説明

光ディスク装置

【課題】ローディング時に光ディスクの挟み込みが生じた場合にも、円滑に対処できる装置を提供する。
【解決手段】ディスクトレイ5が露出位置から格納位置に移動する途中で光ディスク3の挟み込みが生じた場合、制御部15は通常の駆動プロファイルよりも低速の駆動プロファイルでディスクトレイ5を反転駆動する。また、低速の駆動プロファイルの駆動初期に短時間のブーストパルスを印加して挟み込みから脱出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスク装置に関し、特にローディング技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ディスクローディング時に異常が生じた場合にローディングを中止してディスクトレイを反転させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、ディスクトレイの前面に当接する、あるいはディスクトレイとディスクドライブ装置との間に挟み込まれた障害物を検出した場合に、その障害物の破損等を防止するためにディスクトレイの移動方向を反転させることが開示されている。また、特許文献2には、ディスクトレイのクローズ時に異物の挟み込みを検出した場合に、モータからの駆動力の伝達機構であるプーリの回転を強制的に停止させることにより、ディスクトレイの搬入を停止させ、異物がディスクトレイとフレームに挟み込まれるのを防止することが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−298486号公報
【特許文献2】特開2007−265565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ディスクトレイとディスクドライブ装置との間に挟み込まれた傷害物を検出した場合に、単にディスクトレイの移動方向を反転するだけでは別の問題が生じ得る。すなわち、ディスクトレイは処理速度の高速化のために高速で移動させることが望ましいが、障害物を検出したときにディスクトレイを反転させて高速でイジェクト方向に移動させる場合、ディスクトレイは高速で停止位置、具体的には物理的にメカストップに衝突して故障の原因となり得る。
【0005】
本発明の目的は、ディスクトレイを移動している間に光ディスクの挟み込みなどの異常が生じても、この事態に円滑に対処できる装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、光ディスクを搬送するディスクトレイと、前記ディスクトレイを格納位置と露出位置との間で第1の駆動プロファイルで駆動するとともに、前記ディスクトレイが前記格納位置から前記露出位置まで移動する途中、あるいは前記ディスクトレイが前記露出位置から前記格納位置まで移動する途中において前記ディスクトレイの移動を妨げる異常が生じた場合に、前記第1駆動プロファイルよりも低速の第2駆動プロファイルで前記ディスクトレイを反転駆動する駆動手段とを有する。
【0007】
本発明の1つの実施形態では、前記第2駆動プロファイルは、反転駆動初期においてブーストパルスを有する駆動プロファイルである。
【0008】
また、本発明の他の実施形態では、前記第2駆動プロファイルは、前記ディスクトレイが前記露出位置から前記格納位置まで移動する途中において前記異常が生じた場合は反転駆動初期においてブーストパルスを有する駆動プロファイルであり、前記ディスクトレイが前記格納位置から前記露出位置まで移動する途中において前記異常が生じた場合は反転駆動初期においてブーストパルスを有しない駆動プロファイルである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ディスクトレイを移動している間に光ディスクの挟み込みなどの異常が生じても、この事態に円滑に対処できる。より具体的には、ディスクトレイを移動している間に異常が生じた際の反転移動時でも、ディストトレイの衝突に伴う故障を防止することができる。また、光ディスクの挟み込みなどが生じても、この状態から円滑に脱出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1に、本実施形態における光ディスク装置2の外観を示す。光ディスク装置2のケース4の内部には、ディスクトレイ5、光ピックアップ、ピックアップベース、スピンドルモータ、ターンテーブルを含むメカ部10や回路基板が組み込まれている。ケース4の前面には、光ディスク3の再生を開始する再生スイッチ12、光ディスク3の再生を停止する停止スイッチ13、ディスクトレイ5開閉用の開閉スイッチ14等の各種スイッチが設けられる。これら開閉スイッチ14を含む各種スイッチは、光ディスク装置2の主制御を行う制御部15に接続される。
【0012】
ディスクトレイ5は、光ディスク3の記録あるいは再生時にケース4内部にローディングされるローディング位置(格納位置)と、ケース4外部に露出されるイジェクト位置(露出位置)との間で移動可能に設けられており、トレイ移動機構により移動される。ディスクトレイ5を移動させるときには、外部のシステムからのコマンドを受信した制御部15がトレイ移動機構を作動させる他、ユーザが手動で開閉スイッチ14を操作してトレイ移動機構を作動させる。ディスクトレイ5には、光ディスク3の外径に対応した窪みが形成される。ディスクトレイ5の中心部には、ローディング位置に位置するときにスピンドルモータ及びターンテーブルが挿通される挿通孔5aが形成され、この挿通孔5aに連結して光ピックアップが光ディスク3にアクセスするためのアクセス開口5bが形成される。
【0013】
図2に、光ディスク装置2の構成を示す。光ピックアップ6は、半導体レーザから照射されたレーザ光を光ディスク3の記録面に集光する対物レンズ16を有し、ピックアップベース7に取り付けられた保持シャフト17に移動自在に保持される。光ピックアップ6は、光ディスク3の半径方向である保持シャフト17の軸方向に駆動される。
【0014】
ターンテーブル9は、スピンドルモータの回転シャフトに取り付けられる。ターンテーブル9の上面には、チャッキングコア部が形成されている。チャッキングコア部は、光ディスク3を保持するものであり、光ディスク3の保持及び位置決めを行う位置決めリブ9bが120度ピッチで放射状に突出形成される。
【0015】
ケース4の内部には、メカ部10を回転させるためのスライダ20が設けられる。スライダ20は、左右方向にスライド自在に設けられ、スライダ20のスライドに応じてメカ部10が回転する。ディスクトレイ5の下面には、スライダ20の第1スライダボス20cを案内する第1ガイドリブ5cと、第2スライダボス20dを案内する第2ガイドリブ5dとが立設されている。各ガイドリブ5c、5dはそれぞれ2本ずつ立設されており、各ボス20c、20dは2本のリブの間に入り込むようにされている。これにより、ディスクトレイ5が前後方向に移動すると、各ボス20c、20dはガイドリブ5c、5dにより左右方向に案内され、スライダ20が左右方向にスライドする。
【0016】
ピックアップベース7には、ダンパーが4個、ビス22により取り付けられる。後面側の2個のビス22は、ダンパーを介してケース4内部の取付部にビス締めされており、ピックアップベース7はこの2個のビス22を中心として回転自在に取り付けられる。前面側の2個のビス22は、ダンパーを介して回転ベース23に取り付けられる。回転ベース23の前面には、スライダ20の第1ガイド孔に挿入される第1ベースボス23aと、第2ガイド孔に挿入される第2ベースボス23bが形成される。回転ベース23の左右の側面には回転軸23cが形成され、回転軸23cはケース4内部に回転自在に設けられる。スライダ20には、回転自在な位置検出スイッチ27のスイッチ片27bが挿通されるスイッチ挿通孔20fが形成される。
【0017】
スライダ20が左方向に左スライド位置までスライドすると、スイッチ片27bがスライダ20により押圧されて位置検出スイッチ27は左スイッチオン位置まで回転される。一方、スライダ20が右方向に右スイッチ位置までスライドすると、スイッチ片27bがスライダ20により押圧されて位置検出スイッチ27は右スイッチオン位置まで回転される。位置検出スイッチ27は、制御部15に接続されており、位置に応じた信号を制御部15に出力する。位置検出スイッチ27は、スイッチ用バネにより鉛直状態となるスイッチオフ位置に向けて付勢される。ディスクトレイ5がイジェクト位置(露出位置)に位置するときには、第2スライダボス20dが第2ガイドリブ5dにより案内され、スライダ20は左スライド位置に位置する。ディスクトレイ5が、イジェクト位置(露出位置)からローディング位置(格納位置)に向けて移動すると、第1スライダボス20cおよび第2スライダボス20dが、それぞれ第1ガイドリブ5cおよび第2ガイドリブ5dにより案内され、スライダ20は左スライド位置から右にスライドする。スライダ20が左スライド位置から右にスライドすると、位置検出スイッチ27は、スイッチ用バネの付勢により左スイッチオン位置からスイッチオフ位置に向けて回転する。また、ディスクトレイ5の第2ガイドリブ5dの前側端部には、スライダ20を右方向に右スライド位置までスライドさせて位置検出スイッチ27を右スイッチオン位置まで回転させるためのガイド部5fが形成される。したがって、ディスクトレイ5がローディング位置(格納位置)に達すると、位置検出スイッチ27は、右スイッチオン位置まで回転する。以上のようにして、位置検出スイッチ27からの信号により、制御部15はディスクトレイ5がイジェクト位置(露出位置)にあるかローディング位置(格納位置)にあるかを認識することができる。
【0018】
ケース4内部には、ディスクトレイ5を移動させるためのトレイ移動機構が設けられる。トレイ移動機構は、トレイ用ギア31及び図示しないモータを備える。トレイ用ギア31は、ディスクトレイ5に形成されたトレイギア5eに噛合する。モータは制御部15に接続され、モータの駆動によりトレイギア31が回転し、ディスクトレイ5が前後方向に移動する。ディスクトレイ5の移動速度は、制御部15がモータの駆動速度を制御することで調整される。
【0019】
なお、本実施形態ではスタイダ20によりメカ部10が回転する構成としているが、これは必須ではなくメカ部10が回転せず固定されていてもよい。
【0020】
また、本実施形態では、位置検出スイッチ27が左スイッチオン信号を出力した場合にイジェクト位置(露出位置)、右スイッチオン信号を出力した場合にローディング位置(格納位置)としているが、イジェクト位置及びローディング位置をそれぞれ別個の検出スイッチで検出して制御部15に出力する構成としてもよい。
【0021】
図3に、制御部15がディスクトレイ5を移動する際の基本的な駆動プロファイルを示す。なお、図では説明の都合上、ローディング位置をSW1で検出し、イジェクト位置をSW2で検出するものとし、SW1がオンしているときにローディング位置にあり、SW2がオンしているときにイジェクト位置にあるものとする。SW1及びSW2がともにオフしているときには、ディスクトレイ5はイジェクト位置とローディング位置の間にあることを意味する。ディスクトレイ5がイジェクト位置にあるときはディスクトレイ5がオープン(OPEN)状態にあり、ディスクトレイ5がローディング位置にあるときはディスクトレイ5がクローズ(CLOSE)状態にあるということもできる。
【0022】
図3において、ローディング位置からイジェクト位置にディスクトレイ5を移動する場合、あるいは逆にイジェクト位置からローディング位置まで移動する場合、短時間に大量の光ディスク3を処理するためにはできるだけ高速で移動することが望ましい。しかしながら、駆動プロファイルを単純な矩形波形とすると、動作開始と停止時の加速度が大きくなり、ディスクトレイ5上の光ディスク3が動いてチャッキングできない、あるいは光ディスク3がトレイから飛び出すおそれがある。そこで、図3に示すように動作開始時及び停止時において穏やかに加速及び減速するプロファイルで駆動する。すなわち、時刻t1までは速度v1で駆動し、時刻t1から時刻t2までは比較的穏やかな加速度で加速し、時刻t2から時刻t3まで一定の速度v2で駆動し、時刻t3から時刻t4まで比較的穏やかな減速度で減速して速度v1とし、この速度v1でイジェクト位置、あるいはローディング位置に達する。
【0023】
一方、制御部15は、イジェクト時に障害物が存在したり、ローディング時に光ディスク3を挟み込んだりして一定時間内にディスクトレイの移動動作が完了しなかった場合、これを検出してディスクトレイ5の移動方向を反転してリトライする。例えば、イジェクト位置からローディング位置に移動する間に光ディスク3がディスクトレイ5と装置のケース4の間に挟まった場合、制御部15はモータを逆回転させてイジェクト位置に向けてディスクトレイ5を反転移動する。しかしながら、ディスクトレイ5の位置を検出するスイッチは、イジェクト位置とローディング位置しか検出できず、ディスクトレイ5がその間のどの位置にいるかを検出することはできない。したがって、制御部15は反転移動時において図3に示す駆動プロファイルをそのまま適用すると、高速移動中に目標位置に到達してしまい、停止しきれず、高速のままメカストップに衝突するため故障の原因となる。メカストップは、例えばケース4の内面に突出形成され、この突出部にディスクトレイ5の端部に形成された係合突部が衝突する。そこで、制御部15は、このような事態を防止するために、ディスクトレイ5を反転移動する際には、図3に示す駆動プロファイルではなく、図4に示すように低速プロファイルに切り替えてディスクトレイ5を反転移動する。図4は、障害物などによりディスクトレイ5を反転移動する際の駆動プロファイルである。図3に示す駆動プロファイルの速度v2よりも低い速度v3で駆動する。v3はv1と同じか、それよりも低い速度である。これにより、例えばイジェクト位置からローディング位置に移動する途中で光ディスク3が挟まった場合において、その位置からディスクトレイ5を反転移動してイジェクト位置に達しても、移動速度がv3と低速であるのでたとえメカストップに衝突しても衝撃が小さくてすむ(あるいはメカストップに衝突しない)。
【0024】
このように、反転移動の際の駆動プロファイルを基本の駆動プロファイルと異なるプロファイルとし、より低速のプロファイルとすることで半開き状態から高速でメカストップに衝突する事態を有効に防止することができる。しかしながら、光ディスク3を挟み込んだ状態から低速プロファイルでディスクトレイ5を反転移動する場合、低速であるが故に挟み込んだ光ディスク3を押し出すだけの十分な駆動力が得られない問題が生じ得る。すなわち、低速プロファイルで反転移動しようとしても、光ディスク3がディスクトレイ5と装置のケース4との間に挟み込まれてしまい、そのまま動かない事態が想定され得る。そこで、制御部15は、低速プロファイルで反転移動することを前提としつつ、さらに、十分大きな駆動力を反転移動の開始時において供給する。
【0025】
図5に、反転移動する際の改良された駆動プロファイルを示す。基本的には図4と同様の低速プロファイルであり、速度v3で移動するプロファイルであるが、駆動初期の所定時間、例えば数十ms程度に駆動パルス(ブーストパルス)100が印加される。この駆動パルス100は、ディスクトレイ5が速度v4で移動するような速度であり、v4≧v2である。この駆動パルス100により、ディスクトレイ5は光ディスク3を挟み込んだ状態から脱出して反転移動が可能となる。
【0026】
なお、光ディスク3が挟み込まれた場合に、まず最初の反転移動時には図4に示す駆動プロファイルで反転移動し、ディスクトレイ5が移動しない場合に図5の駆動プロファイルに切り替えてリトライすることもできる。
【0027】
また、光ディスク3が挟み込まれたのではなく、ユーザが開閉スイッチ14を操作したような場合には図4の低速プロファイルに切り替えることもできる。図3の駆動プロファイルを高速プロファイル、図4の駆動プロファイルを低速プロファイル、図5の駆動プロファイルを脱出パルス付き低速プロファイルとし、これら3つの駆動プロファイルを制御部15のメモリに予め格納しておき、制御部15が適宜、ディスクトレイ5の位置や移動状況に応じて最適の駆動プロファイルを選択する。
【0028】
図6に、本実施形態の処理フローチャートを示す。図6では、説明の都合上、イジェクト位置をオープン(OPEN)、ローディング位置をクローズ(CLOSE)としている。まず、制御部15はディスクトレイ5がオープンか否かを判定する(S101)。ディスクトレイ5がオープンである場合、制御部15は駆動プロファイルとして図3に示す高速プロファイルを設定する(S102)。一方、S101でディスクトレイ5がオープンでないと判定された場合、次にディスクトレイ5がクローズか否かを判定する(S103)。そして、ディスクトレイ5がクローズである場合、同様に制御部15は駆動プロファイルとして図3に示す高速プロファイルを設定する(S104)。ディスクトレイ5がオープンでもクローズでもない場合、つまりオープンとクローズの間にある場合、制御部15は低速プロファイルを設定する(S105)。
【0029】
駆動プロファイルを設定した後、制御部15は設定した駆動プロファイルに従ってモータを駆動し、ディスクトレイ5を駆動する(S106)。オープン状態のディスクトレイ5はクローズ状態に向けて移動し、クローズ状態のディスクトレイ5はオープン状態に向けて移動する。制御部15は、駆動を開始してからの時間をタイマで監視し、タイムアウトしたか否かを判定する(S107)。所定のタイムアウト時間が未だ経過していない場合には、オープンまたはクローズスイッチがオンされたか否か、つまりオープン状態かクローズ状態に達したか否かを判定する(S112)。この判定は、図3〜図5におけるSW1、SW2のオン、オフの判定に対応する。未だオープンまたはクローズ状態に達していない場合には、引き続きディスクトレイ5を駆動し続ける。
【0030】
光ディスク3の挟み込みその他の障害物が存在する場合、オープンまたはクローズ状態に達することなくタイムアウトとなる。すると、S107でYESと判定され、制御部15はリトライするか否かを判定する(S108)。リトライしない場合には、処理を終了する。一方、リトライする場合には、リトライ動作方向を確認する(S109)。リトライ動作方向は反転移動方向である。すなわち、オープン状態からクローズ状態に向けて駆動した場合にはオープン方向(イジェクト方向)、クローズ状態からオープン状態に向けて駆動した場合にはクローズ方向(ローディング方向)である。リトライ動作方向(反転移動方向)がローディング方向である場合、光ディスク3の挟み込みではなくディスクトレイ5前面に何らかの障害物が存在すると考えられるため、図4の低速プロファイルに切り替える(S110)。また、リトライ動作方向(反転移動方向)がイジェクト方向である場合、光ディスク3の挟み込みが考えられるため、図5の脱出パルス付き低速プロファイルに切り替える(S111)。駆動プロファイルを切り替えた後、再びディスクトレイ5を駆動してリトライする(S106)。
【0031】
以上まとめると、駆動プロファイルは次のように設定される。
(1)通常のローディング時(オープン状態からクローズするとき)
図3の高速プロファイル
(2)通常のイジェクト時(クローズ状態からオープンするとき)
図3の高速プロファイル
(3)ローディング途中あるいはイジェクト途中でユーザが開閉スイッチを操作したとき
図4の低速プロファイル
(4)ローディング途中でタイムアウトしたとき
図5の脱出パルス付きプロファイル
(5)イジェクト途中でタイムアウトしたとき
図4の低速プロファイル
【0032】
なお、図6の処理では、ローディング途中でタイムアウトしたときに図5の駆動プロファイルを選択し、イジェクト途中でタイムアウトしたときには図5の駆動プロファイルではなく図4の駆動プロファイルを選択しているが、イジェクト途中でタイムアウトしたときも図5の駆動プロファイルを選択することもできる。
【0033】
本実施形態では、オープン状態からクローズ状態まで、あるいはクローズ状態からオープン状態までに要する時間がタイムアウトしたか否かにより光ディスク3の挟み込み等の異常を検出しているが、他の方法で異常を検出してもよい。例えば、モータの負荷の大きさから異常を検出してもよい。
【0034】
本実施形態の光ディスク装置は、パーソナルコンピュータ等に組み込む他、光ディスク3のラベル面に画像や文字を印刷する印刷ユニットを備える光ディスク処理システムに組み込むことができる。光ディスク処理システムは、光ディスク装置を記録ユニットとし、印刷ユニットと記録ユニットを備え、ストッカから搬送機構で光ディスクを取り出して記録ユニット、印刷ユニットへ順次搬送する。記録ユニットで光ディスクの記録面にデータを記録し、その後印刷ユニットに搬送してラベル面に画像や文字を印刷する。データを記録し、かつ、ラベル面の印刷が完了した光ディスク3は再びストッカまで搬送される。図6のS108においてリトライするか否かは、予め光ディスク装置のユーザが設定してもよく、あるいは光ディスク処理システムのシステムプロセッサから制御部15に指令してもよい。また、制御部15は、システムプロセッサからの指令に基づいてディスクトレイ5を駆動するとともに、ディスクトレイ5の状態、すなわちオープン状態にあるかクローズ状態にあるか、ローディング途中でタイムアウトしたか、イジェクト途中でタイムアウトしたか等の状況を光ディスク処理システムのシステムプロセッサに返信してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】光ディスク装置の外観図である。
【図2】光ディスク装置の平面図である。
【図3】高速プロファイルの説明図である。
【図4】低速プロファイルの説明図である。
【図5】脱出パルス(ブーストパルス)付き低速プロファイルの説明図である。
【図6】処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0036】
2 光ディスク装置、3 光ディスク、4 ケース、5 ディスクトレイ、15 制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクを搬送するディスクトレイと、
前記ディスクトレイを格納位置と露出位置との間で第1の駆動プロファイルで駆動するとともに、前記ディスクトレイが前記格納位置から前記露出位置まで移動する途中、あるいは前記ディスクトレイが前記露出位置から前記格納位置まで移動する途中において前記ディスクトレイの移動を妨げる異常が生じた場合に、前記第1駆動プロファイルよりも低速の第2駆動プロファイルで前記ディスクトレイを反転駆動する駆動手段と、
を有することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
前記第2駆動プロファイルは、反転駆動初期においてブーストパルスを有する駆動プロファイルであることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、
前記第2駆動プロファイルは、前記ディスクトレイが前記露出位置から前記格納位置まで移動する途中において前記異常が生じた場合は反転駆動初期においてブーストパルスを有する駆動プロファイルであり、前記ディスクトレイが前記格納位置から前記露出位置まで移動する途中において前記異常が生じた場合は反転駆動初期においてブーストパルスを有しない駆動プロファイルであることを特徴とする光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−40091(P2010−40091A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200587(P2008−200587)
【出願日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【出願人】(000003676)ティアック株式会社 (339)
【Fターム(参考)】