説明

充電装置、充電システム

【課題】電気自動車の充電施設の普及を促進するとともに、充電時間に拘束されることなく充電を行えるシステムを提供する。
【解決手段】システムSにESSC(電気自動車充電サービスコントローラ)11と、ネットワークで接続される管理サーバ14とを設け、EVSE(充電器)12と接続し、EVSE12はEV13とコネクタで接続される。ESSC11にシステム設定ファイルを読み込み、設定情報の管理と稼動ログ出力を行う充電共通部111と、充電器からのイベントメッセージの解析、充電器への送信メッセージ作成、充電器の設定情報の管理を行うベンダ依存部112と、充電器と通信を行い、コマンドの送信とイベントの受信を行う充電器通信部113と、他に認証情報読取部114、認証部115、課金部116、GUI(操作)部117と、運用部118を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車(以下、EV:(Electric Vehicle)と称する。)の充電を行う、充電装置、充電システム及び充電管理方法に関し、より詳細には、EVの充電器(以下EVSE(Electric Vehicle Supply Equipment)と称する。)を管理し、ネットワークを介して認証や課金を行う電気自動車充電サービスコントローラ(以下ESSC(Electric vehicle Supply Service Controller)と称する。)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素の排出量が地球規模で増加しており、温室効果ガスによる地球温暖化問題が深刻さを増している。そのため、二酸化炭素の排出が少ない社会、すなわち低炭素社会の構築が世界的な課題となっている。低炭素社会を実現するための手段の一つとして、EVの普及が徐々に進みつつある。それに伴い、ガソリンスタンドと同様に、電気を充電できる充電施設も徐々に整ってきている。しかしながら、EV利用者が、遠出や旅行等をするときに、旅先で充電施設を利用するにはその数が十分とは言えない。また、電気自動車の充電は、ガソリンの給油の様に短時間で済むものとは異なり、急速充電器を利用しても10〜30分以上掛かってしまう。
【0003】
下記特許文献1は、電気自動車に電力を供給するバッテリを有するバッテリユニットと、バッテリに電力を供給する充電装置との間を電源ケーブルで接続し、充電装置にバッテリユニットの電源ケーブルが差し込まれると、充電装置内の充電制御部は、電源供給部を起動して、バッテリユニットに電源を供給するとともに、バッテリユニットから電力線搬送通信で電源ケーブルを媒体にして利用者情報を受け取って認証を行い、認証された場合は、電力量を計測して課金し、認証されなかった場合は、電源供給部を停止する技術を開示している。電力線搬送通信を用いて情報のやり取りを行うことにより、認証や課金処理を行うことができる。
【0004】
下記特許文献2は、電気自動車の充電装置を開示しており、充電装置は、予約された充電開始時刻に基づいてバッテリを充電するとともに、スイッチをオフして充電開始時刻の解除ができるようになっている。これにより、充電を開始する時刻の予約が可能であり、かつ、確実に予約の解除が可能となる。
【0005】
下記特許文献3に記載の装置は、バッテリの充電状況を制御する車載コントローラ、このバッテリと接続される充電器、および、充電器に接続された室内コントローラを備え、車載コントローラは充電履歴データを記憶し、充電中の異常を検知し、充電履歴データは車載コントローラから室内コントローラに出力・蓄積され、このデータから走行可能距離、充電完了率、バッテリ交換時期などが演算され、充電中の異常も室内コントローラに出力される。これにより、電気自動車を充電する際、充電状況を室内で監視することができる。
【0006】
また、下記特許文献4は、駐車場の各駐車位置に充電ポストを設け、ここにコンセントとバーコードシートとが設けられているものである。駐車場管理室には、コンセントへの電力供給を個別に制御する分電盤と、充電管理サーバーとが設けられている。車両EVの使用者が充電を行うには、携帯電話端末によってバーコードシートを撮影すると、充電管理サーバーが有するWEBサーバに接続され、バーコードシートの情報によってコンセントの位置が特定され、そのコンセントにおける充電が可能になると共に、そのコンセントの使用量(使用時間)がデータベースに記録されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−262570号公報
【特許文献2】特開2010−142026号公報
【特許文献3】特開平09−233720号公報
【特許文献4】特開2010−154635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
EV利用者は、遠出や旅行等をするときは、常に充電施設の位置を意識するとともに、充電に要する時間にも注意する必要がある。上記の特許文献1〜4まででは、充電時間がかなり長い点に関する考慮が行われておらず、充電施設利用時における、EV利用者の充電待ち時間がかなり長くなってしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、EV利用者が充電時間を有効に活用することができる充電技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一観点によれば、充電スポットに設置され電気自動車の充電池に充電する充電器と、前記充電器の遠隔制御を行う充電器制御装置と、前記充電スポット毎に前記充電スポットに属する前記充電器制御装置と前記充電器制御装置が制御する前記充電器とを登録する管理サーバと、を有する充電システムであって、前記充電制御装置は、前記管理サーバを参照して、自己が制御する1又は複数の充電器を表示し、前記電気自動車の充電池に充電する充電器の選択を促す表示部を有することを特徴とする充電システムが提供される。
【0011】
当該充電システムによれば、前記充電スポットに属する前記充電器制御装置と前記充電器制御装置が制御する前記充電器とを登録する管理サーバを参照して、充電対象の電気自動車の充電池を充電するための充電器を検索し、その結果に基づいて、表示部に表示を行わせることにより、利用者は、充電を行いたい充電器を遠隔操作することができる。
【0012】
前記管理サーバは、ユーザ認証を行うための認証用ID、又は、ユーザIDと認証用パスワードとの組の少なくともいずれかを格納する認証記憶部を有し、前記充電器制御装置は、前記管理サーバの前記認証記憶部を参照して、ユーザ認証の処理を行う認証部を有し、前記認証部におけるユーザ認証済みの結果に基づいて充電を開始するための充電開始指示を前記充電器に送信する第1の通信部を有することが好ましい。
【0013】
ユーザ認証済みの場合に、充電を開始する充電開始指示が充電器に送信されるため、充電対象の電気自動車に確実に充電するための遠隔操作を行うことができる。
【0014】
前記充電器は、電気自動車との充電用コネクタの接続を検出するセンサ部と、前記充電器制御装置の前記第1の通信部との間の通信を行う第2の通信部と、を有し、前記第2の通信部が前記第1の通信部から、前記充電開始指示を受け取るとともに、前記センサ部により前記充電用コネクタが接続済みである旨を検出すると、前記充電池への充電が開始されることが好ましい。
【0015】
認証済みである場合に送信される充電開始指示とコネクタの接続との両者を確認することで充電が開始されるため、充電処理を確実に行うことができる。
【0016】
前記管理サーバは、前記充電器における充電準備状態、充電開始状態を含む充電器利用状態情報を管理するとともに、前記充電器制御装置から前記充電器利用状態情報を受け取ると、当該充電器利用状態情報が更新され、前記充電器制御装置は、前記充電器利用状態情報に応じた画面表示を前記表示部に行わせる表示制御を行うことが好ましい。
【0017】
充電器の状態により更新される充電器利用状態情報に基づいて画面表示が行われ、この画面表示により、現在の充電器の状態や充電器の制御を促す表示を行うため、利用者に対して、正確な表示を行うことができる。
【0018】
前記充電スポットは商業施設の駐車場に設置され、前記充電器制御装置は、前記商業施設内に設置されていることが好ましい。
【0019】
これにより、充電待ちの利用者を商業施設に誘導することができる。
【0020】
また、本発明は、商業施設の駐車場に設けられている充電スポットに設置され電気自動車の充電池に充電する充電器を遠隔制御する充電器制御装置において、前記商業施設内に設けられ、前記充電スポット毎に前記充電スポットに属する前記充電器制御装置と前記充電器制御装置が制御する前記充電器とを登録する管理サーバと関連付けされている充電器制御装置であって、前記管理サーバを参照して、自己が制御する1又は複数の充電器を表示し、前記電気自動車の充電池に充電する充電器の選択を促す表示部を有することを特徴とする充電器制御装置である。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明の充電技術を用いることにより、以下のような効果がある。
【0022】
商業施設においては、充電器を利用する顧客の増加が見込まれ、売上げの増加も見込まれる。充電器利用者にとっては、充電中の待ち時間に商業施設での買い物や食事を楽しむことができ、待ち時間の有効利用ができる。また、充電施設の普及が進む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1A】本発明の一実施の形態による充電システムの一構成例を示す機能ブロック図である。
【図1B】本発明の一実施の形態による充電システムのうち、電気自動車EV(a)及び充電器EVSE(b)の一構成例を示す機能ブロック図である。
【図2A】本実施の形態における、電気自動車EVの充電システムにおける主要処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図2B】図2Aに続く処理の流れを示すフローチャートである。
【図2C】図2Bに続く処理の流れを示すフローチャートである。
【図3A】本実施の形態における、電気自動車EVの充電システムにおける主要処理の一例を示すシーケンス図である。
【図3B】図3Aに続く処理の一例を示すシーケンス図である。
【図3C】図3Bに続く処理の一例を示すシーケンス図である。
【図3D】図3Cに続く処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、上記課題を解決するため、デパートやコンビニ等の商業施設や高速道路のインターチェンジ等への充電器の普及を促し、利用者が充電中に充電器設置施設での買い物や食事等を行えるように促す。そのために、日本の標準的な電気自動車用急速充電器の規格で定められている充電時のシーケンスに則り、本来一体型であるEVSEとESSCを分離し、EVSEを駐車場等に設置、ESSCを建物内に設置する。
【0025】
以下、本発明の一実施の形態による充電システムについて、図面を参照しながら詳細に説明を行う。
【0026】
図1A、図1Bは、本実施の形態におる充電システムの一構成例を示す機能ブロック図である。以下においては、日本の標準的な電気自動車用急速充電器の規格を考慮した例について説明するが規格に沿った技術に限定されるものではない。
【0027】
図1Aに示すように、本実施の形態による充電システムSは、商業施設等に配置されるESSC(電気自動車充電サービスコントローラ、充電器制御装置)11と、商業施設の駐車場等に配置されるEVSE(充電器)12と、EV(電気自動車)13と、管理サーバ14と、を有しており、ESSC11と管理サーバ14とがネットワークNT経由で接続されている。ESSC11は、自己に属するEVSE12を、無線通信などにより遠隔制御する。
【0028】
EVSE12はEV13に充電を行い、ESSC11はEVSE12について1台から複数台の遠隔制御を行い、管理サーバ14はESSC11から受信した情報を、データベースに基づいて処理し、処理結果をESSC11へ返し、また、処理結果を保存する。EV(電気自動車)13は、例えば2次電池に充電を行うことにより、自動車の駆動源としている。
【0029】
ESSC11は、メモリ110と、充電共通部111と、ベンダ依存部112と、充電器通信部113と、認証情報読み取り部114と、認証部115と、課金部116と、GUI(操作)部117と、運用部118と、を有している。
【0030】
充電共通部111は、例えばメモリ110内に記憶されている充電器12に依存しない共通のシステム設定ファイルを読み込み、充電システム全体の制御、設定情報の管理、稼動ログの出力等を行う。ベンダ依存部112は、充電器12のベンダに依存する処理を行い、充電器12からの受信メッセージの解析、充電器12への送信メッセージの作成、充電器設定ファイルを読み込んで充電器設定情報の管理等を行う。充電器通信部113は、充電器12と通信を行い、コマンドの送信・イベントの受信等を行う。認証情報読取部114は、利用者の所持するICカード等に格納されている認証情報の読み込みと、例えば暗号化された認証情報等の解読などのデータ解析等を行う。認証部115は、認証情報読取部114から受け取ったデータを元に、管理サーバ14に利用者認証処理の依頼を行う。課金部116は、認証部115から受け取った利用者認証情報を元に、管理サーバ14に対して充電に関係する課金処理の依頼を行う。GUI(操作)部117は、ESSC11の表示画面(表示部と操作部とをGUI部117が兼ねている例で示す。)で使用し、後述する、いらっしゃいませ画面・充電器選択画面・利用者認証開始画面・利用者認証完了画面・充電開始画面・充電中画面・充電停止指示画面・充電完了画面・メンテナンス画面等の利用状態に応じて図3のように遷移する画面を表示する。運用部118は、充電器12の充電開始・充電停止、充電器の状態取得、充電状況取得等を行い、充電器の選択処理・利用者認証処理・充電開始処理・充電停止処理までの後述する一連の処理を制御する制御部であり、管理サーバ14に対して充電器12の状態を通知し、管理サーバ14からの充電器操作コマンドを処理し、その結果を管理サーバ14に返す。このように、運用部118は、充電器選択機能(充電器選択制御部)、認証処理制御機能、充電処理制御機能、課金機能等を有する制御部として機能する。
【0031】
管理サーバ14は、管理サーバの制御部(DB検索部を含む。)140と、管理情報等を格納する管理DB141と、認証・課金のためのデータを格納する認証・課金(認証記憶部を含む)DB142と、を有している。
【0032】
充電器選択制御部は、管理サーバ14の管理DB141を参照して、自己が制御するEVSE12の選択候補をGUI部117に表示し、EV13に充電するEVSE12の選択を促す。これに基づいて、利用者は、EVSE12を選択することができる。
【0033】
図1Bは、EVSE12(a)と、EV13(b)との、それぞれの一構成例を示す機能ブロック図である。図1B(a)に示すように、EV13は、後述する接続部と接続する被接続部13aと、充電池13bと、本体13cと、を有している。図1B(b)に示すように、EVSE12は、制御部12aと、タイマ12bと、GUI制御部12cと、充電器本体12dと、メモリ12e(認証用ID記憶部を備える)と、表示部12fと、接続部12i・被接続部13aとの接続・非接続等のセンシングを行うセンサ部12gと、ESSC11と通信を行う通信部12hと、上記被接続部13aと接続する接続部12iと、を有している。
【0034】
次に、管理サーバ14のDBである、管理DB141内に格納される機器テーブルと管理テーブル及び認証・課金DB142内に格納される認証・課金テーブルの一例について、表1から表3までに示す。認証のためのデータ(認証情報)は、認証・課金DB142内の認証情報記憶部に、課金のためのデータ(課金情報)は、認証・課金DB142内の課金情報記憶部に記憶されている。
【0035】
【表1】

【0036】
【表2】

【0037】
【表3】

【0038】
表1は、機器テーブルの一例を示す表である。機器テーブルは、利用できる機器に関する情報を登録するテーブルであり、機器を一意に識別する機器IDと、機器のタイプ(ESSCであるか、EVSEであるか)と、機器のメーカーと、型番と、製造番号と、機器名称と、が含まれている。機器テーブルに登録された順番に、機器IDが付与されていく。このテーブルにより、ESSCとEVSEとを含む各々の機器について、機器のメーカー、型番、製造番号、機器名称がわかるようになっており、また、これらのデータに基づいて、ベンダ依存部112の処理内容をベンダに依存させて変更することができるようにするとともに、利用者等が、それぞれの機器の性能や規格等を調べることも可能である。
【0039】
EVSE12の機器のメーカー名及び型番は、ESSC11がEVSE12を認識する時に利用されるため、ESSC11側で図1Aのメモリ110内に例えばプロパティファイルとして書き込んでおく。また、管理サーバ14の管理DB141に書き込まれる(表1)。ESSC11の機器のメーカー名及び型番も、管理サーバ14がESSC11を認識する時に利用されるため、管理サーバ14の管理DB141に書き込まれる(表1)。これにより、後述する図3A〜図3Dの処理において、ESSC11によるEVSE12の認識、管理サーバ14によるESSC11の認識が可能になる。
【0040】
尚、製造番号及び機器名称は、サーバ管理者がEVSE及びESSCを識別するためのデータである。
【0041】
表2は、充電スポット(充電を行うことができるスタンド等)のIDと、その充電スポットに設けられているESSC及びEVSEのID等と、が格納されている。充電スポットIには、ESSC0001に対して、EVSE0002、0003、…が、ESSC0004には、EVSE0005、0006…が登録されている。すなわち、このテーブルは、充電スポット毎に、設けられているESSCと、ESSCにより管理されるEVSEとの関係が示されている。
【0042】
尚、充電スポット、ESSC、EVSEをデータベースに登録する際には、1.充電スポット、2.ESSC、3.EVSEの順番に登録する。その理由は、EVSEを登録するには、ESSCと充電スポットの情報が必要であるからである。尚、機器テーブルから情報を削除する場合には、登録時の順番とは逆の順番で削除する。また、機器テーブル内には、ESSCとEVSEとが混在しているが、DBに登録された順番に機器IDが付与されるようになっている。
【0043】
表3は、認証・課金DB(認証記憶部を含む)142に格納されている、認証課金テーブルの一構成例を示す図である。認証・課金テーブルは、ユーザIDと、ユーザ名義のカードIDと、認証用パスワード(PW)と、それぞれのカードID毎に、充電を行った日時、充電を行ったEVSEのID、EVSEの状態に関する状態情報(準備中、待機中、充電済み、充電中などの充電器利用状態を示す充電器利用状態情報)を含む管理情報と、課金が行われているか否か、課金金額などを含む課金情報とが、格納されている。管理情報は、表2の管理テーブルに格納しておき、管理情報とカードID等とを関連付けするようにしても良い。認証のための情報(ユーザIDと、ユーザ名義のカードIDと、認証用パスワード(PW)等)を認証情報と称する。認証をカードID(認証用ID)により行う場合には、ESSC11の認証情報読み取り部(カードリーダ)114にカードを翳して認証用IDを読み取り、この認証用IDが表3に示すカードIDと一致していればユーザ認証が可であるようにしても良いし、ユーザがGUI(操作)部117から入力したPWが管理サーバの認証用PWと一致しているか否かによりユーザ認証を行うようにしても良い。
【0044】
表1と表2とは、機器IDにより関連付けされており、また、表2と表3とに関しても、機器IDにより関連付けされている。すなわち、EVSEの機器IDにより、機器のタイプ、メーカー、型番などの機器の属性情報、充電スポット及びESSCなどの機器の設置場所に関連する情報、実際に充電処理が行われた日時や充電量などの充電管理に関する情報、課金に関する情報が、関連付けされていることになる。
【0045】
以上のように構成された充電システムSにおいて、EVSE12を管理する処理の一例について、図2Aから図2C及び図3Aから図3Dを参照しながら説明する。尚、以下の説明は、一例であり、ショッピングセンタ、駐車場などの場所、処理の主体などに関して限定的に解釈されるものではない。以下の処理は、ESSC11の運用部118、EVSE12の制御部12a、管理サーバの制御部140のそれぞれが制御主体となって、各機能部に対して指示を行うことにより実行されるものである。
【0046】
まず、利用者がショッピングセンタ等の商業施設の駐車場(表2の管理テーブルの充電スポット)、例えば、充電スポットIに設置されているEVSE12(例えば、表2のEVSE0002)の近くにEV13を駐車し、EVSE12の表示部12fにおける、例えば、いらっしゃいませ画面(S201、S301)に触れることにより(S202、S302)、EVSE12のタッチ画面にコネクタ接続画面が表示され(S203、S303)、EVSE12のコネクタ(接続部12i)とEV13の被接続部13aとが接続されたことが、例えばセンサ部12g(例えば、感圧センサなどにより接続・非接続が検出される。)により検出されると(S204、S304)、EVSE12の表示部12fの画面に、接続確認を報告する接続確認画面が表示され、EVSE12とEV13との接続確認処理がなされる(S205、S305)。
【0047】
尚、本実施の形態では、ここでEVSE12がコネクタロックを行い、ESSC11に対して、通信部12hから充電器通信部113を介して接続確認開始情報を送信すると、ESSC11が、充電準備状態になる(EVSE12の状態を更新する。すなわち、認証・課金テーブルの管理情報のうちのEVSEの状態情報を充電指示待ちから充電準備状態に更新する。)。EV13における、コネクタ(被接続部13a、接続部12i)の接続確認がEVSE12で開始されると、EVSE12とEV13との接続確認処理がなされる(S205、S305)。
【0048】
接続確認処理(S205、S305)で、接続OKの場合には(OK)、EVSE12の表示部12fに接続確認完了画面が表示され(S206、S306)、利用者を店舗内に設置されているESSC11へと誘導する(S207、S307)。コネクタロックをもって充電が開始される仕様になっている場合には、ある時間内にコネクタロックの解除が行われると、ESSC11(EVSE0002と関連付けされている表2のESSC0001)に、接続確認開始情報を通信部12hから充電器通信部113を介して送信し、ESSCが充電待機状態となる(EVSEの利用状態を更新する。すなわち、ネットワークNTを介して認証・課金テーブルの管理情報のうちのEVSEの状態情報を充電準備状態から充電待機状態に更新する。)。すなわち、コネクタロックのロック・解除処理に応じて、EVSE12の充電準備、充電待機、充電開始などの充電器の利用状態情報を更新する制御がESSC11により行われ、この制御により、管理サーバの管理情報としてEVSEの充電状態が更新される。また、GUI部117の表示部に、この利用状態情報に応じた各種の画面表示(上記のいらっしゃいませ画面・充電器選択画面・利用者認証開始画面・利用者認証完了画面・充電開始画面・充電中画面・充電停止指示画面・充電完了画面・メンテナンス画面等のユーザへの報知またはユーザへの操作を促す表示)が行われる。尚、上記のコネクタロックの解除処理は、仕様に応じて任意に行われる処理である。
【0049】
一方、EVSE12とEV13の接続確認に失敗すると、充電は中止される(充電エラー:S210、S310)。
【0050】
ESSC11(表2の0001)に移動した利用者が、例えばESSC11の、例えば、いらっしゃいませ画面(S208、S308)に触れることにより(S209、S309)、ESSC11から管理サーバ14にESSC情報が通知され(S310−1)、管理サーバ14が管理DB141を参照して表2に基づき、自己(ESSC)が制御するESVE12の情報を取得し(S310−2)、この情報に基づいて充電器を選択する充電器選択画面が表示される(S211、S311)。利用者は充電器選択画面から充電を行う対象であるEV13に接続されている充電器EVSE(0002)を選択することができる(S212、S312)。
【0051】
尚、この選択処理に代えて、ICカードをEVSE12の図示しないカードリーダにより読み込ませて、ICカードに格納されている認証用IDをメモリ12eの認証用ID記憶部に記憶させておき、次いで、ESSC11の認証情報読取部114で読みとった認証用IDと一致することを確認することで、充電器EVSE(0002)を選択するようにしても良い。
【0052】
ESSC11の充電器選択画面でEV13に接続されている充電器EVSE(0002)が選択されると、利用者認証開始画面が表示され(S213、S313)、利用者認証処理が行われる(S214、S314)。この利用者認証処理は、例えば、利用者がESSC11に備えられた認証情報読取部114に認証用カードをかざすことにより行われ、例えば表3の認証・課金テーブルのユーザIDとカードIDとの組に対して決められているPWを入力することにより認証処理が完了する。すなわち、ESSC11が、カードリーダ経由で認証IDを取得し、認証メッセージ画面をGUI(操作)部117で表示させ、認証用IDを管理サーバ14に送信すると、例えばPW入力などにより、認証・課金サーバと連携してユーザの認証を行い、認証結果が管理サーバ14からESSC11に返される。ここで、認証結果がNGであれば、充電エラーとなる。尚、基本的には、(S214、S314)で利用者認証に失敗すると再認証が行われるが(S220)、再認証を行なっても認証NGのときは充電が中止される(S221)。
【0053】
認証結果がOKであれば、ESSC11のGUI(操作)部117の画面に利用者認証完了画面が表示され(S215、S315)、ESSC11からEVSE12に対して、充電開始指示が出され、これに応じて、EVSE12がコネクタをロックする。すると、接続確認開始情報が、EVSE12からESSC11に対して送信され、EVSE12の状態を充電準備状態に更新し、接続確認開始情報を管理サーバに送信し、表3の管理情報のEVSEの状態を充電準備状態に更新する。
【0054】
表3の管理情報のうち、充電器利用状態情報が準備中である充電準備状態において、EVSE12とEV13との接続確認が再度行われ(S216、S316)、接続確認が完了するとともに、上記の(S205、S305)の場合のようにある時間内にコネクタロックが解除されない場合には、ESSC11からEVSE12へ充電開始命令が送信され、EVSE12はEV13へ充電が開始される(S217、S317)。また、(S216、図3BのS314のループ)で接続確認が失敗すると、充電が中止される(S221、図3Bの充電エラー)。EVSE12からESSC11に、接続確認開始情報が送信されると、ESSC11でEVSEの状態を更新し、管理サーバ14に対して、接続確認開始情報として充電中である旨の情報が送信されると、管理サーバ14におけるEVSEの状態情報が充電中に更新される。
【0055】
充電器利用状態情報が充電中である場合(充電中)において、ESSC11はEVSE12に充電状況の確認を要求し、充電状況に応じてESSC11、EVSE12共に充電中画面が表示される(S218、S318)。充電が完了すると、EV13から充電終了シグナルが発信され(S219、S319)、ESSC11、EVSE12共に、充電完了画面が表示され(S222、S320)、例えば、利用者がEVSE12の画面に触れることにより、EVSE12の画面にEV13からコネクタを抜く指示が表示される。例えば、利用者又は管理者等がEV13からコネクタを抜くことにより(S223、S321)、EVSE12の画面に利用終了の画面が表示される(S224、S322)。この際、EVSE12からESSC11に対して、コネクタ離脱情報が送信され、EVSEの状態を待機中に更新し、管理サーバ14にコネクタ離脱情報を送信し、管理サーバ14の認証・課金テーブルの管理情報を更新する。管理サーバ14におけるEVSE12の状態の更新に伴い、表3の管理情報等が更新され、例えば、利用者はこの情報に基づいて、ESCC11の表示画面より、現在のEVSE12の状態を知ることが出来る。
【0056】
尚、充電が完了した旨の通知は、ESCC11から利用者の携帯する携帯端末に電子メールなどにより知らせるように構成されていても良い。
【0057】
ここで、表3のカードIDと、管理情報(特に、タイマ12bなどにより計時された充電時間又は充電量)と、に基づいて、課金金額情報(表3のカード001では3000円を作成し、課金処理が完了していれば“済”、課金処理が完了していなければ“未”、の情報が記憶される。課金する場合には、利用者が商業施設で行った消費に応じてポイントを付与したり、課金から差し引いたりすることができるようにしても良い。
【0058】
以上に説明したように、本実施の形態による充電システムによれば、商業施設等の集客を希望する施設において、充電器を利用したい顧客の増加が見込まれ、売上げ増加も見込まれる。また、充電器の利用者にとっては、充電中に商業施設等での買い物や食事を楽しむことができ、充電待ち時間を有効利用することができる。
【0059】
上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。本発明は、上記のような充電方法、当該充電方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであっても良い。
【0060】
また、コネクタの抜き差し及びEVSE(充電器)画面操作の主体は、利用者本人に限定されるものでなく、例えば、利用者から依頼を受けた駐車場の管理者、サービスマンなどが行うようにしても良い。このようにすれば、少なくとも充電終了後に、すぐに電気自動車に戻る必要がなくなり、また、入庫時に充電器の空きがない場合であっても、その空きを待つ必要がなくなるという利点がある。この実施形態は、充電器又は電気自動車のコネクタ接続コードが長く、1台の充電器で周辺に駐車されている複数台の電気自動車に順次接続可能な場合や、充電器が可搬型の場合等に特に効果的であり、充電終了後に利用者が買い物等を続けている場合であっても、充電器の遊び時間を無くすことができる。
【0061】
商業施設という用語は、一般的なデパート、スーパーマーケットなどの商業施設の他に、ホームセンター、食堂、スポーツクラブ、駅や高速道路のサービスエリア等の施設が含まれ、その用途等により限定されるものではない。その施設である程度の時間をかけて用事を行うようなものを含む広い概念である。充電スポットとは、例えば、このような施設に付属等して設けられ、電気自動車を駐車できるとともに、電気自動車の充電を行うことができるような仕組みを有する場所であり、施設の駐車場等が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、充電システムとして利用することができる。
【符号の説明】
【0063】
11 ESSC(電気自動車充電サービスコントローラ、充電器制御装置)
12 EVSE(充電機)
13 EV(電気自動車)
14 管理サーバ
111 充電共通部
112 ベンダ依存部
113 充電器通信部
114 認証情報読取部
115 認証部
116 課金部
117 GUI(操作)部
118 運用部
140 制御部
141 管理DB
142 課金・認証DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電スポットに設置され電気自動車の充電池に充電する充電器と、前記充電器の遠隔制御を行う充電器制御装置と、前記充電スポット毎に前記充電スポットに属する前記充電器制御装置と前記充電器制御装置が制御する前記充電器とを登録する管理サーバと、を有する充電システムであって、
前記充電器制御装置は、前記管理サーバを参照して、自己が制御する1又は複数の充電器を表示し、前記電気自動車の充電池に充電する充電器の選択を促す表示部を有することを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、ユーザ認証を行うための認証用ID、又は、ユーザIDと認証用パスワードとの組の少なくともいずれかを格納する認証記憶部を有し、
前記充電器制御装置は、前記管理サーバの前記認証記憶部を参照して、ユーザ認証の処理を行う認証部を有し、前記認証部におけるユーザ認証済みの結果に基づいて充電を開始するための充電開始指示を前記充電器に送信する第1の通信部を有することを特徴とする請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記充電器は、電気自動車との充電用コネクタの接続を検出するセンサ部と、前記充電器制御装置の前記第1の通信部との間の通信を行う第2の通信部と、を有し、
前記第2の通信部が前記第1の通信部から、前記充電開始指示を受け取るとともに、前記センサ部により前記充電用コネクタが接続済みである旨を検出すると、前記充電池への充電が開始されることを特徴とする請求項2に記載の充電システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、前記充電器における充電準備状態、充電開始状態を含む充電器利用状態情報を管理するとともに、前記充電器制御装置から前記充電器利用状態情報を受け取ると、当該充電器利用状態情報が更新され、
前記充電器制御装置は、前記充電器利用状態情報に応じた画面表示を前記表示部に行わせる表示制御を行うことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の充電システム。
【請求項5】
前記充電スポットは商業施設の駐車場に設置され、前記充電器制御装置は、前記商業施設内に設置されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の充受電システム。
【請求項6】
商業施設の駐車場に設けられている充電スポットに設置され電気自動車の充電池に充電する充電器を遠隔制御する充電器制御装置において、前記商業施設内に設けられ、前記充電スポット毎に前記充電スポットに属する前記充電器制御装置と前記充電器制御装置が制御する前記充電器とを登録する管理サーバと関連付けされている充電器制御装置であって、
前記管理サーバを参照して、自己が制御する1又は複数の充電器を表示し、前記電気自動車の充電池に充電する充電器の選択を促す表示部を有することを特徴とする充電器制御装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【公開番号】特開2012−147633(P2012−147633A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5997(P2011−5997)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】