説明

光信号分岐装置、光信号分岐システム、および光信号分岐方法

【課題】
OADM機能を備える通信機器の耐障害性を高め、伝送品質の劣化を防止すること。
【解決手段】
本発明による光信号分岐装置は、ネットワークを介して端局装置と接続する光信号分岐装置であって、前記端局装置から受信した第1の入力信号を帯域ごとに分波し、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第1の出力信号として出力する第1の信号帯域制御部と、前記端局装置から受信した第2の入力信号を帯域ごとに分波し、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第2の出力信号として出力する第2の信号帯域制御部と、前記第1の出力信号と前記第2の出力信号とを合波する合波部と、前記分波した第1の入力信号の帯域のうち、いずれかが消失した場合に、前記端局装置からの指示に応じて、前記消失した帯域に対応する前記第2の入力信号の帯域が透過するように前記第2の信号帯域制御部を制御する透過制御部と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号を用いて通信を行うネットワーク上の光信号分岐装置、および光信号分岐装置に関連する光信号分岐システム、光信号分岐方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のネットワーク通信の拡大により、海洋を跨ぐ通信インフラである海底ケーブル網の需要は高まっており、通信の高速化や耐障害性の確保が強く望まれている。
【0003】
ここで、陸上の光ネットワーク通信で用いる通信機器として、OADM(Optical Add/Drop Multiplexing)機能を有するものがある。OADMでは、光信号を挿入(Add)または分岐(Drop)する際に、光信号を電気信号に変えることなく取り扱う、光スイッチを採用している。
【0004】
このOADM機能を備える通信機器を海底ケーブル網内に設置することが、近年検討されている。
【0005】
一般的に、OADM機能を有する海底ケーブルシステムにおいて、ケーブル断が発生した場合、本来挿入されるべき信号が消失し、後段の光中継器に入力される信号数が減少する。海底ケーブルシステムに適用されている光中継器の出力パワーはその入力パワーによらずほぼ一定であるため、信号数が減少することで信号単位当たりのパワーが増加する。その結果、非線形光学効果による信号特性劣化が発生し、場合によっては通信不能状態に陥る。
【0006】
上記のような課題を解決する技術としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されている技術が存在する。
【0007】
特許文献1には、信号断が発生すると、光スイッチ制御回路がこれを検知して、ループバック用光スイッチが切り替わり、光分岐スイッチから分岐された信号をそのままループバックして、光挿入用スイッチに挿入するという技術が記載されている。
【0008】
特許文献2には、端局装置からの警報情報をもとに、消失した信号に対応するダミー光を挿入することによって伝送品質の劣化を防ぐという技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−180417号公報
【特許文献2】特開2010−226167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
海底ケーブルシステムにおいては、OADM装置を海底に敷設するために、故障率を極めて低くすることが強く求められている。
【0011】
しかしながら、特許文献1では、OADM装置内にループバック回路を使用しているために、装置内における部品点数が多くなり、その結果として、OADM装置の故障率が上昇してしまうという課題があった。
【0012】
また、特許文献2では、消失した信号に対応するダミー光の挿入により信号レベルを補償しているが、障害により消失する波長数が多く、生存している波長数が極めて少ない場合には、信号レベルの伝送品質劣化を防ぐことができないという課題があった。
【0013】
本発明の目的は、上述した課題を解決することが可能な、光信号分岐装置、光信号分岐システム、光信号分岐方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による光信号分岐装置は、ネットワークを介して端局装置と接続する光信号分岐装置であって、前記端局装置から受信した第1の入力信号を帯域ごとに分波し、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第1の出力信号として出力する第1の信号帯域制御部と、前記端局装置から受信した第2の入力信号を帯域ごとに分波し、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第2の出力信号として出力する第2の信号帯域制御部と、前記第1の出力信号と前記第2の出力信号とを合波する合波部と、前記分波した第1の入力信号の帯域のうち、いずれかが消失した場合に、前記端局装置からの指示に応じて、前記消失した帯域に対応する前記第2の入力信号の帯域が透過するように前記第2の信号帯域制御部を制御する透過制御部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明による光信号分岐システムは、ネットワークと、前記ネットワークを介して接続する端局装置と、光信号分岐装置とを備え、前記光信号分岐装置は、前記端局装置から受信した第1の入力信号を帯域ごとに分波し、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第1の出力信号として出力する第1の信号帯域制御部と、前記端局装置から受信した第2の入力信号を帯域ごとに分波し、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第2の出力信号として出力する第2の信号帯域制御部と、前記第1の出力信号と、前記第2の出力信号とを合波する合波器と、前記分波した第1の入力信号のうち、いずれかが消失した場合に、前記端局装置からの指示に応じて、前記消失した帯域に対応する前記第2の入力信号の帯域が透過するように、前記第2の信号帯域制御部を制御する透過制御部と、を備え、前記端局装置は、前記ネットワーク上の障害を監視する監視部と、前記ネットワーク上の障害が検知された場合に、前記光信号分岐装置に対して、前記障害によって消失した前記第1の入力信号の帯域に対応する前記第2の入力信号の帯域が透過するよう指示する制御信号を生成する制御信号生成部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明による光信号分岐方法は、ネットワークを介して光信号分岐装置と接続する端局装置から受信した第1の入力信号を帯域ごとに分波するステップと、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第1の出力信号として出力するステップと、前記端局装置から受信した第2の入力信号を帯域ごとに分波するステップと、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第2の出力信号として出力するステップと、前記第1の出力信号と、前記第2の出力信号とを合波するステップと、前記分波した第1の入力信号の帯域のうち、いずれかが消失した場合に、前記端局装置からの指示に応じて、前記消失した帯域に対応する前記第2の入力信号の帯域が透過するように、前記第2の入力信号を制御するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、OADM機能を備える通信機器の耐故障性を高め、ケーブルに故障が起こった場合にでも、伝送品質の劣化を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態1による光信号分岐装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態1による動作の流れを示すフローチャートである。
【図3】実施形態2による光信号分岐システムの構成を示すブロック図である。
【図4】実施形態2による光アド/ドロップ回路の構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態2による陸揚局の構成を示すブロック図である。
【図6】実施形態2による障害区間特定の様子を示したブロック図である。
【図7】実施形態2による障害区間特定テーブルを示した図である。
【図8】実施形態2による信号帯域の透過・遮断の様子を説明する図である。
【図9】実施形態2による信号帯域の透過・遮断の様子を説明する図である。
【図10】実施形態2による帯域分波器の構成を示すブロック図である。
【図11】実施形態2による動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明による実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
<実施形態1>
まず、本発明の実施形態1について、詳細に説明する。
【0021】
(構成)
図1は、実施形態1による光信号分岐装置100の構成を示したブロック図である。
【0022】
図1によれば、光信号分岐装置100は、信号帯域制御部101、信号帯域制御部102、合波部103、透過制御部104を含んで構成されている。
【0023】
(動作)
図2は、実施形態1による動作の流れを示したフローチャートである。
【0024】
まず、光信号分岐装置100は、ステップS1およびステップS2と、ステップS3およびステップS4とを並行して行う。
【0025】
信号帯域制御部101は、ネットワークを介して光信号分岐装置100と接続する端局装置(図示せず)から第1の入力信号を受信すると、第1の入力信号を帯域ごとに分波する(ステップS1)。
【0026】
次に、信号帯域制御部101は、ステップS1で分波した帯域のうち、透過した帯域を合波して第1の出力信号として出力する(ステップS2)。
【0027】
ステップS1およびステップS2と並行して、信号帯域制御部102は、端局装置(図示せず)から第2の入力信号を受信すると、ブランチ信号の分波を行う(ステップS3)。
【0028】
次に、信号帯域制御部102は、ステップS3で分波した帯域のうち、透過した帯域を合波して第2の出力信号として出力する(ステップS4)。
【0029】
ステップS1〜S4が終了すると、合波器103は、ステップS2で出力した第1の出力信号と、ステップS4で出力した第2の出力信号とを合波する(ステップS5)。
【0030】
このようにして合波された光信号が、光信号分岐装置100の外部へ出力される。
【0031】
続いて、透過制御部108は、第1の入力信号のいずれかの帯域が消失している場合(ステップS6:YES)に、以下の動作を行う。透過制御部108は、端局装置からの指示に応じて、消失した帯域に対応する第2の出力信号の帯域が透過するように、第2の入力信号を制御し、再度信号の透過と合波を行う(ステップS7)。
【0032】
(効果)
実施形態1によれば、2種類の信号に対して、それぞれ分波・合波を行い、第1の入力信号のうち、いずれかの帯域が消失した場合には、消失した信号が透過するように、第2の入力信号を制御している。
【0033】
この構成により、第1の信号が消失した場合であっても、第2の信号を透過させ、合波することにより、光信号分岐装置の耐障害性を高めることが可能となる。
【0034】
さらに、第1の信号が消失した場合に、消失した第1の信号に対応する第2の信号を透過させることにより、伝送品質の劣化を防止することが可能となる。
【0035】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について、詳細に説明する。
【0036】
(光信号分岐システムの構成)
図3は、実施形態2による光信号分岐システムの構成を示すブロック図である。
【0037】
図3によれば、実施形態2による光信号分岐システムは、陸揚局301、陸揚局303とを伝送路310を介して接続するネットワークから構成される。陸揚局301および陸揚局303は端局(トランク局)である。また、図3の光信号分岐システムは、光アド/ドロップ分岐装置300を備えており、光アド/ドロップ分岐装置300から信号が分岐され、ブランチ局である陸揚局302と接続される。なお、陸揚局301と陸揚局303とは、双方向に通信可能であるが、以降、特に説明のない場合には、陸揚局301から陸揚局303に対する通信(図3の「上り回線」)について説明する。
【0038】
また、図3の光信号分岐システムのネットワークは、光中継器304、光中継器305、光中継器306、光中継器307、光中継器308、光中継器309によって中継される。
【0039】
光アド/ドロップ分岐装置300は、陸揚局301から送られる光信号および陸揚局302から送られる光信号の2つの光信号をアド/ドロップし、対向局である陸揚局303に対してアド/ドロップした光信号を送出する。
【0040】
このとき、光アド/ドロップ分岐装置300内の光アド/ドロップ回路200において、トランク信号とブランチ信号の透過と分岐が行われる。より具体的には、光アド/ドロップ回路200は、陸揚局301からのトランク信号を受信すると、トランク信号は陸揚局303に向けて透過される。一方、ドロップ信号は、陸揚局303に向けては透過されず、ブランチ局である陸揚局302に向けて分岐される。また、ブランチ局である陸揚局302からアド信号が送られてきた場合には、アド信号を透過されたトランク信号と合波する。その後、合波された信号を、陸揚局303へ送出する。
【0041】
(光アド/ドロップ回路)
次に、光アド/ドロップ回路200について、詳細に説明する。図4は、光アド/ドロップ回路200の詳細構成を示したブロック図である。
【0042】
図4によれば、光アド/ドロップ回路200は、信号帯域制御部2001、信号帯域制御部2002、合波器207、透過制御部208を含んで構成されている。また、光アド/ドロップ回路200は、上記の構成に加え、入力ポート209、出力ポート210、分配器211、分配器212、入力ポート213、分配器214、出力ポート215を含んで構成されている。
【0043】
また、信号帯域制御部2001は、帯域分波器201、遮断器202、帯域合波器203を備えている。同様に、信号帯域制御部2002は、帯域分波器204、遮断器205、帯域合波器206を備えている。
【0044】
このうち、遮断器202は、遮断器202−1、遮断器202−2、遮断器202−3、遮断器202−NのN個の遮断器の総称である。同様に、遮断器205は、遮断器205−1、遮断器205−2、遮断器205−3、遮断器205−NのN個の遮断器の総称である。これら遮断器としては、例えば、バルク型光学素子や、光ファイバを利用した機械式光スイッチを流用することが可能である。また、電気光学効果、電界吸収効果等を利用した電子式光スイッチを遮断器として用いることも可能である。なお、図4の例では、遮断器202および遮断器205の個数をN個としているが、これに限られたものではない。
【0045】
なお、図3と同様に、実際には双方向通信が可能であるが、図4では簡単のため、1方向の信号のみを図示している。
【0046】
光アド/ドロップ回路200は、上述の通り、2つの入力ポートを有している。以降、入力ポート209からトランク信号が、入力ポート213からブランチ信号が入力されたものとして説明する。
【0047】
まず、入力されたトランク信号は、分配器211で2つに分岐され、出力ポート210と分配器212に送出される。出力ポート210に送られたトランク信号は、ブランチ局へと送出される。
【0048】
分配器212は、受信した信号を2つに分岐し、後段の帯域分波器201と、透過制御部208に送出する。
【0049】
帯域分波器201は、信号を受信すると、入力された信号を所定数の信号帯域に分波する。各信号帯域に分波された信号は、信号帯域ごとに遮断器202によって透過または遮断される。その結果、所望の信号帯域が帯域合波器203に送出される。
【0050】
ここで、トランク信号は、帯域分波器201によって分波されるが、分波する帯域数は、任意の数を採用することが可能である。ここでの信号帯域は、信号の波長とは関連性がない。従って、帯域数は、波長数には依存せず、波長数よりも少なくすることが可能である。これは、帯域分波器204でも同様である。
【0051】
一方、ブランチ信号は、入力ポート213に入力される。入力されたブランチ信号は、分配器214で2つに分岐され、帯域分波器204と、透過制御部208に送出される。
【0052】
帯域分波器204は、信号を受信すると、入力された信号を所定数の信号帯域に分波する。各信号帯域に分波された信号は、信号帯域ごとに遮断器205によって透過または遮断される。その結果、所望の信号帯域が帯域合波器206に送出される。
【0053】
合波器は帯域合波器203が出力したトランク信号と、帯域合波器206が出力したブランチ信号とを合波し、出力ポート215に送出する。出力ポート215は受信した信号をトランク局に向けて送出する。
【0054】
また、各陸揚局から、遮断器202または遮断器205を制御するための制御信号を受信した場合、制御信号は、分配器212または分配器214を介して、透過制御部208に送信される。透過制御部208は、受信した制御信号に基づき、遮断器202および遮断器205の透過または遮断を設定する。
【0055】
(陸揚局の構成)
続いて、各陸揚局内の構成について説明する。図5は、陸揚局がN個ある場合の、各陸揚局の詳細な構成を示したブロック図である。
【0056】
図5によれば、陸揚局301は、端局装置320、統合監視装置326、局所監視装置327を含んで構成されている。陸揚局302は、局所監視装置328と端局装置329を含んで構成されている。陸揚局303は、局所監視装置330、端局装置331と統合監視装置336を含んで構成されている。陸揚局30−Nは、局所監視装置332と端局装置333を含んで構成されている。
【0057】
以降、トランク局である陸揚局301の構成について、詳細に説明する。まず、端局装置320は、光波長多重分波装置321、制御信号生成装置322、光トランスポンダ323、光トランスポンダ324、光トランスポンダ325を含んで構成されている。
【0058】
なお、各光トランスポンダは、光アド/ドロップ回路200の帯域分波器201、帯域分波器204で分波される各信号帯にそれぞれ対応している。従って、光トランスポンダは少なくとも、帯域分波器201、帯域分波器204で分波される信号帯の個数分用意されていれば良い。
【0059】
光波長多重分波装置321は、各光トランスポンダから送出される信号波長を波長多重し、伝送路に送出する。また、伝送路から受信した波長多重信号を各光トランスポンダに対応する信号波長に分波し、対応する光トランスポンダに出力する。
【0060】
光トランスポンダ323〜325は、受信するべき信号が消失すると、警報を発出し、局所監視装置327へ送出する。同様に、光波長多重分波装置321は、全信号帯域のうち、消失した信号帯域があれば、警報を発出し、局所監視装置327へ送出する。
【0061】
局所監視装置327は、光トランスポンダ323〜325および光波長多重分波装置321から受信した警報情報を集約し、集約した警報情報を統合監視装置326に送信する。
【0062】
統合監視装置326は、局所監視装置327、および他の陸揚局からの警報情報を受信する。統合監視装置326は、受信した警報情報に基づき、障害状況を把握し、光アド/ドロップ回路200の遮断器202、遮断器205の透過・遮断の設定を決定する。統合監視装置326は、遮断器202、遮断器205の透過・遮断の設定に応じた制御信号送出命令を制御信号生成装置322に送信する。
【0063】
制御信号生成装置322は、統合監視装置326から制御信号送出命令を受信すると、光波長多重分波装置321を経由して、光アド/ドロップ回路200に対して制御信号を送出する。
【0064】
ここで、陸揚局303の構成は、同じトランク局である陸揚局301の構成と同様である。陸揚局303の統合監視装置336も、統合監視装置326と同様に、各陸揚局からの警報情報を集約し、障害状況を把握し、光アド/ドロップ回路200に対して制御信号を送る。他の構成についての説明は、省略する。
【0065】
また、陸揚局302、陸揚局30−Nの構成は、陸揚局301または陸揚局303とほぼ同様である。陸揚局301、陸揚局303との差分としては、統合監視装置を備えていない点が挙げられる。各陸揚局は、統合監視装置326を備える陸揚局301および統合監視装置336を備える陸揚局303に対して、自局内の局所監視装置における監視結果を送信する。なお、他の構成および動作は陸揚局301と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0066】
(障害特定)
続いて、陸揚局301の統合監視装置326で行われる障害区間の特定方法について説明する。なお、上記の通り、陸揚局303の統合監視装置336においても、同様の動作が行われるが、以下では特に断りのない場合、統合監視装置326について説明する。
【0067】
図6は、図3で示した光信号分岐システムを簡略化したブロック図である。ここで、陸揚局301から陸揚局303に対する通信を上り方向、陸揚局303から陸揚局301に対する通信を下り方向として説明する。
【0068】
陸揚局301が送出する信号のうち、信号帯域#1(模様なし)は、光アド/ドロップ分岐装置300においてドロップされるドロップ信号である。陸揚局302は、区間8において信号帯域#1(横線)をアド信号としてアドする。一方、陸揚局301が送出する信号帯域#2(縦線)は、ドロップされずに陸揚局303まで伝送されるトランク信号である。
【0069】
同様に、陸揚局303が送出する信号のうち、信号帯域#1(横線)は、光アド/ドロップ分岐装置300においてドロップされるドロップ信号である。陸揚局302は、区間6において、信号帯域#1(模様なし)をアド信号としてアドする。一方、陸揚局303が送出する信号のうち、信号帯域#2(縦線)は、ドロップされずに陸揚局303まで伝送されるトランク信号である。
【0070】
図6の例では、統合監視装置326および統合監視装置336を図示していないが、それぞれとランク局である陸揚局301、陸揚局303に設置されているものとする。統合監視装置326は、各陸揚局を接続する伝送ケーブルの各区間に番号を割り当て、区間ごとに障害が発生したかどうかを特定する。
【0071】
図7は、統合監視装置326および統合監視装置336が有する障害区間特定テーブル400の一例を示している。図7によれば、障害区間特定テーブル400は、各陸揚局が送受信する信号帯域について、信号が消失した場合に発出する警報のパターンをあらかじめ登録したものである。
【0072】
例えば、パターン1では、陸揚局302が、上り通信の信号帯域#1(模様なし)および信号帯域#2(縦線)について、警報を発出している。また、陸揚局303が、信号帯域#2(縦線)について警報を発出している。
【0073】
パターン1の場合、上り方向の通信において、陸揚局302で信号帯域#1(模様なし)と信号帯域#2(縦線)の双方が消失していることから、区間1または区間5において障害が発生していると推定することができる。また、陸揚局303で信号帯域#2(縦線)が消失していることから、区間1または区間3において障害が発生していると推定することができる。従って、重複する推定障害区間である区間1が障害発生区間だということになる。
【0074】
また、障害発生区間が特定されると、障害区間に対応した「制御信号送信装置」という項目が参照される。制御信号送信装置には、障害区間ごとに、どの陸揚局から光アド/ドロップ分岐装置300に対して制御信号を送信すれば良いかが記載されている。
【0075】
例えば、区間1が障害発生区間であれば、陸揚局301からの通信が不可能となっているため、陸揚局303から制御信号が送信される。障害区間6と8では、陸揚局301または陸揚局303のどちらからでも制御信号を送信することができる。
【0076】
障害発生区間が、区間2、3、5、7の場合、これらの区間は光アド/ドロップ回路に対して光信号をアドする区間ではないために、特に制御信号を送信する必要はない。
【0077】
このように、障害区間特定テーブル400には、警報情報のパターンごとに対応する障害区間を登録しておく。よって、統合監視装置326および統合監視装置336は、収集した警報情報のパターンに応じて、障害区間を特定することが可能である。また、統合監視装置326および統合監視装置336は、障害区間テーブル400を持たずに、収集した警報情報から、逐次上記のように障害発生区間を推定しても良い。
【0078】
図7の例では、障害区間1つずつが障害となった場合を記載しているが、複合的に障害が発生した場合には、警報パターンのOR(論理和)を計算し、障害区間を求めることができる。
【0079】
また、図7の例では、信号帯域単位の警報によって障害区間を特定しているが、誤判定を防ぐために、各光トランスポンダが通知する警報とのAND(論理積)を計算して冗長性を確保することも可能である。
【0080】
(遮断器の制御)
次に、透過制御部208が遮断器202および遮断器205を制御する動作について説明する。
【0081】
図8は、通常時の遮断器202および遮断器205の設定例を示している。なお、各構成要素は図4のものと同じであるので、説明は省略する。また、図8では、簡単のために、信号帯域制御部2001、信号帯域制御部2002を表示していないが、その構成は図4と同一である。
【0082】
図8において、トランク信号は、帯域1(模様なし)、帯域2(縦線)、帯域3(横線)、帯域4(格子状)の4つの帯域に分割されるものとする。同様に、ブランチ信号は、帯域1(模様なし)、帯域2(縦線)、帯域3(斜線)、帯域4(格子状)の4つの帯域に分割されるものとする。
【0083】
図8の例では、トランク信号の帯域1、帯域2、帯域4は透過しているが、帯域3(横線)は遮断器202−3によって遮断されている。
【0084】
ブランチ信号については、帯域1、帯域2、帯域4は対応する遮断器205によって遮断されている。一方、帯域3(斜線)については遮断器205−3を透過に設定しているため、透過している。
【0085】
合波器207において、透過された信号帯域が合波され、帯域1、帯域2、帯域3(斜線)、帯域4が出力されている。
【0086】
次に、図9は、図8の状態からブランチケーブルに障害が起こった場合の例を示している。なお、光アド/ドロップ回路200内の構成については、図4と同一であるため、説明は省略する。また、図9においても、簡単のために、信号帯域制御部2001、信号帯域制御部2002を表示していないが、その構成は図4と同一である。
【0087】
図9においては、ブランチケーブル断の影響により、ブランチ信号は消失している。この障害に対して、いずれかの陸揚局に設置されている統合監視装置326(図9では表示せず)は上述のように障害区間を特定する。その後、統合監視装置326は、透過制御部208に対して、消失した信号が透過するように、制御信号を送信する。
【0088】
より具体的には、通常時はブランチ信号から透過していた信号帯域3(斜線)が消失しているため、透過制御部208は、信号帯域3(横線)を透過させるよう、遮断器202−3の設定を変更する。その結果、遮断器202−3において信号帯域3(横線)が透過される。
【0089】
(帯域分波器の詳細)
続いて、帯域分波器201および帯域分波器204の詳細について説明する。図10では、帯域分波器201について説明するが、帯域分波器204も同一の構成および動作であるので、説明は省略する。
【0090】
図10によれば、帯域分波器201は、光フィルタ401、光フィルタ402、光フィルタ403を含んで構成されている。これら光フィルタとしては、例えば、誘電体多層膜フィルタ、Fiber Bragg Grating型分波器、導波路型分波器等を用いることが可能である。また、図10の例では、光フィルタの個数は3個であるが、これに限られるものではない。分割する信号帯域の数に応じて、適宜光フィルタの個数を変更することが可能である。
【0091】
図10において、帯域分波器201は、トランク信号を帯域1(模様なし)、帯域2(縦線)、帯域3(横線)、帯域4(格子状)の4つの信号帯域に分割する。
【0092】
まず、光フィルタとして、誘電体多層膜フィルタ、Fiber Bragg Grating型分波器を用いる場合について説明する。各光フィルタは、1つの入力ポートと、所望の帯域を透過する出力ポート、それ以外の帯域を反射して出力するポートからなる(いずれも図10では非表示)。帯域分波器201では、異なる透過・反射帯域を持つ光フィルタをカスケード接続することによって、帯域を分割する。
【0093】
より具体的には、光フィルタ401では、帯域1および帯域2を透過させ、光フィルタ402に送出する。同時に、光フィルタ401は、帯域3および帯域4を反射させ、光フィルタ403に送出する。
【0094】
光フィルタ402は、帯域1を透過させ、帯域2を反射させて、それぞれを出力する。同様に、光フィルタ403は、帯域3を透過させ、帯域4を反射させて、それぞれを出力する。
【0095】
また、光フィルタとして、導波路型分波器を用いる場合について説明する。各光フィルタは、1つの入力ポートと、所望の帯域を透過する出力ポート、それ以外の帯域を透過する出力ポートからなる(いずれも図10では非表示)。帯域分波器201では、入力ポートから受信する光信号を、所望の帯域と、それ以外の帯域とに分波し、各々の帯域を個別に出力する。
【0096】
より具体的には、光フィルタ401では、入力した光信号を(1)帯域1と帯域2、(2)帯域3と帯域4の2つに分波する。光フィルタ401は、帯域1と帯域2を光フィルタ402に送出し、帯域3と帯域4を光フィルタ403に送出する。
【0097】
その後、光フィルタ402では、帯域1と帯域2を分波し、それぞれを別々に出力する。また、光フィルタ403では、帯域3と帯域4を分波し、それぞれを別々に出力する。
【0098】
(動作の説明)
以上、実施形態2の各構成要素およびそれらの動作について説明してきた。以下では、実施形態2による動作の全体的な流れを、図11のフローチャートを参照して説明する。
【0099】
なお、以下では簡単のため、図3の陸揚局301から陸揚局303に向かう上り方向の通信における動作について説明する。下り方向については、上り方向の動作と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0100】
まず、光アド/ドロップ分岐装置300は、ステップS11〜S13と、ステップS14〜S16とを並行して行う。
【0101】
帯域分波器201は、陸揚局301からトランク信号を受信すると、トランク信号の分波を行う(ステップS11)。
【0102】
次に、遮断器202は、ステップS11で分波したトランク信号の透過または遮断を行う(ステップS12)。
【0103】
帯域合波器203は、ステップS12で透過されたトランク信号を合波する(ステップS13)。
【0104】
ステップS11〜S13と並行して、帯域分波器204は、陸揚局302からブランチ信号を受信すると、ブランチ信号の分波を行う(ステップS14)。
【0105】
次に、遮断器205は、ステップS14で分波したブランチ信号の透過または遮断を行う(ステップS15)。
【0106】
帯域合波器206は、ステップS15で透過されたブランチ信号を合波する(ステップS16)。
【0107】
ステップS11〜S16が終了すると、合波器207は、ステップS13で合波したトランク信号と、ステップS16で合波したブランチ信号とを合波する(ステップS17)。
【0108】
このようにして合波された光信号が、光アド/ドロップ分岐装置300の外部へ出力される。
【0109】
続いて、いずれかの陸揚局に設置された統合監視装置326は、各陸揚局から通信ケーブルの警報情報を収集する(ステップS18)。
【0110】
統合監視装置326は、光信号が消失している場合(ステップS19:YES)、収集した警報情報に基づいて、上述した障害区間特定テーブル等を用いて障害区間の特定を行う(ステップS20)。
【0111】
その後、統合監視装置326は、透過制御部208に必要な情報を送信し、透過制御部208は、消失した信号が透過するように、遮断器202または遮断器205のいずれかを制御し、再度信号の透過、遮断と合波を行う(ステップS21)。
【0112】
(効果)
実施形態2によれば、2種類の信号(トランク信号・ブランチ信号)に対して、それぞれ分波・合波を行い、信号帯域が消失した場合には、消失した信号帯域が透過するように、遮断器を制御している。この構成により、ある信号帯域が消失した場合であっても、他の信号を透過させ、合波することにより、光アド/ドロップ分岐装置の耐障害性を高めることが可能となる。
【0113】
さらに、ある信号帯域が消失した場合に、消失した信号帯域に対応する、他の信号帯域を透過させることにより、伝送品質の劣化を防止することが可能となる。
【0114】
また、実施形態2のような光アド/ドロップ分岐装置を海底ケーブルシステムに適用するためには、陸上のネットワークシステムにみられるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の複雑な構成を採用することができない。図10のように、帯域合波器を簡素なモジュールで構成することにより、信頼性を向上させることができ、海底ケーブルシステムに適用しやすくなる。
【0115】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0116】
さらに、上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0117】
(付記1)
ネットワークを介して端局装置と接続する光信号分岐装置であって、
前記端局装置から受信した第1の入力信号を帯域ごとに分波し、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第1の出力信号として出力する第1の信号帯域制御部と、
前記端局装置から受信した第2の入力信号を帯域ごとに分波し、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第2の出力信号として出力する第2の信号帯域制御部と、
前記第1の出力信号と前記第2の出力信号とを合波する合波部と、
前記分波した第1の入力信号の帯域のうち、いずれかが消失した場合に、前記端局装置からの指示に応じて、前記消失した帯域に対応する前記第2の入力信号の帯域が透過するように前記第2の信号帯域制御部を制御する透過制御部と、
を備えることを特徴とする光信号分岐装置。
【0118】
(付記2)
前記第1の信号帯域制御部および前記第2の信号帯域制御部は、前記第1の入力信号および前記第2の入力信号を、前記第1の入力信号および前記第2の入力信号の波長数未満の指定数分の帯域に分波することを特徴とする付記1に記載の光信号分岐装置。
【0119】
(付記3)
前記第1の信号帯域制御部は、
前記第1の入力信号を帯域ごとに分波する第1の帯域分波器と、
前記分波した第1の入力信号の透過または遮断を行う第1の遮断器と、
前記分波した第1の入力信号のうち、透過された帯域を合波する第1の帯域合波器と、
を備え、
前記第2の信号帯域制御部は、
前記第2の入力信号を帯域ごとに分波する第2の帯域分波器と、
前記分波した第2の入力信号の透過または遮断を行う第2の遮断器と、
前記分波した第2の入力信号のうち、透過された帯域を合波する第2の帯域合波器と、
を備えることを特徴とする付記1または2に記載の光信号分岐装置。
【0120】
(付記4)
前記第1の遮断器および前記第2の遮断器は、前記指定数分設置されることを特徴とする付記3に記載の光信号分岐装置。
【0121】
(付記5)
ネットワークと、前記ネットワークを介して接続する端局装置と、光信号分岐装置とを備え、
前記光信号分岐装置は、
前記端局装置から受信した第1の入力信号を帯域ごとに分波し、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第1の出力信号として出力する第1の信号帯域制御部と、
前記端局装置から受信した第2の入力信号を帯域ごとに分波し、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第2の出力信号として出力する第2の信号帯域制御部と、
前記第1の出力信号と、前記第2の出力信号とを合波する合波器と、
前記分波した第1の入力信号のうち、いずれかが消失した場合に、前記端局装置からの指示に応じて、前記消失した帯域に対応する前記第2の入力信号の帯域が透過するように、前記第2の信号帯域制御部を制御する透過制御部と、を備え、
前記端局装置は、
前記ネットワーク上の障害を監視する監視部と、
前記ネットワーク上の障害が検知された場合に、前記光信号分岐装置に対して、前記障害によって消失した前記第1の入力信号の帯域に対応する前記第2の入力信号の帯域が透過するよう指示する制御信号を生成する制御信号生成部と、
を備えることを特徴とする光信号分岐システム。
【0122】
(付記6)
前記第1の信号帯域制御部および前記第2の信号帯域制御部は、前記第1の入力信号および前記第2の入力信号を、前記第1の入力信号および前記第2の入力信号の波長数未満の指定数分の帯域に分波することを特徴とする付記5に記載の光信号分岐システム。
【0123】
(付記7)
前記第1の信号帯域制御部は、
前記第1の入力信号を帯域ごとに分波する第1の帯域分波器と、
前記分波した第1の入力信号の透過または遮断を行う第1の遮断器と、
前記分波した第1の入力信号のうち、透過された帯域を合波する第1の帯域合波器と、
を備え、
前記第2の信号帯域制御部は、
前記第2の入力信号を帯域ごとに分波する第2の帯域分波器と、
前記分波した第2の入力信号の透過または遮断を行う第2の遮断器と、
前記分波した第2の入力信号のうち、透過された帯域を合波する第2の帯域合波器と、
を備えることを特徴とする付記5または6に記載の光信号分岐システム。
【0124】
(付記8)
前記第1の遮断器および前記第2の遮断器は、前記指定数分設置されることを特徴とする付記7に記載の光信号分岐システム。
【0125】
(付記9)
前記端局装置は、
自装置および他の端局装置が発する、前記ネットワーク上の警報情報を収集する警報情報収集部を備え、
前記監視部は、前記収集した警報情報に基づいて、前記ネットワーク上の障害発生区間を特定することを特徴とする付記5から8のいずれか1つに記載の光信号分岐システム。
【0126】
(付記10)
前記端局装置は、さらに、
前記信号の消失パターンと前記障害発生区間とを対応付けて記憶する障害区間特定テーブルを備え、
前記監視部は、前記収集した警報情報および前記障害発生区間特定テーブルに基づいて、前記障害発生区間を特定することを特徴とする付記9に記載の光信号分岐システム。
【0127】
(付記11)
前記端局装置は、さらに、
受信すべき信号が消失すると警報を発する光トランスポンダを備え、
前記監視部は、前記端局装置および前記他の端局装置から収集した警報情報と、前記光トランスポンダから収集した警報情報に基づいて、前記ネットワーク上の障害発生区間を特定することを特徴とする付記10に記載の光信号分岐システム。
【0128】
(付記12)
ネットワークを介して光信号分岐装置と接続する端局装置から受信した第1の入力信号を帯域ごとに分波するステップと、
前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第1の出力信号として出力するステップと、
前記端局装置から受信した第2の入力信号を帯域ごとに分波するステップと、
前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第2の出力信号として出力するステップと、
前記第1の出力信号と、前記第2の出力信号とを合波するステップと、
前記分波した第1の入力信号の帯域のうち、いずれかが消失した場合に、前記端局装置からの指示に応じて、前記消失した帯域に対応する前記第2の入力信号の帯域が透過するように、前記第2の入力信号を制御するステップと、
を含むことを特徴とする光信号分岐方法。
【0129】
(付記13)
前記透過した帯域を合波して第1の出力信号として出力するステップおよび前記透過した帯域を合波して第2の出力信号として出力するステップは、
前記第1の入力信号および前記第2の入力信号を前記第1の入力信号および前記第2の入力信号の波長数未満の指定数分の帯域に分波することを特徴とする付記12に記載の光信号分岐方法。
【0130】
(付記14)
前記透過した帯域を合波して第1の出力信号として出力するステップは、
前記第1の入力信号を帯域ごとに分波するステップと、
前記分波した第1の入力信号の透過または遮断を行うステップと、
前記分波した第1の入力信号のうち、透過された帯域を合波するステップと、
を含み、
前記透過した帯域を合波して第2の出力信号として出力するステップは、
前記端局装置からの第2の入力信号を帯域ごとに分波するステップと、
前記分波した第2の入力信号の透過または遮断を行うステップと、
前記分波した第2の入力信号のうち、透過された帯域を合波するステップと、
を含むことを特徴とする付記12または13に記載の光信号分岐方法。
【0131】
(付記15)
前記分波した第1の入力信号の透過または遮断を行うステップおよび前記分波した第2の入力信号の透過または遮断を行うステップは、前記指定数分の帯域各々に対して行われることを特徴とする付記14のいずれか1つに記載の光信号分岐方法。
【符号の説明】
【0132】
100 光信号分岐装置
101、102、2001、2002 信号帯域制御部
103 合波部
104、208 透過制御部
200 光アド/ドロップ回路
201、204 帯域分波器
202、205 遮断器
203、206 帯域合波器
207 合波器
209、213 入力ポート
210、215 出力ポート
211、212、214 分配器
300 光アド/ドロップ分岐装置
301、302、303、30−N 陸揚局
304、305、306、307、308、309 光中継器
310 伝送路
320、329、331、333 端局装置
321 光波長多重分波装置
322 制御信号生成装置
323、324、325 光トランスポンダ
326、336 統合監視装置
327、328、330、332 局所監視装置
400 障害区間特定テーブル
401、402、403 光フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して端局装置と接続する光信号分岐装置であって、
前記端局装置から受信した第1の入力信号を帯域ごとに分波し、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第1の出力信号として出力する第1の信号帯域制御部と、
前記端局装置から受信した第2の入力信号を帯域ごとに分波し、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第2の出力信号として出力する第2の信号帯域制御部と、
前記第1の出力信号と前記第2の出力信号とを合波する合波部と、
前記分波した第1の入力信号の帯域のうち、いずれかが消失した場合に、前記端局装置からの指示に応じて、前記消失した帯域に対応する前記第2の入力信号の帯域が透過するように前記第2の信号帯域制御部を制御する透過制御部と、
を備えることを特徴とする光信号分岐装置。
【請求項2】
前記第1の信号帯域制御部および前記第2の信号帯域制御部は、前記第1の入力信号および前記第2の入力信号を、前記第1の入力信号および前記第2の入力信号の波長数未満の指定数分の帯域に分波することを特徴とする請求項1に記載の光信号分岐装置。
【請求項3】
前記第1の信号帯域制御部は、
前記第1の入力信号を帯域ごとに分波する第1の帯域分波器と、
前記分波した第1の入力信号の透過または遮断を行う第1の遮断器と、
前記分波した第1の入力信号のうち、透過された帯域を合波する第1の帯域合波器と、
を備え、
前記第2の信号帯域制御部は、
前記第2の入力信号を帯域ごとに分波する第2の帯域分波器と、
前記分波した第2の入力信号の透過または遮断を行う第2の遮断器と、
前記分波した第2の入力信号のうち、透過された帯域を合波する第2の帯域合波器と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光信号分岐装置。
【請求項4】
前記第1の遮断器および前記第2の遮断器は、前記指定数分設置されることを特徴とする請求項3に記載の光信号分岐装置。
【請求項5】
ネットワークと、前記ネットワークを介して接続する端局装置と、光信号分岐装置とを備え、
前記光信号分岐装置は、
前記端局装置から受信した第1の入力信号を帯域ごとに分波し、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第1の出力信号として出力する第1の信号帯域制御部と、
前記端局装置から受信した第2の入力信号を帯域ごとに分波し、前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第2の出力信号として出力する第2の信号帯域制御部と、
前記第1の出力信号と、前記第2の出力信号とを合波する合波器と、
前記分波した第1の入力信号のうち、いずれかが消失した場合に、前記端局装置からの指示に応じて、前記消失した帯域に対応する前記第2の入力信号の帯域が透過するように、前記第2の信号帯域制御部を制御する透過制御部と、を備え、
前記端局装置は、
前記ネットワーク上の障害を監視する監視部と、
前記ネットワーク上の障害が検知された場合に、前記光信号分岐装置に対して、前記障害によって消失した前記第1の入力信号の帯域に対応する前記第2の入力信号の帯域が透過するよう指示する制御信号を生成する制御信号生成部と、
を備えることを特徴とする光信号分岐システム。
【請求項6】
前記第1の信号帯域制御部および前記第2の信号帯域制御部は、前記第1の入力信号および前記第2の入力信号を、前記第1の入力信号および前記第2の入力信号の波長数未満の指定数分の帯域に分波することを特徴とする請求項5に記載の光信号分岐システム。
【請求項7】
前記第1の信号帯域制御部は、
前記第1の入力信号を帯域ごとに分波する第1の帯域分波器と、
前記分波した第1の入力信号の透過または遮断を行う第1の遮断器と、
前記分波した第1の入力信号のうち、透過された帯域を合波する第1の帯域合波器と、
を備え、
前記第2の信号帯域制御部は、
前記第2の入力信号を帯域ごとに分波する第2の帯域分波器と、
前記分波した第2の入力信号の透過または遮断を行う第2の遮断器と、
前記分波した第2の入力信号のうち、透過された帯域を合波する第2の帯域合波器と、
を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の光信号分岐システム。
【請求項8】
前記第1の遮断器および前記第2の遮断器は、前記指定数分設置されることを特徴とする請求項7に記載の光信号分岐システム。
【請求項9】
前記端局装置は、
自装置および他の端局装置が発する、前記ネットワーク上の警報情報を収集する警報情報収集部を備え、
前記監視部は、前記収集した警報情報に基づいて、前記ネットワーク上の障害発生区間を特定することを特徴とする請求項5から8のいずれか1つに記載の光信号分岐システム。
【請求項10】
ネットワークを介して光信号分岐装置と接続する端局装置から受信した第1の入力信号を帯域ごとに分波するステップと、
前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第1の出力信号として出力するステップと、
前記端局装置から受信した第2の入力信号を帯域ごとに分波するステップと、
前記帯域のうち、透過した帯域を合波して第2の出力信号として出力するステップと、
前記第1の出力信号と、前記第2の出力信号とを合波するステップと、
前記分波した第1の入力信号の帯域のうち、いずれかが消失した場合に、前記端局装置からの指示に応じて、前記消失した帯域に対応する前記第2の入力信号の帯域が透過するように、前記第2の入力信号を制御するステップと、
を含むことを特徴とする光信号分岐方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−195714(P2012−195714A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57372(P2011−57372)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】