説明

優れた屈曲剛性を備えた磁気弾性材料のフィルム片を形成する方法、この方法によって得られる製造、およびセンサ

本発明は、初期屈曲剛性を有する磁気弾性材料のフィルム(1)の片(2、4)に第1の方向の優れた屈曲剛性を付与する方法に関する。この方法によると、片(2、4)は片(2、4)の第1の方向の少なくとも1本の分割線(5)を備えている。さらに、片(2、4)が第1の方向に対して横の方向に恒久的な屈曲を備えるように、片(2、4)は少なくとも1本の分割線(5)の少なくとも1本に沿って屈曲され、それにより優れた屈曲剛性が片(2、4)の第1の方向に与えられる。また、この方法によって得られる製品(11)、センサ(11)、およびセンサ(11)を含む吸収構造および吸収体も含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、初期屈曲剛性を有する磁気弾性材料のフィルム片に第1の方向の優れた屈曲剛性を付与する方法に関する。加えて、本発明は、この方法により得られる、磁気弾性材料のフィルム片を含む製品に関する。また、本発明は、第1の方向に初期屈曲剛性を有する、磁気弾性材料のフィルム片を備えたセンサに関する。さらに、本発明は、本発明によるセンサを備えた吸収構造および吸収体と、本発明による吸収構造を備えた感知吸収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
尿、排泄物および血液などの体内老廃物の吸収、保持および隔離のために今日知られている、おむつ、パンツタイプのおむつ、失禁用衣類、生理用ナプキン、ベッド保護物、雑巾、タオル、ティッシュ、タンポン状製品および創傷または痛み包帯などの多くの異なるタイプの吸収体がある。このような既知の吸収体のいくつかは、吸収体上または内への吸収後に、排尿または排便などの事態に反応するセンサを備えている。反応は、例えば、事態が起こった後の信号であってもよく、例えば湿気、生物検体および/または化学検体の測定に基づいていてもよい。事態の信号により、ユーザ、親、介護者、看護人などが、事態が起こったことを容易に判断することが可能になる。いくつかの吸収体で利用される1つのタイプのセンサは、磁気弾性センサである。磁気弾性センサは、非特許文献1に記載されている。
【0003】
磁気弾性センサは、磁気弾性材料の片、普通はストリップを含んでいる。磁気弾性センサ内で磁気弾性材料として利用するのに適した材料は、例えば、鉄ニッケル合金、希土類金属、フェライト、例えばスピネルタイプのフェライト(Fe、MnFe)、ケイ素鉄合金、多くの他の異なる合金およびその混合物などの、非ゼロ磁気歪および高い磁気弾性結合を有する材料である。柔らかい磁気弾性材料、合金およびその混合物と、アモルファス磁気弾性材料、合金およびその混合物を利用することができる。アモルファス磁気弾性材料の例は、Fe40Ni38Mo18、例えばMetglas 2826MB(商標)(Honeywell Amorphous Metals、米国ペンシルバニア州ピッツバーグ)、(FeCo)8020、(CoNi)8020および(FeNi)8020などのmetglasである。
【0004】
「磁気歪」という用語は、外部磁場が存在する状態で材料が寸法を変える現象のことを言う。寸法変化の大きさは、材料の磁化、およびもちろん材料性状による。磁気歪の現象は、材料中の原子磁気モーメント間の相互作用による。
【0005】
「高い磁気弾性結合」という用語は、高い磁気弾性結合を有する材料が磁気エネルギーを機械的弾性エネルギーに、およびその逆に効率的に変換するという事実のことを言う。磁気エネルギーを機械的弾性エネルギーに変換することができる材料が時変磁場によって励起されると、弾性波はその長さに反比例する機械的共振周波数を有する材料を機械的に変形させる。材料が磁気歪性もある場合、材料が機械的に変形された時に磁束を生成して、磁束は遠くに延び、ピックアップコイルによって検出することができる。
【0006】
さらに、磁気弾性センサの磁気弾性材料は、外部磁場によって励起された場合に、磁気弾性モードで磁気エネルギーを蓄積する。磁場が切られた場合、磁気弾性材料は、磁気音響共振周波数として示される特定の周波数を有する減衰振動を示す。これらの振動は、ピックアップコイルによって遠隔的に検出することができる、時間と経過と共に変化する磁束を生じさせる。例えば、パルス化正弦波磁場などのパルス化磁場が磁気弾性材料に加えられた場合、磁気パルス間の特徴的な共振周波数、すなわち磁気音響効果を検出することが可能である。磁気音響共振周波数は、磁気弾性材料の片の長さに反比例する。磁気音響共振周波数の変化は、多数の環境パラメータを測定または検出するように監視することができる。
【0007】
特許文献1は、少なくとも1つの吸収剤層、および磁気弾性フィルムを有する少なくとも1つの感知装置を備えた使い捨て感知吸収構造を記載している。感知吸収構造は、例えば、おむつ、パンツタイプのおむつ、失禁用保護物、生理用ナプキンまたはベッド保護物などの吸収体内に含めることができる。一実施形態では、感知装置は、湿気の検出のために利用することを目的としている。感知装置の磁気弾性フィルムはその後、湿気、例えば水分、液体または湿度と相互作用する感湿性ポリマーで被覆される。感湿性ポリマーは、吸収または吸着により尿などの湿気と相互作用し、それによって感知装置の質量が変化する。この質量の変化は、磁気弾性フィルムの磁気音響共振周波数を増加あるいは減少させる。したがって、質量変化は測定可能であり、感湿性ポリマーと相互作用する湿度の量と相互関係がある。別の実施形態では、感知装置の磁気弾性フィルムは、体内老廃物、身体浸出液、または使用者/着用者の皮膚内の少なくとも1つのターゲット生物および/または化学検体を検出するようになっている少なくとも1つの検出器分子で直接または間接的に被覆されている。特許文献1を、全体を参照として本明細書で援用する。
【0008】
吸収体以外の多くの他の技術分野で磁気弾性要素を利用することが知られている。例えば、位置センサ、識別マーカと関連して、盗難防止用タグまたは電子商品監視(EAS)タグとして磁気弾性要素を利用することが知られている。
【0009】
例えば磁気弾性センサ内で磁気弾性材料として利用することができる磁気弾性材料は普通、連続リボンとして製造される。しかし、このようなリボンは普通、長手方向湾曲を示す、または長手方向に湾曲する傾向がある。長手方向湾曲、または長手方向に湾曲する傾向は、製造固有のものである、および/またはリボンがロール形で格納されるということにより生じる可能性がある。例えば、アモルファス強磁性金属は普通、連続リボンとして溶解物から急速固化によって製造される。このようなリボンでは、製造固有の長手方向湾曲は、急速固化中の熱誘導機械応力から生じるように見える。
【0010】
磁気弾性センサを製造するのに利用することができる磁気弾性材料のリボンが普通、長手方向湾曲を示す、または長手方向に湾曲する傾向があるという事実は、一般的な問題である。磁気弾性材料のこのようなリボンのストリップは普通、磁気弾性センサ内で使用される。また、磁気弾性材料のリボンが長手方向湾曲を示す、または長手方向に湾曲する傾向がある場合、リボンから切り取られたストリップは、長手方向湾曲を示す、または長手方向に湾曲する傾向がある。普通、磁気弾性センサは、カプセル、パッケージ、ハウジングまたは同様の装置内に封入または包装される。しかし、磁気弾性センサ内で利用される磁気弾性材料のストリップが長手方向湾曲を示す、または長手方向に湾曲する傾向がある場合、カプセルは、センサの振動を妨げることなく、磁気弾性センサを収納するように比較的高い高さをしていなければならない。磁気弾性センサが振動中にカプセルに触れると、センサの磁気音響共振周波数が妨げられるまたは減衰される。例えば、吸収体の分野では、カプセルができるだけ薄いことが裁量の理由で重要である。したがって、磁気弾性センサを製造するのに利用することができる磁気弾性材料のリボンが普通、長手方向湾曲を示す、または長手方向に湾曲する傾向があるという事実は、カプセルの設計に対して問題を生じさせる。封入された磁気弾性センサの振動の妨害は、一般的な問題である。
【0011】
さらに、バイアス磁場を含むことによって、磁気弾性センサの磁気弾性材料の磁気歪効果を良くすることは一般的なことである。例えば、バイアス磁場は、磁気弾性材料に近接して位置決めされた永久磁石または永久磁石フィルムなどのバイアス要素によって発生させることができる。しかし、磁気弾性材料およびバイアス要素は、普通、互いに対して磁力を示す。それによって、磁気弾性材料が長手方向湾曲を示す、または長手方向に湾曲する傾向がある場合、およびバイアス要素が磁気弾性材料に近接して位置決めされている場合、磁気弾性材料がバイアス要素と接触するように、および/または封入されている場合、カプセルと接触するように引かれるというリスクがある。その後、磁気弾性材料の振動は妨げられるまたは減衰される。
【0012】
磁気弾性材料のリボンの長手方向湾曲、または磁気弾性材料のリボンが長手方向に湾曲する傾向は、リボンの長手方向屈曲剛性を良くすることによって妨げ取り除くことができる。磁気弾性材料のリボンの長手方向屈曲剛性を良くする1つの知られている方法は、リボンに横湾曲を与えることである。これは、例えば特許文献2に記載されている。特許文献2による方法では、横湾曲を磁気弾性材料のリボンに与える目的で、カール固定具が炉内に設けられている。リボンは、固定具を通して長手方向に引かれ、固定具はリボンの上がり下がりの長手軸に対して横の方向に進むカール表面を有する。固定具を通る通過中にリボンに加えられる熱により、リボンがカール表面と適合するようにされ、それによってリボンに横湾曲が形成される。横湾曲は、リボンの長手方向屈曲剛性を良くし、あらゆる長手方向湾曲、または長手方向に湾曲する傾向に対抗する。したがって、横湾曲により、磁気弾性材料の振動の妨げまたは減衰の上記問題、および封入設計の上記問題が少なくなる。しかし、この方法では、長手方向屈曲剛性を良くするために、熱処理が磁気弾性材料に加えられることが必要である。加えて、この方法は、固定金具を使用すること、および磁気弾性材料が固定金具を通して引き出される必要がある。さらに、例えば感湿性ポリマーなどのポリマーで被覆された磁気弾性センサを製造する場合、この方法は、ポリマーを磁気弾性材料に被覆する前に余分な処理ステップが必要である。
【特許文献1】国際特許出願公開第WO2004/021944号パンフレット
【特許文献2】米国特許第5676767号明細書
【非特許文献1】Grimes et al.(Biomedical Microdevices、2:51〜60頁、1999年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の1つの目的は、初期屈曲剛性を有する磁気弾性材料のフィルム片に第1の方向の優れた屈曲剛性を付与する改良型の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、特許請求の範囲第1項の特徴部により達成される。
【0015】
本発明の別の態様では、上記方法によって製造された、磁気弾性材料のフィルム片を含む製品が提供される。
【0016】
本発明の別の目的は、第1の方向に初期屈曲剛性を有する、磁気弾性材料のフィルム片を備えた改良型のセンサを提供することである。
【0017】
この目的は、特許請求の範囲第7項の特徴部により達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明のさらに他の目的および特徴は、添付の図面と合わせて考えられる以下の詳細な説明により明らかになるだろう。しかし、図面は単に例示する目的であり、本発明の限定の定義として設計されたものではなく、本発明の限定は頭記の特許請求の範囲を参照すべきであることを理解されたい。さらに、図面は必ずしも等尺度で描かれておらず、そうでないと示されていない限り、単に本明細書に記載する構造を概念的に示すことを意図したものであることを理解すべきである。
【0019】
図面では、同様の参照記号はいくつかの図面全体を通して同様の要素を示す。
【0020】
図1aは、例えば磁気弾性センサ内で磁気弾性材料として利用することができる、磁気弾性材料のフィルム1の略斜視図を示している。図1aに示す磁気弾性材料のフィルム1は、横方向xおよび長手方向yを有するリボン2の形で設けられている。リボン2は、ロール3の形で格納される。リボン2は、長手方向にストリップ4の形を有するいくつかの片によって構成されていることが分かるが、ストリップ4はまだ分離もマーキングもされていない。それぞれのストリップ4の境界は、図1aの点線によって示されている。さらに、リボン2は、図1aに略図的に示される長手方向湾曲を示す。上に記載するように、例えば磁気弾性センサ内の磁気弾性材料として利用することができる磁気弾性材料のリボンは、普通、長手方向湾曲を示す、または長手方向に湾曲する傾向がある。長手方向湾曲、または長手方向に湾曲する傾向は、製造固有のものである、および/またはリボンがロール形で格納されるということにより生じる可能性がある。「長手方向湾曲」という用語は、本明細書において、磁気弾性材料のフィルムの長手方向に延長部を有する湾曲のことを意味することを意図している。したがって、長手方向湾曲を示す磁気弾性材料のフィルムのリボンは、リボンの長手方向への湾曲を示す、すなわち、リボンは長手方向に湾曲する。長手方向湾曲を示す、または長手方向に湾曲する傾向がある、リボンから分離したストリップもまた、リボンのさらなる処理が分離の前に行われない場合に、長手方向湾曲を示す、または長手方向に湾曲する傾向がある。図1bは、リボン2から分離された後の、リボン2を構成するストリップ4の1つの一例の略斜視図を示している。図1bに示すストリップ4は、分離の前にリボン2のさらなる処理なしで、図1aに示すリボン2から分離されている。ストリップ4は、横方向xおよび長手方向yを有する。
【0021】
本発明は、初期または固有の屈曲剛性を有する磁気弾性材料のフィルム片に第1の方向の優れた屈曲剛性を付与する方法を提供する。本発明による方法は、
− 片に片の第1の方向の少なくとも1本の分割線を形成するステップと、
− 片に第1の方向に対して横の方向の恒久的な屈曲を形成するように、少なくとも1本の分割線の少なくとも1本に沿って片を屈曲させるステップと、を含み、それにより優れた屈曲剛性が片の第1の方向に与えられる。
【0022】
本発明による方法を適用することができる、片の磁気弾性材料は、あらゆる知られている磁気弾性材料であってもよい。例えば、非ゼロ磁気歪および高い磁気弾性結合を有するあらゆる磁気弾性材料に適用することができる。このような磁気弾性材料の例は、鉄ニッケル合金、希土類金属、フェライト、例えばスピネルタイプのフェライト(Fe、MnFe)、ケイ素鉄合金、多くの他の異なる合金およびその混合物である。さらに、本発明による方法は、例えば柔らかい磁気弾性材料、合金およびその混合物と、アモルファス磁気弾性材料、合金およびその混合物に適用することができる。アモルファス磁気弾性合金の例は、Fe40Ni38Mo18、例えばMetglas 2826MB(商標)(Honeywell Amorphous Metals、米国ペンシルバニア州ピッツバーグ)、(FeCo)8020、(CoNi)8020および(FeNi)8020などのmetglasである。
【0023】
さらに、本発明による方法は、ストリップ、リボンの形状、またはあらゆる他の形状を有する片に適用することができる。本発明による方法が適用される片は、リボンの一体部であってもよく、または別個の片であってもよい。さらに、本発明による方法は、ロール形または他の形で格納されたリボンの一体部である片に適用することができる。例えば、本発明による方法は、図1aに示すリボン2、図1aに示すリボン2の一体部であるストリップ4の1つ、または図1bに示すストリップ4に適用することができる。
【0024】
長手方向、すなわち第1の方向の優れた屈曲剛性をストリップ4に付与するように、図1bに示すストリップの形状を有する磁気弾性材料のフィルム1の片4に適用した場合の、本発明による方法の異なる実施形態を次に説明する。
【0025】
本発明による方法の第1の実施形態の初期ステップでは、ストリップ4は、ストリップ4の第1の側6に長手方向の分割線/切欠き/スリット5を備えている。したがって、その場合、ストリップ4は、ストリップ4の長手方向に延びる分割線5を備えている。第1の実施形態では、分割線5は基本的にストリップ4上に集中して設けられている、すなわち、基本的にストリップ4の中間に設けられている。図2aは、ストリップ4に分割線5を形成する初期ステップの後の、ストリップ4の略斜視図を示している。図2bは、図2aに示されたストリップの略断面図を示す。
【0026】
分割線5の深さは、ストリップ4のフィルム1の厚さより小さい、すなわち分割線5は、ストリップ4のフィルム1の全部の厚さを通して延びていない。本発明による方法を適用することができる磁気弾性材料のフィルム1の厚さは普通、約0.01〜1000μmであり、例えば0.01〜200μm、5〜100μmまたは0.01〜100μmなどである。分割線5の深さは例えば、フィルム厚さの1〜40%、好ましくはフィルム厚さの10〜20%であってもよい。
【0027】
本発明による方法の第1の実施形態では、ストリップ4は、エッチング処理によって分割線5を備えている。利用されるエッチング処理は、磁気弾性材料のフィルム1内に分割線5を形成するのに適したあらゆる知られているエッチング処理であってもよい。例えば、エッチング処理は、化学処理、電子化学処理またはイオンビーム処理であってもよい。さらに、フォトリソグラフィをエッチング処理と組み合わせたフォトエッチング処理を利用することもできる。
【0028】
本発明の第1の実施形態で利用することができるエッチング処理の非限定的な一例を次に、大まかに説明する。この例では、ストリップ4は第1の側6が、第1のステップにおいてフォトレジストで被覆される。ストリップ4の第2の側7、すなわち第1の側6と反対の側はその場合また、エッチング処理中の保護のための適切なカバーを備えている。第2のステップでは、フォトレジストはマスクを通して光に曝される。正または負のフォトレジストが利用されるかどうかによって、マスクは、フォトレジストのこれらの部分が分割線5が作り出されるストリップ4の部分を覆う光に曝されるように、またはフォトレジストのこれらの部分が分割線5が作り出されるストリップ4の部分を覆わない光に曝されるように設計されている。第3のステップでは、分割線5が作り出されるストリップ4の部分を覆うフォトレジストのこれらの部分は取り除かれる。その後、ストリップ4は、第4のステップで、例えば酸塩化物または塩化第二鉄などの適切なエッチャントによりエッチングされる。第1の側6の残りのフォトレジスト、および第2の側7のカバーはその後、エッチャントに対するバリアとして働く。それによって、ストリップ4は、分割線5が作り出されるこれらの部分のみでエッチャントに曝される。エッチングステップの後、残りのフォトレジストは取り除かれる。
【0029】
エッチング処理の上記非限定的な例、および本発明による方法で利用するのに適した他のエッチング処理は、当業者によく知られており、したがってさらには説明しない。
【0030】
第1の実施形態のその後のステップでは、1本の分割線5を備えているストリップ4は、ストリップ4にストリップ4の横方向、すなわち第1の方向に対して横の方向の恒久的な屈曲を形成するように、分割線5に沿って屈曲している。ストリップ4が横方向の恒久的な屈曲を備えているという事実は、ストリップ4が平らな断面形状から逸脱する断面形状を備えているということを意味する。恒久的な屈曲すなわち永久屈曲は、磁気弾性材料がストリップ4がそれに沿って屈曲する分割線5の底部8で少なくとも部分的に塑性変形するように屈曲が行われるという事実により、屈曲ステップによって形成される。
【0031】
第1の実施形態では、ストリップ4は、ストリップ4に角度付けられた恒久的な屈曲を形成するように、分割線5に沿って屈曲される。屈曲ステップの後、ストリップ4の断面は、それによって角度付けられる。したがって、ストリップ4の屈曲は、第1の実施形態では、角度αが囲まれるように行われる。第1の実施形態の屈曲は、0<α<180°の範囲内の任意の適切な角度αが囲まれるように行うことができる。例えば、ストリップ4は、第1の実施形態において、ストリップ4に90°(図2c〜2d)より大きい角度αを囲む恒久的な屈曲を形成するように屈曲されうる。ストリップ4は、例えば、αが160°≦α<180°であるように屈曲されうる。αは、170°≦α<180°であることが好ましい。しかし、ストリップ4は、第1の実施形態において、ストリップ4に恒久的な基本的に直角屈曲(図2e)、または恒久的なV字形屈曲(図2f)などの90°より小さい角度αを囲む恒久的な屈曲を形成するように屈曲されることもできる。図2cは、90°より大きい角度αを囲む恒久的な屈曲を備えた後の、図2aおよび図2bに示すストリップ4の略斜視図を示し、図2dは、図2cに示すストリップ4の略断面図を示す。図2eは、恒久的な基本的に直角屈曲を備えた後の、図2aおよび図2bに示すストリップ4の略断面図を示し、図2fは、90°より小さい角度を囲む恒久的な屈曲を備えた後の、図2aおよび図2bに示すストリップ4の略断面図を示す。
【0032】
さらに、ストリップ4は、分割線5に向かってまたはそこから離れるように、分割線5に沿って屈曲されうる。
【0033】
ストリップ4が、ストリップ4の横方向に恒久的な屈曲を備えているので、優れた屈曲剛性がストリップ4の長手方向にもたらされる。得られる優れた屈曲剛性は、製造固有である、および/または磁気弾性材料のフィルム1がロール形で格納されていることにより与えられる可能性がある、長手方向のストリップ4のあらゆる湾曲、またはあらゆる長手方向に湾曲する傾向を妨げるおよび/または取り除く。
【0034】
屈曲は、ストリップ4の制御された屈曲が得られるように、金型によりまたは金型内で行われることが好ましい。例えば、利用される金型は、ストリップ4を分割線5に沿って屈曲させることができ、屈曲表面に対して少なくとも部分的に押される場合に横方向に所望の屈曲を与えることができるような形状を有する、屈曲表面を備えることができる。ストリップ4は、あらゆる適切な手段により屈曲表面に対して押すことができる。例えば、第2の屈曲表面を有する第2の金型により屈曲表面に対して押すことができる。その後、ストリップ4は、屈曲中に2つの金型の2つの屈曲表面の間に位置決めされる。またその後、第2の屈曲表面は、分割線5に沿ってストリップ4を屈曲させること、およびストリップ4に横方向の所望の屈曲を与えることに貢献するような形状を有する。さらに、屈曲のために1つまたは複数の金型を利用する代わりに、ストリップ4は所望の屈曲が得られるような、屈曲表面を有する2つのロールの間で屈曲されうる。
【0035】
本発明による方法の第2の実施形態は、分割線5がストリップ4上に集中させるように設けられていないことを除いて、第1の実施形態に対応する。代わりに、分割線5は、ストリップ4の長手側縁部の一方に対して長手側縁部のもう一方より短い距離に位置決めされるように、ストリップ4上に設けられている。屈曲ステップは、第2の実施形態において、あらゆる適切な角度屈曲が得られるように、すなわち0<α<180°の範囲内のあらゆる適切な角度αが囲まれるように行われる。例えば、屈曲ステップは、第2の実施形態において、ストリップ4に90°より大きい角度α(図示せず)を囲む恒久的な屈曲を形成するように行うことができる。ストリップ4は、例えば、αが160°≦α<180°であるように屈曲させることができる。αは、170°≦α<180°であることが好ましい。しかし、ストリップ4は、第2の実施形態において、ストリップ4に恒久的な基本的に直角屈曲(図2g)、または90°より小さい角度α(図示せず)を囲む恒久的な屈曲を形成するように屈曲させることもできる。さらに、分割線5は、第2の実施形態において、ストリップ4上のこのような位置に設けることができ、ストリップ4はストリップ4に恒久的なL字形屈曲を形成するように屈曲されうる。図2gは、L字形である基本的に直角屈曲を備えているストリップ4の略断面図を示す。
【0036】
本発明による方法の第3の実施形態は、第1の側6が複数の分割線5を備えている、すなわちストリップ4の長手方向に延びる2本以上の分割線5を備えていることを除いて、第1の実施形態に対応する。分割線5は、第3の実施形態において、ストリップ4が屈曲ステップで分割線5に沿って屈曲された場合に屈曲の所望の形状が得られるように位置決めされるように、あらゆる適切な位置に、互いからまたは長手側縁部のいずれかからあらゆる距離に設けることができる。
【0037】
例えば、ストリップ4は、第3の実施形態において、2本の分割線5を備えることができ、ストリップ4は、カップ形屈曲が得られるように、屈曲ステップで2本の分割線5に沿って屈曲されうる。第3の実施形態のこのような変更の後のストリップ4の一例の断面図が、図2hに示されている。別の代替形態において、第3の実施形態のストリップ4は、第1の側6に数本の分割線5を備えており、ストリップ4は、湾曲形状の屈曲が得られるように数本の分割線5に沿って屈曲される。例えば、円の一部を形成する、またはU字形である屈曲をその後得ることができる。第3の実施形態のこのような変更後のストリップ4の一例の断面図が、図2iに示されている。したがって、ストリップ4の第1の側6に数本の分割線5を設け、ストリップ4を数本の分割線5に沿って屈曲させることによって、ストリップ4に横湾曲を形成することが可能である。「横湾曲」という用語は、本明細書において、磁気弾性材料のフィルム1の横方向に延長部を有する湾曲を意味することを意図している。したがって、横湾曲を示す磁気弾性材料のフィルム1のストリップ4は、ストリップ4の横方向の湾曲を示す、すなわちストリップ4は横方向に湾曲している。
【0038】
さらに、ストリップ4は、第3の実施形態において、第1の側6にいくつかの分割線4を備えることができ、S字形屈曲(図2j)または波形屈曲(図2k)が得られるように、数本の分割線5に沿って屈曲させることができる。第3の実施形態のこのような変更の後のストリップ4の例の断面図が、図2jおよび図2kに示されている。分割線5は、簡潔にする理由で図2jおよび図2kにおいて省略する。
【0039】
本発明による方法の第4の実施形態は、1本または複数本の分割線5がストリップ4の各側6、7に設けられている、すなわち少なくとも1本の分割線5が第1の側6に設けられ、少なくとも1本の分割線5が第2の側7に設けられていることを除いて、上記実施形態のいずれかに対応する。
【0040】
上記のことから分かるように、ストリップ4の長手屈曲剛性を良くする恒久的な屈曲の形状が得られるようなストリップ4の屈曲を可能にするように、本発明による方法では、あらゆる適切な数の分割線5をストリップ4上に、ストリップ4のあらゆる適切な位置に設けることができる。さらに、本発明による方法の設けられた分割線5全てに沿って動的屈曲が必要ない、すなわちストリップ4がそれに沿って屈曲しない分割線5を設けることができる。
【0041】
ストリップの形を有し、別個の片である磁気弾性材料のフィルム1の片に適用された場合の本発明による方法の異なる実施形態が記載されている場合でも、記載した実施形態は、あらゆる他の形状を有する磁気弾性材料のフィルム1の片、または例えばリボンの一体部である片に適用することもできる。したがって、本発明による方法の上記実施形態のいずれも、例えば、図1aに示すリボン2を構成するストリップ4の1つに適用することができる。その後、この方法が適用されるストリップ4は、任意選択で、ストリップ4上に1本または複数本の分割線5を設けるステップと屈曲ステップとの間でリボン2から分離される。例えば、ストリップ4は、その後、ストリップ4上に1本または複数本の分割線5を設けるステップの後に、切断ステップでリボン2から分離させることもできる。別の方法では、ストリップ4上に1本または複数本の分割線5を設けるのにエッチングが利用される場合、ストリップ4がエッチング処理で1本または複数本の分割線5を備えるだけでなく、ストリップ4がエッチング処理でリボン2から分離されるように、エッチングステップは、その後、任意選択で行うことができる。その後、リボン2は、(1本または複数本の)分割線5が作り出される領域内に、1本または複数本の分離線に沿って、すなわちストリップ4がリボン2から分離される1本または複数本の線に沿ってエッチングされる。(1本または複数本の)分離線に沿って、リボン2はエッチングされ、それによってストリップ4がリボン2から分離される。
【0042】
さらに、本発明による方法は、磁気弾性材料のフィルム片に長手方向の優れた屈曲剛性をもたらすために記載されている場合でも、本発明による方法は、磁気弾性材料片にあらゆる他の所望の方向の優れた屈曲剛性を付与するのに適用することもできる。(1本または複数本の)分割線5は、その後、優れた屈曲剛性が望ましい方向に設けられる。加えて、本発明による方法は、あらゆる方向に湾曲を示す、または基本的に平面である磁気弾性材料のフィルム片に適用することができる。
【0043】
さらに、本発明が適用される磁気弾性材料のフィルム片は、第1および第2の側6、7の一方を感湿性ポリマーで少なくとも部分的に被覆することができる、または第1および第2の側6、7の一方を少なくとも1つのターゲット生物および/または化学検体を検出するようになっている少なくとも1つの検出器分子で直接または間接的に被覆することができる。その後、片は、感湿性ポリマーまたはいかなる(1つまたは複数の)検出器分子で被覆されていない側6、7のみに1本または複数の分割線5を備えていることが好ましい。さらに、片に1本または複数本の分割線5を設けるのにエッチングが利用される場合、感湿性ポリマーまたは(1つまたは複数の)検出器分子は、エッチングステップ中の保護のためのカバーを備えている。感湿性ポリマー、検出器分子、および検出器分子が検出されるようになっている生物および化学検体の例を以下に提供する。
【0044】
本発明による方法の上記実施形態のいずれかの変更形態では、磁気弾性材料のフィルム片は、エッチングの代わりにスクライビングにより1本または複数本の分割線を備えている。
【0045】
本発明による方法の上記実施形態のいずれかが磁気弾性材料のフィルム片に適用される場合、磁気弾性材料のフィルム片を含む製品が得られる。製品は例えば、センサとして、またはセンサ内で利用することができる。磁気弾性材料のフィルム片が、感湿性ポリマーまたはあらゆる検出器分子などの層のいかなる追加層でも被覆されない場合、本発明による方法が片に適用された場合に得られる製品は、例えば、識別マーカ、位置センサ、盗難防止用タグまたは電子商品監視(EAS)タグに含めることができる。
【0046】
さらに、本発明は磁気弾性材料のフィルムを含むセンサを提供する。本発明によるセンサは、本発明による方法、または同じ結果を生じるあらゆる他の方法を利用することによって得ることができる。図3aは、本発明によるセンサ11の第1の実施形態の略斜視図を示す。
【0047】
本発明によるセンサ11の第1の実施形態は、磁気弾性材料のフィルム1のストリップ4を含む。ストリップ4の磁気弾性材料は、あらゆる知られている磁気弾性材料であってもよい。例えば、非ゼロ磁気歪および高い磁気弾性結合を有するあらゆる磁気弾性材料にであってもよい。このような磁気弾性材料の例は、鉄ニッケル合金、希土類金属、フェライト、例えばスピネルタイプのフェライト(Fe、MnFe)、ケイ素鉄合金、多くの他の異なる合金およびその混合物である。さらに、磁気弾性材料は、柔らかい磁気弾性材料、合金およびその混合物と、アモルファス磁気弾性材料、合金およびその混合物とからなる群から選択されたあらゆる材料であってもよい。アモルファス磁気弾性合金の例は、Fe40Ni38Mo18、例えばMetglas 2826MB(商標)(Honeywell Amorphous Metals、米国ペンシルバニア州ピッツバーグ)、(FeCo)8020、(CoNi)8020および(FeNi)8020などのmetglasである。磁気弾性材料のフィルム1の厚さは普通、約0.01〜1000μmであり、例えば0.01〜200μm、5〜100μmまたは0.01〜100μmなどである。磁気弾性材料のフィルム1は、初期または固有の屈曲剛性を有する。
【0048】
図3aに示すストリップ4は、第1の側6に長手方向、すなわち第1の方向の分割線/切欠き/スリット5を備えている。したがって、ストリップ4は、ストリップ4の長手方向に延びる分割線5を備えている。分割線5は、基本的にストリップ4上に集中して設けられている、すなわち、基本的にストリップ4の中間に設けられている。分割線5の深さは、ストリップ4のフィルム1の厚さより小さい、すなわち分割線5は、ストリップ4のフィルム1の全部の厚さを通して延びていない。分割線5の深さは、例えば、フィルム厚さの1〜40%、好ましくはフィルム厚さの10〜20%であってもよい。さらに、ストリップ4は、ストリップ4がストリップ4の横方向、すなわち第1の方向に対して横の方向に恒久的なすなわち永久屈曲を備えるように分割線5に沿って屈曲される。屈曲は、磁気弾性材料がストリップ4がそれに沿って屈曲する分割線5の底部8で少なくとも部分的に塑性変形されることによる恒久的なすなわち永久屈曲である。ストリップ4が横方向の屈曲を備えているという事実は、ストリップ4が平らな断面形状から逸脱する断面形状を備えているということを意味する。
【0049】
さらに、図3aに示すストリップ4の屈曲は、角度付けられており、したがってストリップ4の断面が角度付けられている。より詳細には図3aに示すストリップ4の屈曲は、90°より大きい角度αを囲んでいる。
【0050】
ストリップ4が、ストリップ4の横方向に恒久的な屈曲を備えているので、優れた屈曲剛性、すなわちストリップ4の初期または固有の屈曲剛性より大きな屈曲剛性がストリップ4の長手方向にもたらされる。得られる優れた屈曲剛性は、製造固有である、および/または磁気弾性材料のフィルム1がロール形で格納されていることにより与えられる可能性がある、長手方向のストリップ4のあらゆる湾曲、またはあらゆる長手方向に湾曲する傾向を妨げるおよび/または取り除く。
【0051】
さらに、図3aに示すストリップ4は、第2の側7、すなわち第1の側6と反対側が感湿性ポリマーの層12で少なくとも部分的に被覆されており、感湿性ポリマーは、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドおよびその共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、澱粉およびその誘導体、セルロースおよびその誘導体、多糖類、タンパク質、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンイミン、アクリレート系ポリマー、およびその混合物を基にした感湿性ポリマーは線状または親水性ポリマーまたは化学/物理架橋膨潤ポリマーゲルからなる群から選択される。
【0052】
感湿性ポリマーは、例えば吸収または吸着により、液体、湿度または水分などの湿気と相互作用することができる。感湿性ポリマーが湿気と相互作用すると、センサ11の第1の実施形態の質量が変化し、センサ11の共振周波数、例えば磁気音響共振周波数の変化につながる。磁気音響共振周波数の変化は検出可能であり、感湿性ポリマーが相互作用した湿気の量と相互関係がある、すなわち例えば、感湿性ポリマーによって吸収または吸着された湿気の量に相互関係がある。したがって、図3aに示すセンサ11は、湿気センサとして利用することができる。例えば、体液、体内老廃物または身体浸出液などの体内排出物、すなわち尿、排泄物、血液、月経血液、創傷および痛みからの流体物、洗浄流体および唾液を検出するのに利用することができる。
【0053】
図3aに示す屈曲が特定の角度αを囲むように示されている場合でも、第1の実施形態によるセンサ11のストリップ4の屈曲は、0°<α<180°の範囲内の任意の適切な角度αを囲むことができる。それにより、第1の実施形態によるセンサ11のストリップ4の屈曲は、90°より大きい角度α(図3a)を囲むことができる。ストリップ4は、例えば、αが160°≦α<180°であるように屈曲させることができる。αは、170°≦α<180°であることが好ましい。しかし、第1の実施形態によるセンサ11のストリップ4の屈曲は、同様に、基本的に直角を囲むことができ、それによって、屈曲は、直角である(図3b)、または90°より小さい角度αである(図3c)。図3bは、ストリップ4が直角屈曲を備えている、第1の実施形態によるセンサ11の略断面図を示している。図3cは、ストリップ4が90°より小さい角度αを囲む屈曲を備えている、第1の実施形態によるセンサ11の略断面図を示している。
【0054】
さらに、本発明によるセンサ11の第1の実施形態のストリップ4は、分割線5に向かってまたはそこから離れるように、分割線5に沿って屈曲させることができる。
【0055】
本発明によるセンサ11の第2の実施形態は、分割線5がストリップ4上に集中させるように設けられていないことを除いて、センサ11の第1の実施形態に対応する。代わりに、分割線5は、ストリップ4の長手側縁部の一方に対して長手側縁部のもう一方より短い距離に位置決めされるように、ストリップ4上に設けられている。第2の実施形態によるセンサ11のストリップ4の恒久的な屈曲は、角度付けられており、0<α<180°の範囲内の任意の適切な角度αを囲むことができる。例えば、第2の実施形態によるセンサ11のストリップ4は、90°より大きい角度α(図示せず)を囲む恒久的な屈曲を備えることができる。ストリップ4は、例えば、αが160°≦α<180°であるように屈曲させることができる。αは、170°≦α<180°であることが好ましい。しかし、第2の実施形態によるセンサ11のストリップ4は、恒久的な基本的に直角屈曲(図2d)、または90°より小さい角度α(図示せず)を囲む恒久的な屈曲を備えることもできる。さらに、分割線5は、ストリップ4上のこのような位置に設けることができ、ストリップ4は、ストリップ4が恒久的なL字形屈曲を備えているように屈曲されうる。図3dは、ストリップ4が恒久的なL字形屈曲を備えている、本発明によるセンサ11の第2の実施形態の略断面図を示している。
【0056】
本発明によるセンサ11の第3の実施形態は、ストリップ4の第1の側6が複数の分割線5を備えている、すなわちストリップ4の長手方向に延びる2本以上の分割線5を備えていることを除いて、センサ11の第1の実施形態に対応する。分割線5は、第3の実施形態において、任意の適切な位置に、互いからまたは長手側縁部のいずれかからあらゆる距離に設けることができる。ストリップ4は、第3の実施形態において、ストリップ4が任意の適切な形状を有する恒久的な屈曲を備えるように、分割線5に沿って屈曲されている。例えば、ストリップ4は、センサ11の第3の実施形態において、2本の分割線5を備えることができ、ストリップ4は、カップ形屈曲(図示せず)を備えるように、屈曲ステップで2本の分割線5に沿って屈曲させることができる。別の代替形態では、センサ11の第3の実施形態のストリップ4は第1の側6に数本の分割線5を備えており、ストリップ4が湾曲形状の屈曲を備えるように数本の分割線5に沿って屈曲される。例えば、屈曲は円の一部を形成することができる、またはU字形であってもよい。したがって、ストリップ4は、センサ11の第3の実施形態において、横湾曲を備えることができる。ストリップ4が湾曲屈曲を備えている、第3の実施形態によるセンサ11の一例の断面図が、図3eに示されている。さらに、ストリップ4は、本発明によるセンサ11の第3の実施形態において、第1の側6に数本の分割線5を備え、S字形または波形屈曲が形成されるように、数本の分割線5に沿って屈曲されうる。ストリップ4がS字形屈曲を備えている、第3の実施形態によるセンサ11の一例の略断面図が図3fに示されている。分割線5は、簡潔にする理由で図3fでは省略する。
【0057】
本発明によるセンサ11の第4の実施形態は、1本または複数本の分割線5がストリップ4の各側6、7に設けられている、すなわち少なくとも1本の分割線5が第1の側6に設けられ、少なくとも1本の分割線5が第2の側7に設けられていることを除いて、上記実施形態のいずれかに対応する。
【0058】
本発明によるセンサ11の上記実施形態のいずれかの変更形態(図示せず)において、ストリップ4は、少なくとも1つのターゲット生物および/または化学検体を検出するようになっている少なくとも1つの検出器分子を備えた第1および第2の側6、7の一方が、感湿性ポリマーの層12で被覆される代わりに、直接または間接的に、すなわち間の適切な結合層などの他の層で被覆されている。
【0059】
検出器分子は一実施形態では、酵素または酵素配列、抗体、DNAまたはRNAなどの核酸、水溶性タンパク質または膜タンパク質などのタンパク質、オリゴペプチドまたはポリペプチドなどのペプチド、細胞小器官、細菌または哺乳類細胞膜またはウィルスカプシドなどの天然または合成細胞膜またはカプシドの部分、無傷または部分的生菌または非生菌、植物または動物細胞、植物または哺乳類組織片またはあらゆる他の生物誘導分子、脂質、炭水化物、レクチンおよびその混合物からなる群から選択された生物または化学検体を検出するようになっている。
【0060】
別の実施形態では、検出器分子は、病原菌、非病原菌、例えば結腸細菌、ウィルス、寄生生物、細菌毒素、菌類、酵素、タンパク質、ペプチド、ヒト白血球または赤血球などの哺乳類血球、ホルモン、血糖などの人間を含む哺乳類の血液成分、尿素およびその成分、例えばグルコース、ケトン、ウロビリノーゲンおよびビリルビン、およびその混合物からなる群から選択された生物または化学検体を検出するようになっている。
【0061】
検出器分子が検出するようになっている細菌は病原性またはそうではないものも、大腸菌(Escherichia coli)、チフス菌(Salmonela typhi)、パラチフス菌(Salmonella paratyphi)、サルモネラ腸炎菌(Salmonella enteriditid)、ネズミチフス菌(Salmonella thyphimurium)、サルモネラ・ハイデルベルク(Salmonella heidelberg)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、ソンネ菌(Shigella sonnei)、シゲラ・フレックスネリ(Shigella flexneri)、シゲラ・ボイディ(Shigella boydii)、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、ヒト結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、腸炎エルシニア(Yersina enterocolitica)、アエロモナス細菌(Aeromonas hydrophila)、プレシオモナス・シゲロイデス(Plesiomonas shigelloides)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、カンピロバクター・コリ(Campylobacter coli)、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、クロストリジウム・セプティカム(Clostridium septicum)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)、およびその混合物からなる群から選択される。
【0062】
さらに別の実施形態では、検出器分子は、健康マーカまたは栄養マーカなどの化合物または化学検体を検出するようになっている。栄養マーカとしては、例えば代謝効率、栄養不足、栄養吸収または吸収不良、飲食物摂取、食物アレルギー(例えば、ピーナッツに対する)、食物不耐性(例えば、ラクトースまたはグルテン不耐性)、結腸細菌生態(例えば、ビフィズス菌および乳酸菌などの有益な細菌)、および合計エネルギーバランスに対するマーカが挙げられる。健康マーカとしては、重金属(例えば、鉛、水銀など)、放射性物質(例えば、セシウム、ストロンチウム、ウランなど)、脂肪、酵素、内在分泌物、タンパク物質(例えば、血球円柱)、粘液、および上に記載したような、感染、下痢、疾病の胃腸障害、または中毒などの様々な健康問題に関連する可能性がある微生物などの化学検体を挙げることができる。重金属は、特に特定の発展途上国で、および先進国のより古いおよび/またはあまり裕福ではない地域では、深刻な健康危機である。例えば、鉛および水銀中毒は、環境資源から(例えば、鉛塗料、規制されていない重工業などからの)これらの重金属の摂取の際に起こり、命にかかわることになる可能性がある。より一般的には、これらおよび他の重金属による低レベルの中毒が、特に長期間にわたって起こり個人に恒久的な影響を及ぼす子供において、知能および/または身体の発達遅延につながる。栄養マーカの他の例としては、カルシウム、ビタミン(例えば、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ビオチン、葉酸、パントテン酸、アスコルビン酸、ビタミンEなど)、電解質(例えば、ナトリウム、カリウム、塩素、重炭酸塩など)、脂肪、脂肪酸(長鎖および短鎖)、石鹸(例えば、パルミチン酸カルシウム)、アミノ酸、酵素(例えば、ラクトース、アミラーゼ、リパーゼ、トリプシンなど)、胆汁酸およびその塩、ステロイド、および炭水化物が挙げられる。例えば、カルシウム吸収不良は、長期の骨量不足につながる可能性がある点において重要である。
【0063】
適切な検出器分子は、あらゆる生体認識要素を含むことができ、さらに、炭水化物、抗体またはその部分、合成抗体およびその部分、酵素、レクチン、DNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)、細胞および/または細胞膜、または規定の生物検体または化学検体に対する結合力を有するあらゆる他の分子によって実証される。
【0064】
例えば、検出器分子は、例えばポリエチレンイミン(例えば、Sigma-Aldrich社によるPEI)などのカオチン性ポリマー、ポリビードポリスチレン(PS)ミクロスフィア(例えば、Scientific Polymer Products社による)などのコロイド懸濁液、またはポリスチレン(例えば、Scientific Polymer Products社による)などの疎水性ポリマーを使用して、ストリップ4の第1および第2の側6、7の一方の上に全体的にまたは部分的に物理吸着されうる。
【0065】
ストリップ4の第1および第2の側6、7の一方の上への物理吸着以外の検出器分子を塗布するあらゆる適切な手段が他の応用例に適当であることは、当業者にとって自明のことである。例えば、これに限らないがグルタルアルデヒド、N−ヒドロキシコハク酸イミド、カルボジイミドを含む様々な普通の架橋剤分子のいずれか1つを使用して、第1および第2の側6、7の一方に直接または間接的に検出器分子を化学結合させることが望ましい可能性がある。
【0066】
本発明によるセンサ11に含まれる検出器分子が生物および/または化学検体を検出する場合、センサ11の質量が変化し、検出可能である、センサ11の磁気音響共振周波数の変化につながる。
【0067】
本発明によるセンサ11の上記実施形態のいずれかの別の変更形態において、センサ11の磁気弾性材料片は、感湿性ポリマーの層12などのいずれの追加の層、またはいずれの検出器分子でも被覆されていない。センサ11は、その後、例えば位置センサに関連して利用することができる。
【0068】
上記のことから分かるように、本発明によるセンサ11のストリップ4は、あらゆる適切な数の分割線5を備えることができる。さらに、(1本または複数本の)分割線5は、恒久的な屈曲の適切な形状が形成されるように、ストリップ4上の(1つまたは複数の)あらゆる適切な位置に設けることができる。加えて、ストリップ4は、ストリップ4がそれに沿って屈曲しない1本または複数本の分割線5を備えることができる。
【0069】
さらに、上記実施形態のいずれかの変更形態において、本発明によるセンサ11の磁気弾性材料のフィルム片は、ストリップの形状以外のあらゆる他の適切な形状を有する。例えば、磁気弾性材料片は、その後、リボンの形状を有することができる。加えて、上記実施形態の本発明による磁気弾性材料片が長手方向に優れた屈曲剛性を備えていた場合でも、上記実施形態のいずれかの変更形態では、あらゆる他の方向に優れた屈曲剛性を備えることもできる。(1本または複数本の)分割線5は、優れた屈曲剛性がもたらされる方向に設けられている。
【0070】
上述したように、磁気弾性センサの磁気弾性材料は、外部磁場によって励起された場合に磁気弾性モードで磁気エネルギーを蓄積する。磁場が切られた場合、磁気弾性材料は、磁気音響共振周波数として示される特定の周波数を有する減衰振動を示す。これらの振動は、ピックアップコイルによって遠隔的に検出することができる、時間と経過と共に変化する磁束を生じさせる。したがって、磁気音響共振周波数は検出可能であり、それによって磁気音響共振周波数の変化も検出可能である。パルス化磁場が磁気弾性材料に加えられた場合、磁気音響共振周波数は、磁気パルス間で検出することができる。例えば、磁気弾性材料のストリップに対する磁気音響共振周波数は、ストリップの長さに反比例する。
【0071】
例えば、センサ11の磁気音響共振周波数を検出するために、パルス化磁場またはパルス化正弦波磁場を本発明によるセンサ11に加えることができる。上述したように、磁気音響共振周波数は、その後、パルス間で検出することができる。パルス化磁場の振幅は、材料寸法の十分大きな変化を達成するために、磁気弾性材料を特定の量に対して磁化させるのに十分なだけ大きくなければならない。磁気弾性材料の寸法は、磁気歪の効果により変化する。利用される特定の磁場は、各磁気弾性材料に対して最適化させなければならない。
【0072】
使用されるパルス周波数は例えば、約50〜700Hzなどの約10〜1000Hzであってもよい。パルスの負荷サイクルは例えば、約10〜50%などの約1〜90%であってもよい。磁場がパルス化正弦波磁場である場合、正弦波は、例えば約50〜80kHzであってもよい。Honeywell社によるMETGLAS(登録商標)材料が磁気弾性材料として使用される場合、パルス磁場の磁場振幅は、約0.05〜0.1mTであってもよい。
【0073】
例えばセンサ11の磁気弾性材料に磁場を加えるのに、励起コイルを利用することができる。例えば、作り出された信号、すなわち磁気音響効果を収集するのにピックアップコイルを利用することができる。励起コイルおよびピックアップコイルは、手持ち式ユニット内に配置することができる。さらに、励起コイルおよびピックアップコイルは、同じ手持ち式ユニットまたは異なる手持ち式ユニットに配置することができる。代替形態では、同じコイルを励起コイルおよびピックアップコイルの両方として、すなわち励起および検出のために利用することができる。特許文献1は、磁気弾性材料の励起、磁気音響共振周波数の検出、およびその変化と、磁気音響共振周波数の検出のための装置に関するさらなる詳細のために、全体を参照として本明細書に援用する。
【0074】
本発明によるセンサ11内の磁気弾性材料の磁気歪効果をさらに良くする1つの方法は、バイアス磁場を含めることである。例えば、バイアス磁場は、センサ11の磁気弾性材料片に近接して位置決めされた永久磁石フィルムまたは永久磁石によって発生させることができる。Honeywell社によるMETGLAS(登録商標)材料が磁気弾性材料として使用される場合には、約0.5〜1mTのバイアス磁場を利用することができる。
【0075】
本発明によるセンサ11は、吸収体の吸収構造の吸収材料に接触して、またはこれと間隔を置いて位置決めすることができる。例えば、本発明によるセンサ11は、おむつ、パンツタイプのおむつ、失禁用衣類、生理用ナプキン、雑巾、タオル、ティッシュ、ベッド保護物、創傷または痛み包帯、タンポン状製品、または同様の製品などの吸収体内の吸収構造に含めることができる。通常の使用において、このような吸収体内の吸収構造は、体内老廃物または身体浸出液、例えば尿、排泄物、血液、月経血液、創傷および痛みからの流体物、洗浄流体および唾液を吸収、保持および隔離するように働く。磁気弾性材料片が感湿性ポリマーの層12または少なくとも1つの検出器分子で少なくとも部分的に被覆されている、本発明によるセンサ11が、吸収構造内に含まれる場合には、湿気または生物および/または化学検体の容易な検出が可能になる、すなわち、排尿または排便などの事態が起こったことの容易な検出が可能になる。検出は、センサ11の磁気音響共振周波数の変化を検出することによって行われる。それにより、吸収構造、したがって吸収体の状態を、ユーザ、親、介護者などが容易に監視することができる。
【0076】
例えば、磁気弾性材料片が感湿性ポリマーの層12または少なくとも1つの検出器分子で少なくとも部分的に被覆されている、本発明によるセンサ11が、特許文献1に開示された感知装置に代わり、したがって特許文献1に開示された吸収構造および吸収体に含めることができる。したがって、本発明によるこのようなセンサ11は、特許文献1の感知装置の位置にしたがって吸収構造内の異なる位置に位置決めすることができ、吸収体はまた複数のこのようなセンサ11を備えることができる。例えば、吸収体は1〜10個のこのようなセンサ11を備えることができる。
【0077】
本発明によるセンサ11を含む吸収体13の非限定的な一例が、図4に略図的に示されている。
【0078】
任意選択で、本発明によるセンサ11は、例えば共振周波数または磁気音響共振周波数に影響を与える可能性がある機械的圧力に曝されないようにするために、正確に包装または封入することができる。その後、湿気または少なくとも1つの生物および/または化学検体が例えば、包装材料内の微細孔、スロットまたは穴を介して、センサ11内に包装を通して浸透することができるように、センサ11を包装することができる。適切なカプセルは、例えばSensormatic社によるタグ、または同様の製品などのタグの形のカプセルを含む。カプセルは、特定の実施形態に適合するように、当業者によって各場合に設計または選択される。
【0079】
さらに、本発明によるセンサ11がいかなる感湿性ポリマーまたは検出器分子も含んでいない場合、センサ11は一実施形態では、吸収材料、例えば超吸収材料(SAP)と共にカプセル内に封入することができる。カプセルは、その後、液体がカプセル内に浸透することを可能にするように設計され、SAPは液体、水分または湿気を吸収する場合に、センサ11に機械的圧力を加える。機械的圧力は、例えば吸収される液体の量に相関しており、センサ11の振動を完全にまたは部分的に減衰させる。振動が減衰されると、磁気音響効果の減少が検出され、それによって液体、水分または湿気の検出を判断することができる。特許文献1は、本実施形態のカプセル、および本実施形態がどのように働くかに関するさらなる詳細のために、全体を参照として本明細書に援用する。
【0080】
別の方法では、本発明によるセンサ11がいかなる感湿性ポリマーまたは検出器分子も含んでいない場合、センサ11は、別の実施形態において、永久磁石と共に吸収構造内に含めることができる。吸収構造の吸収材料が液体、湿気または水分の摂取により膨張すると、吸収材料は、永久磁石をセンサ11のより近くにまたはこれから離れるように押す。これによりセンサ11上のDC磁場が変わり、それによって磁気音響振動が影響を受ける。特許文献1は、本実施形態のカプセル、および本実施形態がどのように働くかに関するさらなる詳細のために、全体を参照として本明細書に援用する。
【0081】
大まかに言うと、本発明によるセンサ11は、磁気弾性材料のフィルム1の片2、4を含んでおり、片2、4は第1の方向の初期屈曲剛性を有する。片2、4は、片2、4の第1の方向に少なくとも1本の分割線5を備えている。加えて、片2、4は、第1の方向に対して横の方向に恒久的な屈曲を備えるように、前記少なくとも1本の分割線5の少なくとも1本に沿って屈曲される。恒久的な屈曲により、優れた屈曲剛性が、片2、4の第1の方向に与えられる。
【0082】
したがって、その好ましい実施形態に適用されるような本発明の基本的な新規特徴を示し、記載し、指摘したが、例示した装置、方法ステップおよび製品の形および詳細の様々な省略、置換および変更は、当業者によって行うことができることが分かるだろう。例えば、同じ結果を得るようにほぼ同じ方法でほぼ同じ機能を果たすこれらの要素および/または方法ステップの全ての組合せは、本発明の範囲内であることを明確に意図している。さらに、本発明のあらゆる開示した形または実施形態に関連して示したおよび/または記載した構造および/または要素および/または方法ステップは、一般的な設計選択の問題としてあらゆる他の開示、記載または提示した形または実施形態で組み込むことができることを理解すべきである。したがって、添付の特許請求の範囲によって示すようにのみ限定されることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1a】磁気弾性センサ内で磁気弾性材料として利用することができる磁気弾性材料のフィルムの略斜視図である。
【図1b】分離の前にリボンのさらなる処理なしで、図1aに示すリボンから分離された、長手方向湾曲を有するストリップの一例の略斜視図である。
【図2a】本発明による方法の第1の実施形態の初期ステップ後のストリップの略斜視図である。
【図2b】図2aに示すストリップの略断面図である。
【図2c】本発明による方法の第1の実施形態の屈曲ステップがストリップに加えられた後の、図2aおよび2bに示すストリップの略斜視図である。
【図2d】図2cに示すストリップの略断面図である。
【図2e】本発明による方法の第1の実施形態の屈曲ステップの変更形態がストリップに加えられた後の、図2aおよび2bに示すストリップの略断面図である。
【図2f】本発明による方法の第1の実施形態の屈曲ステップの変更形態がストリップに加えられた後の、図2aおよび2bに示すストリップの略断面図である。
【図2g】本発明による方法の第2の実施形態がストリップに加えられた後の、ストリップの略断面図である。
【図2h】本発明による方法の第3の実施形態の変更がストリップに加えられた後の、ストリップの略断面図である。
【図2i】本発明による方法の第3の実施形態の変更がストリップに加えられた後の、ストリップの略断面図である。
【図2j】本発明による方法の第3の実施形態の変更がストリップに加えられた後の、ストリップの略断面図である。
【図2k】本発明による方法の第3の実施形態の変更がストリップに加えられた後の、ストリップの略断面図である。
【図3a】本発明によるセンサの第1の実施形態の略斜視図である。
【図3b】本発明によるセンサの第1の実施形態の変更の略断面図である。
【図3c】本発明によるセンサの第1の実施形態の変更の略断面図である。
【図3d】本発明によるセンサの第2の実施形態の略断面図である。
【図3e】本発明によるセンサの第3の実施形態の変更の略断面図である。
【図3f】本発明によるセンサの第3の実施形態の変更の略断面図である。
【図4】本発明によるセンサを備えた吸収体の非限定的な一例を示す略図である。
【符号の説明】
【0084】
1 フィルム、2 リボン、片、3 ロール、4 ストリップ,片、5 分割線/切欠き/スリット、6 第1の側、7 第2の側、8 底部、11 センサ、12 ポリマーの層、13 吸収体、x 横方向、y 長手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
初期屈曲剛性を有する磁気弾性材料のフィルム(1)の片(2、4)に第1の方向の優れた屈曲剛性を付与する方法において、
− 前記片(2、4)に前記片(2、4)の前記第1の方向の少なくとも1本の分割線(5)を形成するステップと、
− 前記片(2、4)に前記第1の方向に対して横の方向の恒久的な屈曲を形成するように、前記少なくとも1本の分割線(5)の少なくとも1本に沿って前記片(2、4)を屈曲させるステップであって、それにより優れた屈曲剛性が前記片(2、4)の前記第1の方向に与えられるステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記片がストリップ(4)であり、前記第1の方向が前記ストリップ(4)の長手方向(y)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記片(2、4)は、エッチング処理によって前記少なくとも1本の分割線(5)を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記片(2、4)がそれに沿って屈曲される前記(1本または複数本の)分割線(5)の底部(8)で前記磁気弾性材料が少なくとも部分的に塑性変形されるように、前記片(2、4)が金型によって前記少なくとも1本の分割線(5)の少なくとも1本に沿って屈曲されることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記片(2、4)が前記屈曲ステップで、湾曲形である、波形である、角度付けされた、直角である、V字形である、L字形である、U字形である、またはS字形である恒久的な屈曲を前記片(2、4)に形成するように屈曲されることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の方法により得られた、磁気弾性材料のフィルムの片(2、4)を含む製品(11)。
【請求項7】
第1の方向に初期屈曲剛性を有する、磁気弾性材料のフィルム(1)の片(2、4)を含むセンサ(11)において、
前記片(2、4)が前記片(2、4)の前記第1の方向に少なくとも1本の分割線(5)を備えており、
前記片(2、4)が前記第1の方向に対して横の方向に恒久的な屈曲を備えるように、前記片(2、4)は前記少なくとも1本の分割線(5)の少なくとも1本に沿って屈曲され、それにより優れた屈曲剛性が前記片(2、4)の前記第1の方向に与えられることを特徴とするセンサ。
【請求項8】
前記片がストリップ(4)であり、前記第1の方向が前記ストリップ(4)の長手方向(y)であることを特徴とする、請求項7に記載のセンサ(11)。
【請求項9】
前記恒久的な屈曲が、湾曲形である、波形である、角度付けされた、直角である、V字形である、L字形である、U字形である、またはS字形であることを特徴とする、請求項7または8に記載のセンサ(11)。
【請求項10】
前記片(2、4)は一方側(6、7)が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシドおよびその共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、澱粉およびその誘導体、セルロースおよびその誘導体、多糖類、タンパク質、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンイミン、アクリレート系ポリマー、およびその混合物を基にした感湿性ポリマーは線状または親水性ポリマーまたは化学/物理架橋膨潤ポリマーゲルからなる群から選択された、感湿性ポリマーの層(12)で被覆されていることを特徴とする、請求項7から9のいずれかに記載のセンサ(11)。
【請求項11】
前記片(2、4)は、一方側(6、7)が、少なくとも1つのターゲット生物および/または化学検体を検出するようになっている少なくとも1つの検出器分子で直接または間接的に被覆されていることを特徴とする、請求項7から9のいずれかに記載のセンサ。
【請求項12】
請求項7から11のいずれかに記載のセンサ(11)を備えていることを特徴とする、少なくとも1つの吸収層を含む吸収構造。
【請求項13】
請求項7から11のいずれかに記載のセンサ(11)を備えていることを特徴とする、おむつ、パンツタイプのおむつ、失禁用衣類、生理用ナプキン、雑巾、タオル、ティッシュ、ベッド保護物、創傷または痛み包帯、タンポン状製品、または同様の製品などの吸収体(13)。
【請求項14】
請求項7から11のいずれかに記載の1〜10個のセンサを備えていることを特徴とする、請求項13に記載の吸収体(13)。
【請求項15】
前記磁気弾性材料を磁化させるように磁場を発生させる励起コイル、および任意選択で磁気音響共振周波数を検出するピックアップコイルを備えた手持ち式ユニットを有する感知吸収システムにおいて、任意選択で請求項13または14に記載の前記吸収体(13)の一部である請求項12に記載の前記吸収構造をさらに備えることを特徴とする感知吸収システム。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図2g】
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【図2h】
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【図2i】
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【図2j】
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【図2k】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−539644(P2009−539644A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514227(P2009−514227)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000675
【国際公開番号】WO2007/142561
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(506215320)エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー (157)
【Fターム(参考)】