説明

優先曲げを備えた医療用デバイス

カテーテルのような医療用デバイスは、可撓性、強度およびその他の所望の特性において利点を提供することができる。いくつかの医療用デバイスは、複数のスロットが配置されているハイポチューブを備えることができる。該ハイポチューブ、または医療用デバイスの別の部分は、医療用デバイスが一方向への優先曲げを示すようにすることができるか、または医療用デバイスが一方向への優先曲げを示すのを可能にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して医療用デバイスに関し、より具体的には、優先曲げを提供するように構成されているか、または優先曲げを提供するようになされた構成要素を備えている医療用デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテルのような医療用デバイスは、可撓性、強度、最小外径、最大内径など、いくつかのしばしば矛盾する性能要件を課せられる場合がある。特に、多くの場合は可撓性の要件と強度の要件との間のバランスである。したがって、可撓性、強度、および他の所望の特性の間の最適なバランスを目的として構成された、カテーテルのような改良された医療用デバイスが依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記した問題を解決することができる医療用デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、可撓性、強度および他の所望の特性における利点をもたらす改良された医療用デバイスに関する。
従って、本発明の例示の実施形態は、複数のスロットを有するハイポチューブを備えた医療用デバイスに見出すことができる。医療用デバイスは一方向の優先曲げを示すように構成されてもよい。該医療用デバイスには他方向への曲げの余地が与えられていてもよいが、当然ながら該医療用デバイスは一方向に優先的に曲がることができる。
【0005】
本発明の別の例示の実施形態は、第1の側面と、対向する第2の側面とを有するハイポチューブを備えた医療用デバイスに見出すことができる。第1の側面には第1の複数のスロットが配置されており、第2の側面には第2の複数のスロットが配置されている。制限構成要素が第1の側面に沿って配置される。
【0006】
本発明の別の例示の実施形態は、第1の側と、対向する第2の側とを有するハイポチューブを備えた医療用デバイスに見出すことができる。第1の側には第1の複数のスロットが形成され、第2の側には第2の複数のスロットが形成される。該ハイポチューブは、第1の側および第2の側のうちの一方に向かって優先的に曲がる。
【0007】
本発明の別の例示の実施形態は、外側表面を画成している長尺状の螺旋状に裁断された部材を備えた医療用デバイスに見出すことができる。複数のテザー(繋留要素)が外側表面の周囲に軸方向に配置される。
【0008】
本発明の別の例示の実施形態は、第1の側と、対向する第2の側とを有するハイポチューブを備えた医療用デバイスに見出すことができる。第1の側には第1の複数のスロットが形成されており、第2の側には第2の複数のスロットが形成されている。第1の複数のスロットおよび第2の複数のスロットは、ハイポチューブを第1の側および第2の側のうちの一方に向かって優先的に曲がらせるように構成される。
【0009】
本発明の別の例示の実施形態は、複数のスロットを有するハイポチューブを備えた医療用デバイスに見出すことができる。複数のスロットのうちの少なくともいくつかに電気活性ポリマーのセグメントが架け渡されていてよい。
【0010】
本発明の上記の概要は、本発明の開示された各実施形態またはあらゆる実装について説明するようには意図されていない。以降の図面、詳細な説明および実施例がこれらの実施形態をより具体的に例示する。
【0011】
本発明の様々な実施形態についての以下の詳細な説明を添付の図面と関連させて考慮すれば、本発明をより十分に理解することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態によるカテーテルの側面図。
【図2】図1のカテーテルの一部分を形成するハイポチューブの斜視図。
【図3】図1のカテーテルの一部分を形成するハイポチューブの斜視図。
【図4】図1のカテーテルの一部分を形成するハイポチューブの側面図。
【図5】図1のカテーテルの一部分を形成するハイポチューブの側面図。
【図6】図1のカテーテルの一部分を形成するハイポチューブの側面図。
【図7】図1のカテーテルの一部分を形成するハイポチューブの斜視図。
【図8】図1のカテーテルの一部分を形成する、螺旋状に裁断されたハイポチューブを示す図。
【図9】図8の線9−9に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明には様々な改変形態および代替形態の可能性があるが、そのうちの特定の形態が例として図面に示されており、かつ、以下に詳細に説明される。しかしながら、本発明を記載の特定の実施形態に限定することを意図するものではなく、本発明の趣旨および範囲に含まれる全ての改変形態、等価物、および代替形態を包含することを意図するものである。
(詳細な説明)
以下に定義される用語については、特許請求の範囲または本明細書中の他所において異なる定義が与えられない限り、以下の定義が適用されるものとする。
【0014】
数値はすべて、明示されているか否かにかかわらず、本明細書中では用語「約」で修飾されるものと見なされる。用語「約」は一般に、記述された値と等価である(すなわち、同じ機能または結果を有する)と当業者が考えると思われる範囲の数値を指す。多くの場合、用語「約」は有効数字の位に四捨五入される数値を含むことができる。
【0015】
端点による数値範囲の記述は、その範囲内のすべての数値を含む(例えば、1〜5は1、1.5、2、2.75、3、3.80、4および5を含む)。
本明細書および添付の特許請求の範囲においては、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、内容が明らかにそうでないことを述べていない限り、複数の指示物を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲においては、用語「または、もしくは(or)」は一般に、内容が明らかにそうでないことを述べていない限り、「選択肢のうち少なくともいずれか(and/or)」を含む意味で使用される。
【0016】
以下の記載は図面を参照しながら読まれるべきであり、図面において、同様の参照数字はいくつかの図面全体に共通する同様の構成要素を示している。図面(必ずしも一定の縮尺ではない)は、特許請求の範囲に記載の発明の実例となる実施形態を示している。
【0017】
図1は、本発明の実施形態によるカテーテル10の平面図である。カテーテル10は、様々な異なるカテーテルのうちいずれであってもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル10は血管内カテーテルであってよい。血管内カテーテルの例としては、バルーンカテーテル、アテローム切除術用カテーテル、薬物送達用カテーテル、ステント送達用カテーテル、診断用カテーテルおよびガイドカテーテルが挙げられる。血管内カテーテル10は意図された用途に従った大きさである。カテーテル10は、約100〜150センチメートルの範囲の長さであり、また任意の有用な直径を有することができる。本明細書中に記載されている場合を除き、血管内カテーテル10は従来の技術を使用して製造可能である。
【0018】
図示された実施形態では、血管内カテーテル10は、基端16を規定する基端領域14と、先端20を規定する先端領域18とを有する長尺状シャフト12を備えている。ハブおよび張力緩和アセンブリ22が長尺状シャフト12の基端16に接続されている。ハブおよび張力緩和アセンブリ22は従来の設計のものであってよく、従来の技法を使用して取り付けられてよい。本発明の実施形態に代替案のハブ設計を組み入れることができることも確認されている。
【0019】
長尺状シャフト12は、様々な度合いの可撓性を有する1または複数のシャフトセグメントを備えることができる。例えば、長尺状シャフトは、比較的剛性の高い基端側部分、比較的可撓性の高い先端側部分、および両方に対して中間的な可撓性を有する基端側部分と先端側部分との間に配置された中間部分を備えることができる。
【0020】
ある場合には、長尺状シャフト12は単一のポリマー層から形成されている。ある例では、長尺状シャフト12は、内側の潤滑層のような内張りと外側層とを備えている。長尺状シャフト12が内張りを備えている場合、内張りは、適度に低い摩擦係数を有する材料のコーティングを備えていてもよいし、該コーティングで形成されていてもよい。適切な材料の例としては、ペルフルオロポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(TEFLON(登録商標)として一層良く知られている)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリアリーレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース誘導体、アルギン、糖類、カプロラクトンなど、ならびにこれらの混合物および組み合わせが挙げられる。
【0021】
長尺状シャフト12は、1または複数の外側層として、所望の強度、可撓性またはその他の所望の特徴を提供する任意の適切なポリマーを備えることができる。低いデュロメータ値または硬さ値を備えたポリマーは高い可撓性を提供することができる一方、高いデュロメータ値または硬さ値を備えたポリマーは高い剛性を提供することができる。いくつかの実施形態では、使用されるポリマー材料は熱可塑性ポリマー材料である。適切な材料のいくつかの例としては、ポリウレタン、弾性ポリアミド、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX(登録商標)など)、シリコーン、およびコポリマーが挙げられる。外側ポリマー層32は、単一のポリマーであってもよいし、複数の長手方向に伸びる区域もしくは層であってもよいし、またはポリマーのブレンドであってもよい。材料および加工法を注意深く選択することにより、これらの材料の様々な熱可塑性、溶剤可溶性、および熱硬化性を使用して所望の結果を得ることが可能である。ある例においては、例えばARNITEL(登録商標)という名称で市販されているコポリエステル系熱可塑性エラストマーのような熱可塑性ポリマーが使用されてもよい。
【0022】
ある場合には、カテーテル10は、編組物、微細加工されたハイポチューブ(微細加工ハイポチューブ)などのような補強用構成要素を備えていてもよい。ある例においては、上記の補強用構成要素(図1には図示されていない)は、長尺状シャフト12またはその一部の曲げの特徴に影響を及ぼすように調整して作られてもよい。ある場合には、例えばカテーテル10が単一平面内で優先的に曲がるか、さらには一方向に優先的に曲がるようになされていると有用である。
【0023】
図2〜9は、本発明の具体的な実施形態による、カテーテル10に優先曲げの特徴を付与することができる様々な補強用構成要素を示している。カテーテル10は、微細加工ハイポチューブ、螺旋状に裁断されたハイポチューブおよび本明細書中以下に記載される編組物を備えているか、または前記のもので形成されていると考えることができる。ある場合には、カテーテル10は、長尺状シャフト12の先端側部分に1つ以上の上記補強用構成要素を備えていてもよい。補強用構成要素は、長尺状シャフト12の内面の内側、長尺状シャフト12の外面の周囲、または長尺状シャフト12を形成しているいくつかの層の間に配置可能である。
【0024】
図2は、第1の側26および第2の側28を有する微細加工ハイポチューブ24の斜視図である。微細加工ハイポチューブ24は、優先的に単一平面内で、すなわち第1の側26に向かう(第2の側28から離れる)かまたは第2の側28に向かう(第1の側26から離れる)ように曲がるように構成されている。第1の複数のスロット30は微細加工ハイポチューブ24の第1の側26において形成されている。第2の複数のスロット32は微細加工ハイポチューブ24の第2の側28において形成されている。
【0025】
微細加工ハイポチューブ24に単一平面の曲げの特徴を提供するために、第1の複数のスロット30を作り上げている個々のスロット34の少なくとも大半が、他の個々のスロット34とともに少なくとも径方向にはほぼ整列している。同様に、第2の複数のスロット32を作り上げている個々のスロット36の少なくとも大半が、他の個々のスロット36とともに少なくとも径方向にはほぼ整列している。
【0026】
個々のスロット34および個々のスロット36を整列させる結果として、微細加工ハイポチューブ24は、微細加工ハイポチューブに沿って軸方向に伸びる第1の縦走リブ38を有するものと見なすことができる。第1の縦走リブ38は、第1の複数のスロット30および第2の複数のスロット32が微細加工ハイポチューブ24に切り込まれた後に残っている材料によって形成されるかまたは他の方法で画成される。
【0027】
第2の縦走リブ(この図には示されていない)は、微細加工ハイポチューブ24の反対側に、第1の縦走リブ38から径方向に約180度の間隔を置いて形成され得る。一部の例においては、縦走リブは、第1の側26と第2の側28との間を分ける平面を規定すると見なすことができる。微細加工ハイポチューブ24に沿って軸方向に、かつ第1の縦走リブ38(および図示されていないが第2の縦走リブ)を通って伸びる平面に対して垂直な平面の中で、微細加工ハイポチューブ24が優先的に曲がり得ることが認識されるであろう。
【0028】
一部の例においては、また図示されているように、個々のスロット34または36は形状が長方形であってよい。ある例においては、個々のスロット34または36は半円形状のように湾曲していてもよい。ある場合には、個々のスロット34または36はダイヤモンド形状であってもよい。個々のスロット34または36は、鋸切断、レーザー、さらには放電加工(EDM)のような、任意の適切な技法を使用して形成可能である。さらなる適切な技法には化学エッチングおよび研摩研削加工が挙げられる。
【0029】
微細加工ハイポチューブ24は、任意の適切なポリマー材料または金属材料から形成可能である。ある場合には、微細加工ハイポチューブ24は、カーボンファイバー、液晶ポリマー、ポリイミドなどのような適度に剛性の高いポリマーから形成されてもよい。一部の例においては、微細加工ハイポチューブ24は、金属材料、例えばステンレス鋼もしくはニッケル‐チタン合金(ニチノールなど)、または他の金属性もしくはポリマー性の形状記憶材料、例えばポリシクロオクタンから形成されてもよい。微細加工ハイポチューブ24は、望ましい場合には金属チューブとポリマーチューブとの組み合わせを備えることもできる。
【0030】
微細加工ハイポチューブ24は、任意の特定用途の要件を満たすために必要な任意の所望の長さ、幅、材料厚、およびスロットの大きさを備えて形成可能である。微細加工ハイポチューブ24の製造を含めた微細加工ハイポチューブ24に関するさらなる詳細は、例えば米国特許第6,766,720号および米国特許出願公開第2004/0181174A2号明細書に見出すことが可能であり、前記特許文献はそれぞれ全体が参照により本願に完全に組込まれる。
【0031】
一部の例においては、微細加工ハイポチューブ24が一方向に優先的に曲がるように制限することが有用または有益な場合がある。図3および4は、一方向への優先曲げを提供するために微細加工ハイポチューブに加えることが可能な構成要素の、実例となるが非限定的な例を提示している。
【0032】
図3は、微細加工ハイポチューブ24の第1の側26に沿って制限ファイバー42が配置されたアセンブリ40の斜視図である。制限ファイバー42は、複数の付着点44によって微細加工ハイポチューブ24に固定されている。一部の例においては、制限ファイバー42は、比較的可撓性は高いが伸長しない材料で作られ、従って第1の複数のスロット30は閉じることはできるが広がらないようになっている。その結果、アセンブリ40は一方向(図中の構成では上向き)にのみ曲がることができる。
【0033】
アセンブリ40は微細加工ハイポチューブ24の長さにほぼ沿って伸びる単一の制限ファイバー42を備えて図示されているが、当然ながら、アセンブリ40は、所望の曲げの特徴をアセンブリ40に提供するために微細加工ハイポチューブ24の様々な部分に沿って軸方向に配置された、いくつかの制限ファイバー42を備えることもできる。
【0034】
ある場合には、制限ファイバー42は、可撓性を有するが伸長しない金属材料、ポリマー材料または複合材料から形成されてもよい。制限ファイバー42は、単繊維であってもよいし、いくつかのより小さな繊維またはフィラメントを集めたものであってもよい。ある場合には、制限ファイバー42は金属性の撚線であってもよい。一部の例においては、制限ファイバー42はKEVLAR(登録商標)を含んでもよいし、または他の方法で、KEVLAR(登録商標)で形成されてもよい。
【0035】
付着点44は、任意の適切な材料を使用して、任意の適切な方法で形成可能である。例えば、制限ファイバー42が金属性の撚線または複数の金属フィラメントである場合、付着点44にはレーザー溶接のような任意の適切な技法を使用して形成された溶接付着が挙げられる。制限ファイバー42がポリマーである場合、付着点44は任意の適切な接着剤を使用して形成された粘着付着点に相当し得る。制限ファイバー42および微細加工ハイポチューブ24の両方がポリマーである場合、付着点44は、制限ファイバー42および微細加工ハイポチューブ24が少なくとも部分的に一緒に融解された地点に相当し得る。
【0036】
図4は、微細加工ハイポチューブ24にポリマー構成要素48が加えられたアセンブリ46の側面図である。一部の例においては、ポリマー構成要素48は、第1の複数のスロット30のうちの少なくとも一部の内側に配置された、いくつかのポリマー・セグメントを備えている。ある場合には、ポリマー構成要素48は、第1の側26に沿ってポリマーのリボンを配置することと、該ポリマーのリボンを軟化させるかまたは少なくとも部分的に融解して第1の複数のスロット30のうちの少なくとも一部の中に至らしめるために、十分な熱または圧力のうち少なくともいずれか一方を加えることとにより形成されてもよい。
【0037】
ポリマー構成要素48は任意の適切なポリマー材料から形成可能である。ある場合には、ポリマー構成要素48は、微細加工ハイポチューブ24に容易には付着しない材料から形成されてもよい。具体的な例では、ポリマー構成要素はポリエチレンを含んでもよいし、ポリエチレンから形成されてもよい。アセンブリ46に力が加わると、第1の複数のスロット30のうち少なくともいくつかは、広がることはできるが閉じることはできないことになる。その結果、アセンブリ46は(図中の構成では)下方へ曲がることはできるが上方へは容易には曲がることができない。
【0038】
アセンブリ46は、第1の複数のスロット30の中のスロット34の全てまたはほぼ全てに配置されたポリマー構成要素48を備えて図示されているが、当然ながら、アセンブリ46は、アセンブリ46に所望の曲げの特徴を提供するために微細加工ハイポチューブ24の様々な部分に沿って配置された、いくつかの別個のポリマー構成要素48の区域を備えることも可能である。
【0039】
図5は、第1の側70および第2の側72を有していると考えることが可能な微細加工ハイポチューブ68の側面図である。第1の側70に沿って第1の複数のスロット74が配置され、第2の側72に沿って第2の複数のスロット76が配置されている。微細加工ハイポチューブ68は、微細加工ハイポチューブ24に関して述べたように、任意の適切な材料から、かつ任意の適切な技法を使用して、形成可能である。ポリマーのシース71が微細加工ハイポチューブ68の上に配置されている。シース71は下にある構造物を十分に示すために幻像で示されている。シース71は、長尺状シャフト12(図1)に関して述べたもののような任意の適切なポリマーから形成可能である。
【0040】
シース71が偏りのない曲げ軸を有する一方で微細加工ハイポチューブ68は、仮想の中心線からずれた曲げ軸を有するため、シース71は微細加工ハイポチューブ68の優先曲げの特徴を増強することができる。微細加工ハイポチューブ68が曲がるとき、シース71の一部は圧縮状態になる一方、シース71の別の部分は伸張状態になる。微細加工ハイポチューブ68が曲がるときに広がる、微細加工ハイポチューブ68内部の切込みは、さらに広がらなければならず、その結果シース71に一層大きな歪みを引き起こす。
【0041】
一部の例においては、図のように、第1の複数のスロット74を作り上げている個々のスロット78のうちの少なくともいくつかは、第2の複数のスロット76を作り上げている個々のスロット80のうちの少なくともいくつかより長くてよい。その結果、微細加工ハイポチューブ68は、第2の側72に向かって(図中の下方へ)はより曲がりやすく、第1の側70に向かって(図中の上方へ)はより曲がりにくくなる。
【0042】
図のように、第1の複数のスロット74および第2の複数のスロット76は、微細加工ハイポチューブ68のほぼ全体に広がっている。ある場合には、第1の複数のスロット74または第2の複数のスロット76のうち少なくともいずれか一方は、微細加工ハイポチューブ68の全長のうち一部分にのみ広がっていてもよい。第1の複数のスロット74のまたは第2の複数のスロット76のうち少なくともいずれか一方は、微細加工ハイポチューブ68の長さに沿って不連続的に、すなわち別個のセグメント中において広がっていてもよい。
【0043】
図6は、一方向への優先曲げを提供し得る微細加工ハイポチューブ104の実例となるが非限定的な例を提示している。微細加工ハイポチューブ104は第1の側106および第2の側108を有する。第1の複数の開孔部110は第1の側106に形成され、第2の複数のスロット112は第2の側108に形成される。第2の複数のスロット112は先の図面に関して議論されたスロットと同様に形成される。微細加工ハイポチューブ104は、微細加工ハイポチューブ24に関して先に述べたような任意の適切な金属材料またはポリマー材料から形成可能である。
【0044】
第1の複数の開孔部110は、第1の複数の開孔部110のうちの少なくとも一部は広がることはできるが閉じることはできないようにする構成を備えて形成され得る。したがって、微細加工ハイポチューブ104は第2の側108に向かって(図中の下方へ)は優先的に曲がり、第1の側106に向かって(図中の上方へ)は曲がりにくくなる。
【0045】
いくつかの例においては、図のように、第1の複数のスロット110を作り上げている個々のスロット114のうち少なくともいくつかは三角形状を有することができる。特に、個々のスロット114のうちの少なくともいくつかは、第1の側106の外側表面において最小であり、かつ、微細加工ハイポチューブ104の中央に向かって相対的に接近するにつれて大きくなる幅を有することができる。
【0046】
本明細書中で述べた微細加工ハイポチューブは、大部分は、曲げを単一平面内に優先的に限定する切込みパターンを有するものである。ある例においては、微細加工ハイポチューブは曲げを優先的に限定しない切込みパターンを有する場合もある。図7は、それ自体は曲げの優先性を持たない微細加工ハイポチューブ116の、実例となるが非限定的な例を提示している。
【0047】
微細加工ハイポチューブ116には複数のスロット118が形成されている。個々のスロット118は対120をなすものとみなされ、1つの対120は、第1のスロット122および第2のスロット124を備え得る。
【0048】
いくつかの例においては、図のように、第1のスロット122は微細加工ハイポチューブ116の上で第1の径方向の位置を有することができる一方、第2のスロット124は第1の径方向の位置から回転された第2の径方向の位置を占める。いくつかの実施形態では、図のように、第2のスロット124は第1のスロット122から約90度回転されていてもよい。他の例では、径方向の回転は、特に、例えば第1のスロット122および第2のスロット124が図示された長さよりも長い場合または短い場合は、変化してもよい。
【0049】
微細加工ハイポチューブ116がどのように曲がるか、またはそうでなければどのように形作られるかを制御するために、微細加工ハイポチューブ116は、個々のスロット118のうち少なくともいくつかの上に配置することができる1つ以上の電気活性ポリマー・セグメント126を備えることができる。電気活性ポリマー・セグメント126は、電気的な刺激に応じて形状または大きさが変化するようになっている。電気活性ポリマー・セグメント126を選択的に配置すること、またはある一定の電気活性ポリマー・セグメント126だけを選択的に活性化することのうちいずれかによって、微細加工ハイポチューブ116の形状を、特定の脈管の解剖学的構造内での特定の用法に合わせて調整可能であることが分かる。
【0050】
電気活性ポリマーは、電位差に曝露された時、該電気活性ポリマーを膨潤させることができるイオンを収容するポリマーである。ある場合には、代わりに電気活性ポリマー・セグメント126が形状記憶合金または形状記憶ポリマーのような形状記憶材料から形成されてもよい。形状記憶材料は、温度の変化、磁場の印加、光、または他の適切な刺激が生じると、ある形状から別の形状に変化できることが知られている。
【0051】
認識すべきことは、電気活性ポリマーは加えられた電位差に基づいてイオンを収容または排斥するため、電気活性ポリマー・セグメント126は、ある特定の電気活性ポリマー・セグメント126が個々のスロット118の形状に影響を及ぼさない状態と、その特定の電気活性ポリマー・セグメント126が例えば個々のスロット118をほぼ閉じさせた状態と、複数の中間的な状態との間で可逆的に変更されるということである。
【0052】
例えば、電気活性ポリマーに加えられている電位差を停止させることにより、既にポリマー内部にあるイオンをそこに残すことが可能になるが、追加のイオンは入らなくなる。電位差を逆転させると、その前に入力されたイオンをポリマーから出させることになる。したがって、認識すべきことは、電気活性ポリマーを出入りするイオンの相対量を、電気活性ポリマーに加える電位差の制御により制御し得るということである。
【0053】
述べたように、いくつかの例においては、電気活性ポリマーは本発明の特定の実施形態に従ってハイポチューブとともに使用可能である。要するに、電気活性ポリマーはドープポリマーであり、該ドープポリマーは、該ポリマーがイオンを該ポリマー内外へ移行させる電場にさらされた時に起きるような酸化および還元が生じると、体積または形状が変化する。酸化および還元により、イオンがポリマー中に挿入されることによって該ポリマーの体積が増加するか、またはイオンがポリマーから取り出されることによって該ポリマーの体積が減少する。
【0054】
ある例では、電気活性ポリマーは大型で不動性の陰イオンAでドープされ、小型で可動性の陽イオンMを含む電解質と接触するように配置されてもよく、その場合、陽イオンが挿入および脱挿入される。この場合、電気活性ポリマーはその還元状態(負電位)において体積が増大する。これは以下のレドックス(酸化還元)反応:
(A)+M(aq)+e⇔P(A
として表わすことができる。
【0055】
ある例では、電気活性ポリマーは、ドデシルベンゼンスルホナート(DBS)でドープされているポリピロールであってよく、0.1MのNaDBS(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)の水性電解質と接触して配置させることができる。この場合、DBSが大型で不動性の陰イオンであり、Na(恐らくは水和物)がポリマーに挿入および脱挿入される小型の陽イオンである。還元時、ナトリウム陽イオンはポリピロール内へ移行してポリピロール内の電荷的中性を達成する。酸化においては、反対に、ナトリウム陽イオンはポリピロールから放出される。
【0056】
ポリピロールおよびNaDBSはそれぞれ次の化学構造:
【0057】
【化1】

を有する。
【0058】
述べたように、ナトリウム陽イオンはポリピロールをNaDBS電解質溶液と接触させることにより提供可能である。しかしながら、ある例では、任意の様々な異なる塩水溶液が有用である。特に、血漿および尿のような体液は有効である。
【0059】
ある場合には、電気活性ポリマーが患者自身の血液からイオンを収容するようになされていてもよい。ある場合には、微細加工ハイポチューブ116の内側に電解質溶液を提供することが有用である。イオン全般、特に陽イオンは、(適切な電位差の結果として)NaDBSのような電解質溶液から、または患者の血液から電気活性ポリマーの中へと流れることにより、該電気活性ポリマーを膨潤させるか、または他の方法で活性化することができる。
【0060】
上記のレドックス反応を駆動するために電圧または電位差を提供することは有用である。ナトリウム陽イオンがポリピロールから放出済みであるか少なくとも大部分が放出されている酸化状態は、電圧0ボルト(すなわち電流なし)において達成可能である。ナトリウム陽イオンがポリピロール内へ移行済みである還元状態は、例えば電圧約1ボルト、または恐らく約1.2ボルトで達成可能である。注目すべきことは、中間的な(例えば0.4〜0.6ボルトの範囲の)電圧により、ポリマー内へ移行する陽イオンの結果として中間的なレベルの体積増加を引き起こし得ることである。印加される電圧に応じて、ポリピロールは、少なくとも約30パーセントの体積増加を達成することができる。
【0061】
電気活性ポリマーがどのように使用されるかに応じて、ある場合には、電気活性ポリマーをはさんだ適切な電位差の適用を介して酸化状態から還元状態へと移行することにより、単純に体積増加が引き起こされ、電気活性ポリマーは単に膨潤または増大する。ある場合には、電気活性ポリマーは、金/ポリピロール二層構造のような電極と連結されてもよく、酸化状態と還元状態との間の移行により該二層構造を曲げたり真っ直ぐに伸ばしたりすることができる。
【0062】
1または複数の電気活性ポリマー・セグメント126に電位差(電圧)を適用するために、2つのリード線またはコンジットが必要である。ある場合、特に微細加工ハイポチューブ116が金属の場合には、微細加工ハイポチューブ116はそれ自体がリード線のうちの1つとしての役割を果たすことができる。ある場合には、導電パターン(図示せず)が微細加工ハイポチューブ116の内側表面または外側表面に配されてもよい。ある場合には、第2のリード線として機能するために、導電性ワイヤが微細加工ハイポチューブ116の内部に配置されてもよい。
【0063】
図8および9は、カテーテル10(図1)に優先曲げを提供することができる、微細加工ハイポチューブ以外の構造物の、実例となるが非限定的な例を提示している。図8はアセンブリ128の側面図を示し、図9は該アセンブリの断面図を提示している。アセンブリ128は、螺旋状に裁断されたチューブ130と、螺旋状に裁断されたチューブ130の外面に固定されたいくつかのテザー132とを備えている。ある場合には、図9で最もよく分かるように、アセンブリ128は、アセンブリ128の曲げ方向に影響を及ぼすように配置された合計3つのテザー132を備えることができる。螺旋状に裁断されたチューブ130は、螺旋状に裁断済みの金属チューブまたはポリマーチューブであってよい。ある場合には、代わりに、螺旋状に裁断されたチューブ130は、平らなリボン、丸素線、またはその他任意の所望の断面プロファイルを有するフィラメントを螺旋状に巻くことにより形成されてもよい。
【0064】
テザー132は、可撓性を有するが伸長しない金属材料、ポリマー材料または複合材料から形成可能である。各々のテザー132は、単繊維であってもよいし、いくつかのより小さな繊維またはフィラメントを集めたものであってもよい。ある場合には、テザー132は金属性の撚線であってもよい。一部の例においては、テザー132はKEVLAR(登録商標)を含んでもよいし、そうでなければKEVLAR(登録商標)で形成されてもよい。
【0065】
テザー132は、複数の付着点134において螺旋状に裁断されたチューブ128に取り付けられている。付着点134は、任意の適切な材料を使用して、任意の適切な方法で形成可能である。一部の例においては、付着点134にはレーザー溶接のような任意の適切な技法を使用して形成された溶接付着が挙げられる。ある場合には、付着点134は任意の適切な接着剤を使用して形成された粘着付着点に相当する。
【0066】
当然ながら、テザー132は、所望の曲げパターンを達成するように相互に配置可能である。図8および9に示される構成では、アセンブリ128は上方へ曲がることはできるが下方へは曲がらないことが分かる。螺旋状に裁断されたチューブ130が上方へ曲がるにつれて、テザー132は虚脱することが可能となり、その結果として螺旋状に裁断された130が曲がることが可能となる。しかしながら、テザーは少なくとも実質的には伸長できないため、アセンブリ128は下方へ曲がることはできない(図のとおり)。
【0067】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されたデバイスの一部またはすべてが潤滑性コーティングを備えることができる。潤滑性コーティングは操縦可能性(ステアビリティ)を向上させ、病変部の横断能力を向上させることができる。適切な潤滑性ポリマーの例には、親水性ポリマー、例えばポリアリーレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース誘導体、アルギン、糖類、カプロラクトンなど、ならびにこれらの混合物および組み合わせが挙げられる。親水性ポリマーは、親水性ポリマーどうしで、または処方された量の非水溶性化合物(いくつかのポリマーを含む)とともにブレンドされて、適切な潤滑性、結合性および溶解度を備えたコーティングを生み出すこともできる。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載されたデバイスの一部分が、親水性ポリマーまたはフルオロポリマー、例えばTEFLON(登録商標)として一層良く知られているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)でコーティングされてもよい。
【0068】
本発明は上述の具体的な例に限定されると考えるべきではなく、むしろ添付の特許請求の範囲に述べられているような本発明の態様をすべて包含するものと理解されるべきである。本発明を適用できることができる様々な変更形態、等価な製法、および多数の構造物については、本明細書を検討すれば当業者には容易に明白となるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスロットを含むハイポチューブを備え、
一方向への優先曲げを示すように構成されていることを特徴とする、医療用デバイス。
【請求項2】
医療用デバイスが一方向への優先曲げを示すようにするための追加の構成要素をさらに備える、請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項3】
追加の構成要素は、ハイポチューブのある側に固定されることと、追加の構成要素は前記の側にあるスロットの少なくとも一部を広がることはできるが閉じないようにしていることとを特徴とする、請求項2に記載の医療用デバイス。
【請求項4】
追加の構成要素は、ハイポチューブのある側に固定されることと、追加の構成要素は前記の側にあるスロットの少なくとも一部を閉じることはできるが広がらないようにしていることとを特徴とする、請求項2に記載の医療用デバイス。
【請求項5】
ハイポチューブ自体が一方向への優先曲げを示すようになされている、請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項6】
複数のスロットのうち少なくとも一部は、ハイポチューブが一方向への優先曲げを示すように構成されている、請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項7】
複数のスロットのうち少なくとも一部は、ハイポチューブが一方向への優先曲げを示すような大きさである、請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項8】
複数のスロットのうち少なくとも一部は、ハイポチューブが一方向への優先曲げを示すような形状に作られている、請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項9】
第1の側面と、対向する第2の側面とを有するハイポチューブと、
第1の側面に配置された第1の複数のスロットと、
第2の側面に配置された第2の複数のスロットと、
第1の側面に沿って配置された制限構成要素とを備える医療用デバイス。
【請求項10】
制限構成要素は、融解されて第1の複数のスロットのうち少なくとも一部の中に入ったポリマーのリボンを備える、請求項9に記載の医療用デバイス。
【請求項11】
制限構成要素は、第1の側面に沿って2以上の位置に固定されたファイバーを備える、請求項9に記載の医療用デバイス。
【請求項12】
第1の側と対向する第2の側とを有するハイポチューブと、
第1の側に形成された第1の複数のスロットと、
第2の側に形成された第2の複数のスロットとを備え、
ハイポチューブは第1の側および第2の側のうち一方に向かって優先的に曲がることを特徴とする、医療用デバイス。
【請求項13】
第1の複数のスロットのうち少なくとも一部は、第2の複数のスロットのうち少なくとも一部の長さに等しい長さを有する、請求項12に記載の医療用デバイス。
【請求項14】
ハイポチューブは内側表面および外側表面を有することと、第1の複数のスロットのうち少なくとも一部は前記外側表面において最も小さい幅を有する三角形状を有することとを特徴とする、請求項12に記載の医療用デバイス。
【請求項15】
外側表面を規定する、長尺状の螺旋状に裁断された部材と、
外側表面の周囲に軸方向に配置された複数のテザーと
を備える医療用デバイス。
【請求項16】
複数のテザーは、外側表面の周囲に軸方向に等距離には配置されていない、請求項15に記載の医療用デバイス。
【請求項17】
外側表面の周囲に軸方向に配置された3つのテザーを備える、請求項15に記載の医療用デバイス。
【請求項18】
第1の側と対向する第2の側とを有するハイポチューブと、
第1の側に形成された第1の複数のスロットと、
第2の側に形成された第2の複数のスロットとを備え、
第1の複数のスロットおよび第2の複数のスロットは、ハイポチューブが第1の側および第2の側のうちの一方に向かって優先的に曲がるように構成されていることを特徴とする、医療用デバイス。
【請求項19】
第1の複数のスロットのうち少なくとも一部は、第2の複数のスロットのうち少なくとも一部の長さとは異なる長さを有する、請求項18に記載の医療用デバイス。
【請求項20】
第1の複数のスロットのうち少なくとも一部は、第2の複数のスロットのうち少なくとも一部の幅とは異なる幅を有する、請求項18に記載の医療用デバイス。
【請求項21】
ハイポチューブの周囲に配置されたポリマーのスリーブをさらに備える、請求項18に記載の医療用デバイス。
【請求項22】
複数のスロットを含むハイポチューブと、
複数のスロットのうち少なくとも一部に架け渡されている電気活性ポリマー・セグメントとを備える医療用デバイス。
【請求項23】
電気活性ポリマー・セグメントの一部を選択的に活性化するように構成された導電パターンをさらに含む、請求項22に記載の医療用デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−502743(P2012−502743A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527911(P2011−527911)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/057086
【国際公開番号】WO2010/033541
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(506192652)ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド (172)
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
【Fターム(参考)】