溝用ブロックを示す側面断面図で、図1のB−B断面図である。
【図5】その側溝用ブロックを示す一部切欠正面図である。
【図6】その側溝用ブロックに形成したスリット排水口を示す断面図で、図2のC−C断面図である。
【図7】前記側溝用ブロックを用いた本発明の排水性側溝構造の実施例を示す側面断面図である。
【図8】前記側溝用ブロックを用いた本発明の排水性側溝構造の実施例を示す一部切欠平面図である。
【図9】前記側溝用ブロックを用いた本発明の排水性側溝構造の実施例を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図において、1は側溝用ブロックで、コンクリート製のブロック本体2に複数個の桟部材3が一体に形成されたコンクリート二次製品であり、図7、図8に示すように、非透水性路面下地層91の上に排水性路面表層92を形成した排水性舗装路9の路肩部に設置されて排水性側溝構造を形成する。
尚、図7において、符号95は縁石ブロックである。
【0021】
前記ブロック本体2は、底部21と左右の側壁22a,22bにより内部に側溝水路23が形成され、この側溝水路23の上部に溝開口部24が形成され、この溝開口部24を塞ぐように形成した排水性側溝表層4が前記排水性舗装路9の排水性路面表層92に一体に連続して形成されている。
【0022】
このように、排水性側溝表層4を排水性路面表層92に一体に連続させるための構造として、前記左右の側壁22a,22bは、図2〜4、7に示すように、右側側壁の高さを左側側壁の高さよりも低くして、左側側壁を高側壁22aとし、右側側壁を低側壁22bとして形成し、図7に示すように、低側壁22bを乗り越えることで排水性側溝表層4と排水性路面表層92を一体に連続させることができる。
【0023】
前記桟部材3は、前記排水性側溝表層4を下から支える支持部材となるもので、角部を頂部とした等辺山形型材(アングル型材)を用いて形成され、ブロック本体2の長さ方向に並列した状態で隣り合う間にスリット状の通水間隙31を保持して前記溝開口部24に架設される。
【0024】
このように、溝開口部24に架設させる複数の桟部材3を用い、この桟部材3の両端部を前記側壁22a,22bに埋設させて前記ブロック本体2と一体に形成させた構成が本発明の特徴である。
尚、側溝用ブロック1の製造に際しては、桟部材3を組み付けた成形金型にコンクリートを打設し、所定の養生期間を経たのち成形金型を脱型し、桟部材3をブロック本体2に一体的に組み付けた側溝用ブロック1を成形することになる。
【0025】
尚、前記通水間隙31のスリット幅は、前記排水性側溝表層4を構成する小骨材の粒径よりも狭く形成して小骨材が通水間隙31から脱落しないようにする必要があり、実施例では小骨材の粒径を5mm以上とし、通水間隙31のスリット幅を5mm以下に形成している。
【0026】
又、前記ブロック本体2の両端面には、側溝用ブロック1を長さ方向に継ぎ足して連結させる際に、継ぎ目をモルタル等で塞ぐための継目用目地溝25が側溝水路23の内縁に沿って形成されている。
【0027】
このように側溝水路23の内縁に沿って継目用目地溝25を形成した場合、側溝水路23の溝開口部24の全体に亘って桟部材3を架設させると、継目用目地溝25にモルタル等を充填させる作業ができなくなる。
そこで、ブロック本体2の両端部については、予め桟部材3を一体に架設させずに桟部材3の1個分(複数個分でもよい)の上面開放部26を空けると共に、前記左右の側壁22a,22bの両端上面にそれぞれ後付け用桟部材5を載置させるための山形装着部27を形成させている。
【0028】
前記後付け用桟部材5は、ブロック本体2に一体化させた前記桟部材3と同一サイズの等辺山形型材を用いて前記ブロック本体2とは別体で形成され、又、前記山形装着部27は後付け用桟部材5の内面形状に一致した山形形状に形成されている。
【0029】
したがって、側溝用ブロック1を長さ方向に継ぎ足して連結させる際には、まず、ブロック本体2の端部に形成した上面開放部26から側溝水路23内に手を差し込んで継目用目地溝25にモルタル等を充填させる作業を行う。
次に、前記左右の側壁22a,22bの両端上面に形成した山形装着部27、27に後付け用桟部材を被せて上面開放部26に架設させることになる。
【0030】
左右の側壁22a,22bのうち前記低側壁22bの上面に形成された山形装着部27は、その谷部28が低側壁22bの外面まで延長して形成されると共に、その谷深さが前記排水性舗装路9の非透水性路面下地層91の下に形成された路盤面94の高さほぼ同一に形成されている。
【0031】
排水性側溝構造の施工に際し、前記路盤面94を形成させたのち、この上に非透水性路面下地層91を形成するまでに日数がかかるような場合、降雨によって路盤面94に雨水が溜ってしまうことがある。
このような場合、雨水が溜ったままになると、車による水はねが生じたり、雨水が次第に路盤面94から浸透して路盤が軟弱になったりしてしまうことがある。
【0032】
そこで、上記のように、低側壁22bの上面に形成した山形装着部27の谷部28をブロック本体2の外面まで延長させると共に、その谷深さを路盤面94の高さとほぼ同一に形成させることにより、前記谷部28を排水溝として路盤面94に溜まった雨水をブロック本体2の側溝水路23内に排水することができる。
【0033】
前記低側壁22bの上面には、その外側角部に面取り部29が形成されている。
図7に示すように、非透水性路面下地層91の上に排水性路面表層92を形成した排水性舗装路9に排水性側溝構造を形成させる場合、前記非透水性路面下地層91は側溝用ブロック1の低側壁22bによって縁切りされる。
このとき、側溝用ブロック1の低側壁22bの外面上端部が垂直に形成されていると、前記非透水性路面下地層91の縁切り部分91aに沈下が生じ易くなる。
【0034】
そこで、前記面取り部29を形成し、この面取り部29を上から覆うように前記非透水性路面下地層91を形成させることにより、非透水性路面下地層91の縁切り部分91aを下から支えることができ、側溝用ブロック1と排水性舗装路9の不等沈下を抑制することができる。
【0035】
排水性側溝構造では、長年使用に伴い排水性側溝表層4が泥等によって目詰まりし、特に、泥等の流入が激しいような場所では排水性側溝表層4による排水機能が損なわれてしまうという問題がある。
【0036】
そこで、排水性側溝表層4の目詰まりに伴う泥水や大雨等で集中した表面水を側溝水路23内に排水させるための構造として前記高側壁22aの上端面にブロック本体2の長さ方向に長いスリット排水口6を数箇所(実施例では3箇所)に形成させている。尚、このスリット排水口6の数は限定されない。
【0037】
又、前記桟部材3の高側壁22a側の端面に排水開口部60を形成させ、この排水開口部60を介して前記スリット排水口6がブロック本体2の側溝水路23内に連通するように形成させている。
尚、前記排水開口部60の底面は、側溝水路23に向けた下り傾斜面61に形成されて、側溝水路23への雨水の流下がスムーズになるようにしている。
【0038】
前記排水開口部60は、図6に示すように全部の桟部材3のうち数個置きに配設された桟部材3aの端面に形成され、そして、前記スリット排水口6に前記排水開口部60に向けて下り傾斜した流下傾斜面62が形成されている。
【0039】
排水開口部60への雨水の流水速度が遅いと、排水開口部60に泥やゴミ等が溜まり、ついには排水開口部60及びスリット排水口6に穴詰まりが生じることがある。
【0040】
これに対処するため上記のように、排水開口部60に比べてスリット排水口6を長く形成させ、かつスリット排水口6に流下傾斜面62を形成させることにより、スリット排水口6に流入した雨水を排水開口部60に向けて集中的かつ勢いよく流下させることができ、排水開口部60に泥やゴミ等が溜まるのを抑制することができる。
尚、実施例では、図4に示すように、スリット排水口6の上端開口幅T1を底面幅T2よりも広く形成することで雨水の流下速度をさらに高める構造としている。
【0041】
又、前記スリット排水口6の上端開口幅Tは、歩行者の靴の踵、特にハイヒールの踵が入り込まないようなスリット幅に形成しながら、集水面積を広くとるために開口幅を広くするのが望ましい。
【0042】
そのための構造として、図4に示すように、スリット排水口6の上面開口部6aに、その上面開口部6aを二分するように仕切り板63を取り付けて2個の分割開口部6b、6bを形成させている。
このように分割開口部6b、6bを形成させることで、それぞれの分割開口部6b、6bの開口幅T3,T3をハイヒールの踵が入り込まないような狭い幅(9mm以下)に形成させながら、両方の分割開口部T3,T3を合算させた2倍の幅で集水面積を広げることができる。
特に、分割開口部T3を形成したことによって小石やゴミ等の進入を抑制できるし、小石やゴミ等が進入したとしてもスリット排水口6の内部の幅が分割開口部T3よりも広いため、進入してきた小石やゴミ等がスリット排水口6の内部に詰まるのを抑制できる。
【0043】
前記仕切り板63としては金属板、プラスチック板を使用でき、高側壁22aの上面に前記流下傾斜面62の途中までの深さで形成した切り込み部64に上から差し込んだ取付け構造になっている。尚、仕切り板63をブロック本体と一体に形成してもよい。
【0044】
実施例では、非透水性路面下地層91の上に排水性路面表層92を形成した排水性舗装路9の路肩部分に排水性側溝構造を形成させた例を示したが、これに限らず、道路を横断して排水性側溝構造を設置させるような場合、排水性側溝表層4の左右両側を排水性舗装路9の排水性路面表層92に連続させるように施工することができるし、又、必ずしも排水性側溝表層4を排水性路面表層92に連続させる必要はなく、側溝用ブロック1の上だけに排水性側溝表層4を形成してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 側溝用ブロック
2 ブロック本体
21 底部
22a 側壁(高側壁)
22b 側壁(低側壁)
23 側溝水路
24 溝開口部
25 継目用目地溝
26 上面開放部
27 装着部(山形装着部)
28 谷部
29 面取り部
3 桟部材
3a 桟部材
31 通水間隙
4 排水性側溝表層
5 後付け用桟部材
6 スリット排水口
6a 上面開口部
6b 分割開口部
60 排水開口部
61 下り傾斜面
62 流下傾斜面
63 仕切り板
64 切り込み部
9 排水性舗装路
91 非透水性路面下地層
91a 縁切り部分
92 排水性路面表層
94 路盤面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右の側壁(22a),(22b)間に形成された側溝水路(23)の上部に溝開口部(24)が形成されたコンクリート製のブロック本体(2)と、
ブロック本体(2)の長さ方向に並列した状態で隣り合う間にスリット状の通水間隙(31)を保持して前記溝開口部(24)に架設される複数個の桟部材(3)を備え、
前記桟部材(3)の上で溝開口部(24)を塞ぐように排水性側溝表層(4)を形成させるようにした側溝用ブロック(1)であって、
前記複数の各桟部材(3)は、その両端部が前記側壁(22a),(22b)に埋設されて前記ブロック本体(2)と一体に形成されていることを特徴とする側溝用ブロック。
【請求項2】
請求項1記載の側溝用ブロック(1)において、
前記桟部材(3)が角部を頂部とした等辺山形型材である側溝用ブロック。
【請求項3】
請求項1記載の側溝用ブロック(1)において、
前記ブロック本体(2)の両端面に前記側溝水路(23)の内縁に沿って継目用目地溝(25)が形成され、ブロック本体(2)の両端部には後付け用桟部材(5)を装着するための上面開放部(26)が形成され、かつ前記左右の側壁(22a),(22b)の両端部上面にそれぞれ後付け用桟部材(5)を載置させるための装着部(27)が形成されている側溝用ブロック。
【請求項4】
請求項1記載の側溝用ブロック(1)において、
前記側壁(22a)の上端面にブロック本体(2)の長さ方向に長いスリット排水口(6)が形成され、前記桟部材(3)のうち数個置きに配設された桟部材(3a)の端面に排水開口部(60)が形成され、この排水開口部(60)を介して前記スリット排水口(6)がブロック本体(2)の側溝水路(23)内に連通され、かつ前記スリット排水口(6)に前記排水開口部(60)に向けて下り傾斜した流下傾斜面(62)が形成されている側溝用ブロック。
【請求項5】
非透水性路面下地層(91)の上に排水性路面表層(92)を形成した排水性舗装路(9)に側溝用ブロック(A)を設置して形成した排水性側溝構造であって、
前記側溝用ブロック(A)は、左右の側壁(22a),(22b)間に形成された側溝水路(23)の上部に溝開口部(24)が形成されたブロック本体(2)と、ブロック本体(2)の長さ方向に並列した状態で隣り合う間にスリット状の通水間隙(31)を保持して前記溝開口部(24)に架設される複数個の桟部材(3)を備え、
左右の側壁(22a),(22b)は一方の高さと他方の高さが異なる高側壁(22a)と低側壁(22b)に形成され、
前記低側壁(22b)が前記排水性舗装路9の側に面するように配設されると共に、その低側壁(22b)の上面が前記排水性舗装路(9)の非透水性路面下地層(91)とほぼ同一高さに形成され、
前記桟部材(3)の上で溝開口部(24)を塞ぐように形成された排水性側溝表層(4)が前記排水性舗装路(9)の排水性路面表層(92)に一体に連続して形成され、
かつ前記複数の各桟部材(3)は、その両端部が前記側壁(22a),(22b)に埋設されて前記ブロック本体(2)と一体に形成されていることを特徴とする排水性側溝構造。
【請求項6】
請求項5記載の排水性側溝構造において、
前記ブロック本体(2)の両端面に前記側溝水路(23)の内縁に沿って継目用目地溝(25)が形成され、ブロック本体(2)の両端部には後付け用桟部材(5)を装着するための上面開放部(26)が形成され、かつ前記左右の側壁(22a),(22b)の両端部上面にそれぞれ後付け用桟部材(5)を載置させるための装着部(27)が形成され、
前記低側壁(22a)の上面に形成された装着部(27)の谷部(28)はブロック本体(2)の外面まで延長して形成されると共に、その谷深さが前記排水性舗装路(9)の非透水性路面下地層(91)の下に形成された路盤面(94)の高さほぼ同一に形成され、前記谷部(28)を介して路盤面(94)に溜まった雨水を側溝水路(23)内に導入できるように形成されている排水性側溝構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−12869(P2012−12869A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151662(P2010−151662)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(504127887)エムシー産業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】