説明

光ディスク装置

【課題】
光ディスク装置において、薄型化が可能な技術の提供。
【解決手段】
ユニットメカ部を覆うカバー部材を支点周りに変位可能な構成とし、かつ、光ディスクが装置内へ挿入されるとき、該光ディスクの平面に交差する方向に傾斜させてある上記カバー部材の平面に、該挿入される光ディスクの先端部を当接させ、該カバー部材の平面からの反力により該光ディスクの記録面の高さ位置を規制して所定の高さを確保する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに対し情報を記録または再生する光ディスク装置に係り、特にその薄型化技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図9は、光ディスク装置の従来技術例を示す図である。図9において、光ディスク(図示なし)が装置内に挿入されるとき、該光ディスクは、前面パネル7'のディスク挿入・排出口から挿入され、ディスク外周部を、支点131a周りに回動するレバー131上のガイド142や、支点135a周りに回動するレバー135上のガイド141や、支点133a周りに回動するレバー133上のガイド144などによって支持され、センタリングされながら装置内の奥側に進む。光ディスクが装置内の所定位置に達すると、該位置で光ディスクは、対物レンズ4a'を含む光ピックアップ4'やディスクモータ2'などが搭載されたトラバース部(ユニットメカ部)の回動変位によって、ディスク平面支持部2a'上に載置され、所定のチャッキング状態とされる。ガイドシャフト150は、レバー131が回動するとき、該レバー131の下面に当接して該レバー131を支持し、光ディスクが挿入または排出される際の該光ディスクの記録面の高さ位置を規制し、該記録面がクランパ部3'などに接触して損傷などしないようにする。カバー部材6'は、トラバース部上に固定状態で1個設けられ、光ピックアップ4'を移動させるための機構部分などを覆う。
【0003】
また、本発明に関連した従来技術であって、文献に記載されたものとしてはとしては、例えば、特開2002−352498号公報(特許文献1)及び特開2004−39193号公報(特許文献2)に記載されたものがある。特開2002−352498号公報には、薄型化と小型化が図れるディスク装置として、スピンドルモータと、ピックアップと、該ピックアップを移動させる駆動手段とをトラバースによって保持し、スピンドルモータをベース本体部の中央部に配し、かつ該トラバースを支点周りの回動可能な構成としてディスク挿入口側に配するとした構成が記載され、ディスクを装置内に挿入するときの該ディスクの支持は、ベース本体部側に固定されたディスクガイド17、81や、規制レバー110上に設けられたガイド112や、排出レバー100上に設けられたガイド101で行うとされる。また、特開2004−39193号公報には、小型化及び薄型化を実現するためのディスクドライブ装置のディスクリリース機構として、リリース時にディスクを係止して保持するディスクカバーを、ディスクに対しディスクスピンドルと同じ側に設けるとした構成が記載され、ディスクを装置内に挿入するときの該ディスクの支持は、ディスクスライダ19上に設けられたピンAや、ディスクアーム20上に設けられたピンBや、センサリンク24上に設けられたピンCなどにより行うとされる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−352498号公報
【特許文献2】特開2004−39193号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術のうち、図8に示す構成においては、光ディスクの高さ位置を確保するためのガイドシャフト150が必要なため、装置の厚み寸法が増大し易く、薄型化を図りにくい。また、特開2002−352498号公報記載の技術は、装置内に挿入されるときのディスク支持を、規制レバー110上のガイド112や、排出レバー100上のガイド101などで行う構成のため、該規制レバー110や該排出レバー100が高さ方向に変位した状態で回動した場合には、光ディスクの所定の高さ位置を確保することが困難となる。また、特開2004−39193号公報記載の技術も、装置内に挿入される際のディスクの支持を、ディスクスライダ19上のピンAや、ディスクアーム20上のピンBや、センサリンク24上のピンCなどにより行う構成のため、該ディスクスライダ19や該ディスクアーム20や該センサリンク24などが高さ方向に変位した状態で回動した場合には、ディスクの所定の高さ位置の確保が難しい。
【0006】
本発明の課題点は、上記従来技術の状況に鑑み、例えばスロットインタイプ(記録媒体としてのディスク単体を、トレイやケースなどを用いずに直接、装置内に挿入するタイプ)特にスリムスロットタイプ等の光ディスク装置において、光ディスクの装置への挿入時や排出時にもディスク面の高さ位置を確保し、ディスク面を損傷させない安全な構造下で、装置の小型化、特に一層の薄型化を図れるようにすることである。
本発明の目的は、かかる課題点を解決して、例えば装置厚さが9.5×10−3m以下の光ディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題点を解決するために、本発明では、基本的に、(1)光ディスク装置において、ユニットメカ部を覆うカバー部材を、支点周りに変位可能な構成とし、かつ、光ディスクが装置内へ挿入されるとき、該光ディスクの平面に交差する方向に傾斜させてある上記カバー部材の平面に、該挿入される光ディスクの先端部を当接させ、該カバー部材を変位させながら、該カバー部材の平面からの反力により該光ディスクの記録面の高さ位置を規制して所定の高さ位置を確保する構成とする。(2)光ディスク装置において、ユニットメカ部を覆うカバー部材を、支点周りに変位可能な構成とし、かつ、チャッキングに先立ち、光ディスクが装置内の少なくとも所定の挿入途中位置にあるとき、上記カバー部材に力を作用させ、該カバー部材を上記支点周りに変位させる昇降機構を備えた構成とし、上記光ディスクが装置内に挿入されるとき、該光ディスクの平面に交差する方向に傾斜した上記カバー部材の平面に、該光ディスクの先端部を当接させ、該カバー部材の平面からの反力により該光ディスクの記録面の高さ位置を規制するとともに、該光ディスクが所定の挿入位置にあるとき、上記昇降機構により、上記カバー部材を、その平面が該光ディスクから離間する方向に変位させる構成とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スロットインタイプなどの光ディスク装置において、装置の小型化、特に一層の薄型化が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態につき、図面を用いて説明する。
図1〜図8は、本発明の一実施形態の説明図である。図1は、本発明の一実施形態としてのスロットインタイプの光ディスク装置の構成例図であって、トップカバー部材を取外した状態を示す斜視図、図2は、図1の光ディスク装置の内部構成の平面図、図3は、図1の光ディスク装置におけるユニットメカ部の構成を示す平面図、図4は、図1の光ディスク装置における装置内へのディスク挿入時の説明図、図5は、図4のディスク挿入動作における各部の高さ位置の関係を示す図、図6は、図1の光ディスク装置においてユニットメカ部を覆うカバー部材を昇降変位させる昇降機構の拡大図、図7は、図6の昇降機構の動作説明図、図8は、図1の光ディスク装置におけるディスクチャッキング時の説明図である。
【0010】
図1において、1は光ディスク装置、2は、光ディスク(図示なし)を回転させるディスクモータ、3は、ディスクモータ2の回転部上に配され、凸状の構成を有し、チャッキング時、該凸状部分が光ディスクの中心孔内に挿入されて該光ディスクをその半径方向に支持しチャッキングするクランパ部、2aは、上記ディスクモータ2の回転部上にあって上記クランパ部3と同心状に配され、該クランパ部3が光ディスクの中心孔内に挿入された状態で該光ディスクの記録面側の平面部であって中心孔周囲の平面部を支持するディスク平面支持部、4は、レーザーを光ディスクの記録面に照射して情報の記録や再生を行う光ピックアップ、4aは対物レンズ、5、6は、装置内部のユニットメカ部においてディスクモータ2、クランパ部3、ディスク平面支持部2aなどの周囲の領域を覆い、該領域において光ディスクの記録面側の平面部と装置部品・機構との間を空間的に遮断するカバー部材、6a、6bは、カバー部材6の回動支点、Qは、2つの支点6a、6bを通る直線(以下、支点線という)、7は、光ディスク装置1の前面パネル、8は、上記クランパ部3の上方に配され、光ディスク装置1の表面側にあって装置を覆うトップカバー部材、8aは、トップカバー部材8の外側の平面部(外側平面部)、8bは、トップカバー部材8上において上記クランパ部3との対向位置に設けられた貫通孔、8cは、貫通孔8bの周囲に設けられた凹部、10は、光ディスク装置1の裏面側にあって装置を覆うボトムカバー部材、11は、装置基盤を構成しボトムカバー部材10と結合される第1の基台としてのベース部材、12は、上記ディスクモータ2、クランパ部3、ディスク平面支持部2a、光ピックアップ4などが取付けられた第2の基台としてのユニットメカデッキ部材である。
【0011】
対物レンズ4aが搭載された光ピックアップ4は、送りモータ(図示なし)で回転駆動されるリードスクリュー部材(図示なし)により、チャッキングされた状態の光ディスクに対し略半径方向に移動される。カバー部材5、6のうち、カバー部材6は可動型構成を有し、光ディスクの挿入時及び排出時に、支点(第2の支点)6a、6bの周り(または支点線Qの周り)に回動変位する。支点6a、6bは、前面パネル7の近傍にあって、チャッキングされた光ディスク(図示なし)の半径方向の中点位置(光ディスクの半径の中間位置または光ディスクの内径と外径との間の中間点位置)よりもディスク外周側の位置に配される。また、該支点6a、6bは、本実施例構成においては、ユニットメカデッキ部材12上に設けられるものとするが、特にこれに限定されず、例えば、ベース部材11上などに設けられてもよい。
【0012】
また、図2において、71は、表面に送りねじが設けられ、回転により上記光ピックアップ4側に対し、光ディスクの略半径方向の移動力を与えるリードスクリュー部材、60は、そのモータ回転軸をリードスクリュー部材71に直結され、該リードスクリュー部材71を回転駆動するステッピングモータ等の送りモータ、72、73は、光ピックアップ4の両側で該光ピックアップ4の略ディスク半径方向の移動を案内するガイド部材、4bは、先端部が上記リードスクリュー部材71の送りねじに係合され、上記リードスクリュー部材71の回転力を直線的移動力として光ピックアップ4側に伝えるラック部、31、32、33は、光ディスクが前面パネル7側から装置内に挿入されたとき、及び、光ディスクが装置内から前面パネル7側に排出されるときに、該挿入・排出動作のための駆動力の伝達を行うレバー、31aはレバー31の回動動作の支点部材、41、42は、上記挿入された光ディスクの外周に当接して該光ディスクのセンタリングを行うローラ、43はアーム、80はモータ、50は、モータ80への駆動入力の供給をオン・オフするスイッチ、21は、レバー32にモータ80の回転駆動力を伝達する伝達機構、22は、第1の基台としての上記ベース部材11側に設けられ、光ディスクのチャッキング時、該光ディスクが装置内の所定位置に挿入された状態で上記ユニットメカデッキ部材12に回動力を与え、該ユニットメカデッキ部材12を昇降変位させる昇降機構(第1の昇降機構)、25、26は、上記ユニットメカデッキ部材12の昇降変位の支点(第1の支点)である。他の符号は、上記図1の場合と同様である。
【0013】
Gの部分には、上記レバー32により作動されてカバー部材6を支点(第2の支点)6a、6b周り(または支点線Q周り)に昇降変位させる昇降機構(第2の昇降機構)(図示なし)が配されている。上記ユニットメカデッキ部材12は、支点25、26の周りに回動することで昇降変位する。上記送りモータ60、リードスクリュー部材71、ガイド部材72、73なども、ディスクモータ2、クランパ部3とともにユニットメカデッキ部材12上に設けられているため、該ユニットメカデッキ部材12の上記昇降動作により、該ユニットメカデッキ部材12とともに昇降変位(回動変位)する。伝達機構21はギヤ列を備えて構成される。また、ローラ42は、レバー31上に設けられている。上記リードスクリュー部材71、上記ラック部4b及び上記ガイド部材72、73は、上記光ピックアップ4を上記光ディスクの略半径方向に案内して移動させる移動・案内機構を構成する。上記ユニットメカデッキ部材12と、これに搭載される上記ディスクモータ2、上記クランパ部3、上記光ピックアップ4、上記移動・案内機構、上記送りモータ60などは、全体としてユニットメカ部を構成する。
【0014】
上記において、直結駆動型の送りモータ60は、ユニットメカデッキ部材12上において、チャッキング状態にある光ディスクの投影領域内(光ディスクをディスク平面に直角な方向に正投影した際にその影となる領域内。以下、投影領域内またはディスク投影領域内という)にあって該光ディスクの半径方向の中点位置(光ディスクの半径の中間位置または光ディスクの内径と外径との間の中間点位置)よりも外周側の位置に配される。つまり、送りモータ60本体部の回動半径方向長さの約1/2の位置の点が、上記光ディスクの半径方向の中点位置よりも外周側の位置にあるようにされる。また、支点25、26は、チャッキング状態にある光ディスクの半径方向の中点位置(光ディスクの半径の中間位置または光ディスクの内径と外径との間の中間点位置)よりもディスク外周側の位置に配され、送りモータ60を、上記光ディスクの上記投影領域内にあって該光ディスクの半径方向の中点位置(光ディスクの半径の中間位置または光ディスクの内径と外径との間の中間点位置)よりも上記支点25、26寄りの位置に配する構成、つまり、送りモータ60本体部の回動半径方向長さの約1/2の位置の点が、上記光ディスクの半径方向の中点位置よりも上記支点25、26寄りの位置にある構成とすると、小型化、特に薄型化に対しより有効となる。
【0015】
上記図1及び図2の構成において、光ディスクが装置内に挿入されてチャッキングされるときは、上記昇降機構(第1の昇降機構)22が、第2の基台としての上記ユニットメカデッキ部材12を、支点25、26の周りに回動させて所定位置にまで上昇させ、光ディスクを上記トップカバー部材8の凹部8cのディスク側の対向面に当接させた状態において、上記クランパ部3の先端面が該トップカバー部材8の貫通孔8bから突出し、該トップカバー部材8の凹部8cとディスク平面支持部2aとで光ディスクをはさみ、クランパ部3に該光ディスクを装着させる。ユニットメカデッキ部材12が上記上昇変位されるとき、送りモータ60もその位置(光ディスクの外周側の位置または支点25、26寄りの位置)で該ユニットメカデッキ部材12といっしょに上昇変位する。
【0016】
上記光ディスク装置1において、光ディスクが前面パネル7側の挿入・排出口(図示なし)から装置内に挿入されるとき、可動型のカバー部材6は、予め該光ディスクの平面に交差する方向に傾斜した状態で弾性部材の弾性復元力により、該傾斜角が増大する方向に付勢されているものとする。挿入・排出口から挿入された光ディスクは、その先端部が、所定の挿入距離の位置で上記カバー部材6の平面に当接し、上記弾性復元力に抗して該カバー部材6の平面を押すことで該カバー部材6の平面から反力を受け、記録面の高さ位置が規制される。また、挿入・排出口から挿入されたとき、該光ディスクは、その外周が、ローラ41、42、アーム43に対し、ローラ41、42、アーム43の順で当接し、レバー31、32、33を変位させながら、センタリングされる。このとき、ローラ42は、光ディスクの挿入移動に伴い該光ディスクの外周に押されてレバー31を支点部材31a上の支点周りに矢印Eの方向に回動させる。
【0017】
レバー31は、該矢印E方向の回動変位量が所定量に達したとき、スイッチ50をオン状態にする。スイッチ50がオン状態となることで、モータ80に対し駆動回路(図示なし)から所定の駆動入力が供給され、該モータ80が回転する。該モータ80が回転すると、その回転駆動力が、伝達機構21によりレバー32に伝達される。レバー32は、該伝達された力を、昇降機構(第1の昇降機構)22に伝える。
【0018】
レバー32は、光ディスクが挿入途中位置にあるとき、伝達機構21側から伝達された力により作動し、Gの部分に配された第2の昇降機構(図示なし)を駆動する。該第2の昇降機構は、カバー部材6を、支点(第2の支点)6a、6bまたは支点線Qの周りに、光ディスクから離間する方向に弾性部材の復元力に抗して変位させ、該光ディスクの先端部との上記当接状態を解く。カバー部材6との該当接状態を解かれた光ディスクは、さらに装置内の奥側に挿入移動される。カバー部材6の上記第2の昇降機構による上記変位動作と、光ディスクの上記挿入移動動作とは互いに並行して行われる。
【0019】
一方、昇降機構22は、上記レバー32から伝達された力で作動し、ユニットメカデッキ部材12の係合部を押すなどして、該ユニットメカデッキ部材12に対し、支点25、26周りの回動力を与え、該ユニットメカデッキ部材12をトップカバー部材8側に回動変位(上昇変位)させる。該ユニットメカデッキ部材12が上昇変位すると、ディスクモータ2、クランパ部3、ディスク平面支持部2aもいっしょに上昇変位しすなわちユニットメカ部全体が上昇変位し、凸状の該クランパ部3が、挿入移動を終了して所定位置にある光ディスクの中心孔に挿入され、ディスク平面支持部2aが、例えば光ディスクの中心孔周囲の平面部に一部当接した状態となる。該状態でさらに、ユニットメカデッキ部材12が上昇変位すると、光ディスクも上昇変位し、該光ディスクは、トップカバー部材8の凹部8cのディスク側の対向面に当接し、該対向面からの反力により、クランパ部3がほぼ完全に光ディスクの中心孔内に入り込み、ディスク平面支持部2aも例えばその全周の部分で光ディスクの中心孔周囲の平面部に当接した状態となる。これにより、光ディスクは該クランパ部3と該ディスク平面支持部2aによりチャッキングされた状態となる。該チャッキング状態において、クランパ部3の先端面は該トップカバー部材8の貫通孔8bから突出し、トップカバー部材8の外側平面部8aのディスク投影領域内における平面部の高さ位置以上に高い位置となる。ユニットメカデッキ部材12が上記上昇変位されるとき、送りモータ60も該ユニットメカデッキ部材12といっしょに上昇変位する。上記チャッキングのとき、送りモータ60の駆動入力はオフ状態とされる。ユニットメカデッキ部材12またはそれを含むユニットメカ部の、上記第1の昇降機構による光ディスクの挿入終点までの上記上昇変位動作は、上記第2の昇降機構によるカバー部材6の上記変位動作に並行して行われる。
【0020】
上記チャッキングが終了すると、上記昇降機構22は、モータ80の駆動入力に基づき、ユニットメカデッキ部材12を、支点(第1の支点)25、26周りに、上記上昇変位の場合とは逆の方向に回動させて下降変位させ、光ディスクをトップカバー部材8の凹部8cのディスク側の対向面から離間させ、所定の位置まで下降変位させる。光ディスクが該所定の位置すなわち情報の記録または再生のために回転可能な位置にまで下降変位した状態では、クランパ部3の先端面は、例えば、ディスク投影領域内における該トップカバー部材8の外側平面部の高さ位置よりも低くなるようにされる。ユニットメカデッキ部材12が上記下降変位されるとき、送りモータ60も該ユニットメカデッキ部材12といっしょに下降変位する。また、光ディスクが上記所定の位置に下降変位したとき、モータ80の駆動入力はオフ状態とされ、ディスクモータ2及び送りモータ60はそれぞれ、回転可能状態となり、ディスクモータ2による光ディスクの回転駆動と、送りモータ60による光ピックアップ4の移動が可能となる。送りモータ60は、例えば駆動入力として駆動パルスが入力されると、所定の回転角または回転数で回転し、モータ回転軸に直結されたリードスクリュー部材71を回転させる。リードスクリュー部材71が回転すると、その表面の送りねじに係合したラック部4bが、該リードスクリュー部材71の回転力を直線的移動力として光ピックアップ4側に伝え、該光ピックアップ4が、ガイド部材72、73に案内されて光ディスクの略半径方向に所定速度で所定距離移動される。光ピックアップ4は、該移動動作をしながら、対物レンズ4bからレーザーを光ディスクの記録面に照射して、情報の記録または再生を行う。
以下の説明中で用いる光ディスク装置1の構成要素には、上記図1、図2の場合と同じ符号を付して用いるものとする。
【0021】
図3は、図1の光ディスク装置における図1の光ディスク装置におけるユニットメカ部の構成を示す平面図である。
図3において、100は、クランパ部3及びディスク平面支持部2aで装置内にチャッキングされた光ディスク、P−P'は、2つの支点25、26を通る直線(以下、支点線という)である。他の符号は、上記図1、図2の場合と同様である。ユニットメカデッキ部材12は、その端部Tを作用点として昇降機構22により昇降変位するとき、支点25、26周りすなわち支点線P−P'周りにZ軸方向の面内で回動する。該回動による変位量(回動変位量)は、支点25、26から遠い位置すなわち支点線P−P'から遠い位置ほど大きい。Y'は、XY平面内で支点線P−P'に直角な座標軸、X'は、XY平面内でY'に垂直な座標軸である。本発明では、装置の小型化、特に薄型化のために、送りモータ60の回動変位量も少なく抑えるようにしている。このために、送りモータ60を、チャッキング状態にある光ディスク100の投影領域内にあって該光ディスク100の半径方向の中点位置(光ディスク100の半径の中間位置または光ディスク100の内径と外径との間の中間点位置)よりも外周側の位置に配する。つまり、送りモータ60本体部の回動半径方向長さの約1/2の位置の点が、上記光ディスクの半径方向の中点位置よりも外周側の位置にあるようにする。また、支点25、26を、チャッキング状態にある光ディスク100の半径方向の中点位置(光ディスク100の半径の中間位置または光ディスク100の内径と外径との間の中間点位置)よりも外周側の位置に配し、送りモータ60を、上記光ディスク100の上記投影領域内にあって該光ディスク100の半径方向の中点位置(光ディスク100の半径の中間位置または光ディスク100の内径と外径との間の中間点位置)よりも上記支点25、26寄りの位置すなわち上記支点線P−P'寄りの位置に配する構成、つまり、送りモータ60本体部の回動半径方向長さの約1/2の位置の点が、上記光ディスクの半径方向の中点位置よりも上記支点25、26寄りの位置にあるようにした構成にすると、小型化、特に薄型化に対しより有効である。図3の構成では、送りモータ60は、一部が支点線P−P'にかかる位置に配してある。
【0022】
図4は、図1の光ディスク装置における装置内へのディスク挿入時の説明図で、(a)は、光ディスクが挿入途中位置にあるときの装置平面図、(b)は、同状態時の装置側面図である。
図4において、100aは、挿入された光ディスク100の記録面、100cは光ディスク100の先端部、6cはカバー部材6の表面側の平面である。他の符号は、上記図1〜図3の場合と同様である。前面パネル7側の挿入・排出口から挿入された光ディスク100は、その先端部100cが、所定距離挿入された位置で、光ディスク100の記録面100aに対し所定角θ(以下、傾斜角という)だけ傾斜しているカバー部材6の平面6cに当接し、該カバー部材6に作用している弾性復元力に抗して該カバー部材6の該平面6cを矢印Jの方向に押す。該平面6cを矢印Jの方向に押すことで該光ディスク100は、該カバー部材6の平面から反力を受け、該反力は、該光ディスク100の記録面100aの高さ位置が所定値以上となるように規制する。該光ディスク100は、先端部100cが、略一定の高さ位置でカバー部材6の平面6cに当接された状態のまま該平面6c上を摺動し、装置の奥側に向かって挿入移動する。該挿入移動時に該光ディスク100はセンタリングも行われる。光ディスク100(またはその先端部100c)の該挿入移動に伴い、カバー部材6は、支点(第2の支点6a、6b)の周りに変位し、矢印J方向に回動する。該回動によって、傾斜角θは減少する。所定の挿入移動位置で、スイッチ50(図2)がオン状態とされ、モータ80(図2)に駆動入力が供給され、該モータ80が回転する。該モータ80が回転することで、昇降機構(第1の昇降機構)22と、レバー32に係合された第2の昇降機構(図示なし)が作動される。第2の昇降機構は、カバー部材6を、支点(第2の支点)6a、6bまたは支点線Q(図1)の周りに、光ディスク100の記録面100aから離間する方向に回動変位させる。一方、昇降機構(第1の昇降機構)22は、ユニットメカデッキ部材12に対し、支点25、26または支点線P−P'の周りの回動力を与え、該ユニットメカデッキ部材12を矢印Fの方向すなわちトップカバー部材8側に回動変位(上昇変位)させる。上記第2の昇降機構によるカバー部材6の変位動作と、上記昇降機構(第1の昇降機構)22によるユニットメカデッキ部材12の変位動作は、互いに略並行して行われる。
【0023】
図5は、図4のディスク挿入動作における各部の高さ位置の関係を示す図である。
図5において、横軸は時間、縦軸は、移動する各部の高さ位置を示し、さらに、Aは、時間に対するカバー部材6の先端の高さ位置の変化を示す曲線、Bは、時間に対する光ディスク100の記録面100aの高さ位置を示す曲線、Cは、時間に対するユニットメカデッキ部材12の高さ位置の変化を示す曲線、イは、光ディスク100が装置内へ挿入開始されるディスク挿入開始時点、ロは、光ディスク100の先端部100cとカバー部材6の平面6cとが当接を開始するディスク・カバー当接開始時点、ハは、ユニットメカデッキ部材12が昇降機構(第1の昇降機構)22により上昇変位を開始するユニットメカデッキ部材上昇開始時点、ニは、光ディスク100が、ユニットメカデッキ部材12によりチャッキングのために上昇変位を開始するディスク上昇開始時点、ホは、上昇変位を開始した光ディスクがカバー部材6の平面6cから離間し始める(=カバー部材6の平面6cとの当接状態を解除する)ディスク・カバー当接解除時点、ヘは、カバー部材6が第2の昇降機構により変位を開始するカバー部材引き込み開始時点、トは、光ディスク100がチャッキングされて回転可能な状態となるディスク回転可能時点である。本図5では、ユニットメカデッキ部材12は、カバー部材6が第2の昇降機構による回動変位を開始するのに先立って、昇降機構(第1の昇降機構)22により上昇変位を開始するものとする。
【0024】
図5において、光ディスク100がディスク挿入開始時点イにおいて先端部100cを高さ位置ZB1で装置内に挿入され、ディスク・カバー当接開始時点ロで該光ディスク100の先端部100cがカバー部材6の平面6cに当接し該平面6cを押す。カバー部材6は、その先端部(カバー部材6の先端部)が第2の昇降機構に係合しているため、該押されることで、該先端部(カバー部材6の先端部)の高さ位置は略一定に保たれた状態のまま、該先端部以外の部分が、該光ディスク100の先端部100cが当接した部分を主体に撓み、該撓みを発生した状態で、該カバー部材6は、第2の支点6a、6b周りに図4の矢印Jの方向に回動する。
【0025】
光ディスク100の先端部100cが装置の奥側に挿入され、ユニットメカデッキ部材上昇開始時点ハになると、ユニットメカデッキ部材12は、昇降機構(第1の昇降機構)22による第1の支点25、26周りの回動変位(モータ80の駆動力に基づく変位)を開始し、その高さ位置Zc1から徐々にトップカバー部材8側に向かって上昇する。このとき、ディスクモータ2、クランパ部3、ディスク平面支持部2aなども該ユニットメカデッキ部材12とともに上昇する。
【0026】
ディスク上昇開始時点ニでは、上記ユニットメカデッキ部材12とともに上昇変位する上記クランパ部3や上記ディスク平面支持部2aが、既に所定の挿入位置に達している光ディスク100に係合し、該光ディスク100をチャッキングのためにその記録面100aの高さ位置ZB1をトップカバー部材8側に向かって上昇させる。該光ディスク100の記録面100aの高さ位置ZB1からの上昇変位により、カバー部材6の上記撓みは徐々に減少し、ディスク・カバー当接解除時点ホになると、該撓みはなくなり、該光ディスク100の先端部100cは、カバー部材6の平面6cから離間して、該平面6cとの当接状態が解除される。
【0027】
さらに、カバー部材引き込み開始時点ヘになると、カバー部材6が第2の昇降機構による変位(モータ80の駆動力に基づく自動引き込みによる変位)を開始し、該カバー部材6は、第2の支点6a、6b周りに図4の矢印Jの方向に回動し、その先端部の高さ位置も高さZA1の位置から該ユニットメカデッキ部材12側に向かって下がる。該自動引き込みによる該カバー部材6の下降変位と、上記光ディスク100の上昇変位とにより、カバー部材6の平面6cと光ディスク100の先端部100cとの離間距離は増大する。
【0028】
一方、ユニットメカデッキ部材12は、上昇変位により、高さ位置ZC2に達したとき、光ディスク100の記録面100aを高さ位置ZB2にして、該光ディスク100をクランパ部3やディスク平面支持部2aにチャッキングされた状態にする。その後、ユニットメカデッキ部材12は、昇降機構(第1の昇降機構)22により、自動的に、第1の支点25、26周りに回動して下降変位し、ディスク回転可能時点トで高さ位置ZC3となり、光ディスク100の記録面100aを高さ位置ZB1にし回転可能な状態にする。該ディスク回転可能時点トでは、カバー部材6の先端部の高さ位置は高さZA2の位置となり、光ディスク100の記録面100aの高さ位置ZB1よりも低い位置となる。ユニットメカデッキ部材12の高さ位置ZC3も、やはり、光ディスク100の記録面100aの高さ位置ZB1よりも低い位置となる。
【0029】
上記のように、光ディスク100は、ディスク・カバー当接開始時点ロとディスク・カバー当接解除時点ホとの間の期間(当接期間t)においては、カバー部材6の平面6cに対し当接状態となり、該カバー部材6の平面6cから反力を受けて支持された状態とされ、記録面100aが高さZB1の位置に保持されるように規制される。また、ディスク・カバー当接解除時点ホとディスク回転可能時点トとの間の期間(非当接期間t)においては、光ディスク100は、カバー部材6の平面6cから離間した非当接状態となり、該状態でチャッキングも行われる。光ディスク100が装置から排出される場合にも、該光ディスク100がカバー部材6の平面6cに対し当接状態となる期間が形成され、該期間では記録面100aの高さ位置が確保されるように規制される。
【0030】
図6は、カバー部材6を昇降変位させる第2の昇降機構の部分であって、図2におけるGの部分の拡大図、図7は、その動作説明図である。
図6、図7において、90はカム部材、90aは、カム部材90のカム部、90bは、カム部材90の回動支点、90cは、カバー部材6に係合するカム部材90の係合部、95は、カム部材90を傾斜角θ(図4)を増大させる方向に付勢する弾性部材、32aは、カム部材90のカム部90aに係合するレバー32の対カム係合部である。カム部材90、弾性部材95及びレバー32の対カム係合部32aは、第2の昇降機構を構成する。カバー部材6の回動変位の支点6a、6bは、本実施例構成においては、ユニットメカデッキ部材12上に設けられる。
【0031】
レバー32は、光ディスクが装置内における挿入途中位置にあるとき、伝達機構21(図2)側から伝達された力により作動し、第2の昇降機構を駆動する。すなわち、レバー32は、矢印Kの方向に移動変位し(図7(a))、その先端部の対カム係合部32aがカム部材90のカム部90aに係合し、該カム部材90を,弾性部材95による弾性復元力に抗して回動支点90bの周りに回動させ、矢印Lの方向に変位させる。該カム部材90の矢印L方向の変位は、係合部90cに係合されているカバー部材6を矢印Jの方向に変位させる(図7(b))。レバー32がさらに矢印Kの方向に移動変位すると、レバー32の対カム係合部32aは、カム部材90のカム部90aの係合路曲線の極大部90aを乗り越えて安定な位置に落ち着く。カム部材90は、該対カム係合部32aの該乗り越え動作に対応して回動変位し、カバー部材6を変位させて保持する(図7(c))。
【0032】
図8は、図1の光ディスク装置におけるディスクチャッキング時の説明図である。図8は、光ディスク100の記録面100aが高さ位置ZB2(図5)にあって、既にチャッキングされた状態を示す。
図8において、100は光ディスク、8cは、トップカバー部材8の凹部8cの光ディスク100側と反対側の面(以下、トップカバー部材8の凹部8cの外側平面という)、8cは、トップカバー部材8の凹部8cの光ディスク100側の対向面(以下、トップカバー部材8の凹部8cの内側平面という)、85は、前面パネル7側に設けられた光ディスク100の挿入・排出口、矢印Fは、ユニットメカデッキ部材12が上昇変位するときの回動方向、矢印Fは、ユニットメカデッキ部材12が下降変位するときの回動方向、矢印F'は、送りモータ60がユニットメカデッキ部材12とともに上昇変位するときの回動方向、矢印F'は、送りモータ60がユニットメカデッキ部材12とともに下降変位するときの回動方向、hは、支点25、26側のトップカバー部材8の外側平面部8a内のディスク投影領域内における平面部の高さ位置とクランパ部3の先端面との間の距離(=クランパ部3の先端面の外側平面部8aからの突出量)、hは、支点25、26側とは反対側すなわち昇降機構22側のトップカバー部材8の外側平面部8a内のディスク投影領域内における平面部の高さ位置とクランパ部3の先端面との間の距離(=クランパ部3の先端面の外側平面部8aからの突出量)である(h>hとする)。
【0033】
ユニットメカデッキ部材12が、昇降機構22により上昇変位され、光ディスク100がトップカバー部材8の凹部8cの内側平面8cに当接し、該内側平面8cからの反力により、クランパ部3がほぼ完全に該光ディスク100の中心孔内に入り込み、ディスクモータ2の回転部上のディスク平面支持部2a(図3には図示なし)も例えばその全周の部分で光ディスク100の中心孔周囲の平面部に当接した状態となって該光ディスク100がチャッキングされるとき、クランパ部3の先端面は、トップカバー部材8の貫通孔8bから、外側平面8cの高さ位置を越えて突出し、さらに、該トップカバー部材8の外側平面部8aのディスク投影領域内における平面部の高さ位置よりもh〜h高い位置となる。光ディスク100がチャッキングされた後は、ユニットメカデッキ部材12が矢印Fの方向に下降変位してクランパ部3も下降変位する。該下降変位後の所定の高さ位置で光ディスク100は、記録や再生のために回転可能な状態となる。このように、チャッキング時にクランパ部3の先端面をトップカバー部材8の外側平面部8aの高さ位置以上に突出させる構成は、上記のように送りモータ60を、光ディスク100の外周側の位置や支点25、26寄りの位置に配した構成と併せ、該トップカバー部材8の外側平面部8aの高さ位置を、クランパ部3の先端面の高さ位置に対して低くすることを可能にし、トップカバー部材8の高さ寸法を減らす。これによって、光ディスク装置1の小型化、特に薄型化を可能にする。上記図1〜図4で説明した構成を有する本実施形態の光ディスク装置1において、h、hをそれぞれ、例えば0.5×10−3m以下としたときには、ディスクチャッキング後のクランパ部3の下降変位により、該クランパ部3の先端面を、トップカバー部材8の外側平面部8aの高さ位置よりも低い位置とすることができ、光ディスク装置1の全体の厚さ寸法を9.5×10−3m以下とすることも可能となる。
【0034】
上記本発明の実施形態によれば、光ディスク100の高さ位置の確保を、ガイドシャフト150(図9)などの専用部材を設けることなく、カバー部材6を利用して行うことができ、装置の小型化、特に一層の薄型化を図ることができ、例えば、スロットインタイプの光ディスク装置において、トップカバー部材8の外面とボトムカバー部材10の外面との間の距離を、9.5×10−3m以下とすることが可能となる。さらに、送りモータ60を、光ディスク100の投影領域内で、該光ディスク100の外周側の位置または該光ディスク100の外周側に配された支点25、26(または支点線P−P')寄りの位置に設ける構成や、クランパ部3の先端面を、トップカバー部材8の貫通孔8bから外側平面部8aの高さ以上に突出させる構成と併せることで、装置の一層の小型化特に一層の薄型化が可能となる。
【0035】
なお、上記実施形態では、ユニットメカデッキ部材12が、カバー部材6が第2の昇降機構によって回動変位を開始するのに先立ち、昇降機構(第1の昇降機構)22により上昇変位を開始するものとした(図5)が、本発明はこれに限定されない。また、上記実施形態では、カバー部材5、6のうち、カバー部材6のみを可動させる構成としたが、これにも限定されない。また、上記実施形態では、弾性部材を用い、上記カバー部材が、カバー部材の平面の光ディスク平面に対する傾斜が増大する方向の該弾性部材の弾性復元力により付勢される構成としたが、本発明はこれにも限定されず、この他、例えば、弾性部材を用いずに、カバー部材自体などの弾性復元力により付勢される構成としてもよい。さらに、上記実施形態では、スロットインタイプの光ディスク装置の場合につき説明したが、本発明はこれにも限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態としての光ディスク装置の構成例図である。
【図2】図1の光ディスク装置の内部構成の平面図である。
【図3】図1の光ディスク装置のユニットメカ部の構成を示す平面図である。
【図4】図1の光ディスク装置におけるディスク挿入時の説明図である。
【図5】図4のディスク挿入動作における各部の高さ関係を示す図である。
【図6】図1の光ディスク装置においてユニットメカ部を覆うカバー部材を昇降変位させる昇降機構の拡大図である。
【図7】図6の昇降機構の動作説明図である。
【図8】図1の光ディスク装置におけるディスクチャッキング時の説明図である。
【図9】従来技術例を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1…光ディスク装置、
2…ディスクモータ、
2a…ディスク平面支持部、
3…クランパ部、
4…光ピックアップ、
4a…対物レンズ、
4b…ラック部、
5、6…カバー部材、
6a、6b、25、26…支点、
7…前面パネル、
8…トップカバー部材、
10…ボトムカバー部材、
11…ベース部材、
12…ユニットメカデッキ部材、
21…伝達機構、
22…昇降機構、
31、32、33…レバー、
31a…支点部材、
41、42…ローラ、
43…アーム、
50…スイッチ、
60…送りモータ、
71…リードスクリュー部材、
72、73…ガイド部材、
80…モータ、
90…カム部材、
90a…カム部、
90b…回動支点、
90c…係合部、
95…弾性部材、
100…光ディスク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ピックアップを光ディスクの略半径方向に移動させ情報の記録または再生を行う光ディスク装置であって、
上記光ディスクを回転駆動するディスクモータと、上記光ピックアップと、該光ピックアップを上記光ディスクの略半径方向に案内しながら移動させる移動・案内機構と、該移動・案内機構を駆動する送りモータとが搭載されて成るユニットメカ部と、
支点周りに変位可能な構成を有し、上記ユニットメカ部を覆うカバー部材と、
を備え、上記光ディスクが装置内に挿入されるとき、該光ディスクの平面に交差する方向に傾斜した上記カバー部材の平面に該光ディスクの先端部を当接させ、該カバー部材を変位させるとともにその反力に基づき該光ディスクの記録面の高さ位置を規制する構成としたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
光ピックアップを光ディスクの略半径方向に移動させ情報の記録または再生を行う光ディスク装置であって、
上記光ディスクを回転駆動するディスクモータと、上記光ピックアップと、該光ピックアップを上記光ディスクの略半径方向に案内しながら移動させる移動・案内機構と、該移動・案内機構を駆動する送りモータとが搭載されて成るユニットメカ部と、
支点周りに変位可能な構成を有し、上記ユニットメカ部を覆うカバー部材と、
上記光ディスクのチャッキングに先立ち、該光ディスクが装置内の所定の挿入途中位置にあるとき、上記カバー部材に力を与え、該カバー部材を上記支点周りに変位させる昇降機構と、
を備え、上記光ディスクが装置内に挿入されるとき、該光ディスクの平面に交差する方向に傾斜した上記カバー部材の平面に、該挿入される光ディスクの先端部を当接させ、該光ディスクの記録面の高さ位置を規制するとともに、該光ディスクが所定の挿入位置にあるとき、上記昇降機構により、上記カバー部材を、該光ディスクから離間する方向に変位させる構成としたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
光ピックアップを光ディスクの略半径方向に移動させ情報の記録または再生を行う光ディスク装置であって、
装置内の所定位置にチャッキングされた上記光ディスクを回転駆動するディスクモータと、
装置基盤としての第1の基台と、
上記光ピックアップを上記光ディスクの略半径方向に案内して移動させる移動・案内機構と、
上記光ピックアップ、上記移動・案内機構及び上記ディスクモータが搭載され、上記第1の基台に対し、上記チャッキングされた光ディスクの半径方向の中点位置よりも外周側の位置に配された第1の支点の周りに回動する第2の基台と、
上記ディスクモータの中心軸位置よりも上記第1の支点寄りの位置に配された第2の支点の周りに変位する構成を有し、上記移動・案内機構を覆うカバー部材と、
上記第1の基台側に設けられ、上記チャッキング時、上記光ディスクが装置内の所定位置に挿入された状態で、上記第2の基台に回動力を与え該第2の基台を上記第1の支点の周りに昇降変位させる第1の昇降機構と、
上記チャッキングに先立ち、上記光ディスクが装置内の所定の挿入途中位置にあるとき、上記カバー部材に力を作用させ、該カバー部材を上記第2の支点の周りに変位させる第2の昇降機構と、
上記第1の昇降機構及び上記第2の昇降機構を駆動する昇降用モータと、
上記昇降用モータの駆動をオン・オフするスイッチ手段と、
変位により上記スイッチ手段の作動をオン・オフする変位部材と、
を備え、上記光ディスクが装置内に挿入されるとき、該光ディスクの平面に交差する方向に傾斜した上記カバー部材の平面に、該光ディスクの先端部を当接させ、該光ディスクの記録面の高さ位置を規制し、該光ディスクが所定の挿入位置に達したとき、上記変位部材により上記スイッチ手段をオン状態として上記昇降用モータの駆動をオン状態とし、上記第1の昇降機構により、上記第2の基台を該光ディスク側に回動変位させるとともに、上記第2の昇降機構により、上記カバー部材を該光ディスクから離間する方向に変位させる構成としたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項4】
光ディスクをディスクモータの回転軸に同心状にチャッキングして回転させ、光ピックアップを該光ディスクの略半径方向に移動させて情報の記録または再生を行う光ディスク装置であって、
上記ディスクモータの回転部上に配され、上記光ディスクのチャッキング時、該光ディスクの中心孔内に挿入され該光ディスクを半径方向に支持する凸状のクランパ部と、
上記ディスクモータの回転部上にあって上記クランパ部と同心状に配され、該クランパ部が上記光ディスクの中心孔内に挿入された状態で該光ディスクの平面部を支持するディスク平面支持部と、
上記クランパ部の上方に配され、該クランパ部との対向位置に貫通孔を有し、装置の表面側を覆うトップカバー部材と、
装置の裏面側を覆うボトムカバー部材と、
上記光ディスクを回転駆動するディスクモータと、上記光ピックアップと、該光ピックアップを上記光ディスクの略半径方向に案内しながら移動させる移動・案内機構と、該移動・案内機構を駆動する送りモータとが搭載されて成り、第1の支点の周りに回動変位するユニットメカ部と、
上記ユニットメカ部を上記第1の支点の周りに回動変位させる第1の昇降機構と、
第2の支点の周りに変位する構成を有し、上記ユニットメカ部を覆うカバー部材と、
上記チャッキングに先立ち、上記光ディスクが装置内の所定の挿入途中位置にあるとき、上記カバー部材に力を作用させ、該カバー部材を上記第2の支点の周りに変位させる第2の昇降機構と、
を備え、上記光ディスクが装置内に挿入されるとき、該光ディスクの平面に交差する方向に傾斜した上記カバー部材の平面に、該光ディスクの先端部を当接させ、該光ディスクの記録面の高さ位置を規制するとともに、該光ディスクが所定の挿入位置に達したとき、上記第2の昇降機構により、上記カバー部材を該光ディスクから離間する方向に変位させ、かつ、上記第1の昇降機構が上記ユニットメカ部を上昇させ、該光ディスクを上記トップカバー部材の対向面に当接させた状態で、上記クランパ部の先端面を、上記トップカバー部材の貫通孔から突出させ、ディスク投影領域内における平面部の高さ位置以上に高くする構成としたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項5】
上記ユニットメカ部は、上記送りモータが、上記チャッキングされた光ディスクの投影領域内にあって該光ディスクの半径方向の中点位置よりも外周側の位置に配された構成である請求項1、2または4に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
上記カバー部材は、上記支点が、上記チャッキングされた光ディスクの半径方向の中点位置よりも外周側の位置に配された構成である請求項1または請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
上記カバー部材は、上記傾斜が増大する方向に弾性復元力により付勢された構成である請求項1から4のいずれかに記載の光ディスク装置。
【請求項8】
上記トップカバー部材の外面と上記ボトムカバー部材の外面との間の距離は、9.5×10−3m以下である請求項4に記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−260719(P2006−260719A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−79688(P2005−79688)
【出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【Fターム(参考)】