説明

光アダプタ用シャッタ

【課題】複数の光アダプタが相互の隣接ピッチを狭めた状態で縦方向に並置していても、シャッタ部材の開放操作が容易に行えるものとした光アダプタ用シャッタを提供する。
【解決手段】シャッタ部材8には、当該シャッタ部材8をバネの付勢力に抗して前倒操作して嵌合部A,Aを開放するよう外表面から略斜前方に向けて一体に突出した開放操作用取っ手10を備える。光アダプタ1は高密度実装可能としたパネルPの複数のアダプタ取付孔に各嵌着して縦方向に隣接並置しており、上段の嵌合部A,Aへの光コネクタQの嵌合時に、下段の嵌合部A,Aへ嵌合している光コネクタQの光アダプタ1係合解除用の解除レバー18およびラッチレバー19にシャッタ開放時に干渉しないよう開放操作用取っ手10をシャッタ部材8に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタ部品の嵌合部を両端に有し、二つの光ファイバ同士を光学的に接続するために使用される光アダプタ用シャッタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光コネクタ用アダプタは、ハウジングの両端に、光コネクタと嵌合する嵌合端を備え、両嵌合端に嵌入されるそれぞれの光コネクタの光学軸を、互いに一致させる構造とされている。このとき、一方の嵌合端に光コネクタを嵌入していない状態、すなわち一方にだけ光コネクタが挿通された終端状態で使用する場合では、他方の嵌合端に接続されている光コネクタに関連する光学部品が動作状態にあると、一方の嵌合端まで有害なレーザビームが導かれ、当該嵌合端へ光ファイバコネクタを嵌入する作業の際に、作業者の身体、特に光ケーブルからの光を直視することで目に重大な危害を与える。また、挿通された光ケーブル(フェルール・光ファイバ)の先端部が塵埃等の付着によって不具合を生じさせる等の虞があった。
【0003】
このような問題点を解消するため、従来では、特許文献1に示すようなシャッタ部材を回転軸とコイルバネにて嵌合端を外側から閉止する方向に付勢したものがある。すなわち、これは底壁、一対の側壁および上壁の一端側端辺によって画される光アダプタの開口端を開閉し得るように例えば底壁の一端側端辺に枢支軸を介して揺動可能に連結されたシャッタ部材が設けられ、且つ斜上向傾斜状態に閉鎖保持可能にバネ力を付勢させて配設した構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−3071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来における特許文献1の場合では、例えば、図9に示すように、複数の光アダプタ100a、100b、100c、100d…が相互の隣接ピッチを狭めた状態でパネルPのアダプタ取付孔等に挿入され縦方向に並置されていると、これらの各シャッタ部材101a、101b、101c、101d…は互いに斜上向傾斜状態となっていることから、例えば上側に位置するシャッタ部材101aの枢支軸102a側に対し、下側に位置するシャッタ部材101bの上縁開放103b側が若干奥まった状態となる。そのため、この下側に位置するシャッタ部材101bの上縁開放103b側への指先Fの引っ掛けが困難となり、当該シャッタ部材101bの開放操作ができなくなるという問題点を有していた。
【0006】
そこで、本発明は、叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、複数の光アダプタが相互の隣接ピッチを狭めた状態で縦方向等に並置されていても、シャッタ部材の開放操作が容易に行えるものとした光アダプタ用シャッタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明にあっては、光アダプタにおいて、光コネクタの嵌合部と、光コネクタその他の光学部品の嵌合部とをそれぞれ備え、前記光コネクタの嵌合部を閉鎖するよう当該嵌合部の開口端側端辺に枢支軸を介して揺動可能に連結され、且つ枢支軸にバネ力を付勢させて閉鎖保持可能として成るシャッタ部材を備えたものであって、前記シャッタ部材には、当該シャッタ部材をバネの付勢力に抗して前倒操作させて嵌合部を開放させるよう外表面に開放操作用取っ手を備えたことを特徴とする。
【0008】
開放操作用取っ手は、シャッタ部材前面の左右いずれか、または左右両側、あるいは中央その他の表面から略斜前方に向けて一体に突出してなる。
【0009】
光アダプタは高密度実装可能としたパネルの複数のアダプタ取付孔に各嵌着されて縦方向に隣接並置されており、上段の嵌合部への光コネクタの嵌合時に、下段の嵌合部へ嵌合されている光コネクタの光アダプタ係合解除用の解除レバーおよびラッチレバーに前記シャッタ部材開放時の開放操作用取っ手が干渉しないよう、当該開放操作用取っ手はシャッタ部材の右側一箇所もしくは左側一箇所、または左右両側の各一箇所に配置されている。
【0010】
光アダプタは高密度実装可能としたパネルの複数のアダプタ取付孔に各嵌着されて縦方向に隣接並置されており、上段の嵌合部への光コネクタの嵌合時に、下段の嵌合部へ嵌合されている光コネクタの光アダプタ係合解除用の解除レバーおよびラッチレバーに前記シャッタ部材開放時の開放操作用取っ手が干渉しないようシャッタ部材の中央に形成された開放操作用取っ手は、下段の解除レバー上方に突き当たらない程度の長さ寸法に形成されてなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の光アダプタが相互の隣接ピッチを狭めた状態で並置されていても、シャッタ部材の開放操作が容易に行える。
【0012】
すなわち、本発明では、シャッタ部材には、当該シャッタ部材をバネの付勢力に抗して前倒操作させて嵌合部を開放させるよう外表面に開放操作用取っ手を備えたので、複数の光アダプタが相互の隣接ピッチを狭めた状態で並置されていても、開放操作用取っ手の先端に容易に指先が届くことから、光アダプタの嵌合部への光コネクタの嵌合時において、外表面に設けられた開放操作用取っ手を指先で前倒させることでシャッタ部材を容易に開放させることができる。
【0013】
そして、開放操作用取っ手は、シャッタ部材前面の左右いずれか、または左右両側、あるいは中央その他の表面から略斜前方に向けて一体に突出してなるので、複数の光アダプタ相互の縦方向のピッチ間隔等に応じて、シャッタ部材前面での開放操作用取っ手の設置位置のバリエーションが可能となる。しかも、このようにシャッタ部材前面で当該シャッタ部材が開閉する際の支障とならない位置に開放操作用取っ手を設けることで、当該開放操作用取っ手の先端への指先の接触を確実なものとしつつシャッタ部材の開放が可能となる。
【0014】
また、光アダプタは高密度実装可能としたパネルの複数のアダプタ取付孔に各嵌着されて縦方向に隣接並置されており、上段の嵌合部への光コネクタの嵌合時に、下段の嵌合部へ嵌合されている光コネクタの光アダプタ係合解除用の解除レバーおよびラッチレバーに前記シャッタ部材開放時の開放操作用取っ手が干渉しないよう、当該開放操作用取っ手はシャッタ部材の右側一箇所もしくは左側一箇所、または左右両側の各一箇所に配置されているので、開放操作用取っ手を指先で前倒させることでシャッタ部材を開放させても、開放操作用取っ手は解除レバーの邪魔にならず、これにより全ての段の光アダプタへの光コネクタの装着が何ら支障なく行える。
【0015】
さらに、光アダプタは高密度実装可能としたパネルの複数のアダプタ取付孔に各嵌着されて縦方向に隣接並置されており、上段の嵌合部への光コネクタの嵌合時に、下段の嵌合部へ嵌合されている光コネクタの光アダプタ係合解除用の解除レバーおよびラッチレバーに前記シャッタ部材開放時の開放操作用取っ手が干渉しないよう、シャッタ部材の中央に形成された開放操作用取っ手は、下段の解除レバー上方に突き当たらない程度の長さ寸法に形成されてなるので、全ての段の光アダプタへの光コネクタの装着が何ら支障なく行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を実施するための一形態における光アダプタ用シャッタの一例を示し、(a)はシャッタ部材が閉鎖されている状態の斜視図、(b)はシャッタ部材が開放されている状態の斜視図である。
【図2】同じく光アダプタ用シャッタの一例を示し、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は平面図、(d)は右側面図、(e)は底面図である。
【図3】縦方向に並置されている複数の光アダプタのうち中段にある一つのシャッタ部材を開放操作用取っ手を介して開放させる状態を示す右側面図である。
【図4】縦方向に並置されている複数の光アダプタの全てに光コネクタを嵌合した状態を示す右側面図である。
【図5】同上の底面図である。
【図6】同じく光アダプタ用シャッタに光コネクタを嵌合した状態を示す断面図である。
【図7】同じく光アダプタ用シャッタの一例を示し、(a)は開放操作用取っ手をシャッタ部材の右側に設けた斜視図、(b)は開放操作用取っ手をシャッタ部材の中央に設けた斜視図である。
【図8】同じく開放操作用取っ手がシャッタ部材の中央に形成されている場合において、縦方向に並置されている複数の光アダプタの全てに光コネクタを嵌合した状態を示す右側面図である。
【図9】従来例にける縦方向に並置された複数の光アダプタのうち上段および中段にある各シャッタ部材を開放させる状態を示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明に係る光アダプタ用シャッタの実施の一形態を詳細に説明する。
【0018】
本発明に係る光アダプタ1は、図1および図2に示すように、例えばLC型の二つの光コネクタQ(図4以下に示す)相互を光学軸が一致するようにして接続できるよう例えば合成樹脂の成型品でなる角筒状のアダプタハウジング2によって形成されている。すなわち、このアダプタハウジング2の両端には、二つの光コネクタQが嵌合されるよう一方で左右一対となった嵌合部A、Aと、光コネクタQその他の光学部品の二つが嵌合されるよう他方で左右一対となった嵌合部B、Bとをそれぞれ備えたLC型アダプタ構造となっている。
【0019】
尚、以下では、LC型構造による光アダプタ1について説明しているが、これに限らず、SC型の二つの光コネクタQ相互を接続できるSC型構造による光アダプタ1であっても良いことは勿論である。
【0020】
アダプタハウジング2は、図1および図6に示すように、上側壁、左右側壁、底壁それぞれによって囲繞された空間内に一つの仕切壁2cが一体に形成されて二つの嵌合部A、A(B、B)が並置されて成り、アダプタハウジング2の中央には略コ字枠状となった左右一対の接合端壁2dが配置され、一方の嵌合部A、Aにおける嵌合端は斜め上方向に向けて開口し、他方の嵌合部B、Bにおける接続端は水平方向に開口している。
【0021】
また、図6に示すように、アダプタハウジング2の中央部に配される左右一対の接合端壁2dの一方には、一方の円筒2eが嵌合端に向かって突設してあると共に、他方の接合端壁2dには、他方の円筒2fが接続端に向かって突設してあり、両円筒2e、2fが光学軸上で中心軸を一致させて接合端壁2d同士を係合固定することによってスリーブホルダー3が形成される。このとき、スリーブホルダー3内側に円筒状の割りスリーブ4が装着、保持されている。
【0022】
そして、アダプタハウジング2の内壁には、後述する光コネクタQの解除レバー18によって押圧操作されるラッチレバー19が挿入されるガイド溝21と、ラッチレバー19の両側に設けられた係合突部(不図示)を係合するための係止部20が形成されている。
【0023】
アダプタハウジング2の一方の嵌合部A、Aの一端側には、当該嵌合部A、Aを囲繞するように角筒状のシャッタハウジング5が装着されている。このシャッタハウジング5は、図1および図2に示すように、上面部5a、左右側面部5b、5c、底面部5dを備え、上面部5aの前端辺と左右側面部5b、5cの前端辺とは当該左右側面部5b、5cの前端辺上部に面取りされた円弧状の切欠部6を介して連なっている。この切欠部6の存在により、底面部5dの前方向の長さが上面部5aの前方向の長さよりも若干長目となるようにしてある。
【0024】
そして、シャッタハウジング5の一端側開口を開閉し得るようにプレート状のシャッタ部材8が前記底面部5dの一端側端辺に枢支軸7を介して揺動可能に連結され、当該シャッタハウジング5の前記一端側開口を閉塞する方向にシャッタ部材8を付勢するよう枢支軸7にはバネとして例えばコイルスプリング9が巻装されている。
【0025】
具体的には、図1、図2(a)、図2(b)、図2(e)に示すように、シャッタハウジング5の底面部5d前端辺には筒形突起状の複数の軸支部5eが突設され、これら各軸支部5eの間に挟持されるようシャッタ部材8の下端辺に筒形突起状の複数の軸支部8cが突設されている。そして、これら軸支部5e、8cにはコイルスプリング9を介してロッド状の枢支軸7が嵌挿され、該枢支軸7に巻装されたコイルスプリング9の一端部はシャッタ部材8の内部に係合される一方、他端部はシャッタハウジング5の底面部5dの外表面の例えばガイド溝等(図示せず)に係合された状態で枢支軸7に外挿される。これにより、シャッタ部材8を閉塞位置から開放位置へ移行させるに従ってコイルスプリング9が巻き締められて、保有弾性が大きくなり、シャッタ部材8が閉塞位置にへ向けて付勢される。
【0026】
シャッタ部材8は、この両側縁のうちの先端側から略直交する方向へ延びる略円弧凸状となった一対のリブ部8a、8bを備え、シャッタ部材8が閉塞位置に位置されるとリブ部8a、8bが左右側面部5b、5cの円弧状の切欠部6内側にある係止段差部6aに当接され、シャッタ部材8自体は斜め配置となって閉塞保持されるようにしてある。
【0027】
そして、前記シャッタ部材8の正面から見て例えば左側一箇所には、当該シャッタ部材8を前記コイルスプリング9の付勢力に抗して前倒操作させて嵌合部A、Aを開放させるための開放操作用取っ手10が突設されている。この開放操作用取っ手10は、シャッタ部材8自体の傾斜方向とは反対側に傾斜するよう当該シャッタ部材8の外面から略斜前方に向けて一体に突出されているとで、指先Fが上側から引っ掛けられ易いようにしてある。しかも、この開放操作用取っ手10は付根部分が幅広で、先端に行くに従って先細となっていることで腰の強い安定したレバー構造となっている。
【0028】
この開放操作用取っ手10はシャッタ部材8前面における右側一箇所(図7(a)参照)もしくは左右両側の各一箇所に配置されていても良い。また、図7(b)に示すように、開放操作用取っ手10をシャッタ部材8の前面中央に設けたり、あるいはその他の表面に配置されていても良い。このように開放操作用取っ手10をシャッタ部材8の前面中央に設ける場合には、当該シャッタ部材18の開放時に光コネクタQの解除レバー18に当たらないように短尺で且つ上向きに湾曲したレバー構造とする。
【0029】
すなわち、前記開放操作用取っ手10がシャッタ部材8の中央に形成されている場合には、図8に示すように、下段に位置する光コネクタQの解除レバー18上方に突き当たらない程度の長さ寸法に形成する。これにより縦方向に並置されている複数の光アダプタ1の全てに光コネクタQを嵌合した状態であっても、全ての段の光アダプタ1への光コネクタQの装着が何ら支障なく行えるものとしている。
【0030】
尚、図1および図7(a)に示すように、前記開放操作用取っ手10がシャッタ部材8の中央以外に形成されている場合には(解除レバー18の左右両側)、下段の解除レバー18上方に突き当たる長さ寸法であっても支障はない。
【0031】
上記した構成による光アダプタ1は、図3および図4に示すように、高密度実装可能としたパネルPの複数のアダプタ取付孔に各嵌着固定されて縦方向に隣接並置される。このとき、アダプタハウジング2の左右の側壁外面には、シャッタハウジング5の一端開口に向かって延びた係合片2aと該係合片2aに対向する突部2bが設けられ、この係合片2aと突部2bの間にパネルPのアダプタ取付孔の開口縁が挟み込まれて係止されることにより、装着されたアダプタハウジング2の抜けが防止されるものとなっている。
【0032】
また、前記したように開放操作用取っ手10はシャッタ部材8前面における右側一箇所もしくは左側一箇所、または左右両側の各一箇所に配置されている場合は、上段側に位置する嵌合部A、Aへの光コネクタQの嵌合時にシャッタ部材8を開放した状態であっても、下段側に位置する嵌合部A、Aへ既に嵌合されている光コネクタQの解除レバー18およびラッチレバー19に開放操作用取っ手10が左右いずれの側にずれることで干渉しないようなっている。
【0033】
光コネクタQは、図6に示すように、カップリングスリーブ11と、このカップリングスリーブ11内にフェルール用チューブ12およびフェルールフレーム13に装着されたフェルール14と、フェルールフレーム13の後端部外周に装着されるスプリング15と、このスプリング15を介してフェルールフレーム13の後端部に嵌合する本体フレーム16と、この本体フレーム16後部に装着されたブーツ17とを具備する。
【0034】
また、図4および図6に示すように、カップリングスリーブ11の外周面には、光アダプタ1のアダプタハウジング2の内壁両側に設けられた係止部20に係合し且つその解除を行うためのラッチレバー19の係合突起が左右両側に一体的に設けられている。このラッチレバー19は、カップリングスリーブ11の先端部から後端部に向かって徐々にカップリングスリーブ11外表面から離れるように傾斜して延設されており、その後端部には、本体フレーム16の外周面に形成された解除レバー18に当接するよう、シャッタ部材8の開放時にシャッタハウジング5の嵌合部A方向へ傾斜して突出するものとなっている。
【0035】
次に、以上のように構成された形態についての使用の一例について説明する。
【0036】
光アダプタ1は、図3および図4に示すように、高密度実装可能としたパネルPの複数のアダプタ取付孔に各嵌着固定されて縦方向に隣接並置される。このとき、アダプタハウジング2の左右の側壁外面の係合片2aと突部2bの間にパネルPのアダプタ取付孔の開口内周縁部側が挟み込まれて係合させることで、アダプタハウジング2は抜けが防止された状態となってパネルPに装着される。
【0037】
図3に示すように、パネルPの縦方向に隣接並置された所望の光アダプタ1、例えば上から2段目に光コネクタQを装着する場合、対応するシャッタ部材8の開放操作用取っ手10に指先Fを引っ掛けて前倒させる。これによりアダプタハウジング2の嵌合部Aが露出された状態となり、この嵌合部Aに光コネクタQを嵌合すれば良い。
【0038】
光アダプタ1への光コネクタQの嵌合に際し、そのまま挿入して解除レバー18を押圧変形させてラッチレバー19先端の係合突起(不図示)を光アダプタ1内壁両側に形成された係止部20に係合させる。これにより光コネクタQは光アダプタ1から抜けなくなる(図6参照)。また、光コネクタQを光アダプタ1から抜去する時は、手指でもって解除レバー18を押し下げてラッチレバー19と係止部20との係合を解除した後に光コネクタQを手前に引き抜けば良い。
【0039】
また、図4に示すように、開放操作用取っ手10はシャッタ部材8前面における左側一箇所に配置されており、このため、上段側に位置する嵌合部A、Aへの光コネクタQの嵌合時にシャッタ部材8を開放した状態であっても、下段側に位置する嵌合部A、Aへ既に嵌合されている光コネクタQの解除レバー18およびラッチレバー19に上段側の開放操作用取っ手10が干渉しない。さらに、図7(a)のように、開放操作用取っ手10がシャッタ部材8前面における左側あるいは左右両側にあっても同様である。
【0040】
さらにまた、図8に示すように、開放操作用取っ手10がシャッタ部材8前面における中央に配置されていても、当該開放操作用取っ手10は下段の解除レバー18上方に突き当たらない程度の長さ寸法に形成されているため、上段側に位置する嵌合部A、Aへの光コネクタQの嵌合時にシャッタ部材8を開放した状態であっても、下段側に位置する嵌合部A、Aへ既に嵌合されている光コネクタQの解除レバー18およびラッチレバー19に上段側の開放操作用取っ手10が干渉しない。
【0041】
こうして、上段側のシャッタ部材8の開放操作用取っ手10は下段側の光コネクタQの解除レバー18の邪魔にならずに当該上段側のシャッタ部材8を開放させることができ、これにより高密度実装となった全ての段の光アダプタ1への光コネクタQの装着が何ら支障なく行えるものとなる。
【符号の説明】
【0042】
P パネル
Q 光コネクタ
F 指先
A、B 嵌合部
1 光アダプタ
2 アダプタハウジング
2a 係合片
2b 突部
2c 仕切壁
2d 接合端壁
2e 円筒
2f 円筒
3 スリーブホルダー
4 割りスリーブ
5 シャッタハウジング
5a 上面部
5b、5c 左右側面部
5d 底面部
5e 軸支部
6 切欠部
6a 係止段差部
7 枢支軸
8 シャッタ部材
8a、8b リブ部
8c 軸支部
9 コイルスプリング
10 開放操作用取っ手
11 カップリングスリーブ
12 フェルール用チューブ
13 フェルールフレーム
14 フェルール
15 スプリング
16 本体フレーム
17 ブーツ
18 解除レバー
19 ラッチレバー
20 係止部
21 ガイド溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光アダプタにおいて、光学軸が一致するように光コネクタの嵌合部と、光コネクタその他の光学部品の嵌合部とをそれぞれ備え、前記光コネクタの嵌合部を閉鎖するよう当該嵌合部の開口端側端辺に枢支軸を介して揺動可能に連結され、且つ枢支軸にバネ力を付勢させて閉鎖保持可能として成るシャッタ部材を備えたものであって、前記シャッタ部材には、当該シャッタ部材をバネの付勢力に抗して前倒操作させて嵌合部を開放させるよう外表面に開放操作用取っ手を備えたことを特徴とする光アダプタ用シャッタ。
【請求項2】
開放操作用取っ手は、シャッタ部材前面の左右いずれか、または左右両側、あるいは中央その他の表面から略斜前方に向けて一体に突出してなる請求項1記載の光アダプタ用シャッタ。
【請求項3】
光アダプタは高密度実装可能としたパネルの複数のアダプタ取付孔に各嵌着されて縦方向に隣接並置されており、上段の嵌合部への光コネクタの嵌合時に、下段の嵌合部へ嵌合されている光コネクタの光アダプタ係合解除用の解除レバーおよびラッチレバーに前記シャッタ部材開放時の開放操作用取っ手が干渉しないよう当該開放操作用取っ手はシャッタ部材の右側一箇所もしくは左側一箇所、または左右両側の各一箇所に配置されている請求項1記載の光アダプタ用シャッタ。
【請求項4】
光アダプタは高密度実装可能としたパネルの複数のアダプタ取付孔に各嵌着されて縦方向に隣接並置されており、上段の嵌合部への光コネクタの嵌合時に、下段の嵌合部へ嵌合されている光コネクタの光アダプタ係合解除用の解除レバーおよびラッチレバーに前記シャッタ部材開放時の開放操作用取っ手が干渉しないようシャッタ部材の中央に形成された開放操作用取っ手は、下段の解除レバー上方に突き当たらない程度の長さ寸法に形成されてなる請求項1記載の光アダプタ用シャッタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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