説明

光ピックアップ装置、光ピックアップユニットおよびデータストリーマ装置

【課題】テープの走行方向に対して必要なスペースを従来よりも低減し得る光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】この光ピックアップ装置は、固定部100と、可動部11と、固定部100に一方の端部が固定され、他方の端部が可動部11に固定された第1の弾性支持部材12aおよび第2の弾性支持部材bと、可動部11に固定された対物レンズ8とを備える。対物レンズ8は、第1の弾性支持部材12aの一方の端部から第1の弾性支持部材12aに対して垂直な方向に延びる線と、第1の弾性支持部材12aの他方の端部から第1の弾性支持部材12aに対して垂直な方向に延びる線との間に存在する領域であって、第1の弾性支持部材12aと第2の弾性支持部材12bとの間に存在する領域の外側に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光ピックアップ装置および光ピックアップユニットに関する。また、本発明は、当該光ピックアップ装置を備えるデータストリーマ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光ディスク装置に使用される光ピックアップ装置は、光源として機能するレーザと、対物レンズをフォーカスおよびトラッキング方向に駆動させるためのレンズアクチュエータとを備える。レンズアクチュエータは、光ピックアップ装置本体に固定される土台部と、対物レンズを搭載してフォーカス方向およびトラッキング方向に移動可能な可動部と、土台部に可動部を弾性的に結合する弾性支持部材とを備える。可動部にはコイルが取り付けられており、土台部にはマグネットが取り付けられている。可動部のコイルを流れる電流の向きおよび大きさを調整することにより、マグネットが形成する磁界中でコイルに磁力が及び、可動部の位置および姿勢が制御される。対物レンズの位置は、記録媒体の表面に対して垂直な方向(フォーカス方向)に移動するとともに、記録媒体の表面に平行かつ記録媒体のトラックに垂直な方向(トラッキング方向)に移動することができる。このような2つの方向に対物レンズを移動させるため、可動部にはフォーカス方向に力を発生させるフォーカスコイルと、トラッキング方向に力を発生させるトラッキングコイルとに分かれている。弾性支持部材は、これらの力に対して復元力を発生する。
【0003】
弾性支持部材は、例えばワイヤから構成される。ワイヤの長さは、ピックアップ装置内で構成可能なスペースと、可動部を移動させるために必要な電力から決定される。ワイヤの長さは、10mm〜20mmが一般的である。ワイヤは可動部のトラッキング方向に関して両端に近い位置で固定される。このため、対物レンズはワイヤに囲まれた領域の内側に取り付けられる。また、アクチュエータは、可動部をフォーカス方向およびトラッキング方向に安定して動作させるため、それぞれの方向に対して、可動部の重心と駆動力の中心を一致させることが望ましい。このような技術は、特許文献1に開示されている。
【0004】
一方、大容量のストレージ装置として、光テープにデータを記録する光テープ装置(データストリーマ装置)が開発されつつある。このような光テープ装置の一例が特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−50062号公報
【特許文献2】特開2006−286070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、光ディスク用の光ピックアップ装置は、ディスク面に垂直な方向に対して薄型化が求められている。トラックの走行方向やトラッキング方向などの、ディスク面に平行な方向は、光ディスクが占有する面積に投影されたスペースの範囲内で光ディスクドライブおよび光ピックアップ装置の構成が可能である。このため、光ディスク用では、ディスク面に平行な方向において、対物レンズのアクチュエータにおけるワイヤや対物レンズの構成に空間的な余裕がある。
【0007】
しかし、例えば光テープ用の記録装置においては、テープの走行方向に対してピックアップ装置が占有できるスペースが狭い。
【0008】
本発明は、テープの走行方向に対して必要なスペースを従来よりも低減することが可能な光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光ピックアップ装置は、レーザおよびレンズアクチュエータを備える光ピックアップ装置であって、前記レンズアクチュエータは、対物レンズと、固定部と、前記対物レンズを支持し、前記固定部に対して位置および姿勢を変えることができる可動部と、前記可動部の少なくとも一部に磁力を及ぼすように構成された磁界形成素子と、前記固定部に対して前記可動部を弾性的に連結する第1および第2の弾性支持部材とを備える。前記対物レンズの光軸に平行な方向から見たとき、前記第1の弾性支持部材と前記固定部との間の第1の接続箇所と、前記第1の弾性支持部材と前記可動部との間の第2の接続箇所と、前記第2の弾性支持部材と前記固定部との間の第3の接続箇所と、前記第2の弾性支持部材と前記可動部との間の第4接続箇所とは、それぞれ、四角形の4個の頂点に位置し、前記対物レンズの中心は、前記第1の接続箇所と第3の接続箇所とを通る第1の直線と、前記第2の接続箇所と第4の接続箇所とを通る第2の直線との間の領域内に位置し、かつ、前記第1の接続箇所と第2の接続箇所とを通る第3の直線と、前記第3の接続箇所と第4の接続箇所とを通る第4の直線との間の領域の外側に位置する。
【0010】
ある実施形態において、前記可動部は、電流に応じて前記磁界形成素子から磁力を受けるように構成されたコイルを有しており、前記対物レンズの光軸に平行な方向から見たとき、前記コイルは前記第1の直線と前記第2の直線との間の領域内であって、かつ、前記第3の直線と前記第4の直線との間の領域内に位置している。
【0011】
ある実施形態において、前記可動部は、所定の重量を有するカウンターウェイトを有しており、前記対物レンズの光軸に平行な方向から見たとき、前記カウンターウェイトは前記第1の直線と前記第2の直線との間の領域内に位置し、かつ、前記カウンターウェイトと前記対物レンズとの間に前記コイルが位置している。
【0012】
ある実施形態において、前記可動部は、前記対物レンズを支持する対物レンズホルダと、前記コイルが巻かれたコイル支持部とを有し、前記コイル支持部と前記カウンタ−ウェイトとは同一の材料から一体的に形成されている。
【0013】
ある実施形態において、前記可動部は、前記対物レンズを支持する対物レンズホルダと、前記コイルが巻かれたコイル支持部とを有し、前記コイル支持部と前記カウンタ−ウェイトとは異なる材料から形成されている。
【0014】
ある実施形態において、前記コイルは、フォーカスコイル部分およびトラッキングコイル部分に分かれている。
【0015】
ある実施形態において、前記固定部は、前記第3および第4の直線に対して垂直な板状部分を有し、前記板状部分が前記第1および第2の弾性支持部材を支持している。
【0016】
ある実施形態において、前記レーザを内蔵し、上面と側面とを有する光学ベースを更に備え、前記光学ベースの前記上面に前記アクチュエータが固定されている。
【0017】
ある実施形態において、前記第1および第2の弾性支持部材の長さは、前記光学ベースの前記上面の前記第1および第2の弾性支持部材の長さ方向におけるサイズに実質的に等しい。
【0018】
本発明による他の光ピックアップユニットは、複数の光ピックアップ装置を備える光ピックアップユニットであって、各光ピックアップ装置は、レーザとレンズアクチュエータとを備え、前記レンズアクチュエータは、対物レンズと、固定部と、前記対物レンズを支持し、前記固定部に対して位置および姿勢を変えることができる可動部と、前記可動部の少なくとも一部に磁力を及ぼすように構成された磁界形成素子と、前記固定部に対して前記可動部を弾性的に連結する第1および第2の弾性支持部材とを備える。前記対物レンズの光軸に平行な方向から見たとき、前記第1の弾性支持部材と前記固定部との間の第1の接続箇所と、前記第1の弾性支持部材と前記可動部との間の第2の接続箇所と、前記第2の弾性支持部材と前記固定部との間の第3の接続箇所と、前記第2の弾性支持部材と前記可動部との間の第4接続箇所とは、それぞれ、四角形の4個の頂点に位置し、前記対物レンズの中心は、前記第1の接続箇所と第3の接続箇所とを通る第1の直線と、前記第2の接続箇所と第4の接続箇所とを通る第2の直線との間の領域内に位置し、かつ、前記第1の接続箇所と第2の接続箇所とを通る第3の直線と、前記第3の接続箇所と第4の接続箇所とを通る第4の直線との間の領域の外側に位置する。
【0019】
ある実施形態において、前記複数の光ピックアップ装置は、一対の光ピックアップ装置を含み、前記一対の光ピックアップ装置の前記対物レンズは、いずれも、前記第1の弾性支持部材よりも前記第2の弾性支持部材に近い位置にあり、かつ、前記対物レンズは、いずれも、前記一対の光ピックアップ装置の一方の前記第2の弾性支持部材と他方の前記第2の弾性支持部材との間に位置する。
【0020】
ある実施形態において、前記一対の光ピックアップ装置の前記対物レンズの中心間隔は、4〜8mmの範囲内にある。
【0021】
各々がレーザおよびレンズアクチュエータを有する複数の光ピックアップ装置を備える光ピックアップユニットであって、前記レンズアクチュエータは、対物レンズと、固定部と、前記対物レンズを支持し、前記固定部に対して位置および姿勢を変えることができる可動部と、前記可動部の少なくとも一部に磁力を及ぼすように構成された磁界形成素子と、前記固定部に対して前記可動部を弾性的に連結する第1および第2の弾性支持部材とを備える。各光ピックアップ装置は、前記レーザを内蔵する光学ベースであって、上面と側面とを有する光学ベースを備え、前記光学ベースの前記上面に前記アクチュエータが固定されており、前記対物レンズの光軸に平行な方向から見たとき、前記第1および第2の弾性支持部材の長さは、前記光学ベースの前記上面の前記第1および第2の弾性支持部材の長さ方向におけるサイズに実質的に等しい。
【0022】
本発明のデータストリーマ装置は、上記何れかの光ピックアップユニットと、光テープを駆動するモータとを備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、テープの走行方向に対して必要なスペースを従来よりも低減することが可能な光ピックアップ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】光テープの一部を拡大した斜視図
【図1B】光テープのトラックを模式的に示す平面図
【図2A】本発明の実施形態における光データストリーマ装置の構成例を示す図
【図2B】図2AのB−B線断面図
【図2C】本実施形態における光データストリーマ装置の回路ブロックの典型的な構成例を示すブロック図
【図3A】本発明の実施形態における光ピックアップ装置の構成例を示す図
【図3B】本発明の実施形態における光ピックアップ装置のレンズの配置例を示す図
【図3C】本発明の実施形態における光ピックアップ装置のレンズの他の配置例を示す図
【図4A】一対の光ピックアップ装置が有する対物レンズ8a、8bを模式的に示す断面図
【図4B】対物レンズ8a、8bの光テープの表面に対する配置関係の例を模式的に示す平面図
【図5】本発明の実施形態における一対の光ピックアップ装置の斜視図
【図6】図5の光ピックアップ装置の斜視図
【図7】図6の光ピックアップ装置の分解斜視図
【図8A】図6の光ピックアップ装置の上面図
【図8B】図8Aにおける一部の構成の配置関係を示す図
【図9】(a)は本発明の実施形態における光ピックアップユニットの構成例を示す図、(b)は比較例における光ピックアップユニットの構成例を示す図
【図10】本発明の実施形態における他の光ピックアップ装置の斜視図
【図11】本発明の実施形態における他の光ピックアップ装置の上面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1Aは、光テープ4の一部を模式的に拡大して示す斜視図である。光テープ4は、例えばベースフィルム4a、ベースフィルム4aの裏面に張り付けられたバックコート層4b、およびベースフィルム4aに支持されたインプリント層4cを含む。インプリント層4cの上面には、ランド4dおよびグルーブ4eが形成されている。図面には記載されていないが、インプリント層4cの上面を覆うように反射膜および記録材料膜が積層されている。光テープ4は、長尺方向Lに沿って延びており、例えば数十メートルの長さを有している。幅Wは、例えば数mmから数cmの範囲内に設定され得る。厚さは、数μmから数十μm程度であり得る。
【0026】
図1Aのスケールは、現実の光テープ4のサイズを忠実に反映してない。実際の光テープ4には、数百本またはそれ以上の本数のランド4dおよびグルーブ4eが形成され得る。ある実施形態では、データがランド4dおよびグルーブ4eの一方に記録される。データが記録されるランド4dまたはグルーブ4eを「トラック」と称する。トラックのピッチは、例えば0.2〜0.4μmの範囲に設定され得る。
【0027】
図1Bは、光テープ4の一部を模式的に示す上面図である。長尺方向Lに沿ってN(Nは典型的には100以上の整数)本のトラック0〜トラックNが形成されている。図1Bに示されるトラックの幾つかには矢印が記載されている。この矢印は、データの記録方向を模式的に示している。1つの光テープ4には、異なる方向にデータが記録され得る。
【0028】
光テープ4には、光ビームの照射によって光学的にマークが形成され得る。より具体的に言えば、このようなマークは記録材料膜に形成される。光ビームの照射は、光源と、この光源から出射された光ビームを光テープ4にフォーカスさせる対物レンズとを含む「光ピックアップ」によって行われる。光ピックアップが光テープ4に光ビームを照射すると、光テープ4上の照射領域と他の領域(非照射領域)との間で、屈折率などの光学特性が変化する。このようにして光学特性が変化した領域を「記録マーク」と称する。
【0029】
光テープ4に記録されているデータは、比較的弱い一定強度の光ビームを光記録媒体に照射し、光テープ4によって変調された反射光を検出することによって再生される。光テープ4にデータを記録する場合、記録すべきデータに応じて光パワーを変調したパルス状の光ビームを光テープ4に照射し、それによって記録材料膜の特性を局所的に変化させることによってデータの書き込みを行う。
【0030】
記録材料膜にデータを記録するとき、上述のように光パワーを変調した光ビームを記録材料膜に照射することより、結晶質の記録材料膜に非晶質の記録マークを形成する。この非晶質の記録マークは、記録用光ビームの照射を受けた記録材料膜の一部が融点以上の温度に上昇した後、急速に冷却されることによって形成される。光ビームを記録マークに照射するときの光パワーを低めに設定すると、光ビームが照射された記録マークの温度は融点を超えず、急冷後に結晶質に戻る(記録マークの消去)。こうして、記録マークの書き換えを何度も行うことが可能になる。データを記録するときの光ビームの光パワーの大きさが不適切であると、記録マークの形状が歪み、データを再生することが難しくなることがある。
【0031】
光テープ4に対してデータの記録または再生を行うとき、光ビームが目標トラック上で常に所定の集束状態となる必要がある。このためには、「フォーカス制御」および「トラッキング制御」が必要となる。「フォーカス制御」は、光ビームの焦点(集束点)の位置が常に目標トラック上に位置するように対物レンズの位置を光テープ4の表面(記録面)に垂直な方向に制御することである。一方、トラッキング制御とは、光ビームのスポットが所定のトラック上に位置するように対物レンズの位置を光テープ4の記録面に平行であってトラックに垂直な方向に制御することである。
【0032】
上述したフォーカス制御およびトラッキング制御を行うためには、光テープ4から反射される光に基づいて、フォーカスずれやトラックずれを検知し、そのずれを縮小するように光ビームスポットの位置を調整することが必要である。フォーカスずれおよびトラックずれの大きさは、それぞれ、光テープ4からの反射光に基づいて生成される「フォーカス誤差(FE)信号」および「トラッキング誤差(TE)信号」によって示される。
【0033】
1−1.データストリーマ装置
以下、本発明による光ピックアップ装置を備えたデータストリーマ装置(光記録再生装置)の実施形態を説明する。
【0034】
図2Aは、光テープにデータを記録し、また光テープからデータを再生することができるデータストリーマ装置(光テープ記録再生装置)の構成例を示す図である。図2Bは、図2AのB−B線断面図である。
【0035】
図2Aおよび図2Bは、光テープ4を収容するテープカートリッジ1が装填された状態を示している。テープカートリッジ1は脱着可能であり、図示されるデータストリーマ装置には、同じ形状を有する複数のテープカートリッジ1から選択された1つが装填される。このデータストリーマ装置は、光テープ4を走行させるためのモータ2、3、ガイドポスト5、および巻き取りリール7を備えている。モータ2は、光テープ4を巻き取る巻き取りリール7と機械的に結合しており、巻き取りリール7を回転させる。モータ3は、装填されたテープカートリッジ1の回転軸と機械的に結合し、テープカートリッジ1の外部に引き出されたテープ4をテープカートリッジ1内に巻き戻すように動作する。モータ2、3により、テープ4は、矢印で示す2つ方向のいずれの方向にも走行することができる。
【0036】
更に、データストリーマ装置は、走行する光テープ4に対して光学的にアクセスする光ピックアップユニット60を備えている。光ピックアップユニット60は、光テープ4の走行方向に沿って配列された複数の光ピックアップ装置6を有している。個々の光ピックアップ装置6の構造について、詳細は後述する。本実施形態における光ピックアップユニット60は、上段および下段の各々に複数の光ピックアップ装置6を有している。なお、光ピックアップユニット60は、このような構成に限定されない。各光ピックアップ装置6は、光ビームを発する光源と、光ビームをテープ4上に収束する対物レンズと、対物レンズを駆動するレンズアクチュエータと、光テープ4からの反射光を検知して必要な信号を生成する光検出器などを備えている。光ピックアップ装置4は、配線を介して不図示の回路基板に接続されている。回路基板には、光ピックアップ装置6やモータ2、3を制御するための回路ブロックが設けられている。
【0037】
図2Cを参照して、本実施形態におけるデータストリーマ装置の回路構成例を説明する。
【0038】
図示されているデータストリーマ装置は、光ピックアップユニット60およびモータ2、3に電気的に接続された回路ブロックを備えている。
【0039】
図2Cに示す構成例では、光ピックアップユニット60の出力がフロントエンド信号処理部1306を介してエンコーダ/デコーダ1308に送られる。エンコーダ/デコーダ1308は、データ読み出し時、光ピックアップユニット60によって得られる信号に基づいて光テープ4に記録されているデータを復号する。データ書き込み時、エンコーダ/デコーダ1308はデータを符号化し、光テープ4に書き込むべき信号を生成し、光ピックアップユニット60に送出する。
【0040】
フロントエンド信号処理部1306は、光ピックアップユニット60の出力に基づいて再生信号を生成する一方、フォーカス誤差信号FEやトラッキング誤差信号TEを生成する。フォーカス誤差信号FEやトラッキング誤差信号TEは、サーボ制御部1310に送出される。サーボ制御部1310は、ドライバアンプ1304を介してモータ2、3を制御する一方、光ピックアップユニット60内の各レンズアクチュエータを介して対物レンズの位置を制御する。エンコーダ/デコーダ1308およびサーボ制御部1310などの構成要素は、CPU1309によって制御される。
【0041】
図2Cに示されるブロックは、例えば1つまたは複数の回路基板上に集積回路素子およびメモリなどの電子部品を搭載して実現することができる。そのような回路基板は、データストリーマ装置内に搭載され、光ピックアップユニット60およびモータ2、3と電気的に接続される。
【0042】
本実施形態で使用され得る光テープ4の記録面の幅は、例えば約10mmである。この場合、例えば12個の光ピックアップ装置6によって、走行中の光テープ4の記録面の全幅に渡って、データの記録および再生が行われ得る。
【0043】
本実施形態におけるデータストリーマ装置の基本構成は、磁気テープを用いる公知のデータストリーマ装置の基本構成と同じであってもよい。本実施形態のデータストリーマ装置に特徴的な点は、光ピックアップ装置および光ピックアップユニットの構成にある。
【0044】
1−2.光ピックアップユニット
次に、図3Aから図3Cを参照して、本実施形態における光ピックアップユニット60の構成例を説明する。図3Aは、光ピックアップユニット60が備える光ピックアップ装置の配列例を示している。図3Bは、図3Aに示される24個の対物レンズ8の配置を示している。図3Cは、対物レンズ8の他の配列例を示している。
【0045】
図3Aに示されるように、テープ4のトラックの延びる方向(トラック方向またはテープ走行方向)をX方向、テープ4の幅方向をY方向とする。また、X方向およびY方向の両方に垂直な方向(図3Aの紙面に垂直な方向)をZ方向とする。光ピックアップ装置6の対物レンズ8が光テープ4の記録面に形成する光スポットは、光テープ4がX方向(+X方向および−X方向の両方を含む)に沿って走行するとき、目的とするトラックを追従する必要がある。このために、前述したフォーカス制御およびトラッキング制御が行われる。フォーカス制御は、図3Aの紙面に垂直な方向(Z方向)に対物レンズ8の位置を調整することによって実行される。一方、トラッキング制御は、対物レンズ8の位置をY方向に調整することによって実行される。このため、図3Aの紙面に垂直な方向を「フォーカス方向」、Y方向に垂直な方向を「トラッキング方向」と称する場合がある。
【0046】
図3Aに示すように複数の光ピックアップ装置6が2次元的に配列されている理由は、複数の光ピックアップ装置6によって同時に複数のトラックにデータを記録したり、同時に複数のトラックからデータを再生するためである。また、図3Aに示すように、複数の光ピックアップ装置6が相互に異なるトラックをカバーするように配置されていると、個々の複数の光ピックアップ装置6で対物レンズ8の位置をY方向(トラッキング方向)に移動させる距離を相対的に短くすることができる。
【0047】
なお、複数の光ピックアップ装置6の各々がカバーするトラックが重なり合わないようにする配列は、図3Aおよび図3Bの例に限定されない。例えば、図3Cに示すように配列してもよい。また、複数の光ピックアップ装置6の各々がカバーするトラックが重なり合ってもよい。
【0048】
図4Aは、一対の光ピックアップ装置6が有する対物レンズ8a、8bを模式的に示す断面図である。図4Bは、これらの対物レンズ8a、8bの光テープ4の表面に対する配置関係の例を模式的に示す平面図である。対物レンズ8a、8bの位置は、それぞれのレンズアクチュエータによってフォーカス方向(Z方向)およびトラッキング方向(Y方向)に変化する。対物レンズ8aがトラッキング方向(Y方向)に移動する幅がW1、対物レンズ8bがトラッキング方向(Y方向)に移動する幅がW2で示されている。各光ピックアップ装置6において、対物レンズ8がトラッキング方向に移動し得る幅が例えば1mm程度であれば、幅Wが10mmの光テープ4に対して、10個程度またはそれ以上の光ピックアップ装置6が配列されれば、全トラックを効率的にカバーすることができる。
【0049】
なお、図4Aおよび図4Bでは記載が省略されているが、現実の光ピックアップ装置6には、対物レンズ8a、8bの位置および姿勢を変えるためのレンズアクチュエータが存在している。このため、多数の対物レンズ8を光テープ4の幅方向(Y方向)に沿って一列に並べると、各対物レンズ8がトラッキング方向(Y方向)に移動し得る幅がレンズアクチュエータの構造によって規制される。このため、全トラックをカバーするには、図3A、図3B、図3Cに例示するように、複数の光ピックアップ装置6をトラック方向(X方向)に配列することが好ましい。
【0050】
なお、図4Aおよび図4Bでは、2つの対物レンズ8a、8bの間にレンズ移動の障害となる構造は記載されておらず、対物レンズ8aの可動範囲と対物レンズ8bの可動範囲とがほとんど隙間なく隣接している。このような構成は、従来の光ピックアップ装置が採用していたレンズアクチュエータでは実現することが困難である。以下、2つの対物レンズ8a、8bを近接させることが可能な構造を有する光ピックアップ装置6の構成を具体的に説明する。
【0051】
1−3.光ピックアップ装置
図5は、本実施形態における光ピックアップ装置6の構成例を示す斜視図である。この光ピックアップ装置6は、1つの光学ベース20と、この光学ベース20の上面に固定された2つのレンズアクチュエータ9a、9bとを備えている。言い換えると、この光ピックアップ装置6では、独立して対物レンズ8a、8bを駆動することができる2つの光ピックアップが一体化されている。図3Aに示されている構成は、各々が図5に示す構成を有する12個の光ピックアップ装置6を用いて実現することができる。なお、図5には、破線で光テープ4のエッジが記載されている。複数の光ピックアップ装置6を図5に示すテープ走行方向に沿って配列する場合、1つの光テープ4に対して、対物レンズ8a、8bがカバーするトラック範囲を光ピックアップ装置毎に変えることが効率的である。
【0052】
また、図5の光ピックアップ装置6が光テープ4の走行部に配列されるとき、個々の光ピックアップ装置6のテープ走行方向(X方向)のサイズをできるたけ小さくすることが好ましい。一般に、大容量のデータストレージを実現するためには、図2Aおよび図2Bに示すような、多数のデータストリーマ装置を多段のキャビネット上に収納することが求められる。個々のデータストリーマ装置に許容される空間的な寸法には制約があるため、光ピックアップ装置6のせいでデータストリーマ装置が大型化するとは許されない。本実施形態の光ピックアップ装置6によれば、テープ走行方向に狭いピッチで配列することが可能になる。例えば、1個の光ピックアップ装置6のテープ走行方向におけるサイズを例えば10mm以下に設定することが可能になる。
【0053】
図5の光ピックアップ装置6では、光テープ4の記録面に対して平行に2個の対物レンズ8a、8bが備えられる。2個の対物レンズ8a、8bのトラッキング方向(Y方向)における中心間の距離は、4〜8mmの範囲内にあり、例えば約6mmに設定され得る。2個の対物レンズ8a、8bは、それぞれ、光テープ4の記録面上の別のトラック上に光ビームのスポットを形成し、各トラックを追従して記録、再生を行う。2個の対物レンズ8a、8bの位置は、それぞれ、対応する2個のレンズアクチュエータ9a、9bによって、独立してフォーカス方向およびトラッキング方向に制御される。光学ベース部20には、2つの対物レンズ8a、8bの各々によって集光される光ビームを出射するレーザが内蔵されている。
【0054】
1−4.レンズアクチュエータ
図6は、図5の光ピックアップ装置6が備えるレンズアクチュエータ9a、9bの斜視図であり、図7は、その分解斜視図である。レンズアクチュエータ9aとレンズアクチュエータ9bとは、基本的には同一の構成を有しているため、以下、これらのレンズアクチュエータ9a、9bを総称して「レンズアクチュエータ9」と称する。同様に、対物レンズ8a、8bを総称して「対物レンズ8」と称する。図8Aはレンズアクチュエータ9を対物レンズ8の光軸に平行な方向から見た図であり、図8Bは、図8Aの一部の構成要素の配置関係を示す図である。
【0055】
まず、図7を参照する。図7からわかるように、レンズアクチュエータ9は、固定部100と、固定部100に対して位置および姿勢を変えることができる可動部11と、固定部100に対して可動部11を弾性的に連結する弾性支持部材(ワイヤ12a〜12d)とを備えている。可動部11は、対物レンズ8を支持している。可動部11の位置および姿勢を変化させることにより、対物レンズ8をフォーカス方向および/またはトラッキング方向に移動させることができる。
【0056】
本実施形態における固定部100には、可動部11の少なくとも一部に磁力を及ぼすように構成されたマグネット13a、13bが取り付けられている。固定部100は、光ピックアップ装置6の本体に固定された土台部10を有している。土台部10には、ワイヤ12a〜12dの一方の端部を固定するためのワイヤ固定部14a〜14dが設けられている。
【0057】
図8Aを参照する。本実施形態における可動部11は、対物レンズ8を保持するホルダ15と、フォーカス方向に駆動力を発生させるためのフォーカスコイル16と、トラッキング方向(Y方向)に駆動力を発生させるための一対のトラッキングコイル17と、ワイヤ12a〜12dのもう一方の端部を固定するためのワイヤ固定部18a〜18dとを備えている。図8Aは、対物レンズ8の光軸に平行な方向から見た構成を示している。4本のワイヤ12a〜12d、ワイヤ固定部14a〜14d、18a〜18dのうち、上側に位置するワイヤ12a、12b、ワイヤ固定部14a、14b、ワイヤ固定部18a、18bが図示されているが、それらの下方にワイヤ12c、12d、ワイヤ固定部14c、14d、18c、18dが位置している。なお、図7では、ワイヤ固定部18a、18cのみが記載されているが、ワイヤ固定部18b、18dは、可動部11においてワイヤ固定部18a、18cに対向する位置に設けられている。
【0058】
なお、マグネット13a、13bを可動部11に設け、フォーカスコイル16およびトラッキングコイル17を固定部100に設けてもよい。マグネットのみならずコイルも磁界形成素子として機能し得る。
【0059】
ワイヤ12a〜12dは、アクチュエータ9のトラッキング方向の両端に2本ずつ備えられる。また、ワイヤ12a〜12dは、可動部11をフォーカス方向およびトラッキング方向に移動可能とするために、光テープ4の走行方向と略平行となるように土台部10および可動部11に固定されている。
【0060】
ワイヤ12a〜12dの強度を確保しながら、可動部11を少ない消費電力で移動させるため、光ピックアップ装置6のテープ走行方向(X方向)の幅L0に対して、ワイヤ12a〜12dの有効長さlの比率ができるだけ長くなるのが望ましい。そのため、ワイヤ12a〜12d の一方のワイヤ固定部14a〜14dは、光ピックアップ装置6のテープ走行方向(X方向)において占有するスペースの一方の端面に近接し、もう一方のワイヤ固定部18a〜18dは、光ピックアップ装置のテープ走行方向において占有するスペースの反対側の端面に近接している。図8Aには、参考のため、光ピックアップ装置6のテープ走行方向(トラック方向)の幅L0が記載されている。この幅L0は、図5の構成例において、光学ベースの幅(トラック方向のサイズ)に相当している。また、同じ構造およびサイズを有する複数の光ピックアップ装置6をテープ走行方向に沿って密に配列した場合、L0は配列ピッチに相当する。l/L0の比率は、0.7以上であることが好ましく、0.8以上であることが更に好ましい。
【0061】
前述したように、図5に示される2個の対物レンズ8a、8bがトラッキング方向に対して近接しながら、それぞれの対物レンズ8a、8bが独立して動作する。本実施形態では、対物レンズ8のトラッキング方向の片方の側には、ワイヤなど対物レンズ以外の部材を構成していない。このため、対物レンズ8は、テープ走行方向に対しては、土台部10のワイヤ固定部14a〜14dと18a〜18dの間に配置され、トラッキング方向に対しては、アクチュエータ9の両端に配置されたワイヤ12a〜12dの片方の外側に配置される。なお、4本のワイヤ12a〜12dを用いる代わりに、2つの弾性支持部材を用いてもよい。
【0062】
図8Bを参照して、この点を説明する。図8Bには、対物レンズ8の光軸に平行な方向から見たときの、ワイヤ12a(第1の弾性支持部材)と固定部100との間の第1の接続箇所110と、ワイヤ12aと可動部11との間の第2の接続箇所120と、ワイヤ12b(第2の弾性支持部材)と固定部100との間の第3の接続箇所130と、ワイヤ12bと可動部11との間の第4接続箇所140とが示されている。これらの接続点110、120、130、140は、それぞれ、四角形の4個の頂点に位置する。第1接続点110、第2接続点120、第3接続点130、および第4接続点140は、それぞれ、ワイヤ固定部14a、ワイヤ固定部18a、ワイヤ固定部14b、およびワイヤ固定部18bに対応している。
【0063】
ここで、第1の接続箇所110と第3の接続箇所130とを通る直線を第1の直線210、第2の接続箇所120と第4の接続箇所140とを通る直線を第2の直線220、第1の接続箇所110と第2の接続箇所120とを通る直線を第3の直線230、第3の接続箇所130と第4の接続箇所140とを通る直線を第4の直線240とする。本実施形態に特徴的な点は、対物レンズ8の中心が、第1の直線210と第2の直線220との間の領域内に位置し、かつ、第3の直線230と第4の直線240との間の領域の外側に位置する点にある。言い換えると、アクチュエータ9の可動部11には、トラッキング方向に関して、片側の端部に対物レンズ8が備えられている。
【0064】
可動部11の重心と、フォーカスコイル16によって発生されるフォーカス駆動力の中心とが、トラッキング方向に関して一致していないと、アクチュエータがフォーカス方向に動作した際に、重心とフォーカス駆動力の不均衡が生じやすい。そのような不均衡が生じると、対物レンズ8に望ましくない傾きが発生する可能性がある。可動部11の重心をフォーカス駆動力の中心に合わせるか、または近づけるため、ある実施形態では、可動部11にカウンターウェイト19が設けられてもよい。そのような実施形態では、対物レンズ8、フォーカスコイル16、カウンターウェイト19が、この順序でトラッキング方向に並ぶことになる。カウンタ−ウェイト19は、可動部11(例えばフォーカスコイル16が巻かれている部分)の材料と同一の材料から一体的に形成されていてもよいし、異なる材料から形成されていてもよい。
【0065】
本実施形態によれば、レンズアクチュエータ9のテープ走行方向におけるサイズを小さくすることができる。その結果、光テープ4に対向するように密接して複数の光ピックアップを稠密に配列することができる。
【0066】
図9(a)は、本実施形態の光ピックアップユニットにおける光テープ走行方向の長さL1を示している。一方、図9(b)は、比較例の光ピックアップユニットにおける光テープ走行方向の長さL2を示している。これらの図を比較して分かるように、L1はL2よりも小さい。
【0067】
対物レンズの光軸に平行な方向から見たとき、ワイヤ12a、12bの長さは、光学ベースの上面の幅L0(第1および第2の弾性支持部材であるワイヤ12a、12bの長さ方向における前記正面のサイズ)に実質的に等しい。また、本実施形態によれば、光テープ走行方向、すなわち記録媒体のトラック方向において、隣接する2個の光ピックアップ装置の中心間距離に対する第1または第2の弾性支持部材の長さの比率は、80%以上である。
【0068】
このような構成を有する光ピックアップ装置を用いることにより、光ピックアップユニットの光テープ走行方向におけるサイズを小さくすることが可能になる。また、本実施形態によれば、1つの光学ベースに2個のレンズアクチュエータ9a、9bを取り付けるため、トラッキング方向において近接する対物レンズ8a、8bの位置決めを高い精度で実現できる。
【0069】
なお、図10に示すように、1個の対物レンズ8cを備えた光ピックアップ装置6cと、別の1個の対物レンズ8dを備えた光ピックアップ装置6dを、別々の光学ベースに取り付けてもよい。
【0070】
次に、図11を参照しながら、本発明による光ピックアップ装置の他の実施形態を説明する。
【0071】
アクチュエータ9の可動部11には、トラッキング方向に関して、片側の端部に対物レンズ8が備えられる。最初の実施形態について説明したように、可動部11の重心と、フォーカスコイル16によって発生されるフォーカス駆動力の中心をトラッキング方向に関して一致させないと、アクチュエータがフォーカス方向に動作した際に、重心とフォーカス駆動力の不均衡によって、対物レンズ8に有害な傾きが発生する。このため、可動部11には、トラッキング方向に関して、対物レンズ8とは逆側の端部のみにトラッキングコイル17が備え、重心の位置が調整されている。コイルの材質は主に銅であるため、ホルダ15など他の可動部11を構成する材料よりも比重が重い。このため、対物レンズ8と逆側の端に1個のトラッキングコイル17を備えることにより、トラッキングコイル17の重量によって対物レンズ8の重量をキャンセルすることができる。そのため、可動部11には、トラッキング方向に関して、対物レンズ8、フォーカスコイル16、トラッキングコイル17 の順に略一直線上に並んで配置されている。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の光ピックアップ装置および光ピックアップユニットは、光テープを記録媒体として用いるデータストリーマ装置に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0073】
1 テープカートリッジ
2 モータ
3 モータ
4 光テープ
4a ベースフィルム
4b バックコート層
4c インプリント層
4d ランド
4e グルーブ
5 テープガイドポスト
6 光ピックアップ装置
7 巻取リール
8 対物レンズ
8a、8b 対物レンズ
9 レンズアクチュエータ
9a、9b レンズアクチュエータ
12a〜12d ワイヤ
13a、13b マグネット
14a〜14d ワイヤ固定部
16 フォーカスコイル
17 トラッキングコイル
18a〜18d ワイヤ固定部
19 カウンターウェイト
20 光学ベース
60 光ピックアップユニット
100 固定部
110 第1の接続箇所
120 第2の接続箇所
130 第3の接続箇所
140 第4接続箇所
210 第1の直線
220 第2の直線
230 第3の直線
240 第4の直線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザおよびレンズアクチュエータを備える光ピックアップ装置であって、
前記レンズアクチュエータは、
対物レンズと、
固定部と、
前記対物レンズを支持し、前記固定部に対して位置および姿勢を変えることができる可動部と、
前記可動部の少なくとも一部に磁力を及ぼすように構成された磁界形成素子と、
前記固定部に対して前記可動部を弾性的に連結する第1および第2の弾性支持部材と、
を備え、
前記対物レンズの光軸に平行な方向から見たとき、前記第1の弾性支持部材と前記固定部との間の第1の接続箇所と、前記第1の弾性支持部材と前記可動部との間の第2の接続箇所と、前記第2の弾性支持部材と前記固定部との間の第3の接続箇所と、前記第2の弾性支持部材と前記可動部との間の第4接続箇所とは、それぞれ、四角形の4個の頂点に位置し、前記対物レンズの中心は、前記第1の接続箇所と第3の接続箇所とを通る第1の直線と、前記第2の接続箇所と第4の接続箇所とを通る第2の直線との間の領域内に位置し、かつ、前記第1の接続箇所と第2の接続箇所とを通る第3の直線と、前記第3の接続箇所と第4の接続箇所とを通る第4の直線との間の領域の外側に位置する、光ピックアップ装置。
【請求項2】
前記可動部は、電流に応じて前記磁界形成素子から磁力を受けるように構成されたコイルを有しており、
前記対物レンズの光軸に平行な方向から見たとき、前記コイルは前記第1の直線と前記第2の直線との間の領域内であって、かつ、前記第3の直線と前記第4の直線との間の領域内に位置している、請求項1に記載の光ピックアップ装置。
【請求項3】
前記可動部は、所定の重量を有するカウンターウェイトを有しており、
前記対物レンズの光軸に平行な方向から見たとき、前記カウンターウェイトは前記第1の直線と前記第2の直線との間の領域内に位置し、かつ、前記カウンターウェイトと前記対物レンズとの間に前記コイルが位置している、請求項2に記載の光ピックアップ装置。
【請求項4】
前記コイルは、フォーカスコイル部分およびトラッキングコイル部分に分かれている、請求項2に記載の光ピックアップ装置。
【請求項5】
前記固定部は、前記第3および第4の直線に対して垂直な板状部分を有し、前記板状部分が前記第1および第2の弾性支持部材を支持している、請求項1に記載の光ピックアップ装置。
【請求項6】
前記レーザを内蔵し、上面と側面とを有する光学ベースを更に備え、
前記光学ベースの前記上面に前記アクチュエータが固定されている、請求項1に記載の光ピックアップ装置。
【請求項7】
前記第1および第2の弾性支持部材の長さは、前記光学ベースの前記上面の前記第1および第2の弾性支持部材の長さ方向におけるサイズに実質的に等しい、請求項6に記載の光ピックアップ装置。
【請求項8】
複数の光ピックアップ装置を備える光ピックアップユニットであって、
各光ピックアップ装置は、レーザとレンズアクチュエータとを備え、
前記レンズアクチュエータは、
対物レンズと、
固定部と、
前記対物レンズを支持し、前記固定部に対して位置および姿勢を変えることができる可動部と、
前記可動部の少なくとも一部に磁力を及ぼすように構成された磁界形成素子と、
前記固定部に対して前記可動部を弾性的に連結する第1および第2の弾性支持部材と、
を備え、
前記対物レンズの光軸に平行な方向から見たとき、前記第1の弾性支持部材と前記固定部との間の第1の接続箇所と、前記第1の弾性支持部材と前記可動部との間の第2の接続箇所と、前記第2の弾性支持部材と前記固定部との間の第3の接続箇所と、前記第2の弾性支持部材と前記可動部との間の第4接続箇所とは、それぞれ、四角形の4個の頂点に位置し、前記対物レンズの中心は、前記第1の接続箇所と第3の接続箇所とを通る第1の直線と、前記第2の接続箇所と第4の接続箇所とを通る第2の直線との間の領域内に位置し、かつ、前記第1の接続箇所と第2の接続箇所とを通る第3の直線と、前記第3の接続箇所と第4の接続箇所とを通る第4の直線との間の領域の外側に位置する、光ピックアップユニット。
【請求項9】
前記複数の光ピックアップ装置は、一対の光ピックアップ装置を含み、
前記一対の光ピックアップ装置の前記対物レンズは、いずれも、前記第1の弾性支持部材よりも前記第2の弾性支持部材に近い位置にあり、かつ、前記対物レンズは、いずれも、前記一対の光ピックアップ装置の一方の前記第2の弾性支持部材と他方の前記第2の弾性支持部材との間に位置する、請求項8に記載の光ピックアップユニット。
【請求項10】
前記一対の光ピックアップ装置の前記対物レンズの中心間隔は、4〜8mmの範囲内にある請求項9に記載の光ピックアップユニット。
【請求項11】
各々がレーザおよびレンズアクチュエータを有する複数の光ピックアップ装置を備える光ピックアップユニットであって、
前記レンズアクチュエータは、
対物レンズと、
固定部と、
前記対物レンズを支持し、前記固定部に対して位置および姿勢を変えることができる可動部と、
前記可動部の少なくとも一部に磁力を及ぼすように構成された磁界形成素子と、
前記固定部に対して前記可動部を弾性的に連結する第1および第2の弾性支持部材と、
を備え、
各光ピックアップ装置は、前記レーザを内蔵する光学ベースであって、上面と側面とを有する光学ベースを備え、
前記光学ベースの前記上面に前記アクチュエータが固定されており、
前記対物レンズの光軸に平行な方向から見たとき、前記第1および第2の弾性支持部材の長さは、前記光学ベースの前記上面の前記第1および第2の弾性支持部材の長さ方向におけるサイズに実質的に等しい、光ピックアップユニット。
【請求項12】
請求項8に記載の光ピックアップユニットと、
光テープを駆動するモータと、
を備えるデータストリーマ装置。
【請求項13】
請求項11に記載の光ピックアップユニットと、
光テープを駆動するモータと、
を備えるデータストリーマ装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−65388(P2013−65388A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−42923(P2012−42923)
【出願日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】