説明

光ファイバケーブル

【課題】光ファイバケーブルの小径曲げにおいて光ファイバ心線の破断を防ぎ、且つ、光ファイバケーブル端末からの光ファイバ心線の突き出し量を抑制することが可能な光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】光ファイバ心線2と、光ファイバ心線2の外周に設けられた外被14と、光ファイバ心線2に平行に配置された抗張力体15とを備え、外被14にはポリオレフィンに無水マレイン酸及びカルボン酸のいずれかを含有する接着性樹脂が0.1〜0.4wt%配合され、外被14に対する光ファイバ心線2の余長率が0.05〜0.90%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバに関し、特に、FTTH及び構内配線用に用いられる光ファイバケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
架空または地下に敷設されている配線系ケーブルから一般加入者宅内へ引き込み配線するFTTH(Fiber to the Home)、及び加入者宅内、ビル或いはマンション等の構内配線用として、光ファイバケーブルが使用されている。
【0003】
近年、光ファイバケーブルをメタルケーブル並みに曲げたいという要求が強く、ケーブル構造・光ファイバの特性等を制御することで許容曲げ径が小さくなっている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、光ファイバケーブルの小径曲げに伴い光ファイバ心線のガラス表面(ベアファイバ)に加わる歪みは大きくなり、特にガラス表面に伸び歪みが加わることで破断の可能性を生じる。伸び歪みが大きいほど破断確率は高くなる。
【0004】
大きな伸び歪みが残留し、短時間で疲労破断することに対応するために、光ファイバケーブルの製造時に予め光ファイバ心線を圧縮した状態でケーブル内に入れ込んで、曲げ時に印加される歪み分を予め確保しておく技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
しかしながら、故意にケーブル内に光ファイバ心線を圧縮して入れ込んだ場合、ケーブル内で光ファイバ心線が蛇行した状態となり、初期伝送損失及び伝送損失温度特性が劣化してしまう。
【0006】
また、故意にケーブル内に光ファイバ心線を圧縮して入れ込んだ場合、外被把持タイプのコネクタのコネクタ付けを行った光ファイバケーブルにおいては、経時的に光ファイバ心線が光ファイバケーブル端末より突き出してコネクタのハウジング内で余った光ファイバ心線が曲がることで伝送損失を生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−154421号公報
【特許文献2】特開2003−90941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、光ファイバケーブルの小径曲げにおいて光ファイバ心線の破断を防ぎ、且つ、光ファイバケーブル端末からの光ファイバ心線の突き出し量を抑制することが可能な光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の一態様によれば、光ファイバ心線と、光ファイバ心線の外周に設けられた外被と、光ファイバ心線に平行に配置された抗張力体とを備え、外被にはポリオレフィンに無水マレイン酸及びカルボン酸のいずれかを含有する接着性樹脂が0.1〜0.4wt%配合され、外被に対する光ファイバ心線の余長率が0.05〜0.90%である光ファイバケーブルであることを要旨とする。
【0010】
接着性樹脂は、無水マレイン酸及びカルボン酸のいずれかをグラフト重合により含有する光ファイバケーブルであることを要旨とする。
【0011】
外被は、比重0.94〜0.97のポリエチレンと、難燃剤としての赤燐とを含む光ファイバケーブルであることを要旨とする。
【0012】
外被は、比重0.94〜0.97のポリエチレンと、難燃剤として、例えばポリリン酸
アンモニウムのようなリン酸塩系化合物とを含む光ファイバケーブルであることを要旨とする。
【0013】
外被は、中圧法及び低圧法のいずれかで製造されたポリエチレンをベースとして配合された光ファイバケーブルであることを要旨とする。
【0014】
外被は、エチレンエチルアクリレートと、難燃剤としての水酸化マグネシウムとを含む光ファイバケーブルであることを要旨とする。
【0015】
外被の硬度は、デュロメータ硬さD55以上である光ファイバケーブルであることを要旨とする。
【0016】
光ファイバ心線に平行に配置された支持線を有する支持線部を更に備える光ファイバケーブルであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光ファイバケーブルの小径曲げにおいて光ファイバ心線の破断を防ぎ、且つ、光ファイバケーブル端末からの光ファイバ心線の突き出し量を抑制することが可能な光ファイバケーブルを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの評価検証実験の結果を示す表である。
【図3】本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルにおける曲げ半径とガラス表面歪の関係を示す表である。
【図4】本発明のその他の実施の形態に係る光ファイバケーブルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0020】
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブル1は、図1に示すように、ケーブル部10と、支持線部20と、ケーブル部10及び支持線部20を連結する首部30とから構成されている。
【0021】
ケーブル部10は、ベアファイバ11と、ベアファイバ11の外周を覆うように設けられた第1被覆層12と、第1被覆層12の外周を覆うように設けられた第2被覆層13と、第2被覆層13の外周に設けられた外被14とを備える。
【0022】
ベアファイバ11は、例えば、直径125μmのガラス材及びプラスチック材によって形成された光を伝える伝送路である。ベアファイバ11の外周を第1被覆層12で被覆したものを「光ファイバ素線(11,12)」という。光ファイバ素線(11,12)の外周を第2被覆層13で被覆したものを「光ファイバ心線(11,12,13)2」という。光ファイバ心線2は、直径が250μm程度となる。
【0023】
光ファイバケーブル1は、光ファイバ心線2の両側にそれぞれ平行に配置された一対の抗張力体15を備える。抗張力体15としては、アラミドFRP(Fiber Reinforced Plastics)及び鋼線等を用いることができる。抗張力体15としては、直径0.5mm程度を採用することができる。
【0024】
第1被覆層12には、シリコーン樹脂及びウレタンアクリレート材等を採用することができる。第2被覆層13には、ナイロン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ウレタンアクリレート、ポリエチレン等の高分子材料(繊維)等を採用することができる。
【0025】
外被14は、支持線部20の支持線外被22と首部30と共に同じ材料より一体に形成されている。外被14、支持線外被22、及び首部30としては、フィリップス法及びスタンダード法による中圧法、もしくはチーグラー法及び重合法による低圧法で製造された比重0.94〜0.97の高密度ポリエチレンをベースとして、難燃剤として赤燐を配合した難燃ポリオレフィンを用いることができる。また、外被14、支持線外被22、及び首部30としては、中圧法、もしくは低圧法で製造された比重0.94〜0.97の高密度ポリエチレンをベースとして、難燃剤として燐分子と、窒素分子とを配合した難燃ポリオレフィンを用いることができる。外被14としての難燃ポリオレフィンの硬度は、デュロメータ硬さD55以上のものが好ましい。
【0026】
外被14には、接着性を発現させるために極性基を有する無水マレイン酸及びカルボン酸のいずれかを含有するポリオレフィン樹脂を0.1〜0.4wt%配合する。無水マレイン酸及びカルボン酸のいずれかは、グラフト重合によってポリオレフィン樹脂に配合される。
【0027】
外被14の外面の両側中央部には、光ファイバ心線2に向かって切り込まれたノッチ16がそれぞれ設けられている。ノッチ16が設けられていることによって、引き裂きによる光ファイバ心線2の口出し作業を容易に行うことができる。
【0028】
支持線部20は、ベアファイバ11に平行に配置された支持線21と、この支持線21の外周を覆うように配置された支持線外被22とから構成されている。光ファイバケーブル1は、支持線部20を備えることによって、架空敷設が可能となる。
【0029】
光ファイバケーブル1における外被14の接着性樹脂の含有量、及び外被14(光ファイバケーブル1)に対する光ファイバ心線2の余長率の適正値を算出するために行った実験結果を図2に示す。
【0030】
実験に用いる光ファイバケーブル1は、光ファイバ心線2の直径が250μmであり、抗張力体15の直径が0.5mmである。抗張力体15には、アラミドFRPを用いる。外被14としては、中圧法、もしくは低圧法で製造された比重0.94〜0.97の高密度ポリエチレンをベースとして、難燃剤として赤燐を配合した難燃ポリオレフィンを用いる。外被14の硬度は、デュロメータ硬さD64である。
【0031】
実験に用いる光ファイバケーブル1としては、外被14に対する光ファイバ心線2の余長率が0.05%,0.25%,0.50%,0.70%,0.90%,1.10%となるように、光ファイバ心線2の長さを調整する。余長率が異なるそれぞれの光ファイバケーブル1で、無水マレイン酸を含有するポリオレフィン系接着性樹脂の含有量を変化させ、ファイバ突き出し量評価、伝送損失温度特性評価、ファイバ取り出し性評価を行う。
【0032】
実験として用いた6種の光ファイバケーブル1の無水マレイン酸を含有するポリオレフィン系接着性樹脂の含有量は、図2の表に示すように、0%、0.1%、0.2%、0.4%、0.6%である。以下、それぞれの接着性樹脂の含有量の光ファイバケーブル1における、ファイバ突き出し量評価、伝送損失温度特性評価、ファイバ取り出し性評価を行う。
【0033】
ファイバ突き出し量評価は、まず、長さが5mとなるように光ファイバケーブル1の両端末を鋭利な片刃できれいにカットし、φ250mmの束に丸める。そして、φ250mmの束に丸められた光ファイバケーブル1は、−30℃から70℃まで変化させることができるヒートサイクラーに投入される。光ファイバケーブル1は、ヒートサイクラーによって、初期温度である20℃から−30℃に冷却され、−30℃から70℃へ徐々に加熱された後、−30℃へ冷却、再度−30℃から70℃へ加熱させた後、−30℃へ冷却、更に−30℃から70℃へ加熱させて、最後に20℃に戻される。このように、光ファイバケーブル1は、ヒートサイクラーによって、−30℃から70℃のサイクルを3回繰り返される。−30℃から70℃のサイクルを3回繰り返された光ファイバケーブル1は、顕微鏡等によって端面部からの光ファイバ心線2の突き出し量が計測され、ファイバ突き出し量が得られる。ファイバ突き出し量は、1mmを超えるとコネクタ付きケーブルの伝送損失温度特性が1dBを超えてしまい通信障害が発生してしまうので、1mm未満が目標値である。
【0034】
伝送損失温度特性評価は、光ファイバケーブル1をヒートサイクラーに入れて、ファイバ突き出し量評価での作業と同様に、−30℃から70℃のサイクルを3回繰り返す。そして、−30℃から70℃のサイクルを3回繰り返された光ファイバケーブル1は、伝送損失の最大値が計測され、伝送損失温度特性評価がなされる。伝送損失温度特性評価の目標値は、0.25dB/km未満である。
【0035】
ファイバ取り出し性評価は、光ファイバケーブル1をヒートサイクラーに入れて、常温(20℃)、−30℃、70℃に光ファイバケーブル1の温度を調整する。そして、それぞれの温度において、光ファイバケーブル1の端末より外被14を引き裂く口出し作業を行い、光ファイバ心線2の取り出し性を評価する。外被14が引き裂かれた箇所から光ファイバ心線2を取り出す際に、爪でほじることなく容易に取り出せる場合をOK、爪でほじらなければ取り出せない場合をNGと判断する。
【0036】
ファイバ突き出し量評価の結果、図2に示すように、光ファイバケーブル1は、無水マレイン酸を含有するポリオレフィン系接着性樹脂を配合していない(0wt%)外被14では、光ファイバ心線2の突き出し量が目標値以上となることが確認された。また、光ファイバケーブル1は、無水マレイン酸を含有するポリオレフィン系接着性樹脂を0.6wt%配合された外被14では、目標値以上となるのだが、光ファイバ心線2と外被14が接着してしまうことが確認された。したがって、光ファイバケーブル1は、無水マレイン酸を含有するポリオレフィン系接着性樹脂を0.1〜0.4wt%配合された外被14であることが好ましい。
【0037】
伝送損失温度特性評価の結果、図2に示すように、外被14に対する光ファイバ心線2の余長率が1.10%となると目標値を超えることが確認された。
【0038】
ファイバ取り出し性評価の結果、図2に示すように、無水マレイン酸を含有するポリオレフィン系接着性樹脂を0.6wt%配合された外被14では、光ファイバ心線2と外被14が接着していることがみられ、取り出しできなくなることが確認された。
【0039】
以上の評価実験の結果、光ファイバケーブル1は、外被14にはポリオレフィンに無水マレイン酸を含有するポリオレフィン系接着性樹脂が0.1〜0.4wt%配合され、外被14に対する光ファイバ心線2の余長率が0.05〜0.90%である場合に全ての条件を満たすので好ましい。
【0040】
続いて、光ファイバケーブル1の外被14の硬度に関する検証実験を示す。外被14の硬度検証としては、光ファイバケーブル1を西日本地域に6〜9月の間、200m敷設し、その後、光ファイバケーブル1を引き上げ、クマゼミによる産卵痕、ならびに光ファイバ心線2の断線の有無について確認を行う。検証の結果、外被14の硬度がデュロメータ硬さD64の難燃ポリオレフィンでは、0.2mm以上の深さの産卵痕、ならびに光ファイバ心線2の断線はみられなかった。したがって、外被14の硬度は、デュロメータ硬さD64のものであれば敷設して使用することが可能であることが検証結果により確認された。
【0041】
続いて、外被14に対して光ファイバ心線2が余長を有することでの効果を説明する。外被14に対して光ファイバ心線2が余長を有することで、光ファイバケーブル1の小径曲げに対して光ファイバ心線2の疲労破断を防ぐ設計が可能になる。また、外被14に対して光ファイバ心線2が余長を有することで、小径曲げ時に発生するガラス表面歪(伸び歪み)に対し、予め光ファイバ心線2に余長を与えこのガラス表面歪をキャンセルすること可能となる。小径曲げ時に発生するガラス表面歪は、図3に示すように、曲げ半径に応じて異なる。例えば、曲げ半径が15.0mmの場合のガラス表面歪は、0.42%である。このとき、予め外被14に対して光ファイバ心線2が0.5%の余長を有することで、0.42%の歪みが発生してもまだ0.08%余長を有することになり、ガラス表面歪をキャンセルすることができる。
【0042】
実施の形態に係る光ファイバケーブル1によれば、外被14の接着性樹脂の含有量、及び外被14に対する光ファイバ心線2の余長率を適正化することで、光ファイバ心線2の余長を入れ込みながらファイバ突き出し量、ならびに伝送損失温度特性、ファイバ取り出し性を良好にすることができる。
【0043】
また、実施の形態に係る光ファイバケーブル1によれば、外被14の接着性樹脂の含有量、及び外被14に対する光ファイバ心線2の余長率を適正化することで、光ファイバケーブル1の小径曲げに対し、光ファイバ心線2の破断を防ぐ設計が可能となる。
【0044】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。
【0045】
例えば、実施の形態における光ファイバケーブル1は、図1に示したように、支持線部20を有していたが、インドアで用いる場合には、図4に示すように、支持線部20がなくても構わない。
【0046】
また、実施の形態における光ファイバケーブル1では、光ファイバ心線2を1本である単線の光ファイバケーブルとして記載したが、光ファイバ心線2は複数であっても良い。
【0047】
また、実施の形態で光ファイバケーブル1の評価検証実験において、無水マレイン酸を含有させたポリオレフィン系接着性樹脂の含有量を変化させて検証実験を行ったが、カルボン酸を含有させた接着性樹脂であっても同様の検証結果が得られた。したがって、接着性樹脂には、無水マレイン酸およびカルボン酸のいずれかを含有させることで本発明の所望の効果を得ることができる。
【0048】
また、実施の形態で光ファイバケーブル1の評価検証実験において、外被14に中圧法、もしくは低圧法で製造された比重0.94〜0.97の高密度ポリエチレンをベースとして、難燃剤として燐分子、更に窒素分子を配合した難燃ポリオレフィンを用いた場合でも、同様の検証結果が得られた。したがって、このような難燃ポリオレフィンを用いた外被14であっても同様の効果が得られる。
【0049】
また、外被14として、エチレンエチルアクリレート(EEA)をベースとして、難燃剤として水酸化マグネシウムを配合したデュロメータ硬さD52の難燃ポリオレフィンを用いた場合でも同様の検証結果が得られた。但し、このような難燃ポリオレフィンを用いた外被14では、西日本における夏季の実敷設においてクマゼミ産卵による光ファイバの断線が確認されたので、屋内における敷設で使用するのであれば可能である。
【0050】
また、実施の形態で光ファイバケーブル1の評価検証実験において、外被14に中圧法、もしくは低圧法で製造された比重0.94〜0.97の高密度ポリエチレンをベースとして、難燃剤として燐分子、更に窒素分子を配合した難燃ポリオレフィンへ、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)をベースとした無水マレイン酸(マレイン酸変性コポリマー1wt%含有)を5〜30wt%を配合した場合であっても、同様の検証結果が得られた。したがって、このような難燃ポリオレフィンを用いた外被14であっても同様の効果が得られる。
【0051】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0052】
1…光ファイバケーブル
2…光ファイバ心線
10…ケーブル部
11…ベアファイバ
12…第1被覆層
13…第2被覆層
14…外被
15…抗張力体
16…ノッチ
20…支持線部
21…支持線
22…支持線外被
30…首部
40…把持装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ心線と、
前記光ファイバ心線の外周に設けられた外被と、
前記光ファイバ心線に平行に配置された抗張力体
とを備え、前記外被にはポリオレフィンに無水マレイン酸及びカルボン酸のいずれかを含有する接着性樹脂が0.1〜0.4wt%配合され、
前記外被に対する前記光ファイバ心線の余長率が0.05〜0.90%であることを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項2】
前記接着性樹脂は、無水マレイン酸及びカルボン酸のいずれかをグラフト重合により含有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項3】
前記外被は、比重0.94〜0.97のポリエチレンと、難燃剤としての赤燐とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバケーブル。
【請求項4】
前記外被は、比重0.94〜0.97のポリエチレンと、難燃剤としての燐分子と、窒素分子とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバケーブル。
【請求項5】
前記外被は、中圧法及び低圧法のいずれかで製造されたポリエチレンをベースとして配合されたことを特徴とする請求項3又は4に記載の光ファイバケーブル。
【請求項6】
前記外被は、エチレンエチルアクリレートと、難燃剤としての水酸化マグネシウムとを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバケーブル。
【請求項7】
前記光ファイバ心線に平行に配置された支持線を有する支持線部を更に備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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