説明

光ディスクドライブ装置、その制御方法および光ディスクドライブシステム

【課題】光ディスクに記録されたデータの読み出しにおいて、複数の光学ヘッドを適切に制御することが可能な光ディスクドライブ装置、その制御方法および光ディスクドライブシステムを提供する。
【解決手段】複数の光学ヘッド104、106と、前記複数の光学ヘッド104、106の読み出し動作およびシーク動作を制御する制御部134とを備え、前記制御部134は、映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいて、当該一群のデータの読み出し分量を前記複数の光学ヘッド104、106に割り振って、前記複数の光学ヘッド104、106の読み出し動作をそれぞれ制御する第1のモードと、前記各光学ヘッド104、106が一群のデータの読み出しを行うように、前記複数の光学ヘッド104、106の読み出し動作をそれぞれ制御する第2のモードとを有し、前記制御部134は、前記第1のモードと前記第2のモードとを動的に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクドライブ装置、その制御方法および光ディスクドライブシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、データをデジタル形式で記憶する光ディスクとして、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などが普及している。また、これらの光ディスクにデータを記録したり、光ディスクに記録されているデータを再生する光ディスクドライブ装置の開発も活発に行われている。
【0003】
このような中、複数の光学ヘッドを有する光ディスクドライブ装置において、読み出しファイルのサイズに応じて効率的な光学ヘッドの移動制御を行い、高いデータ転送レートを確保するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−113501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、映像データや音声データを記録した光ディスクの内容を再生するにあたっては、映像再生をできるだけすぐに行いたい場合や、HDD(Hard Disk Drive)等の別な媒体やサーバ等に1倍速以上の速度でコピーを行いたい場合がある。これらの場合において、複数の光学ヘッドを有する光ディスクドライブ装置における最適な読み出し制御は異なるため、どちらか一方の場合に適した読み出し制御を採用した場合、他方の場合に対して十分な性能を発揮することができないという問題がある。
【0006】
また、光ディスクドライブシステムにおいては、映像データや音声データを処理するホストコンピュータ側から、複数の光学ヘッドを有する光ディスクドライブ装置側に対し、上述したどちらの場合に適した読み出し制御を行うべきかを通知しない場合、光ディスクドライブ装置は、どちらの場合に適した読み出し制御で動作すべきかが分からない。このため、一般には、読み出すデータ全体をより高速に読み出すことに最適化した読み出し制御に固定している場合が多いが、その場合、映像再生をできるだけすぐに行いたい場合、いわゆる映像の“ポン出し”の性能は劣るという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、光ディスクに記録されたデータの読み出しにおいて、複数の光学ヘッドを適切に制御することが可能な、新規かつ改良された光ディスクドライブ装置、その制御方法および光ディスクドライブシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、光ディスクに記録されたデータを読み出すための複数の光学ヘッドと、前記複数の光学ヘッドの前記データの読み出し動作およびシーク動作をそれぞれ制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記光ディスクに記録された、映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいて、当該一群のデータの読み出し分量を前記複数の光学ヘッドのそれぞれに割り振って、前記複数の光学ヘッドの読み出し動作をそれぞれ制御する第1のモードと、前記光ディスクに記録された、映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいて、前記各光学ヘッドが一群のデータの読み出しを行うように、前記複数の光学ヘッドの読み出し動作をそれぞれ制御する第2のモードとを有し、前記制御部は、前記第1のモードと前記第2のモードとを動的に切り替え可能である、光ディスクドライブ装置が提供される。
【0009】
前記制御部は、1つのファイルにおける先頭の映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいて、前記第1のモードで制御し、前記光ディスクに記録された、1つのファイルにおける先頭以降の映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいては、前記第2のモードで制御してもよい。
【0010】
前記制御部は、前記読み出し分量を前記複数の光学ヘッドのそれぞれに均等に割り振ってもよい。
【0011】
前記制御部は、前記各光学ヘッドの現在位置の情報と、前記各光学ヘッドのシーク動作にかかる時間の情報とに基づいて、前記複数の光学ヘッドが同時に読み出しを完了するように、異なる読み出し分量を前記複数の光学ヘッドのそれぞれに割り振ってもよい。
【0012】
前記制御部は、前記各光学ヘッドの現在位置の情報と、前記各光学ヘッドのシーク動作にかかる時間の情報とに基づいて、前記複数の光学ヘッドのうち前記読み出し分量を割り振る光学ヘッドを選択的に決定してもよい。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、光ディスクに記録されたデータを読み出すための複数の光学ヘッドと、前記複数の光学ヘッドの前記データの読み出し動作およびシーク動作をそれぞれ制御する制御部とを備える光ディスクドライブ装置の制御方法であって、前記光ディスクに記録された、1つのファイルにおける先頭の映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいて、当該一群のデータの読み出し分量を前記複数の光学ヘッドのそれぞれに割り振って、前記複数の光学ヘッドの読み出し動作をそれぞれ制御するステップと、前記光ディスクに記録された、1つのファイルにおける先頭以降の映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいては、前記各光学ヘッドが一群のデータの読み出しを行うように、前記複数の光学ヘッドの読み出し動作をそれぞれ制御するステップと、を有する光ディスクドライブ装置の制御方法が提供される。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、光ディスクに記録されたデータを読み出すための複数の光学ヘッドと、前記複数の光学ヘッドの前記データの読み出し動作およびシーク動作をそれぞれ制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記光ディスクに記録された、映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいて、当該一群のデータの読み出し分量を前記複数の光学ヘッドのそれぞれに割り振って、前記複数の光学ヘッドの読み出し動作をそれぞれ制御する第1のモードと、前記光ディスクに記録された、映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいて、前記各光学ヘッドが一群のデータの読み出しを行うように、前記複数の光学ヘッドの読み出し動作をそれぞれ制御する第2のモードとを有し、前記制御部は、前記第1のモードと前記第2のモードとを動的に切り替え可能である、光ディスクドライブ装置と、前記光ディスクドライブ装置の前記制御部に読み出しコマンドを発行するホストコンピュータと、を備える、光ディスクドライブシステムが提供される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、光ディスクに記録されたデータの読み出しにおいて、複数の光学ヘッドを適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る光ディスクドライブシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置に適用される光ディスクのフォーマットの一例を説明するための説明図である。
【図3】光ディスクに形成された1つの年輪データを説明するための説明図である。
【図4】光ディスクに対して年輪データが形成された様子の一例を示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた第1の光ディスク読み出し制御を説明するための説明図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた第2の光ディスク読み出し制御を説明するための説明図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた第3の光ディスク読み出し制御を説明するための説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた第4の光ディスク読み出し制御を説明するための説明図である。
【図9】本発明に関連する光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた光ディスク読み出し制御を説明するための説明図である。
【図10】図9における光ディスク読み出し制御において、各光学ヘッドによるシーク動作およびデータ読み出しと時間との関係を説明するための説明図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた光ディスク読み出し制御を説明するための説明図である。
【図12】図11における光ディスク読み出し制御において、各光学ヘッドによるシーク動作およびデータ読み出しと時間との関係を説明するための説明図である。
【図13】図1における光ディスクドライブ装置が実行する読み出しモード設定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.光ディスクドライブシステムの構成
2.光ディスクドライブ装置の構成
3.光ディスクのフォーマット
4.本発明の第1の実施の形態に係る第1の光ディスク読み出し制御
5.第2の光ディスク読み出し制御
6.第3の光ディスク読み出し制御
7.光ディスク先読み制御
7.第4の光ディスク読み出し制御
8.本発明の第2の実施の形態に係る光ディスク読み出し制御
9.読み出しモード設定処理
【0019】
[光ディスクドライブシステムの構成]
まず、本発明の実施の形態に係る光ディスクドライブシステムについて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る光ディスクドライブシステムの概略構成を示すブロック図である。
【0020】
図1において、光ディスクドライブシステム1000は、光ディスクドライブ装置100およびホストコンピュータ200を備える。光ディスクドライブ装置100は、複数の光学ヘッド104,106を有し、光を使用してデータの記録および再生を行う。なお、図1では、簡便化のために、2つの光学ヘッドを有する場合を図示しているが、例えば、N個の光学ヘッドを有する場合であれば、全体に共通な処理ブロックを除き、光学ヘッドに固有の処理部は、その数の分だけ必要となる。本実施の形態では、光ディスクドライブ装置100が再生装置の場合について記載するが、通常の光ディスクドライブシステムにおいては、記録/再生の両機能を備える光ディスクドライブ装置を用いるのが一般的である。また、ホストコンピュータ200は、映像や音声のコーデックなどの処理を行う。
【0021】
[光ディスクドライブ装置の構成]
図1において、光ディスクドライブ装置100は、光ディスク102、光学ヘッド104,106、サーボ制御部108,110、スピンドル制御部112、RF(Radio Frequency)アンプ114,116、記録復号部118,120、エラー訂正部122,124、バッファコントローラ126,128、バッファメモリ130,132、CPU134、ホストI/F136およびタイマ138を備える。
【0022】
光学ヘッド104,106は、光ディスク102からの反射光を光電変換して電流信号を生成して、生成した電流信号をRFアンプ114,116に供給する。RFアンプ114,116は、光学ヘッド104,106からの電流信号に基づいて、フォーカス誤差信号およびトラッキング誤差信号、ならびに再生信号を生成して、フォーカス誤差信号およびトラッキング誤差信号をサーボ制御部108,110に供給する。
【0023】
光学ヘッド104,106のレーザ光の照射位置は、サーボ制御部108,110から光学ヘッド104,106に供給されるサーボ信号により所定の位置に制御される。すなわち、サーボ制御部108,110は、フォーカスサーボ動作やトラッキングサーボ動作の制御を行う。具体的には、サーボ制御部108,110は、RFアンプ114,116からのフォーカス誤差信号とトラッキング誤差信号とに基づいてフォーカスサーボ信号とトラッキングサーボ信号とをそれぞれ生成して、生成したフォーカスサーボ信号とトラッキングサーボ信号とを光学ヘッド104,106のアクチュエータ(図示せず)に供給する。また、サーボ制御部108,110は、スピンドルモータ(図示せず)を駆動するスピンドルモータ駆動信号を生成して、光ディスク102を所定の回転速度で回転させるスピンドルサーボ動作の制御を行う。さらに、サーボ制御部108,110は、ピックアップ部(図示せず)を光ディスク102の径方向に移動させてレーザ光の照射位置を変えるスレッド制御を行う。
【0024】
RFアンプ114,116は、生成した再生信号を記録復号部118,120に供給する。記録復号部118,120では、RFアンプ114,116から供給された再生信号を元に、PLL(Phase Locked Loop)等を用いて再生クロックを生成するとともに、再生信号を復号して再生データを生成し、アドレス情報を含む、ディスクに記録されたデータを復元する。記録復号されたデータは、エラー訂正部122,124に送られる。
【0025】
エラー訂正部122,124は、例えば、リードソロモン積符号など、記録時に行った処理の方式に従って、エラーの訂正処理を行う。また、併せて、同様に、記録時に行った所定の方式に従って、デインターリーブ処理、デスクランブル処理等も行う。エラー訂正処理、デインターリーブ処理、デスクランブル処理等が行われたデータは、バッファコントローラ126,128に送られる。バッファコントローラ126,128は、供給された再生データをバッファメモリ130,132に一時的に蓄積する。
【0026】
ホストI/F136は、映像や音声のコーデックなどの処理を行うホストコンピュータ200側との間で、コマンドの授受、データの授受を行う。ホストコンピュータ200からの読み出しコマンドに基づいて、バッファメモリ130,132に蓄積されたデータの中から、指定されたデータをホストコンピュータ200側に送出する。
【0027】
タイマ138は、読み出しコマンドの時間間隔を測定する。タイマ138は、ホストコンピュータ200からの読み出しコマンドを受信する度にリセットし、予め設定した所定の時間(例えば、数秒)が経過したならば、カウントを停止し、一定の時間が経過したことを示すフラグ信号を出力する。このフラグの用途については、後述する。
【0028】
CPU134は、これらの光ディスクドライブ装置100全体を予めプログラムされた指示に従って制御する。また、CPU134は、ホストコンピュータ200から読み出しコマンドを受け取ると、後述する図13の読み出しモード設定処理を実行して、タイマ138からのフラグを確認して、読み出し制御のモードを設定する。
【0029】
[光ディスクのフォーマット]
次に、本発明の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置100に適用される光ディスク102のフォーマットについて説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置100に適用される光ディスク102のフォーマットの一例を説明するための説明図である。図2では、1つのクリップがタイムライン上に示されている。また、本実施の形態における光ディスク102は年輪構造を有している。
【0030】
図2において、1つのクリップは、クリップ単位の映像データ302、複数チャネルの音声データ304、プロキシデータなどの低解像度映像データ306、およびメタデータなどのシステムアイテムデータのファイルで構成される。
【0031】
映像データ302は、ベースバンドの映像データを、例えば、MPEG2やMPEG4などの圧縮方式を用いて、例えば、50Mbps程度のビットレートに圧縮符号化した映像データである。
【0032】
音声データ304は、ベースバンドのままの音声データであってもよく、MPEGなどの圧縮をかけたものであってもよい。これら音声データ304は、プロキシデータ306に対し、本線系のデータと称される。
【0033】
プロキシデータ306は、ベースバンドの映像データおよび音声データを、本線系の映像データおよび音声データに対して、例えば、数Mbpsくらいの、かなりの低ビットレートに圧縮して多重化したものである。圧縮符号化方式としては、例えば、MPEG4方式が用いられ、高速サーチ再生を行うために、本線系のデータの代理(プロキシ)データとして用いられる。
【0034】
システムアイテムデータとしてのメタデータ308は、あるデータに関する上位データであり、各種データの内容を表すためのインデックスとして機能する。メタデータ308には、上述の本線系の映像データおよび音声データの時系列に沿って発生されるリアルタイムメタデータなどが含まれる。
【0035】
1つのクリップは、所定の再生時間(例えば、2秒)を基準として分割され、年輪構造として光ディスク102に記録される。1つの年輪は、図3に示すように、映像データ302b、音声データ304b、プロキシデータ306bおよびシステムアイテムデータ(メタデータ)308bなどを、それぞれ再生時間帯が対応するように、トラック1周分以上のデータサイズを有する所定の再生時間単位に分割し、分割された再生時間単位毎に順に配置して記録する。すなわち、クリップを構成する各データは、年輪構造により所定時間単位でインターリーブされ、光ディスク102に記録される。
【0036】
本実施の形態では、年輪を形成するデータを年輪データと称する。年輪データは、光ディスク102における最小の記録単位の整数倍のデータ量とされる。また、年輪は、その境界が光ディスク102の記録単位のクラスタ境界と一致するように記録される。
【0037】
ここでの一群の年輪の大きさは、光ディスク102上に記録される映像データのフォーマットによって決定される。例えば、映像/音声の圧縮レートが一定(CBR:Constant Bit Rate)のデータであれば、一群の年輪の大きさは一定であり、光ディスクドライブ装置100側で既知である。しかし、映像/音声の圧縮レートが一定ではない(VBR:Variable Bit Rate、ABR:Average Bit Rate)場合は、ファイルシステムを理解するホストコンピュータ200側から、その情報を光ディスクドライブ装置100に通知する必要がある。光ディスクドライブ装置100側でその情報を知ることができないシステムの場合は、例えば、VBR、ABRの変動幅のうち、最大レートを想定した大きさを1年輪と見なした処理を行う。
【0038】
図4は、光ディスク102に対して年輪データが形成された様子の一例を示す説明図である。図4において、光ディスク102の内周側から外周側に向けて、1つのクリップを所定の再生時間単位に分割する年輪データ1、年輪データ2、年輪データ3、…が連続的に記録される。すなわち、光ディスク102の内周側から外周側に向けて、再生の時系列が連続するようにデータが配置される。
【0039】
[本発明の第1の実施の形態に係る第1の光ディスク読み出し制御]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた第1の光ディスク読み出し制御について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた第1の光ディスク読み出し制御を説明するための説明図である。
【0040】
上述したように、映像データと音声データとは、“年輪データ”と称する一群のデータ群にまとめた形で光ディスク上に記録されているものとし、その年輪データを読み出すことを考える。
【0041】
この一群のデータ群である1つの年輪データを読み出すことで、例えば、数秒分といったシステムで規定された一定の処理量の映像データおよび音声データを得ることができる。そして、この一群のデータをデコードすることで、初めて、元のベースバンドの映像データおよび音声データを得ることが可能となる。
【0042】
つまり、1年輪分のデータがそろわないと、先頭の1コマたりとも、映像データを出力することができないことになり、映像データを再生するにあたっては、同じ光ディスクから1つのクリップまたは1つのファイルを読み出すにしても、先頭部分をできるだけ早く読み出さないと、映像の再生を開始することができない。なお、一例として、光学ヘッド1、光学ヘッド2、光学ヘッド3、光学ヘッド4の4チャンネル分の光学ヘッドを有する光ディスクドライブ装置の場合について説明する。
【0043】
図5において、光学ヘッド1は、時間t0において年輪データ1の先頭のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ1の後尾のデータ位置に移動して年輪データ1の読み出しを完了する。そして、光学ヘッド1は、年輪データ5の先頭のデータ位置までシーク動作を行って、時間t2において年輪データ5の先頭のデータ位置から年輪データ5の読み出しを開始して、時間t3において年輪データ5の後尾のデータ位置に移動して年輪データ5の読み出しを完了する。
【0044】
光学ヘッド2は、時間t0において年輪データ2の先頭のデータ位置から年輪データ2の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ2の後尾のデータ位置に移動して年輪データ2の読み出しを完了する。そして、光学ヘッド2は、年輪データ6の先頭のデータ位置までシーク動作を行って、時間t2において年輪データ6の先頭のデータ位置から年輪データ6の読み出しを開始して、時間t3において年輪データ6の後尾のデータ位置に移動して年輪データ6の読み出しを完了する。
【0045】
光学ヘッド3は、時間t0において年輪データ3の先頭のデータ位置から年輪データ3の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ3の後尾のデータ位置に移動して年輪データ3の読み出しを完了する。そして、光学ヘッド3は、年輪データ7の先頭のデータ位置までシーク動作を行って、時間t2において年輪データ7の先頭のデータ位置から年輪データ7の読み出しを開始して、時間t3において年輪データ7の後尾のデータ位置に移動して年輪データ7の読み出しを完了する。
【0046】
光学ヘッド4は、時間t0において年輪データ4の先頭のデータ位置から年輪データ4の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ4の後尾のデータ位置に移動して年輪データ4の読み出しを完了する。そして、光学ヘッド3は、年輪データ8の先頭のデータ位置までシーク動作を行って、時間t2において年輪データ8の先頭のデータ位置から年輪データ8の読み出しを開始して、時間t3において年輪データ8の後尾のデータ位置に移動して年輪データ8の読み出しを完了する。
【0047】
図5に示す第1の読み出し制御では、時間t0〜t3の間に8つの年輪データを読み出すことができる。そして、年輪データ1〜年輪データ8の全てのデータを読み出そうとする場合、1つの光学ヘッドのみを有する場合と比較して約1/4の時間で、8つの年輪データを読み出せることになる。ただし、実際には、年輪データと年輪データの間においてシーク動作を行うため、その時間を加算すると、1/4まで時間を短縮することはできない。
【0048】
また、各光学ヘッドが、読み出し開始位置までのシーク動作を行う間は、その光学ヘッドのリード処理が停止する。つまり、各光学ヘッドのシーク動作の回数を最小に抑えることが、全体の光ディスク読み出し時間を最短にすることにつながる。
【0049】
[本発明の第1の実施の形態に係る第2の光ディスク読み出し制御]
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた第2の光ディスク読み出し制御を説明するための説明図である。
【0050】
図6において、光学ヘッド1は、時間t0において年輪データ1の先頭のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ1の後尾のデータ位置に移動して年輪データ1の読み出しを完了する。そして、光学ヘッド1は、時間t1において年輪データ2の先頭のデータ位置から年輪データ2の読み出しを開始して、時間t2において年輪データ2の後尾のデータ位置に移動して年輪データ2の読み出しを完了する。
【0051】
光学ヘッド2は、時間t0において年輪データ3の先頭のデータ位置から年輪データ3の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ3の後尾のデータ位置に移動して年輪データ3の読み出しを完了する。そして、光学ヘッド1は、時間t1において年輪データ4の先頭のデータ位置から年輪データ4の読み出しを開始して、時間t2において年輪データ4の後尾のデータ位置に移動して年輪データ4の読み出しを完了する。
【0052】
光学ヘッド3は、時間t0において年輪データ5の先頭のデータ位置から年輪データ5の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ5の後尾のデータ位置に移動して年輪データ5の読み出しを完了する。そして、光学ヘッド1は、時間t1において年輪データ6の先頭のデータ位置から年輪データ6の読み出しを開始して、時間t2において年輪データ6の後尾のデータ位置に移動して年輪データ6の読み出しを完了する。
【0053】
光学ヘッド4は、時間t0において年輪データ7の先頭のデータ位置から年輪データ7の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ7の後尾のデータ位置に移動して年輪データ7の読み出しを完了する。そして、光学ヘッド1は、時間t1において年輪データ8の先頭のデータ位置から年輪データ8の読み出しを開始して、時間t2において年輪データ8の後尾のデータ位置に移動して年輪データ8の読み出しを完了する。
【0054】
図6に示す第2の読み出し制御では、シーク動作の頻度を削減することを目的として、1つの光学ヘッドに、連続した複数の年輪データ(図6では、2年輪データ)の読み出しを割り振ることができる。この割り振り数を大きくすればするほど、全体としての読み出しに要する時間は、1つの光学ヘッドを用いた読み取り制御の場合と比較した理想値である1/4の時間に近づく。
【0055】
一方、読み出し制御の開始から、先頭の“年輪データ1”の読み出しが完了するまでの時間という観点で見ると、図5の場合も、図6の場合も、1つの光学ヘッドのみを有する場合と全く等しい性能しか得られない。
【0056】
[本発明の第1の実施の形態に係る第3の光ディスク読み出し制御]
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた第3の光ディスク読み出し制御を説明するための説明図である。
【0057】
図7において、光学ヘッド1は、時間t0において年輪データ1の先頭のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ1における先頭から1/4のデータ位置に移動して年輪データ1における先頭から1/4のデータの読み出しを完了する。そして、光学ヘッド1は、年輪データ2の先頭のデータ位置までシーク動作を行って、時間t2において年輪データ2の先頭のデータ位置から年輪データ2の読み出しを開始して、時間t3において年輪データ2における先頭から1/4のデータ位置に移動して年輪データ2における先頭から1/4のデータの読み出しを完了する。以降同様に、光学ヘッド1は、シーク動作、および各年輪データの読み出し動作を行う。
【0058】
光学ヘッド2は、時間t0において年輪データ1における先頭から1/4のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ1における先頭から2/4のデータ位置に移動して年輪データ1における1/4から2/4のデータの読み出しを完了する。そして、光学ヘッド2は、年輪データ2の先頭から1/4のデータ位置までシーク動作を行って、時間t2において年輪データ2の先頭から1/4のデータ位置から年輪データ2の読み出しを開始して、時間t3において年輪データ2における先頭から2/4のデータ位置に移動して年輪データ2における1/4から2/4のデータの読み出しを完了する。以降同様に、光学ヘッド2は、シーク動作、および各年輪データの読み出し動作を行う。
【0059】
光学ヘッド3は、時間t0において年輪データ1における先頭から2/4のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ1における先頭から3/4のデータ位置に移動して年輪データ1における2/4から3/4のデータの読み出しを完了する。そして、光学ヘッド3は、年輪データ2の先頭から2/4のデータ位置までシーク動作を行って、時間t2において年輪データ2の先頭から2/4のデータ位置から年輪データ2の読み出しを開始して、時間t3において年輪データ2における先頭から3/4のデータ位置に移動して年輪データ2における2/4から3/4のデータの読み出しを完了する。以降同様に、光学ヘッド3は、シーク動作、および各年輪データの読み出し動作を行う。
【0060】
光学ヘッド4は、時間t0において年輪データ1における先頭から3/4のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ1の後尾のデータ位置に移動して年輪データ1における3/4から後尾のデータの読み出しを完了する。そして、光学ヘッド4は、年輪データ2の先頭から3/4のデータ位置までシーク動作を行って、時間t2において年輪データ2の先頭から3/4のデータ位置から年輪データ2の読み出しを開始して、時間t3において年輪データ2の後尾のデータ位置に移動して年輪データ2における3/4から後尾のデータの読み出しを完了する。以降同様に、光学ヘッド4は、シーク動作、および各年輪データの読み出し動作を行う。
【0061】
図7に示す第3の読み出し制御では、個々の光学ヘッドに対し、1つの年輪データを4つの光学ヘッドに読み出し分担を振り分けている。この場合、年輪データ1〜年輪データ8の全てのデータを読み出そうとする場合、1つの光学ヘッドのみを有する場合と比較して約1/4の時間で、8つの年輪データを読み出せることになる。ただし、実際には、年輪データと年輪データの間においてシーク動作を行うため、その時間を加算すると、1/4まで時間を短縮することはできない。また、図5や図6の場合と比較して、シーク動作の頻度が増大するため、理想値の1/4の時間に対する乖離も大きくなる。
【0062】
しかし、読み出し制御の開始から、先頭の“年輪データ1”の読み出しが完了するまでの時間という観点で見ると、図7の場合は、時間t0〜t1で読み出しが完了し、1つの光学ヘッドのみを有する場合と比較して、約1/4の時間で読み出すことが可能となる。
【0063】
上述したように、図5や図6のような割り振りによる読み出し制御を行うことで、クリップ(ファイル)全体を効率よく読み出すことが可能であり、全体の光ディスク読み出し時間の短縮を実現することができる。これは、Disc to Discのデータのコピーを行いながらの編集作業や、単純な光ディスクのデータのコピーや、サーバへのアップロードなどには向いていると言える。しかし、映像再生をできるだけすぐに行いたい場合、いわゆる映像の“ポン出し”動作には適さない。
【0064】
一方、図7のような割り振りによる読み出し制御を行うことにより、先頭部分などの局所的なデータを高速に読み出すことが可能である。こちらは、いわゆる映像の“ポン出し”動作に適している。ただし、大きなデータ全体のコピー用途には適さない。
【0065】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスク装置における、複数の光学ヘッドを用いた第1〜第3の読み出し制御においては、図5または図6に示す動作か、図7に示す動作のいずれかの方法に固定した読み出し制御を行っていたため、適さない用途に対しては、十分な性能を発揮することができないという問題があった。
【0066】
[本発明の第1の実施の形態に係る光ディスク先読み制御]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における光ディスク先読み制御について説明する。
【0067】
光ディスクドライブ装置において、ホストコンピュータから、光ディスクドライブ装置に発行される読み出しコマンドは、一度に1クリップ(1ファイル)分や、1年輪データ分といったある程度の大きさを持った塊の単位ではなく、もっと小さな、光ディスクにとっての1セクタ(例えば、2KByte)、1クラスタ(例えば、64KByte)といった小さな塊の単位であり、光ディスクドライブ装置側の動作としては、1コマンドを受け取る毎に、その分量だけのデータを、その都度、光ディスクから読み出してホストコンピュータに返していたのでは、処理速度は非常に低いものとなってしまう。
【0068】
そこで、本発明に関連する光ディスクドライブ装置では、ホストコンピュータから1つの読み出しコマンドを受け取ったら、次は、その続きの領域の読み出しコマンドが来ることを想定し、いわゆる先読み動作を行う。この先読み動作を、どのように予測し、どれだけの分量をどのタイミングで行うかが、光ディスクドライブ装置の性能を大きく左右する。
【0069】
この先読み動作のストラテジやアルゴリズムについては、様々な方式が考えられる。特に、複数の光学ヘッドを有する光ディスクドライブ装置における先読み処理においては、通常、トータルの1クリップ(1ファイル)読み出しを効率よく行うアルゴリズムが採用されるが、必ずしも、そのようなケースばかりではない。
【0070】
しかし、ホストコンピュータ側と光ディスクドライブ装置側とで連携をとらないシステムにおいては、光ディスクドライブ装置としては、ホストコンピュータ側が、どのような読み出しをしようとしているのか、また、読み出そうとしている1クリップ(1ファイル)の大きさはどれだけなのかなどの情報を持ち合わせていないため、とりあえず、トータルの1クリップ(1ファイル)の読み出しを効率よく行うアルゴリズムで読み出す場合が多い。
【0071】
[本発明の第1の実施の形態に係る第4の光ディスク読み出し制御]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた第4の光ディスク読み出し制御について説明する。
【0072】
本発明者は、上述した光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた第1〜第3の光ディスク読み出し制御における問題を解決するためには、以下のような光ディスク読み出し制御が実現できればよいと見出した。
【0073】
複数の光学ヘッドを有する光ディスクドライブ装置において、複数の光学ヘッドを用いて同時に映像データを読み出すにあたって、始めはできるだけ早く映像の先頭映像データを読み出すことを重視し、個々の光学ヘッドに対し、映像データとしての1塊の領域を分割した短い領域を割り振り、素早く先頭の映像を再生する。
【0074】
ある程度の読み出しが進んでからは、できるだけ早くファイル全体のデータを読み出すことを重視し、光学ヘッドのシーク回数の低減を図るために、個々のヘッドには、ある程度の大きさを割り当てた分割を行う。
【0075】
以上のような制御を行うことにより、いわゆる“ポン出し”と呼ばれる映像の頭をすぐに読み出すことと、“ベタ読み”と呼ばれる1つのファイルを連続的に高速に読み出すことの両立を図ることができる。
【0076】
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた第4の光ディスク読み出し制御を説明するための説明図である。
【0077】
図8において、光学ヘッド1は、時間t0において年輪データ1の先頭のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ1における先頭から1/4のデータ位置に移動して年輪データ1における先頭から1/4のデータの読み出しを完了する。そして、光学ヘッド1は、年輪データ2の先頭のデータ位置までシーク動作を行って、時間t21において年輪データ2の先頭のデータ位置から年輪データ2の読み出しを開始して、時間t31において年輪データ2の後尾のデータ位置に移動して年輪データ2の読み出しを完了する。次いで、光学ヘッド1は、年輪データ6の先頭のデータ位置までシーク動作を行って、時間t41において年輪データ6の先頭のデータ位置から年輪データ6の読み出しを開始して、時間t51において年輪データ6の後尾のデータ位置に移動して年輪データ6の読み出しを完了する。
【0078】
光学ヘッド2は、時間t0において年輪データ1における先頭から1/4のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ1における先頭から2/4のデータ位置に移動して年輪データ1における1/4から2/4のデータの読み出しを完了する。そして、光学ヘッド2は、年輪データ3の先頭のデータ位置までシーク動作を行って、時間t22において年輪データ3の先頭のデータ位置から年輪データ3の読み出しを開始して、時間t32において年輪データ3の後尾のデータ位置に移動して年輪データ3の読み出しを完了する。次いで、光学ヘッド2は、年輪データ7の先頭のデータ位置までシーク動作を行って、時間t42において年輪データ7の先頭のデータ位置から年輪データ7の読み出しを開始して、時間t52において年輪データ7の後尾のデータ位置に移動して年輪データ7の読み出しを完了する。
【0079】
光学ヘッド3は、時間t0において年輪データ1における先頭から2/4のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ1における先頭から3/4のデータ位置に移動して年輪データ1における2/4から3/4のデータの読み出しを完了する。そして、光学ヘッド3は、年輪データ4の先頭のデータ位置までシーク動作を行って、時間t23において年輪データ4の先頭のデータ位置から年輪データ4の読み出しを開始して、時間t33において年輪データ4の後尾のデータ位置に移動して年輪データ4の読み出しを完了する。次いで、光学ヘッド3は、年輪データ8の先頭のデータ位置までシーク動作を行って、時間t43において年輪データ8の先頭のデータ位置から年輪データ8の読み出しを開始して、時間t53において年輪データ8の後尾のデータ位置に移動して年輪データ8の読み出しを完了する。
【0080】
光学ヘッド4は、時間t0において年輪データ1における先頭から3/4のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t1において年輪データ1の後尾のデータ位置に移動して年輪データ1における3/4から後尾のデータの読み出しを完了する。そして、光学ヘッド4は、年輪データ5の先頭のデータ位置までシーク動作を行って、時間t24において年輪データ5の先頭のデータ位置から年輪データ5の読み出しを開始して、時間t34において年輪データ5の後尾のデータ位置に移動して年輪データ5の読み出しを完了する。次いで、年輪データ9(図示せず)の読み出しが必要である場合は、光学ヘッド4は、年輪データ9の先頭のデータ位置までシーク動作を行って、時間t44において年輪データ9の先頭のデータ位置から年輪データ9の読み出しを開始して、時間t54において年輪データ9の後尾のデータ位置に移動して年輪データ9の読み出しを完了する。
【0081】
図8に示す第4の読み出し制御では、先頭の1年輪データ(年輪データ1)だけは、非常に高速に読み出し可能で、後続の年輪データにおいても、効率よく読み出すことが可能となる。
【0082】
このように複数の光学ヘッドへの割り振りの大きさを動的に変える場合と、“ベタ読み”と“ポン出し”のいずれかの読み出し制御で固定する場合とを比較すると、表1のような関係となる。
【表1】

【0083】
つまり、“ベタ読み”に対しては、先頭の1年輪データに対してのみ適した動作ではないだけで、“ポン出し”に対しては、最適な動作となり、光ディスクドライブ装置が、どちらの制御方法で動作すべきかを与えられない状態において、動作せざるを得ない場合には、このような動作を取ることが妥当な制御と考えられる。
【0084】
[本発明の第2の実施の形態に係る光ディスク読み出し制御]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた光ディスク読み出し制御について説明する。
【0085】
ここで、通常の放送における映像データおよび音声データの送出再生においては、いわゆる“ポン出し”への対応のため、再生指示の発行から、できるだけタイムラグ(遅れや待ち時間)を少なくすることが望ましい。
【0086】
そのため、ホストコンピュータ200側から読み出し指示が発行された時は、光ディスクドライブ装置100は、できるだけ高速に、そのデータを読み出して、ホストコンピュータ200に返すことが求められる。
【0087】
この場合、複数の光学ヘッドを有する光ディスクドライブ装置100においては、先頭部分のデータの一群だけを高速に読み出して、ホストコンピュータ200に転送するために、一群のデータを光学ヘッドの数で割った分量を割り振る方法については図7や図8を用いて前述した。例えば、4つの光学ヘッドを有する場合、単純に均等に読み出す分量を4つに分けても良いが、4つの光学ヘッドが、同時ではなく、順次、読み出しを開始する場合、より早く読み出しを開始できる光学ヘッドには多めに割り振り、読み出し開始が時間的に後になる光学ヘッドに対しては、少なめに割り振るのがよい。このような制御を行うことで、更に、先頭部分の読み出し処理時間の短縮を図ることが可能となる。
【0088】
まず、本発明に関連する光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた光ディスク読み出し制御について説明する。図9は、本発明に関連する光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた光ディスク読み出し制御を説明するための説明図である。
【0089】
図9において、光学ヘッド1は、時間t0において現在位置からシーク動作を行って、時間t11において年輪データ1の先頭のデータ位置に移動する。そして、時間t11において年輪データ1の先頭のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t21において年輪データ1における先頭から1/4のデータ位置に移動して年輪データ1における先頭から1/4のデータの読み出しを完了する。
【0090】
光学ヘッド2は、時間t0において現在位置からシーク動作を行って、時間t12において年輪データ1における先頭から1/4のデータ位置に移動する。そして、時間t12において年輪データ1における先頭から1/4のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t22において年輪データ1における先頭から2/4のデータ位置に移動して年輪データ1における1/4から2/4のデータの読み出しを完了する。
【0091】
光学ヘッド3は、時間t0において現在位置からシーク動作を行って、時間t13において年輪データ1における先頭から2/4のデータ位置に移動する。そして、時間t13において年輪データ1における先頭から2/4のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t23において年輪データ1における先頭から3/4のデータ位置に移動して年輪データ1における2/4から3/4のデータの読み出しを完了する。
【0092】
光学ヘッド4は、時間t0において現在位置からシーク動作を行って、時間t14において年輪データ1における先頭から3/4のデータ位置に移動する。そして、時間t14において年輪データ1における先頭から3/4のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t24において年輪データ1の後尾のデータ位置に移動して年輪データ1における3/4から後尾のデータの読み出しを完了する。
【0093】
図10は、図9における光ディスク読み出し制御において、各光学ヘッドによるシーク動作およびデータ読み出しと時間との関係を説明するための説明図である。
【0094】
図10に示すように、図9における光ディスク読み出し制御では、読み出し開始前に、各光学ヘッドが、目標とする読み出し開始位置からどれだけ離れた場所にあるかによって、目標の位置までのシーク時間が異なり、読み出しを開始できるまでの時間に差が生じている。
【0095】
すなわち、各光学ヘッドの読み出し開始時間が不均一な場合において、各光学ヘッドの読み出し分量が均等なときは、図10に示すように、再生のために必要な一群のデータを読み終えるまでの待ち時間は、最後に読み出しを開始した光学ヘッドが割り振られた分量の読み出しを終えるまでの時間となる。
【0096】
本発明の第2の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた光ディスク読み出し制御では、各光学ヘッドに割り振るデータの読み出し分量を調整して、各光学ヘッドによるデータの読み出し終了時間が同時、または略同時となるように制御する。以下、詳細について説明を行う。
【0097】
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る光ディスクドライブ装置における、複数の光学ヘッドを用いた光ディスク読み出し制御を説明するための説明図である。
【0098】
図11において、光学ヘッド1は、時間t0において現在位置からシーク動作を行って、時間t11において年輪データ1の先頭のデータ位置に移動する。そして、時間t11において年輪データ1の先頭のデータ位置から年輪データ1の読み出しを開始して、時間t2において年輪データ1における先頭からデータ量aのデータ位置Aに移動して年輪データ1における先頭からデータ量aのデータの読み出しを完了する。
【0099】
光学ヘッド2は、時間t0において現在位置からシーク動作を行って、時間t12において年輪データ1における上述したデータ位置Aに移動する。そして、時間t12において年輪データ1におけるデータ位置Aから年輪データ1の読み出しを開始して、時間t2において年輪データ1におけるデータ位置Aからデータ量bのデータ位置Bに移動して年輪データ1におけるデータ位置Aからデータ位置Bのデータの読み出しを完了する。
【0100】
光学ヘッド3は、時間t0において現在位置からシーク動作を行って、時間t13において年輪データ1における上述したデータ位置Bに移動する。そして、時間t13において年輪データ1におけるデータ位置Bから年輪データ1の読み出しを開始して、時間t2において年輪データ1におけるデータ位置Bからデータ量cのデータ位置Cに移動して年輪データ1におけるデータ位置Bからデータ位置Cのデータの読み出しを完了する。
【0101】
光学ヘッド4は、時間t0において現在位置からシーク動作を行って、時間t14において年輪データ1における上述したデータ位置Cに移動する。そして、時間t14において年輪データ1におけるデータ位置Cから年輪データ1の読み出しを開始して、時間t2において年輪データ1の後尾のデータ位置に移動して年輪データ1におけるデータ位置Cから後尾のデータの読み出しを完了する。
【0102】
図12は、図11における光ディスク読み出し制御において、各光学ヘッドによるシーク動作およびデータ読み出しと時間との関係を説明するための説明図である。
【0103】
図12に示すように、図11における光ディスク読み出し制御では、各光学ヘッドの読み出し開始時間を予測して、各光学ヘッドの読み出し分量を割り振っているため、各光学ヘッドの読み出し終了時間が同時、または略同時となり、再生のために必要な一群のデータを読み終えるまでの待ち時間は最短となる。
【0104】
上述したように、各光学ヘッドの、目標とする読み出し開始位置までのシーク時間を予め考慮して、各光学ヘッドへの読み出し分量を割り振ることで、全光学ヘッドを用いた、目的とする一群のデータを読み終えるまでの全体の時間を短くすることが可能となる。
【0105】
なお、光学ヘッドの個数が多くなる場合、読み出しを行いたい年輪データから遠く離れた場所にいる光学ヘッドは、必ずしも分割読み出しに参加させる必要はない。すなわち、読み出し対象の年輪データの位置までのシーク時間を多大に要する場合は、そのシーク時間の間に残りの他の光学ヘッドだけで、先頭年輪データの読み出しが完了してしまうこともあり得るためである。
【0106】
[読み出しモード設定処理]
以下、図1における光ディスクドライブ装置が実行する読み出しモード設定処理について説明する。
【0107】
上述したホストコンピュータ200からの読み出しコマンドに対し、光ディスクドライブ装置100が、“ポン出し”か“べた読み”のどちらのモードで光学ヘッドの割り振りを行って、読み出しをすればよいかは以下のように決定する。
【0108】
まず、ホストコンピュータ200側から、個々の読み出しコマンド毎に対し、モード設定オプションを付加するなどして指示するシステムの場合には、それに従えばよい。ホストコンピュータ200側は、処理の都合に合わせて、最適なモードを指定する。すなわち、“ポン出し”と呼ばれる映像の頭をすぐに読み出す場合などには、細かい分割を指示し、ファイルコピーなどにおける、“ベタ読み”など、1つのファイルを連続的に高速に読み出す場合は、大きな分割を指定する。
【0109】
しかし、ホストコンピュータ200と光ディスクドライブ装置100の連携が比較的疎なシステムであって、ホストコンピュータ200側から、そのようなモード指定がなされない場合もあり得る。その場合には、光ディスクドライブ装置100側で、おおまかな予測を立てて、その推測に基づく動作をすることとする。
【0110】
すなわち、一般的には、ホストコンピュータ200から、電源投入後、初めに来る読み出しコマンド、書き込みコマンドの後の最初に出される読み出しコマンド、ある一定時間の休止を経てから出される読み出しコマンドや、非連続なアドレスに対する読み出しコマンドは、クリップ(ファイル)の先頭部分である可能性が高い。一方、連続して出されている読み出しコマンドは、クリップ(ファイル)の中間部分(先頭部分以外)である可能性が高い。
【0111】
これらの傾向に基づいて、どちらの分割を行って読み出すべきかを決定する。これについて、以下に詳述する。
【0112】
電源投入後最初の読み出しコマンドに対しては、クリップ(ファイル)の先頭部分からの再生である可能性があるため、クリップ(ファイル)の先頭部分のデータをできるだけ高速にホストコンピュータ200に転送することを目的に、複数の光学ヘッドでの読み出し分割を細かくする。
【0113】
書き込みコマンドの後の読み出しコマンドは、新たなクリップ(ファイル)の先頭部分からの再生である可能性があるため、クリップ(ファイル)の先頭部分のデータをできるだけ高速にホストコンピュータ200に転送することを目的に、複数の光学ヘッドでの読み出し分割を細かくする。
【0114】
一定時間のアイドル経過後の読み出しコマンドに対しては、新たなクリップ(ファイル)の先頭部分からの再生である可能性があるため、クリップ(ファイル)の先頭部分のデータをできるだけ高速にホストコンピュータ200に転送することを目的に、複数の光学ヘッドでの読み出し分割を細かくする。
【0115】
本実施の形態では、光ディスクドライブ装置100は、上述したように、読み出しコマンドが最後に発行されてからの経過時間を測定するタイマ138を備える。このタイマ138は、ホストコンピュータ200からの読み出しコマンドの発行でリセットされ、ゼロからカウントを始める。そして、予め設定された一定の時間が経過すると、カウントを停止し、一定の時間が経過したことを示すフラグ信号を出力する。このフラグの有無で、上述した条件を判断する。
【0116】
非連続な領域を指定した読み出しコマンドをホストコンピュータ200から受信したときは、新たなクリップ(ファイル)の先頭部分からの再生である可能性が高いため、クリップ(ファイル)の先頭部分のデータをできるだけ高速にホストコンピュータ200に転送することを目的に、複数の光学ヘッドでの読み出し分割を細かくする。
【0117】
上記の条件を満たさずに、読み出し開始後、一定量のデータ読み出しを行った後は、クリップ(ファイル)の途中以降のデータである可能性が高いため、クリップ(ファイル)全体のデータをできるだけ高速に読み出すことを目的に、複数の光学ヘッドでの読み出し分割を粗くする。
【0118】
なお、小さな分割から、大きな分割の制御の切り替えタイミングについては、以下のように考える。例えば、最初の1年輪データが、2秒分の映像データおよび音声データであるとした場合、それに続く2年輪データ目を1つの光学ヘッドが2秒以内に読み出しを完了できるのであれば、最初の1年輪データだけを小さく分割して読み出し、それに続く2年輪目以降は、大きな分割で読み出す。
【0119】
通常は、1つの光学ヘッドが1倍速、すなわち、映像データおよび音声データの等倍速再生が可能な速度以上の速度で動いているものであるため、例えば、2秒分の映像データおよび音声データの光ディスク102からの読み出しは、2秒未満の所要時間で完了するものであるため、上記の条件は必然的に成立する。
【0120】
以下、具体的に図1における光ディスクドライブ装置が実行する読み出しモード設定処理について説明する。図13は、図1における光ディスクドライブ装置が実行する読み出しモード設定処理のフローチャートである。本処理では、上述した図8または図11の読み出し制御を先頭領域早読みモードとする。
【0121】
図13において、まず、光ディスクドライブ装置100のCPU134は、ホストコンピュータ200からホストI/F136を介して読み出しコマンドを受信する(ステップS102)。
【0122】
次いで、CPU134は、光学ヘッドの読み出し制御の動作モードの指定があるか否かを判別する(ステップS104)。
【0123】
ステップS104の判別の結果、動作モードの指定があるときは(ステップS104でYES)、CPU134は、ベタ読みモード指定であるか否かを判別する(ステップS106)。
【0124】
ステップS106の判別の結果、ベタ読みモード指定であるときは(ステップS106でYES)、CPU134は、光学ヘッドの読み出し制御の動作モードをベタ読みモードに設定する(ステップS116)。
【0125】
ステップS106の判別の結果、ベタ読みモード指定でないときは(ステップS106でNO)、先頭領域早読みモード指定であるので、CPU134は、光学ヘッドの読み出し制御の動作モードを先頭領域早読みモードに設定する(ステップS118)。
【0126】
すなわち、ホストコンピュータ200側から、個々の読み出しコマンド毎に対し、モード設定オプションを付加するなどして指示するシステムの場合には、それに従う。ホストコンピュータ200側は、処理の都合に合わせて、最適な動作モードを指定する。すなわち、“ポン出し”と呼ばれる映像の頭をすぐに読み出す場合などには、細かい分割を指示し、ファイルコピーなどにおける、“ベタ読み”など、1つのファイルを連続的に高速に読み出す場合は、大きな分割を指定する。
【0127】
ステップS104の判別の結果、動作モードの指定がないときは(ステップS104でNO)、CPU134は、リセット後の最初の読み出しコマンドであるか否かを判別する(ステップS108)。
【0128】
ステップS108の判別の結果、リセット後の最初の読み出しコマンドであるときは(ステップS108でYES)、上述したステップS118の処理に進む。
【0129】
ステップS108の判別の結果、リセット後の最初の読み出しコマンドでないときは(ステップS108でNO)、CPU134は、書き込みコマンド後の最初の読み出しコマンドであるか否かを判別する(ステップS110)。
【0130】
ステップS110の判別の結果、書き込みコマンド後の最初の読み出しコマンドであるときは(ステップS110でYES)、上述したステップS118の処理に進む。
【0131】
ステップS110の判別の結果、書き込みコマンド後の最初の読み出しコマンドでないときは(ステップS110でNO)、CPU134は、直前の読み出しコマンドとアドレスは非連続であるか否かを判別する(ステップS112)。
【0132】
ステップS112の判別の結果、直前の読み出しコマンドとアドレスは非連続であるときは(ステップS110でYES)、上述したステップS118の処理に進む。
【0133】
ステップS112の判別の結果、直前の読み出しコマンドとアドレスは非連続でないときは(ステップS110でNO)、CPU134は、直前の読み出しコマンドから一定時間が経過しているか否かを判別する(ステップS114)。
【0134】
ステップS114の判別の結果、直前の読み出しコマンドから一定時間が経過しているときは(ステップS114でYES)、上述したステップS118の処理に進む。
【0135】
ステップS114の判別の結果、直前の読み出しコマンドから一定時間が経過していないときは(ステップS114でNO)、上述したステップS116の処理に進む。
【0136】
ステップS116の処理では、光学ヘッドの読み出し制御の動作モードをベタ読みモードに設定し、ステップS118の処理では、光学ヘッドの読み出し制御の動作モードを先頭領域早読みモードに設定して、本処理を終了する。
【0137】
図13の読み出しモード設定処理によれば、光ディスクに記録されたデータの読み出しにおいて、複数の光学ヘッドを適切に制御することができる。
【0138】
本実施の形態によれば、複数の光学ヘッドを有する光ディスクドライブ装置100を有する光ディスクドライブシステム1000において、映像再生をできるだけすぐに行いたい場合と、クリップ(ファイル)や光ディスク全体のデータをより高速に“ベタ読み”したい場合とで、光ディスクドライブ装置100は、読み出し制御を動的に変えることで、光ディスクの読み出しの性能を向上させることができる。
【0139】
また、本実施の形態によれば、光ディスクドライブ装置100において、ホストコンピュータ200側から情報を受け取れないシステム構成においても、光ディスクドライブ装置100側で、自ら推測し、より最適な読み出しモードに動的に切り替えることも可能となる。
【0140】
また、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0141】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0142】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0143】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0144】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0145】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0146】
100 光ディスクドライブ装置
102 光ディスク
104,106 光学ヘッド
108,110 サーボ制御部
112 スピンドル制御部
114,116 RFアンプ
118,120 記録復号部
122,124 エラー訂正部
126,128 バッファコントローラ
130,132 バッファメモリ
134 CPU
136 ホストI/F
138 タイマ
200 ホストコンピュータ
1000 光ディスクドライブシステム



【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに記録されたデータを読み出すための複数の光学ヘッドと、
前記複数の光学ヘッドの前記データの読み出し動作およびシーク動作をそれぞれ制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記光ディスクに記録された、映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいて、当該一群のデータの読み出し分量を前記複数の光学ヘッドのそれぞれに割り振って、前記複数の光学ヘッドの読み出し動作をそれぞれ制御する第1のモードと、
前記光ディスクに記録された、映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいて、前記各光学ヘッドが一群のデータの読み出しを行うように、前記複数の光学ヘッドの読み出し動作をそれぞれ制御する第2のモードとを有し、
前記制御部は、前記第1のモードと前記第2のモードとを動的に切り替え可能である、光ディスクドライブ装置。
【請求項2】
前記制御部は、1つのファイルにおける先頭の映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいて、前記第1のモードで制御し、前記光ディスクに記録された、1つのファイルにおける先頭以降の映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいては、前記第2のモードで制御する、請求項1に記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記読み出し分量を前記複数の光学ヘッドのそれぞれに均等に割り振る、請求項1または2に記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記各光学ヘッドの現在位置の情報と、前記各光学ヘッドのシーク動作にかかる時間の情報とに基づいて、前記複数の光学ヘッドが同時に読み出しを完了するように、異なる読み出し分量を前記複数の光学ヘッドのそれぞれに割り振る、請求項1または2に記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記各光学ヘッドの現在位置の情報と、前記各光学ヘッドのシーク動作にかかる時間の情報とに基づいて、前記複数の光学ヘッドのうち前記読み出し分量を割り振る光学ヘッドを選択的に決定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ディスクドライブ装置。
【請求項6】
光ディスクに記録されたデータを読み出すための複数の光学ヘッドと、
前記複数の光学ヘッドの前記データの読み出し動作およびシーク動作をそれぞれ制御する制御部とを備える光ディスクドライブ装置の制御方法であって、
前記光ディスクに記録された、1つのファイルにおける先頭の映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいて、当該一群のデータの読み出し分量を前記複数の光学ヘッドのそれぞれに割り振って、前記複数の光学ヘッドの読み出し動作をそれぞれ制御するステップと、
前記光ディスクに記録された、1つのファイルにおける先頭以降の映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいては、前記各光学ヘッドが一群のデータの読み出しを行うように、前記複数の光学ヘッドの読み出し動作をそれぞれ制御するステップと、
を有する光ディスクドライブ装置の制御方法。
【請求項7】
光ディスクに記録されたデータを読み出すための複数の光学ヘッドと、前記複数の光学ヘッドの前記データの読み出し動作およびシーク動作をそれぞれ制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記光ディスクに記録された、映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいて、当該一群のデータの読み出し分量を前記複数の光学ヘッドのそれぞれに割り振って、前記複数の光学ヘッドの読み出し動作をそれぞれ制御する第1のモードと、前記光ディスクに記録された、映像または音声を再生するための一群のデータの読み出しにおいて、前記各光学ヘッドが一群のデータの読み出しを行うように、前記複数の光学ヘッドの読み出し動作をそれぞれ制御する第2のモードとを有し、前記制御部は、前記第1のモードと前記第2のモードとを動的に切り替え可能である、光ディスクドライブ装置と、
前記光ディスクドライブ装置の前記制御部に読み出しコマンドを発行するホストコンピュータと、
を備える、光ディスクドライブシステム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−113590(P2011−113590A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267243(P2009−267243)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】