説明

光ディスク装置

【課題】
脱調が発生した場合の光ディスクに対する記録または再生の品質の低下を抑制する光ディスク装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
ディスクローディング時のロード処理において位置センサを使用して収差補正レンズを基準位置に移動した後収差補正調整を実施する。光ディスク装置がディスクローディング終了後に、再度位置センサを使用して収差補正レンズを基準位置に移動する。この収差補正調整処理は、収差補正レンズを基準位置に位置付けた時点からのステッピングモータへの印加パルス数を管理するパルスカウンタを有しており、基準位置でパルスカウンタを0に設定するとともに、収差補正調整後のレンズ適正位置でのパルスカウンタ値を記録し、以降パルスカウンタ値を基準として、パルス印加数を管理することで収差補正レンズの位置付けを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ディスクに対し、記録あるいは再生を行う光ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスクに記録あるいは再生する方式として、近年ブルーレイディスク(Blu-ray Disc)が開発されている。ブルーレイディスクでは開口率0.85の対物レンズが使用されており、これにより光スポットを光ディスク上の狭トラックに絞り込んで高密度記録を行っている。一方高開口率対物レンズを使用した場合、光ディスクの保護層の厚み誤差によって生じる球面収差の影響が大きくなるため、球面収差を補正する補正手段が必要になってくる。
【0003】
球面収差の補正手段および調整方法としては、例えば特許文献1に記載がある。特許文献1では収差補正手段としてビームエキスパンダを使用して光径を調整し、また収差補正調整方法としては光ディスクから得られる反射光の信号品質が適正になるように収差補正手段を制御している。
【0004】
ここで、ビームエキスパンダを使用した光径調整は、光径調整レンズをステッピングモータで移動することによって実現している。ステッピングモータは印加するパルス数によって回転角を制御することが出来るので、回転シャフトに設けたリードスクリューで回転運動を直線運動に変換しレンズの位置を制御している。この方式ではフォトインタラプタなどの光センサを使用して基準位置検出を行えば、あとはパルス数を管理することで光径調整レンズ位置の制御が可能になる。なお、ステッピングモータを利用した移動機構としては例えば特許文献2に記載があるように、光ピックアップユニットを移動する移動手段としても採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−318590号公報
【特許文献2】特開2007−129811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ステッピングモータを使用した移動機構の課題としては、特許文献2に示してあるように脱調が挙げられる。ステッピングモータは印加するパルス数で回転角を制御することが出来るが、脱調が発生した場合、ステッピングモータの回転子が次の磁気的安定点に移り、印加したパルス数と、実際の回転角の対応が取れなくなってしまう。例えば、2相励磁でステッピングモータを駆動している場合、脱調が発生するとパルス数と実際の回転角の間で4パルス分のズレが発生する。こうしたズレは、パルス数に基づいてレンズの位置を制御している収差補正機構では許容することが難しい。
【0007】
例えば、記録面が2面以上ある光ディスクの場合、それぞれの記録面で適正とされる収差補正レンズの位置が異なる。このため、異なる記録面を記録あるいは再生する場合、フォーカス位置を層間ジャンプさせるとともに、収差補正レンズを移動する必要がある。しかし、収差補正レンズの移動中に脱調が発生した場合には、光ディスク装置がステッピングモータに所定パルス印加しても、収差補正レンズの調整された位置と実際の目標位置との間に誤差が生じる。そして、記録面間の往復が複数回行われた場合、この誤差は累積されるために収差補正誤差も大きくなり、記録再生性能が劣化していく。
【0008】
この対策として、例えば、収差補正システムの信頼性を高め、脱調が発生しない機構にする方法が挙げられる。しかし、光ピックアップユニットに搭載されるステッピングモータは小型化が要求されるため駆動トルクが小さくなる一方、経時劣化や温度変化による負荷変動も考慮する必要がある。このため信頼性の向上を収差補正機構だけで確保しようとすると高トルクモータの開発や、部品精度の向上などコスト増加につながる。
【0009】
本発明は、脱調が発生した場合の光ディスクに対する記録または再生の品質の低下を抑制する光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題は、例えば、特許請求の範囲に記載の発明によって解決される。また、その概要について簡単に説明すると、以下の通りである。
【0011】
例えば、ディスクローディング終了後に脱調確認処理を実施し、脱調が発生している場合はリカバリ処理を実行して収差補正レンズが適正位置に位置付け出来るようにする。
【0012】
また、例えば、脱調検出する方法として次の処理を行う。まずディスクローディング時のロード処理において位置センサを使用して収差補正レンズを基準位置に移動した後収差補正調整を実施し、ディスクローディング終了後に再度位置センサを使用して収差補正レンズを基準位置に移動する。
【0013】
また、例えば、収差補正調整手段は、収差補正レンズを基準位置に位置付けた時点からのステッピングモータへの印加パルス数を管理または取得するパルスカウンタを有しており、基準位置でパルスカウンタを初期値である0に設定するとともに、収差補正調整後の収差補正レンズ適正位置でのパルスカウンタ値を記録し、以降パルスカウンタ値を基準として、パルス印加数を管理することで収差補正レンズの位置付けを行う。ディスクローディング終了後に再度位置センサを使用して収差補正レンズを基準位置に移動した際、基準位置でのパルスカウンタ値P’を取得する。
【0014】
また、例えば、パルスカウンタ値P’の絶対値がある閾値Pth以上の場合、脱調が発生したとしてリカバリ処理を実施する。
【0015】
また、例えば、脱調リカバリ処理としては、パルスカウンタ値P’の位置でパルスカウンタ値を初期値である0に再設定する。またはパルスカウンタ値P’の位置でパルスカウンタ値を初期値である0に再設定するとともに再度収差補正調整を実施し収差補正レンズの適正位置を再取得する。
【0016】
また、例えば、以後の脱調を防止するためにステッピングモータによる移動速度を低下させる。あるいはステッピングモータ駆動電圧を増加させる。
【0017】
また、例えば、脱調確認処理の実行契機は、光ディスク装置がディスクローディング後、省電力モードに移行して光ディスクの回転が停止した後、再度通常モードに移行する際に設ける。または、光ディスク装置が再生処理中に再生エラーを検出した際に設ける。または、光ディスク装置がシーク処理中にシークエラーを検出した際に設ける。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、脱調が発生した場合の光ディスクに対する記録または再生の品質の低下を抑制する光ディスク装置を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】光ディスク装置の構成図である。
【図2】球面収差補正調整機構の構成および、位置センサ出力、収差補正レンズの位置について説明した図である。
【図3】収差補正レンズを基準位置から収差補正適正位置へ移動する際の動作について説明した図である。
【図4】位置センサによる基準位置検出動作と移動誤差について説明した図である。
【図5】ディスクローディング時の処理フローを示した図である。
【図6】脱調確認処理フローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
以下、実施例について図1〜図6を用いて説明する。
【0021】
図1は本実施例の光ディスク装置の構成を示した図である。
【0022】
光ディスク102はスピンドルモータ101、ドライバ回路103により、回転した状態にある。光ピックアップユニット105に搭載されたレーザダイオード107から出射された光はビームスプリッタ111、収差補正機構113を経由し、対物レンズ104により、光ディスク102上のデータ記録面に集光される。そして光ディスク102に集光された光はデータ記録面で反射され、その反射光は再度対物レンズ104、収差補正機構113、ビームスプリッタ111を通過した後、受光素子106に入り電気信号に変換される。受光素子106から出力される電気信号は、信号処理回路108に入力される。信号処理回路108は入力された信号を処理し、インターフェース109を通じて外部接続機器との通信を行ったり、ドライバ回路103にフィードバックし、スピンドルモータ101や光ピックアップユニット107、スレッドモータ112の制御を行っている。また、信号処理回路108は収差補正機構113の制御も行っている。
【0023】
次に、収差補正機構113の構成及び配置について図2を用いて説明する。
【0024】
図2に示す収差補正機構113は、収差補正レンズ2、ステッピングモータ1、位置センサ3を備える。ステッピングモータ1には螺旋状に溝があるリードスクリュー120が付加されている。リードスクリュー120は、ステッピングモータ1の回転を直線運動に変換し、収差補正レンズ2を移動する。
【0025】
位置センサ3は、収差補正レンズ2が位置センサ3位置に来た際に出力が反転することで位置を検出することが出来る。位置センサ3は、例えば、フォトカプラやフォトインタラプタを用い、収差補正レンズ2が基準位置に到達した場合の光の変化に基づいて位置を検出する。光ディスクが2面構造(それぞれの記録面を以降L0面、L1面とする)であり収差補正レンズ2の適正位置が各記録面に対しそれぞれL0位置、L1位置にあるとすると位置センサ3で検出される基準位置からステッピングモータ1に印加するパルス数を管理して、L0位置、L1位置に収差補正レンズ2を位置付けしている。
【0026】
L0位置、L1位置としては、光ディスク102から得られる反射光の信号品質が最も良好に得られるように収差補正調整を行い求める。収差補正調整は収差補正レンズ2を移動し、反射光からの信号品質がもっとも良好となる位置を信号処理回路108によって求める処理である。信号品質を評価する指標としては、トラッキングエラー信号振幅、記録信号振幅、記録信号のジッタ値、記録信号のエラーレートなどがあり、信号振幅が最大、あるいはジッタ値やエラーレートが最小になるように収差補正レンズ2位置を決定すればよい。なお、このように、ジッタ値やエラーレートに基づいて得られた収差補正レンズ2の位置を適正位置とする。
【0027】
また、光ディスク装置110は、収差補正レンズ2を基準位置に位置付けたあと、信号処理回路108により以後ステッピングモータ1に印加するパルス数をカウントする。このパルスカウンタはソフトウエアで実現してもハードウエアで実現してもよい。パルスカウント数は、例えば、基準位置からL0位置に移動する方向にパルスを印加したときにはカウントアップし、反対に移動する方向にパルスを印加した際にはカウントダウンさせる。もちろん、逆に基準位置からL0位置に移動する方向にパルスを印加した場合にカウントダウンする構成でもよい。信号処理回路108は、基準位置でのパルスカウントを初期値である0に設定したあと、ディスクの各記録面で収差補正調整したときの適正位置であるL0位置、L1位置のパルスカウンタ値P0、P1を記憶し、以降パルスカウンタ値がP0、P1になるようにステッピングモータ1にパルスを印加して収差補正レンズ2の位置制御を行う。この方法により、位置制御をパルス制御で行うことが出来る。
【0028】
次に収差補正機構の問題点と本実施例による対応について図3、図4を用いて説明する。
【0029】
図3は、収差補正機構113の収差補正レンズ2を基準位置から、L0位置に移動する状態を示した図である。移動はパルス数を制御して行っているので、パルスカウンタ値がP0になるようにステッピングモータ1にパルスを印加して移動している。このあと前記のようにL0位置とL1位置を収差補正レンズ2が交互に移動した際に脱調が起きた場合、パルスカウンタで管理しているパルス数と実際の収差補正レンズ2の位置に誤差が生じる。これは収差補正誤差につながり、記録再生性能の劣化の原因となる。
【0030】
これに対して光ディスク装置110は、脱調検出およびリカバリ処理を行い対応する。
【0031】
図4は、位置センサによる基準位置検出動作と移動誤差について説明した図である。
【0032】
該図に示すように脱調検出として、位置センサ3の出力が反転する基準位置に収差補正レンズ2を移動する。また、補正レンズ2を移動した位置にて取得されるパルスカウンタ値であるP’を読み込む。つまり、仮に位置センサ3が、送り誤差が生じない理想的な送り機構および位置センサであると仮定すると、脱調が発生していない場合P’=0となる。しかし、脱調が発生している場合はパルス数に対する回転角応答に誤差が生じているためP’≠0となる。よって、P’を適切な契機で確認することで脱調検出が可能になる。
【0033】
次に、脱調リカバリ処理の実施例を説明する。リカバリ処理の1実施例として、脱調検出時位置センサ3で検出される基準位置に収差補正レンズ2を位置付けた状態で、パルスカウンタを初期値である0に再設定することが挙げられる。脱調が発生することで、パルスカウンタと実際の収差補正レンズ2の位置にズレが生じることが問題であるのでパルスカウンタをリセットすることで位置ずれを修正することができる。なお、本処理は、例えば、信号処理回路108の制御により行う。
【0034】
また脱調リカバリ処理の他の実施例として、脱調検出時位置センサ3で検出される基準位置に収差補正レンズ2を位置付けた状態で、信号処理回路108は、パルスカウンタを初期値である0に再設定したのち、収差補正調整を再度行い、L0位置、L1位置となるパルス数P0、P1を再取得する。位置センサ3の検出にはバラツキがあるため、より正確にL0位置、L1位置を求める際に本実施例は有効である。
【0035】
また脱調が発生する原因として、送り機構の負荷に対し、ステッピングモータ1のトルクが低いことが考えられる。よって脱調検出した際にはステッピングモータ1のトルクを上げると脱調の再現を防止できる。ステッピングモータ1のトルクアップに対しては、送り速度の低下、駆動電圧の増加で対応可能であり、脱調検出した際にはこれらの対策を行うことが望ましい。
【0036】
次に、脱調検出の判定閾値について説明する。
脱調検出判定はP’≠0判定した場合、あるいはP’が以下の判定閾値以上になった場合とし、脱調検出判定時に脱調リカバリ処理を実施すればよい。
【0037】
実際の収差補正機構は、リードスクリュー120の回転を直線運動に変換しており、ここに遊びが生じるため収差補正レンズの位置と回転角の間に誤差が生じる。また位置センサ3が検出する基準位置も位置センサ電圧や周囲温度によって内部の半導体のON/OFFタイミングが変わるため検出誤差が生じる。一方、ステッピングモータ1の駆動を2相励磁で行った場合、4パルス毎に同一印加波形となる。脱調が発生した場合、ステッピングモータ1の回転子は他の磁気的安定点に落ち着こうとするので、パルス数とステッピングモータ1のズレは4パルスに比例して生じる。よって、収差補正機構113および位置センサ3で見込まれる誤差と、ステッピングモータ1の脱調で発生するパルスズレを考慮して脱調検出の閾値Pthを決定するとよい。例えば、2相励磁で駆動している場合、脱調発生時は4パルス単位のズレが生じているので、これに収差補正機構113、位置センサ3で見込まれる誤差および誤検出防止のマージンを考慮し閾値Pthを8パルス以上にするとよい。なお、本処理は、例えば、信号処理回路108の制御により行う。
【0038】
次に図5、図6を用いて本実施例の実施フローについて説明する。
【0039】
図5はディスクローディング時の処理フローを示した図である。光ディスク装置110はまず光ディスク102の有無を判定する(処理11)。ディスクが有る場合、そのディスクにあわせたサーボや記録再生に必要なパラメータを調整学習するDiscLoad処理(処理12)を実行する。このDiscLoad処理の1調整として、収差補正調整(処理14)がある。収差補正調整では、収差補正レンズ基準位置移動(処理15)、パルスカウンタ0リセット(処理16)したあと、収差補正レンズの適正位置検索(処理17)を行い、光ディスク102の各記録面毎の適正位置のパルスカウント値P0、P1を取得する(処理18)。そしてDiscLoad処理が終了すると、光ディスク102に対する記録再生が可能なReady状態になる。なお、図5の処理は、例えば、信号処理回路108の制御により行う。また、DiscLoad処理とは、例えば、光ディスク102を光ディスク装置110に装着した後に、光ディスク102へのユーザデータの再生又は、ユーザデータの記録を可能とするための各種調整処理をいう。また、上記のReady状態としては、例えば、光ディスク102の挿入後、外部接続機器からのユーザデータの記録または再生の要求信号が受け付けられる状態を示す。なお、ユーザデータとは、光ディスク102の備えるユーザデータ領域に記録されるデータであって、例えば、AVデータやユーザが保存するファイルが該当する。
【0040】
図6は脱調確認処理フローを示した図である。DiscLoad後に設けられた実施契機にて、脱調確認処理を開始する。まず位置センサ3を使用して収差補正レンズを基準位置に移動する(処理19)。次に基準位置に位置付いたときのパルスカウンタ値P’を取得する(処理20)。パルスカウンタ値P’の絶対値とあらかじめ設定した閾値Pthを比較し(処理21)、P’の絶対値がPth以上の場合は脱調検出したと判断し、リカバリ処理(処理22)を行う。なお、図6の処理は、例えば、信号処理回路108の制御により行う。
【0041】
次に、脱調確認処理を行う契機について説明する。脱調確認処理は収差補正レンズ2を基準位置まで移動するため、その間の記録再生は行うことができない。このため頻繁に確認処理を行うと記録再生速度が低下するため、効率よく脱調確認を行う契機を設ける必要がある。
【0042】
そこで、脱調確認処理実施契機の1実施例として、実施契機を光ディスク装置110がディスクローディングした後に省電力モードに移行して光ディスクの回転が停止した後、再度通常モードに移行することを信号処理回路108が検出したときに設ける。光ディスク装置110はディスクローディングされた後、外部からの要求が無ければ省電力モードに移行し、次回の外部からの要求で通常モードに移行する。このときディスク回転など起動するために時間が必要になる。この契機で脱調確認処理を実施することで、見かけ上の脱調確認処理時間を隠蔽することが出来る。つまり、例えば、脱調確認処理のみを別途行う場合に比して、処理時間を短縮することが可能となる。
【0043】
また、他の実施例として、実施契機を光ディスク装置110が再生処理中に再生エラーを検出したことを信号処理回路108が検出したときに設ける。再生エラーの原因が脱調により発生している可能性もあるため、この契機で脱調確認処理を行う。
【0044】
また、他の実施例として、実施契機を光ディスク装置110がシーク処理中にシークエラーを検出したことを信号処理回路108が検出したときに設ける。シークエラーの原因が脱調により発生している可能性もあるため、この契機で脱調確認処理を行う。
【0045】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0046】
また、上記の各構成は、それらの一部又は全部が、ハードウェアで構成されても、プロセッサでプログラムが実行されることにより実現されるように構成されてもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…ステッピングモータ
2…収差補正レンズ
3…位置センサ
101…スピンドルモータ
102…光ディスク
103…ドライバ回路
104…対物レンズ
105…光ピックアップユニット
106…受光素子
107…レーザダイオード
108…信号処理回路
109…インターフェース
110…光ディスク装置
111…ビームスプリッタ
112…スレッドモータ
113…収差補正機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ピックアップユニットを備え、光ディスクに対して情報の記録あるいは再生を行う光ディスク装置において、
前記光ピックアップユニットは、収差補正レンズと前記収差補正レンズを移動させるステッピングモータと前記収差補正レンズが基準位置に位置することを検出する位置センサとで構成され、収差補正を行う球面収差補正手段を有し、
前記球面収差補正手段は、光ディスクのロード処理を行っている間に、前記収差補正レンズを前記基準位置に前記ステッピングモータで移動させた後、前記光ディスクに対して収差補正を行い、光ディスクのロード処理を行った後に、再度前記収差補正レンズを前記基準位置に移動させることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
請求項1記載の光ディスク装置において、
光ディスクから得られる信号品質に基づいて前記収差補正レンズの適正位置を取得する収差補正調整手段を備え、
前記収差補正調整手段は、前記収差補正レンズを基準位置に位置付けた時点からのステッピングモータへの印加パルス数を取得するパルスカウンタを有し、前記基準位置でパルスカウンタ値を初期値に設定し、前記適正位置でのパルスカウンタ値を記憶し、
前記パルスカウンタは、前記光ディスクのロード処理を行った後に、前記収差補正レンズが前記基準位置に移動した場合、該基準位置でのパルスカウンタ値P’を取得することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光ディスク装置において、
前記収差補正調整手段は、前記記憶された適正位置に応じた数のパルス数を前記収差補正手段が備えるステッピングモータへ印加することにより、前記収差補正レンズの位置付けを行うことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項4】
請求項2記載の光ディスク装置において、
前記パルスカウンタは、前記ステッピングモータの移動方向に応じて前記パルスカウンタ値の増減を変えることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項5】
請求項2記載の光ディスク装置において、
前記光ディスクのロード処理を行った後に取得した基準位置でのパルスカウンタ値P’の絶対値が閾値Pth以上の場合、前記基準位置でパルスカウンタ値を前記初期値に再設定することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項6】
請求項2記載の光ディスク装置において、
前記光ディスクのロード処理を行った後に取得した前記基準位置でのパルスカウンタ値P’の絶対値が閾値Pth以上の場合、前記基準位置でパルスカウンタ値を前記初期値に再設定し、前記収差補正調整手段により前記収差補正レンズの適正位置を再取得することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項7】
請求項2記載の光ディスク装置において、
前記光ディスクのロード処理を行った後に取得した前記基準位置でのパルスカウンタ値P’の絶対値が閾値Pth以上の場合、前記ステッピングモータによる前記収差補正レンズの移動速度を低下させることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項8】
請求項2記載の光ディスク装置において、
前記光ディスクのロード処理を行った後に取得した前記基準位置でのパルスカウンタ値P’の絶対値が閾値Pth以上の場合、前記ステッピングモータの駆動電圧を増加させることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項9】
請求項5ないし8のいずれか1項記載の光ディスク装置において、
前記ステッピングモータを2相励磁駆動し、前記閾値Pthを8パルス以上とすることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項10】
請求項1記載の光ディスク装置において、
前記光ディスク装置が前記光ディスクのロード処理を行った後に、省電力モードに移行して光ディスクの回転が停止した後、再度通常モードに移行する際に、前記収差補正レンズを前記基準位置に移動させることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項11】
請求項1記載の光ディスク装置において、
前記球面収差補正手段は、前記光ディスク装置が再生処理中に再生エラーを検出した場合に、前記収差補正レンズを前記基準位置に移動させることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項12】
請求項1記載の光ディスク装置において、
前記球面収差補正手段は、前記光ディスク装置がシーク処理中にシークエラーを検出した場合に、前記収差補正レンズを前記基準位置に移動させることを特徴とする光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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