説明

光ディスクの不正使用防止

【課題】光ディスクの不正使用を防止する。
【解決手段】光ディスクライタが付帯データを光ディスクに書き込む。付帯データは(i)ディスクの従来の可読範囲の外側に配置された埋込みマーク及び/又は(ii)ディスクの表面に配置された表面マーク等、オルタナティブマークとして書込み可能である。ディスク読込み用サブシステム及び読込みコントローラを有する光ディスクプレーヤでは、ディスク読込み用サブシステムが付帯データを読み込み、コントローラに伝え、コントローラはその付帯データに基づいてプレーヤの動作を制御する。ライタはソフトウェアインストールディスクの表面に付帯データを印刷する。ディスクがプレーヤに挿入され、インストールが開始される。コントローラはディスク読込み用サブシステムに付帯情報の読込みを指示する。コントローラが付帯データの読込みが成功したと判定した場合にインストールは続行し、そうでなければインストールは中止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスクへの情報の書込み、及び光ディスクからの情報の読込みに関する。
【背景技術】
【0002】
コンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)など、光ディスクはデジタル情報を記憶し、流通させる為の低価格な、且つ普及している媒体である。多くのデジタル記憶/流通媒体のように、光ディスクは不正使用され易い。例えば、第1の人がコンピュータプログラムの入っているCDを購入し、そのプログラムをコンピュータにインストールする、これは一般に、許可されている使用である。しかし、第1の人が次いでそのディスクを第2の人に譲渡し、その人がそのプログラムを第2のコンピュータにインストールすることを行う、これは一般に、許可されていない使用である。著者/著作権所有者は、その人の著作権で保護されたマテリアルの不正使用に対する賠償を受け取ることができなくなる。従って、光ディスクの不正使用を防止する機構が継続的に求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態においては、本発明は光ディスクプレーヤを有する装置であり、光ディスクプレーヤはディスク読込み用サブシステム及び読込みコントローラを備える。ディスク読込み用サブシステムは固有データ及び付帯データを光ディスクから読み込むようになされており、固有データは光ディスク上の従来の埋込みマークに対応し、付帯データは(i)光ディスク上の従来にない埋込みマーク、及び(ii)光ディスク上のオルタナティブマークのうちの少なくとも一方に対応する。読込みコントローラは付帯データに基づいてディスク読込み用サブシステムの動作を制御するようになされている。
【0004】
別の実施形態においては、本発明は光ディスクライタを有する装置であり、ライタはディスク書込み用サブシステム及び書込みコントローラを備える。ディスク書込み用サブシステムは付帯データを光ディスクに書き込むようになされており、付帯データは(i)光ディスク上の従来にない埋込みマーク、及び(ii)光ディスク上のオルタナティブマークのうちの少なくとも一方に対応する。書込みコントローラはディスク書込み用サブシステムの動作を制御するようになされている。
【0005】
さらなる別の実施形態においては、本発明は(a)固有データに対応する従来の埋込みマーク、並びに(b)(i)付帯データに対応する従来にない埋込みマーク、及び(ii)付帯データに対応するオルタナティブマークのうちの少なくとも一方を備える光ディスクであり、付帯データは光ディスクを読み込む光ディスクプレーヤの動作を制御する為に使用される。
【0006】
さらなる別の実施形態においては、本発明は、固有データ及び付帯データの両方を有する光ディスクを作製する為の光ディスクライタ実装方法である。方法は(a)光ディスクライタが付帯データを受け取るステップ、並びに(b)光ディスクライタが光ディスク上で、(i)付帯データに対応する従来にない埋込みマーク、及び(ii)付帯データに対応するオルタナティブマークのうちの少なくとも一方を作成するステップを含む。
【0007】
さらなる別の実施形態においては、本発明は、光ディスクプレーヤが付帯データを光ディスクから読み込む光ディスクプレーヤ実装方法であり、付帯データは(i)光ディスク上の従来にない埋込みマーク、及び(ii)光ディスク上のオルタナティブマークのうちの少なくとも一方に対応する。光ディスクプレーヤは、付帯データに基づいて光ディスクの後続の使用を制御する。
【0008】
本発明の他の態様、機能、及び利点は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面から、より完全に明らかになり、それらの図面における同様の参照数字は同様の要素、又は同一の要素を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】典型的な光ディスク100の図である。
【図2】典型的な光ディスク100の一部分の断面図である。
【図3】本発明の特定の実施形態による光ディスクライタ300のブロック図である。
【図4】本発明の特定の実施形態による光ディスクプレーヤ400のブロック図である。
【図5】本発明のいくつかの実施形態による図1のディスク100からの(例示的な埋込みマーク206及び208に対応する)埋込みデータの読込み、並びに(例示的なオルタナティブマーク501に対応する)オルタナティブデータの読込みの図である。
【図6】本発明の様々な実施形態による図4のプレーヤ400の読込み工程の機能的流れ図である。
【図7】本発明の一実施形態による図4のプレーヤ400の1つの可能な使用法を説明する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は典型的な光ディスク100の図である。典型的な光ディスク100は、中心スピンドル穴102、並びに4つの表面、即ち上面104、底面106、内側縁部108、及び外側縁部110を含む平坦な円形ディスクである。4つの表面は、本明細書においては、まとめて光ディスク100の表面と呼ぶ。種々のタイプの光ディスク、例えばCD、DVD、ブルーレイがあり、そのそれぞれは仕様書によって規定された異なる物理的な特徴を有する。例えば、普及しているコンパクトディスク読込み専用フォーマット(CD−ROM)は、ECMA標準130「読込み専用120mm光データディスク(CD−ROM)上のデータ交換」、即ちECMA−130によって規定されている。ECMA−130は、厚さが1.2ミリメートル、半径が60ミリメートルであり、直径15ミリメートルのスピンドル穴を有する光ディスクとしてCD−ROMを規定する。
【0011】
図2は典型的な光ディスク100の一部分の断面図である。光ディスク100は複数の層を有する。最下層202は透明なポリカーボネートプラスチックである。層202の底面(即ちディスク100の底面106)は平滑である。層210は反射性材料、一般にはアルミニウムである。層212は反射層210を保護するアクリル層である。層212の上面(即ち、ディスク100の上面104)は平滑である。
【0012】
本発明の特定の実施形態によれば、データは、埋込みマーク及びオルタナティブマークとして光ディスクに書き込まれる。図2に示すように、埋込みマークは、例えば、層202の上面上にエッチングされた、又は上面内に押圧されたピット208及びランド206を示す。ピット及びランドの寸法は具体的な光ディスクフォーマットによって決まる。CDに関しては、ピットは、深さが100ナノメートル、幅が500ナノメートル、及び長さが最小850ナノメートルである。DVDに関しては、ピットは、深さが120ナノメートル、幅が320ナノメートル、及び長さが最小400ナノメートルである。埋込みマークは、本明細書においては情報範囲と呼ぶディスクの範囲に書き込まれる。情報範囲の寸法もまた、フォーマット毎に異なる。ECMA−130は、内側半径が22ミリメートル、及び外側半径が59ミリメートルであるその範囲として、CD−ROMの情報範囲を規定する。埋込みマークは、典型的には、単一の、連続的な、螺旋状のトラックとして情報範囲に書き込まれる。埋込みマークとしてディスクに書き込まれるデータは本明細書においては埋込みデータと呼ぶ。
【0013】
オルタナティブマークは、光ディスク上(例えば、光ディスクの内面上及び/又は外面上)の至る場所に形成される埋込みマーク以外の検出可能なマークを示す。オルタナティブマークは、レーザによってエッチング可能、手によって書込み可能、印刷機によって印刷可能、ステッカーなどの形態で貼付可能になる。オルタナティブマークは、光ディスクの外面、即ち上面104、底面106、内側縁部108、及び/又は外側縁部110に貼付可能になり、或いはオルタナティブマークは、光ディスク内に配置可能、例えば、ポリカーボネート層202の上面に、又は反射層210の底面に印刷可能になる。オルタナティブマークとしてディスクに書き込まれるデータはオルタナティブデータと呼ぶ。
【0014】
光ディスクライタはデータを光ディスクに書き込む為のシステムである。ライタは、内蔵型デバイスの一部、例えばスタンドアロンCDバーナであっても、又は大型システムのサブシステム、例えばパーソナルコンピュータ若しくはラップトップコンピュータにおけるCDバーナであってもよい。
【0015】
光ディスクプレーヤは、光ディスク上に記憶されたデータを読込み、出力する為のシステムである。プレーヤは、内蔵型デバイスの一部、例えばスタンドアロンDVDプレーヤであっても、又は大型システムのサブシステム、例えばパーソナルコンピュータ若しくはラップトップコンピュータにおけるDVDプレーヤであってもよい。典型的には、スタンドアロンであろうと、コンピュータであろうと、ライタを有するデバイス/システムはプレーヤも有することになるが、プレーヤを有するデバイス/システムはライタを備えていなくてもよいことになる。
【0016】
光ディスク上のデータは固有又は付帯のいずれかである。固有データは光ディスクの情報範囲内に配置された埋込みデータ(本明細書においては、従来の埋込みデータと呼ぶ)を含む。付帯データは(i)情報範囲の外側に配置された埋込みデータ(本明細書においては、従来にない埋込みデータと呼ぶ)、及び(ii)オルタナティブデータを含む。
【0017】
光ディスクの使用は、具体的な目的で、光ディスク上のデータにアクセスすることを示す。例えば、ソフトウェアをインストールする光ディスクの典型的な使用は、動作するソフトウェアプログラムをコンピュータにインストールすることである。
【0018】
本発明の特定の実施形態は、光ディスクの不正使用を防止する為に、付帯データを光ディスクに書込み、付帯データを光ディスクから読み込む為の方法及び装置(例えば、ライタ、及びプレーヤ)であり、付帯データは光ディスクを使用するのに必要である。
【0019】
図3は本発明の特定の実施形態による光ディスクライタ300のブロック図である。ライタ300は書込みコントローラ302及びディスク書込み用サブシステム308を備える。書込みコントローラ302は信号304を介してディスク書込み用サブシステム308の動作を制御する。ディスク書込み用サブシステムは、ソース(図示せず)からデータ310を受け取り、データ310を図1及び図2の光ディスク100など、光ディスク(図3に図示せず)に書き込む。ディスク書込み用サブシステムはまた、信号306を書込みコントローラに送信する。
【0020】
ディスク書込み用サブシステムは固有データ及び付帯データの両方を光ディスクに書き込むようになされている。ディスク書込み用サブシステムは、例えば、従来にない埋込みマークをレーザで焼く、又はオルタナティブマークを作成するなどの1つ以上の異なるやり方で、付帯データを光ディスクに書き込むことが可能になる。一実施形態においては、ディスク書込み用サブシステムは、従来にない埋込みマークを有するマスタディスクの複製をする為の射出成形機である。
【0021】
図4は本発明の特定の実施形態による光ディスクプレーヤ400のブロック図である。プレーヤは光ディスクの固有データ及び付帯データを読み込むようになされている。プレーヤは読込みコントローラ402及びディスク読込み用サブシステム408を備える。
【0022】
ディスク読込み用サブシステム408は、光ディスク(図4に図示せず)を読み込み、(i)信号406を読込みコントローラ402に、及び(ii)信号410を下流の移動先(図示せず)に出力する。信号410の例は、パーソナルコンピュータにおけるDVDプレーヤによって出力されるビデオ信号、又はCDプレーヤによって出力されるデータファイルになる。
【0023】
読込みコントローラ402は信号404を介してディスク読込み用サブシステム408の動作を制御する。読込みコントローラ402の例は、スタンドアロンDVDプレーヤにおける専用制御回路、又はパーソナルコンピュータの汎用プロセッサになり、そのプロセッサは音楽再生プログラムを実行する。読込みコントローラはディスク読込み用サブシステム408からの信号406を評価して、光ディスクのこれ以上の使用が可能であるかを決定することができる。読込みコントローラは、その決定を信号404を介してディスク読込み用サブシステムに伝達する。
【0024】
ディスク読込み用サブシステム408は固有データ及び付帯データの両方を読み込むようになされている。ディスク読込み用サブシステムは、複数の主な構成要素(図4に図示せず)即ち、駆動モータ及び1つ以上のレンズ組立体を備える。駆動モータは光ディスクを回転させる。
【0025】
概して、レンズ組立体が、光ディスク上の、又は光ディスク内の埋込みマーク及び/又はオルタナティブマークを検出する。典型的なレンズ組立体は(i)1つ以上の光源(例えばレーザ)、(ii)1つ以上のレンズ、及び(iii)1つ以上の光学センサ(例えばフォトダイオード)を備える。レンズ組立体は固定であっても、又は可動であってもよい。可動レンズ組立体はさらに、(例えば、回転ディスク上の埋込みデータの螺旋状のトラックを辿る為に)径方向に、及び(例えば、レンズ組立体の焦点を合わせる為に)垂直に、レンズ組立体を移動させるトラッキング機構を備える。従来のレンズ組立体は可動である。本発明の特定の実施形態においては、トラッキング機構は(例えば、従来にない埋込みマークを読み込む為に)情報範囲の外側の範囲に、その関連するレンズ組立体を移動させる。
【0026】
光ディスクを読み込む為に、ディスク読込み用サブシステム408の駆動モータは、光ディスクを回転させ、読込みの間、ディスクの回転を継続する。可動レンズ組立体は光ディスクに隣接した適切な場所に移動してデータを読み込む。
【0027】
本発明の特定の実施形態においては、ディスク読込み用サブシステム408は、埋込みマーク及びオルタナティブマークの両方を読み込むようになされているレンズ組立体を備える。埋込みマークを読み込む為に、レンズ組立体はディスク内に埋め込まれたピット及びランド上に焦点を当てる。レンズ組立体におけるレーザ(複数可)は透明なポリカーボネート202を通して図2の反射層210に光を放つ。反射層はその光をまたレンズ組立体に反射する。ピット208及びランド206は異なる態様で反射光を変える。レンズ組立体の中のフォトダイオードは反射光の変化を検出し、対応する電気信号を出力する。
【0028】
レンズ組立体は、類似の工程を使用してオルタナティブマークを読み込むことが可能である。具体的には、レンズ組立体におけるレーザ(複数可)はオルタナティブマークに光を放つ。オルタナティブマークは反射光を変える。レンズ組立体の中のフォトダイオードは反射光の変化を検出し、対応する電気信号を出力する。
【0029】
オルタナティブマークを読み込む場合、レンズ組立体は、埋込みマークを読み込む為に使用される焦点設定と同じ焦点設定を使用することが可能になる。本発明の他の実施形態においては、2つの焦点設定は異なる。具体的には、オルタナティブマークを読み込む場合、レンズ組立体は、焦点が合わず、レンズ組立体の解像度を下げるが、またディスク全体を走査するのに必要な時間も短縮する。オルタナティブマークは、ナノメートルスケールの埋込みマークより大幅に大きいことが可能であるので、解像度の損失はオルタナティブマークの走査の精度に影響を及ぼさない。
【0030】
本発明の他の実施形態においては、オルタナティブマークを検出する為の専用機構(即ち、オルタナティブマーク検出器)が、埋込みマークを読み込むようになされているレンズ組立体とは別のプレーヤに追加される。
【0031】
図5は、本発明のいくつかの実施形態による図1のディスク100からの(例示的な埋込みマーク206及び208に対応する)埋込みデータの読込み、並びに(例示的なオルタナティブマーク501に対応する)オルタナティブマークの読込みの図である。一実施形態においては、埋込みデータ及びオルタナティブデータの両方の読込みは単一のレンズ組立体500によって実行可能である。光ディスクの埋込みマークを検出した場合、レンズ組立体は合焦点光506を埋込みマーク206及び208に放出する。オルタナティブマークを検出した場合、レンズ組立体は非焦点光502をディスク100の底面106に放出し、この底面はオルタナティブマーク501を含む。
【0032】
別の実施形態においては、ディスク読込み用サブシステムは、オルタナティブデータのみを読み込むようになされている個別のオルタナティブマーク検出器508を含むことが可能になる。オルタナティブマーク検出器も非焦点光502をディスク100の底面106に放出し、この底面はオルタナティブマーク501を含む。
【0033】
実施形態によっては、レンズ組立体500又はオルタナティブマーク検出器508は反射光504の変化を検出し、それらの変化から得られる情報を図4の信号406及び/又は410を介して送信する。
【0034】
図5に示すように、オルタナティブマーク501は、埋込みマーク206及び208に対応する(例えば、図5では、それらのマークの直下である)場所に、例えば表面106上に配置可能である。それらのオルタナティブマークが埋込みマークの読込みを妨げないようにする為には、オルタナティブマークは、合焦点光506に非常に透明であり、さらには非焦点光502に非常に反射性である色を使用して作成可能である。
【0035】
図6は、本発明の様々な実施形態による図4のプレーヤ400の読込み工程の機能的流れ図である。処理はステップ602で開始し、ステップ604に進み、ここで、プレーヤは付帯データを光ディスクから読み込む。次に、ステップ606で、付帯データを使用してプレーヤの動作を制御する。次いで、処理はステップ608で終了する。
【0036】
図7は、本発明の一実施形態による図4のプレーヤ400の1つの可能な使用法を説明する流れ図である。処理はステップ702で開始し、ステップ704に進み、ここで、光ディスクがプレーヤ400に挿入され、ディスクの使用が開始される。次に、ステップ706で読込みコントローラ402は、信号404を介してディスク読込み用サブシステム408に付帯データの読込みを指示する。次に、ステップ708で、ディスク読込み用サブシステムは付帯データを読み込み、読み込んだ付帯データを信号406として読込みコントローラに出力する。次に、ステップ710で、読込みコントローラは付帯データを評価し、その評価に基づいて信号404を介してディスク読込み用サブシステム408の動作を制御し、例えば、読込みコントローラは、ディスクのこれ以上の使用を中止させることが可能になる。処理は、次いで、ステップ712で終了する。
【0037】
例えば、光ディスクがソフトウェアプログラムの為のインストールディスクであると仮定しよう。インストールディスクの固有データは、1つ以上のソフトウェアプログラムファイル、及びそのソフトウェアプログラムファイルを移動先にインストールするインストールプログラムを含む。付帯データはインストールディスクの表面に印刷されたシリアル番号である。インストールディスクの使用は、ソフトウェアプログラムをある移動先に、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)のハードドライブにインストールすることを含む。この例では、ディスク読込み用サブシステム408はPCの一部であり、読込みコントローラ402はインストールプログラムを実行するPC内の汎用プロセッサである。
【0038】
読込みコントローラ402は、読込みコントローラがシリアル番号を有効にすることが可能でない限り、例えば、シリアル番号が有効なシリアル番号の所定の範囲内にあると判定することが可能でない限り、ソフトウェアプログラムファイルを移動先にインストールしないことになる。従って、読込みコントローラは、信号404を介してディスク読込み用サブシステム408にシリアル番号をディスクから読み込むように指示する。ディスク読込み用サブシステム408がシリアル番号を読み込むことができない場合、例えば、ディスクドライブが付帯データを読み込むことができない従来技術のディスクドライブである場合、読込みコントローラはシリアル番号を受け取ることはなく、結果として、読込みコントローラはソフトウェアのこれ以上のインストールを中止させることになる。そうではなく、インストールディスクがプレーヤ、例えば、本発明の様々な実施形態による図4のプレーヤ400により読み込まれた場合、ディスク読込み用サブシステム408はシリアル番号を読み込むことが可能になり、そのシリアル番号を、信号406を介して読込みコントローラに直接伝えることになる。読込みコントローラは、次いで、そのシリアル番号を有効にし、ディスク読込み用サブシステム408に、信号404を介してソフトウェアプログラムのインストールを継続するように指示することになる。
【0039】
別の実施形態は、インストールプログラムがプレーヤ400内の読込み専用メモリ(ROM)内に記憶されることを除いて、上述の例に類似することになる。読込みコントローラ402は、インストールプログラムを光ディスクそれ自体からではなく、ROMからロードする。
【0040】
本発明のさらなる他の実施形態は、付帯データを光ディスクから読み込み、付帯データを光ディスクに書き込むことの両方が可能な装置、例えば、一体型プレーヤ/ライタである。さらなる他の実施形態は、付帯データを含むディスクの複写を作成するようになされている一体型プレーヤ/ライタ、即ちディスク複写機である。
【0041】
付帯データを読み込むようになされているプレーヤを持つことは、本発明の様々な実施形態により作成される光ディスクの使用が成功する為の前提条件である。本発明の様々な実施形態によるライタ及びプレーヤの製造、販売、使用は、慎重に制御されること、即ち、従来のディスクプレーヤ、ライタ、及び複写機により行われるようには、大量生産されることも、一般大衆に販売されることもなくなると期待される。
【0042】
付帯データを読み込むことができるプレーヤへのアクセスを制限することにより、ディスクの不正使用が防止される。付帯データを読み込むことが可能なプレーヤのみが、本発明の実施形態により作成されるディスクを使用することが可能である。
【0043】
本発明の実施形態は高価なソフトウェアを含む光ディスクに使用されることになると予想される。ソフトウェアの購入者は、ディスクの使用を制御する付帯データを含む光ディスク、及び付帯データを読み込むようになされているプレーヤの両方を受け取ることになる。インストールが完了すると、購入者はそのプレーヤをソフトウェア会社に返却する。
【0044】
本発明は、方法、及びそれらの方法を実行する為の装置の形態で実施可能である。本発明はまた、磁気記録媒体、光記録媒体、固体メモリ、フロッピディスク、CD−ROM、ハードドライブ、又は任意の他の機械可読記憶媒体など、有形媒体において実施されるプログラムコードの形態で実施可能であり、その場合、プログラムコードがコンピュータなど、機械内にロードされ、機械によって実行されると、その機械は、本発明を実行する為の装置になる。本発明はまた、例えば、記憶媒体内に記憶されようとも、或いは機械内にロード、及び/又は機械によって実行されようとも、プログラムコードの形態で実施可能であり、その場合、プログラムコードがコンピュータなど、機械内にロードされ、機械によって実行されると、その機械は、本発明を実行する為の装置になる。汎用プロセッサ上に実装された場合、プログラムコードのセグメントはプロセッサと組み合わさって、仕様論理回路に類似して動作する独自のデバイスを提供する。
【0045】
別段の明記がない限り、それぞれの数値的な値及び範囲は、単語「約」又は「およそ」が値又は範囲の値の前に置かれているかのように近似していると解釈すべきである。
【0046】
本発明の本質を説明する為に、記載及び図示されたパーツの詳細、材料、及び構成の様々な変更が、以下の特許請求の範囲において示されるように、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によってなされることが可能であることはさらに理解されよう。
【0047】
特許請求の範囲における図面番号及び/又は図面参照符号の使用は、特許請求の範囲を解釈し易くする為に、主張される要旨の1つ以上の可能な実施形態を特定することを意図している。このような使用は、それらの特許請求の範囲を、対応する図面に示す実施形態に必ず限定すると解釈すべきでない。
【0048】
本明細書に記載の例示的な方法のステップは、説明されている順番で実行すべき必要は必ずしもないことを理解すべきであり、このような方法のステップの順番は、単に例示に過ぎないと理解すべきである。同様に、追加のステップがこのような方法に含まれてよく、いくつかのステップが、本発明の様々な実施形態と一致する方法において、省略されても、又は組み合わせられてもよい。
【0049】
以下の方法の特許請求の範囲における要素は、もしあるとすれば、対応する符号付けによる特定の順序で列挙されるが、その特許請求の範囲の列挙が、別段、それらの要素の一部、又は全てを実装する為の特定の順序を意味しない限り、それらの要素は、その特定の順序で実装されることに限定すべきであることを必ずしも意図するものでない。
【0050】
本明細書における「一実施形態」又は「実施形態」を参照することは、その実施形態と関連して説明する特定の機能、構造、又は特徴が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味している。本明細書における様々な場所での語句「一実施形態において」の使用は、必ずしも同じ実施形態を全て示しているわけではなく、必ずしも他の実施形態を除いて相互に別の実施形態、又は代替の実施形態を示しているわけでもない。同様のことが用語「実装形態」に適用する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクプレーヤを有する装置であって、
(a)固定データ及び付帯データを光ディスクから読み込む為の手段であって、
前記固有データは、前記光ディスク上の従来の埋込みマークに対応し、
前記付帯データは、(i)前記光ディスク上の従来にない埋込みマーク、及び(ii)前記光ディスク上のオルタナティブマークのうちの少なくとも一方に対応する、手段、並びに
(b)前記付帯データに基づいて手段(a)の動作を制御する為の手段
を備えた装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発明であって、
手段(a)は、埋込みマークに対応するデータ、及び前記オルタナティブマークに対応するデータを読み込むようになされているレンズ組立体を備え、
前記レンズ組立体が、
(i)第1のレベルの光解像度において、前記埋込みマークに対応する第1の組のデータ、及び
(ii)前記第1のレベルとは異なる第2のレベルの光解像度において、前記オルタナティブマークに対応する第2の組のデータ
を作成するようにさらになされている、発明。
【請求項3】
請求項1に記載の発明であって、
手段(a)は、
(i)第1のレベルの光解像度において、埋込みマークに対応する第1の組のデータを作成するようになされているレンズ組立体、及び
(ii)前記第1のレベルとは異なる第2のレベルの光解像度において、前記オルタナティブマークに対応する第2の組のデータを作成するようになされている、前記レンズ組立体とは異なるオルタナティブマーク検出器
を備える、発明。
【請求項4】
請求項1に記載の発明であって、
手段(b)は、手段(a)が、前記付帯データが1つ以上の特定の条件を満たしていないと判定した場合、前記光ディスクのいかなるこれ以上の使用も中止させるようになされている、発明。
【請求項5】
請求項4に記載の発明であって、
前記光ディスクは、ソフトウェアプログラムに対応する従来の埋込みマークを備え、
手段(b)は、手段(b)が、前記付帯データが前記1つ以上の特定の条件を満たしていないと判定した場合、手段(a)が前記光ディスクから前記ソフトウェアプログラムを読み込むのを防止する、発明。
【請求項6】
請求項5に記載の発明であって、
前記光ディスクは、インストールプログラムに対応する従来の埋込みマークをさらに備え、
手段(b)は、
(1)手段(a)に、前記光ディスクからの前記インストールプログラムの読込みを指示するように、
(2)前記インストールプログラムを実行するように、
(3)手段(a)に、前記光ディスクからの前記付帯データの読込みを指示するように、
(4)前記付帯データが、前記インストールプログラムの実行の一部として、前記1つ以上の特定の条件を満たしているかを判定するように、
(5)手段(b)が、前記付帯データが前記1つ以上の特定の条件を満たしていないと判定した場合、手段(a)が前記光ディスクから前記ソフトウェアプログラムを読み込むのを防止するように、
なされている、発明。
【請求項7】
光ディスクライタを有する装置であって、
(a)付帯データを光ディスクに書き込む為の手段であって、前記付帯データは、(i)前記光ディスク上の従来にない埋込みマーク、及び(ii)前記光ディスク上のオルタナティブマークのうちの少なくとも一方に対応する、手段、並びに
(b)前記ディスク書込み用サブシステムの動作を制御する為の手段
を備えた装置。
【請求項8】
請求項7に記載の発明であって、
手段(a)は、固有データを前記光ディスクに書き込むようにさらになされており、前記固有データは、前記光ディスク上の従来の埋込みマークに対応する、発明。
【請求項9】
請求項7に記載の発明であって、
前記装置は、
固有データ及び前記付帯データを前記光ディスクから読み込む為の手段であって、前記固有データは、前記光ディスク上の従来の埋込みマークに対応する、手段、並びに
前記付帯データに基づいて前記ディスク読込み用サブシステムの動作を制御する為の手段
を備えた光ディスクプレーヤをさらに有する、発明。
【請求項10】
光ディスクであって、
固有データに対応する従来の埋込みマーク、並びに
(i)付帯データに対応する従来にない埋込みマーク、及び(ii)付帯データに対応するオルタナティブマークのうちの少なくとも一方
を備え、前記付帯データは、前記光ディスクを読み込む光ディスクプレーヤの動作を制御する為に使用される、光ディスク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−18434(P2011−18434A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156284(P2010−156284)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(508243639)エルエスアイ コーポレーション (124)
【Fターム(参考)】