説明

光センサ

【課題】紫外光検出器が配置されているケーシング内の酸素を確実に取り除き、オゾンの発生を防止すると共に、紫外光を正確に測定でき、エキシマランプ等の紫外線光源の点灯状態を正確に測定できる光センサの提供。
【解決手段】ケーシングは、内部に紫外光を検出する紫外光検出器23が配置され紫外光が通過する貫通孔214を有する第1のケーシング21と、紫外光が通過する貫通孔223を有する第2のケーシング22からなり、第1のケーシング21と第2のケーシング22は、それぞれのケーシングの貫通孔が重なるように位置しており、第1のケーシング21と第2のケーシング22の間であって、それぞれのケーシングの貫通孔に対向する位置に紫外光を透過する窓材3が配置され、前記窓材3と第1のケーシング21の間には、シール部材41が配置されており、第1のケーシング21内には、酸素除去剤5が配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エキシマランプ等の紫外線光源から放射される紫外光を検知する光センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、例えば液晶表示パネルのガラス基板の紫外線照射による洗浄工程などにおいては、波長200nm以下の真空紫外光を放射するエキシマランプを具えてなる紫外線照射装置が用いられている。
【0003】
図4を用いて、このような紫外線照射装置を説明する。
紫外線照射装置10は、光取出窓11と本体ケース12と金属ブロック13を有し、本体ケース12の内部にエキシマランプ1が配置されている。
光取出窓11は光透過部材でありエキシマランプ1から放射される紫外光を透過するもので、例えば合成石英ガラスから構成される。本体ケース12は、ステンレスからなるもので一方の側壁にはガス導入口12aが、他方の側壁にはガス排出口12bが形成される。
このガス導入口12aからは窒素ガス等の不活性ガスが導入され、ガス排出口12bから残存していた酸素ガスとともに不活性ガスが排出される。
16は、金属ブロック13を冷却する水冷パイプである。
【0004】
金属ブロック13は、溝部が形成され、各溝部はエキシマランプ1の半分の部分が嵌まるようになっている。また、金属ブロック13には、各々のエキシマランプ1を臨むように貫通孔が形成されており、金属ブロック13の上方であって、貫通孔を臨む位置に光センサ15が組み込まれおり、この光センサ15によってエキシマランプ1からの放射光を検知するものである。(特許文献1参照)
【0005】
例えば、このような紫外線照射装置を用いた液晶表示パネルのガラス基板のドライ洗浄工程は、通常、被処理物である液晶用ガラス基板をベルトコンベアーなどの適宜の搬送手段によって搬送して紫外線照射装置による光照射領域に導入し、紫外光を連続照射することにより行われている。
【0006】
このような紫外線照射装置においては、信頼性の高い紫外光照射処理を行うためには、エキシマランプの点灯状態が適正な状態、例えば十分な強度で紫外光が照射されている状態であるか否かを確認することが必要となるが、主として放射される光が紫外光であることから、当該エキシマランプの点灯状態は目視にて確認することができない。
このため、エキシマランプの点灯状態を確認するために、エキシマランプから放射される紫外光を検出する光センサを用いて、エキシマランプの点灯状態を測定する方法が知られている。(特許文献2参照)
【0007】
図5は、光センサの説明図である。
光センサ15は、紫外光を検出する半導体センサーより紫外光検出器151が配置された金属基板152に、金属キャップ153が被せられており、この金属キャップ153には紫外光が通過する貫通孔が形成されており、この貫通孔には紫外光を透過するガラス製の窓材154が接着されている。そして、金属キャップ153と金属基板152は溶接やロウ材等の手段で接合されている。
そして、金属キャップ153内の密閉空間内に酸素が存在すると紫外光が酸素に吸収されてしまい、紫外光が紫外光検出器151に到達しなくなるので、金属キャップ153内に窒素等の不活性ガスを封入するものである。
そして、窓材154を透過した紫外光が金属キャップ153内に照射され、紫外光検出器151に到達して紫外光が検出されるものである。
【0008】
図4に示すように、このような光センサ15は、金属ブロック13の貫通孔よりエキシマランプから放射された紫外光が光センサ15の前方の窓材154に到達する構造になっており、窓材154と金属ブロック13の貫通孔の間は本体ケース12内部と連通した空間になっており、紫外光が吸収されない不活性ガス雰囲気となっている。そして、紫外光が窓材154を透過し紫外光検出器151で検出され、エキシマランプの点灯状態を測定できるものである。
【0009】
【特許文献1】特開2004−221490号公報
【特許文献2】特開2004−037174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図5で示す光センサ15では、密閉された金属キャップ153内に不活性ガスが封入された構造であり、通常、このような光センサ15の製造は、紫外光検出器151が配置された金属基板152と、窓材154が接着された金属キャップ153を、不活性ガス雰囲気中の組み立て空間に配置し、この状態で金属キャップ153の金属基板152と接触している部分を加熱して溶融して密閉構造とするものである。
【0011】
しかしながら、このような製造方法によって組み立てられた光センサ15では、組み立て工程中に不活性ガス雰囲気中に微量の酸素が混入していた場合、その酸素が密閉された金属キャップ153に封入されることになる。
【0012】
この結果、密閉された金属キャップ153に酸素が存在することにより、窓材154を透過した紫外光の一部が酸素によって吸収され、紫外光検出器151に到達しなくなり、正確に紫外光を測定することができなくなるという問題があった。
さらには、紫外光の一部が酸素によって吸収され、金属キャップ153内でオゾンが発生し、このオゾンによって紫外光検出器23が劣化し、正確に紫外光を測定することができなくなるという問題があった。
【0013】
さらに、金属キャップ153は、紫外光が照射される方向に位置しており、紫外線照射装置内のエキシマランプの熱を受けやすくなっており、金属キャップ153が加熱され膨張し、ランプ消灯後は金属キャップ153の温度が下がり収縮し、膨張・収縮を繰り返すことにより、金属キャップ153と金属基板152の接合箇所が破壊され、金属キャップ153内の不活性ガスが流出し、大気が流入することがあった。
この結果、金属キャップ153に酸素が流入し、窓材154を透過した紫外光の一部が酸素によって吸収され、紫外光検出器151に到達しなくなったり、或いは、金属キャップ153内でオゾンが発生し、このオゾンによって紫外光検出器23が劣化し、正確に紫外光を測定することができなくなるという問題があった。
【0014】
さらに、図4に示すように、光センサ15は、被処理物が処理される本体ケース12の内部空間と金属ブロック13の貫通孔を介して繋がっており、被処理物を処理する際に発生する汚染物質が飛散して、光センサ15の窓材154が汚染されることがある。
窓材154が汚染されても、窓材154は金属キャップ153に接着されたものであり、窓材154だけを取り替えることができず、汚染された窓材154を使用することにより紫外光の透過率が減少し、正確に紫外光を測定することができなくなるという問題があった。
【0015】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、紫外光検出器が配置されているケーシング内の酸素を確実に取り除き、オゾンの発生を防止すると共に、紫外光検出器によって紫外光を正確に測定でき、エキシマランプ等の紫外線光源の点灯状態を正確に測定できる光センサを提供することにある。
さらには、紫外光を透過する窓材が汚染された場合に、簡単に窓材のみを交換でき、常に、紫外光を正確に測定できる光センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載の光センサは、ケーシング内に配置された紫外光検出器によって紫外光を検出する光センサにおいて、前記ケーシングは、内部に紫外光を検出する紫外光検出器が配置され紫外光が通過する貫通孔を有する第1のケーシングと、紫外光が通過する貫通孔を有する第2のケーシングからなり、前記第1のケーシングと第2のケーシングは、それぞれのケーシングの貫通孔が重なるように位置しており、前記第1のケーシングと第2のケーシングの間であって、それぞれのケーシングの貫通孔に対向する位置に紫外光を透過する窓材が配置され、前記窓材と前記第1のケーシングの間には、シール部材が配置されており、前記第1のケーシング内には、酸素除去剤が配置されていることを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の光センサは、請求項1に記載の光センサであって、特に、前記窓材と前記第2のケーシングの間には、シール部材が配置されていることを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の光センサは、請求項1または請求項2に記載の光センサであって、特に、前記第1のケーシング内には、水分吸着剤が配置されていることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の光センサは、ケーシング内に配置された紫外光検出器によって紫外光を検出する光センサにおいて、前記ケーシングは、内部に紫外光を検出する紫外光検出器が配置され紫外光が通過する貫通孔を有する第1のケーシングと、紫外光が通過する貫通孔を有する第2のケーシングからなり、前記第1のケーシングと第2のケーシングは、それぞれのケーシングの貫通孔が重なるように位置しており、前記第1のケーシングと第2のケーシングの間であって、それぞれのケーシングの貫通孔に対向する位置に紫外光を透過する窓材が配置され、前記第1のケーシングと前記第2のケーシングの間には、シール部材が配置されており、前記窓材と前記第2のケーシングの間には、シール部材が配置されており、前記第1のケーシング内には、酸素除去剤が配置されていることを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の光センサは、請求項4に記載の光センサであって、特に、前記第1のケーシングには、前記窓材の方向に開口を有する第1の流通孔と第2の流通孔を有し、前記第1の流通孔と第2の流通孔は前記第1のケーシング内の連通孔につながっており、前記連通孔内に前記酸素除去剤が配置され、前記第1の流通孔と第2の流通孔の開口径が異なっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の光センサは、内部に紫外光を検出する紫外光検出器が配置され紫外光が通過する貫通孔を有する第1のケーシングと、紫外光が通過する貫通孔を有する第2のケーシングからなり、第1のケーシングと第2のケーシングは、それぞれのケーシングの貫通孔が重なるように位置しており、第1のケーシングと第2のケーシングの間であって、それぞれのケーシングの貫通孔に対向する位置に紫外光を透過する窓材が配置され、窓材と第1のケーシングの間にはシール部材が配置されており、第1のケーシング内には酸素除去剤が配置されているので、紫外光検出器が配置されている密閉空間内には酸素が存在せず、窓材を透過した紫外光が酸素に吸収されず、減衰されない状態で紫外光検出器に到達し、正確に紫外光を測定することができる。さらには、紫外光検出器が配置されている密閉空間内でオンゾが発生せず、紫外光検出器の劣化も防止することができる。
【0022】
本発明の光センサは、内部に紫外光を検出する紫外光検出器が配置され紫外光が通過する貫通孔を有する第1のケーシングと、紫外光が通過する貫通孔を有する第2のケーシングからなり、第1のケーシングと第2のケーシングは、それぞれのケーシングの貫通孔が重なるように位置しており、第1のケーシングと第2のケーシングの間であって、それぞれのケーシングの貫通孔に対向する位置に紫外光を透過する窓材が配置され、第1のケーシングと第2のケーシングの間にはシール部材が配置されており、窓材と第2のケーシングの間にはシール部材が配置されており、第1のケーシング内には酸素除去剤が配置されているので、紫外光検出器が配置されている密閉空間内には酸素が存在せず、窓材を透過した紫外光が酸素に吸収されず、減衰されない状態で紫外光検出器に到達し、正確に紫外光を測定することができる。さらには、紫外光検出器が配置されている密閉空間内でオンゾが発生せず、紫外光検出器の劣化も防止することができる。
【0023】
本発明の光センサは、窓材と第1のケーシングの間にシール部材が配置されており、さらに、窓材と第2のケーシングの間にも別のシール部材が配置されているので、第2のケーシングが膨張・収縮を繰り返しても、この膨張・収縮の応力は、窓材と第2のケーシングの間に配置されたシール部材と窓材と第1のケーシングの間に配置されたシール部材の双方で吸収されることになり、第1のケーシングと窓材によって区画された第1のケーシング内の密閉空間は常に密閉された状態を保つことができ、外気が密閉空間内に進入することがなく、常に、正確に、紫外光検出器によって紫外光を検出することができる。
【0024】
第1のケーシングには、窓材の方向に開口を有する第1の流通孔と第2の流通孔を有し、第1の流通孔と第2の流通孔は前記第1のケーシング内の連通孔につながっており、連通孔内に前記酸素除去剤が配置され、記第1の流通孔と第2の流通孔の開口径が異なっているので、窓材が加熱されて、第1の流通孔と第2の流通孔と連通孔を通る対流を発生させることができ、この対流は酸素除去剤を通るものであり、確実に、酸素を除去することできるものである。
【0025】
さらに、第1のケーシング内に水分吸着剤が配置されているので、光センサの組み立て工程において、密閉空間内に水分が入っても、確実にその水分を水分吸着剤で吸着することができ、紫外光検出器の水分による劣化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本願発明の光センサを説明する。
図1は、本願発明の光センサの断面図である。
光センサAは、紫外光によって劣化しない金属製の第1のケーシング21と第2のケーシング22を有している。
第1のケーシング21は、大径円盤状の基板部211と、この基板部211から立設して内部に空間を有する基板部211より小径の筒部212からなり、筒部212の反基板部側は基板部211の中心方向に伸びる前方縁部213が形成されており、この前方縁部213より基板211の中心方向には、紫外光が通過する貫通孔214が形成されており、筒部212の内部の底部には、紫外光を検出する半導体センサーからなる紫外光検出器23が配置されている。
第2のケーシング22は、内部に空間を有する円筒状の基体部221と、この基体部221には底部222が形成され、底部222には中心に紫外光が通過する貫通孔223が形成されている。
【0027】
第1のケーシング21の立設した筒部212は、第2のケーシング22の基体部221の内部に挿入されており、第1のケーシング21の貫通孔214と、第2のケーシング22の貫通孔223が重なるように配置されている。
第1のケーシング21と第2のケーシング22の間であって、それぞれのケーシング21,22の貫通孔214,223に対向する位置に紫外光を透過する窓材3が配置されている。
この窓材3は石英ガラス製のものである。
【0028】
窓材3と第1のケーシング21の前方縁部213の間には、シール部材である弾性変形するOリング41が配置されており、このOリング41によって、窓材3と第1のケーシング21がシールされ、第1のケーシング21と窓材3によって第1のケーシング21内が密閉空間となっており、この密閉空間に酸素除去剤5が配置されている。
酸素除去剤5は、第1のケーシング21の前方縁部213の内部空間側の壁面には設けられている。
この酸素除去剤5としては、金属の酸化作用により酸素を吸収する不可逆反応的構造のものとして、チタン、鉄、マンガンなどであり、微細気泡に酸素分子が入り込み吸着する可逆反応的構造のものとして、シリカ、活性炭などである。
【0029】
窓材3と第2のケーシング22の底部222の間には、シール部材である弾性変形するOリング42が配置されており、このOリング42によって、窓材3と第2のケーシング22がシールされている。
なお、図示はしていないが、適宜の手段で、第1のケーシング21と第2のケーシング22を押圧して、それぞれのケーシング21,22と窓材3との間に配置されたOリング41,42を変形させて、密着させるものである。
【0030】
この光センサAは、組み立て工程中に、第1のケーシング21と窓材3によって区画された第1のケーシング21内に酸素が存在する状態になっても、この酸素は酸素除去剤5によって速やかに除去され、完成した光センサAでは、この密閉空間には酸素が存在しなくなるものである。
【0031】
このような光センサAによれば、エキシマランプから紫外光が放射されると第2のケーシング22の貫通孔223を紫外光が通過し、その紫外光が窓材3を透過し、さらに、その紫外光は第1のケーシング21の貫通孔214を通過して、第1のケーシング21と窓材3によって区画された第1のケーシング21内の密閉空間に照射され、紫外光検出器23に到達し、紫外光が検出される。
【0032】
この時、第1のケーシング21と窓材3によって区画された第1のケーシング21内の密閉空間には、酸素除去剤5によって、確実に酸素が除去された構造になっているので、窓材3を透過してきた紫外光が酸素によって吸収されず、減衰されない状態で紫外光検出器23に到達し、正確に紫外光を測定することができる。さらには、密閉空間内でオンゾが発生せず、紫外光検出器23の劣化も防止することができ、正確に紫外光を測定することができる。
【0033】
さらに、第2のケーシング22は、紫外光が照射される方向に位置しており、紫外線照射装置内のエキシマランプの熱を受けやすくなっており、第2のケーシング22が加熱され膨張し、ランプ消灯後は第2のケーシング22の温度が下がり収縮し、膨張・収縮を繰り返すことになるが、この膨張・収縮の応力は窓材3との間に配置されたOリング42で吸収されることになり、さらに、窓材3と第1のケーシング21との間にはOリング41が配置されているので、第2のケーシング22の膨張・収縮応力がOリング42を介して窓材3に伝達されても、その伝達された応力はOリング41で吸収されるのであり、第1のケーシング21と窓材3によって区画された第1のケーシング21内の密閉空間は常に密閉された状態を保つことができ、外気が密閉空間内に進入することがなく、常に、正確に、紫外光検出器23によって紫外光を検出することができる。
【0034】
さらに、窓材3は、Oリング41,42によって、第1のケーシング21と第2のケーシング22の間に挟持された構造であり、窓材3が被処理物を処理する際に発生する汚染物質で汚染されても、簡単に窓材3のみを交換することができ、常に、正確に紫外光を測定することができる。
【0035】
図1では、窓材3と第2のケーシング22との間にはOリング42が配置されているが、このOリング42を取り除いて、第2のケーシング22の底部222で、直接、窓材3を第1のケーシング21の筒部212の方向に押える構造であってもよい。
この構造であっても、第1のケーシング21と窓材3によって区画された第1のケーシング21内を密閉空間とすることができ、密閉空間に配置された酸素除去剤5によって、確実に酸素が除去された構造になり、窓材3を透過してきた紫外光が酸素によって吸収されず、減衰されない状態で紫外光検出器23に到達し、正確に紫外光を測定することができる。さらには、密閉空間内でオンゾが発生せず、紫外光検出器23の劣化も防止することができ、正確に紫外光を測定することができる。
【0036】
また、第1のケーシング21と窓材3によって第1のケーシング21内が密閉空間となっており、この密閉空間に水分吸着剤6を配置してもよい。
水分吸着剤6は、第1のケーシング21の前方縁部213の内部空間側の壁面には設けられている。
この水分吸着剤6は、塩化カルシウム、生石灰、天然ゼオライト、シリカゲルA型、シリカゲルB型、シリカゲル青である。
このように、密閉空間に水分吸着剤6を配置することにより、光センサの組み立て工程において、密閉空間内に水分が入っても、確実にその水分を水分吸着剤6で吸着することができるので、紫外光検出器23の水分による劣化を防止することができる。
【0037】
図2は光センサの他の実施例であり、光センサBでは、窓材3と第2のケーシング22底部222の間には、シール部材であるメタルパッキン45が配置されており、このメタルパッキン45によって、窓材3と第2のケーシング22がシールされている。
第1のケーシング21の前方縁部213には凹部が形成されており、この凹部にOリング41が配置されており、Oリング41によって、窓材3と第1のケーシング21がシールされている。
第1のケーシング21の基板部211には凹部が形成されており、この凹部にOリング43が配置されており、Oリング43によって、第1のケーシング21と第2のケーシング22がシールされている。
そして、第1のケーシング21の筒部212と第2のケーシング22の基体部221の間に十分な空間を作ることにより、第2のケーシング22が加熱されて高温になっても、その熱が第1のケーシング21に伝わり難くすることができ、第1のケーシング21に設けられた紫外光検出器23の温度上昇を抑制でき、紫外光検出器23が熱で劣化することを防止できる。
【0038】
紫外光検出器23の熱劣化を確実に防止する手段として、第1のケーシング21の基板部211の上方に冷却手段を設けてもよい。
具体的には、空冷のための基板部211に冷却フィンをつける、或いは、内部に冷却水が循環する冷却ブロックを基板部211に接触させる、或いは、ペルーチェ素子を基板部211に取り付ける構造がある。
【0039】
なお、図2においても、窓材3と第2のケーシング22との間のシール部材であるメタルパッキン45を取り除いて、第2のケーシング22の底部222で、直接、窓材3を第1のケーシング21の筒部212の方向に押える構造であってもよい。
この構造であっても、第1のケーシング21と窓材3によって区画された第1のケーシング21内を密閉空間とすることができ、密閉空間に配置された酸素除去剤5によって、確実に酸素が除去された構造になり、窓材3を透過してきた紫外光が酸素によって吸収されず、減衰されない状態で紫外光検出器23に到達し、正確に紫外光を測定することができる。さらには、密閉空間内でオンゾが発生せず、紫外光検出器23の劣化も防止することができ、正確に紫外光を測定することができる。
【0040】
図3は、光センサの他の実施例であり、光センサCは、第2のケーシング22の基体部221の前方側には段部224が形成されており、この段部224と第1のケーシング21の筒部212の前面との間に、シール部材であるリング状のメタルパッキン44が配置されており、さらに、窓材3と第2のケーシング22の底部222の間にも、シール部材であるリング状のメタルパッキン45が配置されている。
そして、第1のケーシング21の筒部212の上部外周にはネジ山が切られており、第2のケーシング22の基体部221の上部内周にはネジ溝が切られており、筒部212が基体部221の内部に回転して挿入されことにより、筒部212と基体部221が螺合して、筒部212が基体部221の前方に進むことにより、それぞれのケーシング21,22と窓材3との間に配置されたメタルパッキン44,45が変形し、それぞれの部材が密着するものである。
【0041】
また、窓材3と第1のケーシング21の筒部212の内部空間との間にできる空間にバネ部材7が配置されており、バネ部材7の一端側が窓材3に当接し、他端側に紫外光検出器23が取り付けられている。
【0042】
さらに、第1のケーシング21には、窓材3の方向に開口を有する第1の流通孔215と第2の流通孔216を有し、第1の流通孔215と第2の流通孔216は第1のケーシング21内の連通孔217につながっており、この連通孔217内に酸素除去剤5が配置されている。
そして、第1の流通孔215と第2の流通孔216の開口径が異なっており、第1の流通孔215の開口径は5mm、第2の流通孔216の開口径は3mmとなっている。
【0043】
この光センサCにおいては、窓材3は紫外光が照射されるので加熱されて高温状態になっているので、第1のケーシング21内であって窓材3近傍の空間の温度が高くなっている。
そして、この空間に連通するように、第1の流通孔215と第2の流通孔216が繋がっているので、この空間で対流が発生する。そして、第1の流通孔215の開口径が第2の流通孔216の開口径より大きくなっているので、第1の流通孔215内に対流が流れ込み、その対流が連通孔217を通り、第2の流通孔216から排出される構造になる。
【0044】
さらに、対流が流れる連通孔217には、酸素除去剤5が配置されているので、確実に、酸素を除去することできる。
この結果、紫外光検出器23が配置されている密閉空間内には酸素が存在せず、窓材を透過した紫外光が酸素に吸収されず、減衰されない状態で紫外光検出器に到達し、正確に紫外光を測定することができる。さらには、紫外光検出器が配置されている密閉空間内でオンゾが発生せず、紫外光検出器の劣化も防止することができる。
【0045】
なお、酸素除去剤5で酸素が完全に取り除くことができない場合、極微量のオゾンが発生することがあるが、第1の流通孔215と連通孔217と第2の流通孔216で構成される流通路内であって、酸素除去剤5に対して対流が流れ込む上流側に、活性炭などのオゾン分解触媒を配置すれば、オゾンを確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本願発明の光センサの説明図である。
【図2】本願発明の他の実施例の光センサの説明図である。
【図3】本願発明の他の実施例の光センサの説明図である。
【図4】紫外線照射装置の説明図である。
【図5】従来の光センサの説明図である。
【符号の説明】
【0047】
A 光センサ
21 第1のケーシング
22 第2のケーシング
3 窓材
41 Oリング
42 Oリング
5 酸素除去剤
6 水分吸着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング内に配置された紫外光検出器によって紫外光を検出する光センサにおいて、
前記ケーシングは、内部に紫外光を検出する紫外光検出器が配置され紫外光が通過する貫通孔を有する第1のケーシングと、紫外光が通過する貫通孔を有する第2のケーシングからなり、
前記第1のケーシングと第2のケーシングは、それぞれのケーシングの貫通孔が重なるように位置しており、
前記第1のケーシングと第2のケーシングの間であって、それぞれのケーシングの貫通孔に対向する位置に紫外光を透過する窓材が配置され、
前記窓材と前記第1のケーシングの間には、シール部材が配置されており、
前記第1のケーシング内には、酸素除去剤が配置されていることを特徴とする光センサ。
【請求項2】
前記窓材と前記第2のケーシングの間には、シール部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
【請求項3】
前記第1のケーシング内には、水分吸着剤が配置されていることを特徴とする請求項1または請求2に記載の光センサ。
【請求項4】
ケーシング内に配置された紫外光検出器によって紫外光を検出する光センサにおいて、
前記ケーシングは、内部に紫外光を検出する紫外光検出器が配置され紫外光が通過する貫通孔を有する第1のケーシングと、紫外光が通過する貫通孔を有する第2のケーシングからなり、
前記第1のケーシングと第2のケーシングは、それぞれのケーシングの貫通孔が重なるように位置しており、
前記第1のケーシングと第2のケーシングの間であって、それぞれのケーシングの貫通孔に対向する位置に紫外光を透過する窓材が配置され、
前記第1のケーシングと前記第2のケーシングの間には、シール部材が配置されており、
前記窓材と前記第2のケーシングの間には、シール部材が配置されており、
前記第1のケーシング内には、酸素除去剤が配置されていることを特徴とする光センサ。
【請求項5】
前記第1のケーシングには、前記窓材の方向に開口を有する第1の流通孔と第2の流通孔を有し、
前記第1の流通孔と第2の流通孔は前記第1のケーシング内の連通孔につながっており、
前記連通孔内に前記酸素除去剤が配置され、
前記第1の流通孔と第2の流通孔の開口径が異なっていることを特徴とする請求項4に記載の光センサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate