説明

光位置検出装置および電子機器

【課題】光源の位置を高精度に検出でき、かつ安価な光位置検出装置を提供する。
【解決手段】送信系1は、第2光源12と第3光源13との間の一定距離L、第2光源12の送信系1に対する到来角度θ、および、第3光源13の送信系1に対する到来角度θに基づいて、受信系2に対する送信系1の位置を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光を発する位置を特定するための検出装置であって、リモコン(リモートコントローラ)より発せられる信号光を用いて、リモコンの位置を特定する光位置検出装置に関する。
【0002】
また、この発明は、上記光位置検出装置を有するエアコン、映像機器、音響機器やカメラなどの電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
従来から、リモコンなどの光源の位置を検出する光角度検出装置が種々提案されている。その受光部は、2つのフォトダイオードを隣接配置し、もしくはPSD(Position Sensitive Device)を用い、受光面上部に遮光材を適切に配置し、光の入射角によって遮光材によりできる影によって、両出力端子の差を検出するのが一般的であり、いわゆる日時計の原理を用いている。
【0004】
例えば、第1の従来例(特開平8−264826号公報:特許文献1参照)では、2つのフォトダイオードの受光面の上方にその受光面積の半分の遮光領域を設けて、両受光素子の出力比を演算して光の入射角度を検出している。
【0005】
同様に、第2の従来例(特開平8−340124号公報:特許文献2参照)では、光の到来方向に対して絞りを有する受光部を有し、2つのフォトダイオードの出力比を演算して光の入射角を検出している。
【0006】
このような光角度検出装置を用いて、リモコンの送信者の方向へ機器の向きを制御するような応用が数多く提案されている。
【0007】
しかし、これらの従来例では光源の方向を検出するのみで、送信者までの距離を含めた位置を検出できるものではない。
【0008】
また、第3の従来例(特開平4−322208号公報:特許文献3参照)では、一定間隔離れた位置に配置された2つの超音波受信器と受光器とを有し、光波と音波の到達時間差から、2つの超音波受信器と送信器との間の距離を検出して、送信器(光源)の方向を検出している。
【0009】
この第3の従来例では、光の到来方向を特定するに留まっているが、2つの超音波受信器の間の一定間隔は、一般的に、2つの超音波受信器と送信器との間の距離に比べて十分小さいため、光の到来方向、および、2つの超音波受信器と送信器との間の距離から、送信者の凡その位置を特定できることは簡単に類推できる。
【0010】
さらに、第1〜第3の従来例を組み合わせて考察すると、以下のようにして送信者の位置を検出できる。第3の従来例の2つの超音波受信器の位置に、第1の従来例や第2の従来例の光角度検出装置を用い、送信器の位置が光源の位置とすると、2つの受信器への入射角が検出され、両受信器間の距離が既知であるため、送信器と両受信器で形成される三角形が一意に決まる。このようにして送信器(光源)の位置を特定できるようになる。
【特許文献1】特開平8−264826号公報
【特許文献2】特開平8−340124号公報
【特許文献3】特開平4−322208号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来の光位置検出装置では、位置の検出精度を向上させるためには、光角度検出装置の検出角度精度や光波と音波の到達時間差の検出精度を向上するか、両受信器間の一定間隔を大きくする必要がある。
【0012】
前者のように検出器の精度を向上させるのは一番安易であるが、装置の価格アップは避けられない。
【0013】
後者のように受信器間の一定間隔を増大させると、両受信器で検出される信号は光強度(アナログ信号)であるため、両受信器で検出された信号量の比を演算するには、長距離のアナログ信号伝送が必要となるか、両受信器にA/D変換器を用いてデジタル信号に変換してから、比を演算する演算器まで信号を伝送する必要がある。
【0014】
アナログ信号を伝送すると、その距離が大きいほど信号線に重畳されるノイズ成分が大きくなり位置の検出精度が悪くなってしまうという問題がある。また、受信器それぞれにA/D変換器を備えると位置検出器が高価なものとなってしまう。さらに、受信器で検出される信号強度は非常に微弱であるため、受信器近傍で信号を増幅する必要があり、受信器の数だけ信号処理回路が必要となってしまい、さらに信号処理回路のためには電源系も長距離にわたって引き回す必要がある。
【0015】
また、第3の従来例による位置検出法では、上記のような課題に加え、光波と音波の2つの送信系および受信系が必要であり、装置がさらに高価になってしまうという問題があった。
【0016】
そこで、この発明の課題は、光源の位置を高精度に検出でき、かつ安価な光位置検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するため、この発明の光位置検出装置は、
光の到来角度を検出する光角度センサを有する検出系と、
互いに一定距離をあけて配置されている二つの光源を有する基準系と
を備え、
上記光角度センサは、上記二つの光源のそれぞれから信号光を受光して、一方の上記光源の上記検出系に対する到来角度、および、他方の上記光源の上記検出系に対する到来角度を検出し、
上記検出系は、上記二つの光源の間の上記一定距離、上記一方の光源の上記検出系に対する到来角度、および、上記他方の光源の上記検出系に対する到来角度に基づいて、上記基準系に対する上記検出系の位置を検出することを特徴としている。
【0018】
この発明の光位置検出装置によれば、上記検出系は、上記二つの光源の間の上記一定距離、上記一方の光源の上記検出系に対する到来角度、および、上記他方の光源の上記検出系に対する到来角度に基づいて、上記基準系に対する上記検出系の位置を検出するので、従来のように光角度の情報を有するアナログ信号量を長距離伝送する必要もなく、複数のA/D変換器を有する必要もないため、高精度の光位置検出装置を安価に提供することが可能となる。
【0019】
また、この発明の光位置検出装置は、
リモコン信号光を発光する第1光源、および、光の到来角度を検出する光角度センサを有する送信系と、
上記第1光源から上記リモコン信号光を受光するリモコン受光ユニット、および、互いに一定距離をあけて配置されている第2光源および第3光源を有する受信系と
を備え、
上記光角度センサは、上記第2光源および上記第3光源から信号光を受光して、上記第2光源の上記送信系に対する到来角度、および、上記第3光源の上記送信系に対する到来角度を検出し、
上記送信系は、上記第2光源と上記第3光源との間の上記一定距離、上記第2光源の上記送信系に対する到来角度、および、上記第3光源の上記送信系に対する到来角度に基づいて、上記受信系に対する上記送信系の位置を検出することを特徴としている。
【0020】
この発明の光位置検出装置によれば、上記送信系は、上記第2光源と上記第3光源との間の上記一定距離、上記第2光源の上記送信系に対する到来角度、および、上記第3光源の上記送信系に対する到来角度に基づいて、上記受信系に対する上記送信系の位置を検出するので、従来のように光角度の情報を有するアナログ信号量を長距離伝送する必要もなく、複数のA/D変換器を有する必要もないため、高精度の光位置検出装置を安価に提供することが可能となる。
【0021】
また、一実施形態の光位置検出装置では、上記受信系は、上記第1光源からの上記リモコン信号光を上記リモコン受光ユニットに受光してから、上記第2光源および上記第3光源から信号光を発光する。
【0022】
この実施形態の光位置検出装置によれば、上記受信系は、上記第1光源からの上記リモコン信号光を上記リモコン受光ユニットに受光してから、上記第2光源および上記第3光源から信号光を発光するので、上記第2光源および上記第3光源から、常に、または、所定間隔で、信号光を発光する必要がなく、上記送信系(送信者)の位置を検出したい時に、上記リモコン信号光を発光することで、上記送信系の位置を検出できて、装置の制御を効率よく行うことが可能となる。
【0023】
また、一実施形態の光位置検出装置では、上記受信系は、上記第2光源から信号光を発光してから、上記第3光源から信号光を発光する。
【0024】
この実施形態の光位置検出装置によれば、上記受信系は、上記第2光源から信号光を発光してから、上記第3光源から信号光を発光するので、上記送信系の上記光角度センサは、上記第2光源の信号光および上記第3光源の信号光を順に、検出し、上記光角度センサは、一つで各角度検出が可能となって、装置を安価に構成することができる。
【0025】
また、一実施形態の光位置検出装置では、上記送信系と上記受信系とは、正対している。
【0026】
この実施形態の光位置検出装置によれば、上記送信系と上記受信系とは、正対しているので、上記送信系と上記受信系との角度が決まって、上記送信系の検出精度を向上できる。
【0027】
また、一実施形態の光位置検出装置では、上記送信系は、上記第2光源からの信号光の光強度、および、上記第3光源からの信号光の光強度を検出して、上記第2光源からの信号光の光強度と上記第3光源からの信号光の光強度との比を検出する。
【0028】
この実施形態の光位置検出装置によれば、上記送信系は、上記第2光源からの信号光の光強度、および、上記第3光源からの信号光の光強度を検出して、上記第2光源からの信号光の光強度と上記第3光源からの信号光の光強度との比を検出するので、この光強度の比により、上記送信系の位置情報を補足して、上記送信系の位置を高精度に検出することが可能となる。
【0029】
また、一実施形態の光位置検出装置では、上記第2光源および上記第3光源の少なくともどちらか一方は、発光量を調整する機能を有する。
【0030】
この実施形態の光位置検出装置によれば、上記第2光源および上記第3光源の少なくともどちらか一方は、発光量を調整する機能を有するので、上記光角度センサで検出される上記第2光源の信号光および上記第3光源の信号光の光強度が一定量となるように、上記第2光源および上記第3光源の発光量を制御することで、上記送信系の位置情報を補足して、上記送信系の位置を高精度に検出することが可能となる。
【0031】
また、一実施形態の光位置検出装置では、
上記受信系は、第4光源を有し、
上記光角度センサは、上記第4光源から信号光を受光して、上記第4光源の上記送信系に対する到来角度を検出する。
【0032】
この実施形態の光位置検出装置によれば、上記光角度センサは、上記第4光源から信号光を受光して、上記第4光源の上記送信系に対する到来角度を検出するので、上記第4光源の上記送信系に対する到来角度により、上記送信系の位置情報を補足して、上記送信系の位置を高精度に検出することが可能となる。
【0033】
また、一実施形態の光位置検出装置では、上記受信系は、上記第1光源からの上記リモコン信号光を上記リモコン受光ユニットに受光してから、上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源から信号光を発光する。
【0034】
この実施形態の光位置検出装置によれば、上記受信系は、上記第1光源からの上記リモコン信号光を上記リモコン受光ユニットに受光してから、上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源から信号光を発光するので、上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源から、常に、または、所定間隔で、信号光を発光する必要がなく、上記送信系(送信者)の位置を検出したい時に、上記リモコン信号光を発光することで、上記送信系の位置を検出できて、装置の制御を効率よく行うことが可能となる。
【0035】
また、一実施形態の光位置検出装置では、上記受信系は、順に、上記第2光源から信号光を発光し、上記第3光源から信号光を発光し、上記第4光源から信号光を発光する。
【0036】
この実施形態の光位置検出装置によれば、上記受信系は、順に、上記第2光源から信号光を発光し、上記第3光源から信号光を発光し、上記第4光源から信号光を発光するので、上記送信系の上記光角度センサは、上記第2光源の信号光、上記第3光源の信号光および上記第4光源の信号光を順に、検出し、上記光角度センサは、一つで各角度検出が可能となって、装置を安価に構成することができる。
【0037】
また、一実施形態の光位置検出装置では、
上記光角度センサ、上記第2光源および上記第3光源は、xz平面上に配置され、
上記第2光源および上記第3光源は、x軸上に配置されている。
【0038】
この実施形態の光位置検出装置によれば、上記光角度センサ、上記第2光源および上記第3光源は、xz平面上に配置され、上記第2光源および上記第3光源は、x軸上に配置されているので、上記送信系の位置を高精度に検出することが可能となる。
【0039】
また、一実施形態の光位置検出装置では、
上記光角度センサ、上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源は、xz平面上に配置され、
上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源は、x軸上に配置されている。
【0040】
この実施形態の光位置検出装置によれば、上記光角度センサ、上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源は、xz平面上に配置され、上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源は、x軸上に配置されているので、上記送信系の位置を高精度に検出することが可能となる。
【0041】
また、一実施形態の光位置検出装置では、上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源は、x軸上に等間隔に配置されている。
【0042】
この実施形態の光位置検出装置によれば、上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源は、x軸上に等間隔に配置されているので、上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源の信号光の検出精度は、互いに、同等となって、安定した高精度な上記送信系の位置検出が可能となる。
【0043】
また、一実施形態の光位置検出装置では、
上記光角度センサは、2次元の角度が検出可能なセンサであり、
上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源は、xy平面上に配置されている。
【0044】
この実施形態の光位置検出装置によれば、上記光角度センサは、2次元の角度が検出可能なセンサであり、上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源は、xy平面上に配置されているので、上記送信系の空間内の3次元位置を検出することが可能となる。
【0045】
また、一実施形態の光位置検出装置では、上記第2光源および上記第3光源のそれぞれの信号光は、その変調周波数が互いに異なるように、変調されている。
【0046】
この実施形態の光位置検出装置によれば、上記第2光源および上記第3光源のそれぞれの信号光は、その変調周波数が互いに異なるように、変調されているので、上記光角度センサにおいて、各光源の変調周波数に対するフィルタ回路を有する信号処理回路を設けることにより、各光源からの信号を分離できて、光角度を同時に検出することが可能となり、測定時間を短縮することができる。
【0047】
また、一実施形態の光位置検出装置では、上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源のそれぞれの信号光は、その変調周波数が互いに異なるように、変調されている。
【0048】
この実施形態の光位置検出装置によれば、上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源のそれぞれの信号光は、その変調周波数が互いに異なるように、変調されているので、上記光角度センサにおいて、各光源の変調周波数に対するフィルタ回路を有する信号処理回路を設けることにより、各光源からの信号を分離できて、光角度を同時に検出することが可能となり、測定時間を短縮することができる。
【0049】
また、この発明の電子機器は、上記光位置検出装置を有することを特徴としている。
【0050】
この発明の電子機器によれば、上記光位置検出装置を有するので、上記光位置検出装置により電子機器の運転を制御することにより、さまざまな電子機器の使用方法の応用範囲を拡大することができる。
【0051】
例えば、この電子機器がエアコンである場合、エアコンが、リモコン送信者の位置を検出することにより、リモコン送信者の位置に対して、最適化した室内温度の制御が可能となり、快適な生活空間を提供できるばかりでなく、無駄なスペースの空調を行う必要がなくなるので、省エネを図ることも可能である。
【発明の効果】
【0052】
この発明の光位置検出装置によれば、上記検出系は、上記二つの光源の間の上記一定距離、上記一方の光源の上記検出系に対する到来角度、および、上記他方の光源の上記検出系に対する到来角度に基づいて、上記基準系に対する上記検出系の位置を検出するので、高精度の光位置検出装置を安価に提供することが可能となる。
【0053】
この発明の光位置検出装置によれば、上記送信系は、上記第2光源と上記第3光源との間の上記一定距離、上記第2光源の上記送信系に対する到来角度、および、上記第3光源の上記送信系に対する到来角度に基づいて、上記受信系に対する上記送信系の位置を検出するので、高精度の光位置検出装置を安価に提供することが可能となる。
【0054】
この発明の電子機器によれば、上記光位置検出装置を有するので、上記光位置検出装置により電子機器の運転を制御することにより、さまざまな電子機器の使用方法の応用範囲を拡大することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0056】
(第1の実施形態)
図1は、この発明の光位置検出装置の一実施形態である簡略構成図を示している。この光位置検出装置は、送信系1と受信系2とを有する。なお、図1では、紙面をxz平面とし、上記送信系1と上記受信系2とは、xz平面上に配置されている。
【0057】
上記送信系1は、リモコン送信器10、第1光源11および光角度センサ15を有している。上記受信系2は、リモコン受光ユニット16、第2光源12および第3光源13を有している。上記光角度センサ15、上記第2光源12および上記第3光源13は、xz平面上に配置されている。
【0058】
上記第1光源11、上記第2光源12および上記第3光源13は、それぞれ、LEDとこのLEDの出射光束を所望の指向性にするためのレンズ系とを有する。上記第2光源12および上記第3光源13は、互いに、一定距離Lをあけて、x軸上に配置されている。
【0059】
上記光角度センサ15は、光の到来角度を検出するセンサであり、例えば従来例で示した受光素子である。上記光角度センサ15の中心軸(光軸)は、z軸と平行に配置されている。つまり、上記送信系1と上記受信系2とは、正対している。
【0060】
上記リモコン送信器10は、適当なリモコン信号光R1を上記第1光源11に与えて、この第1光源11よりリモコン信号光R1を発光させるとともに、上記光角度センサ15で検出される光の入射角度を演算する機能を有している。
【0061】
上記リモコン受光ユニット16は、上記第1光源11より発光したリモコン信号光R1を受光してそのコード信号を検出する機能を有している。上記リモコン受光ユニット16は、上記第2光源12と上記第3光源13との間に、位置しているが、特に限定するものではなく、リモコン信号光R1を受光できる位置に配置すればよい。
【0062】
上記光角度センサ15は、上記第2光源12および上記第3光源13から信号光R2,R3を受光して、上記第2光源12の上記送信系1に対する到来角度(第1の角度θ)、および、上記第3光源13の上記送信系1に対する到来角度(第2の角度θ)を検出する。
【0063】
上記送信系1は、上記一定距離L、上記第1の角度θおよび上記第2の角度θに基づいて、上記受信系2に対する上記送信系1の位置を検出する。つまり、上記送信系1は、上記一定距離L、上記第1の角度θおよび上記第2の角度θに基づいた演算により、上記送信系1の位置を検出する演算部を有する。
【0064】
上記受信系2は、上記第1光源11からの上記リモコン信号光R1を上記リモコン受光ユニット16に受光してから、上記第2光源12および上記第3光源13から信号光R2,R3を発光する。
【0065】
上記受信系2は、上記第2光源12から信号光R2を発光してから、上記第3光源13から信号光R3を発光する。
【0066】
次に、上記送信系1の位置を検出するステップを説明する。
【0067】
まず、上記送信系1の上記第1光源11から適当なリモコン信号光R1が出射される。上記リモコン受光ユニット16は、この信号光R1を検出して、上記第2光源12に適当な角度信号光R2を出射させる。
【0068】
上記受光系2と上記送信系1とが正対しているとき、図1に示すように、角度信号光R2は、上記送信系1に対して上記第1の角度θ2で入射し、上記光角度センサ15は、上記第1の角度θ2を検出する。上記第1の角度θは、上記角度信号光R2と上記光角度センサ15の光軸とのなす角度である。
【0069】
続いて、上記リモコン受光ユニット16は、上記第3光源13に適当な角度信号光R3を出射させる。上記角度信号光R2の時と同様に、上記光角度センサ15は、角度信号光R3の入射角を検出して上記第2の角度θ3を得る。上記第2の角度θは、上記角度信号光R3と上記光角度センサ15の光軸とのなす角度である。
【0070】
要するに、光位置検出方法は、上記第1光源11よりリモコン信号光R1を発する第1ステップと、上記リモコン受光ユニット16が上記リモコン信号光R1を検出する第2ステップと、上記検出されたリモコン信号光R1に基づいて上記第2光源12より角度信号光R2を発する第3ステップと、上記角度信号光R2を上記光角度センサ15で検出する第4ステップと、上記角度信号光R2に続いて上記第3光源13より角度信号光R3を発する第5ステップと、上記角度信号光R3を上記光角度センサ15で検出する第6ステップとを有する。
【0071】
上記第2光源12と上記第3光源13との間の上記一定距離Lは、既知であるため、上記リモコン送信器10は、上記一定距離L、上記第1の角度θ2および上記第2の角度θ3から、自身の位置を演算できる。
【0072】
簡単のために、上記第2光源12と上記第3光源13の中点を原点として、図1を簡略化した座標関係を図2に示す。図2より、リモコン送信器の位置(X,Z)は以下の式で求めることができる。
(式1)



【0073】
従来例と同様に、位置検出精度を向上させるには、上記第2光源12と上記第3光源13との間の上記一定距離Lを大きくする必要があるが、本発明の構成によれば、光源までをつなぐラインを伝送するのは発光波形を決める信号であり、適当な矩形波や正弦波もしくはDC信号であるため、従来例のように検出した角度信号のアナログ量を長距離伝送する必要はないため、高精度の位置検出が可能となる。また、上記一定距離Lの間隔を配置して設置されるのはLED等の光源であるため、電源ラインを引き回す必要もない。これに対して、従来例では、一定距離だけ離れて受信系が配置されるため、信号処理のための回路(電源要)がそれぞれ必要となってしまう。
【0074】
図1では、上記受信系2は、電子機器本体3に搭載されている。つまり、電子機器は、上記光検出装置を有する。上述のようにして上記送信系1で検出された位置情報は、上記送信系1で位置情報を含んだリモコン信号光に変換されて、再度、上記第1光源11より上記受信系2に向かって出射される。
【0075】
上記リモコン受光ユニット16は、この位置情報を含んだリモコン信号光を検出して上記電子機器本体3を好適な運転状態へと制御する。このようなケースとして、電子機器は、例えば、エアコンや暖房機器、扇風機などの空調機器であり、リモコンの操作者の位置を検出してその位置に向かって最適な空調を行うことが可能となる。
【0076】
また、別の例として、電子機器は、5.1chサラウンドシステム等の音響機器であり、リモコン操作者の位置を検出して最適な音場空間を作ることが可能となる。
【0077】
さらに、別の例として、電子機器はカメラ等の撮像機器であり、リモコン操作者の位置を検出することにより、自動でカメラの方向とフォーカスを調整することができ、従来撮影者が撮像範囲とフォーカスを設定してから行うリモコン撮影の利便性を大きく向上させることが可能となる。
【0078】
図3は、上記電子機器本体3に、上記送信系1が搭載された例を示しており、上述のようにして検出された位置情報は、直接、上記電子機器本体3へ送られて、その運転状態を制御する。このようなケースとして、電子機器は、例えば、自走式のロボットやアミューズメント系ロボットであり、壁等に設置された受信系によりロボットの可動範囲の座標が決定されるので、自身の位置を確認しながら動き回ることが可能となる。
【0079】
以上に示した電子機器の例は、以後の実施の形態においても同様に適用が可能であり、以後の実施の形態の説明においては説明を省略する。
【0080】
図1では、上記送信系1が上記受信系2に対して正対している(つまり、上記光角度センサ15の中心軸がz軸に平行である)ことが、位置情報を検出するための必要条件であるが、リモコン操作者は、上記受信系2に対して正対して操作を行うとは限らず、その利用範囲を制限する要因となる。
【0081】
図4は、上記送信系1が任意の角度θ1だけ傾いた時の座標系を示す図であり、図中に示すように、上記光角度センサ15の中心軸が、角度θ1だけ傾いている。図4の座標系を簡単に説明すると、A点、B点には、それぞれ、上記第2光源12および上記第3光源13が位置し、これらはx軸上にある。
【0082】
また、A点とB点との間の中点を原点Oとし、C点に、上記光角度センサ15がある。上記光角度センサ15の中心軸は、上記受信系2に対して角度θ1だけ傾いているので、上記光角度センサ15の中心軸が、x軸と交差する点をD点とする。また、上記第2光源12から上記光角度センサ15へ入射する光束の入射角を角度θ2、上記第3光源13から上記光角度センサ15へ入射する光束の入射角を角度θ3とする。
【0083】
図4の座標系で、
(式2)
∠ADC=90°+θ
∠BDC=90°−θ
となるため、∠DACおよび∠DBCは以下のように記述することができる。
(式3)
∠DAC=90°−θ−θ
∠DBC=90°−θ+θ
よって、上式で表される角度は直線の傾きであるため、直線ACおよび直線BCは以下の式で表すことができる。
(式4)



両式の交点がC点の座標を表すので、上式にC(X,Z)を代入してX,Zについて計算すると、
(式5)



【0084】
上式から明らかなように、上記光角度センサ15で角度θ2と角度θ3の両入射角を検出しても、送信系の位置を特定できず、送信系の傾き角度θ1を検出する必要があることがわかる。
【0085】
上記送信系1の傾き角度θは、検出点Cにおいて、上記第2光源12および上記第3光源13からの受光強度の比を検出することにより可能となる。つまり、上記送信系1は、上記第2光源12からの信号光R2の光強度、および、上記第3光源13からの信号光R3の光強度を検出して、上記第2光源12からの信号光R2の光強度と上記第3光源13からの信号光R3の光強度との比を検出する。
【0086】
以下、詳細に説明する。3平方の定理より、線分ACおよび線分BCの長さをlaおよびlbとすると、
(式6)



と表すことができる。一般に、光強度は距離の2乗に反比例して減少するので、C点における受光強度は比例定数をk、光源Aからの受光強度をPa、光源Bからの受光強度をPbとするとき、
(式7)



となる。両受光強度の比:Pb/Paを(式5)から(式7)を用いて計算すると、以下のようになる。
(式8)

【0087】
上式において、受光強度の比(Pb/Pa)、各光源からの入射角(θ、θ)は測定値であるため、未知数は送信系の傾きであるθのみとなり、上式よりθを検出し、(式5)に適用することにより、送信系の位置(C点)を検出することが可能となる。
【0088】
なお、上記送信系1において上記第2光源12と上記第3光源13からの受光強度を検出する例を示したが、上記第2光源12や上記第3光源13からの受光強度が同じ、または、一定比となるように、上記第2光源12および上記第3光源13の発光強度を制御するようにしてもよく、発光強度は、発光素子に作用させる電流強度に関係するため、発光量を制御しても(式8)と同様の考え方で傾斜角度θを検出することが可能である。上記第2光源12および上記第3光源13の少なくともどちらか一方は、発光量を調整する機能を有する。
【0089】
上記構成の光位置検出装置によれば、上記送信系1は、上記第2光源12と上記第3光源13との間の上記一定距離L、上記第2光源12の上記送信系1に対する到来角度θ、および、上記第3光源13の上記送信系1に対する到来角度θに基づいて、上記受信系2に対する上記送信系1の位置を検出するので、従来のように光角度の情報を有するアナログ信号量を長距離伝送する必要もなく、複数のA/D変換器を有する必要もないため、高精度の光位置検出装置を安価に提供することが可能となる。
【0090】
また、上記受信系2は、上記第1光源からの上記リモコン信号光R1を上記リモコン受光ユニット16に受光してから、上記第2光源12および上記第3光源13から信号光R2,R3を発光するので、上記第2光源12および上記第3光源13から、常に、または、所定間隔で、信号光R2,R3を発光する必要がなく、上記送信系1(送信者)の位置を検出したい時に、上記リモコン信号光R1を発光することで、上記送信系1の位置を検出できて、装置の制御を効率よく行うことが可能となる。
【0091】
また、上記受信系2は、上記第2光源12から信号光R2を発光してから、上記第3光源13から信号光R3を発光するので、上記送信系1の上記光角度センサ15は、上記第2光源12の信号光R2および上記第3光源13の信号光R3を順に、検出し、上記光角度センサ15は、一つで各角度検出が可能となって、装置を安価に構成することができる。
【0092】
また、上記送信系1と上記受信系2とは、正対しているので、上記送信系1と上記受信系2との角度が決まって、上記送信系1の検出精度を向上できる。
【0093】
また、上記送信系1は、上記第2光源12からの信号光R2の光強度、および、上記第3光源13からの信号光R3の光強度を検出して、上記第2光源12からの信号光R2の光強度と上記第3光源13からの信号光R3の光強度との比を検出するので、この光強度の比により、上記送信系1の位置情報を補足して、上記送信系1の位置を高精度に検出することが可能となる。
【0094】
また、上記第2光源12および上記第3光源13の少なくともどちらか一方は、発光量を調整する機能を有するので、上記光角度センサ15で検出される上記第2光源12の信号光R2および上記第3光源13の信号光R3の光強度が一定量となるように、上記第2光源12および上記第3光源13の発光量を制御することで、上記送信系1の位置情報を補足して、上記送信系1の位置を高精度に検出することが可能となる。
【0095】
また、上記光角度センサ15、上記第2光源12および上記第3光源13は、xz平面上に配置され、上記第2光源12および上記第3光源13は、x軸上に配置されているので、上記送信系1の位置を高精度に検出することが可能となる。
【0096】
また、上記構成の電子機器によれば、上記光位置検出装置を有するので、上記光位置検出装置により電子機器の運転を制御することにより、さまざまな電子機器の使用方法の応用範囲を拡大することができる。例えば、この電子機器がエアコンである場合、エアコンが、リモコン送信者の位置を検出することにより、リモコン送信者の位置に対して、最適化した室内温度の制御が可能となり、快適な生活空間を提供できるばかりでなく、無駄なスペースの空調を行う必要がなくなるので、省エネを図ることも可能である。
【0097】
(第2の実施形態)
図5は、この発明の光位置検出装置の第2の実施形態を示している。上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第2の実施形態では、受信系22は、第4光源14を有している。なお、その他の構造は、上記第1の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0098】
光角度センサ15は、上記第4光源14から信号光を受光して、上記第4光源14の送信系21に対する到来角度(第3の角度θ)を検出する。
【0099】
上記受信系22は、第1光源11からのリモコン信号光をリモコン受光ユニット16(図1参照)に受光してから、第2光源12、第3光源13および上記第4光源14から信号光を発光する。つまり、上記受信系22は、順に、上記第2光源12から信号光を発光し、上記第3光源13から信号光を発光し、上記第4光源14から信号光を発光する。
【0100】
上記光角度センサ15、上記第2光源12、上記第3光源13および上記第4光源14は、xz平面上に配置され、上記第2光源12、上記第3光源13および上記第4光源14は、x軸上に配置されている。上記第2光源12、上記第3光源13および上記第4光源14は、x軸上に等間隔に配置されている。
【0101】
図5は、座標系および各素子の配置を示す図であり、原点Oの位置に、上記第4光源14が配置されている。本実施形態では、上記送信系21からリモコン信号光を出射してから上記第3光源13からの入射角を検出するまでは、上記第1の実施形態と同じであるが、その後、上記第4光源14から角度信号光R4が出射され、上記光角度センサ15において、上記第4光源14からの入射角θを得る。なお、この入射角θは、上記角度信号光R4と上記光角度センサ15の光軸とのなす角度である。
【0102】
要するに、光位置検出方法は、図1と図5に示すように、上記第1光源11よりリモコン信号光R1を発する第1ステップと、上記リモコン受光ユニット16が上記リモコン信号光R1を検出する第2ステップと、上記検出されたリモコン信号光R1に基づいて上記第2光源12より角度信号光R2を発する第3ステップと、上記角度信号光R2を上記光角度センサ15で検出する第4ステップと、上記角度信号光R2に続いて上記第3光源13より角度信号光R3を発する第5ステップと、上記角度信号光R3を上記光角度センサ15で検出する第6ステップと、上記角度信号光R3に続いて上記第4光源14より角度信号光R4を発する第7ステップと、上記角度信号光R4を上記光角度センサ15で検出する第8ステップとを有する。
【0103】
図5から∠BOCは、
(式9)
∠BOC=90°−θ+θ
となるので、直線OCを表す式は以下のようになる。
(式10)

直線OC上にC点の座標(X,Z)を代入し、(式5)と連立させると、以下を得る。
(式11)

上式において、θとθ、θはそれぞれ測定値であるので未知数はθのみとなるため、θを得ることができる。このようにして得られた各θの値を(式5)に代入して演算することにより、上記送信系21の位置(X,Z)を検出することができる。
【0104】
図5では、上記第4光源14を座標系の原点に配置したときの例を示したが、上記第4光源14の位置は、これに限定されるものではないが、電子機器の形状等の都合で、上記第4光源14を原点に配置できず、原点以外に配置された場合、検出された各入射角度から位置を演算する過程が複雑になるため、できるだけ原点に配置することが望ましい。
【0105】
上記構成の光位置検出装置によれば、上記光角度センサ15は、上記第4光源14から信号光R4を受光して、上記第4光源14の上記送信系21に対する到来角度θを検出するので、上記第4光源14の上記送信系21に対する到来角度θにより、上記送信系21の位置情報を補足して、上記送信系21の位置を高精度に検出することが可能となる。
【0106】
また、上記受信系22は、上記第1光源11からの上記リモコン信号光を上記リモコン受光ユニット16に受光してから、上記第2光源12、上記第3光源13および上記第4光源14から信号光を発光するので、上記第2光源12、上記第3光源13および上記第4光源14から、常に、または、所定間隔で、信号光を発光する必要がなく、上記送信系21(送信者)の位置を検出したい時に、上記リモコン信号光を発光することで、上記送信系21の位置を検出できて、装置の制御を効率よく行うことが可能となる。
【0107】
また、上記受信系22は、順に、上記第2光源12から信号光を発光し、上記第3光源13から信号光を発光し、上記第4光源14から信号光を発光するので、上記送信系21の上記光角度センサ15は、上記第2光源12の信号光、上記第3光源13の信号光および上記第4光源14の信号光を順に、検出し、上記光角度センサ15は、一つで各角度検出が可能となって、装置を安価に構成することができる。
【0108】
また、上記光角度センサ15、上記第2光源12、上記第3光源13および上記第4光源14は、xz平面上に配置され、上記第2光源12、上記第3光源13および上記第4光源14は、x軸上に配置されているので、上記送信系21の位置を高精度に検出することが可能となる。
【0109】
また、上記第2光源12、上記第3光源13および上記第4光源14は、x軸上に等間隔に配置されているので、上記第2光源12、上記第3光源13および上記第4光源14の信号光の検出精度は、互いに、同等となって、安定した高精度な上記送信系21の位置検出が可能となる。
【0110】
(第3の実施形態)
図6は、この発明の光位置検出装置の第3の実施形態を示している。上記第2の実施形態と相違する点を説明すると、この第3の実施形態では、光角度センサ25は、2次元の角度が検出可能なセンサであり、第2光源12、第3光源13および第4光源14は、xy平面上に配置されている。なお、その他の構造は、上記第2の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0111】
図6は、座標系および各素子の配置を示す図であり、図5と比べて新たに座標軸yが加わっている。上記第2光源12や上記第3光源13については、上記第2の実施形態と同様に、A点(-Lx/2,0,0)およびB点(Lx/2,0,0)に配置される。
【0112】
上記第4光源14は、x軸上以外であれば原理上問題はないが、計算の簡単のためxy平面上であるy軸上のE点(0,-Ly,0)に配置される。送信系31の上記光角度センサ25は、任意のC点(X,Y,Z)に位置し、任意の方向を向いて操作者はリモコン信号光をリモコン送信器から出射する。
【0113】
ここで、図7に示すように、上記光角度センサ25が原点に位置し、P点に光源があるとき、xz平面に投影して得られるQ点の角度θと、yz平面に投影して得られるR点の角度φとの2つの角度を、上記光角度センサ25にて、検出可能である。
【0114】
図8に、上記光角度センサ25として2次元角度検出が可能な受光素子構造を、従来例を参照して、例示する。図8に示すように、受光面上に適当なスリットS(もしくは遮光材)を配置し、光の入射方向により受光面上にできるハッチングにて示す光スポットP(もしくは影)により、各受光エリアZ1,Z2,Z3,Z4の出力強度が変化するので、これらを検出することにより、図7に示すような光の到来角度を、2次元で検出することができる。なお、図8では紙面上方の1時半の方向から光が入射している。
【0115】
図6では、上記光角度センサ25の中心軸(図7のz軸)がx軸に対して角度θ1、y軸に対して角度φ1だけ傾いている。この状態において、xz平面に対して図6を投影すると、図5と全く同じになり、xz平面内の位置(X,Z)については、(式5)や(式11)を用いて位置を検出できる。さらに、yz平面に対して図6を投影すると図9のようになる。図9に示すように、上記光角度センサ25の中心軸は、y軸に対して角度φだけ傾いているため、直線OCおよび直線ECは、
(式12)



と表すことができる。C点のx座標(=X)とz座標(=Z)は上記のように図5から既に検出されており、φとφは測定値、Lyは既定値であるので、(式12)に(式5)のZ値を代入して未知数であるφを消去して整理すると、(式13)のようにYに関する2次式となる。
(式13)

上式を解いてY座標を得ることができる。
【0116】
以上のようにして、上記送信系31(上記光角度センサ25)が任意に傾いた場合でも、その空間位置を検出することができる。つまり、上記受信系32に対する上記送信系31の位置を検出できる。
【0117】
(第4の実施形態)
図10は、この発明の光位置検出装置の第4の実施形態を示している。上記第1の実施形態と相違する点を説明すると、この第4の実施形態では、上記第1の実施形態(図1)の第1光源11およびリモコン受光ユニット16がない。なお、その他の構造は、上記第1の実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0118】
この第4の実施形態の光位置検出装置は、検出系としての送信系41と、基準系としての受信系42とを有する。上記送信系41は、光の到来角度を検出する光角度センサ15を有する。上記受信系42は、互いに一定距離をあけて配置されている二つの光源(つまり、第2光源12および第3光源13)を有する。
【0119】
上記光角度センサ15は、上記二つの光源12,13のそれぞれから信号光を受光して、一方の上記光源(上記第2光源12)の上記送信系41に対する到来角度、および、他方の上記光源(上記第3光源13)の上記送信系41に対する到来角度を検出する。
【0120】
上記送信系41は、上記第2光源12と上記第3光源13との間の上記一定距離、上記第2光源12の上記送信系41に対する到来角度、および、上記第3光源13の上記送信系41に対する到来角度に基づいて、上記受信系42に対する上記送信系41の位置を検出する。
【0121】
つまり、上記第1の実施形態(図1)では、上記送信系1(リモコン)からの信号を上記受信系2が受けてから、上記受信系2に対する上記送信系1の位置を検出するように動作しているが、この第4の実施形態(図10)では、例えば、電子機器本体3に搭載されたスイッチ等により上記第2光源12および上記第3光源13を発光させて、上記送信系41(リモコン)の位置を測定したり、定期的に上記第2光源12および上記第3光源13を発光させて、上記送信系41(リモコン)の位置をモニタする。
【0122】
そして、この第4の実施形態の光位置検出方法は、上記第1の実施形態(図1)の光位置検出方法と比べて、第1光源11からリモコン信号光R1をリモコン受光ユニット16に発するステップがない以外は、同じステップを有する。
【0123】
したがって、上記検出系は、上記二つの光源の間の上記一定距離、上記一方の光源の上記検出系に対する到来角度、および、上記他方の光源の上記検出系に対する到来角度に基づいて、上記基準系に対する上記検出系の位置を検出するので、従来のように光角度の情報を有するアナログ信号量を長距離伝送する必要もなく、複数のA/D変換器を有する必要もないため、高精度の光位置検出装置を安価に提供することが可能となる。
【0124】
なお、この発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記第1〜上記第3の実施形態において、位置の検出方法として、上記第2光源12、上記第3光源13および上記第4光源14を時間的に順番に動作させて、角度を一つずつ検出する方法を例示したが、高速動作が求められる場合は、上記第2光源12、上記第3光源13および上記第4光源14から出射される角度信号光を互いに異なる周波数で変調させて同時に発光させる。そして、上記光角度センサ15,25の信号処理回路には、それらの変調周波数に合わせたフィルタ回路を内蔵することにより、周波数が混合した受光信号から各光源の情報に分離して角度を検出することが可能となる。また、電子機器に、上記第1〜上記第4実施形態の何れか一つの光位置検出装置を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の光位置検出装置の第1実施形態を示す簡略構成図である。
【図2】図1の光位置検出装置の座標系を示す説明図である。
【図3】光位置検出装置の別の構成を示す簡略構成図である。
【図4】図3の光位置検出装置の座標系を示す説明図である。
【図5】本発明の光位置検出装置の第2実施形態を示すと共に座標系を示す説明図である。
【図6】本発明の光位置検出装置の第3実施形態を示すと共に座標系を示す説明図である。
【図7】2次元の光角度センサを説明する説明図である。
【図8】2次元の光角度センサの構造を示す簡略構成図である。
【図9】図6の光位置検出装置のyz平面への投影図である。
【図10】本発明の光位置検出装置の第4実施形態を示す簡略構成図である。
【符号の説明】
【0126】
1 送信系
2 受信系
3 電子機器本体
10 リモコン送信器
11 第1光源
12 第2光源
13 第3光源
14 第4光源
15 光角度センサ
16 リモコン受光ユニット
21 送信系
22 受信系
25 光角度センサ
31 送信系
32 受信系
41 送信系(検出系)
42 受信系(基準系)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の到来角度を検出する光角度センサを有する検出系と、
互いに一定距離をあけて配置されている二つの光源を有する基準系と
を備え、
上記光角度センサは、上記二つの光源のそれぞれから信号光を受光して、一方の上記光源の上記検出系に対する到来角度、および、他方の上記光源の上記検出系に対する到来角度を検出し、
上記検出系は、上記二つの光源の間の上記一定距離、上記一方の光源の上記検出系に対する到来角度、および、上記他方の光源の上記検出系に対する到来角度に基づいて、上記基準系に対する上記検出系の位置を検出することを特徴とする光位置検出装置。
【請求項2】
リモコン信号光を発光する第1光源、および、光の到来角度を検出する光角度センサを有する送信系と、
上記第1光源から上記リモコン信号光を受光するリモコン受光ユニット、および、互いに一定距離をあけて配置されている第2光源および第3光源を有する受信系と
を備え、
上記光角度センサは、上記第2光源および上記第3光源から信号光を受光して、上記第2光源の上記送信系に対する到来角度、および、上記第3光源の上記送信系に対する到来角度を検出し、
上記送信系は、上記第2光源と上記第3光源との間の上記一定距離、上記第2光源の上記送信系に対する到来角度、および、上記第3光源の上記送信系に対する到来角度に基づいて、上記受信系に対する上記送信系の位置を検出することを特徴とする光位置検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の光位置検出装置において、
上記受信系は、上記第1光源からの上記リモコン信号光を上記リモコン受光ユニットに受光してから、上記第2光源および上記第3光源から信号光を発光することを特徴とする光位置検出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の光位置検出装置において、
上記受信系は、上記第2光源から信号光を発光してから、上記第3光源から信号光を発光することを特徴とする光位置検出装置。
【請求項5】
請求項2に記載の光位置検出装置において、
上記送信系と上記受信系とは、正対していることを特徴とする光位置検出装置。
【請求項6】
請求項2に記載の光位置検出装置において、
上記送信系は、上記第2光源からの信号光の光強度、および、上記第3光源からの信号光の光強度を検出して、上記第2光源からの信号光の光強度と上記第3光源からの信号光の光強度との比を検出することを特徴とする光位置検出装置。
【請求項7】
請求項2に記載の光位置検出装置において、
上記第2光源および上記第3光源の少なくともどちらか一方は、発光量を調整する機能を有することを特徴とする光位置検出装置。
【請求項8】
請求項2に記載の光位置検出装置において、
上記受信系は、第4光源を有し、
上記光角度センサは、上記第4光源から信号光を受光して、上記第4光源の上記送信系に対する到来角度を検出することを特徴とする光位置検出装置。
【請求項9】
請求項8に記載の光位置検出装置において、
上記受信系は、上記第1光源からの上記リモコン信号光を上記リモコン受光ユニットに受光してから、上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源から信号光を発光することを特徴とする光位置検出装置。
【請求項10】
請求項9に記載の光位置検出装置において、
上記受信系は、順に、上記第2光源から信号光を発光し、上記第3光源から信号光を発光し、上記第4光源から信号光を発光することを特徴とする光位置検出装置。
【請求項11】
請求項2に記載の光位置検出装置において、
上記光角度センサ、上記第2光源および上記第3光源は、xz平面上に配置され、
上記第2光源および上記第3光源は、x軸上に配置されていることを特徴とする光位置検出装置。
【請求項12】
請求項8に記載の光位置検出装置において、
上記光角度センサ、上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源は、xz平面上に配置され、
上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源は、x軸上に配置されていることを特徴とする光位置検出装置。
【請求項13】
請求項12に記載の光位置検出装置において、
上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源は、x軸上に等間隔に配置されていることを特徴とする光位置検出装置。
【請求項14】
請求項8に記載の光位置検出装置において、
上記光角度センサは、2次元の角度が検出可能なセンサであり、
上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源は、xy平面上に配置されていることを特徴とする光位置検出装置。
【請求項15】
請求項2に記載の光位置検出装置において、
上記第2光源および上記第3光源のそれぞれの信号光は、その変調周波数が互いに異なるように、変調されていることを特徴とする光位置検出装置。
【請求項16】
請求項8に記載の光位置検出装置において、
上記第2光源、上記第3光源および上記第4光源のそれぞれの信号光は、その変調周波数が互いに異なるように、変調されていることを特徴とする光位置検出装置。
【請求項17】
請求項1または2に記載の光位置検出装置を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−267898(P2008−267898A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109219(P2007−109219)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】