説明

光ファイバ接続器及びこれを用いた光ファイバ接続方法

【課題】光ファイバの接続作業を容易に行うことができる光ファイバ接続器等を提供すること。
【解決手段】外被2A,2Bが外被把持部4,5で把持された光ファイバケーブルF1,F2の口出しされた光ファイバ1A,1Bの端部同士を互いに突き合わせた状態で接続する光ファイバ接続器100であって、ハウジング10、口出しされた光ファイバ1A,1Bの端部を挟持する挟持部材7、挟持部材を挟むバネ部材、外被把持部4、5を搭載しハウジング10内にガイドするガイド20、30、外被把持部4、5をハウジング10とともに拘束する拘束カバー60、70、挟持部材を離間した状態に保持しハウジング10の延在方向に沿って配置される挿入ユニット、外被把持部4がハウジング10内に収容された場合にガイド20をハウジング10にロックさせるロック手段を備える光ファイバ接続器100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ接続器及びこれを用いた光ファイバ接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、二本の光ファイバ同士を接続するための光ファイバ接続器として、光ファイバの端部同士を一定の方向に沿って突き合わせた状態で一対の挟持部材によって機械的に挟持するメカニカルスプライスが知られている(例えば下記特許文献1参照)。メカニカルスプライスは、光ファイバを挿入する前は、ハウジングの内部に収容された断面C字型の板バネ(Cバネ)によって上記一対の挟持部材を挟持し、一対の挟持部材の間には、先端が楔状となった楔部材を挿入させている。そして、二本の光ファイバが一対の挟持部材の間にその両側から挿入され、二本の光ファイバの端部が突き合された状態で楔部材が引き抜かれると、二本の光ファイバの端部が挟持される。
【特許文献1】特開平10−170748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1に記載の光ファイバ接続器は、光コネクタに比べて小型であるものの、そのために二本の光ファイバを一対の挟持部材間に挿入し、光ファイバの端部が突き合されているかどうかを確認する作業が困難である。
【0004】
また従来の光ファイバ接続器は、光ファイバ心線(0.25mm、0.9mm)の被覆を把持するように設計されており、この程度の被覆径を有する光ファイバ心線であれば、通常の使用条件では引っ張り力に耐えるようになっている。しかし、より大きい被覆径を有する光ファイバコードや各種ケーブルを把持するようには設計されていない。即ち、より大きい被覆径を有する光ファイバコードや各種ケーブルを直にメカニカルスプライスに挿入すると、メカニカルスプライスはケーブルを一対の挟持部材間に挟み、これらをCバネで押さえつけているだけであるため、ケーブルが抜け易くなってしまう。そこで、このようなケーブルをも把持できるようにする必要がある。ここで、メカニカルスプライスの設計変更をすることが考えられる。しかし、既に市販されているメカニカルスプライスを設計変更することは経済的でない。またメカニカルスプライスについて設計変更が行われたとしたとしても、使用環境ではケーブルに大きな張力が掛かってケーブルが抜けてしまう場合もある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光ファイバの接続作業を容易に行うことができるとともに、接続された光ファイバ同士の接続信頼性を維持できる光ファイバ接続器及びこれを用いた光ファイバ接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、外被が第1外被把持部及び第2外被把持部で把持された第1及び第2光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部同士を一定の方向に沿って互いに突き合わせた状態で接続する光ファイバ接続器であって、前記一定の方向に沿って延在するハウジングと、前記ハウジングの内部に収容され、前記第1及び第2光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部を挟持する一対の挟持部材と、前記一対の挟持部材を弾性力によって挟むように加圧するバネ部材と、前記第1外被把持部を搭載して前記ハウジング内にガイドする第1ガイドと、前記第2外被把持部を搭載して前記ハウジング内にガイドする第2ガイドと、前記ハウジングに設けられ、前記第1ガイドに搭載された前記第1外被把持部を前記ハウジングとともに拘束する第1拘束カバーと、前記ハウジングに設けられ、前記第2ガイドに搭載された前記第2外被把持部を前記ハウジングとともに拘束する第2拘束カバーと、前記一対の挟持部材を離間した状態に保持し、前記ハウジングの延在方向に沿って配置される複数の挿入ユニットと、前記第1外被把持部が前記ハウジング内に収容された場合に前記第1ガイドを前記ハウジングにロックさせる第1ロック手段と、を備えることを特徴とする光ファイバ接続器である。
【0007】
この光ファイバ接続器によれば、第1光ファイバケーブルの外被を把持する第1外被把持部を第1ガイドに搭載すると、第1ガイドはハウジング内にガイドされて、一対の挟持部材に近づくことが可能となる。他方、第2光ファイバケーブルの端部で光ファイバを露出させ、第2光ファイバケーブルの外被を第2外被把持部で把持し、この第2外被把持部を第2ガイドに搭載すると、第2ガイドはハウジング内にガイドされて、一対の挟持部材に近づくことが可能となる。このため、第1ガイド及び第2ガイドがない場合に比べて、各光ファイバの端部を一対の挟持部材の間に挿入する作業が容易となる。さらに本発明の光ファイバ接続器では、第1ロック手段により第1ガイドがハウジングに対してロックされるため、第1光ファイバケーブルの光ファイバの端部と第2光ファイバケーブルの光ファイバの端部同士を突き合わせる作業が容易となる。即ち、第1ガイドがハウジングに対してロックされるため、例えば第2ガイドのみを動かしながら光ファイバの端部同士を突き合わせる作業を行うことが可能となり、光ファイバの端部同士を突き合わせる作業が容易となる。また第1ガイドに搭載された第1外被把持部がハウジング内に収容された場合には、第1外被把持部が第1拘束カバーによってハウジングとともに拘束されるため、第1外被把持部は、第1光ファイバケーブルが何らかの強い力で引っ張られても、第1外被把持部はハウジングから離脱されない。同様に、第2外被把持部は、第2光ファイバケーブルが何らかの強い力で引っ張られても、第2拘束カバーによって第2外被把持部はハウジングから離脱されない。このため、光ファイバの端部同士が突き合された状態を維持することができる。また一対の挟持部材間に光ファイバの端部が挿入された場合には、挿入ユニットを取り外すことにより、一対の挟持部材に加圧されるバネ部材の弾性力によって光ファイバの端部が挟持される。
【0008】
上記光ファイバ接続器は、前記第2外被把持部が前記ハウジング内に収容された場合に前記第2ガイドを前記ハウジングにロックさせる第2ロック手段をさらに備えることが好ましい。
【0009】
この場合、第2外被把持部がハウジングに収容された場合に、第2ロック手段により第2ガイドがハウジングに対してロックされる。また第1外被把持部がハウジング内に収容された場合には第1ロック手段により第1ガイドがハウジングに対してロックされる。このため、第1光ファイバケーブルの光ファイバの端部と第2光ファイバケーブルの光ファイバの端部同士を突き合わせる作業が容易となる。即ち、例えば1光ファイバケーブルの光ファイバの端部と第2光ファイバケーブルの光ファイバの端部同士を突き合わせる際に光ファイバに撓みが生じるようにすると、この撓みは光ファイバの端部同士が突き合されていることを示すにほかならないため、この撓みを確認したり、撓みを押して移動させたりするだけで、容易に光ファイバの端部同士が突き合われていることを確認できる。
【0010】
また本発明に係る光ファイバ接続方法は、上記光ファイバ接続器を用いた光ファイバ接続方法であって、前記第2外被把持部を前記第2ガイドに固定する工程と、前記第2ガイドを前記ハウジング内にガイドし、前記第2光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部を前記一対の挟持部材の間に挿入する工程と、前記第1外被把持部を前記第1ガイドに固定する工程と、前記第1ガイドを前記ハウジング内にガイドし、前記第1光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部を前記一対の挟持部材の間に挿入し、前記第2ガイドを前記ハウジング外にガイドさせるとともに、前記第1ロック手段により前記第1ガイドを前記ハウジングにロックさせる工程と、前記第2ガイドを前記ハウジング内にガイドさせ、前記第2光ファイバケーブルの前記光ファイバを撓ませる工程と、前記第1拘束カバーで前記ハウジングとともに前記第1外被把持部を拘束する工程と、前記第2拘束カバーで前記ハウジングとともに前記第2外被把持部を拘束する工程と、前記複数の挿入ユニットを取り外し、前記挿入部材を前記一対の挟持部材の間から抜き去る工程と、を含む光ファイバ接続方法である。
【0011】
また本発明に係る光ファイバ接続方法は、上記第2ロック手段をさらに備える光ファイバ接続器を用いる光ファイバ接続方法であって、前記第2外被把持部を前記第2ガイドに固定する工程と、前記第2ガイドを前記ハウジング内にガイドし、前記第2光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部を前記一対の挟持部材の間に挿入する工程と、前記第2拘束カバーで前記ハウジングとともに前記第2外被把持部を拘束する工程と、前記複数の挿入ユニットの一部を取り外し、前記第2光ファイバケーブルの前記光ファイバを前記一対の挟持部材によって挟持させる工程と、前記第2拘束カバーで前記ハウジングとともに前記第2外被把持部を拘束する工程と、前記第1外被把持部を前記第1ガイドに固定する工程と、前記第1ガイドを前記ハウジング内にガイドし、前記第1光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部を前記一対の挟持部材の間に挿入し、前記第1ロック手段により前記第1ガイドを前記ハウジングにロックさせ、前記光ファイバに撓みを生じさせる工程と、前記第1拘束カバーで前記ハウジングとともに前記第1外被把持部を拘束する工程と、前記複数の挿入ユニットの残部を取り外し、前記第1光ファイバケーブルの前記光ファイバを前記一対の挟持部材によって挟持させる工程と、を含む光ファイバ接続方法であってもよい。
【0012】
また本発明に係る光ファイバ接続方法は、上記第2ロック手段をさらに備える光ファイバ接続器を用いる光ファイバ接続方法であって、前記第2外被把持部を前記第2ガイドに固定する工程と、前記第2ガイドを前記ハウジング内にガイドし、前記第2光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部を前記一対の挟持部材の間に挿入し、前記第2ロック手段により前記第2ガイドを前記ハウジングにロックさせる工程と、前記第1外被把持部を前記第1ガイドに固定する工程と、前記第1ガイドを前記ハウジング内にガイドし、前記第1光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部を前記一対の挟持部材の間に挿入し、前記第1ロック手段により前記第1ガイドを前記ハウジングにロックさせ、前記光ファイバに撓みを生じさせる工程と、前記撓みを前記第2光ファイバケーブルの前記光ファイバに移動させる工程と、前記第1拘束カバーで前記ハウジングとともに前記第1外被把持部を拘束する工程と、前記第2拘束カバーで前記ハウジングとともに前記第2外被把持部を拘束する工程と、前記複数の挿入ユニットを取り外し、前記第1及び第2光ファイバケーブルの前記光ファイバを前記一対の挟持部材によって挟持させる工程と、を含む光ファイバ接続方法であってもよい。
【0013】
これらの光ファイバ接続方法によれば、上記光ファイバ接続器を用いて有効に光ファイバの接続を行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、光ファイバの接続作業を容易に行うことができるとともに、接続された光ファイバ同士の接続信頼性を維持できる光ファイバ接続器及びこれを用いた光ファイバ接続方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
(光ファイバ接続器の第1実施形態)
図1は、本発明に係る光ファイバ接続器による接続対象となる光ファイバを備えた第1光ファイバケーブル及び第2光ファイバケーブルを示す部分側面図、図2は図1の第1外被把持部の一例を示す斜視図、図3は本発明に係る光ファイバ接続器の一実施形態を示す斜視図、図4は、図3の光ファイバ接続器の平面図、図5は、図4のV−V線に沿った端面図、図6は、図4のVI−VI線に沿った端面図である。
【0017】
まず図1を参照し、光ファイバ接続器100による接続対象となる第1光ファイバケーブル及び第2光ファイバケーブルの構造について簡単に説明する。
【0018】
図1に示すように、第1光ファイバケーブルF1は第1光ファイバ1Aと、それを覆う第1外被2Aとを有し、端部は第1外被2Aが除去されて第1光ファイバ1Aが口出しされている。同様に、第2光ファイバケーブルF2は第2光ファイバ1Bと、それを覆う第2外被2Bとを有し、端部は第2外被2Bが除去されて第2光ファイバ1Bが口出しされている。なお、第1光ファイバケーブルF1及び第2光ファイバケーブルF2としては、例えば光インドアケーブル又は光ドロップケーブルを用いることができる。
【0019】
光ファイバ接続器100は、第1及び第2光ファイバケーブルF1,F2の第1光ファイバ1Aの端部同士を一定の方向に沿って突き合わせるものである。なお、第1光ファイバケーブルF1及び第2光ファイバケーブルF2を光ファイバ接続器100によって接続する場合には、第1光ファイバケーブルF1の第1外被2Aが第1外被把持部4で把持され、第2光ファイバケーブルF2の第2外被2Bが第2外被把持部5で把持される。第1外被把持部4は凹部4aを有し、第2外被把持部5は凹部5aを有する。凹部4a,5aの意義については後述する。第1外被把持部4は、例えば図2に示すように、第1光ファイバケーブルF1の第1外被2Aを収容する外被収容溝92を有する本体部90と、本体部90に対して開閉可能に連結され外被収容溝92を覆うことにより第1光ファイバケーブルF1を拘束固定するカバー91とを備えている。本体部90の外壁面には突起部93が設けられ、カバー91には突起部93が係合される開口91aが形成されている。このため、第1光ファイバケーブルF2を外被収容溝92に収容し、カバー91を閉じて開口91aに本体部90の突起部93を係合させると、第1光ファイバケーブルF1が固定される。第1外被把持部4において凹部4aは例えば本体部90の外被収容溝92と反対側の外壁面に形成される。第2外被把持部5も、第1外被把持部4と同様の構成を有する。
【0020】
次に光ファイバ接続器100の構成について説明する。
【0021】
図3〜図5に示すように、光ファイバ接続器100は、一定方向に沿って延在するハウジング10と、ハウジング10内に収容される一対の挟持部材6,7と、ハウジング10内に収容され、一対の挟持部材6,7を弾性力によって挟むように加圧するバネ部材8と、第1外被把持部4を搭載しハウジング10内にガイドする第1ガイド20と、第2外被把持部5を搭載しハウジング10内にガイドする第2ガイド30と、ハウジング10に設けられ、一対の挟持部材6,7の間に隙間を形成する2つの挿入ユニット40,50と、ハウジング10に設けられ、第1ガイド20に搭載された第1外被把持部4をハウジング10とともに拘束する第1拘束カバー60と、ハウジング10に設けられ、第2ガイド30に搭載された第2外被把持部5をハウジング10とともに拘束する第2拘束カバー70とを備えている。
【0022】
図5に示すように、ハウジング10は、平板状のベース部10aと、ベース部10aの両縁部から延びて互いに対向する側壁部10b,10cと、側壁部10b,10cの中央部同士を連結し挿入ユニット40,50を搭載する挿入ユニット搭載部10dとを有する。側壁部10b,10cのベース部10a側には、第1ガイド20及び第2ガイド30をガイドするガイド溝10eが形成されている。また挿入ユニット搭載部10dには4つの挿入口10gがハウジング10の延在方向に沿って所定の間隔をあけて形成されている。
【0023】
以下、ベース部10a、側壁部10b,10c及び挿入ユニット搭載部10dによって構成される部分を「ファイバ接続部10f」と、ファイバ接続部10fの一方の側に配置されて第1ガイド20を収容する部分を「第1ガイド収容部10h」と、ファイバ接続部10fに対して第1ガイド収容部10hと反対側に配置されて第2ガイド30を収容する部分を「第2ガイド収容部10i」と呼ぶこととする(図3及び図4参照)。
【0024】
図3及び図4に示すように、第1ガイド収容部10hの側壁部10b,10cにはそれぞれ、第1拘束カバー60を固定するための突起部10jが設けられるとともに、ガイド溝10eに連通する貫通穴10kが形成されている。
【0025】
第1ガイド20は、ハウジング10のガイド溝10eに沿ってスライド可能に設けられる平板状の本体部21と、本体部21から突出し第1外被把持部4の凹部4aに嵌め込まれる突起部22と、本体部21に設けられる凸部23とを有する。この凸部23は、第1ガイド収容部10hに形成された貫通穴10kに係合されるものであり、これにより第1ガイド20は、第1ガイド収容部10hに対してロックされる。本実施形態では、これら凸部23及び貫通穴10kが第1ロック手段を構成する。
【0026】
第1拘束カバー60は、第1ガイド収容部10hに対して開閉自在に設けられており、第1ガイド収容部10hの側壁部10b,10cに設けられた突起部10jが係合する貫通穴61を有する。このため、第1拘束カバー60を第1ガイド収容部10hに対して閉じると、貫通穴61に第1ガイド収容部10hの突起部10jが係合され、第1拘束カバー60が第1ガイド収容部10hに固定される。その結果、第1外被把持部4が第1ガイド収容部10hと第1拘束カバー60とによって拘束される。
【0027】
第2ガイド収容部10iの側壁部10b,10cには、第2拘束カバー70を固定するための突起部10lが設けられるとともに、ガイド溝10eに連通する貫通穴10mが形成されている。
【0028】
第2ガイド30は、ハウジング10のガイド溝10eに沿ってスライド可能に設けられる平板状の本体部31と、本体部31から突出し第2外被把持部5の凹部5aに嵌め込まれる突起部32と、本体部31に設けられる凸部33とを有する。この凸部33は、第2ガイド収容部10iに形成された貫通穴10mに嵌め込まれるものであり、これにより第2ガイド30は、第2ガイド収容部10iに対してロックされる。本実施形態では、これら凸部33及び貫通穴10mが第2ロック手段を構成する。
【0029】
第2拘束カバー70は、第2ガイド収容部10iに対して開閉自在に設けられており、第2ガイド収容部10iの側壁部10b,10cに設けられた突起部10lが係合する貫通穴71を有する。このため、第2拘束カバー70を第2ガイド収容部10iに対して閉じると、貫通穴71に第2ガイド収容部10iの突起部10lが係合し、第2拘束カバー70が第2ガイド収容部10iに固定される。その結果、第2外被把持部5が第2ガイド収容部10iと第2拘束カバー70とによって拘束される。
【0030】
図5に示すように、バネ部材8は、ベース部10aに対向する平板状の基部8aと、基部8aの両縁部から延びて側壁部10b,10cにそれぞれ対向する弾性片8b,8cとを有する。
【0031】
基部8aとベース部10aとの間には、第2ガイド30が通過できる空間が設けられている。一対の挟持部材6,7は弾性片8b,8cによって挟まれている。具体的には、挟持部材6は弾性片8bによって弾性力を付与され、挟持部材7は弾性片8cによって弾性力を付与されている。
【0032】
挟持部材7には、挟持部材6と接触する接触面7aに、第1光ファイバ1A及び第2光ファイバ1Bの端部を位置決めする位置決め溝7bがハウジング10の延在方向に沿って形成されている。また挟持部材6,7は切欠きAを有している。
【0033】
挟持部材6,7としては、例えば特許第3461733号公報の図4に示す構造のものを採用することができる。即ち、挟持部材6が1つの部材で構成され、挟持部材7が3つに分割された構造を採用することができる。
【0034】
挿入ユニット40は、ハウジング10の挿入口10gを貫通する棒状の挿入部材41を有しており、挿入部材41は本体部41aと本体部41aから延びる楔状の先端部41bとを有し、この先端部41bが一対の挟持部材6,7に形成された切欠きAに挿入されることにより、挟持部材6,7の間に隙間が形成されるようになっている。
【0035】
挿入ユニット40は、ハウジング10の挿入ユニット搭載部10dに当接されるハウジング当接部42と、ハウジング当接部42に対向するように配置される昇降部43と、昇降部43からハウジング当接部42に向かって垂下し、挿入部材41を把持する挿入部材把持部44と、ハウジング当接部42と昇降部43とを連結し挿入部材把持部44と反対側に凸となる連結部45と、ハウジング当接部42から昇降部43に向かって延びる係止爪46と、挿入部材把持部44の先端に設けられ係止爪46に向かって突出する突出部44aとを有する。
【0036】
ここで、挿入部材把持部44の突出部44aは係止爪46によってハウジング当接部42から離間する方向への移動が規制され、これにより挿入部材41は、一対の挟持部材6,7に形成された切欠きAに挿入された状態で保持されている。
【0037】
なお、連結部45を挿入部材把持部44側に押圧すると、昇降部43がハウジング当接部42から離間する方向に移動する。このため、挿入部材把持部44がハウジング当接部42から離間し、それに伴って挿入部材41が切欠きAから抜き去られる。こうして第1光ファイバ1A及び第2光ファイバ1Bが挟持されることとなる。
【0038】
また挿入ユニット40は、ハウジング当接部42の両縁部からハウジング10の側壁部10b,10cに沿って延びハウジング10を把持するハウジング把持部48b,48cと、ハウジング把持部48bに設けられ、ハウジング把持部48b,48cを連結してハウジング10を締結するハウジング締結部48aとを有している。
【0039】
挿入ユニット50も挿入ユニット40と同様の構成となっている。
【0040】
(第1の光ファイバ接続方法)
次に、図6〜図11を参照し、上述した光ファイバ接続器100を用いた第1の光ファイバ接続方法について説明する。
【0041】
まず図6に示すように、光ファイバ接続器100において、第1拘束カバー60を第1ガイド収容部10hに対して開放した状態とし、第1ガイド20を第1ガイド収容部10hから引き出しておく。また第2拘束カバー70を第2ガイド収容部10iに対して開放した状態とし、第2ガイド30を第2ガイド収容部10iに対して引き出しておく。
【0042】
次に、図7に示すように、第2光ファイバケーブルF2の第2外被2Bを把持する第2外被把持部5を第2ガイド30に固定する。具体的には、第2外被把持部5の凹部5aに第2ガイド30の突起部32が嵌合するようにする。
【0043】
次に、第2ガイド30をハウジング10のガイド溝10eに沿って図7の矢印B方向にスライドさせ、第2光ファイバケーブルF2の口出しされた第2光ファイバ1Bの端部を一対の挟持部材6,7の間に挿入する。第2外被把持部5が第2ガイド収容部10iに収容されると、第2ガイド30の凸部33が側壁部10b,10cに形成された貫通穴10mに係合し、第2ガイド30が第2ガイド収容部10iに対してロックされる(図3及び図4参照)。
【0044】
その後、図8に示すように、第2拘束カバー70を第2ガイド収容部10iに対して閉めると、第2拘束カバー70の貫通穴71に、側壁部10b,10cに設けられた突出部10lが係合し、第2外被把持部5が第2拘束カバー70によってハウジング10の第2ガイド収容部10iとともに拘束される(図3及び図4参照)。
【0045】
次に、図8に示すように、2つの挿入ユニット40,50のうち一方の挿入ユニット40を取り外す。具体的には、図5において、挿入ユニット40の連結部45を挿入部材把持部44側に押圧する。すると、昇降部43がハウジング当接部42から離間する。これにより、挿入部材把持部44の突起部44aは、係止爪46を通り抜ける。これに伴って挿入部材41が切欠きAから引き抜かれる。その後は、ハウジング締結部48aをハウジング把持部48cから外すことにより挿入ユニット40を取り外す。その結果、第2光ファイバケーブルF2の第2光ファイバ1Bの端部が挟持部材6,7によって挟持されることとなる。
【0046】
次に、図9に示すように、第1光ファイバケーブルF1の第1外被2Aを把持する第1外被把持部4を第1ガイド20に固定する。具体的には、第1外被把持部4の凹部4aに第1ガイド20の突起部22が嵌合するようにする。なお、このとき、露出させる第1光ファイバ1Aの長さは、第1外被把持部4を第1ガイド20に固定した場合に、第1光ファイバ1Aの先端が、第1ガイド20の先端より第2光ファイバ1B側(矢印C方向側)に突き出るように調整する。
【0047】
次に、第1ガイド20をハウジング10のガイド溝10eに沿って図9の矢印C方向にスライドさせ、第1光ファイバケーブルF1の口出しされた第1光ファイバ1Aの端部を一対の挟持部材6,7の間に挿入する。第1外被把持部4が第1ガイド収容部10hに収容されると、第1ガイド20の凸部21が側壁部10b,10cに形成された貫通穴10kに係合され、第1ガイド20が第1ガイド収容部10hに対してロックされる(図3及び図4参照)。このとき、第1光ファイバ1Aの長さは、第1外被把持部4を第1ガイド20に固定した場合に、第1光ファイバ1Aの先端が第1ガイド20の先端より第2光ファイバ1B側に突き出るように調整されている。このため、第1光ファイバ1Aが第2光ファイバ1Bの端部と突き合されると、図10に示すように第1光ファイバ1Aに撓み80が生じる。
【0048】
第1光ファイバ1Aにて撓み80が生じるということは、第1光ファイバ1Aの端部と第2光ファイバ1Bの端部とが突き合されていることを意味する。このため、撓み80が生じることにより、第1光ファイバ1Aの端部と第2光ファイバ1Bの端部とが突き合されていることが確認できたことになる。
【0049】
そして、図11に示すように、第1拘束カバー60を第1ガイド収容部10hに対して閉めると、第1拘束カバー60の貫通穴61に、側壁部10b,10cに設けられた突出部10jが係合され、第1外被把持部4が第1拘束カバー60によってハウジング10の第1ガイド収容部10hとともに拘束される(図3及び図4参照)。
【0050】
続いて、残りの挿入ユニット50を、挿入ユニット40と同様にしてハウジング10のファイバ接続部10fから取り外し、挟持部材6,7の間から挿入部材41を引き抜き、第1光ファイバケーブルF1の第1光ファイバ1Aを挟持部材6,7によって挟持させる。こうして第1光ファイバ1Aの端部と第2光ファイバ1Bの端部とが突き合された状態となり、第1光ファイバ1Aと第2光ファイバ1Bとの接続が完了する。
【0051】
上述した光ファイバ接続方法によれば、第1光ファイバケーブルF1の第1外被2Aが第1外被把持部4に固定され、この第1外被把持部4が第1ガイド20に搭載されているため、第1光ファイバケーブルF1の口出しされた第1光ファイバ1Aを挟持部材6,7間に挿入する作業が容易となる。同様に、第2光ファイバケーブルF2についても、第1光ファイバケーブルF1の口出しされた第1光ファイバ1Aを挟持部材6,7間に挿入する作業が容易となる。
【0052】
さらに光ファイバ接続器100では、第2ガイド30が第2ガイド収容部10iに収容されると、第2ガイド30がハウジング10の第2ガイド収容部10iに対してロックされる。このため、第1光ファイバケーブルF1の第1光ファイバ1Aの端部を挟持部材6,7間に挿入するときに、第2光ファイバケーブルF2を押さえておかなくて済む。このため、作業者は、第1光ファイバケーブルF1の第1光ファイバ1Aの端部を挟持部材6,7間に挿入する作業を両手で行うことができる。
【0053】
また第1光ファイバケーブルF1の第1光ファイバ1Aの端部を挟持部材6,7間に挿入し、第1ガイド20が第1ガイド収容部10hに対してロックされるときに、第1光ファイバ1Aの端部と第2光ファイバ1Bの端部とが突き合されていれば第1光ファイバ1Aに撓み80が生じるようになっている。このため、第1光ファイバ1Aの端部と第2光ファイバ1Bの端部とを突き合わせる作業が容易となることに加えて、第1光ファイバ1Aの端部と第2光ファイバ1Bの端部とが突き合されているかどうかの確認も容易である。
【0054】
よって、第1光ファイバ1Aと第2光ファイバ1Bとの接続作業を容易に行うことができる。
【0055】
さらに第1外被把持部4は第1ガイド収容部10hと第1拘束カバー60とによって拘束され、第2外被保持部5は第2ガイド収容部10iと第2拘束カバー70とによって拘束される。このため、第1光ファイバケーブルF1が何らかの強い力で引っ張られても、第1外被把持部4はハウジング10の第1ガイド収容部10hから離脱されない。同様に、第2外被把持部5も、第2光ファイバケーブルF2が何らかの強い力で引っ張られても、ハウジング10の第2ガイド収容部10iから離脱されない。このため、第1光ファイバ1Aの端部と第2光ファイバ1Bの端部とが突き合された状態を維持することができ、接続された光ファイバの接続信頼性を維持することができる。
【0056】
(第2の光ファイバ接続方法)
次に、図6及び図12〜図14を参照し、上述した光ファイバ接続器100を用いた第2の光ファイバ接続方法について説明する。
【0057】
まず光ファイバ接続器100を図6に示す状態とするのは、第1の光ファイバ接続方法と同様である。
【0058】
次に、図12に示すように、第2光ファイバケーブルF1を把持する第2外被把持部5を第2ガイド30に固定する。第2外被把持部5の第2ガイド30への固定方法は、上述した第1の光ファイバ接続方法と同様である。そして、第2ガイド30を第2ガイド収容部10iのガイド溝10eに沿ってスライドさせ、第2光ファイバケーブルF2の口出しされた第2光ファイバ1Bの端部を一対の挟持部材6,7の間に挿入する。第2外被把持部5が第2ガイド収容部10iに収容されると、第2ガイド30の凸部31が側壁部10b,10cに形成された貫通穴10mに係合され、第2ガイド30が第2ガイド収容部10iに対してロックされる(図3及び図4参照)。第2拘束カバー70は、第2ガイド収容部10iに対して開放状態にしておく。
【0059】
次に、第1光ファイバケーブルF1の第1外被2Aを把持する第1外被把持部4を第1ガイド20に固定する。なお、このとき、口出しする第1光ファイバ1Aの長さは、上述した第1の光ファイバ接続方法と同様、第1外被把持部4を第1ガイド20に固定した場合に、第1光ファイバ1Aの先端が第1ガイド20の先端より第2光ファイバ1B側に突き出るように調整する。
【0060】
そして、第1ガイド20を第1ガイド収容部10hのガイド溝10eに沿ってスライドさせ、図12に示すように、第1光ファイバケーブルF1の口出しされた第1光ファイバ1Aの端部を一対の挟持部材6,7の間に挿入する。第1外被把持部4が第1ガイド収容部10hに収容されると、第1ガイド20の凸部23が側壁部10b,10cに形成された貫通穴10kに嵌合し、第1ガイド20が第1ガイド収容部10hに対してロックされる(図3及び図4参照)。このとき、口出しされた第1光ファイバ1Aの長さは、第1外被把持部4を第1ガイド20に固定した場合に、第1光ファイバ1Aの先端が第1ガイド20の先端より第2光ファイバ1B側に突き出るものとなっている。このため、第1光ファイバ1Aの端部が第2光ファイバ1Bの端部と突き合されると、図12に示すように第1光ファイバ1Aに撓み80が生じる。このとき、第1拘束カバー60が第1ガイド収容部10hに対して開放された状態にあるため、第1光ファイバ1Aに撓み80があるかどうかを確認することが可能である。
【0061】
次に、第1光ファイバ1Aにおける撓み80を押す。これにより第1光ファイバ1Aが直線状に延びる。このとき、第1光ファイバ1Aの端部と第2光ファイバ1Bの端部とが突き合されていると、第1光ファイバ1Aによって第2光ファイバ1Bが押される。このとき、第2外被把持部5は第2ガイド30に固定され、第2ガイド30は第2ガイド収容部10iに対してロックされている。このため、図13に示すように、第2光ファイバ1Bに撓み80が生じる。即ち撓み80が第1光ファイバ1Aから第2光ファイバ1Bに移動することとなる。このとき、第1拘束カバー60は第1ガイド収容部10hに対して開放され、第2拘束カバー70は第2ガイド収容部10iに対して開放された状態にあるので、撓み80の移動を作業者が確認することができる。
【0062】
第1光ファイバ1Aから第2光ファイバ1Bへの撓み80の移動を確認したならば、図14に示すように、第1拘束カバー60を第1ガイド収容部10hに対して閉じるとともに、第2拘束カバー70を第2ガイド収容部10iに対して閉じる。
【0063】
また2つの挿入ユニット40,50をファイバ接続部10fから取り外す。これにより、第1光ファイバ1Aと第2光ファイバ1Bとが互いに突き合された状態で挟持部材6,7によって挟持される。
【0064】
こうして第1光ファイバ1Aと第2光ファイバ1Bとの接続が完了する。
【0065】
上述した第2の光ファイバ接続方法は、第1の光ファイバ接続方法に対して以下の利点を有する。即ち、第1光ファイバケーブルF1の第1光ファイバ1Aの端部を挟持部材6,7間に挿入し、第1ガイド20が第1ガイド収容部10hに対してロックされるときに、第1光ファイバ1Aの端部と第2光ファイバ1Bの端部とが突き合されていれば第1光ファイバ1Aに撓み80が生じるようになっている。さらに、第2の光ファイバ接続方法では、撓み80を押すことにより撓み80が第1光ファイバ1Aから第2光ファイバ1Bに移動されている。このため、第1光ファイバ1Aの端部と第2光ファイバ1Bの端部とが突き合わされているどうかについて作業者が確信を得やすくなり、作業者が安心して作業を行うことができる。
【0066】
(光ファイバ接続器の第2実施形態)
次に、本発明に係る光ファイバ接続器の第2実施形態について図15を参照して説明する。なお、図15において、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0067】
図15に示すように、本実施形態の光ファイバ接続器200は、第2ガイド30において凸部33が設けられず、第2ガイド収容部10iにおいて貫通穴10mが形成されていない点で第1実施形態の光ファイバ接続器100と相違する。
【0068】
ここで、図6及び図16〜図18を参照し、光ファイバ接続器200を用いた光ファイバ接続方法について説明する。
【0069】
まず光ファイバ接続器200を図6に示す状態とするのは、第1の光ファイバ接続方法と同様である。
【0070】
次に、第2光ファイバケーブルF2の第2外被2Bを把持する第2外被把持部5を第2ガイド30に固定する。第2外被把持部5の第2ガイド30への固定方法は、上述した第1の光ファイバ接続方法と同様である。そして、第2ガイド30を第2ガイド収容部10iのガイド溝10eに沿ってスライドさせ、第2光ファイバケーブルF2の口出しされた第2光ファイバ1Bの端部を一対の挟持部材6,7の間に挿入する(図16参照)。このとき、第2外被把持部5が第2ガイド収容部10iに収容されても、第2ガイド30が凸部33を有しておらず、第2ガイド収容部10iが貫通穴10mを有していないため、第2ガイド30は第2ガイド収容部10iに対してロックされない。第2拘束カバー70は、第2ガイド収容部10iに対して開放状態にしておく。
【0071】
次に、図16に示すように、第1光ファイバケーブルF1の第1外被2Aを把持する第1外被把持部4を第1ガイド20に固定する。このとき、露出させる第1光ファイバ1Aの長さは、上述した第1の光ファイバ接続方法と同様、第1外被把持部4を第1ガイド20に固定した場合に、第1光ファイバ1Aの先端が第1ガイド20の先端より第2光ファイバ1B側に突き出るように調整する。
【0072】
そして、第1ガイド20を第1ガイド収容部10hのガイド溝10eに沿ってスライドさせ、図17に示すように、第1光ファイバケーブルF1の口出しされた第1光ファイバ1Aの端部を一対の挟持部材6,7の間に挿入する。第1外被把持部4が第1ガイド収容部10hに収容されると、第1ガイド20の凸部21が側壁部10b,10cに形成された貫通穴10kに係合され、第1ガイド20が第1ガイド収容部10hに対してロックされる(図15参照)。このとき、口出しされた第1光ファイバ1Aの長さは、第1外被把持部4を第1ガイド20に固定した場合に、第1光ファイバ1Aの先端が第1ガイド20の先端より第2光ファイバ1B側に突き出るように調整されているため、第1光ファイバ1Aが第2光ファイバ1Bの端部と突き合されると、第2光ファイバ1Bは第1光ファイバ1Aによって押される。このとき、第2ガイド30は第2ガイド収容部10iに対してロックされておらず、第2拘束カバー70は第2ガイド収容部10iに対して開放された状態にあるため、第2外被把持部5は第2ガイド収容部10i外にガイドされる。
【0073】
続いて、第2ガイド30を第2ガイド収容部10i内にガイドさせる。このとき、第1ガイド20は第1ガイド収容部10hに対してロックされているため、第2光ファイバ1Bの端部が第1光ファイバ1Aに突き合されると、図18に示すように、第2光ファイバ1Aにおいて撓み80が生じる。これにより、第1光ファイバ1Aの端部と第2光ファイバ1Bの端部とが突き合されたかどうかを確認することができる。
【0074】
こうして、第2光ファイバ1Bに撓み80が生じたことを確認したならば、第2拘束カバー70を第2ガイド収容部10iに対して閉じ、第1拘束カバー60を第1ガイド収容部10hに対して閉じる。
【0075】
続いて、2つの挿入ユニット40,50をファイバ接続部10fから取り外す。これにより、第1光ファイバ1Aと第2光ファイバ1Bとが互いに突き合された状態で挟持部材6,7によって挟持される。こうして第1光ファイバ1Aと第2光ファイバ1Bとの接続が完了する。
【0076】
本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されるものではない。例えば上記第1及び第2実施形態では、第1外被把持部4に凹部4aが形成され、第1ガイド20が突起部22を有し、凹部4aに突起部22が係合されることにより第1外被把持部4が第1ガイド20に固定されているが、第1外被把持部4を第1ガイド20に固定する手段は上記の手段に限定されるものではない。例えば第1外被把持部4に突起部が設けられ、第1ガイド20に凹部が形成されるようにしてもよい。第2外被把持部5を第2ガイド30に固定する手段も、上記と同様に、第1及び第2実施形態で示されるものに限定されるものではない。
【0077】
また上記実施形態では、ロック手段が、第1ガイド20の凸部23と、ハウジング10の貫通穴10kとによって、又は第2ガイド30の凸部33とハウジング10の貫通穴10mとによって構成されているが、ロック手段はこのような構成に限定されるものではなく、第1ガイド20及び第2ガイド30をハウジング10にロックできる機構であればいかなるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明に係る光ファイバ接続器による接続対象となる第1光ファイバケーブル及び第2光ファイバケーブルを示す部分側面図である。
【図2】図1の第1外被把持部の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る光ファイバ接続器の一実施形態を示す斜視図である。
【図4】図3の光ファイバ接続器の平面図である。
【図5】図4のV−V線に沿った端面図である。
【図6】図4のVI−VI線に沿った端面図である。
【図7】図1の光ファイバ接続器を用いた第1の光ファイバ接続方法の一工程を示す図である。
【図8】図1の光ファイバ接続器を用いた第1の光ファイバ接続方法の一工程を示す図である。
【図9】図1の光ファイバ接続器を用いた第1の光ファイバ接続方法の一工程を示す図である。
【図10】図1の光ファイバ接続器を用いた第1の光ファイバ接続方法の一工程を示す図である。
【図11】図1の光ファイバ接続器を用いた第1の光ファイバ接続方法の一工程を示す図である。
【図12】図1の光ファイバ接続器を用いた第2の光ファイバ接続方法の一工程を示す図である。
【図13】図1の光ファイバ接続器を用いた第2の光ファイバ接続方法の一工程を示す図である。
【図14】図1の光ファイバ接続器を用いた第2の光ファイバ接続方法の一工程を示す図である。
【図15】本発明に係る光ファイバ接続器の他の実施形態を示す平面図である。
【図16】図15のXVI−XVI線に沿った断面図である。
【図17】図15の光ファイバ接続器を用いた光ファイバ接続方法の一工程を示す図である。
【図18】図15の光ファイバ接続器を用いた光ファイバ接続方法の一工程を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1A…第1光ファイバ、1B…第2光ファイバ、2A…第1外被、2B…第2外被、F1…第1光ファイバケーブル、F2…第2光ファイバケーブル、4…第1外被把持部、5…第2外被把持部、6,7…挟持部材、8…バネ部材、10…ハウジング、10k…貫通穴(第1ロック手段)、10m…貫通穴(第2ロック手段)、20…第1ガイド、23…凸部(第1ロック手段)、24…凸部(第2ロック手段)、30…第2ガイド、40,50…挿入ユニット、41…挿入部材、60…第1拘束カバー、70…第2拘束カバー、80…撓み。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外被が第1外被把持部及び第2外被把持部で把持された第1及び第2光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部同士を一定の方向に沿って互いに突き合わせた状態で接続する光ファイバ接続器であって、
前記一定の方向に沿って延在するハウジングと、
前記ハウジングの内部に収容され、前記第1及び第2光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部を挟持する一対の挟持部材と、
前記一対の挟持部材を弾性力によって挟むように加圧するバネ部材と、
前記第1外被把持部を搭載して前記ハウジング内にガイドする第1ガイドと、
前記第2外被把持部を搭載して前記ハウジング内にガイドする第2ガイドと、
前記ハウジングに設けられ、前記第1ガイドに搭載された前記第1外被把持部を前記ハウジングとともに拘束する第1拘束カバーと、
前記ハウジングに設けられ、前記第2ガイドに搭載された前記第2外被把持部を前記ハウジングとともに拘束する第2拘束カバーと、
前記一対の挟持部材を離間した状態に保持し、前記ハウジングの延在方向に沿って配置される複数の挿入ユニットと、
前記第1外被把持部が前記ハウジング内に収容された場合に前記第1ガイドを前記ハウジングにロックさせる第1ロック手段と、
を備えることを特徴とする光ファイバ接続器。
【請求項2】
前記第2外被把持部が前記ハウジング内に収容された場合に前記第2ガイドを前記ハウジングにロックさせる第2ロック手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ接続器。
【請求項3】
請求項1に記載の光ファイバ接続器を用いた光ファイバ接続方法であって、
前記第2外被把持部を前記第2ガイドに固定する工程と、
前記第2ガイドを前記ハウジング内にガイドし、前記第2光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部を前記一対の挟持部材の間に挿入する工程と、
前記第1外被把持部を前記第1ガイドに固定する工程と、
前記第1ガイドを前記ハウジング内にガイドし、前記第1光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部を前記一対の挟持部材の間に挿入し、前記第2ガイドを前記ハウジング外にガイドさせるとともに、前記第1ロック手段により前記第1ガイドを前記ハウジングにロックさせる工程と、
前記第2ガイドを前記ハウジング内にガイドさせ、前記第2光ファイバケーブルの前記光ファイバを撓ませる工程と、
前記第1拘束カバーで前記ハウジングとともに前記第1外被把持部を拘束する工程と、
前記第2拘束カバーで前記ハウジングとともに前記第2外被把持部を拘束する工程と、
前記複数の挿入ユニットを取り外し、前記挿入部材を前記一対の挟持部材の間から抜き去る工程と、
を含む光ファイバ接続方法。
【請求項4】
請求項2に記載の光ファイバ接続器を用いた光ファイバ接続方法であって、
前記第2外被把持部を前記第2ガイドに固定する工程と、
前記第2ガイドを前記ハウジング内にガイドし、前記第2光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部を前記一対の挟持部材の間に挿入する工程と、
前記第2拘束カバーで前記ハウジングとともに前記第2外被把持部を拘束する工程と、
前記複数の挿入ユニットの一部を取り外し、前記第2光ファイバケーブルの前記光ファイバを前記一対の挟持部材によって挟持させる工程と、
前記第2拘束カバーで前記ハウジングとともに前記第2外被把持部を拘束する工程と、
前記第1外被把持部を前記第1ガイドに固定する工程と、
前記第1ガイドを前記ハウジング内にガイドし、前記第1光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部を前記一対の挟持部材の間に挿入し、前記第1ロック手段により前記第1ガイドを前記ハウジングにロックさせ、前記光ファイバに撓みを生じさせる工程と、
前記第1拘束カバーで前記ハウジングとともに前記第1外被把持部を拘束する工程と、
前記複数の挿入ユニットの残部を取り外し、前記第1光ファイバケーブルの前記光ファイバを前記一対の挟持部材によって挟持させる工程と、
を含む光ファイバ接続方法。
【請求項5】
請求項2に記載の光ファイバ接続器を用いた光ファイバ接続方法であって、
前記第2外被把持部を前記第2ガイドに固定する工程と、
前記第2ガイドを前記ハウジング内にガイドし、前記第2光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部を前記一対の挟持部材の間に挿入し、前記第2ロック手段により前記第2ガイドを前記ハウジングにロックさせる工程と、
前記第1外被把持部を前記第1ガイドに固定する工程と、
前記第1ガイドを前記ハウジング内にガイドし、前記第1光ファイバケーブルの口出しされた光ファイバの端部を前記一対の挟持部材の間に挿入し、前記第1ロック手段により前記第1ガイドを前記ハウジングにロックさせ、前記光ファイバに撓みを生じさせる工程と、
前記撓みを前記第2光ファイバケーブルの前記光ファイバに移動させる工程と、
前記第1拘束カバーで前記ハウジングとともに前記第1外被把持部を拘束する工程と、
前記第2拘束カバーで前記ハウジングとともに前記第2外被把持部を拘束する工程と、
前記複数の挿入ユニットを取り外し、前記第1及び第2光ファイバケーブルの前記光ファイバを前記一対の挟持部材によって挟持させる工程と、
を含む光ファイバ接続方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−145951(P2010−145951A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325982(P2008−325982)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】