説明

充電モジュール

【課題】ヒートシンクの側面にファンカバーを延長して、ヒートシンクの側面にヒートパイプを挿入することにより、ヒートシンクの放熱面積が拡張されることができるようにした充電モジュールを提供する。
【解決手段】本発明は大容量のバッテリーを充電するための充電モジュールに関するものであり、本発明の充電モジュールは、ヒートシンク;前記ヒートシンクの上面を覆うファンカバー;前記ファンカバーの上端中央部に装着されるファン;及び前記ヒートシンクの側壁に挿入され、冷媒循環によって前記ヒートシンクの側壁を放熱するヒートパイプ;を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大容量のバッテリーを充電するための充電モジュールに関し、より詳細には、ヒートシンクの側面にファンカバーを延長し、又は、ヒートシンクの側面にヒートパイプを挿入することにより、ヒートシンクの放熱面積が拡張されることができるようにした充電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ガソリンや軽油などが自動車の主要動力源として用いられている一方、最近は資源の枯渇と低環境負荷を主要モットーにして、主要動力源として充電が可能であるバッテリーを用いる電気自動車が登場している。
【0003】
また、最近は電気自動車に進化する前の段階として、ハイブリッド自動車(HEV;Hybrid Electric Vehicle)が量産されており、ハイブリッド自動車は既存のガソリンエンジンによる動力装置にバッテリーを搭載して、バッテリーが補助電源装置として用いられる自動車を称する。
【0004】
このような変化は、小型の高容量バッテリーに対する関心とともに外部電源を用いてバッテリーに急速充電が可能な高電圧の充電モジュールを絶対的に必要とするようになる。このような充電モジュールは、既存のAC−DCコンバーターを基に開発して電気的回路を含む器具形態が開発されているが、出力容量の急激な増加により、パワーの損失量は充電モジュールの効率によって非常に敏感に変化されることが分かる。
【0005】
パワーの損失は充電モジュールの内部に装着された発熱素子の発熱量と関係があるため、発熱素子の十分な冷却がなされない場合は充電モジュールの信頼性が低下される可能性がある。
【0006】
通常の充電モジュールは、一般的な家庭電圧であるAC100/220Vの電圧が充電モジュールに印加されると、充電モジュール内で昇圧過程を経て、BMS(Bettery Management System)を用いてバッテリーの電圧に高速充電することに用いられる。このような高速及び大容量の充電のためには、充電モジュールで発生される熱損失を減らすために充電モジュールに装着される発熱素子を最大限に冷却することができる放熱設計が絶対的に必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許公開第2005−0067705号公報
【特許文献2】特開2005−235838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明は従来の充電モジュールで発生されている上述の諸般の短所と問題点を解決するために導き出されたものであり、充電モジュールに主要部品として用いられる電力半導体素子が用いられ、この電力半導体素子の損失によって放出される熱を外部に円滑に放出するために充電モジュールの外観ケースとしてヒートシンクが用いられて、そのヒートシンクの内部に装着された多数の発熱素子をより効率的に冷却するためのヒートシンクの側面にファンカバーが延長されたり、ヒートシンクの側面にヒートパイプを挿入することにより、ヒートシンクの放熱面積が拡張されるようにすることによって、ヒートシンクの内側面に発熱素子を装着することができるとともに、ヒートシンクの内側面に装着された発熱素子の冷却が容易であるようにした充電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の前記目的は、ヒートシンク;前記ヒートシンクの外部をくるんで備えられ、前記ヒートシンクの側面と所定の離隔空間を形成する側面延長部が形成されたファンカバー;及び前記ファンカバーの上端中央部に装着されるファン;を含む充電モジュールが提供されることによって達成される。
【0010】
前記ヒートシンクはケーシングの役割を兼ねて、内部にバッテリー充電のための電気回路と回路に連結されたBMSなどの電力変換部品が内装され、外部に多数の冷却ピンが突出形成されることができる。
【0011】
また、前記ヒートシンクの内部には、基板に付着された発熱素子が内部側壁に接触されるように実装されることができ、前記発熱素子から排出される熱がヒートシンクの側壁を通じても外部に放熱される。
この際、前記ヒートシンクの側壁は前記ファンカバーの側面延長部により覆われ、前記ヒートシンクの側壁とファンカバーの側面延長部の間に形成された離隔空間を通じて前記ファンによって流動される冷却空気がヒートシンクを強制空冷させることにより、ヒートシンクに接触された発熱素子の冷却が効率的になされるようになる。
【0012】
前記発熱素子はMOSFET、IGBT、又は、ダイオードである電力半導体素子であり、電気回路を通じて連結されて駆動されることにより、充電モジュールに印加されたAC電源をDC電源に変換する役割をする。
【0013】
一方、本発明の前記目的は、ヒートシンク;前記ヒートシンクの上面に覆蓋される(上面を覆う)ファンカバー;前記ファンカバーの上端中央部に装着されるファン;及び前記ヒートシンクの側壁に挿入され、冷媒循環によって前記ヒートシンクの側壁を放熱するヒートパイプ;を含む充電モジュールが提供されることによって達成される。
【0014】
前記ヒートシンクの側壁に挿入されたヒートパイプは上端部が側壁の上部に突出され、前記ヒートパイプの上部には多数のピンが装着されることができる。この際、前記ピンは前記ヒートパイプの上端部と垂直をなして交差されるように装着されることができる。
【発明の効果】
【0015】
上述のように、本発明による充電モジュールは、ヒートシンクの側壁がファンカバーの側面延長部を通じた冷却空気の流動または/および側壁に直接挿入されたヒートパイプによって冷却されることができることにより、ヒートシンクの上部壁体の底面に加えて側壁の内側面を通じても発熱素子の冷却がなされることにより、ヒートシンクの内部に装着される発熱素子の配置自由度を向上させることができ、発熱素子の配置空間が側面に拡張されることによって発熱素子の接触によるショートを防止することができる利点がある。
【0016】
また、本発明はファンを通じた冷却空気がエアダクト形態の側面延長部を通じてヒートシンクの側面に直接接触されて、ヒートシンクの側壁に挿入されたヒートパイプをピン接触によって冷却することにより、ヒートシンクが冷却空気と接触する面積が広くなるため、ヒートシンクの全体的な冷却効率を向上させることができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による充電モジュールの第1実施形態の断面図である。
【図2】本発明による充電モジュールの第2実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明による充電モジュールの前記目的に対する技術的構成及び作用効果に関する事項は、本発明の好ましい実施形態が図示された図面を参照した以下の詳細な説明によって明確に理解されるであろう。
【0019】
まず、図1は本発明による充電モジュールの第1実施形態の断面図である。
【0020】
図示されたように、本実施形態による充電モジュール100は、ヒートシンク110と、ヒートシンク110の外部をくるんで設けられたファンカバー120及びファンカバー120の上端中央部に設けられたファン130で構成されることができる。
【0021】
前記ヒートシンク110は上部に装着されたファン130の駆動によって全体的な冷却がなされ、前記ファン130から排出される冷却空気がヒートシンク110の上部から側部に流動されながらヒートシンク110の全体的な空冷がなされるようになる。
【0022】
前記ヒートシンク110は、内部に電気回路と回路に連結された電力変換用電子部品が内装されることができる筐体形のケーシングで構成されることができ、下面を除いた側面と上面に多数の冷却ピン112が突出形成されて、放熱性が向上されるようにする。
【0023】
また、前記ヒートシンク110の内部には、基板141に実装された発熱素子140または/およびコイルなどで構成された発熱部品が上部壁体111と側壁113の内側面に一面が接触されるように装着され、前記ヒートシンク110の放熱機能によって冷却がなされるようになる。
【0024】
前記発熱部品は、共振コイル、PFCコイルまたは変圧器のうち何れか一つで構成されることができる。
【0025】
この際、前記発熱素子140は主に高放熱素子で構成されて、基板141に実装された状態でヒートシンク110を通じて放熱が可能であるように、基板141に実装された面の反対面がヒートシンク110の各内側壁面に接触されて、前記発熱素子140はMOSFET、IGBT、又は、ダイオードである電力半導体素子で構成されることができ、夫々基板141を通じた電気回路を通じて連結されて駆動されることにより、外部で充電モジュールに印加されるAC電源をDC電源に変換する役割をするようになる。
【0026】
電力半導体素子の発熱素子140は充電モジュールに印加されるAC電源をDC電源に変換するために駆動時に損失が発生するようになり、損失が発生される量だけ発熱素子140には熱が発生するようになり、発生される熱だけ損失がさらに大きく発生されるため、リアルタイムで冷却することがさらに必要となる。
【0027】
従って、上述の従来技術で言及したように、ヒートシンク110内に装着された発熱素子140の放熱をさらに効率的に遂行するために、ヒートシンク110の側面まで強制的に冷却できるようにする構造が採用されなければならないため、ヒートシンク110の外部をくるむファンカバー120の側部をヒートシンク110の側面下部まで延長する側面延長部122を形成し、上部のファン130から排出される冷却空気がヒートシンク110の側壁の下部にまで流動されるようにすることができる。
【0028】
このために、ヒートシンク110の上部に装着されたファン130を支持することができるように結合されたファンカバー120は、ヒートシンク110の上部に覆蓋される上部カバー121と上部カバー121の側部から下部に延長された側面延長部122で構成されることができ、前記ヒートシンク110の側部と側面延長部122の間には所定の離隔空間150が形成されることができる。
【0029】
この際、前記ヒートシンク110の上部のファン130から排出される冷却空気は、図1に図示されたように、ヒートシンク110の上部から側部に強制流動され、ヒートシンク110の側部とファンカバー120の側面延長部122の間の離隔空間150に流動されることにより、ヒートシンク110の側壁113の内側面に接触された発熱素子140の冷却がなされるようになる。
【0030】
即ち、前記ヒートシンク110の外周面が覆蓋される(覆われる)ように結合されるファンカバー120を通じてファン130から放出される冷却空気が流動される時、ヒートシンク110とファンカバー120の側面延長部122の間に形成された離隔空間150がエアダクトの役割をすることにより、ヒートシンク110の上部をはじめとする各側面が同時に冷却されることができるようにして、冷却効率を向上させることができる。
【0031】
一方、図2は本発明による充電モジュールの第2実施形態の断面図である。
【0032】
本実施形態の下記具体的な説明において、前記第1実施形態と同一の構成に対して重複される具体的な説明は省略するとともに、同一の図面符号を付ける。
【0033】
図示されたように、本実施形態の充電モジュール100は、ヒートシンク110と、ヒートシンク110の上部に覆蓋されて、上端中央部にファン130が装着されたファンカバー120及び前記ヒートシンク110の側壁に挿入されたヒートパイプ160で構成されることができる。
【0034】
前記ヒートシンク110は第1実施形態と同様に、内部に電気回路と、回路的に連結された電力変換用電子部品が内装される筐体形のケーシングで構成され、多数の発熱素子140が基板141に実装されて一面が上部底面または側壁の内側面に接触されて結合される。以下、第1実施形態のヒートシンク110と重複される具体的な説明は省略する。
【0035】
また、前記ヒートシンク110の側壁には上、下部を貫通してヒートパイプ160が挿入されて、ヒートパイプ160の内部には冷却水をはじめ冷媒が循環流動されることにより、側壁113の放熱によって側壁113の内側面に接触された発熱素子140の冷却がなされるようにする。
【0036】
前記ヒートパイプ160はヒートシンク110の側壁113の上部に上端部が突出されるように挿入されて、前記ヒートシンク110の側壁上部に突出されたヒートパイプ160の上端部には多数個のピン170がヒートパイプ160と直交して結合される。
【0037】
この際、前記ピン170はヒートパイプ160を通じたヒートシンク110の側壁113の放熱性を向上させるためのものであり、ヒートシンク110の上部に装着されたファン130を通じて流動される冷却空気と接触されてピン170を通じたヒートパイプ160がさらに早く冷却されるようにし、これによってヒートシンク110の側壁113の冷却効率がさらに向上されるようにする。
【0038】
前記ヒートパイプ160の上端部に結合されたピン170は、ヒートシンク110の上部で流動される冷却空気との接触面積を最大限拡張させると冷却性能を向上させることができるため、ピン170の個数が多くなるほど、またはピン170の面積を大きく構成するほど好ましい。
【0039】
また、本実施形態の充電モジュールは、ヒートシンク110の側壁113にヒートパイプ160が挿入されて、その上端部に多数のピン170が装着された状態で、第1実施形態と同様にヒートシンク110の側面にファンカバー120の側面延長部122が延長形成されて、ヒートシンク110の冷却効率を倍加させることができる。
【0040】
このような第1実施形態と第2実施形態の充電モジュール100は、上部壁体111の底面の他に、側壁113の内側面にも発熱素子140を付着して放熱することができることにより、ヒートシンク110の内部に発熱素子140の配置自由度を向上させることができ、配置空間が側面に拡張されることにより、発熱素子の接触によるショートなどが防止されることができる。
【0041】
また、冷却空気が接触する面積が広くなるため、ヒートシンク110の全体的な冷却効率が向上されることができる。
【0042】
以上で説明した本発明の好ましい実施形態は例示の目的のために開示されたものであり、本発明が属する技術分野にて通常の知識を有するものにおいて、本発明の技術的思想を外れない範囲内で様々な置換、変形及び変更が可能であり、このような置換、変形及び変更などは添付の特許請求範囲に属するとするべきであろう。
【符号の説明】
【0043】
110 ヒートシンク
120 ファンカバー
130 ファン
140 発熱素子
150 離隔空間
160 ヒートパイプ
170 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシンク;
前記ヒートシンクの外部をくるんで備えられ、前記ヒートシンクの側面と所定の離隔空間を形成する側面延長部が形成されたファンカバー;及び
前記ファンカバーの上端中央部に装着されるファン;を含む充電モジュール。
【請求項2】
前記ヒートシンクは、ケーシングの役割を兼ねて、内部にバッテリー充電のための電気回路と回路に連結された電力変換部品が内装され、外部に多数の冷却ピンが突出形成された請求項1に記載の充電モジュール。
【請求項3】
前記ヒートシンクは、基板に付着された発熱素子、又は、コイルを含む発熱部品が内部側壁に接触されるように実装され、前記発熱素子または発熱部品から排出される熱がヒートシンクの側壁を通じて外部に放熱される請求項2に記載の充電モジュール。
【請求項4】
前記発熱素子は、MOSFET、IGBT、又は、ダイオードである電力半導体素子である請求項3に記載の充電モジュール。
【請求項5】
前記発熱部品は、共振コイル、PFCコイル、変圧器またはコアのうち何れか一つで構成された請求項3に記載の充電モジュール。
【請求項6】
ヒートシンク;
前記ヒートシンクの上面を覆うファンカバー;
前記ファンカバーの上端中央部に装着されるファン;及び
前記ヒートシンクの側壁に挿入され、冷媒循環によって前記ヒートシンクの側壁を放熱するヒートパイプ;を含む充電モジュール。
【請求項7】
前記ヒートシンクは、基板に付着された発熱素子、又は、コイルを含む発熱部品が内部側壁に接触されるように実装され、前記発熱素子または発熱部品から排出される熱がヒートシンクの側壁を通じて外部に放熱される請求項6に記載の充電モジュール。
【請求項8】
前記ヒートパイプは、上端部が側壁の上部に突出されるように挿入され、前記ヒートパイプの上部には多数のピンが結合された請求項6に記載の充電モジュール。
【請求項9】
前記ピンは、前記ヒートパイプの上端部と互いに交差されるように直交して結合された請求項8に記載の充電モジュール。
【請求項10】
前記発熱素子は、MOSFET、IGBT、又は、ダイオードである電力半導体素子である請求項7に記載の充電モジュール。
【請求項11】
前記ファンカバーは、側部から前記ヒートシンクの側面に側面延長部が延長形成された請求項6に記載の充電モジュール。
【請求項12】
前記発熱部品は、共振コイル、PFCコイル、変圧器またはコアのうち何れか一つで構成された請求項7に記載の充電モジュール。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−49497(P2012−49497A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19572(P2011−19572)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】