説明

光ディスク装置

【課題】光ディスクの回転数の切り換えの繰り返しを適正に制御した光ディスク装置を提供することを目的とする。
【解決手段】記録要求を検出して光ディスクを再生時の速度よりも遅い記録時の速度および回転制御方式で制御し、前記記録実行後の再生要求の検出時には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限(S1−9)して再生動作を実施(S1−6)するよう構成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライティングソフトウエアを実行するホストコンピュータに接続して光ディスクへの記録または前記光ディスクからの再生を実施する光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図9は、ライティングソフトウエア1を実行するホストコンピュータ2と、光ディスク装置3との一般的な接続を示している。
光ディスク装置3は、ホストコンピュータと通信して制御信号ならびにデータの授受などを行うドライブ制御装置4と、ドライブメカニズム5とで構成されている。ドライブメカニズム5は、光ディスクの回転駆動装置,光ディスクにアクセスする記録再生用の光ピックアップ,光ピックアップを光ディスクの径方向に駆動するリニアトラッキング駆動装置などで構成されている。光ディスク装置3には、記録/再生の両方を実施する記録/再生タイプと、記録を実施せずに再生だけを実施する再生専用タイプがある。
【0003】
光ディスク装置3の記録と再生は、速度仕様や回転制御方式が一致しないケースが多い。記録や記録領域と未記録領域が混在するオープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域の再生は低倍速でCLV(Constant Linear Velocity 線速度一定)方式、全て記録済み領域であるクローズセッションまたはクローズボーダーと呼ばれる領域の再生は高倍速でCAV(Constant Angular Velocity 角速度一定)方式というのが一般的である。
【0004】
そのため、ホストコンピュータから、記録要求が発生した場合には低倍速制御動作に、再生要求が発生した場合には高倍速制御動作に切り換わっている。
具体的には、ドライブ制御装置4の運転制御を司っている制御用コンピュータ6は、図10のように構成されている。
【0005】
光ディスクが挿入されたことを検出すると、ステップS0−1で起動処理を実行し、ステップS0−2で起動完了すると、ステップS0−3では「セットされた光ディスクが記録可能か」判定する。
【0006】
ステップS0−3で「再生専用」と検出された場合には、ステップS0−4で「再生要求があったか」を判定する。ステップS0−4で「再生要求が無かった」と検出した場合には、ステップS0−3に戻る。ステップS0−4で「再生要求が有った」と検出した場合には、ステップS0−5で光ディスクを高倍速制御で再生動作を実施してステップS0−3に戻る。
【0007】
ステップS0−3で「追記,上書きが可能」と検出した場合には、ステップS0−6を実行してホストコンピュータ2からの「記録要求の有無」を判定する。ステップS0−6で「記録要求が無かった」と検出した場合には、ステップS0−4を実行する。ステップS0−6で「記録要求が有った」と検出した場合には、ステップS0−7で光ディスクを低倍速制御で記録動作を実施してステップS0−3に戻る。
【0008】
また、ホストコンピュータから、記録領域と未記録領域が混在するオープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域への再生要求が発生した場合には低倍速制御動作に、全て記録済み領域であるクローズセッションまたはクローズボーダーと呼ばれる領域への再生要求が発生した場合には高倍速制御動作に切り換わっている。
【特許文献1】特開2002−230754公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
再生動作は、アクセスタイムを意識してクローズされた記録済み領域に関しては高速のCAV制御方式を採用しているのが一般的である。
従来技術では、再生要求時には高倍速制御での再生動作を無条件に実施していたために、低倍速制御での記録動作後の再生要求に関しても、無条件に高倍速制御に切り換えていたため、記録要求と再生要求が交互に発生した場合に、光ディスクの回転数の切り換えが繰り返されており、ドライブパフォーマンスの低下となっているのが現状である。
【0010】
また、ホストコンピュータと接続された状態で、再生データをホストコンピュータに転送する機能を有し、再生動作に関して複数の異なった速度および回転制御方式を有し、全て記録済み領域であるクローズセッションまたはクローズボーダーと呼ばれる領域では高倍速制御で再生し、記録領域と未記録領域が混在するオープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域では、低倍速制御で再生する光ディスク装置においては、クローズ領域とオープン領域に対する再生要求が交互に発生した場合に、光ディスクの回転数の切り換えが繰り返されており、ドライブパフォーマンスの低下となっているのが現状である。
【0011】
本発明はドライブパフォーマンスが良好な光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1記載の光ディスク装置は、ホストコンピュータから転送されるデータを光ディスクに記録または再生データを前記ホストコンピュータに転送する光ディスク装置において、前記ホストコンピュータからの記録要求を検出して光ディスクを再生時の速度よりも遅い記録時の速度および回転制御方式で制御して前記光ディスクへの記録を実施し、前記記録実行後の再生要求の検出時には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実施するよう構成したことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項2記載の光ディスク装置は、ホストコンピュータから転送されるデータを光ディスクに記録または再生データを前記ホストコンピュータに転送する光ディスク装置において、前記ホストコンピュータからの記録要求を検出して光ディスクを再生時の速度よりも遅い記録時の速度および回転制御方式で制御して前記光ディスクへの記録を実施し、前記記録実行後の再生要求の検出時には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実施し、前記光ディスクの状態が再生専用に切り換わったことを検出時または光ディスクの排出の実行要求の検出時には前記制限を解除するよう構成したことを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項3記載の光ディスク装置は、請求項1または請求項2において、記録実行後の最初の再生要求の検出までの時間が規定時間を超えない場合には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実施し、記録実行後の最初の再生要求の検出までの時間が規定時間を超えた場合には、前記制限を解除するよう構成したことを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項4記載の光ディスク装置は、請求項1または請求項2において、記録実行後の最初の再生要求の検出時から規定時間を超えない場合には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実施し、記録実行後の最初の再生要求の検出時から規定時間を超えた場合には、前記制限を解除するよう構成したことを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項5記載の光ディスク装置は、請求項1または請求項2において、記録実行後の最初の再生要求の検出までの時間が第1規定時間を超えない場合、ならびに記録実行後の最初の再生要求の検出時までの第1規定時間を超えた場合において、記録実行後の最初の再生要求の検出からの第2規定時間を超えるまでの期間には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実施し、記録実行後の最初の再生要求の検出時から第1規定時間を超え、さらに第2規定時間を超えた場合には、前記制限を解除するよう構成したことを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項6記載の光ディスク装置は、請求項1または請求項2において、記録実行後で規定時間を超えても前記ホストコンピュータからの前記光ディスクへのアクセス動作を伴うコマンド要求が無いことを検出した場合には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御にする再生動作の制限を解除するよう構成したことを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項7記載の光ディスク装置は、請求項1または請求項2において、記録実行後にセッションまたはボーダーのクローズが確定していない場合には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実施し、記録実行後にセッションまたはボーダーのクローズが確定した場合には、前記制限を解除するよう構成したことを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項8記載の光ディスク装置は、ホストコンピュータからの再生要求を検出して光ディスクの再生データを前記ホストコンピュータに転送するとともに、全て記録済み領域であるクローズセッションまたはクローズボーダーと呼ばれる領域では高速な速度および回転制御方式である高倍速制御で再生し、記録領域と未記録領域が混在するオープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域では低速な速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実行する光ディスク装置において、挿入された光ディスクがクローズセッションまたはクローズボーダーと、オープンセッションまたはオープンボーダーが混在する光ディスクかどうか判断し、オープンセッションまたはオープンボーダー内の領域を再生後は、前記オープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域再生時の速度および回転制御方式または前記オープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域再生時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して、クローズセッションまたはクローズボーダーの領域の再生動作を実施し、光ディスクの排出の実行要求の検出時には前記制限を解除するよう構成したことを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項9記載の光ディスク装置は、請求項8において、オープンセッションまたはオープンボーダー内の領域への再生要求を受けた後のクローズセッションまたはクローズボーダー内の領域への最初の再生要求から、次のオープンセッションまたはオープンボーダー内の領域への再生要求をうけるまでの時間を測定し、測定時間が規定時間を超えるまでの期間には、前記オープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域再生時の速度および回転制御方式または前記オープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域再生時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して、クローズセッションまたはクローズボーダーの領域の再生動作を実施し、測定時間が規定時間を超えた場合には、前記制限を解除するよう構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
この構成によると、光ディスクへの記録を実施後の再生要求を検出して、記録時の速度及び回転制御方式または記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実施するので、記録要求と再生要求が頻繁に交互に発生した場合に、記録および再生処理時間を削減でき、最適なパフォーマンスを発揮できる。
【0022】
また、オープンボーダー内の領域を再生した後は、クローズ/オープンの領域に限らず低速な速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実施するので、全て記録済み領域であるクローズセッションまたはクローズボーダーと呼ばれる領域と記録領域と未記録領域が混在するオープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域の再生要求が頻繁に交互に発生した場合に、再生処理時間を削減でき、最適なパフォーマンスを発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の各実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。
なお、ライティングソフトウエア1を実行するホストコンピュータ2と、光ディスク装置3との接続は図9と同じであり、光ディスク装置3のドライブ制御装置4の構成が従来例のそれとは異なっている。
【0024】
(実施の形態1)
図1は本発明の(実施の形態1)の光ディスク装置3において、制御用コンピュータ6による記録動作とその直後のフローチャートを示す。
【0025】
光ディスクが挿入されたことを検出すると、ステップS1−1で起動処理を実行し、ステップS1−2で起動完了すると、ステップS1−3では「セットされた光ディスクが記録可能か」判定する。
【0026】
ステップS1−3で「再生専用」と検出された場合には、ステップS1−4では再生制限を解除して、再生動作を高速の再生速度および回転制御方式である高倍速制御に設定する。次いでステップS1−5では「再生要求があったか」を判定する。ステップS1−5で「再生要求が無かった」と検出した場合には、ステップS1−3に戻る。ステップS1−5で「再生要求が有った」と検出した場合には、ステップS1−6で光ディスクを、ステップS1−4で設定した高倍速制御で再生動作してステップS1−3に戻る。
【0027】
ステップS1−3で「追記,上書きが可能」と検出した場合には、ステップS1−7を実行してホストコンピュータ2からの「記録要求の有無」を判定する。ステップS1−7で「記録要求が無かった」と検出した場合には、ステップS1−4を実行する。
【0028】
ステップS1−7で「記録要求が有った」と検出した場合には、ステップS1−8で光ディスクをステップS1−4で設定した速度よりも低速で回転させて所定の回転制御方式で記録動作を実施する。次いで、ステップS1−9では、再生動作をそれまでステップS1−4で設定されていた高倍速制御を、ステップS1−8での記録実行時の速度および回転制御方式である低倍速制御に設定する。
【0029】
ステップS1−8での記録実行後にステップS1−5で「再生要求が有った」と検出しない場合にはステップS1−3に戻る。ステップS1−5で「再生要求が有った」と検出した場合には、ステップS1−6では、ステップS1−9で設定された回転速度および回転制御方式で再生動作を実施してステップS1−3に戻る。
【0030】
このステップS1−8での記録実行後のステップS1−9で設定された回転速度および回転制御方式での再生動作は、セットされている光ディスクの「排出実行要求」を検出してステップS1−10でステップS1−9での制限の解除を実行するか、または、セットされている光ディスクが、記録可能な状態から再生専用に切り換わったことをステップS1−3で検出した場合、または、記録要求がないとステップS1−7で検出されてステップS1−4が再実行されるまで継続される。
【0031】
なお、ステップS1−8での記録実行後にステップS1−3で再生専用に変化する具体的な判定内容は、光ディスクの記録可能領域の有無、ディスク管理情報などによって判定できる。
【0032】
このように、ステップS1−8での記録実行後に制限された再生動作を、所定の条件を満たすとステップS1−4を再実行して自動的に高倍速制御に戻すことができ、光ディスク装置3のドライブパフォーマンスを有効に使用できる。
【0033】
なお、ステップS1−9では再生動作を記録時の回転速度および回転制御方式に設定したが、これは再生時よりも遅くて記録時の低倍速制御に近い制御に制限しても、従来に比べて効果的である。
【0034】
(実施の形態2)
図2は本発明の(実施の形態2)の光ディスク装置を示す。
図2は、制御用コンピュータ6による記録動作とその直後のフローチャートを示している。
【0035】
光ディスクが挿入されたことを検出すると、ステップS2−1で起動処理を実行し、ステップS2−2で起動完了すると、ステップS2−3では「セットされた光ディスクが記録可能か」判定する。
【0036】
ステップS2−3で「再生専用」と検出された場合には、ステップS2−4で後述の再生制限を解除して、再生動作を高速の再生速度および回転制御方式である高倍速制御に設定する。次いでステップS2−5では「再生要求があったか」を判定する。ステップS2−5で「再生要求が無かった」と検出した場合には、ステップS2−3に戻る。ステップS2−5で「再生要求が有った」と検出した場合には、ステップS2−6で光ディスクを、ステップS2−4で設定した高倍速制御で再生動作してステップS2−3に戻る。
【0037】
ステップS2−3で「追記,上書きが可能」と検出した場合には、ステップS2−7を実行してホストコンピュータ2からの「記録要求の有無」を判定する。ステップS2−7で「記録要求が無かった」と検出した場合には、ステップS2−4を実行する。ステップS2−7で「記録要求が有った」と検出した場合には、ステップS2−8で光ディスクをステップS2−4で設定した速度よりも低速で回転させて所定の回転制御方式で記録動作を実施する。
【0038】
次いでステップS2−9では、タイマーAを一旦クリアしてから計数を開始する。ステップS2−10では、再生動作をそれまでステップS2−4で設定されていた高倍速制御から、ステップS2−8での記録実行時の速度および回転制御方式である低倍速制御に設定する。
【0039】
ステップS2−8での記録実行後にステップS2−11で「再生要求が有った」と検出しない場合にはステップS2−3に戻る。ステップS2−11で「再生要求が有った」と検出した場合には、ステップS2−12では、ステップS2−11で「再生要求が有った」との検出が、ステップS2−8での記録実行後の初めての再生要求か判定し、最初の再生要求であった場合には、ステップS2−13でステップS2−9で計数を開始したタイマーAの計数をストップし、ステップS2−14ではタイマーAの計数が規定値T1よりも大きいか判定する。
【0040】
規定値T1によって決まる規定時間は、記録時の速度および回転制御方式と制限解除後の再生可能な最高速度および回転制御方式に応じて変更されるが、低速と高速時の切り換え時間の2〜4倍である(約4〜8秒程度)が適切であった。
【0041】
タイマーAの計数が規定値T1になるまでは、ステップS2−15において、ステップS2−10で制限した低倍速制御で再生を実施してステップS2−3に戻る。タイマーAの計数が規定値T1を越えていると、ステップS2−16において、ステップS2−10での制限を解除し、次のステップS2−15では高倍速制御で再生を実施してステップS2−3に戻る。
【0042】
このステップS2−8での記録実行後のステップS2−10で設定された低倍速制御での再生動作は、セットされている光ディスクの「排出実行要求」を検出してステップS2−17でステップS2−10での制限の解除を実行するか、または、セットされている光ディスクが記録可能な状態から再生専用に切り換わったことをステップS2−3で検出した場合、または、記録要求がないとステップS2−7で検出されてステップS2−4が再実行されるまで継続される。
【0043】
このように、ステップS2−8での記録実行後の最初の再生要求が規定時間を超えている場合には、ステップS2−10で制限された再生動作をステップS2−16で解除して自動的に高倍速制御に戻すことができ、光ディスク装置3のドライブパフォーマンスを有効に使用できる。
【0044】
なお、ステップS2−10では再生動作を記録時の回転速度および回転制御方式に設定したが、これは再生時よりも遅くて記録時の低倍速制御に近い制御に制限しても、従来に比べて効果的である。
【0045】
(実施の形態3)
図3は本発明の(実施の形態3)の光ディスク装置を示す。
図3は、制御用コンピュータ6による記録動作とその直後のフローチャートを示している。
【0046】
光ディスクが挿入されたことを検出すると、ステップS3−1で起動処理を実行し、ステップS3−2で起動完了すると、ステップS3−3では「セットされた光ディスクが記録可能か」判定する。
【0047】
ステップS3−3で「再生専用」と検出された場合には、ステップS3−4で後述の再生制限を解除して、再生動作を高速の再生速度および回転制御方式である高倍速制御に設定する。次いでステップS3−5では「再生要求があったか」を判定する。ステップS3−5で「再生要求が無かった」と検出した場合には、ステップS3−3に戻る。ステップS3−5で「再生要求が有った」と検出した場合には、ステップS3−6で光ディスクを、ステップS3−4で設定した高倍速制御で再生動作してステップS3−3に戻る。
【0048】
ステップS3−3で「追記,上書きが可能」と検出した場合には、ステップS3−7を実行してホストコンピュータ2からの「記録要求の有無」を判定する。ステップS3−7で「記録要求が無かった」と検出した場合には、ステップS3−4を実行する。ステップS3−7で「記録要求が有った」と検出した場合には、ステップS3−8で光ディスクをステップS3−4で設定した速度よりも低速で回転させて所定の回転制御方式で記録動作を実施する。
【0049】
ステップS3−9では、再生動作をそれまでステップS3−4で設定されていた高倍速制御から、ステップS3−8での記録実行時の速度および回転制御方式である低倍速制御に設定する。
【0050】
ステップS3−8での記録実行後にステップS3−10で「再生要求が有った」と検出しない場合にはステップS3−3に戻る。ステップS3−10で「再生要求が有った」と検出した場合には、ステップS3−11では、ステップS3−8での記録実行後の初めての再生要求か判定し、最初の再生要求であった場合には、ステップS3−12で、タイマーBを一旦クリアしてから計数を開始する。
【0051】
次いで、ステップS3−13では、ステップS3−12で計数を開始したタイマーBの計数が規定値T2よりも大きいか判定する。
規定時間値は、記録時の速度および回転制御方式と制限解除後の再生可能な最高速度および回転制御方式に応じて変更されるが、低速と高速時の切り換え時間の2〜4倍である(約4〜8秒程度)が適切であった。
【0052】
タイマーBの計数が規定値T2になるまではステップS3−14において、前記ステップS3−9で制限した低倍速制御で再生を実施してステップS3−3に戻る。ステップS3−13でタイマーBの計数が規定値T2を越えていると、ステップS3−15において前記ステップS3−9での制限を解除し、次のステップS3−14では高倍速制御で再生を実施してステップS3−3に戻る。
【0053】
このステップS3−8での記録実行後のステップS3−9で設定された低倍速制御での再生動作は、セットされている光ディスクの「排出実行要求」を検出してステップS3−16でステップS3−9での制限の解除を実行するか、または、セットされている光ディスクが記録可能な状態から再生専用に切り換わったことをステップS3−3で検出されてステップS3−4が再実行されるまで、または、「記録要求がない」とステップS3−7で検出されてステップS3−4が再実行されるまで継続される。
【0054】
このように、ステップS3−8での記録実行後の最初の再生要求が規定時間を超えている場合には、ステップS3−9で制限された再生動作をステップS3−15で解除して自動的に高倍速制御に戻すことができ、光ディスク装置3のドライブパフォーマンスを有効に使用できる。
【0055】
なお、ステップS3−9では再生動作を記録時の回転速度および回転制御方式に設定したが、これは再生時よりも遅くて記録時の低倍速制御に近い制御に制限しても、従来に比べて効果的である。
【0056】
(実施の形態4)
図4は本発明の(実施の形態4)の光ディスク装置を示す。
図4は、制御用コンピュータ6による記録動作とその直後のフローチャートを示している。
【0057】
光ディスクが挿入されたことを検出すると、ステップS4−1で起動処理を実行し、ステップS4−2で起動完了すると、ステップS4−3では「セットされた光ディスクが記録可能か」判定する。
【0058】
ステップS4−3で「再生専用」と検出された場合には、ステップS4−4で後述の再生制限を解除して、再生動作を高速の再生速度および回転制御方式である高倍速制御に設定する。次いでステップS4−5では「再生要求があったか」を判定する。ステップS4−5で「再生要求が無かった」と検出した場合には、ステップS4−3に戻る。ステップS4−5で「再生要求が有った」と検出した場合には、ステップS4−6で光ディスクを、ステップS4−4で設定した高倍速制御で再生動作してステップS4−3に戻る。
【0059】
ステップS4−3で「追記,上書きが可能」と検出した場合には、ステップS4−7を実行してホストコンピュータ2からの「記録要求の有無」を判定する。ステップS4−7で「記録要求が無かった」と検出した場合には、ステップS4−4を実行する。
【0060】
ステップS4−7で「記録要求が有った」と検出した場合には、ステップS4−8で光ディスクをステップS4−4で設定した設定した速度よりも低速で回転させて所定の回転制御方式で記録動作を実施する。
【0061】
次いでステップS4−9では、タイマーAを一旦クリアしてから計数を開始する。併せてタイマーBをクリアしておく。ステップS4−10では、再生動作をそれまでステップS4−4で設定されていた高倍速制御から、ステップS4−8での記録実行時の速度および回転制御方式である低倍速制御に設定する。
【0062】
ステップS4−8での記録実行後にステップS4−11で「再生要求が有った」と検出しない場合にはステップS4−3に戻る。ステップS4−11で「再生要求が有った」と検出した場合には、ステップS4−12では、ステップS4−11で「再生要求が有った」との検出が、ステップS4−8での記録実行後の初めての再生要求か判定し、最初の再生要求であった場合には、ステップS4−9で計数を開始したタイマーAの計数をステップS4−13においてストップする。次いでステップS4−14では、タイマーAの計数が規定値T3よりも大きいか判定する。
【0063】
規定値T3によって決まる規定時間は、記録時の速度および回転制御方式と制限解除後の再生可能な最高速度および回転制御方式に応じて変更されるが、低速と高速時の切り換え時間の2〜4倍である(約4〜8秒程度)が適切であった。
【0064】
タイマーAの計数が規定値T3になるまでは、ステップS4−15を飛び越してステップS4−16を実行する。タイマーAの計数が規定値T3を越えていると、ステップS4−15において、タイマーBを一旦クリアしてから計数を開始する。
【0065】
ステップS4−16では、タイマーBの計数と規定値T4との比較判定を実施するが、この時点ではステップS4−15を飛び越してタイマーBの計数を開始していないため、「タイマーBの計数が規定値T4に達していない」と判定されて、ステップS4−17において、前記ステップS4−10で制限した低倍速制御で再生を実施してステップS4−3に戻る。
【0066】
ステップS4−16でタイマーBの計数が規定値T4を越えていると、ステップS4−18において前記ステップS4−10での制限を解除し、次のステップS4−17では高倍速制御で再生を実施してステップS4−3に戻る。
【0067】
規定値T4によって決まる規定時間は、記録時の速度および回転制御方式と制限解除後の再生可能な最高速度および回転制御方式に応じて変更されるが、低速と高速時の切り換え時間の2〜4倍である(約4〜8秒程度)が適切であった。
【0068】
このステップS4−8での記録実行後のステップS4−10で設定された低倍速制御での再生動作は、セットされている光ディスクの「排出実行要求」を検出してステップS4−10での制限の解除をステップS4−19で実行するか、または、セットされている光ディスクが記録可能な状態から再生専用に切り換わったことをステップS4−3で検出した場合、または、記録要求がないとステップS4−7で検出されてステップS4−4が再実行されるまで継続される。
【0069】
このように、ステップS4−8での記録実行の直後に計数を開始したタイマーAが規定時間T3になるまでは、ステップS4−17において再生動作がステップS4−10で制限された低倍速制御で実施される。またタイマーAが規定時間T3を越えた後には、タイマーBが規定時間T4になるまでは、再生動作がステップS4−10で制限された低倍速制御で再生要求に従って実施される。タイマーBが規定時間T4を越えている場合には、ステップS4−10で制限された再生動作をステップS4−18で解除して、自動的に高倍速制御に戻すことができ、光ディスク装置3のドライブパフォーマンスを有効に使用できる。
【0070】
なお、ステップS4−10では再生動作を記録時の回転速度および回転方式に設定したが、これは再生時よりも遅くて記録時の低倍速制御に近い制御に制限しても、従来に比べて効果的である。
【0071】
(実施の形態5)
図5は本発明の(実施の形態5)の光ディスク装置を示す。
図5は、制御用コンピュータ6による記録動作とその直後のフローチャートを示している。
【0072】
光ディスクが挿入されたことを検出すると、ステップS5−1で起動処理を実行し、ステップS5−2で起動完了すると、ステップS5−3では「セットされた光ディスクが記録可能か」判定する。
【0073】
ステップS5−3で「再生専用」と検出された場合には、ステップS5−4で後述の再生制限を解除して、再生動作を高速の再生速度および回転制御方式である高倍速制御に設定する。次いでステップS5−5では「再生要求があったか」を判定する。ステップS5−5で「再生要求が無かった」と検出した場合には、ステップS5−3に戻る。ステップS5−5で「再生要求が有った」と検出した場合には、ステップS5−6において、光ディスクをステップS5−4で設定した高倍速制御で再生動作してステップS5−3に戻る。
【0074】
ステップS5−3で「追記,上書きが可能」と検出した場合には、ステップS5−7を実行してホストコンピュータ2からの「記録要求の有無」を判定する。ステップS5−7で「記録要求が無かった」と検出した場合には、ステップS5−4を実行する。
【0075】
ステップS5−7で「記録要求が有った」と検出した場合には、ステップS5−8において、光ディスクをステップS5−4で設定した速度よりも低速で回転させて所定の回転制御方式で記録動作を実施する。次いで、ステップS5−9では、再生動作をそれまでステップS5−4で設定されていた高倍速制御から、ステップS5−8での記録実行時の速度および回転制御方式である低倍速制御に設定する。
【0076】
ステップS5−8での記録実行後に、ステップS5−10では、規定時間(T5)にわたってホストコンピュータ2からのアクセス系コマンド要求の有無を判定する。ステップS5−8での記録実行から規定時間(T5)になるまでは、ステップS5−5やステップS5−6を実行してステップS5−3に戻るが、規定時間(T5)が経過しても次のコマンドを検出しない場合には、ステップS5−10に次いでステップS5−11が実行される。
【0077】
規定値T5によって決まる規定時間は、ホストコンピュータからの設定変更が可能であるが、通常の薄型光ディスク装置で約5秒〜30秒程度、厚型光ディスク装置で約30秒〜10分程度の設定が一般的である。
【0078】
ステップS5−11では、光ディスクの回転速度を下げるまたは停止する省電力モードに移行し、ステップS5−4においてステップ5−9での制限を解除する。
なお、ステップS5−8での記録実行後にステップS5−3で再生専用に変化する具体的な判定内容は、光ディスクの記録可能領域の有無、ディスク管理情報などによって判定できる。
【0079】
このステップS5−8での記録実行後のステップS5−9で設定された低倍速制御での再生動作は、セットされている光ディスクの「排出実行要求」を検出してステップS5−9での制限の解除をステップS5−12で実行するか、または、セットされている光ディスクが記録可能な状態から再生専用に切り換わったことをステップS5−3で検出した場合、または、記録要求がないとステップS5−7で検出されてステップS5−4が再実行されるまで継続される。
【0080】
このように、ステップS5−8での記録実行後に制限された再生動作を、所定の条件を満たすとステップS5−4を再実行して自動的に高倍速制御に戻すことができ、光ディスク装置3のドライブパフォーマンスを有効に使用できる。
【0081】
なお、ステップS5−9では再生動作を記録時の回転速度および回転制御方式に設定したが、これは再生時よりも遅くて記録時の低倍速制御に近い制御に制限しても、従来に比べて効果的である。
【0082】
(実施の形態6)
図6は本発明の(実施の形態6)の光ディスク装置を示す。
図6は、制御用コンピュータ6による記録動作とその直後のフローチャートを示している。
【0083】
光ディスクが挿入されたことを検出すると、ステップS6−1で起動処理を実行し、ステップS6−2で起動完了すると、ステップS6−3では「セットされた光ディスクが記録可能か」判定する。
【0084】
ステップS6−3で「再生専用」と検出された場合には、ステップS6−4で後述の再生制限を解除して、再生動作を高速の再生速度および回転制御方式である高倍速制御に設定する。次いでステップS6−5では「再生要求が有ったか」を判定する。ステップS6−5で「再生要求が無かった」と検出した場合には、ステップS6−3に戻る。ステップS6−5で「再生要求が有った」と検出した場合には、ステップS6−6において、光ディスクをステップS6−4で設定した高倍速制御で再生動作してステップS6−3に戻る。
【0085】
ステップS6−3で「追記,上書きが可能」と検出した場合には、ステップS6−7を実行してホストコンピュータ2からの「記録要求の有無」を判定する。ステップS6−7で「記録要求が無かった」と検出した場合には、ステップS6−4を実行する。
【0086】
ステップS6−7で「記録要求が有った」と検出した場合には、ステップS6−8において、光ディスクをステップS6−4で設定した速度よりも低倍速で回転させて所定の回転制御方式で記録動作を実施する。次いで、ステップS6−9では、ステップS6−8で実施した記録動作により「セッション・ボーダークローズが確定したか」を判定する。具体的には最終セッションまたは最終ボーダーの記録状態で判定する。ステップS6−9で「クローズ確定」と判定された場合には、再生制限をステップS6−4で解除して高倍速制御に設定する。ステップS6−9で「未クローズ」と判定した場合には、再生動作をそれまでステップS6−4で設定されていた高倍速制御から、ステップS6−8での記録実行時の速度および回転制御方式である低倍速制御に、ステップS6−10において設定する。そして、ステップS6−5を実行して「再生要求が有った」と検出した場合には、ステップS6−10において制限した低倍速制御で光ディスクの再生をステップS6−6において実施して、ステップS6−3に戻る。
【0087】
なお、ステップS6−8での記録実行後にステップS6−3で再生専用に変化する具体的な判定内容は、光ディスクの記録可能領域の有無、ディスク管理情報などによって判定できる。
【0088】
このステップS6−9でのセッション・ボーダーク未ローズ判定後のステップS6−10で設定された低倍速制御での再生動作は、セットされている光ディスクの「排出実行要求」を検出してステップS6−10での制限の解除をステップS6−11で実行するか、または、セットされている光ディスクが記録可能な状態から再生専用に切り換わったことをステップS6−3で検出した場合、または、記録要求がないとステップS6−7で検出した場合、または、セッション・ボーダークローズ確定判定後、ステップS6−4が再実行されるまで継続される。
【0089】
このように、ステップS6−9でのセッション・ボーダーク未ローズ判定後に制限された再生動作を、所定の条件を満たすとステップS6−4を再実行して自動的に高倍速制御に戻すことができ、光ディスク装置3のドライブパフォーマンスを有効に使用できる。
【0090】
なお、ステップS6−10では再生動作を記録時の回転速度および回転制御方式に設定したが、これは再生時よりも遅くて記録時の低倍速制御に近い制御に制限しても、従来に比べて効果的である。
【0091】
(実施の形態7)
図7は本発明の(実施の形態7)の再生専用タイプの光ディスク装置を示す。
図7は、制御用コンピュータ6が再生データを前記ホストコンピュータに転送する部分のフローチャートを示す。この構成は、上記の各実施の形態の記録/再生タイプの光ディスク装置における再生系として採用することもできる。
【0092】
この再生専用タイプの光ディスク装置は、ホストコンピュータ2と接続された状態で、再生データをホストコンピュータに転送する機能を有し、再生動作に関して複数の異なった速度および回線制御方式を有し、全て記録済み領域であるクローズセッションまたはクローズボーダーと呼ばれる領域では高倍速制御で再生し、記録領域と未記録領域が混在するオープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域では、低倍速制御で再生する。
【0093】
光ディスクが挿入されたことを検出すると、ステップS7−1で起動処理を実行し、ステップS7−2で起動完了すると、ステップS7−3では「再生要求の有無」を判定する。
【0094】
ステップS7−3で「再生要求が有り」と検出されると、ステップS7−4では、セットされている光ディスクが記録領域と未記録領域が混在するオープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域を含んでいるかどうかを判定する。具体的には最終セッションまたは最終ボーダーの記録状態で判定する。ここで「最終セッションまたは最終ボーダーがクローズセッションまたはクローズボーダーである光ディスク」であると判定した場合には、光ディスクの高倍速制御での再生をステップS7−5で実施してステップS7−3に戻る。
【0095】
ステップS7−4において「最終セッションまたは最終ボーダーが、オープンセッションまたはオープンボーダーである光ディスク」であると判定した場合には、ステップS7−6において「1st.セッション/ボーダーがオープンか」を判定する。ここで、オープンであると判定した場合には、ステップS7−7において再生動作を低倍速制御に制限する。そしてステップS7−8では、「再生動作の低倍速制御制限の設定が済んだか」を判定し、「低倍速制御制限の設定が済んだ」と判定した場合には、ステップS7−5では、現行の再生倍速制御で光ディスクを再生してステップS7−3に戻る。
【0096】
ステップS7−6において「クローズである」と判定し、ステップS7−8において「再生動作の低倍速制御制限の設定が済んでいない」と判定した場合には、ステップS7−9において、「ホストコンピュータ2から要求された再生アドレスが、オープンセッションまたはオープンボーダー領域か」を判定する。
【0097】
ステップS7−9において、「再生アドレスがオープン領域でない」と検出された場合には、ステップS7−10を飛び越して、ステップS7−5では、現行の再生倍速制御で光ディスクを再生してステップS7−3に戻る。
【0098】
ステップS7−9において、「再生アドレスがオープン領域である」と検出された場合には、ステップS7−10において再生動作を低倍速制御に設定し、ステップS7−5では光ディスクをステップS7−10で制限された低倍速制御で再生してステップS7−3に戻る。
【0099】
このステップS7−6での1st.セッション/ボーダーがオープン判定後のステップS7−7で設定された低倍速制御での再生動作の制限解除、およびステップS7−9での再生アドレスがオープン領域である判定後のステップS7−10で設定された低倍速制御での再生動作の制限解除は、光ディスクの排出の実行要求を検出してステップS7−11によって実行される。
【0100】
このように、ホストコンピュータ2からオープンセッションまたはオープンボーダー内の領域への再生要求が発生するまで期間には、クローズセッションまたはクローズボーダー内の領域への再生要求には、再生可能な高倍速制御で再生し、その後、オープンセッションまたはオープンボーダー内の領域への再生要求が発生した場合には、光ディスク排出までの間、ホストコンピュータ2からのクローズセッションまたはクローズボーダー内の領域への再生要求に関しても、再生動作をオープンセッションまたはオープンボーダー再生可能である低倍速制御に制限して再生するので、光ディスクの回転数の切り換えが繰り返されず、光ディスク装置3のドライブパフォーマンスを有効に使用できる。
【0101】
(実施の形態8)
図8は本発明の(実施の形態8)の再生専用タイプの光ディスク装置を示す。
図8は、制御用コンピュータ6が再生データを前記ホストコンピュータに転送する部分のフローチャートを示す。この構成は、上記の各実施の形態の記録/再生タイプの光ディスク装置における再生系として採用することもできる。
【0102】
この再生専用タイプの光ディスク装置は、ホストコンピュータ2と接続された状態で、再生データをホストコンピュータに転送する機能を有し、再生動作に関して複数の異なった速度および回線制御方式を有し、全て記録済み領域であるクローズセッションまたはクローズボーダーと呼ばれる領域では高倍速制御で再生し、記録領域と未記録領域が混在するオープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域では、低倍速制御で再生する。
【0103】
光ディスクが挿入されたことを検出すると、ステップS8−1で起動処理を実行し、ステップS8−2で起動完了すると、ステップS8−3では「再生要求の有無」を判定する。
【0104】
ステップS8−3で「再生要求が有り」と検出されると、ステップS8−4では、セットされている光ディスクが記録領域と未記録領域が混在するオープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域を含んでいるかどうかを判定する。具体的には最終セッションまたは最終ボーダーの記録状態で判定する。ここで「最終セッションまたは最終ボーダーがクローズセッションまたはクローズボーダーである光ディスク」であると判定した場合には、光ディスクの高倍速制御での再生をステップS8−5で実施してステップS8−3に戻る。
【0105】
ステップS8−4において「最終セッションまたは最終ボーダーが、オープンセッションまたはオープンボーダーである光ディスク」であると判定した場合には、ステップS8−6において「1st.セッション/ボーダーがオープンか」を判定する。ここで、オープンであると判定した場合には、ステップS8−7において再生動作を低倍速制御に制限する。
【0106】
そしてステップS8−8では、「ホストコンピュータ2から要求された再生アドレスが、オープン領域か」を判定する。再生アドレスがオープン領域であるとステップS8−8で検出した場合には、ステップS8−9でタイマーCをクリアして、ステップS8−10において低倍速制御に制限する。次いで、ステップS8−5を実行して、低倍速制御で光ディスクを再生してステップS8−3に戻る。
【0107】
なお、このステップS8−7およびS8−10で設定された低倍速制御での再生動作の制限は、後述のステップS8−14を実行するまで、または、セットされている光ディスクの「排出実行要求」を検出して、ステップS8−16を実行するまで行われる。
【0108】
ステップS8−6で「クローズである」と検出された場合には、次いでステップS8−8を実行する。
ステップS8−8において再生アドレスが「オープンである」と判定されている間は上記のルーチンを繰り返し実行するが、ステップS8−8において再生アドレスが「クローズである」と判定されると、ステップS8−11を実行する。
【0109】
ステップS8−11では、「オープン領域再生後の最初の再生要求であるか」が判定される。「最初である」とステップS8−11で検出した場合には、ステップS8−12でタイマーCを一旦クリアしてから計数を開始する。
【0110】
次いでステップS8−13では、タイマーCの計数値がT6を越えたか判定し、最初はタイマーCの計数が規定値T6を越えないため、前記低倍速制御でステップS8−5を実行してステップS8−3に戻る。
【0111】
規定値T6によって決まる規定時間は、オープン領域の再生可能な速度および回転制御方式とクローズ領域の再生可能な最高速度および回転制御方式に応じて変更されるが、低速と高速時の切り換え時間の2〜4倍である(約4〜8秒程度)が適切であった。
【0112】
その後は、ステップS8−11で「オープン領域再生後の最初の再生要求でない」と検出されて、ステップS8−12を飛び越してタイマーCでの計時を継続してステップS8−13を介してステップS8−5またはS8−14を実行する。
【0113】
尚、タイマーCの計数値は、計数開始後も再生アドレスがオープン領域であるとステップS8−8で検出すると、ステップS8−9でクリアされる。
ステップS8−13でタイマーC計数が規定値T6を超えた場合には、ステップS8−14ではステップS8−10での制限を解除して、ステップS8−5ではクローズ領域の再生に関して高倍速制御での再生を行う。
【0114】
なお、高倍速制御での再生速度とは、クローズセッションまたはクローズボーダーを再生可能な速度である。ステップS8−10で制限された低倍速制御での再生速度とは、オープンセッションまたはオープンボーダー再生が可能な速度である。ステップS8−14で制限が解除されて実行される再生速度は、前記低倍速制御での速度よりも速く前記高倍速制御での速度未満であってもよい。
【0115】
このように、オープンセッションまたはオープンボーダー内の領域への再生要求が発生すると光ディスクの回転速度および回転制御方式をステップS8−10で制限し、最初のオープンセッションまたはオープンボーダー内の領域への再生要求の検出から、規定時間:T6の経過を検出すると、ステップS8−14で前記制限が自動的に解除されるため、光ディスク装置3のドライブパフォーマンスを有効に使用できる。
【0116】
なお、上記の各実施の形態においてセットされた光ディスクの状態、ならびに光ディスクの状態の変化などは、光ディスクがセットされた直後にアクセスして読み取って光ディスク内に書き込んだり、光ディスク装置の不揮発性メモリに保存するように構成されている。
【0117】
なお、上記の各実施の形態では、ライティングソフトウエアを実行するホストコンピュータから転送されるデータを光ディスクに記録または再生データを前記ホストコンピュータに転送する光ディスク装置であるとして説明したが、ライティングソフトウエアを実行するのではなくて、オペレーティングシステムに装備しているライティング機能を実行して同様の動作を行うホストコンピュータの場合も同様である。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、記録と再生の速度および回転制御方式が異なる光ディスク装置、およびオープンセッションまたはオープンボーダーとクローズセッションまたはクローズボーダーの再生の速度および回転制御方式速度が異なる光ディスク装置を搭載した各種機器の高性能化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の(実施の形態1)の制御用コンピュータの構成を示すフローチャート
【図2】本発明の(実施の形態2)の制御用コンピュータの構成を示すフローチャート
【図3】本発明の(実施の形態3)の制御用コンピュータの構成を示すフローチャート
【図4】本発明の(実施の形態4)の制御用コンピュータの構成を示すフローチャート
【図5】本発明の(実施の形態5)の制御用コンピュータの構成を示すフローチャート
【図6】本発明の(実施の形態6)の制御用コンピュータの構成を示すフローチャート
【図7】本発明の(実施の形態7)の制御用コンピュータの構成を示すフローチャート
【図8】本発明の(実施の形態8)の制御用コンピュータの構成を示すフローチャート
【図9】光ディスク装置の一般的な構成図
【図10】従来の制御用コンピュータの構成を示すフローチャート
【符号の説明】
【0120】
1 ライティングソフトウエア
2 ホストコンピュータ
3 光ディスク装置
4 ドライブ制御装置
5 ドライブメカニズム
6 制御用コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストコンピュータから転送されるデータを光ディスクに記録または再生データを前記ホストコンピュータに転送する光ディスク装置において、
前記ホストコンピュータからの記録要求を検出して光ディスクを再生時の速度よりも遅い記録時の速度および回転制御方式で制御して前記光ディスクへの記録を実施し、
前記記録実行後の再生要求の検出時には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実施するよう構成した
光ディスク装置。
【請求項2】
ホストコンピュータから転送されるデータを光ディスクに記録または再生データを前記ホストコンピュータに転送する光ディスク装置において、
前記ホストコンピュータからの記録要求を検出して光ディスクを再生時の速度よりも遅い記録時の速度および回転制御方式で制御して前記光ディスクへの記録を実施し、
前記記録実行後の再生要求の検出時には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実施し、
前記光ディスクの状態が再生専用に切り換わったことを検出時または光ディスクの排出の実行要求の検出時には前記制限を解除するよう構成した
光ディスク装置。
【請求項3】
記録実行後の最初の再生要求の検出までの時間が規定時間を超えない場合には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実施し、記録実行後の最初の再生要求の検出までの時間が規定時間を超えた場合には、前記制限を解除するよう構成した
請求項1または請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
記録実行後の最初の再生要求の検出時から規定時間を超えない場合には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実施し、記録実行後の最初の再生要求の検出時から規定時間を超えた場合には、前記制限を解除するよう構成した
請求項1または請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
記録実行後の最初の再生要求の検出までの時間が第1規定時間を超えない場合、ならびに記録実行後の最初の再生要求の検出時までの第1規定時間を超えた場合において、記録実行後の最初の再生要求の検出からの第2規定時間を超えるまでの期間には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実施し、
記録実行後の最初の再生要求の検出時から第1規定時間を超え、さらに第2規定時間を超えた場合には、前記制限を解除するよう構成した
請求項1または請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
記録実行後で規定時間を超えても前記ホストコンピュータからの前記光ディスクへのアクセス動作を伴うコマンド要求が無いことを検出した場合には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御にする再生動作の制限を解除するよう構成した
請求項1または請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
記録実行後にセッションまたはボーダーのクローズが確定していない場合には、前記記録時の速度および回転制御方式または前記記録時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実施し、
記録実行後にセッションまたはボーダーのクローズが確定した場合には、前記制限を解除するよう構成した
請求項1または請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項8】
ホストコンピュータからの再生要求を検出して光ディスクの再生データを前記ホストコンピュータに転送するとともに、全て記録済み領域であるクローズセッションまたはクローズボーダーと呼ばれる領域では高速な速度および回転制御方式である高倍速制御で再生し、記録領域と未記録領域が混在するオープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域では低速な速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して再生動作を実行する光ディスク装置において、
挿入された光ディスクがクローズセッションまたはクローズボーダーと、オープンセッションまたはオープンボーダーが混在する光ディスクかどうか判断し、
オープンセッションまたはオープンボーダー内の領域を再生後は、前記オープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域再生時の速度および回転制御方式または前記オープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域再生時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して、クローズセッションまたはクローズボーダーの領域の再生動作を実施し、光ディスクの排出の実行要求の検出時には前記制限を解除するよう構成した
光ディスク装置。
【請求項9】
オープンセッションまたはオープンボーダー内の領域への再生要求を受けた後のクローズセッションまたはクローズボーダー内の領域への最初の再生要求から、次のオープンセッションまたはオープンボーダー内の領域への再生要求をうけるまでの時間を測定し、
測定時間が規定時間を超えるまでの期間には、前記オープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域再生時の速度および回転制御方式または前記オープンセッションまたはオープンボーダーと呼ばれる領域再生時の速度に近い速度および回転制御方式である低倍速制御に制限して、クローズセッションまたはクローズボーダーの領域の再生動作を実施し、
測定時間が規定時間を超えた場合には、前記制限を解除するよう構成した
請求項8に記載の光ディスク装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−280550(P2007−280550A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−108139(P2006−108139)
【出願日】平成18年4月11日(2006.4.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】