説明

光ディスク装置、受光レベル補正値取得方法、プログラム

【課題】複数のフォーマットのディスクに対応する光ディスク装置に関して、個体ばらつきに起因する受光信号レベルのばらつき補正のための補正値を求める工程に要する時間を短縮化して、製品コストの削減を図る。
【解決手段】フォーマットごとの補正値の取得を、共通の反射体を用いて行うものとする。これにより、各フォーマットの基準ディスクを用いてそれぞれのフォーマットの補正値の取得を行う従来との比較で、補正値を求める工程に要する時間を効果的に短縮でき、結果、補正値を求めるための工程に要する人件費等を削減でき、製品コストの削減を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、光ディスク記録媒体についての記録又は再生を行う光ディスク装置とその受光レベル補正値取得方法、及び光ディスク装置において実行されるべきプログラムに関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2000−207766号公報
【背景技術】
【0003】
例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-lay Disc:登録商標)などの光ディスク記録媒体(以下、光ディスクとも表記)が広く普及している。
【0004】
これら光ディスクについて記録又は再生を行う光ディスク装置では、光学ピックアップの光学系や受光素子の個体ばらつきに起因して生じる受光信号レベルのばらつきを補正するため、個体ごとに受光信号のレベル調整を行うのが一般的である。
このような個体ばらつきを補正するための補正値は、基準ディスクを用いて求めるものとされる。具体的には、基準ディスクを用いた場合に得られる受光信号レベルを基準レベルとし、個々の製品で基準ディスクを装填して得られた受光信号レベルが当該基準レベルに一致するように、その個体にて設定されるべき補正値を求めるというものである。
このようにして求めた補正値に基づき、個々の個体が受光信号のレベルを調整することで、個体ばらつきを効果的に抑制することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、光ディスク装置としては、1台で複数のフォーマットのディスクに対応可能に構成されたものがある。例えば、BD、DVD、CDの3種のフォーマットのディスクに対応するものがある。
【0006】
このように複数のフォーマットに対応する光ディスク装置では、上記のような個体ばらつき補正のための補正値は、それぞれのフォーマットごとに求めることになる。すなわち、例えばBD、DVD、CDの各光学特性に対応した、3種の補正値をそれぞれ求めておくものである。
【0007】
このため従来においては、複数のフォーマットに対応する光ディスク装置についてのばらつき補正のための補正値は、それぞれのフォーマットの基準ディスクを用いて求めるようにされている。
【0008】
しかしながら、このように各フォーマットの基準ディスクをそれぞれ用いて補正値を求めるということは、その分、補正値を求める工程に要する時間が増加するものとなり、結果、人件費等の増加に伴い製品コストの増加を招いてしまう。
【0009】
本技術はかかる問題点に鑑み為されたものであり、複数のフォーマットのディスクに対応する光ディスク装置に関して、個体ばらつきの補正のための補正値を求める工程に要する時間を短縮化して、製品コストの削減を図ることをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題の解決のため、本技術では光ディスク装置として以下のように構成することとした。
つまり、本技術の光ディスク装置は、複数の光ディスク記録媒体のフォーマットにそれぞれ対応した複数の光源を備える。
また、上記光源より出射された光を対物レンズを介して出射すると共に、当該対物レンズを介して得られる戻り光を受光する光照射/受光部を備える。
また、上記光照射/受光部で得られた受光信号のレベル調整を行うレベル調整部を備える。
また、上記複数の光源より出射された光を反射率が既知である共通の反射体にそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得すると共に、それら取得した受光信号レベルと、上記フォーマットごとに定められた上記受光信号の基準レベルとに基づき、上記フォーマットごとに、上記受光信号レベルを上記基準レベルに補正するための補正値を求める補正値取得部を備えるものである。
【0011】
上記のように本技術では、フォーマットごとの補正値の取得を、共通の反射体を用いて行うものとしている。これにより、各フォーマットの基準ディスクを用いてそれぞれのフォーマットの補正値取得を行う従来との比較で、補正値を求める工程に要する時間を効果的に短縮できる。
【発明の効果】
【0012】
本技術によれば、複数のフォーマットのディスクに対応する光ディスク装置に関して、個体ばらつき補正のための各フォーマットごとの補正値を求める工程に要する時間を効果的に短縮できる。
この結果、補正値を求めるための工程に要する人件費等を削減でき、製品コストの削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施の形態としての光ディスク装置の内部構成を示した図である。
【図2】第1の実施の形態としての補正値取得手法についての説明するための図である。
【図3】第1の実施の形態としての補正値取得手法を実現するために実行されるべき処理の手順を示したフローチャートである。
【図4】第2の実施の形態の光ディスク装置の構成について説明するための図である。
【図5】第2の実施の形態としての補正値取得手法についての説明するための図である。
【図6】第2の実施の形態としての補正値取得手法を実現するために実行されるべき処理の手順を示したフローチャートである。
【図7】第3の実施の形態の光ディスク装置の内部構成を示した図である。
【図8】反射体が形成された突起部の形成位置の例を示した図である。
【図9】第3の実施の形態としての補正値取得手法について説明するための図である。
【図10】第3の実施の形態としての補正値取得手法を実現するために実行されるべき処理の手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本技術に係る実施の形態について説明する。
なお、説明は以下の順序で行う。

<1.第1の実施の形態(記録面使用による補正値取得手法)>
[1-1.光ディスク装置の構成例]
[1-2.第1の実施の形態の補正値取得手法]
[1-3.処理手順]
<2.第2の実施の形態(表面使用による補正値取得手法)>
[2-1.光ディスク装置の構成例]
[2-2.第2の実施の形態の補正値取得手法]
[2-3.処理手順]
<3.第3の実施の形態(ドライブに設けた反射体使用による補正値取得手法)>
[3-1.光ディスク装置の構成例]
[3-2.第3の実施の形態の補正値取得手法]
[3-3.処理手順]
<4.変形例>
【0015】
<1.第1の実施の形態(記録面使用による補正値取得手法)>
[1-1.光ディスク装置の構成例]

図1は、本技術に係る第1の実施の形態としての光ディスク装置(光ディスク装置1とする)の内部構成を示している。
先ず、図中の光ディスクDは、円盤状の光記録媒体(光ディスク記録媒体)である。ここで、光記録媒体とは、光の照射により情報の記録又は再生が行われる記録媒体を指す。
【0016】
本例の光ディスク装置1は、光ディスクDとして、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc:登録商標)にそれぞれ対応してその記録及び再生が可能に構成されている。
【0017】
光ディスクDは、光ディスク装置1に装填されると、そのセンターホールがクランプされた状態で図中のスピンドルモータ(SPM)2により例えば線速度一定制御等の所定の回転制御方式に従って回転駆動される。
【0018】
光ディスク装置1には、このように回転駆動される光ディスクDに対して情報の記録/再生を行うためのレーザ光の照射、及び光ディスクDに照射された当該レーザ光の反射光(戻り光)を受光するための光学ピックアップOPが設けられる。
【0019】
光学ピックアップOP内には、上記レーザ光の光源となるレーザダイオードが設けられた発光部3が備えられている。
本実施の形態の光ディスク装置1は、CD、DVD、BDのそれぞれに対応して記録/再生を行うため、当該発光部3には、CD用レーザ(波長=780nm程度)、DVD用レーザ(波長=650nm程度)、及びBD用レーザ(波長=405nm程度)がそれぞれ設けられる。
【0020】
また、光学ピックアップOP内には、発光部3より発光されるそれぞれのレーザ光を光ディスクDに集光するための対物レンズ4、及び当該対物レンズ4を光ディスクDに接離する方向(フォーカス方向)及び半径方向(トラッキング方向)に変位可能に保持する2軸アクチュエータ5が設けられる。
【0021】
また、光学ピックアップOP内には、対物レンズ4を介して得られる光ディスクDからの反射光を受光するためのフォトディテクタを具備する受光部6が備えられる。
この受光部6が備えるフォトディテクタ(受光素子)としては、BD,DVD,CDの全てに共通となるものを備えるようにしてもよいし、或いはBD用とDVD・CD用とで個別に設けるものとしてもよい。個別に設けられる場合は、点灯したレーザに対応するフォトディテクタの受光信号のみが選択的に出力されるように構成しておく。
【0022】
また、光学ピックアップOP内には、発光部3より出射されたレーザ光を対物レンズ4に導き、且つ上記反射光を受光部6に導くための光学系が備えられている。
【0023】
また、光学ピックアップOP全体は、図中のスライド駆動部7により、トラッキング方向にスライド移動可能に保持されている。
【0024】
光学ピックアップOPに設けられた発光部3において、CD用レーザ、DVD用レーザ、BD用レーザのそれぞれは、発光駆動部14により個別に発光駆動可能とされる。具体的に、発光部14は、コントローラ12からの指示に応じてCD用レーザ、DVD用レーザ、BD用レーザを個別に(選択的に)発光駆動する。
【0025】
記録時においては、発光駆動部14が記録データに従って発光部3における対応するレーザ(コントローラ12により指示されたレーザ)を記録パワーで発光駆動することで、光ディスクDに対する記録を実現する。
また再生時には、発光駆動部14が発光部3における対応するレーザを再生パワーにより発光駆動することで、光ディスクDからの情報読み出しが行われるようにする。
【0026】
光学ピックアップOPに設けられた受光部6による受光信号は、レベル調整部8に供給される。レベル調整部8は、コントローラ12からの指示に応じて受光部6からの受光信号のレベル調整(ゲイン調整)を行う。
レベル調整部8によりレベル調整された受光信号は、信号生成回路9に供給される。
【0027】
信号生成回路9は、レベル調整部8を介して供給される受光信号に基づき、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データを得るための高周波信号(再生データ信号:以下RF信号と表記)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号FE、及びトラッキングエラー信号TEを生成する。また、全光量信号としてのPull-In信号も生成する。
ここで、フォーカスエラー信号FEは、光ディスクDに形成された記録面(反射面)に対する上記レーザ光の合焦位置の誤差を表す信号である。またトラッキングエラー信号TEは、上記記録面に形成されたトラック(ピット列又はグルーブ)に対する上記レーザ光の照射スポットのトラッキング方向における位置誤差を表す信号となる。
【0028】
信号生成回路9が生成したRF信号は、図示は省略した再生処理部に供給され、データ再生、クロック生成等に用いられる。
【0029】
また、信号生成回路9が生成したPull-In信号は、コントローラ12に対して供給される。
【0030】
また、フォーカスエラー信号FE及びトラッキングエラー信号TEは、サーボ回路10へ供給される。
サーボ回路10は、これらフォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEからフォーカス、トラッキング、スレッドの各種サーボ信号を生成し、サーボ動作を実行させる。
すなわち、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信号TEに応じてフォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号をそれぞれ生成し、これらを2軸ドライバ11に与える。
2軸ドライバ14は、これらフォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号に基づき生成したフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号により、2軸アクチュエータ5のフォーカスコイル、トラッキングコイルをそれぞれ駆動する。これにより、2軸アクチュエータ5→レベル調整部8→信号生成回路9→サーボ回路10→2軸ドライバ11→2軸アクチュエータ5・・・によるフォーカスサーボループ及びトラッキングサーボループがそれぞれ形成される。
【0031】
また、サーボ回路10は、トラッキングエラー信号TEの低域成分として得られるスライドエラー信号や、コントローラ12からのアクセス実行制御などに基づいてスライドドライブ信号を生成し、スライド駆動部7を駆動する。スライド駆動部7は、図示は省略したが、光学ピックアップOPを保持するメインシャフト、スライドモータ、伝達ギア等による機構を有し、上記スライドドライブ信号に応じて上記スライドモータを駆動することで、光学ピックアップOPの所要のスライド移動を実現する。
【0032】
コントローラ12は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えたマイクロコンピュータで構成され、例えば上記ROM等のメモリに格納されたプログラムに従った制御・処理を実行することで、光ディスク装置1の全体制御を行う。
例えばコントローラ12は、サーボ回路10に指示を出すことにより、スライド駆動部7によって所定の位置(アドレス)に光学ピックアップOPを移動させる。またコントローラ12は、前述した発光駆動部14に対する指示を行って発光部3における所望のレーザを点灯/消灯させる。
【0033】
コントローラ12に対しては、メモリ13が設けられる。
図示するようにメモリ13には、制御プログラム13aが記憶されると共に、BD用センター値13b、DVD用センター値13c、及びCD用センター値13dが記憶されている。
ここで、制御プログラム13aは、後の図3に示す処理をコントローラ12に実行させるためのプログラムとなる。
なお、メモリ13に格納されるBD用センター値13b、DVD用センター値13c、及びCD用センター値13dの詳細については後述する。
【0034】
[1-2.第1の実施の形態の補正値取得手法]

ここで、光学ピックアップOPでは、光学系を構成する各種光学素子や受光部6が有する受光素子などで個体ばらつきが発生し、受光部6で得られる受光信号レベルが個体ごとにばらつくことになる。このばらつきを吸収するため、個々の光ディスク装置1において、レベル調整部6を用いた受光信号レベルの補正を行うようにされている。
【0035】
このとき、光学ピックアップOPとしては、光学素子やフォトディテクタ(OEIC)がBD用とDVD・CD用とで別であったり、共通であっても受光信号レベルが異なることがある。従って、受光信号レベルの補正値としては、各フォーマットごとに個別に求めるということが必要となる。
【0036】
このため従来では、受光信号レベルについての補正値を、それぞれのフォーマットに準拠した基準ディスクを用いて個別に求めるようにされていた。具体的には、BDフォーマットに対応する補正値はBDフォーマットに準拠した基準ディスクを用いて求め、DVDフォーマットに対応する補正値はDVDフォーマットに準拠した基準ディスクを用いて求め、CDフォーマットに対応する補正値はCDフォーマットに準拠した基準ディスクを用いて求めるようにしていたものである。
【0037】
しかしながら、このように各フォーマットの基準ディスクをそれぞれ用いて補正値を求めるということは、その分、補正値を求める工程に要する時間が増加するものとなり、結果、人件費等の増加に伴い製品コストの増加を招くものとなってしまう。
【0038】
そこで本実施の形態では、各フォーマットに対応した補正値を、共通の反射体を用いて行うという手法を提案する。
具体的に、本実施の形態では、上記共通の反射体として、その反射率が既知である基準ディスクとしての光ディスク記録媒体の反射面を用いるものとする。より具体的には、上記基準ディスクとして、BDフォーマット準拠の基準ディスクを用いるものとし、当該BDの基準ディスクの記録面に対してBD、DVD、CDの各レーザ光を集光したときの受光信号レベルをそれぞれ検出した結果に基づき、BD、DVD、CDの各フォーマットごとの受光レベル補正値を求めるものとする。
【0039】
ここで、このような基準ディスクを用いた補正値の取得を行うとしたときは、予め、当該基準ディスクを用いたときに得られる基準となる受光信号レベル(基準レベル)が個々の光ディスク装置1に対して設定されている必要がある。
具体的に、この基準レベルとしては、センター品とされる光学ピックアップOPを用いて上記基準ディスクの記録面にレーザ光を集光して得られる受光信号レベルを予め求めておけばよい。
ここで、上記センター品とは、光学ピックアップOPの各種パラメータの値が、仕様で規定される値の範囲のちょうどセンター値近傍に位置している製品を意味するものである。
【0040】
図1に示したBD用センター値13b、DVD用センター値13c、CD用センター値13dは、このようなセンター品によって上記基準ディスクの記録面にレーザ光を集光したときに得られる受光信号レベル(以下、センター値と称する)を指す。
具体的に、BD用センター値13bは、センター品としての光学ピックアップOPによってBD用レーザを上記基準ディスクの記録面に集光させたときに得られる受光信号レベルを指し、DVD用センター値13cは、センター品としての光学ピックアップOPによってDVD用レーザを上記基準ディスクの記録面に集光させたときに得られる受光信号レベルを指すものである。同様に、CD用センター値13dは、センター品としての光学ピックアップOPによってCD用レーザを上記基準ディスクの記録面に集光させたときに得られる受光信号レベルを指す。
【0041】
なお、このようなセンター値については、実際に工程で用いられる基準ディスクについてセンター品を用いて実測するものとしてもよいが、補正値を求める工程を複数の基準ディスクを用いて分担して行う(つまり並列的に行う)ことによって工程の時間短縮を図るという手法が採られる場合には、それら基準ディスクの個々についてセンター品を用いた受光信号レベルの実測を行わなければならないこととなって好ましくない。このように複数の基準ディスクを用いて工程の時間短縮を図るとした場合には、センター値は、例えば光学ピックアップOPの受光信号レベルの見積もりからのずれ量と記録面信号の値を複数台とり、その相関を取るなどして求めることが望ましい。
【0042】
図2は、第1の実施の形態としての補正値取得手法についての説明するための図である。
この図2では、BD用レーザ(BDLD)を点灯してBD基準ディスクに対しフォーカスサーチを行ったときの受光信号出力(図2A)、DVD用レーザ(DVDLD)を点灯してBD基準ディスクに対しフォーカスサーチを行ったときの受光信号出力(図2B)、CD用レーザ(CDLD)を点灯してBD基準ディスクに対しフォーカスサーチを行ったときの受光信号出力(図2C)をそれぞれ示している。
【0043】
第1の実施の形態の補正値取得手法では、先ずはBD用レーザを点灯してBD基準ディスクに対してフォーカスサーチを行う。
このフォーカスサーチによっては、図2Aに示すように、受光信号には表面反射信号Rs_bdとしての1つの目のピークと、記録面反射信号Rr_bdとしての2つ目のピークが現れることになる。
【0044】
また、本実施の形態では、このようなBD用レーザによるフォーカスサーチを行った後、DVD用レーザによるフォーカスサーチ、及びCD用レーザによるフォーカスサーチを行う。
図2Bによると、DVD用レーザによるフォーカスサーチを行った場合、受光信号には表面反射信号Rs_dvdとしての1つの目のピークと、記録面反射信号Rr_dvdとしての2つ目のピークが現れる。また図2Cによれば、CD用レーザによるフォーカスサーチを行った場合、受光信号には表面反射信号Rs_cdとしての1つの目のピークと、記録面反射信号Rr_cdとしての2つ目のピークが現れる。
なお、これらDVD用レーザ、CD用レーザを用いた場合の各ピークの間隔は、BD用レーザを用いた場合の各ピークの間隔と比較して非常に近接したものとなる。これは、各レーザについての開口数(NA)が異なることに起因した解像度の差に依るものである。
【0045】
この図2を参照して分かるように、何れのフォーマットのレーザを用いた場合にも、フォーカスサーチにより記録面での受光信号レベル(記録面に集光時の受光信号レベル)を取得することができる。
このとき、表面に対して記録面の反射率は十分に高いので、記録面での受光信号レベルは、何れの場合も、フォーカスサーチを行った際の受光信号の最大値を検出することで取得できる。
【0046】
本実施の形態では、このようにフォーカスサーチを行った際の受光信号の最大値を検出することで、BD、DVD、CDの各フォーマットに対応した記録面の受光信号レベルを取得する。このとき、BD用レーザでフォーカスサーチを行って得た記録面の受光信号レベルについては、本例ではこれを最大値検出により取得することから、以下、最大値Max_bdと表記する。
同様に、DVD用レーザでフォーカスサーチを行って得た記録面の受光信号レベルについては最大値Max_dvd、CD用レーザでフォーカスサーチを行って得た記録面の受光信号レベルについては最大値Max_cdと表記する。
【0047】
なお確認のために述べておくと、これら最大値Max(つまり各個体での基準ディスクについての記録面受光信号レベルの実測値)を取得する際にレベル調整部8に設定しておくゲインは、基準レベルとしてのセンター値を求めるときのレベル調整部8の設定ゲインと同等の値とする。具体的に、本例の場合は、初期値(仕様上の推奨値)としてのゲインが設定されるものとする。
【0048】
これら最大値Max_bd、最大値Max_dvd、最大値Max_cdが得られれば、これらの値と、BD用センター値13b、DVD用センター値13c、CD用センター値13dとに基づいて、BD、DVD、CDの各フォーマットごとの受光信号レベルの補正値(ADJ)を求めることができる。
具体的に、BDフォーマットについての補正値(ADJ_bdとする)は、最大値Max_bdとBD用センター値13bとの比率で求めることができる。すなわち、「BD用センター値13b/最大値Max_bd」を計算し、これをBDフォーマットに対応する補正値ADJ_bdとする。
このように求めた補正値ADJ_bdによれば、BD用レーザとBD基準ディスクとの組み合わせ時に得られる受光信号レベルが、BD用センター値13b(つまりBDフォーマットの基準レベル)に補正されるようにできる。すなわち、BDフォーマットについて、個体ごとのばらつきを吸収することのできる補正値が求まるものである。
【0049】
同様に、DVDフォーマットについての補正値(ADJ_dvdとする)は、最大値Max_dvdとDVD用センター値13cとの比率で求まり、具体的には「DVD用センター値13c/最大値Max_dvd」を補正値ADJ_dvdとして計算する。これにより、DVDフォーマットに関して、個体ごとのばらつきを吸収できる補正値が求まる。
またCDフォーマットの補正値(ADJ_cdとする)は、最大値Max_cdとCD用センター値13dとの比率で求まり、具体的には「CD用センター値13d/最大値Max_cd」を補正値ADJ_cdとして計算する。これにより、CDフォーマットに関して、個体ごとのばらつきを吸収できる補正値が求まる。
【0050】
なお確認のために述べておくと、個々の光ディスク装置1により受光信号レベルの補正値ADJを求める工程は、基準ディスクを用いて行われることを考慮すれば分かるように、光ディスク装置1の製品出荷時などに行われるものであって、エンドユーザの下で行われるものではない。
光ディスク装置1には、このような基準ディスクを用いた補正値ADJの取得のための処理を実行するモードが設けられおり、光ディスク装置1は、このような補正値ADJの取得モードへの移行を指示するコマンドの入力に応じて、上記のようなフォーマットごとの補正値ADJ取得のための処理を実行することになる。
【0051】
また、光ディスク装置1は、実際の記録/再生時において、補正値ADJに基づく受光信号レベルの補正(調整)を行うことになる。
具体的に、BDについての記録/再生時には、上述のようにして求めたBDフォーマットについての補正値ADJ_bdに基づいて、レベル調整部8に受光信号レベルの調整を実行させる。
同様に、DVDについての記録/再生時には、上述のようにして求めたDVDフォーマットについての補正値ADJ_dvdに基づきレベル調整部8に受光信号レベルの調整を実行させ、またCDの記録/再生時には、上述のようにして求めたCDフォーマットについての補正値ADJ_cdに基づきレベル調整部8に受光信号レベルの調整を実行させる。
これにより、BD,DVD,CDの各フォーマットに対応して、個体ごとの受光信号レベルばらつきを補正することができる。
【0052】
上記による第1の実施の形態としての補正値取得手法によれば、BDの基準ディスクのみを使用して各フォーマットごとの補正値ADJを取得することができる。
これにより、各フォーマットの基準ディスクをそれぞれ用いて補正値ADJを求めていた従来と比較して、工程に要する時間を効果的に短縮でき、結果、工程に要する人件費等を削減して、製品コストの削減を図ることができる。
また記録面を利用する手法としていることで、基準ディスクの表面に傷や埃等の付着があったとしても適正な補正値ADJの取得を行うことができる。
【0053】
[1-3.処理手順]

図3は、図1に示した光ディスク装置1が、上記により説明した第1の実施の形態としての補正値取得手法を実現するために実行すべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
なお、この図3に示す処理は、図1に示したコントローラ12が制御プログラム13aに従って実行するものである。
【0054】
図3において、先ずステップS101では、補正値取得モードコマンドが入力されるまで待機する。すなわち、補正値ADJの取得のための処理を実行するモードへの移行を指示するコマンドが入力されるまで待機するものである。
【0055】
ステップS101において、補正値取得モードコマンドが入力されたとして肯定結果が得られた場合は、ステップS102において、ディスクが挿入されるまで待機する。すなわち本実施の形態の場合は、BD基準ディスクの挿入を待機するものである。
【0056】
ステップS102において、BD基準ディスクが挿入されたとして肯定結果が得られた場合は、ステップS103において、BD用レーザ(BDLD)でフォーカスサーチを行い最大値(Max_bd)を取得する処理を実行する。
すなわち、図1に示した発光駆動部14に指示を行って発光部3におけるBD用レーザを点灯させた状態で、サーボ回路10にフォーカスサーチの実行を指示する。このフォーカスサーチの実行時に得られる受光信号レベルをモニタし、その最大値をBD用レーザ集光時の記録面の受光信号レベル(Max_bd)として取得する。
ここで本例の場合、受光信号レベルの検出は、Pull-In信号のレベル検出により行うものとしている。すなわちコントローラ12は、上記フォーカスサーチの実行時に入力されるPull-In信号のレベルをモニタし、その最大値をBD用レーザ集光時の記録面の受光信号レベル(Max_bd)として取得する。
【0057】
ステップS103による最大値Max_bdの取得処理の実行後は、ステップS104において、最大値Max_bdとBD用センター値13bとの比率からBD用の補正値(ADJ_bd)を求める。すなわち、「BD用センター値13b/最大値Max_bd」を補正値ADJ_bdとして計算する。
【0058】
続くステップS105においては、DVD用レーザ(DVDLD)でフォーカスサーチを行い最大値(Max_dvd)を取得する処理を実行する。
すなわち、発光駆動部14に指示を行って発光部3におけるDVD用レーザを点灯させた状態で、サーボ回路10にフォーカスサーチの実行を指示し、当該フォーカスサーチの実行時に得られるPull-In信号レベルをモニタし、その最大値をDVD用レーザ集光時の記録面の受光信号レベル(Max_dvd)として取得する。
【0059】
ステップS105による最大値Max_dvdの取得処理の実行後は、ステップS106において、最大値Max_dvdとDVD用センター値13cとの比率からDVD用の補正値(ADJ_dvd)を求める。すなわち、「DVD用センター値13c/最大値Max_dvd」を補正値ADJ_dvdとして計算する。
【0060】
続くステップS107では、CD用レーザ(CDLD)でフォーカスサーチを行い最大値(Max_cd)を取得する処理を実行する。
すなわち、発光駆動部14に指示を行って発光部3におけるCD用レーザを点灯させた状態で、サーボ回路10にフォーカスサーチの実行を指示し、当該フォーカスサーチの実行時に得られるPull-In信号レベルをモニタし、その最大値をCD用レーザ集光時の記録面の受光信号レベル(Max_cd)として取得する。
【0061】
ステップS107による最大値Max_cdの取得処理の実行後は、ステップS108において、最大値Max_cdとCD用センター値13dとの比率からCD用の補正値(ADJ_cd)を求める。すなわち、「CD用センター値13d/最大値Max_cd」を補正値ADJ_cdとして計算する。
当該ステップS108の処理の実行後、この図に示す処理は終了となる。
【0062】
ここで、コントローラ12は、上記のようにして補正値取得モード下で求めた各補正値ADJを、例えばメモリ13などの所要の記憶手段に記憶する。
実際の記録/再生時には、このように補正値取得モード下で取得・記憶された補正値ADJに基づき、受光信号レベルの補正が行われることになる。すなわちコントローラ12は、BDについての記録/再生時には、補正値ADJ_bdに基づくゲインをレベル調整部8に設定することで、受光信号レベルのばらつき補正を実行させる。またコントローラ12は、DVDについての記録/再生時には、補正値ADJ_dvdに基づくゲインをレベル調整部8に設定することで受光信号レベルのばらつき補正を実行させ、またCDの記録/再生時には補正値ADJ_cdに基づくゲインをレベル調整部8に設定することで受光信号レベルのばらつき補正を実行させる。
【0063】
<2.第2の実施の形態(表面使用による補正値取得手法)>
[2-1.光ディスク装置の構成例]

続いて、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、補正値ADJの取得にあたり基準ディスクを用いる点は第1の実施の形態と同様となるが、基準ディスクの記録面ではなく表面を用いる点が異なる。
また、先の第1の実施の形態では、基準ディスクとしてBDの基準ディスクを用いていたが、第2の実施の形態では、CDの基準ディスクを用いる。
【0064】
図2は、第2の実施の形態の光ディスク装置20の内部構成を示した図である。
なお以下の説明において、既に説明済みとなった部分と同様の部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0065】
第2の実施の形態の光ディスク装置20は、第1の実施の形態の光ディスク装置1と比較して、メモリ13内に格納される制御プログラム13aが制御プログラム13eに変更され、またBD用センター値13b、DVD用センター値13c、CD用センター値13dに代えて、それぞれBD用センター値13f、DVD用センター値13g、CD用センター値13hが記憶される点が異なる。
【0066】
ここで、第2の実施の形態では、反射率が既知である基準ディスクとして、CD基準ディスクを用いる。また第2の実施の形態では、記録面を基準とした補正値ADJの取得を行うのではなく、表面を用いた補正値ADJの取得を行うものである。
このため、第2の実施の形態において補正値を求めるにあたり用いるセンター値(基準レベル)としては、センター品とされる光学ピックアップOPを用いてCD基準ディスクの表面にレーザ光を集光して得られる受光信号レベルを予め求めておくことになる。
すなわち、上記BD用センター値13fとしては、センター品としての光学ピックアップOPによってBD用レーザをCD基準ディスクの表面に集光させたときに得られる受光信号レベルを予め求めておき、これをメモリ13に記憶させておく。同様に、DVD用センター値13gとしては、センター品としての光学ピックアップOPによってDVD用レーザをCD基準ディスクの表面に集光させたときに得られる受光信号レベルを予め求めてこれをメモリ13に記憶させ、またCD用センター値13hとしては、センター品としての光学ピックアップOPによってCD用レーザをCD基準ディスクの表面に集光させたときに得られる受光信号レベルを予め求めてこれをメモリ13に記憶させておく。
【0067】
[2-2.第2の実施の形態の補正値取得手法]

図5は、第2の実施の形態としての補正値取得手法についての説明するための図である。
図5AはBD用レーザ(BDLD)を点灯してCD基準ディスクに対しフォーカスサーチを行ったときの受光信号出力、図5BはDVD用レーザ(DVDLD)を点灯してCD基準ディスクに対しフォーカスサーチを行ったときの受光信号出力、図5CはCD用レーザ(CDLD)を点灯してCD基準ディスクに対しフォーカスサーチを行ったときの受光信号出力をそれぞれ示している。
【0068】
BD用レーザを点灯してCD基準ディスクにフォーカスサーチを行うと、図5Aに示す表面反射信号Rs_bdとしてのピークが観測されるが、記録面のピークは観測されないこととなる。これは、CDの記録面はBD光学系にとって表面から遠過ぎる(すなわちBD光学系のワーキングディスタンス外である)ことに起因する。
【0069】
これに対し、DVD用レーザ、CD用レーザを点灯してそれぞれCD基準ディスクにフォーカスサーチを行った場合には、表面のピークと共に、記録面のピークも観測される。具体的に、図5Bに示すDVD用レーザの場合には、表面反射信号Rs_dvd、記録面反射信号Rr_dvdとしての2つのピークが、また図5Cに示すCD用レーザの場合には表面反射信号Rs_cd、記録面反射信号Rr_cdとしての2つのピークが観測される。
【0070】
第2の実施の形態では、このように観測される表面のピーク、すなわちCD基準ディスクの表面にそれぞれのレーザ光が集光したときの各受光信号レベルを取得し、これら受光信号レベルと、メモリ13に記憶されたBD用センター値13f、DVD用センター値13g、CD用センター値13hとに基づき、BD,DVD,CDの各フォーマットに対応した補正値ADJを求める。
【0071】
このとき、表面の受光信号レベルは、何れのレーザを用いた場合も、フォーカスサーチを行ったときの最初のピークを検出することで取得することができる。
このような最初のピークの検出は、具体的には、以下のような手法で行う。
先ず、図5に示すように、BD、DVD、CDのそれぞれに対応して閾値thを設定しておく。すなわち、BD用レーザを点灯したフォーカスサーチ時に対応する閾値th_bd、DVD用レーザを点灯したフォーカスサーチ時に対応する閾値th_dvd、CD用レーザを点灯したフォーカスサーチ時に対応する閾値th_cdを設定しておく。
BD用レーザ、DVD用レーザ、CD用レーザを点灯したそれぞれのフォーカスサーチ時に受光信号をモニタし、当該受光信号のレベルが対応する閾値thを超えた区間におけるピーク値を検出することで、それぞれのフォーカスサーチ時の最初のピーク値を検出できる。すなわち、BD、DVD、CDの各フォーマットごとに、CD基準ディスクに対する表面集光時の受光信号レベルを取得することができる。
【0072】
ここで、上記のような手法によって得た、BD用レーザでフォーカスサーチを行った場合におけるCD基準ディスク表面の受光信号レベルについては、以下、ピーク値Peak_bdと表記する。
同様に、上記手法によりDVD用レーザでフォーカスサーチを行って得たCD基準ディスク表面の受光信号レベルについてはピーク値Peak_dvd、CD用レーザでフォーカスサーチを行って得たCD基準ディスク表面の受光信号レベルについてはピーク値Peak_cdと表記する。
【0073】
このようにして求めた各ピーク値Peakに基づき、各フォーマットごとの補正値ADJを求める。
具体的に、BDフォーマットについての補正値ADJ_bdは、ピーク値Peak_bdとBD用センター値13fとの比率で求める。すなわち、「BD用センター値13f/ピーク値Peak_bd」を計算し、これをBDフォーマットに対応する補正値ADJ_bdとする。
【0074】
同様に、DVDフォーマットについての補正値ADJ_dvdは、ピーク値Peak_dvdとDVD用センター値13gとの比率で求まり、具体的には「DVD用センター値13g/ピーク値Peak_dvd」を補正値ADJ_dvdとして計算する。
またCDフォーマットの補正値ADJ_cdは、ピーク値Peak_cdとCD用センター値13hとの比率で求まり、具体的には「CD用センター値13h/ピーク値Peak_cd」を補正値ADJ_cdとして計算する。
【0075】
このような第2の実施の形態としての補正値取得手法によれば、CD基準ディスクのみを使用して各フォーマットごとの補正値ADJを取得することができる。従って、第2の実施の形態によっても、第1の実施の形態の場合と同様に補正値ADJを求める工程に要する時間を従来より短縮でき、製品コストの削減を図ることができる。
【0076】
なお確認のため述べておくと、第2の実施の形態においても、取得した補正値ADJに基づき記録/再生時における受光信号レベル調整を行う点は第1の実施の形態の場合と同様となる。
【0077】
[2-3.処理手順]

図6は、図4に示した光ディスク装置20が、上記により説明した第2の実施の形態としての補正値取得手法を実現するために実行すべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
なお、この図6に示す処理は、図4に示したコントローラ12が制御プログラム13eに従って実行するものである。
【0078】
図6において、ステップS201の補正値取得モードコマンドの入力待機処理、及びステップS202のディスク装填待機処理は、それぞれ、図3にて説明したステップS101、S102の待機処理と同様となる。但しこの場合、ステップS202の待機処理では、CD基準ディスクの装填を待機することになる。
【0079】
この場合、ステップ202においてCD基準ディスクが挿入されたとして肯定結果が得られた場合は、ステップS203において、BD用レーザでフォーカスサーチを行い最初のピーク値(Peak_bd)を取得する処理を実行する。
第2の実施の形態の場合も、受光信号レベルは、Pull-In信号のレベルを検出する。従ってコントローラ12は、当該ステップS203において、BD用レーザでのフォーカスサーチの実行時に入力されるPull-In信号のレベルをモニタし、その最初のピーク値をBD用レーザ集光時の表面の受光信号レベル(Peak_bd)として取得する。
前述のように本例の場合、最初のピーク値は、閾値thを用いて検出する。すなわち、上記による最初のピーク値Peak_bdの取得処理は、具体的には、上記フォーカスサーチの実行時に入力されるPull-In信号のレベルをモニタし、当該レベルが閾値th_bdを超える区間でのPull-In信号のピーク値を検出することで行うものとなる。
【0080】
ステップS203によるピーク値Peak_bdの取得処理の実行後は、ステップS204において、ピーク値Peak_bdとBD用センター値13fとの比率からBD用の補正値(ADJ_bd)を求める。すなわち、「BD用センター値13f/ピーク値Peak_bd」を補正値ADJ_bdとして計算する。
【0081】
続くステップS205においては、DVD用レーザでフォーカスサーチを行い最初のピーク値(Peak_dvd)を取得する処理を実行する。
すなわち、発光部3におけるDVD用レーザを点灯させた状態でフォーカスサーチを実行させ、当該フォーカスサーチの実行時に得られるPull-In信号レベルをモニタし、そのレベルが閾値th_dvdを超える区間での当該Pull-In信号のピーク値を、上記最初のピーク値Peak_dvd、すなわちDVD用レーザ集光時の表面受光信号レベルとして取得する。
【0082】
ステップS205によるピーク値Peak_dvdの取得処理の実行後は、ステップS206において、ピーク値Peak_dvdとDVD用センター値13gとの比率からDVD用の補正値(ADJ_dvd)を求める。すなわち、「DVD用センター値13g/ピーク値Peak_dvd」を補正値ADJ_dvdとして計算する。
【0083】
続くステップS207では、CD用レーザでフォーカスサーチを行い最初のピーク値(Peak_cd)を取得する処理を実行する。
すなわち、発光部3におけるCD用レーザを点灯させた状態でフォーカスサーチを実行させ、当該フォーカスサーチの実行時に得られるPull-In信号レベルをモニタし、そのレベルが閾値th_cdを超える区間での当該Pull-In信号のピーク値を、上記最初のピーク値Peak_cd、すなわちCD用レーザ集光時の表面受光信号レベルとして取得する。
【0084】
ステップS207によるピーク値Peak_cdの取得処理の実行後は、ステップS208において、ピーク値Peak_cdとCD用センター値13hとの比率からCD用の補正値(ADJ_cd)を求める。すなわち、「CD用センター値13h/ピーク値Peak_cd」を補正値ADJ_cdとして計算する。
当該ステップS208の処理の実行後、この図に示す処理は終了となる。
【0085】
なお、第2の実施の形態のように基準ディスクの表面受光信号レベルを基準とした補正値取得手法とする場合には、各フォーマットごとの表面受光信号レベルの取得時にレベル調整部8に設定するゲイン(ひいては基準レベルとしてのセンター値の取得時のゲイン)は、十分な受光信号レベルが得られるべく、初期値よりも高めに設定することもできる。
【0086】
また、このように基準ディスクの表面受光信号レベルを基準とした補正値取得手法は、CDの基準ディスクではなく、DVDの基準ディスクを用いてもこれを実現できる。
DVD基準ディスクを用いた場合、DVD用レーザやCD用レーザでフォーカスサーチを行った際の表面と記録面の間の時間長が異なるものとなるが、何れにしても、フォーカスサーチを行った際の最初のピーク値を取得すれば、基準ディスクの表面受光信号レベルが得られることに変わりは無い。つまりこのことからも理解されるように、DVD基準ディスクを用いた場合としても、上記により説明した補正値取得手法とすることで(もちろんセンター値としてはDVD基準ディスクの表面にセンター品でレーザ光を集光させたときの受光信号レベルを求めておくことになる)、各フォーマットに対応する補正値ADJを同様に求めることができる。
【0087】
<3.第3の実施の形態(ドライブに設けた反射体使用による補正値取得手法)>
[3-1.光ディスク装置の構成例]

第3の実施の形態は、基準ディスクの代わりに、光ディスク装置内の所定位置に設けた反射体を利用して補正値の取得を行うものである。
【0088】
図7は、第3の実施の形態の光ディスク装置30の内部構成を示している。
第3の実施の形態の光ディスク装置30には、光学ピックアップOPのレーザ光の出射端面に対して対向する側に設けられることになる天板31上に、突起部32が設けられる。この突起部32には、その先端部(つまり光学ピックアップOPの上記レーザ出射端面に対向する位置)に対して、反射率が既知であるミラー面32Aが形成されている。
【0089】
ここで、図8は、突起部32の形成位置(ミラー面32Aの形成位置)の例を示している。
突起部32の形成位置は、光学ピックアップOPによってミラー面32Aにレーザ光を集光できる位置で、且つ光ディスクDが装着された場合の位置(図中、ディスク位置)に対し半径方向にて重ならない位置とすることが望ましい。
ここで、ディスク位置に対して半径方向に重ならない位置とするのは、ディスク有無の判別の際に誤ってミラー面32Aにレーザ光が集光してしまい、ディスク有りと誤判定されてしまうことを防止することを意図してのことである。
【0090】
説明を図7に戻す。
第3の実施の形態の光ディスク装置30には、半径センサ33が設けられる。この半径センサ33は、光学ピックアップOPの半径位置(ひいては半径方向におけるレーザ光の集光位置)を検出する。半径センサ33により得られた半径位置情報は、コントローラ12に対して供給される。
【0091】
またこの場合の光ディスク装置30では、メモリ13内において制御プログラム13aに代えて制御プログラム13iが記憶され、またBD用センター値13b、DVD用センター値13c、CD用センター値13dに代えてそれぞれBD用センター値13j、DVD用センター値13k、CD用センター値13lが記憶される。
【0092】
ここで、この場合のBD用センター値13jは、ミラー面32Aと同等の反射率を有する反射体に対しセンター品としての光学ピックアップOPによりBD用レーザを集光したときに得られる受光信号レベルを予め求めたものとなる。
同様に、DVD用センター値13kは上記反射体に対しセンター品としての光学ピックアップOPによりDVD用レーザを集光したときに得られる受光信号レベルであり、CD用センター値13lは上記反射体に対しセンター品としての光学ピックアップOPによりBD用レーザを集光したときに得られる受光信号レベルとなる。
【0093】
[3-2.第3の実施の形態の補正値取得手法]

図9は、第3の実施の形態としての補正値取得手法についての説明するための図である。
図9AはBD用レーザ(BDLD)を点灯してミラー面32Aに対するフォーカスサーチを行ったときの受光信号出力、図9BはDVD用レーザ(DVDLD)を点灯してミラー面32Aに対するフォーカスサーチを行ったときの受光信号出力、図9CはCD用レーザ(CDLD)を点灯してミラー面32Aに対するフォーカスサーチを行ったときの受光信号出力をそれぞれ示している。
【0094】
ここで、ミラー面32Aを対象としてフォーカスサーチを行うには、光学ピックアップOPを突起部32の形成位置に移動させておく必要がある。
第3の実施の形態では、補正値取得モードへの移行が指示されたときには、先ず、コントローラ12が半径センサ33からの半径位置情報を参照しながらサーボ回路10に指示を行ってスライド駆動部7による光学ピックアップOPのスライド移動を実行させることで、光学ピックアップOPの半径位置(半径方向におけるレーザ光の集光位置)を突起部32の形成位置に移動させる。
【0095】
そして、このように光学ピックアップOPを移動させた上で、BD用レーザ、DVD用レーザ、CD用レーザを用いたフォーカスサーチをそれぞれ行って、各フォーマットごとにミラー面32Aの集光時の受光信号レベルを取得する。
【0096】
図9を参照して分かるように、この場合、BD用レーザ、DVD用レーザ、CD用レーザの何れを用いたときも、フォーカスサーチ時の受光信号にはミラー面32Aへの集光時に対応したピークが得られる。
この場合、フォーカスサーチ時のピークは何れの場合でも1つしか現れないので、受光信号レベルの取得としては、第1の実施の形態のように最大値を検出する手法、第2の実施の形態のように最初のピークを検出する手法の何れで行ってもよい。
【0097】
本例では、第1の実施の形態と同様に最大値を検出する手法を採用するものとする。
ここで、この場合も当該最大値の検出によって取得したBD用レーザ集光時の受光信号レベル(この場合はミラー面32A集光時の受光信号レベル)については、最大値Max_bdとする。
同様に、DVD用レーザ集光時の受光信号レベルは最大値Max_dvd、CD用レーザ集光時の受光信号レベルは最大値Max_cdとする。
【0098】
このように各フォーマットごとのミラー面32A集光時の最大値Maxを取得した後は、これら最大値Maxと、メモリ13に記憶されたBD用センター値13j、DVD用センター値13k、CD用センター値13lとに基づき、BD,DVD,CDの各フォーマットに対応した補正値ADJを求める。
BDフォーマットについての補正値ADJ_bdについては、最大値Max_bdとBD用センター値13jとの比率により求まり、具体的には「BD用センター値13j/最大値Max_bd」を補正値ADJ_bdとして計算する。
同様に、DVDフォーマットについての補正値ADJ_dvdは最大値Max_dvdとDVD用センター値13kとの比率で求まり、具体的には「DVD用センター値13k/最大値Max_dvd」を補正値ADJ_dvdとして計算する。
またCDフォーマットの補正値ADJ_cdは最大値Max_cdとCD用センター値13lとの比率で求まり、具体的には「CD用センター値13l/最大値Max_cd」を補正値ADJ_cdとして計算する。
【0099】
このような第3の実施の形態としての補正値取得手法によれば、光ディスク装置30に設けられた共通のミラー面32Aを使用して各フォーマットごとの補正値ADJを取得することができる。従って、第3の実施の形態によっても、第1の実施の形態の場合と同様に補正値ADJを求める工程に要する時間を従来より短縮でき、製品コストの削減を図ることができる。
【0100】
なお、第3の実施の形態においても、取得した補正値ADJに基づき記録/再生時における受光信号レベル調整を行う点は第1の実施の形態の場合と同様である。
【0101】
[3-3.処理手順]

図10は、図7に示した光ディスク装置30が、上記により説明した第3の実施の形態としての補正値取得手法を実現するために実行すべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。
なお、この図10に示す処理は、図7に示すコントローラ12が制御プログラム13iに従って実行するものである。
【0102】
図10において、ステップS301の補正値取得モードコマンドの待機処理は、先のステップS101の処理と同様となる。
【0103】
この場合、ステップS301において補正値取得モードコマンドが入力されたとして肯定結果が得られた場合は、ステップS302において、突起部32への移動処理を実行する。すなわち前述のように、半径センサ33からの半径位置情報を参照しながらサーボ回路10に指示を行ってスライド駆動部7による光学ピックアップOPのスライド移動を実行させることで、光学ピックアップOPの半径位置を突起部32の形成位置に移動させるものである。
【0104】
ステップS302による移動処理を実行した後に行われるステップS303〜S308の処理は、先の図3に示したステップS103〜S308の処理と同様となる。
但しこの場合、ステップS304では最大値Max_bdとBD用センター値13jとの比率から補正値ADJ_bdを求め、ステップS306では最大値Max_dvdとDVD用センター値13kとの比率から補正値ADJ_dvdを求め、またステップS308では最大値Max_cdとCD用センター値13lとの比率から補正値ADJ_cdを求める点は、第1の実施の形態の場合と異なる。
【0105】
なお、上記による説明では、ミラー面32Aを突起部32上に形成する場合を例示したが、例えばミラー面32Aは天板31上に直接的に形成するなど、突起部32上以外に形成することもできる。
但し、天板31の位置が高い場合などには、対物レンズ4のワーキングディスタンスとの関係で、天板31上に直接形成したミラー面32Aにレーザ光を合焦させることができない場合も考えられる。そのような場合には、突起部32を形成することで、当該突起部32の高さ調整によりミラー面32Aの位置をワーキングディスタンス内に収めるといったことができ、好適である。
【0106】
<4.変形例>

以上、本技術に係る各実施の形態について説明したが、本技術はこれまでで説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えばこれまでの説明では、反射率が既知である反射体についての受光信号レベルの取得を、BD用レーザ、DVD用レーザ、CD用レーザの順で点灯させて行う場合を例示したが、点灯の順番はこれに限定されるべきものではない。
【0107】
また、或るフォーマットのレーザを点灯するごとに(つまり或るフォーマットについての受光信号レベルの取得ごとに)そのフォーマットに対応する補正値ADJを逐次計算するものとしたが、補正値ADJの計算は全フォーマットの受光信号レベルの取得が完了した後にまとめて行うといったことも可能であり、例示したような逐次の計算を行う手法に限定されるべきものではない。
【0108】
また、基準ディスクを用いる手法以外の手法として、光ディスク装置に反射率が既知のミラー面32Aを形成する場合のみを例示したが、例えば光ディスク記録媒体としての構造は有さないが、光ディスク装置に装着可能に構成され、反射率が既知の反射体がその表面に形成された媒体を用いるなどしても、同様の補正値取得を行うことが可能である。
このような媒体を用いた補正値取得は、第2の実施の形態と同様の手法により行うことができる。
【0109】
また、本技術は、以下の(1)〜(12)に示す構成とすることも可能である。
(1)
複数の光ディスク記録媒体のフォーマットにそれぞれ対応した複数の光源と、
上記光源より出射された光を対物レンズを介して出射すると共に、当該対物レンズを介して得られる戻り光を受光する光照射/受光部と、
上記光照射/受光部で得られた受光信号のレベル調整を行うレベル調整部と、
上記複数の光源より出射された光を反射率が既知である共通の反射体にそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得すると共に、それら取得した受光信号レベルと、上記フォーマットごとに定められた上記受光信号の基準レベルとに基づき、上記フォーマットごとに、上記受光信号レベルを上記基準レベルに補正するための補正値を求める補正値取得部と
を備える光ディスク装置。
(2)
上記反射体は、上記光ディスク装置に装着可能な形状を有する媒体に形成されたものであり、
上記補正値取得部は、
上記媒体に形成された上記反射体に上記複数の光源より出射された光をそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得した結果に基づき、上記フォーマットごとの上記補正値を求める
上記(1)に記載の光ディスク装置。
(3)
上記反射体は、その反射率が既知である基準ディスクとしての光ディスク記録媒体の反射面であり、
上記補正値取得部は、
上記基準ディスクに形成された上記反射面に上記複数の光源より出射された光をそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得した結果に基づき、上記フォーマットごとの上記補正値を求める
上記(2)に記載の光ディスク装置。
(4)
上記反射面は、上記基準ディスクの記録面であり、
上記補正値取得部は、
上記基準ディスクの記録面に上記複数の光源より出射された光をそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得した結果に基づき、上記フォーマットごとの上記補正値を求める
上記(3)に記載の光ディスク装置。
(5)
上記複数の光源としてCD(Compact Disc)用光源、DVD(Digital Versatile Disc)用光源、BD(Blu-ray Disc)用光源をそれぞれ備え、
上記基準ディスクは、BDフォーマットに準拠した基準ディスクとされ、
上記補正値取得部は、
上記基準ディスクの記録面に上記複数の光源より出射された光をそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得した結果に基づき、CD、DVD、BDの各フォーマットごとの上記補正値を求める
上記(4)に記載の光ディスク装置。
(6)
上記補正値取得部は、
上記対物レンズをフォーカス方向に駆動したときに得られる上記受光信号の最大値を、上記記録面への集光時の受光信号レベルとして取得する
上記(5)に記載の光ディスク装置。
(7)
上記反射面は、上記基準ディスクの表面であり、
上記補正値取得部は、
上記基準ディスクの表面に上記複数の光源より出射された光をそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得した結果に基づき、上記フォーマットごとの上記補正値を求める
上記(3)に記載の光ディスク装置。
(8)
上記複数の光源としてCD(Compact Disc)用光源、DVD(Digital Versatile Disc)用光源、BD(Blu-ray Disc)用光源をそれぞれ備え、
上記基準ディスクは、CDフォーマット又はDVDフォーマットに準拠した基準ディスクとされ、
上記補正値取得部は、
上記基準ディスクの表面に上記複数の光源より出射された光をそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得した結果に基づき、CD、DVD、BDの各フォーマットごとの上記補正値を求める
上記(7)に記載の光ディスク装置。
(9)
上記補正値取得部は、
上記対物レンズをフォーカス方向に駆動したときに最初に得られた上記受光信号のピーク値を、上記表面への集光時の受光信号レベルとして取得する
上記(8)に記載の光ディスク装置。
(10)
上記補正値取得部は、
上記光ディスク装置の所定位置に対して設けられた上記反射体に上記複数の光源より出射された光をそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得した結果に基づき、上記フォーマットごとの上記補正値を求める
上記(1)に記載の光ディスク装置。
(11)
上記反射体は、
上記光照射/受光部により上記光源から出射された光を集光できる位置で、且つ光ディスク記録媒体が装着された場合の位置に対し半径方向にて重ならない位置に形成されている
上記(10)に記載の光ディスク装置。
(12)
装填された光ディスク記録媒体のフォーマットに対応した上記補正値に基づいて上記レベル調整部によるレベル調整を実行させるレベル補正制御部をさらに備える
上記(1)〜(11)に記載の光ディスク装置。
【符号の説明】
【0110】
1,20,30 光ディスク装置、2 スピンドルモータ(SPM)、3 発光部、4 対物レンズ、5 2軸アクチュエータ、6 受光部、7 スライド駆動部、8 レベル調整部、9 信号生成回路、10 サーボ回路、11 2軸ドライバ、12 コントローラ、13 メモリ、13a,13e,13i 制御プログラム、13b,13f,13j BD用センター値、13c,13g,13k DVD用センター値、13d,13h,13l CD用センター値、14 発光駆動部、31 天板、32 突起部、32A ミラー面、33 半径センサー、OP 光学ピックアップ、D 光ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ディスク記録媒体のフォーマットにそれぞれ対応した複数の光源と、
上記光源より出射された光を対物レンズを介して出射すると共に、当該対物レンズを介して得られる戻り光を受光する光照射/受光部と、
上記光照射/受光部で得られた受光信号のレベル調整を行うレベル調整部と、
上記複数の光源より出射された光を反射率が既知である共通の反射体にそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得すると共に、それら取得した受光信号レベルと、上記フォーマットごとに定められた上記受光信号の基準レベルとに基づき、上記フォーマットごとに、上記受光信号レベルを上記基準レベルに補正するための補正値を求める補正値取得部と
を備える光ディスク装置。
【請求項2】
上記反射体は、上記光ディスク装置に装着可能な形状を有する媒体に形成されたものであり、
上記補正値取得部は、
上記媒体に形成された上記反射体に上記複数の光源より出射された光をそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得した結果に基づき、上記フォーマットごとの上記補正値を求める
請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
上記反射体は、その反射率が既知である基準ディスクとしての光ディスク記録媒体の反射面であり、
上記補正値取得部は、
上記基準ディスクに形成された上記反射面に上記複数の光源より出射された光をそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得した結果に基づき、上記フォーマットごとの上記補正値を求める
請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
上記反射面は、上記基準ディスクの記録面であり、
上記補正値取得部は、
上記基準ディスクの記録面に上記複数の光源より出射された光をそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得した結果に基づき、上記フォーマットごとの上記補正値を求める
請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
上記複数の光源としてCD(Compact Disc)用光源、DVD(Digital Versatile Disc)用光源、BD(Blu-ray Disc)用光源をそれぞれ備え、
上記基準ディスクは、BDフォーマットに準拠した基準ディスクとされ、
上記補正値取得部は、
上記基準ディスクの記録面に上記複数の光源より出射された光をそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得した結果に基づき、CD、DVD、BDの各フォーマットごとの上記補正値を求める
請求項4に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
上記補正値取得部は、
上記対物レンズをフォーカス方向に駆動したときに得られる上記受光信号の最大値を、上記記録面への集光時の受光信号レベルとして取得する
請求項5に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
上記反射面は、上記基準ディスクの表面であり、
上記補正値取得部は、
上記基準ディスクの表面に上記複数の光源より出射された光をそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得した結果に基づき、上記フォーマットごとの上記補正値を求める
請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
上記複数の光源としてCD(Compact Disc)用光源、DVD(Digital Versatile Disc)用光源、BD(Blu-ray Disc)用光源をそれぞれ備え、
上記基準ディスクは、CDフォーマット又はDVDフォーマットに準拠した基準ディスクとされ、
上記補正値取得部は、
上記基準ディスクの表面に上記複数の光源より出射された光をそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得した結果に基づき、CD、DVD、BDの各フォーマットごとの上記補正値を求める
請求項7に記載の光ディスク装置。
【請求項9】
上記補正値取得部は、
上記対物レンズをフォーカス方向に駆動したときに最初に得られた上記受光信号のピーク値を、上記表面への集光時の受光信号レベルとして取得する
請求項8に記載の光ディスク装置。
【請求項10】
上記補正値取得部は、
上記光ディスク装置の所定位置に対して設けられた上記反射体に上記複数の光源より出射された光をそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得した結果に基づき、上記フォーマットごとの上記補正値を求める
請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項11】
上記反射体は、
上記光照射/受光部により上記光源から出射された光を集光できる位置で、且つ光ディスク記録媒体が装着された場合の位置に対し半径方向にて重ならない位置に形成されている
請求項10に記載の光ディスク装置。
【請求項12】
装填された光ディスク記録媒体のフォーマットに対応した上記補正値に基づいて上記レベル調整部によるレベル調整を実行させるレベル補正制御部をさらに備える
請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項13】
複数の光ディスク記録媒体のフォーマットにそれぞれ対応した複数の光源より出射された光を対物レンズを介して出射し、当該対物レンズを介して得られる戻り光を受光すると共に、受光信号についてのレベル調整を行うことが可能に構成された光ディスク装置における受光レベル補正値取得方法であって、
上記複数の光源より出射された光を反射率が既知である共通の反射体にそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得すると共に、それら取得した受光信号レベルと、上記フォーマットごとに定められた上記受光信号の基準レベルとに基づき、上記フォーマットごとに、上記受光信号レベルを上記基準レベルに補正するための補正値を求める
受光レベル補正値取得方法。
【請求項14】
複数の光ディスク記録媒体のフォーマットにそれぞれ対応した複数の光源より出射された光を対物レンズを介して出射し、当該対物レンズを介して得られる戻り光を受光すると共に、受光信号についてのレベル調整を行うことが可能に構成された光ディスク装置において実行されるべきプログラムであって、
上記複数の光源より出射された光を反射率が既知である共通の反射体にそれぞれ集光したときの戻り光の受光信号レベルを取得すると共に、それら取得した受光信号レベルと、上記フォーマットごとに定められた上記受光信号の基準レベルとに基づき、上記フォーマットごとに、上記受光信号レベルを上記基準レベルに補正するための補正値を求める補正値取得処理を、上記光ディスク装置に実行させる
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−248245(P2012−248245A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117904(P2011−117904)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】