説明

光アダプタ取付け用金具及び光アダプタ

【課題】光アダプタをパネルに貫通状に装着してガタつきを確実に解消可能な光アダプタ取付け用金具と、その取付け用金具を備えた光アダプタを提供する。
【解決手段】光アダプタ1の外面部に配設される光アダプタ取付け用金具4に、連結板部5と、この連結板部5の両端からほぼ直角に屈曲されて延びた1対の対向する側板部6,6とを形成し、各側板部6,6に、その中段部を外側へ切り起して前方側の先端部が前記パネル18に接近対向するように形成した弾性係止爪8,8と、この弾性係止爪8,8よりも連結板部5側に位置する第1側板片10,10と、前記の弾性係止爪8,8に対し第1側板片10,10と反対側に位置する第2側板片11,11とを形成し、第2側板片11,11の前端部から連結板部5側へ且つ光アダプタ側へ傾斜状に延びる第1弾性係合部13,13を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光アダプタ取付け用金具及び光アダプタに関し、特に光アダプタをパネルの装着穴に貫通状に装着した状態で光アダプタがガタつくのを防止するアダプタ取付け用金具の構造を改良した技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光通信部品としての光コネクタは、光ファイバの端部を夫々保持する、SC形やMU形の1対のプラグと、これら1対のプラグを対向状に挿入装着可能な1対のプラグ装着孔を有するアダプタとで構成されている。各プラグのフェルールに光ファイバの端部が挿入され、フェルールの端面と光ファイバの端面が面一になるように保持されている。
【0003】
1対のプラグがアダプタに装着されると、1対のフェルールの端面同士が突き合わされて、1対の光ファイバの端面同士が光学的に接続される。ところで、光アダプタは、例えば、厚さ1.6 mm のアルミ製の取付けパネルに、1列に又は複数列に併設されて貫通状に装着される。この場合、光アダプタの外面部にはバネ板製の取付け用金具が配設され、光アダプタを取付け用金具を介してパネルの装着穴に容易に固定できるようにしたものが種々提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の光アダプタ取付け用金具は、この光アダプタの外面部に配設される光アダプタ取付け用金具であり、光アダプタをパネルの装着穴に貫通状に装着した状態における光アダプタのガタつきを防止する為のものである。この光アダプタ取付け用金具には、連結板部と、この連結板部の両端からほぼ直角に屈曲され且つ連結板部の前後両端よりも前後両方へ延びる1対の対向する側板部とが設けられている。
各側板部には、外周枠部と、この外周枠部の中段部を外側へ切り起した弾性係止爪とが形成され、外周枠部のうちパネルの装着穴の内面に対面する前端部分には、装着穴の内面の一部に弾性的に係合する湾曲状係合部とが一体形成されている。
【特許文献1】実用新案登録第3111711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の光アダプタ取付け用金具を光アダプタの外面部に装着してパネルの装着穴に装着した場合に、装着穴の左右端縁と光アダプタの左右の側面間の隙間が適当な大きさである場合には、湾曲状係合部の微小弾性変形を介して、光アダプタをガタつかないようにパネルに固定することができる。
【0006】
しかし、この光アダプタ取付け用金具においては、湾曲状係合部の上下両端が外周枠部に一体的に連結されており、湾曲状係合部の前後方向の長さも小さいため、湾曲状係合部の弾性変形許容量が非常に小さく、バネ弾性が不十分である。しかも、外周枠部は枠状に形成され、弾性変形しにくい形状に構成され、バネ弾性がほとんどない。
【0007】
そのため、パネルの装着穴の幅寸法が狭く、装着穴の左右内面と光アダプタの左右の側面との間の隙間が小さい場合、取付け用金具の湾曲係合部が平板状に弾性変形しないため、湾曲係合部を装着穴の内部に挿入できず、光アダプタをパネルに装着できないという問題がある。また、装着穴の左右端縁と光アダプタの左右の側面との間の隙間が大きい場合には、湾曲係合部が装着穴の内面に弾性的に係合しないため、光アダプタをパネルにガタツキなく固定することができない。
【0008】
本発明の目的は、パネルの装着穴の左右幅寸法が小さい場合にも大きい場合にも、光アダプタをパネルの装着穴にガタツキなく取付け可能な光アダプタ用取付け金具、及びこの光アダプタ用取付け金具を備えた光アダプタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の光アダプタ取付け用金具は、光アダプタの外面部に配設され、パネルの装着穴に貫通状に装着される光アダプタをパネルに固定する為の金属薄板製の光アダプタ取付け用金具において、光アダプタ取付け用金具は、連結板部と、この連結板部の両端からほぼ直角に屈曲され且つ連結板部の前後両端よりも前後両方へ延びる1対の対向する側板部とを備え、各側板部に、その中段部を外側へ切り起して前方側の先端部が前記パネルに接近対向するように形成した弾性係止爪と、この弾性係止爪よりも連結板部側に位置し前端側が自由端の第1側板片と、前記の弾性係止爪に対し第1側板片と反対側に位置し前端側が自由端の第2側板片とを形成し、パネルの装着穴に係合される第2側板片の前端部から連結板部側へ且つ光アダプタ側へ傾斜状に延びる第1弾性係合部を設けたものである。
【0010】
光アダプタ取付け用金具を光アダプタの外面部に装着した状態では、各第1弾性係合部の先端部が光アダプタの側面に当接し、第2側板片の前方側ほど光アダプタから離隔した傾斜状態となる。この取付け用金具を取付けた光アダプタをパネルの装着穴に貫通状に装着するとき、弾性係止爪が光アダプタ側に弾性変形し、装着穴を通過後には元の切り起し姿勢に復帰し、その先端がパネルの外面(表面)に接近対向するようになるため、光アダプタは、パネルから外れることはない。
【0011】
光アダプタを取付け用金具と共にパネルの装着穴に装着した状態では、第2側板片が装着穴の内面に当接し、第1弾性係合部が光アダプタの側面に当接状態となって、各側板部の第2側板片と第1弾性係合部が弾性変形状態となり、光アダプタがガタつくことなく装着穴に装着保持された状態となる。
【0012】
この光アダプタ取付け用金具では、第2側板片の前端が自由端であるため、第2側板片のバネ弾性(弾性変形許容量)を大きくとることができる。しかも、第1弾性係合部が第2側板片の前端から連結板側へ且つ光アダプタ側へ傾斜状に延びる構成で、第1弾性係合部の先端も自由端であるため、第1弾性係合部のバネ弾性(弾性変形許容量)を大きくとることができるうえ、光アダプタと取付け用金具とを装着穴に装着する際に、第2側板片が装着穴の内面に摺接するため円滑に装着できる。
【0013】
請求項2の光アダプタ取付け用金具は、請求項1の発明において、第1側板片の前端部分に、前方ほど光アダプタから離隔するように傾斜し且つパネルの装着穴に係合する第2弾性係合部を設けたものである。
【0014】
請求項3の光アダプタは、パネルに貫通状に装着される光アダプタにおいて、光アダプタの外面部に配設されて、パネルに貫通状に装着された光アダプタをパネルに固定する為の取付け用金具を設け、取付け用金具は、連結板部と、この連結板部の両端からほぼ直角に屈曲され且つ連結板部の前後両端よりも前後両方へ延びる1対の対向する側板部とを備え、各側板部に、その中段部を外側へ切り起して前方側の先端部が前記パネルに接近対向するように形成した弾性係止爪と、この弾性係止爪よりも連結板部側に位置し前端側が自由端の第1側板片と、前記の弾性係止爪に対し第1側板片と反対側に位置し前端側が自由端の第2側板片とを形成し、パネルの装着穴に係合される第2側板片の前端部から連結板部側へ且つ光アダプタ側へ傾斜状に延びる第1弾性係合部を設けたものである。
【0015】
この光アダプタは、パネルに貫通状に装着された光アダプタをパネルに固定する為の取付け用金具であって、請求項1の光アダプタ取付け用金具と同様の取付け用金具を備えたものであるので、この取付け用金具の作用については請求項1と同様である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の光アダプタ取付け用金具は、連結板部と1対の側板部とを備え、各側板部は、弾性係止爪と第1側板片と第2側板片とを有し、第2側板片の前端部から連結板側へ且つ光アダプタ側へ傾斜状に延びる第1弾性係合部を設けたので、光アダプタを取付け用金具を介してパネルの装着穴に貫通状に装着した状態では、光アダプタの側面と装着穴の内面との間の隙間の大きさに応じて、第1弾性係合部が弾性変形状態となり、第1弾性係合部の先端が光アダプタの側面に当接係合し、第2側板片の前端部が装着穴の内面に当接係合するため、光アダプタがガタつきなく、パネルに強固に固定することができる。
【0017】
請求項2の光アダプタ取付け用金具によれば、請求項1の発明において、第1側板片の前端部分に、前方ほど光アダプタから離隔するように傾斜し且つパネルの装着穴に係合する第2弾性係合部を設けたので、第2弾性係合部が光アダプタ側へ弾性変形して、装着穴の内面の一部に弾性的に係合するので、光アダプタをパネルにガタツキなく強固に固定保持することができる。
【0018】
請求項3の光アダプタによれば、パネルに貫通状に装着される光アダプタは、この光アダプタの外面部に配設されて、パネルに貫通状に装着された光アダプタをパネルに固定する為の取付け用金具を設け、この取付け用金具は、請求項1と同様に構成されているため、請求項1とほぼ同様の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明に係る光アダプタ取付け用金具は、パネルの装着穴に貫通状に装着される光アダプタをパネルに固定する為の金属薄板製の光アダプタ取付け用金具であり、この光アダプタ取付け用金具は、連結板部と、この連結板部の両端からほぼ直角に屈曲され且つ連結板部の前後両端よりも前後両方へ延びる1対の対向する側板部とを備え、各側板部に、その中段部を外側へ切り起して前方側の先端部が前記パネルに接近対向するように形成した弾性係止爪と、この弾性係止爪よりも連結板部側に位置し前端側が自由端の第1側板片と、前記の弾性係止爪に対し第1側板片と反対側に位置し前端側が自由端の第2側板片とを形成し、パネルの装着穴に係合される第2側板片の前端部から連結板側へ且つ光アダプタ側へ傾斜状に延びる第1弾性係合部を設けたものである。
【実施例】
【0020】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。本実施例は、LC形コネクタの光アダプタに本発明を適用した場合の一例である。図1に示すように、この光アダプタ1は、光ファイバーの端部を支持したフェルールが組み込まれた1対のLC型プラグを接続する為のもので、取付けパネルに貫通状に装着して固定保持されるものである。
【0021】
光アダプタ1は、内部に前記プラグを挿入して保持可能なプラグ装着孔などを夫々有する1対の合成樹脂製のハウジング2,3と、片方のハウジング2の外面部に配設された光アダプタ取付け用金具4とを備えている。この取付け用金具4は、取付けパネルの装着穴に貫通状に装着される光アダプタ1を取付けパネルに固定保持する為のものである。
【0022】
これらハウジング2,3の各々の対峙側端部に、相互に当接するフランジ部 2a,3aが夫々形成され、各ハウジング2, 3にはプラグを装着する為のプラグ装着孔 2b,3bが夫々形成されている。ハウジング2, 3は夫々のフランジ部 2a,3aの当接面を密着状に接着することで一体化されている。
【0023】
ハウジング2,3の左側面と右側面とには、取付け用金具4の側板部6,6を係合させるために段落ちさせた矩形状の係合段落ち面2cが夫々形成されている。但し、矩形状の係合段落ち面2cの外周側に、一段高い矩形枠状の外周壁部2dが形成され、その外周壁部2dの下端部の前後方向中央部に、取付け用金具4の連結板部5の角部を係合させる為に、係合段落ち面2cに連なる係合切欠き部2eが夫々形成されている。ハウジング2,3の底面には、係合切欠き部2eに連続する係合段落ち面が形成されている。
【0024】
図2に示すように、取付け用金具4は、バネ性のある金属薄板製(例えば、厚さ約0.3 mm) のバネ鋼板を曲げ形成したコ字状の一体品であり、左右に対称の構造である。
取付け用金具4は、左右方向に長い帯状の連結板部5と、この連結板部5の左右両端から夫々ほぼ直角に上側に屈曲され且つ連結板部5の前後両端よりも前後両方へ延びる1対の対向する側板部6,6とを一体形成したものである。
【0025】
図1〜図6,図9,図10に示すように、側板部6は矩形形状であり、この側板部6には、その中段部の弾性係止爪8と、この弾性係止爪8よりも連結板部5側に位置する第1側板片10と、前記の弾性係止爪8に対し第1側板片10と反対側に位置する第2側板片11と、後端部の後端片6aとが形成されている。
【0026】
弾性係止爪8は、側板部6の外面外へ傾斜状に切り起した切り起し片に形成され、この弾性係止爪8の後端は後端片6aに連なる固定端となり、弾性係止爪8はその後端から前端にいくほど左右方向外側へ突出するように傾斜している。弾性係止爪8の前端が自由端であり、その自由端側部分は側板部6と平行に形成されている。光アダプタ1を取付けパネル18に装着したとき、弾性係止爪8の自由端側の前端部が取付けパネル18の外面に接近対向して、光アダプタ1の前後方向のガタつきを防止するように形成されている。
【0027】
図2〜図7に示すように、第1側板片10は、前後方向へ細長く延びるほぼ矩形形状であり、この第1側板片10の後端は後端片6aに連なる固定端で、前端が自由端である。第1側板片10の自由端側の前端部には、前方ほど光アダプタ1から離隔して第1側板片10の外面外へ突出するように傾斜し且つ取付けパネル18の装着穴18aの内面の一部に弾性的に係合する矩形形状の第2弾性係合部12が一体的に形成されている。
【0028】
図2〜図7に示すように、第2側板片11は、前後方向に細長く延びるほぼ矩形形状であり、この第2側板片11の前端は後端片6aに連なる固定端、前端が自由端である。第2側板片11の自由端側の前端部には、取付けパネル18の装着穴18aに係合される細幅の第1弾性係合部13が一体的に形成されている。図7に示すように、第1弾性係合部13は、第2側板片11の前端部の下端で屈曲されて連結板部5側へ且つ光アダプタ1側へ向かって下り傾斜状に延びている。取付け用金具4を光アダプタ1の外面部に装着したとき、第1弾性係合部13の先端部が、アダプタ1の側面に面接触するように、第1弾性係合部13の先端部には当接面13aが形成されている。
【0029】
図6,図7に示すように、上記の第1弾性係合部13の長さは、第2側板片11の上下幅とほぼ等しく、第1弾性係合部13は第2側板片11を含む鉛直面に対して約35〜45度をなすように屈曲形成されている。
【0030】
ここで、光アダプタ1を取付ける為の取付けパネル18について簡単に説明する。
図8に示すように、取付けパネル18は、厚さ約1.6mm のアルミニウム板の両面に防錆被膜を形成したものである。取付けパネル18には、光アダプタ1を1列状に装着する複数の矩形状の装着穴18aが形成されている。各装着穴18aの大きさは、例えば、縦寸法(図において前後方向長さ)9.5mm×横寸法(図において左右方向長さ) 13.1mmである。
【0031】
次に、取付け用金具4、この取付け用金具4を装着した光アダプタ1の作用、効果について説明する。光アダプタ1を取付けパネル18に取付ける前に、図1に示すように、取付け用金具4を光アダプタ1の外面部に装着する。この場合、図2に示すように、連結板部5を下側とし、1対の側板部6,6が係合段落ち面2cに夫々対応する姿勢で取付け用金具4を保持し、図1に示すように、1対の側板部6,6を対応する係合段落ち面2cに夫々嵌め込む。
【0032】
このとき、連結板部5の左右の角部が対応する係合切欠き部2eに夫々嵌まり、取付け用金具4が光アダプタ1の外面部に取付けられると、図9に示すように、1対の第1弾性部13,13の先端部の当接面13a,13aが光アダプタ1の側面に夫々当接すると共に、第2側板片11,11が外側へ開くように弾性変形し、第2側板片11,11の前方側ほど光アダプタ1から離隔した傾斜状態となる。この装着状態において、取付け用金具4は光アダプタ1に対して上下方向と左右方向と前後方向に相対移動不能となり、取付け用金具4を光アダプタ1に一体的に装着することができる。
【0033】
次に、光アダプタ1を取付けパネル18の装着穴18aに貫通状に装着して固定する場合には、先ず、図9の状態から図10の状態になるように、装着穴18aに貫通状に装着する。このとき、左右1対の弾性係止爪8,8が内側へ弾性変形しながら装着穴18aを通過した後、1対の弾性係合爪8,8がその弾性力で元の切り起こし姿勢(図10参照)に夫々復帰する。
【0034】
それ故、弾性係合爪8,8の前端が取付けパネル18の装着穴18aの外面(前面)に当接又は接近対向して、光アダプタ1は、取付けパネル18の装着穴18aから離脱しないように抜け止めされた状態になり、光アダプタ1が前後方向にガタつかないようになる。尚、弾性係合爪8,8の長さを図10のものより大きく形成することは簡単であるが、パネル18の厚さも一定していないため、最大厚さのパネル18の装着穴18aにも装着可能となるように弾性係合爪8,8の長さを設定してある。
【0035】
光アダプタ1を取付け用金具4を介して取付けパネル18の装着穴18aに装着した状態では、図10に示すように、各第1弾性係合部13,13の先端部が光アダプタ1の側面に当接し、第2側板片11,11が装着穴18aの内面に当接係合し、第1弾性係合部13,13がアダプタ1の側面に沿うように弾性変形して第1弾性係合部13,13の屈曲度合いが小さくなった弾性変形状態となり、第1弾性係合部13,13の十分な弾性係合力により、アダプタ1が装着穴18aにガタつかないように保持される。
【0036】
しかも、第1側板片10,10の前端の第2弾性係合部12,12が、装着穴18aの内面に弾性的に係合するため、この1対の第2弾性係合部12,12も、ガタつき解消にある程度寄与する。
【0037】
このように、取付け用金具4を装着した光アダプタ1を取付けパネル10の装着穴18aに貫通状に装着する際に、光アダプタ1の左右の側面と装着穴18aの内面との間の隙間の大きさに応じて屈曲度合い減少側へ、第1弾性係合部13,13が適度に弾性変形し、第2側板片11,11の前端部がパネル18の装着穴18aの内面に密接状に押圧接触した状態に係合するので、装着穴18aの内面と光アダプタ1との間の隙間が解消され、光アダプタ1が左右方向にガタつくことがなくなる。光アダプタ1の左右の側面と装着穴18aの内面との間の隙間が大きい場合にも、小さい場合にも、第1弾性係合部13,13がその隙間の大きさに応じて弾性変形してガタつきが解消される。
【0038】
特に、第2側板片11の前端が自由端であるため、第2側板片11の弾性変形許容量が大きく、また、第1弾性係合部13の下端が自由端であるため、第1弾性係合部13の弾性変形許容量が大きい。そのため、光アダプタ1の左右の側面と装着穴18aの内面との間の隙間が大きい場合にも、小さい場合にも、ガタつきを解消できるのである。
【0039】
上記の取付け用金具4を装備した光アダプタ1では、上記の取付け用金具4による作用効果と同様の作用効果が得られるうえ、使用時の信頼性に優れる光アダプタとなる。
上記の光アダプタ取付け用金具4は、連結板部5と、1対の側板部6,6とを一体形成し、各側板部6に弾性係止爪8と、第1側板片10と、第2側板片11とを一体形成したので、1枚の金属薄板を打ち抜き成形加工することにより、非常に簡単に製作可能であるので、製作費の面で有利である。
【0040】
次に、前記実施例を部分的に変更する変更形態について説明する。
1〕前記取付け用金具4では、1対の第1側板片10,10の前端部分に第2弾性係合部12,12を夫々設けたが、これら第2弾性係合部12,12を省略した構成の取付け用金具でもよい。
2〕前記取付け用金具4及び光アダプタ1は、前述した構造に限定されるものではなく、種々の変更を付加した形態で実施可能であり、SC形プラグを接続する光アダプタ1に限らず、MU形プラグ又はLC形プラグを接続する光アダプタ1にも、本発明を適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例に係る取付け用金具を装着した光アダプタの斜視図である。
【図2】光アダプタ取付け用金具の斜視図である。
【図3】側板部の側面図である。
【図4】取付け用金具の平面図である。
【図5】取付け用金具の後面図である。
【図6】取付け用金具の正面図である。
【図7】第1弾性係合部を含む要部の部分拡大正面図である。
【図8】取付けパネルの部分平面図である。
【図9】取付け用金具を装着した光アダプタの平面図である。
【図10】取付け用金具を装着した光アダプタを取付けパネルに固定した平面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 光アダプタ
4 光アダプタ取付け用金具
5 連結板部
6 側板部
8 弾性係止爪
10 第1側板片
11 第2側板片
13 第1弾性係合部
12 第2弾性係合部
18 パネル
18a 装着穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光アダプタの外面部に配設され、パネルの装着穴に貫通状に装着される光アダプタをパネルに固定する為の金属薄板製の光アダプタ取付け用金具において、
前記光アダプタ取付け用金具は、連結板部と、この連結板部の両端からほぼ直角に屈曲され且つ連結板部の前後両端よりも前後両方へ延びる1対の対向する側板部とを備え、
各側板部に、その中段部を外側へ切り起して前方側の先端部が前記パネルに接近対向するように形成した弾性係止爪と、この弾性係止爪よりも連結板部側に位置し前端側が自由端の第1側板片と、前記の弾性係止爪に対し第1側板片と反対側に位置し前端側が自由端の第2側板片とを形成し、
前記パネルの装着穴に係合される第2側板片の前端部から連結板部側へ且つ光アダプタ側へ傾斜状に延びる第1弾性係合部を設けた、
ことを特徴とする光アダプタ取付け用金具。
【請求項2】
前記第1側板片の前端部分に、前方ほど光アダプタから離隔するように傾斜し且つ前記パネルの装着穴に係合する第2弾性係合部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の光アダプタ取付け用金具。
【請求項3】
パネルに貫通状に装着される光アダプタにおいて、
前記光アダプタの外面部に配設されて、パネルに貫通状に装着された光アダプタをパネルに固定する為の取付け用金具を設け、
前記取付け用金具は、連結板部と、この連結板部の両端からほぼ直角に屈曲され且つ連結板部の前後両端よりも前後両方へ延びる1対の対向する側板部とを備え、
各側板部に、その中段部を外側へ切り起して前方側の先端部が前記パネルに接近対向するように形成した弾性係止爪と、この弾性係止爪よりも連結板部側に位置し前端側が自由端の第1側板片と、前記の弾性係止爪に対し第1側板片と反対側に位置し前端側が自由端の第2側板片とを形成し、
前記パネルの装着穴に係合される第2側板片の前端部から連結板部側へ且つ光アダプタ側へ傾斜状に延びる第1弾性係合部を設けた、
ことを特徴とする光アダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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