説明

充填包装機械

【課題】 搬送不良や、成形不良が発生することがなく、容易かつ確実に口栓を装着することができるコンパクトな機械であって、口栓付の無菌製品を容易に製造可能な充填包装機械を提供すること。
【解決手段】 内容物が充填された口栓付き包装用容器8を製造する充填包装機械であって、帯板状包材11を供給する供給手段1と、帯板状包材11を筒状に成形する成形手段3と、筒状に成形された帯板状包材11の長手方向縁部をシールして筒状包材42とする縦シール手段4と、筒状包材42の外面に口栓51を装着する口栓装着手段5と、口栓51が装着された筒状包材42に内容物を充填する充填手段6と、内容物が充填された筒状包材42を容器1つ分に相当する間隔で包材の長手方向軸線と交差する方向にシールする横シール手段7とを備えた充填包装機械である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦ピロー包装タイプの充填包装機械に関し、詳しくは、液状内容物が充填された口栓付き包装用容器を製造することができる充填包装機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の充填包装機械としては、帯板状包材を供給する包材供給手段と、帯板状包材を扁平筒状に成形する包材成形手段と、扁平筒状に成形された帯板状包材の長手方向縁部をシールして扁平筒状包材とする縦シール手段と、扁平筒状包材に液状内容物を充填する充填手段と、液状内容物の充填された扁平筒状包材を容器1つ分に相当する間隔で包材の長手方向軸線と交差する方向にシールする横シール手段とを備えた縦ピロー包装タイプの充填包装機械が知られている。この縦ピロー包装タイプの充填包装機械は、機械の各処理手段が効率的に構成され機械全体をコンパクトにできること等の理由から多用されている。
【0003】
また、この種の充填包装機械によって製造される包装容器において、特に内容物が液状のものである場合には、液状内容物の少量ずつの取り出しや、液状内容物を取り出した後の容器の再封性の観点から、包装容器に口栓を取り付けた口栓付き包装用容器が好まれている。
【0004】
口栓付き包装用容器を製造するための充填包装機械としては、前記充填包装機械における、帯板状包材を扁平筒状に成形する包材成形手段の前段階で、帯状包材に口栓を挿入する穴を開け、口栓を装着する口栓装着手段を備えた充填包装機械(特許文献1参照)や、包材成形手段において扁平筒状に成形されつつある帯板状包材内に口栓を導入し、扁平筒状に成形された扁平筒状包材に口栓を挿入する穴を開けて、扁平筒状包材の内面から包材に口栓を装着する充填包装機械(特許文献2参照)が知られている。
【0005】
【特許文献1】特開昭59−142911号公報
【特許文献2】特開平11−70907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の充填包装機械においては、初期段階で口栓を包材に取り付けるため、帯状包材から突出した口栓の影響や、帯状包材の柔軟性が損なわれることにより、その後の帯状包材の搬送手段や包材成形手段で、搬送不良や、成形不良が発生してしまうという問題があった。また、上記特許文献2に記載の充填包装機械は、穴開けユニットによって開けられた穴に、口栓供給ユニットにより口栓を挿入するものであるが、その位置合わせは非常に難しく、また、装置自体も非常に複雑なものとなっていた。さらに、上記従来の充填包装機械で、内容物と包材を予め殺菌して長期保存可能な無菌製品を得るアセプティック充填方法を用いる場合、容器の口栓が液状内容物と接する構成となっているので、帯状包装材料に加え口栓も予め殺菌しておかなければならないという問題があり、しかも、口栓はその形状が複雑であるため、口栓を短時間で完全に殺菌するには非常に大がかりな殺菌手段が必要であり、また、その殺菌された口栓を用いても満足のいく無菌製品が得られにくいという問題もあった。
【0007】
本発明の課題は、搬送不良や、成形不良が発生することがなく、容易かつ確実に口栓を装着することができるコンパクトな機械であって、口栓付の無菌製品を容易に製造可能な充填包装機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、扁平筒状に成形する前の初期段階で帯板状包材に口栓を装着するのではなく、扁平筒状とした後に口栓を装着することにより、搬送不良や、筒状包材への成形不良を引き起こすことを防止することができ、また、扁平筒状包材の外面に、内部と連通させない状態で、口栓を装着することにより、容易かつ確実に口栓を装着することができ、さらには、口栓が液状内容物と接触しないので、必ずしも口栓を無菌状態に保つ必要がなくなり、長期保存可能な無菌製品を容易に製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、液状内容物が充填された口栓付き包装用容器を製造する充填包装機械であって、 帯板状包材を供給する包材供給手段と、前記帯板状包材を殺菌する包材殺菌手段と、前記帯板状包材を扁平筒状に成形する包材成形手段と、扁平筒状に成形された前記帯板状包材の長手方向縁部をシールして扁平筒状包材とする縦シール手段と、前記扁平筒状包材の外面に口栓を装着する口栓装着手段と、口栓が装着される前後の扁平筒状包材に液状内容物を充填する充填手段と、液状内容物が充填された扁平筒状包材を容器1つ分に相当する間隔で包材の長手方向軸線と交差する方向にシールする横シール手段とを備え、前記包材殺菌手段の周囲を包囲する殺菌室と、包材成形手段の周囲を包囲する成形室とからなる無菌チャンバーを備えたことを特徴とする充填包装機械(請求項1)や、口栓装着手段が、口栓を保持して扁平筒状包材の外面に口栓を押圧する口栓保持押圧手段と、扁平筒状包材を挟んで口栓保持押圧手段と相対する位置に設けられた、前記扁平筒状包材の外面側から支えるシール圧受けを有することを特徴とする請求項1記載の充填包装機械(請求項2)や、口栓装着手段が、口栓を保持して扁平筒状包材の外面に口栓を押圧する口栓保持押圧手段と、扁平筒状包材の内部に配置され、該口栓保持押圧手段の押圧力を受けるアンビルとを有することを特徴とする請求項1記載の充填包装機械(請求項3)や、口栓装着手段が、アンビルを挟んで口栓保持押圧手段と相対する位置に設けられた、前記アンビルを扁平筒状包材の外面側から支えるシール圧受けを有することを特徴とする請求項3記載の充填包装機械(請求項4)や、充填手段が、扁平筒状包材内に挿通される充填パイプを有し、該充填パイプにアンビルが設けられていることを特徴とする請求項3又は4記載の充填包装機械(請求項5)や、アンビルが、充填パイプの先端から所定間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項5記載の充填包装機械(請求項6)に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、搬送不良や、成形不良が発生することがなく、容易かつ確実に口栓を装着することができるコンパクトな機械であって、口栓付の無菌製品を容易に製造可能な充填包装機械を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の充填包装機械としては、液状内容物が充填された口栓付き包装用容器を製造する充填包装機械であって、帯板状包材を供給する包材供給手段と、前記帯板状包材を殺菌する包材殺菌手段と、前記帯板状包材を扁平筒状に成形する包材成形手段と、扁平筒状に成形された前記帯板状包材の長手方向縁部をシールして扁平筒状包材とする縦シール手段と、前記扁平筒状包材の外面に口栓を装着する口栓装着手段と、口栓が装着される前後の扁平筒状包材に液状内容物を充填する充填手段と、液状内容物が充填された扁平筒状包材を容器1つ分に相当する間隔で包材の長手方向軸線と交差する方向にシールする横シール手段とを備え、前記包材殺菌手段の周囲を包囲する殺菌室と、包材成形手段の周囲を包囲する成形室とからなる無菌チャンバーを備えた充填包装機械であれば特に制限されるものではなく、本発明の充填包装機械によれば、搬送不良や、扁平筒状包材への成形不良を起こすことがなく、また、容易かつ確実に口栓を装着することができ、さらに、長期保存可能な無菌製品を容易に製造することができる。
【0012】
前記包材供給手段としては、例えば、ロール状に巻かれた帯板状包材を連続的又は間欠的に供給できるような手段が挙げられ、従来の充填包装機械における包材供給手段を用いることができる。前記包材成形手段としては、前記包材供給手段により供給された帯板状包材を縦シール可能なように扁平筒状に成形する手段であれば特に制限されるものではなく、帯板状包材を扁平筒状に成形することにより、口栓装着手段による口栓の装着が容易となる。この包材成形手段により、帯板状包材の長手方向端部同士を合わせるようにして二つ折りにして扁平筒状に成形することができる。また、縦シール手段としては、帯板状包材をヒートシールできる手段であることが好ましく、例えば、加熱手段及び加圧手段を備えた手段が挙げられ、加熱手段としては、ヒータの他、超音波、高周波、レーザー光を利用した手段が挙げられる。
【0013】
前記口栓装着手段としては、扁平筒状包材の外面に口栓を装着することができる手段であれば特に制限されるものではなく、口栓の装着は、口栓(の開口)と扁平筒状包材の内部が未連通の状態で装着される。装着方法としては特に制限されないが、縦シール手段と同様、ヒートシールにより装着することが好ましい。かかる口栓装着手段としては、例えば、(1)口栓を保持して扁平筒状包材の外面に口栓を押圧する口栓保持押圧手段と、扁平筒状包材を挟んで口栓保持押圧手段と相対する位置に設けられた、前記扁平筒状包材の外面側から支えるシール圧受けを有する手段や、(2)口栓を保持して扁平筒状包材の外面に口栓を押圧する口栓保持押圧手段と、扁平筒状包材の内部に配置され、該口栓保持押圧手段の押圧力を受けるアンビルとを有する手段や、(3)口栓を保持して扁平筒状包材の外面に口栓を押圧する口栓保持押圧手段と、扁平筒状包材の内部に配置され、該口栓保持押圧手段の押圧力を受けるアンビルと、アンビルを挟んで口栓保持押圧手段と相対する位置に設けられた、前記アンビルを扁平筒状包材の外面側から支えるシール圧受けを有する手段を挙げることができるが、上記(2)や(3)特に(3)の口栓装着手段が好ましい。扁平筒状包材内部にアンビルを配設することにより、口栓保持押圧手段による扁平筒状包材への口栓押圧時に、扁平筒状包材の変形を招くことなく、扁平筒状包材への良好な口栓の装着が可能となる。さらに上記のように、口栓装着手段は、前記アンビルを挟んで口栓保持押圧手段と相対する位置に設けられた、アンビルを扁平筒状包材の外面側から支えるシール圧受けを有することが好ましい。これにより、口栓保持押圧手段による扁平筒状包材への口栓押圧時に、口栓保持押圧手段の押圧力をより確実に受け止めることができ、扁平筒状包材と口栓の間に所望のシール圧をより確実に発生させることができる。また、本発明の充填包装機械には、口栓(の開口)と容器内部との連通状態の形成が容易となるように、帯板状包材表面の口栓取付位置にハーフカット(切り込み)を形成できる表面ハーフカット手段が設けられていてもよい。なお、口栓の装着は、通常液状内容物の充填前に行われるが、液状内容物の充填後に行うこともできる。
【0014】
充填手段としては、口栓が装着された扁平筒状包材に液状内容物を充填する手段であれば特に制限されるものではなく、例えば、扁平筒状包材内に挿通される充填パイプを有する手段が挙げられる。かかる充填パイプには、上記アンビルが設けられていることが好ましく、この場合、別途アンビルを支持する必要がなく、より簡単な構造とすることができる。また、アンビルは、充填パイプの先端から所定間隔、例えば、20〜100cm程度、好ましくは40〜60cmの間隔をあけて設けられていることがより好ましく、これにより、かかる位置で口栓の装着を行うことができ、横シール手段と近接しないため、口栓装着手段の構造の多様化が可能となり、その配置も容易となる。横シール手段としては、液状内容物が充填された扁平筒状包材を容器1つ分に相当する間隔で包材の長手方向軸線と交差する方向にシールする手段であれば特に制限されるものではなく、交差する方向としては、長手方向軸線に対して垂直方向が好ましい。シール方法としては、従来公知の高周波ヒートシールや超音波ヒートシールが好ましい。
【0015】
本発明の充填包装機械は、扁平筒状に成形する前の帯板状包材を殺菌する殺菌手段を備えており、例えば、殺菌液に浸漬する手段や、過酸化水素水等の殺菌剤をミスト又はガス状で噴霧する手段や、紫外線を照射する手段等が挙げられ、それぞれ単独又は組み合わせて用いることができる。また、殺菌手段の周囲を包囲する殺菌室と包材成形手段の周囲を包囲する成形室とからなる無菌チャンバーが備えられている。これにより、長期保存可能な無菌製品を製造することができる。すなわち、口栓が液状内容物に接触しない包装用容器を製造できるので、必ずしも口栓装着手段の周囲に無菌チャンバーを設けて無菌状態にする必要はなく、殺菌手段、包材成形手段の周囲のみを包囲するような部分的な無菌チャンバーであっても、無菌製品を製造することができ、充填包装機械自体をコンパクトにすることができる。なお、縦シール手段を前記無菌チャンバー(成形室)内に設けることもできるが、無菌チャンバー及び包材成形手段によって成形された扁平筒状包材内は、汚染された外気の侵入を防ぐために、常にその外よりも陽圧に保持されていることから、縦シール手段を成形室外に設け、縦シールがなされる前の扁平筒状包材を成形室外に搬出し、その後に縦シールを施すようにすると、無菌チャンバーをよりコンパクトにすることができる。
【0016】
本発明の充填包装機械において用いられる帯板状包材としては、例えば、ヒートシールが可能なように、単層又は多層構成の合成樹脂製フィルムや、紙を基材としてその内外面に熱可塑性樹脂が積層された積層包装材製フィルムが好ましく、該積層包装材製フィルムには、必要に応じて酸素や光を遮断するバリア層が積層されていてもよい。また、口栓は、飲食直前に、ねじ込む、押し込む等して包材を突き破り、口栓(の開口)と包装用容器の内部とを連通することができる機能を有するものであり、具体的に、例えば、特開平10−129709号公報に記載の開封刃を内蔵した口栓を挙げることができる。なお、材質としては、包材同様、ヒートシールが可能なように、全体が熱可塑性樹脂のものや、包材とのシール部のみが熱可塑性樹脂のものが好ましい。
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。図1は、本発明の無菌充填包装機械の全体図であり、図2は、図1のA−A断面図(第1実施例)であり、図3は、図1のA−A断面図(第2実施例)であり、図4は、帯板状包材の容器内面側部分拡大図であり、図5は、本発明の無菌充填包装機械により製造された完成容器の斜視図である。
【0018】
本発明の無菌充填包装機械は、例えば、図1に示され、かかる図1を参照すると、無菌充填包装機械は、包材供給手段1、包材殺菌手段2、包材成形手段3、縦シール手段4、口栓装着手段5、充填手段6、及び横シール手段7を備えている。また、無菌充填包装機械は、殺菌手段2の周囲を包囲する殺菌室22と包材成形手段3及び縦シール手段4の周囲を包囲する成形室23とからなる無菌チャンバー21を備えている。
【0019】
包材供給手段1は、ロール状に巻かれた帯板状包材11を連続的又は間欠的に繰り出すことができる。包材供給手段1によって供給される帯板状包材11は、無菌チャンバー21の殺菌室22に導入される。殺菌室22は殺菌手段2を備え、殺菌手段2により、例えば、帯板状包材11に殺菌剤が噴霧され、殺菌処理が施される。次に、殺菌手段2によって殺菌された帯板状包材11は、無菌チャンバー21内の成形室23に導入される。成形室23では、成形板31を有する包材成形手段3によって、帯状包材11が二つ折りにされ扁平筒状に成形される。
【0020】
扁平筒状に成形された帯状包材11は、縦シール装置41よりなる縦シール手段4によって、その両端縁部内面同士がシールされる。縦シール装置41としては、帯状包材11のシールされる両端縁部内面をヒーター(図示省略)によって加熱し、その後、加熱された両端縁部を一対の加圧ローラー(図示省略)によって加圧してヒートシールする手段が用いられる。縦シール装置41として、帯状包材11のシールされる両端縁部をボックスモーション動作する一対の熱板により狭持してヒートシールする手段を用いてもよい。
【0021】
縦シール手段4によってその両端縁部がシールされた扁平筒状包材42の外面の口栓装着位置には、口栓装着手段5によって、口栓がシールされる。口栓装着手段5は、口栓を1列で供給する口栓シュート52と、口栓シュート52下流端の口栓供給ステーション56に口栓51を1つずつ切り出す口栓切り出し手段53と、切り出された口栓51を保持し、口栓シールステーション57まで口栓51を回転搬送する回転体55と、口栓シールステーション57で扁平筒状包材42外面の口栓装着位置58に口栓51をシールする口栓シール装置59とを備えている。
【0022】
図2を参照すると、口栓装着手段5は、充填包装機械本体に固定された第1固定フレーム61と、第2固定フレーム62とを有している。第1固定フレーム61には、サーボモータ79が取り付けられている。サーボモータ79の駆動軸には回転体55が取り付けられている。回転体55は、サーボモータ79の駆動力によって間欠回転させられる。回転体55の周縁部には、回転体55に対して進退自在に、口栓保持部材60が設けられている。口栓保持部材60は、図示しないバキューム手段によって口栓51を吸着保持できるようになっている。口栓保持部材60は、回転体55の間欠回転によって、口栓供給ステーション56、口栓加熱ステーション63、口栓シールステーション57に順次停止するように移動させられる。口栓供給ステーション56では、口栓保持部材60が回転体55に対して前進動作することによって、口栓シュート52から口栓保持部材60へ口栓が受け渡される。口栓加熱ステーション63では、口栓保持部材60が回転体55に対して再び前進動作する。そして、ヒーター64によって、熱風が口栓51のシール面に吹き付けられ、口栓51のシール面の熱可塑性樹脂が溶融させられる。口栓シールステーション57では、口栓シール装置59によって、シール面の熱可塑性樹脂が溶融させられた口栓51が扁平筒状包材42に押圧シールされる。
【0023】
口栓シール装置59は、回転体55に対して進退動作する口栓保持部材60と、扁平筒状包材42の内部の、口栓保持部材60と相対する位置に設けられたアンビル65と、アンビル65を挟んで、口栓保持部材60と相対する位置に設けられたシール圧受け66を備えている。アンビル65は、後述する充填パイプ71に固定されている。シール圧受け66は、第2固定フレーム62に取り付けられている。なお、図2では、シール圧受け66は第2固定フレーム62に固定されているが、シール圧受け66は図示しない駆動手段によって、口栓保持部材60の進退動作と同期して進退動作してもよい。
【0024】
口栓保持部材60の進退機構は、口栓保持部材60から回転体55を貫通して伸びた進退軸70と、進退軸70に設けられたカムフォロワ69と、口栓供給ステーション56、口栓加熱ステーション63、及び口栓シールステーション57に対応して第1固定フレーム61に設けられたエアシリンダ67と、エアシリンダ67のシリンダロッドに固定された断面略コの字状カム68よりなる。口栓保持部材60が各処理ステーションに位置すると、カムフォロワ69がカム68に当接する。この時回転体55の回転動作は一旦停止する。この停止中にエアシリンダ69のシリンダロッドが進退動作して、カム68、カムフォロワ69、進退軸70を通じて口栓保持部材60が進退動作する。
【0025】
図3は、口栓装着手段の他の実施例を示す。図2と共通の部材については同一符号を付し説明は省略する。この例では、サーボモータ79は、第2固定フレーム62に固定されている。口栓シール装置59は、熱風シール方式に変えて超音波シール方式となっている。口栓保持部材60に変えて、超音波ホーン60aが用いられている。超音波ホーン60aの口栓保持機能は、口栓保持部材60のものと同様である。口栓シール装置59は、口栓保持機能を有する超音波ホーン60aと超音波発振器72からなる超音波装置74と、超音波装置74を回転体55に対して進退動作可能に支持するガイド73と、ガイド73によって進退動作可能に支持された超音波装置74を進退駆動するエアシリンダ67とを有している。
【0026】
再び図1を参照すると、口栓51が装着された扁平筒状包材42内には、充填手段6の充填パイプ71によって殺菌処理された液状内容物が充填される。充填パイプ71は、無菌チャンバー21内の成形室23において、完全に成形される前の扁平筒状包材42内に挿入されている。
【0027】
液状内容物が充填された扁平筒状包材42は、一対のシールバー75を有する横シール手段7によって、扁平筒状包材42の長手方向軸線と交差する方向にヒートシールされる。シールバー75は、その幅方向中央部に切断手段を有しており、ヒートシールされた扁平筒状包材42は、1つ毎に切り離されて完成容器となる。
【0028】
図4は、帯板状包材11を容器内面側から図示したものである。帯板状包材11は、折り曲げ線Aで二つ折りにされ、縦シール予定位置77で、縦シール手段4によって縦シールされて扁平筒状包材42となる。扁平筒状包材42の口栓装着位置58には容器外面から口栓51が装着される。口栓51の装着された扁平筒状包材42には、充填手段6によって液状内容物が充填される。液状内容物が充填された扁平筒状包材42は、横シール予定位置76で横シール装置7によって横シールされ、容器1つ毎に切断されて完成容器8となる。
【0029】
図5は、完成容器8である。ここで、容器外面に装着された口栓51は、容器の開封を容易にするため、例えば特開平10−129709に開示されているような、開封刃を内蔵した口栓を用いることが好ましい。また、容器の開封予定位置78には、さらに容器の開封を容易にするため、包材の表面にハーフカット(切り込み)を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の無菌充填包装機械の全体図である。
【図2】図1のA−A断面図(第1実施例)である。
【図3】図1のA−A断面図(第2実施例)である。
【図4】帯板状包材の容器内面側部分拡大図である。
【図5】本発明の無菌充填包装機械により製造された完成容器の斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 包材供給手段
2 殺菌手段
3 包材成形手段
4 縦シール手段
5 口栓装着手段
6 充填手段
7 横シール手段
8 完成容器
11 帯板状包材
21 無菌チャンバー
22 殺菌室
23 成形室
31 成形板
41 縦シール装置
42 扁平筒状包材
51 口栓
52 口栓シュート
53 口栓切り出し手段
54 口栓切り出し部材
55 回転体
56 口栓供給ステーション
57 口栓シールステーション
58 口栓装着位置
59 口栓シール装置
60 口栓保持部材
60a超音波ホーン
61 第1固定フレーム
62 第2固定フレーム
63 口栓加熱ステーション
64 ヒーター
65 アンビル
66 シール圧受け
67 エアシリンダ
68 カム
69 カムフォロワ
70 進退軸
71 充填パイプ
72 超音波発振器
73 ガイド
74 超音波装置
75 シールバー
76 横シール予定位置
77 縦シール予定位置
78 開封予定位置
79 サーボモータ
A 折り曲げ線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状内容物が充填された口栓付き包装用容器を製造する充填包装機械であって、 帯板状包材を供給する包材供給手段と、前記帯板状包材を殺菌する包材殺菌手段と、前記帯板状包材を扁平筒状に成形する包材成形手段と、扁平筒状に成形された前記帯板状包材の長手方向縁部をシールして扁平筒状包材とする縦シール手段と、前記扁平筒状包材の外面に口栓を装着する口栓装着手段と、口栓が装着される前後の扁平筒状包材に液状内容物を充填する充填手段と、液状内容物が充填された扁平筒状包材を容器1つ分に相当する間隔で包材の長手方向軸線と交差する方向にシールする横シール手段とを備え、前記包材殺菌手段の周囲を包囲する殺菌室と、包材成形手段の周囲を包囲する成形室とからなる無菌チャンバーを備えたことを特徴とする充填包装機械。
【請求項2】
口栓装着手段が、口栓を保持して扁平筒状包材の外面に口栓を押圧する口栓保持押圧手段と、扁平筒状包材を挟んで口栓保持押圧手段と相対する位置に設けられた、前記扁平筒状包材の外面側から支えるシール圧受けを有することを特徴とする請求項1記載の充填包装機械。
【請求項3】
口栓装着手段が、口栓を保持して扁平筒状包材の外面に口栓を押圧する口栓保持押圧手段と、扁平筒状包材の内部に配置され、該口栓保持押圧手段の押圧力を受けるアンビルとを有することを特徴とする請求項1記載の充填包装機械。
【請求項4】
口栓装着手段が、アンビルを挟んで口栓保持押圧手段と相対する位置に設けられた、前記アンビルを扁平筒状包材の外面側から支えるシール圧受けを有することを特徴とする請求項3記載の充填包装機械。
【請求項5】
充填手段が、扁平筒状包材内に挿通される充填パイプを有し、該充填パイプにアンビルが設けられていることを特徴とする請求項3又は4記載の充填包装機械。
【請求項6】
アンビルが、充填パイプの先端から所定間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項5記載の充填包装機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−56556(P2006−56556A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−240092(P2004−240092)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(000180298)四国化工機株式会社 (44)
【Fターム(参考)】