説明

光ディスク再生装置

【課題】 本発明の目的は、ウォブル検出精度の高い光ディスク再生装置を提供することにある。
【解決手段】 光ディスク再生装置は、増幅部と、抽出部と、制御信号生成部とを具備し、高精度にウォブル信号を生成する。増幅部は、光ピックアップから出力される信号を所定の振幅になるように増幅する。抽出部は、増幅部から出力される信号に基づいてウォブル信号を生成する。制御信号生成部は、抽出部から出力されるウォブル信号に残留するRF信号成分に基づいて増幅部を制御する制御信号を生成する。制御信号生成部で生成される制御信号を増幅部にフィードバックすることにより、ウォブル信号に含まれるRF信号成分を所定の閾値以下になるように制御され、高精度にウォブル信号が生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク媒体に含まれる情報、特に光ディスク媒体の種別を判定するのに用いられるウォブル信号を再生する光ディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録可能な光ディスク媒体の規格には、データ信号(RF信号)のほかにウォブル信号(WOBBLE信号)が規定されている。ウォブル信号は光ディスク媒体の回転数制御に使用される。そのため、記録可能な光ディスク媒体からデータ信号を再生するためには、ウォブル信号を精度良く抽出することが必要になる。
【0003】
ウォブル信号の抽出に関して以下の技術が知られている。特開2002−367180号公報によれば、光ディスクを装着して回転させる回転駆動機構と、レーザ光を発する投光部および複数の受光部を備えた光学ヘッドとを有し、光学ヘッドを介して光ディスクを記録および/または再生する光ディスク装置におけるWOBBLE信号の生成に関する技術が開示されている。光ディスク装置は、光学ヘッドを介して光ディスクに形成されたプリグルーブからWOBBLE信号を生成するWOBBLE信号検出回路を有する。WOBBLE信号検出回路は、第1の正規化回路と第2の正規化回路と補正手段とを有する。第1の正規化回路は、光学ヘッドにより光ディスクにレーザ光を照射し、光ディスクからの反射光を複数の受光部のうちの一端側の少なくとも1つの受光部で受光して得られる第1の信号を正規化する。第2の正規化回路は、複数の受光部のうちの他端側の少なくとも1つの受光部で反射光を受光して得られる第2の信号を正規化する。補正手段は、第1の正規化回路の出力信号および第2の正規化回路の出力信号に基づいて、第1の信号および/または第2の信号を補正する。WOBBLE信号検出回路は、この正規化された第1の信号および正規化された第2の信号に基づいて、WOBBLE信号を生成する。
【0004】
また、特開2003−338041号公報によれば、光ディスク再生装置におけるウォブル信号またはLPP信号を抽出する技術が開示されている。光ディスク再生装置は、光ディスクから読み取られた読み取り信号に含まれるウォブル信号またはLPP信号を抽出するために、読み取り信号の振幅を一定に制御するAGC回路を有する。このAGC回路は、可変利得増幅器とハイパスフィルタと利得制御信号生成部とを備える。可変利得増幅器は、読み取り信号を増幅するとともに、利得制御信号に応じてその利得が可変できる。ハイパスフィルタは、この可変利得増幅器の出力信号のうち所定周波数以上の周波数成分を通過させる。利得制御信号生成部は、このハイパスフィルタの出力信号に基づいて利得制御信号を生成する。
【0005】
ウォブル信号の抽出は、一般的に以下のように行う。光ピックアップは、光ディスク媒体の反射面にレーザー光を照射する。その反射光は、4つに分割された光検出器で受光される。光検出器は、通常フォトダイオードが使われる。受光された光量に対応した電圧レベルに光電圧変換が行われ、4つの信号(信号A、信号B、信号C、信号D)が光ピックアップから出力される。この4つの信号は以下のように表される。
【0006】
A=R1+W1 …(1)
B=R2−W2 …(2)
C=R3−W3 …(3)
D=R4+W4 …(4)
ここで、信号Rn(n=1…4)はデータ信号(RF信号)である。信号Rnは、すべて同相であり、一般的に同振幅の信号である。したがって、信号Rn=信号Rとすることができる。また、信号Wn(n=1…4)はウォブル信号である。ウォブル信号は、信号Aと信号D、信号Bと信号Cでは同相であるが、信号Aと信号B、信号Cと信号Dでは逆相になる。また、各ウォブル信号Wnの振幅は、ほぼ同じである。したがって、信号Wn=信号Wとすることができる。また、一般的にRF信号はウォブル信号よりも高い周波数帯域の信号である。
【0007】
式(1)〜(4)より、(A+D)−(B+C)=4×W となる。即ち、この演算式のように各信号の加算と減算を行うことにより、ウォブル信号Wだけを抽出することができる。
【0008】
従来、ウォブル信号は、図5に示される回路により抽出される。このウォブル信号抽出回路は、光ピックアップ60と、可変利得増幅回路(GCA)51、52と、自動利得制御回路(AGC)53、54と、減算回路61と、加算回路62と、ピークホールド回路(P/H)55、56と、減算回路57、58と、帯域通過フィルタ(BPF)59とを備える。
【0009】
光ピックアップ60から出力される信号Aと信号Dは、可変利得増幅回路51に入力される。また、信号Bと信号Cは、可変利得増幅回路52に入力される。
【0010】
可変利得増幅回路51から出力される信号ADは2つに分岐し、一方は自動利得制御回路53に、他の一方は減算回路61に入力される。減算回路61の出力は、振幅基準レベル信号として自動利得制御回路53に入力される。自動利得制御回路53から出力される信号ADNは、減算回路57とピークホールド回路55とに入力される。
【0011】
また、可変利得増幅回路52から出力される信号BCは2つに分岐し、一方は自動利得制御回路54に、他の一方は加算回路62に入力される。加算回路62の出力は、振幅基準レベル信号として自動利得制御回路54に入力される。自動利得制御回路54から出力される信号BCNは、減算回路57とピークホールド回路56とに入力される。
【0012】
減算回路57の出力は、帯域通過フィルタ59を経てウォブル信号Wとなる。減算回路58のプラス側入力端子にピークホールド回路55の出力信号が、マイナス側入力端子にピークホールド回路56の出力信号が印加される。減算回路58の出力信号ΔREFは、減算回路61と加算回路62とに入力される。
【0013】
光ピックアップ60は、光ディスク媒体の反射面にレーザー光を照射する。その反射光は、4つに分割された光検出器で受光される。光量に対応する電圧レベルに変換する光電圧変換が行われ、受光した反射光は4つの信号(信号A、信号B、信号C、信号D)に変換されて光ピックアップ60から出力される。
【0014】
光ピックアップ60から出力される信号Aと信号Dは、可変利得増幅回路51に入力される。可変利得増幅回路51は、信号Aと信号Dとを加算し、所定の利得で増幅する。したがって、可変利得増幅回路51の出力は、演算(A+D)の結果を示す信号ADとなる。また、光ピックアップ60から出力される信号Bと信号Cは、可変利得増幅回路52に入力される。可変利得増幅回路52は、信号Bと信号Cとを加算し、所定の利得で増幅する。可変利得増幅回路52の出力は、演算(B+C)の結果を示す信号BCとなる。
【0015】
この所定の利得は、光ディスク媒体の種類(例えばCD−RやDVD+RW)などに応じて出力信号が適切な振幅レベルになるように設定される。即ち、再生する光ディスク媒体が変わると、その媒体に応じた利得が選択される。この利得調整は、光ピックアップ60自体のばらつきや、ディスク媒体のばらつきなどを補正するためのものではない。したがって、これらの影響により出力振幅がばらつくことに関して利得調整することはできない。また、可変利得増幅回路51および可変利得増幅回路52は、一般的に利得調整を行っても出力の周波数特性は変化しない。
【0016】
可変利得増幅回路51から出力される信号ADは、自動利得制御回路53の入力端子Iに接続されるとともに、減算回路61を介して自動利得制御回路53の振幅基準レベル入力端子Rに接続される。振幅基準レベル入力端子Rに入力される信号は、自動利得制御回路53の出力信号の振幅の振幅基準レベルを決定する。したがって、減算回路61により、信号ADからオフセット分ΔREFが減算された信号が基準となり、自動利得制御回路53で利得制御が行われる。即ち、信号ADは、オフセット分ΔREFだけ振幅が調整されて自動利得制御回路53から出力される。
【0017】
同様に、可変利得増幅回路52から出力される信号BCは、自動利得制御回路54に入力され、振幅が調整される。この場合、自動利得制御回路54の振幅基準レベル入力端子Rには、加算回路62を介して信号BCが入力されるため、自動利得制御回路54の出力は、自動利得制御回路53の場合とは逆の方向に調整される。即ち、信号ΔREFが正極性の信号であれば、自動利得制御回路53は抑制側に制御され、自動利得制御回路54は増幅側に制御される。また、信号ΔREFが負極性の場合、自動利得制御回路53は増幅側に制御され、自動利得制御回路54は抑制側に制御される。
【0018】
この自動利得制御回路53、54の構成の一例を図6に示す。自動利得制御回路は、可変利得増幅回路(GCA)71、高域通過フィルタ(HPF)72、ピーク検出回路(DET)73、比較回路(CMP)74とを備える。可変利得増幅回路71は、入力信号Iを増幅し、出力信号OUTを出力する。このときの利得は、比較回路74から出力される制御信号により制御される。出力信号OUTは、自動利得制御回路の出力になるとともに、高域通過フィルタ72に入力される。高域通過フィルタ72は、入力される信号OUTのRF信号成分を抽出する。抽出されたRF信号成分はピーク検出回路73に出力される。ピーク検出回路73は、入力されるRF信号成分のピーク値を検出する。検出されたピーク値は、比較回路74に出力される。比較回路74は、検出されたピーク値が入力されるとともに、振幅基準レベル信号Rが入力される。比較回路74は、入力されたピーク値と振幅基準レベル信号Rとを比較し、比較結果を可変利得増幅回路71に出力する。比較の結果、ピーク値の方が大きければ、可変利得増幅回路71は利得を下げる。比較の結果、振幅基準レベル信号の方が大きければ可変利得増幅回路71は利得を上げる。このようにして、可変利得増幅回路71の出力の振幅を振幅基準レベル信号に合せる。
【0019】
このように動作する自動利得制御回路53の出力信号ADNは、減算回路57とピークホールド回路55に入力される。また、自動利得制御回路54の出力信号BCNは、ピークホールド回路56と減算回路57に入力される。ピークホールド回路55は、信号ADNのピーク値を保持し、ピークホールド回路56は、信号BCNのピーク値を保持する。ピーク値の各々は、減算回路58に入力される。
【0020】
減算回路58は、信号ADNのピーク値から信号BCNのピーク値を減算し、減算結果を示す信号ΔREFを出力する。信号ΔREFは、減算回路61と加算回路62に供給される。
【0021】
信号ΔREFのレベルが正極性の値であれば、自動利得制御回路53の利得を下げ、自動利得制御回路54の利得を上げるように動作する。したがって、自動利得制御回路53の出力信号ADNは小さく、自動利得制御回路54の出力信号BCNは大きくなり、信号ΔREFが0に近づくように制御される。信号ΔREFが負極性の場合、自動利得制御回路53の利得を上げ、自動利得制御回路54の利得を下げるように動作する。したがって、自動利得制御回路53の出力信号ADNは大きく、自動利得制御回路54の出力信号BCNは小さくなり、信号ΔREFが0に近づくように制御される。即ち、信号ΔREFのレベルが0、もしくは著しく小さくなるように自動利得制御回路53と自動利得制御回路54が制御され、それぞれの出力信号はほぼ同レベルになる。
【0022】
このように自動利得制御回路53、54が信号ΔREFにより制御される一方、減算回路57は、入力される信号ADNから信号BCNを減算する。即ち、(A+D)−(B+C)を演算する。RF信号成分は、自動利得制御回路53、54により同振幅になるように制御されているため、この演算によりRF信号成分の消えたウォブル信号成分のみが抽出されることになる。この演算により、理論上、RF信号成分は完全に消えることになる。しかし、例えば、増幅回路の特性のばらつき、光ピックアップ自体の特性のばらつき、減算回路57のゲインばらつきなどの影響を受け、完全にはRF信号成分が消えない。そのため、帯域通過フィルタ(BPF:Band Pass Filter)59を用いて、ウォブル信号成分の周波数帯の信号を抽出し、ウォブル信号Wを作成する。
【0023】
この帯域通過フィルタ59は、RF信号成分を減衰させ、ウォブル信号成分のみを通過させるような帯域が必要となる。RF信号成分の信号帯域はウォブル信号成分の周波数の10倍程度の帯域であるため、急峻な遮断特性が要求される。急峻な遮断特性を得るために、フィルタは高次になる。高次のフィルタは回路面積が大きくなるため、IC(Integrated circuit)に搭載する場合にICチップのコストが上がることになる。
【0024】
また、図7に示されるように、周波数特性も問題になることがある。RF信号成分には遅い周波数帯(11T)と速い周波数帯(3T)の信号が存在する。利得G1で自動利得制御回路を動作させようとする場合、周波数fc1以下の帯域の信号である11T信号(周波数f11T)、3T信号(周波数f3T)は、利得G1が得られる。周波数fc1以上の信号に対しては、利得G1は得られず、振幅は基準レベルに合致しなくなる。
【0025】
通常自動利得制御回路は、遅い周波数帯の11T信号に対して出力振幅を一定になるように調整を行う。光ピックアップ自体のばらつきや、光ディスク媒体のばらつきによって信号A、B、C、Dの振幅がばらついた場合は、可変利得増幅回路51、52の出力信号AD、BCの振幅もばらつく。例えば、信号ADを増幅するAGC53は、利得G1で動作し、振幅が基準レベルに合致しているものとする。信号ADに対し、信号BCが非常に小さい場合には、信号BCを増幅する自動利得制御回路54の利得をG2まで上げ、その出力信号BCNの振幅を基準レベルに合せる。このとき、信号BCNに含まれるRF信号成分と信号ADNに含まれるRF信号成分とが均衡すると信号ΔREFは“0”となるはずである。ところが、自動利得制御回路54を利得G2で動作させると、平坦な増幅特性は周波数fc2までしか得られない。
【0026】
このように、自動利得制御回路の増幅回路が十分広い周波数特性を有していない場合には、B+C側の3Tの信号(周波数f3T)では十分な利得が得られず、振幅は小さくなる。即ち、自動利得制御回路53、54の出力を減算する減算回路57の出力では、図8に示されるように、11T信号成分は減算の結果消えるが、3T信号成分は減算をしても消えずに残る。図8にその状態が示されている。図8(1)に信号ADの波形が示され、図8(2)に信号BCの波形が示され、図8(3)に信号ADと信号BCの差分が示される。左側が低い周波数帯域の11T信号、右側が高い周波数帯域の3T信号を示している。図8(3)に示されるように、11T信号ではRF信号成分が除去され、3T信号ではTF信号成分が残留する。このように、ウォブル信号成分がうまく抽出できず、ディスクの再生、記録時に誤動作を生じることがある。
【0027】
さらに、減算回路57自体の特性のばらつきにより、正確に(A+D)−(B+C)が演算できない場合もRF信号成分を含まない信号、即ちウォブル信号成分だけの信号を抽出することができない。したがって、減算回路57の出力にはRF信号成分が残留するため、減算回路57の後段に帯域通過フィルタ59が必要になる。
【0028】
【特許文献1】特開2002−367180号公報
【特許文献2】特開2003−338041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明の目的は、ウォブル検出精度の高い光ディスク再生装置を提供することにある。
【0030】
本発明の他の目的は、誤動作の少ない光ディスク再生装置を提供することにある。
【0031】
また、本発明の他の目的は、低コストの光ディスク再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0033】
本発明の観点では、光ディスク再生装置は、増幅部(1/2/3/4)と、抽出部(5)と、制御信号生成部(6/7/8)とを具備し、高精度に前記ウォブル信号(W)を生成する。増幅部(1/2/3/4)は、光ピックアップ(9)から出力される信号を所定の振幅になるように増幅する。抽出部(5)は、前記増幅部(1/2/3/4)から出力される信号に基づいてウォブル信号(W)を生成する。制御信号生成部(6/7/8)は、前記抽出部(5)から出力される前記ウォブル信号(W)に残留するRF信号成分に基づいて前記増幅部(1/2/3/4)を制御する制御信号を生成する。
【0034】
本発明の光ディスク再生装置において、前記増幅部(1/2/3/4)は、第1増幅部(1/3または2/4)と第2増幅部(2/4または1/3)とを備える。第1増幅部(1/3または2/4)は、前記光ピックアップ(9)から出力される信号のうち2つの信号を演算して増幅し、第1信号(ADNまたはBCN)を出力する。第2増幅部(2/4または1/3)は、前記光ピックアップ(9)から出力される信号のうち他の2つの信号を演算して増幅し、第2信号(BCNまたはADN)を出力する。前記抽出部(5)は、前記第1信号(ADNまたはBCN)と、前記第2信号(BCNまたはADN)との差分を求める減算器(5)を備える。前記減算器(5)は、前記差分に基づいて前記ウォブル信号(W)を出力する。
【0035】
本発明の光ディスク再生装置において、前記制御信号生成部(6/7/8)は、高域通過フィルタ(6)を備える。高域通過フィルタ(6)は、前記ウォブル信号に含まれる前記残留するRF信号成分(ΔR)を抽出する。前記制御信号生成部(6/7/8)は、前記残留するRF信号成分(ΔR)の振幅に基づいて前記制御信号を生成する。
【0036】
本発明の光ディスク再生装置において、前記制御信号生成部(6/7/8)は、レベル検出回路(7)と、制御部(8)とを備える。レベル検出回路(7)は、前記残留するRF信号成分の振幅レベルを検出する。制御部(8)は、前記レベル検出回路(7)により検出される前記振幅レベル(ΔRpp)に基づいて前記制御信号を生成する。前記制御部(8)は、前記振幅レベル(ΔRpp)が所定の閾値以下になるように前記制御信号を生成する。
【0037】
前記第1増幅部(1/3または2/4)は、第1自動利得制御増幅器(3または4)を備える。第1自動利得制御増幅器(3または4)は、出力する信号(ADNまたはBCN)のRF信号成分の振幅が、第1振幅基準レベルになるように自動的に利得を制御する。第1振幅基準レベルは、前記制御信号に含まれる第1振幅制御信号(REFaまたはREFb)により指定される。前記第2増幅部(2/4または1/3)は、第2自動利得制御増幅器(4または3)を備える。第2自動利得制御増幅器(4または3)は、出力する信号(BCNまたはADN)のRF信号成分の振幅が、第2振幅基準レベルになるように自動的に利得を制御する。第2振幅基準レベルは、前記制御信号に含まれる第2振幅制御信号(REFbまたはREFa)により指定される。前記制御部(8)は、前記振幅レベル(ΔRpp)が所定の閾値以下になるように前記第1振幅制御信号(REFaまたはREFb)と前記第2振幅制御信号(REFbまたはREFa)とを生成する。
【0038】
本発明の光ディスク再生装置において、前記第1増幅部(1/3または2/4)は、第1利得制御増幅器(1または2)を備える。第1利得制御増幅器(1または2)は、前記制御信号に含まれる第1利得制御信号(GaまたはGb)により利得が制御される。前記第2増幅部(2/4または1/3)は、第2利得制御増幅器(2または1)を備える。第2利得制御増幅器(2または1)は、前記制御信号に含まれる第2利得制御信号(GbまたはGa)により利得が制御される。前記制御部(8)は、前記振幅レベル(ΔRpp)が所定の閾値以下になるように前記第1利得制御信号(GaまたはGb)と前記第2利得制御信号(GbまたはGa)とを生成する。
【0039】
本発明の光ディスク再生装置において、前記制御信号は、前記第1自動利得制御増幅器(3または4)の自動利得制御機能と、前記第2自動利得制御増幅器(4または3)の自動利得制御機能を停止させる自動利得制御停止信号(GCa、GCb)を含む。前記制御部(8)は、前記自動利得制御停止信号(GCa、GCb)により前記第1自動利得制御増幅器(3または4)の自動利得制御機能と前記第2自動利得制御増幅器(4または3)の自動利得制御機能とを停止させる。前記制御部(8)は、前記第1利得制御増幅器(1または2)の出力信号(ADまたはBC)が所定のレベル範囲内になるように前記第1利得制御増幅器(1または2)の利得を調整する。次に前記制御部(8)は、前記レベル検出回路(7)により検出される前記振幅レベル(ΔRpp)が所定の閾値以下になるように前記第2利得制御増幅器(2または1)の利得を調整する。
【0040】
本発明の光ディスク再生装置において、前記第1利得制御増幅器(1または2)の出力信号(ADまたはBC)が制御される前記所定のレベル範囲は、前記第1自動利得制御増幅器(3または4)と前記第2自動利得制御増幅器(4または3)の自動利得制御機能の周波数特性が前記ウォブル信号の周波数帯域において平坦になるように設定される。
【0041】
本発明の光ディスク再生装置において、前記高域通過フィルタ(6)は、前記ウォブル信号(W)の周波数に応じてカットオフ周波数を切り替える。
【0042】
本発明の光ディスク再生装置において、前記振幅レベル検出部(7)は、ピークホールド回路(11)とボトムホールド回路(12)と減算器(13)とを備え、前記高域通過フィルタ(6)の出力(ΔR)の振幅レベル(ΔRpp)を検出する。ピークホールド回路(11)は、正の波高値を検出する。ボトムホールド回路(12)は、負の波高値を検出する。減算器(13)は、ピークホールド回路(11)から出力されるピーク値から、ボトムホールド回路(12)から出力されるボトム値を減算する。
【0043】
本発明の他の観点では、ウォブル信号検出方法は、第1増幅ステップと、第2増幅ステップと、抽出ステップと、高域抽出ステップと、増幅制御ステップとを具備する。第1増幅ステップは、光ピックアップ(9)から出力される信号のうち2つの信号(A/DまたはB/C)を演算して増幅する。第2増幅ステップは、前記光ピックアップ(9)から出力される信号のうち他の2つの信号(B/CまたはA/D)を演算して増幅する。抽出ステップは、前記第1増幅ステップで生成される第1信号(ADNまたはBCN)と、前記第2増幅ステップで生成される第2信号(BCNまたはADN)との差分を求め、前記差分に基づいてウォブル信号(W)を出力する。高域抽出ステップは、前記ウォブル信号(W)に含まれるRF信号成分(ΔR)を抽出する。増幅制御ステップは、前記高域抽出ステップで抽出する前記RF信号成分(ΔR)が所定の閾値以下になるように前記第1増幅ステップと前記第2ステップを制御する。
【0044】
本発明のウォブル信号検出方法において、前記第1増幅ステップは、第1利得制御増幅ステップと第1自動利得制御ステップとを備える。第1利得制御増幅ステップは、前記増幅制御ステップにより利得が指定されて信号を増幅する。第1自動利得制御ステップは、前記増幅制御ステップにより出力振幅が指定されて信号を増幅する。前記第2増幅ステップは、第2利得制御増幅ステップと第2自動利得制御ステップとを備える。第2利得制御増幅ステップは、前記増幅制御ステップにより利得が指定されて信号を増幅する。第2自動利得制御ステップは、前記増幅制御ステップにより出力振幅が指定されて信号を増幅する。前記増幅制御ステップは、前記第1利得制御増幅ステップと前記第2利得制御増幅ステップとの利得を設定した後、前記第1自動利得制御ステップと前記第2自動利得制御ステップとの出力振幅を設定する。
【0045】
本発明のウォブル信号検出方法において、前記増幅制御ステップは、自動利得制御機能停止ステップを含む。前記自動利得制御機能停止ステップは、前記第1自動利得制御ステップの自動利得制御機能と、前記第2自動利得制御ステップの自動利得制御機能を停止させる。前記増幅制御ステップは、前記自動利得制御機能停止ステップにより前記自動利得制御機能を停止させて前記第1利得制御増幅ステップと前記第2利得制御増幅ステップの利得を調整する。
【0046】
本発明のウォブル信号検出方法において、前記増幅制御ステップは、前記自動利得制御機能停止ステップにより前記第1自動利得制御ステップの自動利得制御機能と前記第2自動利得制御ステップの自動利得制御機能とを停止させる。自動利得制御機能を停止された状態で、前記第1利得制御増幅ステップの出力信号が所定のレベル範囲内になるように前記第1利得制御増幅ステップの利得を調整する。前記第1利得制御増幅ステップの利得が調整出来た後、前記高域抽出ステップで抽出する前記RF信号成分が所定の閾値以下になるように前記第2利得制御増幅ステップの利得を調整する。
【0047】
本発明のウォブル信号検出方法において、前記第1利得制御増幅ステップの出力信号が制御される前記所定のレベル範囲は、前記第1自動利得制御ステップと前記第2自動利得制御ステップの自動利得制御機能の周波数特性が前記ウォブル信号の周波数帯域において平坦になるように設定される。
【発明の効果】
【0048】
本発明によれば、光ピックアップから出力される信号から高精度にウォブル信号を抽出することができ、ウォブル検出精度の高い光ディスク再生装置を提供することができる。
【0049】
また、本発明によれば、ウォブル信号を精度よく抽出することができるため、ディスクの再生、記録時に誤動作の少ない光ディスク再生装置を提供することができる。
【0050】
さらに、本発明によれば、従来必要であった帯域通過フィルタを削除するか、もしくは低次数の帯域通過フィルタにすることができ、回路面積を削減できるため、低コストの光ディスク再生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
図を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。まず、光ディスク媒体に記録されているウォブル信号の抽出について再度説明する。光ピックアップは、光ディスク媒体の反射面にレーザー光を照射する。その反射光は、4つに分割された光検出器で受光される。光検出器は、通常フォトダイオードが使われる。受光された光量に対応した電圧レベルに光電圧変換が行われ、4つの信号(信号A、信号B、信号C、信号D)が光ピックアップから出力される。この4つの信号は、データ信号であるRF信号成分(信号R)とウォブル信号成分(信号W)とをそれぞれ含んでいる。RF信号は全て同振幅、同相であるが、ウォブル信号は信号Aおよび信号Dと、信号Bおよび信号Cとでは、同振幅、逆相の信号である。したがって、次式のように表される。
【0052】
A=R+W …(5)
B=R−W …(6)
C=R−W …(7)
D=R+W …(8)
理想的には、これら4式から求められるように、(A+D)−(B+C)=4Wを計算することにより、ウォブル信号Wだけを抽出できることが解る。しかし、各回路の特性のばらつきなどによりウォブル信号WにRF信号成分が残留する。このRF信号成分の残留を少なくし、ウォブル信号だけを高精度に抽出する回路を以下に示す。
【0053】
図1は本発明の実施の形態に係る光ディスク再生装置のウォブル信号を抽出する回路の構成を示すブロック図である。光ディスク再生装置のウォブル信号を抽出する回路は、光ピックアップ9と、可変利得増幅回路(GCA)1、2と、自動利得制御回路(AGC)3、4と、減算回路5と、高域通過フィルタ(HPF:High Pass Filter)6と、レベル検出回路7と、システムコントローラ8とを具備する。
【0054】
光ピックアップ9から出力される信号のうち、信号Aと信号Dは、可変利得増幅回路1に入力され、信号Bと信号Cは、可変利得増幅回路2に入力される。可変利得増幅回路1の出力信号ADは、自動利得制御回路3に入力され、可変利得増幅回路2の出力信号BCは、自動利得制御回路4に入力される。自動利得制御回路3の出力信号ADNと自動利得制御回路4の出力信号BCNは、減算回路5に入力される。減算回路5の出力は、ウォブル信号Wとして光ディスク再生装置の他の回路に出力されるとともに、高域通過フィルタ6に入力される。高域通過フィルタ6の出力信号ΔRは、レベル検出回路7に入力される。レベル検出回路7の出力信号ΔRppは、システムコントローラ8に入力される。システムコントローラ8から、可変利得増幅回路1に制御信号Ga、可変利得増幅回路2に制御信号Gbが出力される。また、自動利得制御回路3に振幅基準レベル信号REFaと制御信号GCa、制御信号自動利得制御回路4に振幅基準レベル信号REFbと制御信号GCbがシステムコントローラ8から出力される。
【0055】
光ピックアップ9は、光ディスク媒体の反射面にレーザー光を照射する。その反射光は、4つに分割された光検出器で受光される。受光された光量に対応した電圧レベルに光電圧変換が行われ、4つの信号(信号A、信号B、信号C、信号D)が光ピックアップ9から出力される。
【0056】
可変利得増幅回路(GCA)1、2は、それぞれ入力される信号Aと信号D、信号Bと信号Cを加算し、所定の利得で増幅する。この所定の利得は、光ディスク媒体の種類(例えばCD−RやDVD+RW)などに応じて出力信号が適切な振幅レベルになるように設定される。即ち、再生する光ディスク媒体が変わると、その媒体に応じた利得が選択される。また、可変利得増幅回路1と可変利得増幅回路2との回路特性(利得)のばらつきを補正する利得制御も可能となっている。これらの利得の設定は、システムコントローラ8からの制御信号Ga、Gbに基づいて行われる。可変利得増幅回路1の出力は、演算(A+D)の結果を示す信号ADとなり、可変利得増幅回路2の出力は、演算(B+C)の結果を示す信号BCとなる。信号ADは自動利得制御回路3に、信号BCは自動利得制御回路4に入力される。
【0057】
自動利得制御回路3、4は、振幅基準レベル入力端子Rに与えられる振幅レベルになるように入力端子Iに与えられる信号を増幅(あるいは減衰)する。振幅基準レベルは、システムコントローラ8から信号REFa、REFbで与えられる。また、自動利得制御回路3、4は、自動的に利得を制御して出力信号の振幅を基準レベルにする動作を一時停止する機能を有する。即ち、固定利得となる動作モードを有し、その固定利得モードのとき自動利得制御回路3、4は、動作時には利得一定の可変利得増幅回路として動作する。固定利得モードは、システムコントローラ8から送られる制御信号GCa、GCbに基づいて設定される。即ち、出力振幅の微調整も可能な回路となっている。固定利得モードのときの回路の利得はシステムコントローラ8から指示されることが望ましい。自動利得制御回路3から出力される信号ADNと、自動利得制御回路4から出力される信号BCNは、減算回路5に入力される。
【0058】
減算回路5は、信号ADNから信号BCNを減算し、ウォブル信号Wとして出力する。信号ADNは、演算(A+D)の結果を示す信号であり、信号BCNは演算(B+C)の結果を示す信号であるから、信号Wは、演算(A+D)−(B+C)の結果を示す信号となる。信号ADおよび信号BCにはRF信号成分が同相、同レベルで含まれ、その差分を演算することによりRF信号成分が除去される。信号Wはウォブル信号として光ディスク再生装置の各部へ供給される。理想的にはこの信号WにRF信号成分は含まれないことになるが、回路特性のばらつきなどからRF信号成分が信号Wに残留することがある。RF信号成分が信号Wに残留する場合に、信号Wは、高域通過フィルタ6に入力され、その残留RF信号成分が抽出される。抽出される残留RF信号成分が最小になるようにフィードバック制御される。
【0059】
高域通過フィルタ6は、信号Wに含まれるRF信号成分を抽出する。そのために、高域通過フィルタ6のカットオフ周波数は、ウォブル信号成分を遮断できるように設定される。ウォブル信号成分の周波数帯域は、記録される光ディスク媒体の種類や光ディスク媒体の回転速度などにより大きく異なる。そのため、高域通過フィルタ6のカットオフ周波数は、回転速度や媒体の種類に合せて変更できるように構成される。このカットオフ周波数は、システムコントローラ8またはシステムコントローラ以外の制御回路などからの制御信号に基づいて切り替えられるのが望ましい。高域通過フィルタ6により抽出されたRF信号の残留成分信号ΔRは、レベル検出回路7に入力される。
【0060】
レベル検出回路7は、高域通過フィルタ6から入力される信号ΔRの振幅を測定する。例えば、図2に示されるように、P−P値(Peak−to−Peak Value)により信号レベルを検出する。レベル検出回路7は、ピークホールド回路(P/H)11、ボトムホールド回路(B/H)12、減算回路13を備える。レベル検出回路7に入力される信号ΔRは、ピークホールド回路11によりそのピーク値が保持され、ボトムホールド回路12によりボトム値が保持される。ピークホールド回路11から出力されるピーク値から、ボトムホールド回路から出力されるボトム値を減算回路13で減算し、信号ΔRの振幅レベルΔRppを求める。振幅レベルΔRppは、システムコントローラ8に送られる。
【0061】
システムコントローラ8は、入力される振幅レベルΔRppに基づいて振幅基準レベル信号REFa、REFbを生成し、振幅レベルΔRppが所定の閾値以下になるように自動利得制御回路3、4を制御する。また、自動利得制御回路3、4に対して、制御信号GCa、GCbにより動作モード(固定利得モード)を指定する。固定利得モードの場合にシステムコントローラ8は、自動利得制御回路3、4の利得を制御信号GCa、GCbにより指示する。また、システムコントローラ8は、制御信号Ga、Gbにより光ディスク媒体の種類に応じた適切な利得を可変利得増幅回路1、2に指示する。さらに、システムコントローラ8は、可変利得増幅回路1と可変利得増幅回路2との間の利得特性のばらつきをこの制御信号Ga、Gbにより調整し、補正する。
【0062】
次に本実施の形態の動作について説明する。自動利得制御回路3、4を固定ゲインモードに設定し、減算回路5で(A+D)−(B+C)の演算を行い、その出力を高域通過フィルタ6に入力する。この高域通過フィルタ6でウォブル信号成分を除去し、最終的に消去したいRF信号成分のみを取り出すことが可能になる。
【0063】
RF信号成分をレベル検出回路7に入力し、高域通過フィルタ6を通過したRF信号成分の振幅レベルを測定する。もし、この値が最小(ほぼ0レベル)になっている場合、自動利得制御回路3、4の出力信号のRF信号成分の振幅レベルが同じになっていることになる。ここで自動利得制御回路3、4は固定ゲインモードに設定されているので、可変利得増幅回路1、2の出力信号のRF信号成分の振幅レベルはほぼ同じになっていることになる。つまり、レベル検出回路7の出力値が最小になるということは、可変利得増幅回路1、2の出力信号のRF信号成分の振幅レベルはほぼ同じことになり、自動利得制御回路3、4の入力振幅値(A+DとB+C)がほぼ同じRF信号振幅レベルになる。そのため、AGC動作時の自動利得制御回路3、4は、互いにほぼ同じゲインで動作し、互いの自動利得制御回路の周波数特性も同じになるため、RF信号成分の11T〜3Tまで同じ振幅レベルにすることが可能になる。即ち、自動利得制御回路3、4は、共に図7における利得G1で動作するようになり、周波数特性も揃うようになるため、安定的に動作することになる。
【0064】
自動利得制御回路3、4は、その出力振幅が指定される振幅レベルになるように利得が制御される回路である。しかし、回路素子のバラツキなどにより同じ振幅レベルが指定されても自動利得制御回路3、4の出力振幅レベルに差が生じることがある。この場合には、減算回路5の出力にRF信号成分が残ってしまう。そのため、自動利得制御回路3、4をAGC動作させるときにもレベル検出回路7の出力を測定し、この値が最小(ほぼ0レベル)あるいは許容できる最大値など所定の閾値以下になるように自動利得制御回路3、4の出力振幅レベルを調整する。出力振幅レベルを変更することができる自動利得制御回路は、例えば出力振幅レベルを決める閾値電圧を可変できる回路にしておくようなものが考えられる。それにより、減算回路5の出力からは、RF信号成分が完全に除去され、ウォブル信号成分のみが抽出できる。
【0065】
次に図3、図4を参照して、システムコントローラ8による調整動作について説明する。まず、システムコントローラ8は、自動利得制御回路3、4を固定利得モードに設定する。自動利得制御回路3、4が通常の増幅器の状態になることにより、可変利得増幅回路1、2の出力が振幅レベルΔRppに反映されるようになる。この状態で図3に示されるように、可変利得増幅回路1、2の利得を設定し、可変利得増幅回路1、2間の利得差を補正する。可変利得増幅回路1、2の利得が設定されると、システムコントローラ8は、自動利得制御回路3、4を自動利得制御モードに戻し、図4に示されるように、自動利得制御回路3、4の振幅を調整する。
【0066】
まず、可変利得増幅回路1、2の利得設定について詳細に説明する。図3は、可変利得増幅回路1、2の利得の設定動作の流れを示すフローチャートである。ここでは、システムコントローラ8は、可変利得増幅回路1、2の出力に含まれるRF信号成分のバランス即ち振幅レベルΔRppが閾値Rth1以下になるように可変利得増幅回路1、2の利得を調整する。
【0067】
設定動作の始めに、システムコントローラ8は初期設定を行う。システムコントローラ8は、自動利得制御回路3、4を予め定められる利得の固定利得モードに設定する。また、システムコントローラ8は、可変利得増幅回路1、2の利得を光ディスク媒体の種類によって予め定められる値に設定する。閾値Rth1は、予め定められた初期設定閾値に設定される(ステップS200)。このとき、閾値Rth1は50mV程度が望ましい。
【0068】
まず、システムコントローラ8は、レベル検出回路7の出力である振幅レベルを取り込み、取り込んだ値をΔRpp1とする。振幅レベルΔRpp1が、閾値Rth1以下か否かを判定する(ステップS201)。振幅レベルΔRpp1が、閾値Rth1以下であれば、可変利得増幅回路1、2の出力は、均衡しているものと判断し、可変利得増幅回路1、2の利得の設定は終了する(ステップS201−NO)。
【0069】
振幅レベルΔRpp1が、閾値Rth1を越える場合(ステップS201−YES)、システムコントローラ8は、制御信号Gaにより利得を所定の値だけ上げるように可変利得増幅回路1に指示する(ステップS202)。
【0070】
可変利得増幅回路1が利得を上昇させた後、システムコントローラ8は、振幅レベルを取り込み、取り込んだ振幅レベルの値をΔRpp2とする。振幅レベルΔRpp2が、閾値Rth1以下か否かを判定する(ステップS203)。振幅レベルΔRpp2が、閾値Rth1以下であれば、可変利得増幅回路1、2の出力のRF信号成分は、均衡しているものと判断し、可変利得増幅回路1、2の利得の設定は終了する(ステップS203−NO)。
【0071】
振幅レベルΔRpp2が、閾値Rth1を越える場合(ステップS203−YES)、システムコントローラ8は、先に取り込んだ振幅レベルΔRpp1と、可変利得増幅回路1の利得を上昇した後に取り込んだ振幅レベルΔRpp2とを比較する(ステップS204)。即ち、可変利得増幅回路1の利得変更が与える振幅レベルΔRppへの影響を調べる。振幅レベルΔRpp1が、振幅レベルΔRpp2より大きい場合(ステップS204−NO)、可変利得増幅回路1の利得を上げたことにより振幅レベルΔRppが引き下げられたことになる。これは、更に可変利得増幅回路1の利得を上昇させることにより振幅レベルΔRppをより小さくすることができる可能性が有ることを意味する。したがって、ステップS202に戻り、可変利得増幅回路1の利得を上げる。このループを繰り返すうちに取り込む振幅レベルΔRpp2が、閾値Rth1より小さくなれば、可変利得増幅回路1の利得設定のみで可変利得増幅回路1、2の出力は、均衡したものとして利得設定を終了する。
【0072】
振幅レベルΔRpp2が振幅レベルΔRpp1より大きい場合(ステップS204−YES)、可変利得増幅回路1の利得上昇に伴って取り込まれる振幅レベルΔRpp2が大きくなっていることが判る。したがって、これ以上可変利得増幅回路1の利得を上げることはせず、可変利得増幅回路2の利得を調整する。システムコントローラ8は、制御信号Gbにより利得を所定の値だけ上げるように可変利得増幅回路2に指示する(ステップS205)。
【0073】
可変利得増幅回路2が利得を上昇させた後、システムコントローラ8は、振幅レベルを取り込み、取り込んだ振幅レベルの値をΔRpp3とする。振幅レベルΔRpp3が、閾値Rth1以下か否かを判定する(ステップS206)。振幅レベルΔRpp3が、閾値Rth1以下であれば、可変利得増幅回路1、2の出力は、均衡しているものと判断し、可変利得増幅回路1、2の利得の設定は終了する(ステップS206−NO)。
【0074】
振幅レベルΔRpp3が、閾値Rth1を越える場合(ステップS206−YES)、システムコントローラ8は、先に取り込んだ振幅レベルΔRpp1と、可変利得増幅回路2の利得を上昇した後に取り込んだ振幅レベルΔRpp3とを比較する(ステップS207)。即ち、可変利得増幅回路2の利得変更が与える振幅レベルΔRppへの影響を調べる。振幅レベルΔRpp1が、振幅レベルΔRpp3より大きい場合(ステップS207−NO)、可変利得増幅回路2の利得を上げたことにより振幅レベルΔRppが引き下げられたことになる。これは、更に利得を上昇させることにより振幅レベルΔRppをより小さくすることができる可能性が有ることを意味する。したがって、ステップS205に戻り、可変利得増幅回路2の利得を上げる。このループを繰り返すうちに取り込む振幅レベルΔRpp3が、閾値Rth1より小さくなれば、可変利得増幅回路2の利得設定で可変利得増幅回路1、2の出力は、均衡したものとして利得設定を終了する。
【0075】
振幅レベルΔRpp3が振幅レベルΔRpp1より大きい場合(ステップS207−YES)、可変利得増幅回路2の利得上昇に伴って取り込まれる振幅レベルΔRpp3が大きくなっていることが判る。即ち、可変利得増幅回路1の利得を変えても、可変利得増幅回路2の利得を変えても振幅レベルΔRppは、ある値より下がらない。振幅レベルΔRppの最小値になるように可変利得増幅回路1、2の利得を調整するため、可変利得増幅回路1、2の利得を初期値に戻し、さらに振幅レベルの閾値Rth1を所定の値だけ上げ(ステップS208)、ステップS201に戻って一連の動作を繰り返す。このようにして可変利得増幅回路1と可変利得増幅回路2の出力の均衡を調整する。
【0076】
可変利得増幅回路1と可変利得増幅回路2の利得の設定が終了すると、システムコントローラ8は、自動利得制御回路3、4を自動利得制御モード、即ち出力振幅を一定レベルにする動作に戻す。図4に示されるように、システムコントローラ8は、その振幅レベルを制御するために振幅基準レベル信号REFa、REFbを調整する。図4を参照して、自動利得制御回路3、4の振幅基準レベル設定について詳細に説明する。
【0077】
図4は、自動利得制御回路3、4の振幅基準レベルの設定動作の流れを示すフローチャートである。可変利得増幅回路1、2は、出力差が最小となるように利得が設定されている。ここでは、システムコントローラ8は、自動利得制御回路3、4の出力のRF信号成分がバランスするように、即ち振幅レベルΔRppが閾値Rth2以下になるように自動利得制御回路3、4の振幅基準レベルを調整する。
【0078】
設定動作の始めに、システムコントローラ8は初期設定を行う。まず、システムコントローラ8は、自動利得制御回路3、4を自動利得制御モードに設定する。自動利得制御回路3、4は、自動利得制御モードで動作し、出力振幅が与えられる振幅基準レベルになるように利得が制御される。閾値Rth2は、予め定められた初期設定閾値に設定される(ステップS210)。
【0079】
次に、システムコントローラ8は、レベル検出回路7の出力である振幅レベルを取り込み、取り込んだ値をΔRpp1とする。振幅レベルΔRpp1が、閾値Rth2以下か否かを判定する(ステップS211)。振幅レベルΔRpp1が閾値Rth2以下であれば、自動利得制御回路3、4の出力に含まれるRF信号成分は、均衡しているものと判断し、自動利得制御回路3、4の振幅基準レベルの設定は終了する(ステップS211−NO)。
【0080】
振幅レベルΔRpp1が、閾値Rth2を越える場合(ステップS211−YES)、システムコントローラ8は、自動利得制御回路3の出力振幅を大きくするため、振幅基準レベル信号REFaを所定の値だけ上げる(ステップS212)。
【0081】
自動利得制御回路1が出力振幅を振幅基準レベルに合せた後、システムコントローラ8は、振幅レベルΔRppを取り込み、取り込んだ値をΔRpp2とする。振幅レベルΔRpp2が、閾値Rth2以下か否かを判定する(ステップS213)。振幅レベルΔRpp2が、閾値Rth2以下であれば、自動利得制御回路3、4の出力に含まれるRF信号成分は均衡しているものと判断し、自動利得制御回路3、4の振幅基準レベルの設定は終了する(ステップS213−NO)。
【0082】
振幅レベルΔRpp2が、閾値Rth2を越える場合(ステップS213−YES)、システムコントローラ8は、先に取り込んだ振幅レベルΔRpp1と、自動利得制御回路3の振幅基準レベルを上げた後に取り込んだ振幅レベルΔRpp2とを比較する(ステップS214)。即ち、自動利得制御回路3の振幅基準レベル変更が与える振幅レベルΔRppへの影響を調べる。振幅レベルΔRpp1が、振幅レベルΔRpp2より大きい場合(ステップS214−NO)、自動利得制御回路3の振幅基準レベルを上げたことにより振幅レベルΔRppが引き下げられたことになる。これは、更に自動利得制御回路3の振幅基準レベルを上昇させることにより振幅レベルΔRppをより小さくすることができる可能性が有ることを意味する。したがって、ステップS212に戻り、自動利得制御回路3の利得を上げる。このループを繰り返すうちに取り込む振幅レベルΔRpp2が、閾値Rth2より小さくなれば、自動利得制御回路3の振幅基準レベル設定のみで自動利得制御回路3、4の出力に含まれるRF信号成分は、均衡したものとして振幅基準レベル設定を終了する。
【0083】
振幅レベルΔRpp2が振幅レベルΔRpp1より大きい場合(ステップS214−YES)、自動利得制御回路3の振幅基準レベル上昇に伴って取り込まれる振幅レベルΔRpp2が大きくなっていることが判る。したがって、これ以上自動利得制御回路3の振幅基準レベルを上げることはせず、自動利得制御回路4の振幅基準レベルを調整する。システムコントローラ8は、振幅基準レベル信号REFbを所定の値だけ上げる(ステップS215)。
【0084】
自動利得制御回路4の振幅基準レベルを上昇させた後、システムコントローラ8は、振幅レベルΔRppを取り込み、取り込んだ振幅レベルの値をΔRpp3とする。振幅レベルΔRpp3が、閾値Rth2以下か否かを判定する(ステップS216)。振幅レベルΔRpp3が、閾値Rth2以下であれば、自動利得制御回路3、4の出力に含まれるRF信号成分は均衡しているものと判断し、自動利得制御回路3、4の振幅基準レベルの設定は終了する(ステップS216−NO)。
【0085】
振幅レベルΔRpp3が、閾値Rth2を越える場合(ステップS216−YES)、システムコントローラ8は、先に取り込んだ振幅レベルΔRpp1と、自動利得制御回路4の振幅基準レベルを上昇させた後に取り込んだ振幅レベルΔRpp3とを比較する(ステップS217)。即ち、自動利得制御回路4の振幅基準レベル変更が与える振幅レベルΔRppへの影響を調べる。振幅レベルΔRpp1が、振幅レベルΔRpp3より大きい場合(ステップS217−NO)、自動利得制御回路4の振幅基準レベルを上げたことにより振幅レベルΔRppが引き下げられたことになる。これは、更に振幅基準レベルを上昇させることにより振幅レベルΔRppをより小さくすることができる可能性が有ることを意味する。したがって、ステップS215に戻り、自動利得制御回路4の振幅基準レベルを上げる。このループを繰り返すうちに取り込む振幅レベルΔRpp3が、閾値Rth2より小さくなれば、AGC路4の振幅基準レベル設定で自動利得制御回路3、4の出力に含まれるRF信号成分は、均衡したものとして振幅基準レベル設定を終了する。
【0086】
振幅レベルΔRpp3が振幅レベルΔRpp1より大きい場合(ステップS217−YES)、自動利得制御回路4の振幅基準レベル上昇に伴って取り込まれる振幅レベルΔRpp3が大きくなっていることが判る。即ち、自動利得制御回路3の振幅基準レベルを変えても、自動利得制御回路4の振幅基準レベルを変えても振幅レベルΔRppは、ある値より下がらない。振幅レベルΔRppの最小値になるように自動利得制御回路3、4の振幅基準レベルを調整するため、自動利得制御回路3、4の振幅基準レベルを初期値に戻し、さらに振幅レベルの閾値Rth2を所定の値だけ引き上げ(ステップS218)、ステップS211に戻って一連の動作を繰り返す。このようにして自動利得制御回路3と自動利得制御回路4の出力に含まれるRF信号成分の均衡を調整する。
【0087】
このように、可変利得増幅回路1、2の利得設定を行い、自動利得制御回路3、4の振幅基準レベルの設定を行うことにより、ウォブル信号Wに含まれるRF信号成分の最小化を行うことができる。また、可変利得増幅回路1、2の利得は、自動利得制御回路3、4の入力信号の振幅がほぼ同じレベルになるように設定される。したがって自動利得制御回路3、4の周波数特性はほぼ同じになるため、図8に示されるような入力信号の周波数成分により利得が異なる現象は発生しない。
【0088】
図3に示されるような可変利得増幅回路の利得設定と、図4に示されるような自動利得制御回路の振幅基準レベル設定は、それぞれ繰り返し行ってもよいし、図3に示される可変利得増幅回路の利得設定により可変利得増幅回路を調整し、その後、図4に示される自動利得制御回路の振幅基準レベル設定だけを繰り返してもよい。
【0089】
また、閾値Rth1と閾値Rth2は同じであってもよいし、異なる値であってもよい。さらに、図3、図4に示したフローチャートでは、利得や振幅基準レベルは上昇のみの一方向で説明したが、一方を上げ、一方を下げる方法でもよい。
【0090】
さらに、本実施の形態においては、閾値Rth1と閾値Rth2はウォブル信号の精度を高めるために最小値から徐々に引き上げられるように説明した。閾値Rth1と閾値Rth2を許容できる最大値から徐々に引き下げるように制御することも可能である。各回路のばらつきが大きい場合などにおいては、これにより収束を早めることが可能となる。なお、閾値Rth1と閾値Rth2とを許容できる最大値としても可変利得増幅回路の利得設定や自動利得制御回路の振幅基準レベル設定が収束しない場合は、例外処理を実行するように構成されることは言うまでもない。
【0091】
以上説明したように、演算(A+D)−(B+C)を行う減算回路5の後段にRF信号成分を抽出する高域通過フィルタ6を追加する。抽出されたRF信号成分の振幅値を最小(ほぼ0レベル)になるように可変利得増幅回路のゲイン、自動利得制御回路の振幅を調整するフィードバックループを形成する。このようなフィードバックループを追加することによって、RF信号成分の無いウォブル信号成分が抽出でき、光ディスクの再生、記録の安定動作が可能となる。図5に示される従来の回路構成の場合、減算回路57は、振幅を制御するフィードバックループの外に配置されるため、減算回路57の特性の補正を行うことができない。図1に示されるように、本発明では目的のウォブル信号Wに含まれるRF信号成分を除去するようにフィードバック制御するため、高精度にウォブル信号成分を抽出することが可能になる。
【0092】
即ち、減算回路5を含めてフィードバックループが形成されるため、減算回路5に特性のばらつきが有ったとしても、高精度にウォブル信号成分を抽出することが可能になる。
【0093】
また、可変利得増幅回路1、2の出力のRF信号成分の振幅レベルを合わせることにより、自動利得制御回路3、4の周波数特性を合わせることができる。そのため、自動利得制御回路の周波数特性の依存性も減ずることができ、RF信号成分を除去したウォブル信号成分を抽出することが可能になる。
【0094】
さらに、高精度にウォブル信号成分を抽出することが可能になるため、従来は必要であった帯域通過フィルタ59を取り除くことが可能になり、チップ面積を小さくすることができる。したがって、コストダウンが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施の形態に係る光ディスク再生装置のウォブル信号を抽出する回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るレベル検出回路の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る可変利得増幅回路の利得設定動作の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る自動利得制御回路の振幅基準レベル設定動作の流れを示すフローチャートである。
【図5】従来の光ディスク再生装置のウォブル信号を抽出する回路の構成を示すブロック図である。
【図6】自動利得制御回路の構成を示すブロック図である。
【図7】自動利得制御回路の周波数特性を説明する図である。
【図8】波形の例を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
1、2 可変利得増幅回路
3、4 自動利得制御回路
5 減算回路
6 高域通過フィルタ
7 振幅レベル検出回路
8 システムコントローラ
9 光ピックアップ
11 ピークホールド回路
12 ボトムホールド回路
13 減算回路
51、52 可変利得増幅回路
53、54 自動利得制御回路
55、56 ピークホールド回路
57、58 減算回路
59 帯域通過フィルタ
60 光ピックアップ
71 可変利得増幅器
74 比較回路
73 ピーク検出回路
72 高域通過フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ピックアップから出力される信号を所定の振幅になるように増幅する増幅部と、
前記増幅部から出力される信号に基づいてウォブル信号を生成する抽出部と、
前記抽出部から出力される前記ウォブル信号に残留するRF信号成分に基づいて前記増幅部を制御する制御信号を生成する制御信号生成部と
を具備し、
高精度に前記ウォブル信号を生成する光ディスク再生装置。
【請求項2】
前記増幅部は、
前記光ピックアップから出力される信号のうちの2つの信号を演算して増幅し、第1信号を出力する第1増幅部と、
前記光ピックアップから出力される信号のうちの他の2つの信号を演算して増幅し、第2信号を出力する第2増幅部と
を備え、
前記抽出部は、前記第1信号と前記第2信号との差分を求める減算器を備え、
前記減算器は、前記差分に基づいて前記ウォブル信号を出力する
請求項1に記載の光ディスク再生装置。
【請求項3】
前記制御信号生成部は、前記ウォブル信号に含まれる前記残留するRF信号成分を抽出する高域通過フィルタを備え、
前記残留するRF信号成分の振幅に基づいて前記制御信号を生成する
請求項1または請求項2に記載の光ディスク再生装置。
【請求項4】
前記制御信号生成部は、
前記残留するRF信号成分の振幅レベルを検出するレベル検出回路と、
前記レベル検出回路により検出される前記振幅レベルに基づいて前記制御信号を生成する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記振幅レベルが所定の閾値以下になるように前記制御信号を生成する
請求項1から請求項3のいずれかに記載の光ディスク再生装置。
【請求項5】
前記第1増幅部は、出力する信号のRF信号成分の振幅が、前記制御信号に含まれる第1振幅制御信号により指定される第1振幅基準レベルになるように自動的に利得を制御する第1自動利得制御増幅器を備え、
前記第2増幅部は、出力する信号のRF信号成分の振幅が、前記制御信号に含まれる第2振幅制御信号により指定される第2振幅基準レベルになるように自動的に利得を制御する第2自動利得制御増幅器を備え、
前記制御部は、前記振幅レベルが所定の閾値以下になるように前記第1振幅制御信号と前記第2振幅制御信号とを生成する
請求項4に記載の光ディスク再生装置。
【請求項6】
前記第1増幅部は、前記制御信号に含まれる第1利得制御信号により利得が制御される第1利得制御増幅器を備え、
前記第2増幅部は、前記制御信号に含まれる第2利得制御信号により利得が制御される第2利得制御増幅器を備え、
前記制御部は、前記振幅レベルが所定の閾値以下になるように前記第1利得制御信号と前記第2利得制御信号とを生成する
請求項4または請求項5に記載の光ディスク再生装置。
【請求項7】
前記制御信号は、前記第1自動利得制御増幅器の自動利得制御機能と、前記第2自動利得制御増幅器の自動利得制御機能を停止させる自動利得制御停止信号を含み、
前記制御部は、
前記自動利得制御停止信号により前記第1自動利得制御増幅器の自動利得制御機能と前記第2自動利得制御増幅器の自動利得制御機能とを停止させ、
前記第1利得制御増幅器の出力信号が所定のレベル範囲内になるように前記第1利得制御増幅器の利得を調整し、
前記レベル検出回路により検出される前記振幅レベルが所定の閾値以下になるように前記第2利得制御増幅器の利得を調整する
請求項6に記載の光ディスク再生装置。
【請求項8】
前記第1利得制御増幅器の出力信号が制御される前記所定のレベル範囲は、前記第1自動利得制御増幅器と前記第2自動利得制御増幅器の自動利得制御機能の周波数特性が前記ウォブル信号の周波数帯域において平坦になるように設定される
請求項7に記載の光ディスク再生装置。
【請求項9】
前記高域通過フィルタは、前記ウォブル信号の周波数に応じてカットオフ周波数を切り替える
請求項3から請求項8のいずれかに記載の光ディスク再生装置。
【請求項10】
前記振幅レベル検出部は、
正の波高値を検出するピークホールド回路と、
負の波高値を検出するボトムホールド回路と、
前記ピークホールド回路から出力されるピーク値から、前記ボトムホールド回路から出力されるボトム値を減算する減算器と
を備え、
前記高域通過フィルタの出力の振幅レベルを検出する
請求項4から請求項9のいずれかに記載の光ディスク再生装置。
【請求項11】
光ピックアップから出力される信号のうち2つの信号を演算して増幅する第1増幅ステップと、
前記光ピックアップから出力される信号のうち他の2つの信号を演算して増幅する第2増幅ステップと、
前記第1増幅ステップで生成される第1信号と、前記第2増幅ステップで生成される第2信号との差分を求め、前記差分に基づいてウォブル信号を出力する抽出ステップと、
前記ウォブル信号に含まれるRF信号成分を抽出する高域抽出ステップと、
前記高域抽出ステップで抽出する前記RF信号成分が所定の閾値以下になるように前記第1増幅ステップと前記第2ステップを制御する増幅制御ステップと
を具備するウォブル信号検出方法。
【請求項12】
前記第1増幅ステップは、
前記増幅制御ステップにより利得が指定されて信号を増幅する第1利得制御増幅ステップと、
前記増幅制御ステップにより出力振幅が指定されて信号を増幅する第1自動利得制御ステップとを備え、
前記第2増幅ステップは、
前記増幅制御ステップにより利得が指定されて信号を増幅する第2利得制御増幅ステップと、
前記増幅制御ステップにより出力振幅が指定されて信号を増幅する第2自動利得制御ステップとを備え、
前記増幅制御ステップは、前記第1利得制御増幅ステップと前記第2利得制御増幅ステップとの利得を設定した後、前記第1自動利得制御ステップと前記第2自動利得制御ステップとの出力振幅を設定する
請求項11に記載のウォブル信号検出方法。
【請求項13】
前記増幅制御ステップは、自動利得制御機能停止ステップを含み、
前記自動利得制御機能停止ステップは、前記第1自動利得制御ステップの自動利得制御機能と、前記第2自動利得制御ステップの自動利得制御機能を停止させ、
前記増幅制御ステップは、前記自動利得制御機能停止ステップにより前記自動利得制御機能を停止させて前記第1利得制御増幅ステップと前記第2利得制御増幅ステップの利得を調整する
請求項12に記載のウォブル信号検出方法。
【請求項14】
前記増幅制御ステップは、
前記自動利得制御機能停止ステップにより前記第1自動利得制御ステップの自動利得制御機能と前記第2自動利得制御ステップの自動利得制御機能とを停止させ、
前記第1利得制御増幅ステップの出力信号が所定のレベル範囲内になるように前記第1利得制御増幅ステップの利得を調整し、
前記高域抽出ステップで抽出する前記RF信号成分が所定の閾値以下になるように前記第2利得制御増幅ステップの利得を調整する
請求項13に記載のウォブル信号検出方法。
【請求項15】
前記第1利得制御増幅ステップの出力信号が制御される前記所定のレベル範囲は、前記第1自動利得制御ステップと前記第2自動利得制御ステップの自動利得制御機能の周波数特性が前記ウォブル信号の周波数帯域において平坦になるように設定される
請求項14に記載のウォブル信号検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−59447(P2006−59447A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−240270(P2004−240270)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】