説明

光ファイバテープの製造方法及び製造装置、並びに、光ファイバテープ

【課題】樹脂材料により被覆された複数本の光ファイバ心線が並列され隣接する光ファイバ心線同士が樹脂材料からなる連結部により連結された光ファイバテープの製造方法において、完成した光ファイバテープの光ファイバ心線同士を所定個所で分割するときに、分割したい個所以外において誤って光ファイバ心線同士が分離してしまう虞をなくし、光ファイバ心線を誤って断線させる虞をなくし、また、光ファイバ心線を被覆している樹脂材料を破損、剥離させてしまう虞をなくす。
【解決手段】樹脂材料により被覆された複数本の光ファイバ心線1が並列され隣接する光ファイバ心線1同士が樹脂材料からなる連結部3により間欠的に連結された光ファイバテープの製造方法であって、光ファイバ心線1の被覆2をなす第1の樹脂材料を塗布し、第1の樹脂材料とは異なる材料である連続部3をなす第2の樹脂材料を間欠的に塗布し、各樹脂材料を硬化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数本の光ファイバ心線を並列に連結した光ファイバテープの製造方法及び製造装置、並びに、光ファイバテープに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数本の光ファイバ心線を並列させて間欠的に連結させた光ファイバテープの製造方法が提案されている。光ファイバ心線間を間欠的に連結する方法として、樹脂材料で連結させた光ファイバ心線間を分断器を用いて間欠的に分断させる方法や、光ファイバ心線間に対して未硬化の樹脂の吐出と堰き止めとを連続的に行う方法などが提案されている。
【0003】
特許文献1及び特許文献2には、並列された複数本の光ファイバ心線同士を、一定の距離ごとに部分的に、すなわち、間欠的に、接着剤等により固定した光ファイバテープの製造方法が記載されている。
【0004】
この光ファイバテープにおいては、間欠的な固定部を引き剥がすことにより、光ファイバ心線同士を容易に分離させることができ、必要な本数の光ファイバ心線からなる光ファイバテープとすることができる。
【0005】
また、特許文献3及び特許文献4には、多数の光ファイバ心線からなる光ファイバテープ(多心光ファイバテープ)を少数の光ファイバ心線からなる光ファイバテープ(少心光ファイバテープ)に分割することを可能とした光ファイバテープの製造方法が記載されている。この多心光ファイバテープは、多数の光ファイバ心線が並列され、樹脂材料によって被覆されて一体化されている。各光ファイバ心線の間の部分は、樹脂材料からなる連結部となっている。そして、多心光ファイバテープを少心光ファイバテープへ分割するための分割個所となる光ファイバ心線間の連結部には、一定間隔ごとにスリットを設けている。
【0006】
この光ファイバテープにおいては、分割個所となる連結部のスリットとスリットとの間を切断することにより、光ファイバ心線同士を容易に分離させることができ、必要な本数の光ファイバ心線からなる少心光ファイバテープとすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−232972号公報
【特許文献2】特許第4143651号公報
【特許文献3】特許第4055000号公報
【特許文献4】特開2009−093077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前述したような光ファイバテープの製造方法においては、光ファイバテープをなす光ファイバ心線間の間隔は極めて狭いため、分断器に少しでも位置ずれが生じると、分断後において光ファイバテープの端の光ファイバ心線の被覆厚さが薄くなってしまい、光ファイバテープの強度が落ち、取り扱い時に端の光ファイバ心線が分離してしまう虞がある。また、分断器が大きく位置ずれすると、光ファイバ心線を断線させてしまう虞がある。
【0009】
特許文献1及び特許文献2に記載された光ファイバテープにおいては、いずれの光ファイバ心線同士の間も間欠的に固定されているため、分割したい個所以外の個所において、誤って光ファイバ心線同士を分離させてしまう虞がある。また、光ファイバ心線同士の間の固定されていない個所に工具などが引っ掛かると、光ファイバ心線が断線してしまう虞がある。
【0010】
また、図8(a)に示すように、特許文献3及び特許文献4に記載された光ファイバテープにおいては、各光ファイバ心線101の被覆102をなす樹脂材料と連結部103をなす樹脂材料とが、同一の材料からなるため、連結部103の所定個所を切断しようとしたときに、図8の(b)に示すように、光ファイバ心線101の被覆102が破損、剥離してしまう虞がある。
【0011】
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、樹脂材料により被覆された複数本の光ファイバ心線が並列され隣接する光ファイバ心線同士が樹脂材料からなる連結部により連結された光ファイバテープであって、光ファイバ心線同士を所定個所で分割するときに、分割したい個所以外において誤って光ファイバ心線同士が分離してしまう虞がなく、また、光ファイバ心線を誤って断線させる虞がなく、さらに、光ファイバ心線を被覆している樹脂材料を破損、剥離させてしまう虞がない光ファイバテープの製造方法及び製造装置、並びに、光ファイバテープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明に係る光ファイバテープの製造方法は、以下の構成を有するものである。
【0013】
〔構成1〕
樹脂材料により被覆された複数本の光ファイバ心線が並列され隣接する光ファイバ心線同士が樹脂材料からなる連結部により間欠的に連結された光ファイバテープの製造方法であって、光ファイバ心線の被覆をなす第1の樹脂材料を塗布し、第1の樹脂材料とは異なる材料である連続部をなす第2の樹脂材料を間欠的に塗布し、各樹脂材料を硬化させることを特徴とするものである。
【0014】
〔構成2〕
樹脂材料により被覆された複数本の光ファイバ心線が並列され隣接する光ファイバ心線同士が樹脂材料からなる連結部により間欠的に連結された光ファイバテープの製造方法であって、光ファイバ心線の被覆をなす第1の樹脂材料を塗布して硬化させ、連結部をなす第2の樹脂材料を間欠的に塗布して硬化させることを特徴とするものである。
【0015】
〔構成3〕
構成1、または、構成2を有する光ファイバテープの製造方法において、第2の樹脂材料の間欠的な塗布は、第2の樹脂材料を間欠的に吐出することによって行うことを特徴とするものである。
【0016】
〔構成4〕
構成1、または、構成2を有する光ファイバテープの製造方法において、第2の樹脂材料の間欠的な塗布は、第2の樹脂材料を連続的に吐出し、間欠的に第2の樹脂材料を堰き止めることによって行うことを特徴とするものである。
【0017】
〔構成5〕
樹脂材料により被覆された複数本の光ファイバ心線が並列され隣接する光ファイバ心線同士が樹脂材料からなる連結部により間欠的に連結された光ファイバテープの製造方法であって、光ファイバ心線の被覆をなす第1の樹脂材料を塗布して硬化させ、連結部をなす第2の樹脂材料を塗布し、連結部となる箇所において第2の樹脂材料同士を周期的に接触させて硬化させることを特徴とするものである。
【0018】
〔構成6〕
並列に配置した複数の少心光ファイバテープとこれら少心光ファイバテープのうちの隣接する少心光ファイバテープ同士を間欠的に連結する樹脂材料からなる連結部とを備えた多心光ファイバテープの製造方法であって、複数本の光ファイバ心線を第1の樹脂材料によって被覆して少心光ファイバテープとし、第2の樹脂材料により連結部を作成し、各樹脂材料を硬化させて多心光ファイバテープとし、第2の樹脂材料は、第1の樹脂材料とは異なる材料であることを特徴とするものである。
【0019】
〔構成7〕
並列に配置した複数の少心光ファイバテープとこれら少心光ファイバテープのうちの隣接する少心光ファイバテープ同士を間欠的に連結する樹脂材料からなる連結部とを備えた多心光ファイバテープの製造方法であって、複数本の光ファイバ心線を第1の樹脂材料によって被覆して硬化させて少心光ファイバテープとし、第2の樹脂材料により連結部を作成し、第2の樹脂材料を硬化させて多心光ファイバテープとし、硬化された第2の樹脂材料は、第1の樹脂材料との間に界面を有することを特徴とするものである。
【0020】
〔構成8〕
本発明に係る光ファイバテープの製造装置は、構成1乃至構成7のいずれか一を有する光ファイバテープの製造方法を実行することを特徴とするものである。
【0021】
〔構成9〕
本発明に係る光ファイバテープは、構成1乃至構成7のいずれか一を有する光ファイバテープの製造方法によって製造されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る光ファイバテープの製造方法においては、光ファイバ心線の被覆をなす樹脂材料と連結部をなす樹脂材料とが、異なる材料からなる光ファイバテープを製造することができるので、光ファイバ心線同士を所定個所で分割するときには、分割したい個所の連結部が切断され、または、連結部と被覆とが剥離するので、誤った個所で光ファイバ心線同士が分離してしまう虞がない。また、光ファイバ心線を断線させる虞がなく、被覆を破損、剥離させてしまう虞もない
また、本発明に係る光ファイバテープの製造方法においては、光ファイバ心線の被覆をなす樹脂材料と連結部をなす樹脂材料とは、硬化された時期が異なり、互いの間に界面が形成されている光ファイバテープを製造することができるので、光ファイバ心線同士を所定個所で分割するときには、連結部と被覆とが剥離するので、誤った個所で光ファイバ心線同士が分離してしまう虞がない。また、光ファイバ心線を断線させる虞がなく、被覆を破損、剥離させてしまう虞もない
すなわち、本発明は、樹脂材料により被覆された複数本の光ファイバ心線が並列され隣接する光ファイバ心線同士が長手方向の所定間隔ごとに部分的に樹脂材料からなる連結部により連結された光ファイバテープであって、光ファイバ心線同士を所定個所で分割するときに、分割したい個所以外において誤って光ファイバ心線同士が分離してしまう虞がなく、また、光ファイバ心線を誤って断線させる虞がなく、さらに、光ファイバ心線を被覆している樹脂材料を破損、剥離させてしまう虞がない光ファイバテープの製造方法及び製造装置、並びに、光ファイバテープを提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る光ファイバテープの製造装置の第1の実施形態における構成を示す側面図である。
【図2】本発明に係る光ファイバテープの製造装置の第2の実施形態における構成を示す側面図である。
【図3】本発明に係る光ファイバテープの製造装置の第3の実施形態における構成を示す側面図である。
【図4】本発明の第1及び第2の実施形態に係る光ファイバテープの構成を示す断面図である。
【図5】本発明に係る光ファイバテープにおける光ファイバ心線の分割手順を示す断面図である。
【図6】本発明の第3及び第4の実施形態に係る光ファイバテープの構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る光ファイバテープの構成を示す平面図である。
【図8】従来の光ファイバテープの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
〔光ファイバテープの製造装置の第1の実施形態〕
図1は、本発明に係る光ファイバテープの製造装置の第1の実施形態における構成を示す側面図である。
【0026】
本発明に係る第1の実施の形態における光ファイバケーブルの製造方法は、図1に示すように、複数の光ファイバ心線1が並列されて紫外線硬化樹脂を塗布されるようになされた装置により実施される。
【0027】
すなわち、この製造装置においては、光ファイバ供給部202から、複数の光ファイバ心線1が供給される。これら複数の光ファイバ心線1は、並列されて樹脂塗布部204に送られる。樹脂塗布部204においては、並列された複数の光ファイバ心線1に対して、被覆2となる第1の紫外線硬化樹脂を塗布し、次に、連結部3となる第2の紫外線硬化樹脂を間欠的に塗布する。
【0028】
連結部3となる第2の紫外線硬化樹脂を間欠的に塗布する方法としては、ディスペンサにおいて紫外線硬化樹脂を間欠的に吐出するか、または、紫外線硬化樹脂を連続的に吐出し、間欠的に樹脂を堰き止めながら塗布するようにする。この製造装置においては、光ファイバテープの幅方向で連結部3が複数存在する場合があるため、分離部のある心線間の数に応じて、間欠的に樹脂を吐出することができるディスペンサや、連続的に吐出している樹脂を間欠的に堰き止めるシャッターを複数個用意する。
【0029】
2種類の紫外線硬化樹脂を塗布された複数の光ファイバ心線1は、紫外線照射部205に送られる。紫外線照射部205においては、紫外線を照射し、2種類の紫外線硬化樹脂を硬化させ、光ファイバテープとする。
【0030】
次に、光ファイバテープは、幅及び厚さ測定機206及びテンションレギュレータ207を経て、巻取機208によって巻取られる。
【0031】
この製造装置においては、被覆2が製造中に削られることがないので、製造された光ファイバテープを少心光ファイバテープに分割したときに、さらに不用意に分割してしまう虞がない。
【0032】
〔光ファイバテープの製造装置の第2の実施形態〕
図2は、本発明に係る光ファイバテープの製造装置の第2の実施形態における構成を示す側面図である。
【0033】
本発明に係る第2の実施の形態における光ファイバケーブルの製造方法は、図2に示すように、複数の光ファイバ心線1が並列されて紫外線硬化樹脂を塗布されるようになされた装置により実施される。
【0034】
すなわち、この製造装置においては、光ファイバ供給部202から、複数の光ファイバ心線1が供給される。これら複数の光ファイバ心線1は、並列されて第1の樹脂塗布部204aに送られる。第1の樹脂塗布部204aにおいては、並列された複数の光ファイバ心線1に対して、被覆2となる第1の紫外線硬化樹脂を塗布する。
【0035】
第1の紫外線硬化樹脂を塗布された複数の光ファイバ心線1は、第1の紫外線照射部205aに送られる。第1の紫外線照射部205aにおいては、紫外線を照射し、第1の紫外線硬化樹脂を硬化させる。
【0036】
次に、複数の光ファイバ心線1は、第1の幅及び厚さ測定機206aを経て、第2の樹脂塗布部204bに送られる。第2の樹脂塗布部204bにおいては、連結部3となる第2の紫外線硬化樹脂を間欠的に塗布する。
【0037】
連結部3となる第2の紫外線硬化樹脂を間欠的に塗布する方法としては、ディスペンサにおいて紫外線硬化樹脂を間欠的に吐出するか、または、紫外線硬化樹脂を連続的に吐出し、間欠的に樹脂を堰き止めながら塗布するようにする。この製造装置においては、光ファイバテープの幅方向で連結部3が複数存在する場合があるため、分離部のある心線間の数に応じて、間欠的に樹脂を吐出することができるディスペンサや、連続的に吐出している樹脂を間欠的に堰き止めるシャッターを複数個用意する。
【0038】
第2の紫外線硬化樹脂を塗布された複数の光ファイバ心線1は、第2の紫外線照射部205bに送られる。第2の紫外線照射部205bにおいては、紫外線を照射し、第2の紫外線硬化樹脂を硬化させ、光ファイバテープとする。
【0039】
次に、光ファイバテープは、第2の幅及び厚さ測定機206b及びテンションレギュレータ207を経て、巻取機208によって巻取られる。
【0040】
この製造装置においては、被覆2が製造中に削られることがないので、製造された光ファイバテープを少心光ファイバテープに分割したときに、さらに不用意に分割してしまう虞がない。
【0041】
〔光ファイバテープの製造装置の第3の実施形態〕
図3(a)は、本発明に係る光ファイバテープの製造装置の第3の実施形態における構成を示す側面図である。
【0042】
本発明に係る第3の実施の形態における光ファイバケーブルの製造方法は、図3(a)に示すように、複数の光ファイバ心線1が並列されて紫外線硬化樹脂を塗布されるようになされた装置により実施される。
【0043】
すなわち、この製造装置においては、光ファイバ供給部202から、複数の光ファイバ心線1が供給される。これら複数の光ファイバ心線1は、並列されて第1の樹脂塗布部204aに送られる。第1の樹脂塗布部204aにおいては、並列された複数の光ファイバ心線1に対して、被覆2となる第1の紫外線硬化樹脂を塗布する。
【0044】
第1の紫外線硬化樹脂を塗布された複数の光ファイバ心線1は、第1の紫外線照射部205aに送られる。第1の紫外線照射部205aにおいては、紫外線を照射し、第1の紫外線硬化樹脂を硬化させる。
【0045】
次に、複数の光ファイバ心線1は、第1の幅及び厚さ測定機206aを経て、第2の樹脂塗布部204bに送られる。第2の樹脂塗布部204bにおいては、連結部3となる第2の紫外線硬化樹脂を塗布する。第2の樹脂塗布部204bにおいては、複数本の光ファイバ心線1は、振動によるブレや静電気などで接触しない程度の距離だけ離されて、連結部3となる第2の紫外線硬化樹脂を塗布するダイスを通過する。
【0046】
第2の樹脂塗布部204bを通過し第2の紫外線硬化樹脂を塗布された光ファイバ心線1は、図3(b)に示すように、光ファイバ心線1間の距離を周期的に近づける第1及び第2のしごきコロ209a,209bにより、それぞれの光ファイバ心線1に塗布された第2の紫外線硬化樹脂同士が接触及び分離を繰り返す。各しごきコロ209a,209bは、それぞれ一対のコロからなり、これらコロにより、並列された複数の光ファイバ心線1を両側から挟むようになっている。
【0047】
第2の紫外線硬化樹脂を塗布された複数の光ファイバ心線1は、図3(a)に示すように、第2の紫外線照射部205bに送られる。第2の紫外線照射部205bにおいては、紫外線を照射し、第2の紫外線硬化樹脂を硬化させ、光ファイバテープとする。
【0048】
この製造装置においては、各しごきコロ209a,209bのコロ間隔の収縮周期に応じたピッチで、間欠的に光ファイバ心線1間が接着された光ファイバテープを作製することができる。ダイス直後だけでなく、第2の紫外線照射部205bを通過後のライン中にも同様のしごきコロを配置しておいてもよい。
【0049】
なお、連結部3となる第2の紫外線硬化樹脂を間欠塗布し、しごきコロ209a,209bのコロ間隔の収縮周期を連動させてもよい。また、この製造装置において、しごきコロ209a,209bにより光ファイバ心線1を両端から押すと、しごきコロ209a,209bに未硬化の第2の紫外線硬化樹脂が付着する虞がある。そのため、しごきコロ209a,209bの光ファイバ心線1に接触する側の逆側には、未硬化の第2の紫外線硬化樹脂をしごきコロ209a,209bから除去するためのブラシやワイパを設置してもよい。
【0050】
次に、光ファイバテープは、第2の幅及び厚さ測定機206b及びテンションレギュレータ207を経て、巻取機208によって巻取られる。
【0051】
この製造装置においては、被覆2が製造中に削られることがないので、製造された光ファイバテープを少心光ファイバテープに分割したときに、さらに不用意に分割してしまう虞がない。
【0052】
この製造装置においては、テープ幅方向で複数の光ファイバ心線1のすべてが連結されている箇所と、複数の光ファイバ心線1のすべてが連結されていない箇所とが連続する光ファイバテープを作製することが可能である。
【0053】
なお、テープ幅方向で連結部3が存在する光ファイバ心線間と、連結部3が存在しない光ファイバ心線間とがある光ファイバテープの作製は、連結部3となる第2の紫外線硬化樹脂の間欠塗布と、しごきコロ209a,209bのコロ間隔の収縮周期とを連動させることにより可能である。
【0054】
〔光ファイバテープの第1の実施形態〕
図4は、本発明の第1及び第2の実施形態に係る多心光ファイバテープの構成を示す断面図である。
【0055】
図4(a)に示すように、この多心光ファイバテープは、複数本(この例では2本)の少心光ファイバテープ11a、11b同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結部3によって連結させたものである(なお、以下の実施形態において、少心光ファイバテープ11a、11bは、多心光ファイバテープの構成単位となる為、単位光ファイバテープと呼ぶことも出来る)。少心光ファイバテープ11a、11bのそれぞれは、複数本(この例では2本)の光ファイバ心線1、1を並列させてなる。前記各少心光ファイバテープ11a、11b内の光ファイバ心線1、1の外周部には、合成樹脂材料からなる被覆2が施されている。例えば少心光ファイバテープ11aは、2本の光ファイバ心線1、1に対して、一括して被覆2を施して一体化して成るものである。なお、少心光ファイバテープ11a、11bを構成する光ファイバ心線1の本数は、2本に限定されず、1本でもよいし、3本以上であってもよい。また光ファイバ心線1は、単一の光ファイバのみならず、複数の光ファイバが束ねられて一体化されたものや、複数の光ファイバがテープ状に結合されたものであってもよい。
【0056】
連結部3は、合成樹脂材料よりなり、並列された少心光ファイバテープ11a、11bの被覆2同士を連結させている。すなわち、連結部3は、一端部が少心光ファイバテープ11aに属する光ファイバ心線1の被覆2に接合され、他端部が少心光ファイバテープ11bに属する光ファイバ心線1の被覆2に接合されている。すなわちこの実施形態においては、2本の光ファイバ心線1,1からなる少心光ファイバテープ11a、11bを2本並列させ、これらを連結部3によって連結して光ファイバテープが構成されている。
【0057】
この光ファイバテープにおいて、光ファイバ心線1の被覆2をなす樹脂材料と、連結部3をなす樹脂材料とは、異なる材料から形成されている。
【0058】
このような光ファイバテープは、前述した第1乃至第3の実施形態に係る製造装置のいずれによっても製造することができる。すなわち、このような光ファイバテープを製造するには、複数の光ファイバ心線送り出し装置より、複数の光ファイバ心線1を送り出し、これら光ファイバ心線1を並列させた状態で、樹脂塗布装置に送る。樹脂塗布装置は、送られた各光ファイバ心線1に対して、2種の異なる樹脂材料をそれぞれ所定個所に塗布する。ここで塗布する樹脂材料は、例えば、紫外線硬化型樹脂等であり、未硬化の状態で塗布され、その後に硬化されることにより、光ファイバ心線1の被覆2及び連結部3となる。被覆2となる樹脂材料は、連続的に塗布され、連結部3となる樹脂材料は、間欠的に塗布される。
【0059】
樹脂塗布装置を経た各光ファイバ心線1は、樹脂硬化装置に送られる。樹脂硬化装置は、光ファイバ心線1に塗布された樹脂材料に紫外線を照射し、または、樹脂材料を加熱して、樹脂材料を硬化させ、光ファイバ心線1に対する被覆2及び連結部3とする。
【0060】
図5は、本発明に係る光ファイバテープにおける光ファイバ心線の分割手順を示す断面図である。
【0061】
この光ファイバテープにおいては、光ファイバ心線1同士を所定個所で分割するときには、図5(a)に矢印A、または、矢印Bで示すように、分割したい個所の少心光ファイバテープ11a、11bを離間させる方向、または、上下に引っ張ると、図5(c)に示すように、被覆2と連結部3とが剥離されて、少心光ファイバテープ11a、11bが分割される(以下、このような状態を「分割パターン1」という)。このとき、図5(b)に示すように、少心光ファイバテープ11a、11bの間に、引き裂き工具104や指などを差し込み、図中矢印Cで示すように、少心光ファイバテープ11a、11bに沿って移動させることにより、少心光ファイバテープ11a、11b同士を離間させるようにしてもよい。または、分割したい個所の少心光ファイバテープ11a、11bを離間させる方向、または、上下に引っ張ると、図5(d)に示すように、連結部3が切断されて、少心光ファイバテープ11a、11bが分割される(以下、このような状態を「分割パターン2」という)。
【0062】
このように、この光ファイバテープにおいては、分割したい個所以外において誤って光ファイバ心線1,1同士が分離してしまう虞がなく、また、光ファイバ心線1を誤って断線させる虞がなく、さらに、光ファイバ心線1の被覆2を破損、剥離させてしまう虞がない。
【0063】
ここで、「分割パターン1」により少心光ファイバテープ11a、11bが分割されるようにするためには、連結部3と被覆2との密着強度及び連結部3の破断強度は、いずれも、光ファイバ心線1と被覆2との密着強度及び被覆2の破断強度よりも弱くしておく。また、連結部3と被覆2との密着強度を、連結部3の破断強度よりも弱くしておく。
【0064】
連結部3と被覆2との密着強度及び連結部3の破断強度のいずれかが、光ファイバ心線1と被覆2との密着強度及び被覆2の破断強度のいずれかよりも強いと、少心光ファイバテープ11a、11bを分割しようとしたときに、図8(b)に示したように、被覆2が光ファイバ心線1から剥離したり、被覆2が破断する虞がある。
【0065】
また、「分割パターン2」により少心光ファイバテープ11a、11bが分割されるようにするためには、連結部3と被覆2との密着強度及び連結部3の破断強度は、いずれも、光ファイバ心線1と被覆2との密着強度及び被覆2の破断強度よりも弱くしておく。そして、連結部3の破断強度を、連結部3と被覆2との密着強度よりも弱くしておく。
【0066】
〔光ファイバテープの第2の実施形態〕
この実施形態における光ファイバテープは、図4(b)に示すように、複数本の光ファイバ心線1を並列させ、隣接する光ファイバ心線1同士を長手方向の所定間隔ごとに部分的に連結部3によって連結させたものである。この構成は、前述した第1の実施形態と同様である。
【0067】
そして、この実施形態においては、光ファイバ心線1の被覆2をなす樹脂材料と、連結部3をなす樹脂材料とは、硬化された時期が異なり、互いの間に界面4が形成されている。この場合には、被覆2をなす樹脂材料と、連結部3をなす樹脂材料とは、異なる材料であってもよいし、同一の材料であってもよい。
【0068】
このような光ファイバテープは、前述した第1乃至第3の実施形態に係る製造装置のいずれによっても製造することができる。被覆2と連結部3となる樹脂が異なる材料である場合には、第1の実施形態に係る製造装置で製造が可能である。被覆2と連結部3となる樹脂が同一の材料である場合には、第2または第3の実施形態に係る製造装置でのみ製造が可能である。同じ種類の樹脂を同一の紫外線照射部で硬化させると界面ができないためである。すなわち、このような光ファイバテープを製造するには、複数の光ファイバ心線送り出し装置より、複数の光ファイバ心線1を送り出し、これら光ファイバ心線1を並列させた状態で、樹脂塗布装置に送る。樹脂塗布装置は、送られた各光ファイバ心線1に対して、樹脂材料を塗布する。ここで塗布する樹脂材料は、例えば、紫外線硬化型樹脂等であり、未硬化の状態で塗布され、その後に硬化されることにより、光ファイバ心線1の被覆2となる。樹脂塗布装置を経た各光ファイバ心線1は、樹脂硬化装置に送られる。樹脂硬化装置は、光ファイバ心線1に塗布された樹脂材料に紫外線を照射し、または、樹脂材料を加熱して、樹脂材料を硬化させ、光ファイバ心線1に対する被覆2とする。これにより少心光ファイバテープ11a、11bが形成される。
【0069】
被覆2を施された少心光ファイバテープ11a、11bは、並列された状態で、間欠樹脂塗布装置に送られる。間欠樹脂塗布装置は、送られた少心光ファイバテープ11a、11bの被覆2の所定個所に対して、一定周期で間欠的に樹脂材料を塗布する。ここで塗布する樹脂材料は、例えば、紫外線硬化型樹脂等であり、未硬化の状態で塗布され、その後に硬化されることにより、少心光ファイバテープ11a、11b同士を連結させる連結部3となる。間欠樹脂塗布装置を経た少心光ファイバテープ11a、11bは、樹脂硬化装置に送られる。樹脂硬化装置は、連結部3の樹脂材料に紫外線を照射し、または、当該樹脂材料を加熱して、樹脂材料を硬化させ、少心光ファイバテープ11a、11b同士を連結させる連結部3とする。
【0070】
この実施形態においても、光ファイバテープ11a、11bを分割するときに、「分割パターン1」により少心光ファイバテープ11a、11bが分割されるようにするためには、連結部3と被覆2との密着強度及び連結部3の破断強度は、いずれも、光ファイバ心線1と被覆2との密着強度及び被覆2の破断強度よりも弱くしておく。また、連結部3と被覆2との密着強度を、連結部3の破断強度よりも弱くしておく。
【0071】
また、「分割パターン2」により少心光ファイバテープ11a、11bが分割されるようにするためには、連結部3と被覆2との密着強度及び連結部3の破断強度は、いずれも、光ファイバ心線1と被覆2との密着強度及び被覆2の破断強度よりも弱くしておく。そして、連結部3の破断強度を、連結部3と被覆2との密着強度よりも弱くしておく。
【0072】
〔光ファイバテープの第3の実施形態〕
図6は、本発明の第3及び第4の実施形態に係る光ファイバテープの構成を示す断面図である。
【0073】
この光ファイバテープにおいて、連結部3は、前述した第1及び第2の実施形態中におけるような、光ファイバ心線1よりも細い形状に限定されず、図6(a)に示すように、少心光ファイバテープ11a、11b及び被覆2の側端部分を覆うように形成してもよい。ここに第1及び第2実施形態と同様、連結部3は、被覆2と異なる材料で形成したり、被覆2との間に界面を設けたりするのが好ましい。また、この場合には、図6(a)(b)に示すように、非連結部においても、連結部3をなす材料が被覆2の側端部分に付着している。連結部3においては、各少心光ファイバテープ11a、11bの表面(連結部3をなす材料)同士を接触させて硬化させ、非連結部においては、各少心光ファイバテープ11a、11bの表面同士を接触させずに、そのまま硬化させればよい。
【0074】
このような光ファイバテープは、前述した第3の実施形態に係る製造装置によって製造することができる。
【0075】
この場合にも、少心光ファイバテープ11a、11bを所定個所で分割するときには、分割したい個所の少心光ファイバテープ11a、11bを離間させる方向、または、上下に引っ張ると、図6(b)に示すように、連結部3が切断されて(「分割パターン2」)、または、連結部3が切断されるとともに被覆2と連結部3とが剥離されて(「分割パターン1」)、少心光ファイバテープ11a、11bが分割される。
【0076】
〔光ファイバテープの第4の実施形態〕
さらに、この光ファイバテープにおいて、連結部3は、図6(c)に示すように、少心光ファイバテープ11a、11b及び被覆2を全周に亘って覆うように形成してもよい。ここに第1及び第2実施形態と同様、連結部3は、被覆2と異なる材料で形成したり、被覆2との間に界面を設けたりするのが好ましい。また、この場合には、図6(d)に示すように、非連結部においても、連結部3をなす材料が被覆2の全周に付着している。連結部3においては、各少心光ファイバテープ11a、11bの表面(連結部3をなす材料)同士を接触させて硬化させ、非連結部においては、各少心光ファイバテープ11a、11bの表面同士を接触させずに、そのまま硬化させればよい。
【0077】
このような光ファイバテープは、前述した第3の実施形態に係る製造装置によって製造することができる。
【0078】
この場合にも、光ファイバ心線1同士を所定個所で分割するときには、分割したい個所の少心光ファイバテープ11a、11bを離間させる方向、または、上下に引っ張ると、図6(d)に示すように、連結部3が切断されて(「分割パターン2」)、または、連結部3が切断されるとともに被覆2と連結部3とが剥離されて(「分割パターン1」)、少心光ファイバテープ11a、11bが分割される。
【0079】
〔光ファイバテープの第5の実施形態〕
図7は、本発明の第5の実施形態に係る光ファイバテープの構成を示す平面図である。
【0080】
この光ファイバテープは、図7(a)に示すように、一、または、複数の光ファイバ心線1からなる少心光ファイバテープを、3本以上並列させて構成してもよい。図7においては、4本の少心光ファイバテープ2a,2b,2c,2dを並列させ、連結部3によって連結した光ファイバテープを例示している。
【0081】
このような光ファイバテープは、前述した第1乃至第3の実施形態に係る製造装置のいずれによっても製造することができる。被覆2と連結部3となる樹脂が異なる材料である場合には、第1の実施形態に係る製造装置で製造が可能である。被覆2と連結部3となる樹脂が同一の材料である場合には、第2または第3の実施形態に係る製造装置でのみ製造が可能である。同じ種類の樹脂を同一の紫外線照射部で硬化させると界面ができないためである。
【0082】
図7(a)に示す光ファイバテープにおいては、各連結部3は、各少心光ファイバテープ2a,2b,2c,2dについて等しい一定間隔で設けられており、一の少心光ファイバテープを介して隣接する連結部3,3が、光ファイバテープの長手方向にずれた位置となっている。隣接する連結部3,3の位置ずれ量は、連結部3の一定間隔の半分となっている。上記構成により、光ファイバテープの長手方向の剛性が均一になり易く、テープの取扱性が向上すると言う利益が得られる。
【0083】
図7(b)に示す光ファイバテープにおいても、各連結部3は、各少心光ファイバテープ2a,2b,2c,2dについて等しい一定間隔で設けられており、一の少心光ファイバテープを介して隣接する連結部3,3が、光ファイバテープの長手方向にずれた位置となっている。隣接する連結部3,3の位置ずれ量は、連結部3の一定間隔の1/4となっている。上記構成により、光ファイバテープが、らせん状に撚り易くなると言う利益が得られる。
【0084】
図7(c)に示す光ファイバテープは、各連結部3が一定間隔で設けられているが、該一定間隔が、一つの値ではなく、二つの値となっている例である。すなわち、図中最上段の第1の少心光ファイバテープ2aと図中次段の第2の少心光ファイバテープ2bとの間に設けられた連結部3は、第1の間隔aごとに設けられている。そして、第2の少心光ファイバテープ2bと図中3段目の第3の少心光ファイバテープ2cとの間に設けられた連結部3は、第2の間隔bごとに設けられている。第2の間隔bは、第1の間隔aの2倍となっている。また、第3の少心光ファイバテープ2cと図中最下段の第4の少心光ファイバテープ2dとの間に設けられた連結部3は、第1の間隔aごとに設けられている。
【0085】
この光ファイバテープにおいては、連結部3の間隔の狭い第1及び第2の少心光ファイバテープ2a,2bの間、及び、第3及び第4の少心光ファイバテープ2c,2dの間よりも、連結部3の間隔が広い第2及び第3の少心光ファイバテープ2b,2cの間のほうが、少心光ファイバテープ間の分割がし易くなっている。したがって、この光ファイバテープにおいては、第1及び第2の少心光ファイバテープ2a,2bと、第3及び第4の少心光ファイバテープ2c,2dとの2つの光ファイバテープに分割することが容易となっている。
【0086】
図7(d)に示す光ファイバテープにおいても、各連結部3が一定間隔で設けられているが、該一定間隔が、一つの値ではなく、二つの値となっている例である。すなわち、第1の少心光ファイバテープ2aと第2の少心光ファイバテープ2bとの間に設けられた連結部3は、第1の間隔aごとに設けられている。そして、第2の少心光ファイバテープ2bと第3の少心光ファイバテープ2cとの間に設けられた連結部3は、第2の間隔bごとに設けられている。第2の間隔bは、第1の間隔aの2倍となっている。また、第3の少心光ファイバテープ2cと第4の少心光ファイバテープ2dとの間に設けられた連結部3は、第1の間隔aごとに設けられている。
【0087】
さらに、この光ファイバテープにおいては、第2及び第3の少心光ファイバテープ2b,2c間に設けられた連結部3は、他の連結部3に対して、光ファイバテープの長手方向に距離dだけずれた位置となっている。
【0088】
この光ファイバテープにおいても、連結部3の間隔の狭い第1及び第2の少心光ファイバテープ2a,2bの間、及び、第3及び第4の少心光ファイバテープ2c,2dの間よりも、連結部3の間隔が広い第2及び第3の少心光ファイバテープ2b,2cの間のほうが、少心光ファイバテープ間の分割がし易くなっている。したがって、この光ファイバテープにおいては、第1及び第2の少心光ファイバテープ2a,2bと、第3及び第4の少心光ファイバテープ2c,2dとの2つの光ファイバテープに分割することが容易となっている。又、複数の連結部3が、距離dだけずれた位置となっていることにより、第1及び第2の少心光ファイバテープ2a,2bと、第3及び第4の少心光ファイバテープ2c,2dとの2つの光ファイバテープの間を識別することが容易となると言う利益が得られる。
【実施例】
【0089】
以下の〔表1〕に示すように、5種類の光ファイバテープのサンプルを作成し、少心光ファイバテープ間の分割のし易さについて調査した。いずれのサンプルも、2本の光ファイバ心線からなる少心光ファイバテープを4本連結した構成した光ファイバテープであり、前述した第5の実施形態のように、第2及び第3の少心光ファイバテープ間を分割し易くしたものである。連結部の長さの合計は10cm、非連結部の長さの合計は30cmである。
【0090】
これらサンプルについて、光ファイバテープとしての通常の取扱い時に少心光ファイバテープ間の分割が起こらないことを確認した。2本ずつの少心光ファイバテープへの分割は、特殊な工具を用いることなく、人手によって少心光ファイバテープ間を離間させることによって行った。
【表1】

【0091】
少心光ファイバテープの被覆をなす樹脂材料は、いずれも第1種類の樹脂(樹脂1)である。連結部をなす樹脂材料は、第1種類の樹脂(樹脂1)、第2種類の樹脂(樹脂2)、または、第3種類の樹脂(樹脂3)である。被覆をなす樹脂材料と連結部をなす樹脂材料との間の密着強度(ピール力)は、〔表1〕に示す通りである。連結部の破断強度及び厚さは、〔表1〕に示す通りである。連結部の破断強度は、JIS K−7113に記載の試験方法によって測定した。
【0092】
「分割パターン1」は、被覆と連結部とが剥離されて、少心光ファイバテープ間が分割される状態である。「分割パターン2」は、連結部が切断されて、少心光ファイバテープ間が分割される状態である。「分割パターン3」は、被覆が切断され、光ファイバ心線から剥離されてしまう状態である。
【0093】
分割部の評価は、分割後の2本の少心光ファイバテープからなる各光ファイバテープについて、張力1kgfにより、180°の捻回を3回加えて巻き返し、少心光ファイバテープのしごき試験を実施した。巻き返し中及び巻き返し後に、少心光ファイバテープを観察し、光ファイバ心線の脱落や分割がないか否かを確認した。光ファイバ心線の脱落や分割がなかったものを○、あったものを×で示している。
【0094】
〔表1〕に示すように、サンプル番号1、2が良好な結果となり、本発明の効果が確認された。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明は、複数本の光ファイバ心線を並列に連結した光ファイバテープ及び多心光ファイバテープに適用される。
【符号の説明】
【0096】
1 光ファイバ心線
2 被覆
2a 第1の少心光ファイバテープ
2b 第2の少心光ファイバテープ
2c 第3の少心光ファイバテープ
2d 第4の少心光ファイバテープ
3 連結部
4 界面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂材料により被覆された複数本の光ファイバ心線が並列され、隣接する光ファイバ心線同士が樹脂材料からなる連結部により間欠的に連結された光ファイバテープの製造方法であって、
前記光ファイバ心線の被覆をなす第1の樹脂材料を塗布し、
前記第1の樹脂材料とは異なる材料である前記連続部をなす第2の樹脂材料を間欠的に塗布し、
前記各樹脂材料を硬化させる
ことを特徴とする光ファイバテープの製造方法。
【請求項2】
樹脂材料により被覆された複数本の光ファイバ心線が並列され、隣接する光ファイバ心線同士が樹脂材料からなる連結部により間欠的に連結された光ファイバテープの製造方法であって、
前記光ファイバ心線の被覆をなす第1の樹脂材料を塗布して硬化させ、
前記連結部をなす第2の樹脂材料を間欠的に塗布して硬化させる
ことを特徴とする光ファイバテープの製造方法。
【請求項3】
前記第2の樹脂材料の間欠的な塗布は、前記第2の樹脂材料を間欠的に吐出することによって行う
ことを特徴とする請求項1、または、請求項2記載の光ファイバテープの製造方法。
【請求項4】
前記第2の樹脂材料の間欠的な塗布は、前記第2の樹脂材料を連続的に吐出し、間欠的に前記第2の樹脂材料を堰き止めることによって行う
ことを特徴とする請求項1、または、請求項2記載の光ファイバテープの製造方法。
【請求項5】
樹脂材料により被覆された複数本の光ファイバ心線が並列され、隣接する光ファイバ心線同士が樹脂材料からなる連結部により間欠的に連結された光ファイバテープの製造方法であって、
前記光ファイバ心線の被覆をなす第1の樹脂材料を塗布して硬化させ、
前記連結部をなす第2の樹脂材料を塗布し、
前記連結部となる箇所において前記第2の樹脂材料同士を周期的に接触させて硬化させる
ことを特徴とする光ファイバテープの製造方法。
【請求項6】
並列に配置した複数の少心光ファイバテープと、これら少心光ファイバテープのうちの隣接する少心光ファイバテープ同士を間欠的に連結する樹脂材料からなる連結部とを備えた多心光ファイバテープの製造方法であって、
複数本の光ファイバ心線を第1の樹脂材料によって被覆して前記少心光ファイバテープとし、
第2の樹脂材料により前記連結部を作成し、前記各樹脂材料を硬化させて多心光ファイバテープとし、
前記第2の樹脂材料は、前記第1の樹脂材料とは異なる材料である
ことを特徴とする光ファイバテープの製造方法。
【請求項7】
並列に配置した複数の少心光ファイバテープと、これら少心光ファイバテープのうちの隣接する少心光ファイバテープ同士を間欠的に連結する樹脂材料からなる連結部とを備えた多心光ファイバテープの製造方法であって、
複数本の光ファイバ心線を第1の樹脂材料によって被覆して硬化させて前記少心光ファイバテープとし、
第2の樹脂材料により前記連結部を作成し、第2の樹脂材料を硬化させて多心光ファイバテープとし、
硬化された前記第2の樹脂材料は、前記第1の樹脂材料との間に界面を有する
ことを特徴とする光ファイバテープの製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載の光ファイバテープの製造方法を実行する
ことを特徴とする光ファイバテープの製造装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載の光ファイバテープの製造方法によって製造された
ことを特徴とする光ファイバテープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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