説明

光ファイバ保持用部品および光レセプタクル

【課題】 光ファイバ保持用部品の長期信頼性を向上させる。
【解決手段】 フェルール1と、フェルール1に挿入された第1部位21および第1部位21よりも先端側に位置する第2部位22を有する光ファイバ2と、光ファイバ2の第2部位22を覆うように設けられた被覆部材3と、フェルール1を保持する第1領域51、第1領域51よりも先端側に位置して被覆部材3を囲んでおり、接合部材4を介して被覆部材3に接合された第2領域52および第2領域52よりも先端側に位置して被覆部材3を囲んでおり、第2領域52の内径よりも小さい内径を有する第3領域53を有する筒状のホルダ5とを備えている光ファイバ保持用部品10である。これにより、光ファイバ2にかかる曲げ応力を低減できるので、光ファイバ保持用部品10の長期信頼性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ保持用部品および光レセプタクルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバを保持するための部品である光ファイバ保持用部品としては、例えば、特許文献1に記載の光コネクタが知られている。特許文献1に記載の光コネクタは、光ファイバの先端側が挿入された光ファイバコード、光ファイバの後端側が挿入されたフェルールおよびフェルールを保持する筒状の保持金具を備えており、この保持金具と光ファイバコードとの間に接着剤が設けられることによって、これらが固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−288957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の光コネクタにおいては、保持金具と光ファイバコードとの間に接着剤を充填した場合に、接着剤が硬化するまでの間に例えば重力等の外力の影響を受けることによって光ファイバコードが曲がってしまい、そのまま固定されてしまう可能性があった。そのため、フェルールから引き出された光ファイバに曲げ応力がかかる場合があった。その結果、光コネクタの長期信頼性を向上させることが困難であった。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光ファイバにかかる曲げ応力を低減し、光コネクタの長期信頼性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の光ファイバ保持用部品は、フェルールと、フェルールに挿入された第1部位および第1部位よりも先端側に位置する第2部位を有する光ファイバと、光ファイバの第2部位を覆うように設けられた被覆部材と、フェルールを保持する第1領域、第1領域よりも先端側に位置して被覆部材を囲んでおり、接合部材を介して被覆部材に接合された第2領域および第2領域よりも先端側に位置して被覆部材を囲んでおり、第2領域の内径よりも小さい内径を有する第3領域を有する筒状のホルダとを備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様の光レセプタクルは、上記の光ファイバ保持用部品と、フェルールの後端に取り付けられたスリーブとを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様の光ファイバ保持用部品および光レセプタクルによれば、ホルダが第2領域の内径よりも小さい内径を有する第3領域を第2領域よりも先端側に有している。これにより、仮に接合部材が硬化する前に被覆部材が外力の影響を受けて大きく曲がろうとしたとしても、被覆部材を第3領域に接触させて保持することができる。そのため、被覆部材および光ファイバが大きく曲がることを抑制できる。これにより、接合部材の硬化した後に光ファイバに大きな曲げ応力がかかることを抑制できるので、光ファイバ保持用部品および光レセプタクルの長期信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態の光ファイバ保持用部品を示す断面図である。
【図2】図1に示した光ファイバ保持用部品を用いた光レセプタクルを示す断面図である。
【図3】変形例1に係る光ファイバ保持用部品を示す断面図である。
【図4】変形例2に係る光ファイバ保持用部品を示す断面図である。
【図5】変形例3に係る光ファイバ保持用部品を示す断面図である。
【図6】変形例4に係る光ファイバ保持用部品を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る光ファイバ保持用部品10および光レセプタクル100について図面を参照して説明する。なお、図面はいずれも模式的なものであって、実際の寸法とは異なることがある。
【0011】
<光ファイバ保持用部品の構成>
図1は本発明の一実施形態の光ファイバ保持用部品10(以下、保持部品10ともいう)を示す断面図である。図1に示すように、本発明の一実施形態の光ファイバ保持用部品10は、先端側(図1においてはX1側)から後端側(図1においてはX2側)にかけて貫通する貫通孔11を有するフェルール1と、フェルール1の貫通孔11に後端側が挿入された光ファイバ2と、光ファイバ2のうちフェルール1から先端側に引き出された領域を覆う被覆部材3と、フェルール1を保持するとともに被覆部材3を囲んでいるホルダ5とを備えている。
【0012】
フェルール1は、略円筒形状の部材であって、光ファイバ2が挿入される貫通孔11を有している。フェルール1の後端側の外周部分には、面取り部14が設けられている。これにより、フェルール1を外部機器(図示せず)に挿入する際に、フェルール1の角部が外部機器に接触することを抑制できる。そのため、フェルール1の挿入をスムーズに行なうことができる。
【0013】
このフェルール1の寸法について説明する。ここでフェルール1に挿入される光ファイバ2は、JIS規格またはTIA/EIA規格にて規定されている外径125μmの光ファイバであるとして考える。この場合には、例えば、フェルール1は、外径が1〜3mm、長さが6〜12mmの円柱形状に設定することができる。
【0014】
フェルール1としては、例えば、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、ムライト、窒化ケイ素、炭化ケイ素または窒化アルミニウム等の単体もしくはこれらの混合物を主成分として含むセラミックス、あるいは結晶化ガラス等のガラスおよびアルミナ等のセラミックスを含むガラスセラミックス等を用いることができる。特に、フェルール1を耐環境性および靱性に優れたものとするためには、ジルコニアを主成分とすることが好適である。
【0015】
貫通孔11は、フェルール1の円柱状の本体の中心軸に沿って貫通して先端および後端にそれぞれ開口するように設けられている。この貫通孔11は、光ファイバ2が挿入固定されるために設けられている。そして、この貫通孔11は、フェルール1の先端側に位置する導入部12とフェルール1の後端側に位置する保持部13とに大きく分けることができる。
【0016】
導入部12は、光ファイバ2を先端側からフェルール1に挿入する際のガイドとして機能する部位である。導入部12は、フェルール1の先端に設けられており、先端側から後端側に向かうにつれて内径が小さくなるように形成されている。本実施形態においては、貫通孔11の貫通方向に平行な面で切断したときの導入部12の表面に対応する部分の形
状が2本の直線形状になっている。この2本の直線の延長線のなす角度は、例えば60°以上120°以下程度に設定することが好ましい。
【0017】
この角度が60°以上であると、導入部12に囲まれた空所に接合部材4を充填することが容易になる。また、角度が120°以下であると、導入部12をガイドとして安定して機能させることができる。そのため、光ファイバ2の先端が導入部12に沿って動き易くなるので、光ファイバ2を安定して保持部13に挿入することができる。導入部12の開口面における内径は、0.5〜1.5mm程度に設定することができる。また、貫通孔11の貫通方向の長さは0.3〜2mm程度に設定することができる。
【0018】
保持部13は、導入部12から挿入された光ファイバ2を保持するための部位である。保持部13は、導入部12の後端側に内周面が連続して設けられており、フェルール1の後端側に開口している。保持部13は、内径が一定に形成されている。なお、ここでいう「内径が一定である」とは、フェルール1の製造時に生じる製造誤差の程度のばらつきは無視できるものであることをいうる。「製造誤差の程度」とは、例えば0.5μm程度の誤差を意味している。
【0019】
保持部13の内周面の算術平均粗さRaは0.05μm以下であることが好ましい。保持部13の内周面の算術平均粗さRaが0.05μm以下である場合には、光ファイバ2の挿入時において光ファイバ2が損傷する可能性を抑制できる。保持部13の内径は、光ファイバ2の外径が125μmのときには、例えば125.5〜127μmに設定することができる。
【0020】
光ファイバ2は、光信号を伝送する機能を担うものである。光ファイバ2としては、たとえば石英系光ファイバ、プラスチック系光ファイバおよび多成分ガラス系光ファイバ等が挙げられる。さらに単一モードの光を伝送するシングルモードファイバ、複数モードの光を伝送するマルチモードファイバ等、用途に応じて様々なものを使用できる。
【0021】
光ファイバ2は、後端がフェルール1に挿入されており、先端はフェルール1から先端側に引き出されている。すなわち、光ファイバ2は、フェルール1に挿入された第1部位21、第1部位21よりも先端側に位置してフェルール1の先端側に引き出された第2部位22を有している。
【0022】
第1部位21は、フェルール1の保持部13および導入部12に挿入されている領域であって、後端面がフェルール1の後端面と同一平面に位置するように研磨されている。第1部位21は、フェルール1の貫通孔11に挿入されることによってフェルール1と同軸状に固定されている。これにより、フェルール1と外部機器との光学的な接続を容易に行なうことができる。
【0023】
第1部位21のうち導入部12に位置している部分は、その一部が接合部材4を介してフェルール1に接着されている。これにより、光ファイバ2とフェルール1とを強固に接合することができる。
【0024】
第2部位22は、フェルール1の外部に引き出されており、被覆部材3によって覆われている。第2部位22は、被覆部材3に覆われていることによって外部からの圧力に対する信頼性が向上している。第2部位22は、外部の光学系と接続されており、外部の光学系から伝送された光信号を第1部位21に伝送する機能または第1部位21から伝送された光信号を外部の光学系に伝送する機能を有している。
【0025】
被覆部材3は、光ファイバ2を保護するための筒形状の部材である。被覆部材3は、外
径が一定の筒形状であって、光ファイバ2の第2部位22を覆うように設けられている。また、被覆部材3の後端はフェルール1の導入部12に部分的に囲まれている。そして、光ファイバ2の第1部位21のうち導入部12に位置している部分の一部が被覆部材3に覆われている。そして、光ファイバ2の第1部位21のうち導入部12に位置している部分、フェルール1および被覆部材3が接合部材4を介して互いに接着されている。
【0026】
被覆部材3としては、例えば、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂またはポリエステルエラストマー等の合成樹脂を用いることができる。また、被覆部材3は、上記の合成樹脂を複数組み合わせたものを用いることができる。具体的には、被覆部材3の内周側をシリコーン樹脂で形成し、被覆部材3の外周側をナイロン樹脂で形成してもよい。
【0027】
ホルダ5は、筒形状の部材である。ホルダ5は、フェルール1の先端側が内部に挿入されて固定されており、被覆部材3の後端側を囲んで位置している。ホルダ5は、フェルール1から引き出された光ファイバ2の第2部位22の一部および被覆部材3の一部を保護するために設けられている。ホルダ5は、フェルール1を保持する第1領域51、被覆部材3に接合された第2領域52および第2領域52の内径よりも小さい内径を有する第3領域53を有している。
【0028】
第1領域51は、ホルダ5のうち後端側に位置している。第1領域51にはフェルール1が圧入されている。
【0029】
第2領域52は、第1領域51よりも先端側に位置しており、被覆部材3を囲んでいる。第2領域52の内周面と被覆部材3の外周面との間には空間が形成されており、この空間に接合部材4の一部が設けられている。これにより、ホルダ5と保持部品10とを固定することができる。第2領域52の内径は第1領域51の内径よりも小さく形成されている。これにより、フェルール1を第1領域51に圧入する際にフェルール1の先端面を第2領域52の後端面に押し当てることができる。これにより、フェルール1の位置決めを容易に行なうことができる。
【0030】
第3領域53は、第2領域52よりも先端側に位置しており、被覆部材3を囲んでいる。第3領域53の内径は、第2領域52の内径よりも小さい。これにより、第2領域52と被覆部材3とを接合部材4によって固定する際に被覆部材3および光ファイバ2が曲がることを抑制できる。結果として、光ファイバ2に大きな曲げ応力がかかることが抑制されるので、保持部品10の長期信頼性を向上させることができる。
【0031】
さらに、本実施形態の保持部品10においては、第3領域53の内周面が、被覆部材3の外周面と接している。そのため、第2領域52と被覆部材3とを接合部材4によって固定する際に被覆部材3および光ファイバ2が曲がることをさらに抑制できる。結果として、光ファイバ2に大きな曲げ応力がかかることがさらに抑制されるので、保持部品10の長期信頼性をさらに向上させることができる。
【0032】
ホルダ5は、第1ホルダ54と第2ホルダ55とを嵌め合せることによって形成されている。第1ホルダ54は、第1領域51の全体および第2領域52の一部を構成している。第1ホルダ54の材料としては、例えば、ステンレス等の金属材料を用いることができる。第2ホルダ55は、第2領域52の一部および第3領域53の全体を構成している。また、第1ホルダ54の先端側が、第2ホルダ55の後端側を囲むように位置している。第2ホルダ55の材料としては、例えば、プラスチックまたはシリコーンゴム等の材料を用いることができる。特にシリコーンゴムを用いることが好ましい。第2ホルダ55に可撓性に優れたシリコーンゴムを用いることで、第3領域53と被覆部材3との密着性を向上させることができる。これにより、第2領域52と被覆部材3とを接合部材4によって
固定する際に被覆部材3および光ファイバ2が曲がることをさらに抑制できる。これにより、光ファイバ2に大きな曲げ応力がかかることをさらに抑制でき、保持部品10の長期信頼性をさらに向上させることができる。
【0033】
ホルダ5の寸法としては例えば、第1領域51および第2領域52の外径は1.5〜4.5mm、第1領域51の内径は1〜3mm、第2領域52の内径は0.5〜1.5mm、第3領域53の内径は0.4〜1.2mmに設定することができる。
【0034】
接合部材4は、光ファイバ2、被覆部材3、ホルダ5およびフェルール1を接着するための部材である。接合部材4としては、フェルール1に用いられる材料よりも熱膨張率が大きい材料が用いられる。具体的には、フェルール1として熱膨張率が9〜10×10−6/K程度であるジルコニアを用いた場合であれば、熱膨張率が60〜80×10−6/Kであるエポキシ樹脂を接合部材4として用いることができる。接合部材4は、フェルール1の導入部12に囲まれた空間および第2領域52と被覆部材3との間の空間に設けられている。本実施形態においては、接合部材4はフェルール1の導入部12に囲まれた空間にも充填されている。このように、接合部材4が、フェルール1の導入部12に囲まれた空間に隙間なく設けられていることによって、より強固に光ファイバ2を固定することができる。また、接合部材4は第2領域52と被覆部材3との間の空間に充填されている。このように、第2領域52と被覆部材3との間に接合部材4が隙間なく設けられていることによって、より強固に被覆部材3をホルダ5に固定することができる。
【0035】
<光レセプタクルの構成>
図2は本発明の一実施形態の光レセプタクル100を示す断面図である。本発明の一実施形態の光レセプタクル100は、保持部品10と、フェルール1の後端に取り付けられたスリーブ6と、スリーブ6を囲むように設けられたケース7とを備えている。
【0036】
スリーブ6は、スリット61を有する略円筒状の部材である。スリーブ6の先端側にはフェルール1の後端側が挿入されて固定されている。スリーブ6は、ケース7から離間して設けられている。これにより、スリーブ6にプラグフェルール(図示せず)が挿入されたときにスリーブ6の外径を拡げやすくすることができる。
【0037】
フェルール1が挿入されて固定された場合に、スリーブ6の後端側には空洞部62が形成される。空洞部62には、後端側からプラグフェルールが挿入される。スリーブ6は、先端から後端にかけて形成され、スリーブ6の内周面および外周面に開口するスリット61を有している。スリーブ6は、このようなスリット61を有していることから、プラグフェルールを挿入して固定する際に内径を拡げることができる。これにより、プラグフェルールの挿入を容易に行なうことができる。スリット61は例えば、幅を0.2〜0.4mmに設定することができる。
【0038】
スリーブ6は、フェルール1と同様に、例えばアルミナセラミックスまたはジルコニアセラミックスのようなセラミック材料を用いることができる。特に、上述の部分安定化ジルコニアセラミックスを用いることで、スリーブ6の耐摩耗性、耐湿性、耐温性および耐薬品性を向上させることができる。また、スリット61が設けられていることによってスリーブ6が適度に弾性変形し易くなるので、プラグフェルールが挿入された際に、プラグフェルールを保持することができる。
【0039】
スリーブ6の内径は、例えば挿入されるフェルール1およびプラグフェルールの外径が1mmの場合であれば、フェルール1およびプラグフェルールが挿入される前の内径は0.95mmに設定することができる。そして、スリーブ6にフェルール1およびプラグフェルールが挿入されることによって、スリーブ6の内径を、フェルール1およびプラグフ
ェルールの外径に変化させることができる。上記の例であればスリーブ5の内径を1mmに変化させることができる。そのため、スリーブ6でフェルール1およびプラグフェルールをより確実に保持することができる。なお、本実施形態においては、スリーブ6にスリット61が設けられているが、スリット61が設けられていない、いわゆる精密スリーブを用いてもよい。
【0040】
スリーブ6の寸法は例えば、内径を0.95〜2.85mm、外径を1.2〜3.6mmに設定することができる。
【0041】
ケース7は、略円筒状の部材であって、スリーブ6およびホルダ5を囲むように設けられている。ケース7は、ホルダ5の後端側に固定されている。ケース7はホルダ5に圧入されている。ケース7は、フェルール1の後端およびフェルール1が挿入されるスリーブ6が、外部と接触することのないように保護するために設けられている。ケース7の後端には円筒形状の内側に突出している鉤部71が設けられている。このように鉤部71が設けられていることによって、スリーブ6に挿入されたプラグフェルールを抜き差ししたときに、スリーブ6がフェルール1から抜けてしまう可能性を低減できる。
【0042】
ケース7としては、例えば、ステンレス等の金属材料を用いることができる。また、ケース7の寸法は例えば、外径を2〜6mm、内径を1.5〜4.5mmに設定することができる。
【0043】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。例えば、本実施形態においては、第3領域53の内周面と被覆部材3の外周面とが接していたが、これに限られない。例えば、第3領域53と被覆部材3との間に接合部材4が設けられていてもよい。これにより、ホルダ5と被覆部材3とをより強固に固定することができる。
【0044】
<変形例−1>
保持部品10の変形例−1について説明する。なお、本例の各構成において、上述の保持部品10と同様の構成および機能を有する部材については、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0045】
図1に示す保持部品10においては、ホルダ5が第1ホルダ54および第2ホルダ55から構成されていたが、これに限られない。例えば、図3に示すように、ホルダ5が1つの部品のみで形成されていてもよい。
【0046】
本変形例では、第1領域51、第2領域52および第3領域53が1つの部品に形成されている。これにより、部品点数を減らすことができる。そのため、製造コストを抑制できる。また、第1領域51、第2領域52および第3領域53の外周面が同一面上に形成されていることから、外部機器への接合を容易に行なうことができる。具体的には、溶接等でホルダ5を外部機器に接合する際に接合面積を広く確保することができる。
【0047】
<変形例−2>
保持部品10の変形例−2について説明する。なお、本例の各構成において、上述の保持部品10と同様の構成および機能を有する部材については、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0048】
図1に示す保持部品10においては、第2ホルダ55の外径が一定であったが、これに限られない。例えば、図4に示すように、第2ホルダ55の外径が先端に向かうに連れて小さくなるように形成されていてもよい。
【0049】
本変形例では、第3領域53の外径が先端に向かうに連れて小さくなる傾斜部531を有している。具体的には、本変形例は、一様な傾斜に形成された傾斜部531を有している。言い換えれば、傾斜部531の傾斜角が一定である。これにより、被覆部材3に部分的に力が集中することを抑制できる。具体的には、被覆部材3のうち第3領域53よりも先端側の領域において被覆部材3に外力が加わった際に、第3領域53の先端側の外径が小さく形成されていることによって、第3領域53の先端を適度に撓ませることができる。これにより、第3領域53の先端と被覆部材3とが接触する領域に応力が集中することを抑制できる。
【0050】
<変形例−3>
保持部品10の変形例−3について説明する。なお、本例の各構成において、上述の保持部品10と同様の構成および機能を有する部材については、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0051】
図4に示す保持部品10においては、第3領域53の傾斜部531が一様な傾斜に形成されているが、これに限られない。例えば、図5に示すように、傾斜部531の傾斜が一様に形成されている必要は無い。
【0052】
本変形例では、傾斜部531が後端側から先端側への一様な傾斜に対して途中で細くなるように形成されている。すなわち、傾斜部531が後端から先端へ一様な傾斜に形成されている場合と比較して、傾斜部531の後端と先端との間が細くなるように形成されている。傾斜部531が後端側から先端側に向かうに連れて傾斜角が小さくなるように形成されていることによって、第3領域53の先端付近における第3領域53の外周と被覆部材3の外周とが成す角度を小さくすることができる。従って、被覆部材3に部分的に力が集中することをさらに抑制できる。
【0053】
<変形例−4>
保持部品10の変形例−4について説明する。なお、本例の各構成において、上述の保持部品10と同様の構成および機能を有する部材については、同じ参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0054】
図1に示す保持部品10においては、第2領域52と第3領域53との境界において第1ホルダ54の先端面と第2ホルダ55の後端面と接している。また、第3領域53において第1ホルダ54の内周面と第2ホルダ55の外周面とが接している。しかしながら、ホルダ5の形状としてはこのような形状に限られるものではなく、例えば、図6に示すように第3領域53においても第1ホルダ54の先端面と第2ホルダ55の後端面とが接していてもよい。
【0055】
本変形例では、第3領域53において第1ホルダ54の先端面と第2ホルダ55の後端面とが接している。ホルダ5がこのような形状である場合には、被覆部材3を曲げる方向に働く外力に対する第2ホルダ55の強度を向上させることができる。これにより、保持部品10の外力に対する信頼性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0056】
10:光ファイバ保持用部品(保持部品)
100:光レセプタクル
1:フェルール
11:貫通孔
12:導入部
13:保持部
14:面取り部
2:光ファイバ
21:第1部位
22:第2部位
3:被覆部材
4:接合部材
5:ホルダ
51:第1領域
52:第2領域
53:第3領域
531:傾斜部
54:第1ホルダ
55:第2ホルダ
6:スリーブ
61:スリット
62:空洞部
7:ケース
71:鉤部
X1:先端側
X2:後端側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェルールと、
該フェルールに挿入された第1部位および該第1部位よりも先端側に位置する第2部位を有する光ファイバと、
該光ファイバの前記第2部位を覆うように設けられた被覆部材と、
前記フェルールを保持する第1領域、該第1領域よりも先端側に位置して前記被覆部材を囲んでおり、接合部材を介して前記被覆部材に接合された第2領域および該第2領域よりも先端側に位置して前記被覆部材を囲んでおり、前記第2領域の内径よりも小さい内径を有する第3領域を有する筒状のホルダとを備えていることを特徴とする光ファイバ保持用部品。
【請求項2】
前記第3領域は、先端に向うに連れて外径が小さくなる傾斜部を有していることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ保持用部品。
【請求項3】
前記傾斜部は後端側から先端側への一様な傾斜に対して途中で細くなっていることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ保持用部品。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の光ファイバ保持用部品と、前記フェルールの後端に取り付けられたスリーブとを備えていることを特徴とする光レセプタクル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−114164(P2013−114164A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261948(P2011−261948)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】