説明

光ディスク装置

【課題】 ディスクの有無検出を正確に行うことができる光ディスク装置を提供する。
【解決手段】 ディスク挿脱口11を有した本体と、ディスク挿脱口11と本体のディスク収納位置との間でディスクを搬送する搬送用ローラ11とを備える光ディスク装置10であって、支持軸24によって本体内部に基端が回動自在に支持されディスク到達スイッチの固定された揺動レバー25と、支持軸に基端が回動自在に支持されディスク収納位置に収納されるディスクの外周に先端が接触してディスク到達スイッチを作動させる検出レバー27とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明、搬送用ローラによってディスクを収納位置まで搬送し、そのディスクの有無判定を行うようにした光ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスク装置は、その設置箇所の多様化から、例えば車載用のように小型化、静粛性およびディスク検出等の高い動作安定性の要求される場合がある。
この種の光ディスク装置100を図12ないし図14を参照して説明する。図12において、101は箱形の筐体であり、この筐体101の正面板101Aにはディスク挿入口が形成されている。102は筐体101内の上記ディスク挿入口の近傍に配置されたディスクローディング用のローラであり、このローラ102はローラ駆動機構(図示せず)によって回動されディスク103の挿入、排出を行う。104はディスク103を保持する半円環状のトレイであり、複数枚のトレイ104が筐体101内の背面板101Bと右側面板101Cとのコーナ部側に積層配置されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
上記複数枚のトレイ104の内の最上面側および最下面側にはそれぞれ金属板105が配置され、上記トレイ104および金属板105には3個所に孔が形成されている。両端が筐体101の上面板と底面板とに固定された3本のトレイガイド軸がトレイ104、金属板105の孔に挿入されているため、複数のトレイ104、金属板105は上記3本のトレイガイド軸に案内されて上下に移動可能である。106は筐体101内に回動可能に支持されたレバーであり、このレバー106の先端にはローラ107が保持されている。
【0004】
上記レバー106はバネ(図示せず)により時計方向(図12)に付勢されている。筐体101の正面板101Aの中央に形成されたディスク挿入口より挿入されたディスク103はローラ102により背面板101Bに向かって筐体101内に移送されていく。この移送の途中においてレバー106の先端のローラ107がディスク103の外周面に当接するため、ディスク103はトレイ104方向に方向転換されトレイ104に収納される。
【0005】
この光ディスク装置100では、筐体101の中央方向に移動したディスク103が、図13に示すようにレバー106の先端のローラ107を押し、レバー106を軸108を中心にして図12の反時計方向に回動させる。図13において、106Aはレバー106の上面に一体に形成された突片、109は上記突片106Aを挟んで発光素子、受光素子が対向配置されたフォトカプラである。
【0006】
複数のトレイ104を上昇、下降させるエレベータ機構を動作させるモータが回転すると、モータの回転駆動力が歯車減速機構を介して、図12、図14に示すカムギア110に伝えられ、カムギア110が回転する。カムギア110の突片111により筐体101の中央方向に押されたディスク103によりローラ107が押され、レバー106が反時計方向に回動すると、突片106Aがフォトカプラ109より外れ、フォトカプラ109はオフからオンになる。以上のようにトレイのエレベータ機構により複数枚のトレイ104を下降させる過程で、カムギア110の突片111をトレイ間に順次挿入し、挿入タイミングでレバー106が回動したか否かをフォトカプラ109で検出することにより、各トレイ104上のディスク103の有無が検出されていた。なお、図14中、110Aは螺旋状のカム溝、110B、110Cはカムギア110の山部を示す。
【特許文献1】特開2000−40290号公報(図1、図8、図10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の光ディスク装置は、一般的にディスクの有無を判定する場合、押し出しレバーによってディスクを動かし、ディスクが他の検出レバーを押すことで、フォトカプラのON/OFFを識別し、ディスクの有無を検出していた。このため、ディスクを動かす押し出しレバーと、ディスクの有無を検出する検出レバーとが異なることから、各部材の作動誤差が重なると、検出精度が低下し、正確なディスクの有無検出が行えなくなる問題があった。また、ディスク外周の一部分のみを押し出しレバーで押し、動いたディスクを他の検出レバーに接触させて検出を行うため、メカ構造の精度により判定精度が左右される、あるいは、ディスクを押出す必要があるため、ディスクの外径が標準のものと異なったり、真円でないディスクの場合にはディスクの押圧や検出に誤動作が生じやすく、誤検出となる可能性があった。
【0008】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたもので、ディスクの有無検出を正確に行うことができる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光ディスク装置は、ディスク挿脱口を有した本体と、前記ディスク挿脱口と前記本体のディスク収納位置との間で前記ディスクを搬送する搬送用ローラとを備える光ディスク装置であって、支持軸によって前記本体内部に基端が回動自在に支持されディスク到達スイッチの固定された揺動レバーと、前記支持軸に基端が回動自在に支持され前記ディスク収納位置に収納されるディスクの外周に先端が接触して前記ディスク到達スイッチを作動させる検出レバーとを備える構成を有している。
【0010】
この構成により、従来構成のように、押し出しレバーと検出レバーとを個別に設け、ディスク搬送中に変化するセンサのタイミングで、押し出しレバーを駆動制御する必要がなく、複数部材を連携動作させることによって生じていた検出動作の遅延等による誤差が発生しなくなる。
【0011】
また、本発明の光ディスク装置は、前記揺動レバーと前記検出レバーとが前記支持軸を中心に同時に揺動され、前記ディスクの外周に接触すると、揺動された前記検出レバーによって前記ディスク到達スイッチが押圧作動され、前記ディスクの有無が検出される構成を有している。
この構成により、同一支持軸を中心に揺動される揺動レバーと検出レバーとの相対位置の変化によって検出が行われ、複数レバーを動作させることによって生じていた誤差が発生しなくなる。
【発明の効果】
【0012】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ディスクの有無検出を簡素な構成で正確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態の光ディスク装置について、図面を用いて説明する。
本発明の第1の実施の形態を図1に示す。
図1には本発明の実施の形態の光ディスク装置10を内蔵するカーオーディオ装置1の全体斜視図が示されている。このカーオーディオ装置1では、光ディスク装置10のほかにラジオ2、カセットテープ再生装置3等を内蔵しており、前面パネル4には、全機能に共用される表示部4aや電源/ボリュームつまみ4bに加えて、光ディスク装置10における開閉自在な蓋部11aを備えたディスク挿脱口11、ラジオ用のチューニングつまみ2a、カセットテープ挿入口3a等が設けられている。また、内部には、ラジオ2、カセットテープ再生装置3、光ディスク装置10等を制御する図示しない制御部が設けられている。
【0014】
図2には、カーオーディオ装置1に内蔵されている本発明の実施形態である光ディスク装置10の、図1中II−II位置における断面図が示されている。
図2に示すように、光ディスク装置10は、矩形箱状の本体13と、この本体13のディスク挿脱口11付近には、挿入されたディスクに接触し、動力を伝達することによって、ディスク12を搬送し、ディスク12の挿入(ローディング)および排出(イジェクト)を行う搬送用ローラを構成するローラ部材14や、ローラ部材14を回転させる動力源(図示していない。)が設けられている。ローディングおよびイジェクトを行う搬送手段は、ローラ部材14と、このローラ部材14に対して図2の紙面垂直方向に配設された図示しない上側ローラ部材とで構成される。上側ローラ部材は、ディスク12のローディングおよびイジェクト時にローラ部材14と共動して回転する。
【0015】
ローラ部材14は本体13に対して上下方向(図面A方向またはB方向)の移動が規制されている。また、図示しない上側ローラ部材は本体13に対して上下方向(図2の紙面垂直方向)に移動可能であり、上側ローラ部材を付勢する図示しない弾性部材の作用により、上側ローラ部材は本体13に対して下方向(ローラ部材14に接近する方向)に付勢されている。
【0016】
したがって、装置内にディスク12が挿入されると、図示しない上側ローラ部材が本体13に対して上方向(ローラ部材14に離反する方向)に移動し、ディスク12はローラ部材14と上側ローラ部材の間に挟持される。なお、上側ローラ部材のへの移動可能量はディスクが複数枚(例えば2枚)挿入された場合の移動量以上確保しており、装置内に複数枚のディスクが挿入された場合でも、ローラ部材14と上側ローラ部材は回転可能にディスクを押圧し、ローディングやイジェクトが可能な構成になっている。
【0017】
また、本体13のディスク挿脱口11付近でローラ部材14よりローディング方向奥側には、押し込みレバー15が配設される。本体13には、ディスク収納位置Dpに収納されるディスク12の面に垂直方向の支持軸17が立設される。押し込みレバー15は、基端15aがこの支持軸17によって回動自在に支持され、先端15bが図2中の矢印A、B方向に回動自在となる。支持軸17には付勢手段であるつるまきバネ18が外挿され、つるまきバネ18は一端が基台16に立設されたバネ掛け19に当接され、他端が押し込みレバー15のバネ掛け20に当接される。これにより、押し込みレバー15は、矢印A方向へ付勢される。なお、押し込みレバー15は、本体13に立設された図示しないストッパに当接することで、矢印A方向の所定以上の回転が規制されている。
【0018】
押し込みレバー15は、バネ18による矢印A方向の付勢力によって、ローラ部材14によって搬送中のディスク12を、ディスク収納位置Dpに押し込む。押し込みレバー15の近傍の基台16には収納完了スイッチ21が配設され、収納完了スイッチ21は出力信号のHi(OFF)、Lo(ON)を切り替える接触子21aを有している。収納完了スイッチ21の接触子21aは、押し込みレバー15が揺動することで、押し込みレバー15の基端15aに接触して作動する。
【0019】
すなわち、図2に示すディスク収納位置Dpにディスク12が未収納状態では、接触子21aは押圧されず、収納完了スイッチ21の出力信号はHi(OFF)となる。一方、ローラ部材14によってディスク12が搬入され、ディスク12によって押し込みレバー15が矢印B方向へ回転されると、接触子21aが基端15aによって押圧され、収納完了スイッチ21は出力信号がLo(ON)となる。さらに、ディスク12が押し込みレバー15によって押し込められ、ディスク収納位置Dpの所定位置に配置されると、押し込みレバー15は再びバネ18の付勢力によって矢印A方向へ回転して図2に示した位置となり、収納完了スイッチ21の出力信号がHi(OFF)となるようになっている。
【0020】
押し込みレバー15の先端15bにはローラ22が軸23を介して回動自在に設けられ、ローラ22は押し込みレバー先端15bとディスク12との接触摩擦を軽減させるよう働く。
【0021】
図3にはディスク収納位置のディスク挿入方向奥側に設けられた揺動レバー、検出レバーの拡大平面図、図4にはディスク検出部におけるディスクなしの状態を表す揺動レバー、検出レバーの拡大平面図が示されている。
ディスク収納位置Dpのディスク挿入方向の奥側の基台16には、ディスク収納位置Dpに収納されるディスク12の面に垂直方向の支持軸24が立設されている。支持軸24には揺動レバー25の基端25aが回動自在に支持され、揺動レバー25は先端25bが図3の矢印C、D方向へ揺動自在となっている。この揺動レバー先端25bの上面には接触子26aを突出させたディスク到達スイッチ26が固設されている。
【0022】
揺動レバー25の上面には検出レバー27が重ねて配置され、検出レバー27は基端27aが支持軸24に回動自在に支持されている。この検出レバー27も、先端27bが図3の矢印C、D方向へ揺動自在となっている。つまり、揺動レバー25と検出レバー27とは、支持軸24に同軸に支持されている。検出レバー27の先端27bにはディスク12の外周に当接する接触部28が形成される。また、検出レバー27の背部には押圧段部29が形成され、押圧段部29は検出レバー27がディスク到達スイッチ26へ接近方向へ揺動されると、接触子26aを押圧作動させる。なお、検出レバー27は、図示しない付勢手段によって、先端27bがディスク収納位置Dp内へ突出する方向(図3中矢印D方向)に付勢されることが好ましい。
【0023】
この揺動レバー25と検出レバー27とは、図示しないレバー駆動系によって図3の矢印C、D方向へ揺動される。レバー駆動系によって駆動された図3に示す初期位置では、収納ディスク12と接触がなく、収納ディスク12は昇降動作可能となる。この状態において、検出レバー27とディスク到達スイッチ26とは接触していない。すなわち、ディスク到達スイッチ26の出力信号はHi(OFF)となるようになっている。
【0024】
また、図4に示すように、ディスク検索動作時、揺動レバー25と検出レバー27とは、図示しないレバー駆動系によって、図4の矢印D方向へ回転される。その際、ディスク12がディスク収納位置Dpにないと、検出レバー27とディスク到達スイッチ26とが接触しない。すなわち、検出レバー27とディスク到達スイッチ26との相対位置は初期位置と同じとなり、ディスク到達スイッチ26の出力信号はHi(OFF)のままとなる。
【0025】
一方、ディスク検索動作時、揺動レバー25と検出レバー27とが、図示しないレバー駆動系によって図3の矢印D方向へ回転され、その際、ディスク12がディスク収納位置Dpにあると、ディスク12に検出レバー27の接触部28が接触する。これにより、検出レバー27と揺動レバー25との相対位置が変化し、検出レバー27の押圧段部29によって接触子26aが押圧作動され、ディスク到達スイッチ26の出力信号はLo(ON)となる。これらの動作により、ディスク12の検出が行えるようになっている。
【0026】
なお、ディスク挿入動作で、ディスク到達スイッチ26により搬送中のディスク12がディスク収納位置Dpの付近まで到達したことを検出した際、検出レバー27および揺動レバー25をディスク収納位置Dpから退避させるよう動作制御がなされる。すなわち、ディスク12の外周に先端が接触することで揺動された検出レバー27によって、ディスク到達スイッチ26が押圧作動され、この作動信号を受けてレバー駆動系が駆動され、揺動レバー25がさらにディスク収納位置Dpから退避する方向へ揺動される。これにより、搬送中のディスク12は、退避中の検出レバー27と接触しながら遅い速度で収納され、衝突音の低減が可能となっている。
【0027】
また、光ディスク装置10では、ディスク排出動作で、ディスク到達スイッチ26が収納中のディスク12と接触したことを検出した際、ローラ部材14を回転させる動作制御がなされるようになっている。
【0028】
この他、光ディスク装置10は、図示しないディスクINスイッチ、押出完了スイッチ、原点スイッチ、レバー駆動系を備える。ディスクINスイッチは、ディスク挿脱口11から本体13内にディスク12が挿入されたことを検出する。押出完了スイッチは、揺動レバー25、検出レバー27の状態を検出するためのスイッチで、揺動レバー25および検出レバー27の押出完了位置を検出する。すなわち、ディスク挿入待ち状態、あるいは、ディスクイジェクト完了状態を検出できるようになっている。原点スイッチは、揺動レバー25、検出レバー27の状態を検出するためのスイッチで、揺動レバー25および検出レバー27の退避完了位置(原点位置)を検出する。これにより、ディスクローディング完了状態、あるいは、ディスクイジェクト開始状態を検出できるようになっている。レバー駆動系は、上記のように揺動レバー25、検出レバー27を、ディスク収納位置Dpに対する突出および退避位置へと移動可能としている。
【0029】
さらに、光ディスク装置10は、ディスク12を回転させる図示しないスピンドルモータやディスク12の情報を記録再生するための図示しない光ピックアップ、光ピックアップをディスク12の内周および外周方向に駆動する図示しないトラバースモータを備えている。
【0030】
次に、このような構成を備えた光ディスク装置10の動作を説明する。
図5には挿入されたディスクが収納完了スイッチによって検出された状態を表す光ディスク装置本体の平面図、図6にはディスクローディング時のタイミングチャートが示されている。なお、本実施の形態のディスク装置は、12cmのディスクの挿入、排出を行って再生又は記録を行うものであるが、8cmのディスクも取扱い可能である。8cmのディスクの再生又は記録を行う場合は、中心部に8cmディスクを保持するアダプタを利用する。8cmディスクを保持したアダプタは、12cmディスク12と同様に取り扱われるので、説明は省略する。
【0031】
(1)ディスク12のローディング動作
ディスク12が利用者によって光ディスク装置10に設けた本体13のディスク挿脱口11の内部に挿入されると、図6に示すように、ディスクINスイッチの出力信号がHi(OFF)からLo(ON)へ切り替わり、装置内にディスク12の挿入されたことを検出する。これにより、ディスク装置10は動力源の動作を開始させて、ローラ部材14の回転、すなわちローディングを開始する。
【0032】
図5に示すように、ディスク12のオートローディングが継続され、ディスク12がさらに進行すると、ディスク12によって押し込みレバー15が矢印B方向へ回転され、接触子21aが基端15aによって押圧され、収納完了スイッチ21の出力信号がLo(ON)となる。
【0033】
図7にはディスク到達SWによるディスク検出で揺動レバー、検出レバーが退避開始された状態を表す光ディスク装置本体の平面図、図8にはディスクの収納が完了して揺動レバー、検出レバーの退避が完了した状態を表す光ディスク装置本体の平面図が示されている。
【0034】
図6に示すように、ディスク収納位置Dpには、揺動レバー25、検出レバー27が突出されている。この突出配置は、レバー駆動系によって行われる。そして、さらにディスク12がローディング方向に搬送されると、ディスク12の外周がディスク収納位置Dp内に突出配置された検出レバー27の接触部28に接触する。これにより、検出レバー27と揺動レバー25との相対位置が変化し、検出レバー27の押圧段部29によって接触子26aが押圧作動され、図6に示すように、ディスク到達スイッチ26の出力信号がLo(ON)となる。つまり、ディスク到達スイッチ26でディスク12が検出されることとなる。
【0035】
光ディスク装置10は、ディスク到達スイッチ26からのディスク12の検出信号が入力されると、レバー駆動系を駆動する。レバー駆動系は、揺動レバー25および検出レバー27をローディング方向(図7の矢印C方向)に回転させ、揺動レバー25および検出レバー27を退避位置へと駆動開始する。この際、レバー駆動系の駆動速度は、ローラ部材14の搬送速度より若干遅く制御される。したがって、ディスク12は、検出レバー27と外周を接触させ、受け止められながらローディングされることになる。このとき、ディスク12は、ローラ部材14、押し込みレバー15および検出レバー27の3部材に接触した状態でローディングされる。
【0036】
図8に示すように、さらにディスク12がローディング方向に搬送されると、収納完了スイッチ21の出力がHi(OFF)に変化する(図6参照)。この状態でローラ部材14はローディング方向へ回転し続ける。揺動レバー25、検出レバー27の退避動作がレバー駆動系によって維持されると、押し込みレバー15がディスク12をディスク収納位置Dpへ押し込む。これにより、押し込みレバー15が図示しないストッパに当接することで、押し込みレバー15によるディスク12への押圧が解除され、押し込みレバー15が初期位置に停止して、ディスク12の収納を完了する。
【0037】
さらにレバー駆動系が揺動レバー25および検出レバー27の退避動作を継続すると、図8に示すように、検出レバー27がディスク12の外周から離れ、ディスク到達スイッチ26の出力がHi(OFF)に変化する。
【0038】
さらにレバー駆動系をローディング方向に回転させると、原点スイッチの出力がHi(OFF)に変化する。これにより、光ディスク装置10は、レバー駆動系を停止させ、ローディング、揺動レバー25および検出レバー27の退避を完了する。
【0039】
(2)揺動レバー25、検出レバー27とディスク12との接触監視について
図6に示したタイミングチャートで、ディスク到達スイッチ26がLo(ON)になった後で、かつ、収納完了スイッチ21がLo(ON)の間(タイミングチャート中の網掛け部)は、ディスク到達スイッチ26の出力がLo(ON)であることを監視する。ディスク到達スイッチ26がHi(OFF)になった場合は、一旦レバー駆動系の動作を停止し、再びディスク到達スイッチ26の出力がLo(ON)になったときに、レバー駆動系の動作を開始する。
【0040】
次に、図示していない機構によりディスク12は記録再生位置に搬送され、スピンドルモータ上に保持される。この動作により、ディスク12のローディング動作を完了し、ディスク装置はディスク12の記録再生可能状態になる。
【0041】
(3)ディスク12のイジェクト動作
図9にはディスクイジェクト時のタイミングチャート、図10にはディスク検出部におけるディスクありの状態を表す光ディスク装置本体の平面図、図11には図10のE−E矢視図が示されている。
まず、図示していない機構によりスピンドルモータ上のディスク12の保持を解除し、ディスク12のイジェクト動作を開始する。図示していない機構によりディスク12はイジェクト方向に搬送される。
【0042】
図10、図11に示すように、レバー駆動系をイジェクト方向(図10の矢印D方向)に回転させると、レバー駆動系による検出レバー27の接触により、ディスク12が押し込みレバー15に接触し、ディスク到達スイッチ26の出力がLo(0N)に変化する(図9参照)。この信号を受けて、ローラ部材14をイジェクト方向に回転させる(図9参照)。
【0043】
ローラ部材14と上側ローラ部材とは、ディスク12を挟持し、イジェクト方向に搬送させる。さらに、レバー駆動系をイジェクト方向に回転させると図示していない押出完了スイッチの出力が変化し、レバー駆動系を停止させ、さらにローラ部材14と上側ローラ部材でディスク12をイジェクト方向に搬送する。このとき、図示していないイジェクト完了スイッチでディスク12がイジェクト位置まで搬送されたことを検出する。この信号を受けて、光ディスク装置10はローラ部材14を停止し、イジェクトを完了する。このように、イジェクト時では、ディスク到達スイッチ26の出力でローラ部材14の回転開始を制御することで、無負荷状態でのモータ回転時間を短くし、モータの騒音を低減できるようにしている。
【0044】
本発明の実施の形態の光ディスク装置10によれば、支持軸24によって本体内部に基端が回動自在に支持されディスク到達スイッチ26の固定された揺動レバー25と、支持軸24に基端が回動自在に支持されディスク収納位置に収納されるディスクの外周に先端が接触してディスク到達スイッチ26を作動させる検出レバー27とを備え、同一の支持軸24を支点に揺動レバー25および検出レバー27を回動自在に支持し、揺動レバー25と検出レバー27との相対的な位置変化によって、ディスク到達スイッチ26を作動するようにしたので、従来構成のように、押し出しレバーと検出レバーとを設け、ディスク搬送中に変化するセンサのタイミングで、押し出しレバーを駆動制御する必要がなく、検出動作の遅延等による誤差が発生せず、正確なディスク12の有無検出を行うことができる。
【0045】
また、このような本発明の実施の形態の光ディスク装置10によれば、ディスク到達スイッチ26の固定された揺動レバー25と、ディスク12の外周に先端が接触してディスク到達スイッチ26を作動させる検出レバー27とを備え、ディスク収納位置Dpへのディスク挿入時に、検出レバー27をディスク収納位置Dpへ突出させるので、ローラ部材14による拘束が外れたディスク12が、検出レバー27を押しながらディスク収納位置Dpへ移動し、激しい衝突音を生じなくすることができる。この結果、部品点数が少なく、簡素な機構でディスクローディング時の衝突音を低減できる。また、イジェクト時では、ディスク到達スイッチ26の出力でローラ部材14の回転開始を制御でき、無負荷状態でのモータ回転時間を短くし(必要以上にローディングモータを回転させず)、モータの騒音を低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上のように、本発明は、支持軸によって本体内部に基端が回動自在に支持されディスク到達スイッチの固定された揺動レバーと、支持軸に基端が回動自在に支持されディスク収納位置に収納されるディスクの外周に先端が接触してディスク到達スイッチを作動させる検出レバーとを備えるので、複数部材を連携動作させることによって生じていた検出動作の遅延等による誤差が発生しなくなる効果を有し、光ディスク装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態の光ディスク装置を内蔵するカーオーディオ装置の全体斜視図
【図2】本発明の実施の形態のカーオーディオ装置に内蔵されている本発明の実施形態である光ディスク装置の図1中II−II位置における断面図
【図3】本発明の実施の形態の光ディスク装置におけるディスク収納位置のディスク挿入方向奥側に設けられた揺動レバー、検出レバーの拡大平面図
【図4】本発明の実施の形態のディスク検出部におけるディスクなしの状態を表す揺動レバー、検出レバーの拡大平面図
【図5】本発明の実施の形態の光ディスク装置において挿入されたディスクが収納完了スイッチによって検出された状態を表す光ディスク装置本体の平面図
【図6】本発明の実施の形態の光ディスク装置におけるディスクローディング時のタイミングチャート
【図7】本発明の実施の形態の光ディスク装置においてディスク到達スイッチによるディスク検出で揺動レバー、検出レバーが退避開始された状態を表す光ディスク装置本体の平面図
【図8】本発明の実施の形態の光ディスク装置においてディスクの収納が完了して揺動レバー、検出レバーの退避が完了した状態を表す光ディスク装置本体の平面図
【図9】本発明の実施の形態の光ディスク装置におけるディスクイジェクト時のタイミングチャート
【図10】本発明の実施の形態の光ディスク装置におけるディスク検出部におけるディスクありの状態を表す光ディスク装置本体の平面図
【図11】本発明の実施の形態の光ディスク装置における図10のE−E矢視図
【図12】従来の光ディスク装置の平面図
【図13】従来の光ディスク装置の図12に示した光ディスク装置のレバーの側面図
【図14】従来の光ディスク装置の図12に示した光ディスク装置のカムギヤの側面図
【符号の説明】
【0048】
11 ディスク挿脱口
13 本体
12 ディスク
14 ローラ部材(搬送用ローラ)
10 光ディスク装置
15 押し込みレバー
15a 基端
17 支持軸
24 支持軸
25 揺動レバー
25a 基端
25b 先端
26 ディスク到達スイッチ
27 検出レバー
27a 基端
Dp ディスク収納位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク挿脱口を有した本体と、
前記ディスク挿脱口と前記本体のディスク収納位置との間で前記ディスクを搬送する搬送用ローラと、
支持軸によって前記本体内部に基端が回動自在に支持され、ディスク到達スイッチが固定された揺動レバーと、
前記支持軸に基端が回動自在に支持され前記ディスク収納位置に収納されるディスクの外周に先端が接触して、前記ディスク到達スイッチを作動させる検出レバーと、を備える光ディスク装置。
【請求項2】
請求項1記載の光ディスク装置であって、
前記揺動レバーと前記検出レバーとが前記支持軸を中心に同時に揺動され、
前記ディスクの外周に接触すると、揺動された前記検出レバーによって前記ディスク到達スイッチが押圧作動され、前記ディスクの有無が検出される、光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−202409(P2006−202409A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−13147(P2005−13147)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】