説明

光出力デバイス

光出力デバイスは、基板装置を有しており、複数の光源デバイス装置が前記基板装置の構造内に組み込まれている。前記複数の光源デバイス装置は、逆平行に配されている第1の光源デバイス4a及び第2の光源デバイス4bを少なくとも有する。この装置は、少なくとも2つの光源デバイスを、組み込まれている光源構造内で逆平行に取り付けており、この結果、これらは、共有されている制御ラインから独立に制御されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光出力デバイスに関し、より詳細には、光透過性基板構造に関連付けられている離散的光源を使用している光出力デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の照明デバイスの1つの既知の例は、所謂「ガラス内のLED」デバイスである。一例が、図1に示されている。典型的には、ガラス板が、電極を形成している透明な伝導コーティング(例えば、ITO)を備えて使用されている。前記伝導コーティングは、半導体LEDデバイスに接続される前記電極を作るためにパターン化されている。このアセンブリは、前述のガラスを積層することにより完成されており、熱可塑性層(例えば、ポリビニルブチラール、PVB)内部のLEDを有している。使用される前記ガラスは、安全ガラスでもよい。この種のデバイスの用途は、棚、ショーケース、ファサード、オフィスのパーティション、壁の外装及び装飾的な照明である。当該照明デバイスは、他の対象の照明のために、画像の表示のために、又は単に装飾的な目的のために使用されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種のデバイスに関する1つの問題は、当該ガラス内の個々のLEDが、例えば、画像又は動的なパターンを表示するために、オン/オフにされることを可能にする構造を提供することが困難であるということにある。このことは、透明電極の二次元パターンが望まれるが、この層構造が単純なものに保持される場合には交差が回避されることを必要とするため、困難である。(二次元のパターンの代わりに)個々のワイヤが各LEDに使用される場合、このことは、非常に高いワイヤ抵抗(例えば、ITO電極)を生じ、これらのワイヤにおける高い電気損失に至る。代替的なものは、ガラス内に数枚のLEDを互いの後ろに配することであるが、当該デバイスの費用を増大する。
【0004】
他の問題は、どうのようにしてガラス内の前記LEDの色を動的に制御するかである。現在、このことは、再び、追加のワイヤを付加することのみにより達成されることができ、再びより細いITOワイヤに至り、従って、追加の電子損失を生じる。更に、LEDデバイスは、ダイオード電気特性を有しているので、典型的には交流駆動電圧に適していない。
【0005】
本発明の目的は、この光源デバイスの独立制御を、簡単な導体パターンによって提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、光透過性の基板装置を有している光出力デバイスであって、前記基板装置の構造内に組み込まれている複数の光源デバイス装置を有する光出力デバイスにおいて、前記基板装置は、第1の基板及び第2の基板と前記基板間に挟まれている電極装置とを有し、前記複数の光源デバイス装置は前記電極装置に接続されており、前記複数の光源デバイス装置は、第1の光源デバイス及び第2の光源デバイスを少なくとも有しており、各光源デバイスは第1の電気的接触及び第2の電気的接触を有していると共に、前記第1の接触から前記第2の接触への順バイアス方向における電気伝導経路を提供し、対向する(逆バイアス)方向の電気伝導を遮断しており、前記1の光源デバイス及び前記第2の光源デバイスは逆平行に配されている、光出力デバイスが提供される。
【0007】
この装置は、1つの方向にのみ電流を伝導する光源デバイスを使用すると共に、少なくとも2つの光源デバイスを逆平行に取り付けており、この結果、前記2つの光源デバイスは、共有されている制御ラインから独立に制御されることができる。このことは、前記制御ラインが、個々の制御ラインが必要とされる場合よりも広いものであることを可能にし、抵抗損失を低減する。
【0008】
逆平行により意味されているのは、一方が(両方の光源デバイスを含んでいる)回路内の1つの方向のみに伝導し、他方が、同じ回路内の対向する方向のみに伝導することである。
【0009】
前記第1の光源デバイスの前記第2の電気的接触と、前記第2の光源デバイスの前記第1の電気的接触とは、第2のコモン電極に接続されることができる。このことは、2つの接続されている平行な分岐における2つの光源デバイスを提供する。この場合、当該電源は、各光源デバイスに対して1つの極性を有して、双極性電流源(dual-polarity current source)を有することができる。
【0010】
電源は、好ましくは、前記第1の光源デバイス及び前記第2の光源デバイスの独立制御を提供するように設けられている。例えば、前記2つの光源デバイスは、調整可能な直流オフセットを有する交流電源を使用することによって、同時に制御されることができる。
【0011】
この光透過性基板材料は、透明(光学的に透明)な又は拡散透過性の材料であっても良い。
【0012】
他の装置において、1つ以上の光源デバイス装置は、第1の電気的接触及び第2の電気的接触を有していると共に、前記第1の接触から前記第2の接触まで順バイアス方向における電気伝導経路を提供しており、対向する逆バイアス方向の電気伝導を遮断している第3の光源であって、前記第3の光源デバイスの前記第2の電気的接触は前記コモン電極に接続されている、第3の光源を有する。
【0013】
このことは、平行な2つの光源と逆平行の1つの光源とによる、3つの光源デバイス装置を提供する。3つの光源全てが、1つのコモン電極を共有しているが、2つの他の電極のみが、前記3つの光源デバイスの独立制御を可能にするために必要とされている。
【0014】
従って、前記第2の光源デバイスの前記第1の電気的接触は第1の電極に接続されることができ、前記第3の光源デバイスの前記第1の電気的接触は第2の電極に接続されることができる。前記第1の電極及び前記第2の電極は、前記第2の光源デバイス及び前記第3の光源デバイスの独立制御を可能にする。
【0015】
前記第1の光源デバイスの前記第2の電気的接触は、前記第1の電極と前記第2の電極とを短絡することなく、前記第1の電極及び前記第2の電極の両方に接続されることができる。これは、対向する極性により接続されているデバイスであり、この場合、前記1の電極及び前記第2の電極の何れかが、前記他のデバイスをオンにしない極性の信号を使用して、当該デバイスを制御するのに使用されることができる。
【0016】
1つ以上のダイオードが、前記第1の光源デバイスの前記第2の電気的接触と、前記第2の光源デバイス及び前記第3の光源デバイスの前記第2の電気的接触との間に設けられることが可能である。これらのことは、前記第1の光源デバイスの2つの前記接触が一緒に短絡しないことを保証している。
【0017】
この装置において、電源は、第1の双極性電流源及び第2の双極性電流源を有することができ、1つは、前記コモン電極と前記第1の電極との間に信号を供給するためのものであり、1つは、前記コモン電極と前記第2の電極との間に信号を供給するものである。前記電源は、前記第1の双極性電流源及び第2の前記双極性電源を制御するコントローラを有していても良い。
【0018】
全ての実施例において、前記基板装置は、好ましくは、第1の基板及び第2の基板と前記基板間に挟まれている電極装置とを有しており、少なくとも1つの前記光源デバイスが前記電極装置に接続されている。
【0019】
前記電極装置は、少なくとも半透明の導体装置を有することができ、例えば、インジウムスズ酸化物、インジウム酸化亜鉛、酸化スズ又はフッ素ドープ酸化スズのような、透明な伝導性酸化物を有する。この場合、前記光源デバイスの前記電気的接触は、前記透明な導体装置の領域に接続されている。
【0020】
前記導体パターンの領域は、(そうでない場合、実質的に連続的である)導体層内の切れ目線により規定されることができる。このことは、低い抵抗接触を提供する。
【0021】
前記電極装置は、その代わりに、半透明の導電材料(例えば、金、銀、銅、亜鉛又はステンレス鋼)を有することができる。このことは、導電性粒子を含有しているインクの形態であっても良い。
【0022】
前記光源デバイスは、好ましくは、LEDデバイス(例えば、無機LED、有機LED、ポリマLED又はレーザダイオード)を有する。
【0023】
各光源デバイス装置は、逆平行に配されている少なくとも2つのLEDチップを含み得る。従って、本発明によって、個々のLEDチップが使用され、前記基板の構造内に組み込まれ、回路内に取り付けられることができる。
【0024】
本発明は、添付請求項の何れかに記載の光出力デバイスと、前記電源により供給される信号を制御する照明コントローラとを有する照明システムも提供する。
【0025】
本発明は、更に、光透過性の基板装置を有する光出力デバイスであって、複数の光源デバイス装置が前記基板装置の構造内に組み込まれている、光出力デバイスを駆動する方法であって、前記複数の光源デバイス装置は、少なくとも第1の光源デバイス及び第2の光源デバイスを有しており、各光源デバイスは、第1の電気的接触及び第2の電気的接触を有していると共に、前記第1の接触から前記第2の接触までの順バイアス方向の電気伝導経路を提供し、対向する(逆バイアス)方向の電気伝導を遮断しており、前記第1の光源デバイス及び前記第2の光源デバイスは、逆平行に配されている、方法であって、前記光源デバイスを順に駆動するための交流電圧を前記電極装置に印加するステップと、前記第1の光源デバイス及び前記第2の光源デバイスの出力強度の独立制御を提供するステップとを有する方法も提供する。
【0026】
前記逆平行装置は、共有されている制御ラインによって、前記光源デバイスの独立制御を可能にする。前記交流電圧は、前記第1の光源デバイス及び前記第2の光源デバイスの相対的な強度を制御するための可変な直流オフセットを有することができ、これにより、独立制御を提供する。
【0027】
1つ以上の光源デバイス装置は、(再び、第1の電気的接触及び第2の電気的接触を有していると共に、前記第1の接触から前記第2の接触までの順バイアス方向の電気伝導経路を提供しており、対向する(逆バイアス)方向の電気伝導を遮断している)第3の光源デバイスを各々有していても良く、この場合、当該方法は、その場合、順序の第1段階において、2つの光源デバイスを駆動し、前記順序の第2段階において、前記他の光源デバイスを駆動するための2つの交流電圧を前記電極装置に印加するステップと、前記第1の光源デバイス、前記第2の光源デバイス及び前記3の光源デバイスの出力強度の独立制御を提供するステップとを有する。
【0028】
本発明は、添付請求項に列挙されているフィーチャの全て可能な組合せに関することに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ガラス照明デバイス内の既知のLEDを示している。
【図2】図1の光源デバイスの単一のLEDを詳細に示している。
【図3】2つのLEDを制御する本発明の回路の第1の例を示している。
【図4】図3の光源デバイスをどのように制御するかを説明するための第1のグラフである。
【図5】図3の光源デバイスをどのように制御するかを説明するための第2のグラフである。
【図6】3つのLEDを制御する本発明の回路の第2の例を示している。
【図7】図6への変形を示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の例は、以下で、添付図面を参照して詳細に記載される。
【0031】
同一の符号は、異なる図における類似の部分を示すのに使用されている。
【0032】
ガラス照明デバイス内のLEDの構造は、図2に示されている。当該照明デバイスは、ガラス板1及び2を有している。前記ガラス板間には、(半)透明電極7a及び7b(例えば、ITOを使用して形成されている)と、透明電極7a及び7bに接続されているLED4とを有している。熱可塑性材料5の層は、ガラス板1及び2(例えば、PVB又は紫外線樹脂)の間に設けられている。
【0033】
前記ガラス板は、典型的には1.1mm―2.1mmの厚さを有し得る。前記LEDに接続している前記電極間の間隔は、典型的には、0.01−3mm(例えば、約0.15mm)である。前記熱可塑性層は、0.3mm―2mmの典型的な厚さを有しており、前記電極の電気抵抗は、領域2−80オーム又は10―30のオーム/平方の範囲にある。
【0034】
前記電極は、好ましくは実質的に透明であり、この結果、これらは、当該デバイスの通常の使用における観察者にとって知覚できないものである。当該導体装置が、(例えば、パターン化されていないために又は前記パターンが見られることができないために)光透過性の変化を導入しない場合、50%以上の透過性が、透明となるべきシステムに対して十分なものであり得る。更に好ましくは、前記透過性は、70%よりも大きく、更に好ましくは90%、より更に好ましくは99%よりも大きい。(例えば、細いワイヤが使用されているために)この導体装置がパターン化されている場合、前記透過性は、80%よりも大きく、更に好ましくは90%であり、最も好ましくは99%よりも大きい。
【0035】
前記電極は、透明材料(例えば、ITO)からできていても良く、又は、前記電極は、銅のような不透明材料からできているが、通常の使用において、見えないように十分薄いものであっても良い。適切な材料の例は、米国特許第5 218 351号に開示されている。
【0036】
本発明は、逆平行に接続されている少なくとも第1の光源デバイス及び第2の光源デバイスのグループを有する組み込まれた光出力デバイスを提供する。この場合、前記第1の光源デバイス及び前記第2の光源デバイスの独立制御を、共有されている制御ラインによって提供することが可能である。
【0037】
図3は、当該LEDを制御する本発明の回路の第1の例を示している。図3は、ITOコーティングを備えるガラス板7を示しており、ガラス板は、伝導性ITOコーティングにおける切り口6を有しており、この結果、前記ITOコーティングはこの切り口にわたって電気を伝導しない。2つのLED4a及び4bが設けられ、切り口6の両側において前記ITOコーティングに接続しており、この結果、一方のLEDの端子は一方のITO領域7aに結合されており、他方のLEDの端子は、他方のITO領域7bに接続されている。最後に、電流供給源8は、ワイヤ9を使用して当該システムに接続されている。
【0038】
前記LEDは、対向する極性を有して2つの前記ITO領域に接続されている。従って、一方のITO領域7aは、LED4aの陰極及びLED4bの陽極に接続しており、他方のITO領域7bは、LED4aの陽極及びLED4bの陰極に接続している。
【0039】
電流供給源8が方向8aの電流を生成する場合、LED4aは逆バイアス方向にあるので、LED4bだけがオンになる。同様に、電流が方向8bにおいて生成されている場合、LED4aのみがオンになる。従って、電流の方向を方向8a及び8b間で変化させることによって、LED4a及び4bを選択的にオンにすることが可能である。
【0040】
幾つかの場合において、2種類のLED4a及び4b間で強度の差を調整することができるのが望ましい。例えば、このことは、前記色温度を調整するために又はマルチカラーシステム(例えば、RGB又はRGBAシステム)において色を混合するために使用されることができる。
【0041】
このことを達成するために、所望のオフセットを有するAC電流供給が、使用されることができる。前記オフセットを上下に移動することによって、或るLEDがオンになっている時間が、調整されることができ、従って前記LEDの強度が調整されることができる。この原理は、図4及び5に示されている。
【0042】
図4において、種々の信号間の比較が示されている。交流駆動レベルをシフトすることによって、前記デューティサイクルは、2つのLEDに関して変更される。正の平均値を有する交流信号がプロット40aにより示されている場合、LED4bは、この正のデューティサイクル期間が負のデューティサイクル期間よりも長いので、より明るいのに対し、LED4aはより暗い。
【0043】
プロット40cで示されているように負の平均値を有する交流信号の場合、LED4aは、前記負のデューティサイクル期間が前記正のデューティサイクル期間よりも長いので、より明るいのに対し、LED4bはより暗い。ゼロオフセットを備える信号の場合、ブライトネスは、同じ(プロット40b)である。
【0044】
図5は、明るいLED4a(プロット40c)のための駆動電流が使用されている場合の、LED4a及び4bを流れる電流を示している。
【0045】
更なる実施例において、図6に示されているように、3つの異なるLEDが駆動されることができる。
【0046】
図6の例において、もう1つの多重化の度合いを達成するために、ITOコーティングの内の追加の切り口6aを使用して、追加の導体経路が付加されている。これは、3つのITO領域7a、7b、7cを作っている。
【0047】
この駆動回路は、2つの電流源8及び60と、コネクタワイヤ9aの追加の集合とを有している。
【0048】
第1のLED4a(即ち、図3の第1のLED4aと同じ極性を有するもの)は、第1の領域7aと第2の領域7bとの間に接続されており、陰極が第1領域7aに接続されており、陽極が第2の領域7bに接続されている。LED4aは、実際に、電気損失を低減するために示されているように、領域7a、7cの両方又は何れかに接続されることができる(以下で説明される)。両方のITO領域7a、7cに接続されている陰極によって、これは、コネクタ点11a及び11bを使用して、ITO切り口6aの両側において接続されている。
【0049】
第2のLED4bは、第1の領域7aと第2の領域7bとの間に接続されており、陽極7aが第1領域7aに接続されており、陰極が第2領域7bに接続されている。従って、第1のLED4a及び第2のLED4bは、再び、図3のような逆平行のものである。
【0050】
第3のLED4cは、第2のLED4bと平行であり、自身の陽極はITO領域7cに接続されており、自身の陰極はコモン電極7bに接続されている。
【0051】
従って、LED4b及び4cは、陰極の接続を共有しているが、個々の陽極の接続を持っている。
【0052】
第1の電流源8が方向8aにおいて駆動される場合、LED4cがオンにされ、同様に第2の電流源60が方向8aにおいて駆動される場合、LED4bがオンにされる。従って、第2及び第3のLEDが独立に駆動されることが分かる。
【0053】
いずれの電流源8、60も、LED4aをオンにするのに使用されることができる。両方の電流源が使用される場合、電流は、LED4aのための導体経路の全体の抵抗が減少されるので(この例では50%だけ減少されている)、今、接触11a及び11bの両方を流れることができる。
【0054】
従って、この装置は、3つのLEDの集合のための1つのコモン電極と、2つの他の駆動電極とを有している。2つのLED4b,4cは、各々、前記「他の駆動電極」のそれぞれ1つによって、同じ両性により駆動されているのに対し、他のLED4aは、前記「他の駆動電極」の何れか一方又は両方を使用して、対向する極性の信号によって駆動されることができる。
【0055】
コネクタ11a及び11bは、ITO切り口6aにより分割される層の間のショートカットを作っているのではない。従って、LED4aは、この設計の一部として分離されている接触11a、11bを必要とする。更に後述されるように、これが前記LEDのパッケージ内に内部的に設けられていない場合、このことは付加的なダイオードにより達成されることもできる。
【0056】
この実施例は、例えば、赤―緑―青色LEDを混合するのに使用されることができる。ほとんどの電流を使用するLEDは、LED4aの位置に配されることができる。
【0057】
色の混合は、2つの段階、即ちLED4aはオフされているLED4b及び4cのための第1段階と、LED4b及び4cはオフにされているLED4aのための第2段階とにおいて実行されることができる。
【0058】
前記電源のためのAC信号を使用することによって、前記電源の信号は、これらの2つの段階の間を行き来し、これらは前記ユーザに知覚可能ではない。従って、前記ユーザは、全ての3つのLEDのブライトネスの同時の制御を見る。
【0059】
上述されている取り組みを使用して、4色以上の色を混合することもでき、例えば、赤色―緑色―青色―琥珀色を混合するもできる。
【0060】
一般に、領域7a及び7b間に電圧を印加することによって、LED4bは、オンにされることができる。
【0061】
領域7cと領域7bとの間に電圧を印加することによって、前記LED4cは、オンにされることができる。
【0062】
逆電圧を領域7aと領域7bとの間、及び/又は領域7cと領域7bとの間に印加することによって、LED4aがオンにされる。
【0063】
適切な電圧を供給することによって、上述で概説されたように、3つのLED全てからの出力を独立に制御することが可能である。オフセット電圧は、ダイオード4aを制御している逆方向サイクルとダイオード4b、4cを制御している順方向サイクルとによって、逆電圧のサイクルが前記順方向電圧サイクルに対する種々の振幅を有するように、上述のように使用されることができる。
【0064】
より多くのダイオードが、当該システムを改良するために付加されることもできる。例えば、付加的なダイオードが、LED4b及び4cのための導体経路間のクロストークを抑制するために、LED4b及びLED4cの近くに設けられることができる。
【0065】
上述したように、LED4aは、2つの駆動電極の何れかによって駆動されるべきである場合、2つの分離された接触端子を必要とする。これらは、例えば、前記LEDパッケージに付加されることもでき、又はこれらは前記ITO層上のLEDと一緒にはんだ付けされることもできる。
【0066】
図7は、接触11aと接触11bとの間の短絡を防止するために付加される追加のダイオード70を備えた図6の電気回路を表している。前記ITO抵抗は、抵抗12として示されている。図7は、極性が当該回路の動作に影響を与えることなく逆転されることができるという事実を説明するために、対向する極性を有して接続されているダイオードも示している。
【0067】
典型的には、LEDのための最大逆電圧は上述の回路内で供給されている最大逆電圧よりも大きく、従って、この逆平行の装置は良好に働く。しかしながら、幾つかの場合において、前記LEDに印加される逆バイアス電圧を減少することが望ましいことであり得る。付加的なダイオードが、前記LED許可されている(LED permitted)逆バイアス電圧と付加的なダイオードの電圧降下との組み合わせである最大の許容可能逆電圧を増大させるために、当該システムに付加されることが可能である。
【0068】
上述の例は、個々のLEDのグループを示している。しかしながら、本発明は、典型的には、大きいガラス板内に埋め込まれている、多くのLEDのLEDグループとして実施化されることを理解されたい。LEDグループ間の典型的な距離は、1cm乃至10cmである(例えば、約3cm)。
【0069】
上述の例は、ガラス基板を使用しているが、可塑性基板が使用されても良い。
【0070】
前記透明(又は少なくとも半透明の)電極を形成するための少数の可能な材料は、上述で概説された。他の例は、米国特許第5 218 351号に見られることができ、約10mm以上だけ離間されている約0.1mmの直径、又は1mm以上だけ離間されている約20umの直径を有する導電性ワイヤを含む。このワイヤは、金、銀、銅、亜鉛又はステンレス鋼のストランドから作られることもできる。代替的には、ポリエステル又はナイロンワイヤのような樹脂でできているストランドが使用されることができ、前記ストランドの外表面は、蒸着又は金属プレーティング等によって金属で被覆されている。蒸着SiO2―インジウム合金の導電性薄膜も、使用されることができる。
【0071】
従って、ワイヤが、示されたようなコンタクトパッドの代わりに使用されても良く、線の数を減少する有利な点も、依然として得られる。
【0072】
導電性インクも使用されることができ、インクジェット又はシルクスクリーン印刷により堆積されることができる。このインクは、微細な金属粒子(例えば、銀)を含んでおり、0.1オーム/平方/ミル(mil)未満のコンダクタンスを有する。インクを使用している典型的なワイヤの幅は、0.08mm乃至0.8mmである。
【0073】
様々な変形が、当業者にとって明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性の基板装置を有している光出力デバイスであって、前記基板装置の構造内に組み込まれている複数の光源デバイス装置を有している光出力デバイスにおいて、
前記基板装置は、第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟まれている電極装置とを有しており、前記複数の光源デバイス装置は前記電極装置に接続されており、前記複数の光源デバイス装置は第1の光源デバイス及び第2の光源デバイスを少なくとも有しており、各光源デバイスは、第1の電気的接触及び第2の電気的接触を有していると共に、前記第1の接触から前記第2の接触までの順バイアス方向の電気伝導経路を提供しており、対向する(逆バイアス)方向の電気伝導を遮断しており、前記第1の光源デバイス及び前記第2の光源デバイスは逆平行に配されている、光出力デバイス。
【請求項2】
前記複数の光源デバイス装置が熱可塑性層内に埋め込まれている、請求項1に記載の光出力デバイス。
【請求項3】
前記第1の光源デバイスの前記第1の電気的接触と、前記第2の光源デバイスの前記第2の電気的接触とが、コモン電極に接続されている、請求項1又は2に記載の光出力デバイス。
【請求項4】
前記第1の光源デバイスの前記第2の電気的接触と、前記第2の光源デバイスの前記第1の電気的接触とが、第2のコモン電極に接続されている、請求項3に記載の光出力デバイス。
【請求項5】
前記第1の光源デバイス及び第2の光源デバイスの独立制御を提供するための電源を更に有している請求項1乃至4の何れか一項に記載の光出力デバイス。
【請求項6】
前記電源が双極性電流源を有している、請求項5に記載の光出力デバイス。
【請求項7】
前記電源は、前記第1の光源デバイス及び前記第2の光源デバイスを同時に制御するための調整可能な直流オフセットを有する交流電源を有している、請求項6に記載の光出力デバイス。
【請求項8】
1つ以上の光源デバイス装置は、第3の光源デバイスであって、第1の電気的接触及び第2の電気的接触を有していると共に、前記第1の電気的接触から前記第2の電気的接触までの順バイアス方向の電気伝導経路を提供しており、対向する(逆バイアス)方向の電気伝導を遮断している第3の光源デバイスを有しており、前記第3の光源デバイスの前記第2の電気的接触は前記コモン電極に接続されている、請求項3又は4に記載の光出力デバイス。
【請求項9】
前記第2の光源デバイスの前記第1の電気的接触は、第1の電極に接続されており、前記第3の光源デバイスの前記第1の電気的接触は、第2の電極に接続されている、請求項8に記載の光出力デバイス。
【請求項10】
前記第1の光源デバイスの前記第2の電気的接触は、前記第1の電極と前記第2の電極とを短絡することなく、前記第1の電極及び前記第2の電極の両方に接続されている、請求項9に記載の光出力デバイス。
【請求項11】
前記第1の光源デバイスの前記第2の電気的接触と、前記第2の光源デバイス及び前記第3の光源デバイスの前記第2の電気的接触との間に1つ以上のダイオードを更に有する、請求項10に記載の光出力デバイス。
【請求項12】
前記第1の双極性電流源及び前記第2の双極性電流源を有する電源を更に有しており、前記双極性電流源の1つは、前記コモン電極と前記第1の電極との間に信号を供給するためのものであり、双極性電流源の1つは、前記コモン電極と前記第2の電極とのの間に信号を供給するためのものである、請求項10又は11に記載の光出力デバイス。
【請求項13】
前記電極装置が、少なくとも半透明の導体装置を有している、請求項1乃至12の何れか一項に記載の光出力デバイス。
【請求項14】
前記電極装置は、実質的に透明なインジウムスズ酸化物、インジウム酸化亜鉛、酸化スズ又はフッ素ドープ酸化スズを有している、請求項13に記載の光出力デバイス。
【請求項15】
前記光源デバイスの前記電気的接触は、透明な前記導体装置の領域に接続されている、請求項13又は14に記載の光出力デバイス。
【請求項16】
前記導体パターンの領域は、そうでない場合には実質的に連続的である導体層内の切れ目線により規定されている、請求項15に記載の光出力デバイス。
【請求項17】
前記電極装置が半透明の伝導性材料を有している、請求項13に記載の光出力デバイス。
【請求項18】
前記半透明の伝導性材料は、金、銀、銅、亜鉛又はステンレス鋼を有している、請求項17に記載の光出力デバイス。
【請求項19】
前記半透明の伝導性材料は、伝導性粒子を含んでいるインクを含有している、請求項17又は18に記載の光出力デバイス。
【請求項20】
前記光源デバイスは、LEDデバイスを有している、請求項1乃至19の何れか一項に記載の光出力デバイス。
【請求項21】
前記光源デバイスは、無機LED、有機LED、ポリマLED又はレーザダイオードを有している、請求項20に記載の光出力デバイス。
【請求項22】
各光源デバイス装置は、逆平行に配されている少なくとも2つのLEDチップを有している、請求項1乃至21の何れか一項に記載の光出力デバイス。
【請求項23】
請求項1乃至22の何れか一項に記載の光出力デバイスと、前記光出力デバイスに供給される前記信号を制御する照明コントローラとを有する照明システム。
【請求項24】
光出力デバイスを駆動する方法であって、前記光出力デバイスは、光透過性の基板装置を有しており、複数の光源デバイス装置が前記基板装置の構造内に組み込まれており、前記複数の光源デバイス装置は、少なくとも第1の光源デバイス及び第2の光源デバイスを少なくとも有しており、各光源デバイスは、第1の電気的接触及び第2の電気的接触を有していると共に、前記第1の接触から前記第2の接触までの順バイアス方向の電気伝導経路を提供しており、対向する(逆バイアス)方向の電気伝導を遮断しており、前記第1の光源デバイス及び前記第2の光源デバイスは、逆平行に配されている、光出力デバイスを駆動する方法において、前記光源デバイスを順に駆動するための交流電圧を前記電極装置に印加するステップと、前記第1の光源デバイス及び前記第2の光源デバイスの出力強度の独立制御を提供するステップとを有する光出力デバイスを駆動する方法。
【請求項25】
前記交流電圧が、前記第1の光源デバイス及び前記第2の光源デバイスの相対的な強度を制御する可変的な直流オフセットを有している、請求項24に記載の光出力デバイスを駆動する方法。
【請求項26】
1つ以上の光源デバイス装置は、第3の光源デバイスであって、第1の電気的接触及び第2の電気的接触を有すると共に、前記第1の電気的接触から前記第2の電気的接触まで順バイアス方向の電気伝導経路を提供し、対向する(逆バイアス)方向の電気伝導を遮断している第3の光源デバイスを有している、請求項24に記載の方法であって、順における第1段階において2つの光源デバイスを駆動し、順における第2段階において他の光源デバイスを駆動するために、2つの交流電圧を前記電極装置に印加するステップと、前記第1の光源デバイス、前記第2の光源デバイス及び前記第3の光源デバイスの出力強度の独立制御を提供するステップとを有する光出力デバイスを駆動する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−532087(P2010−532087A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510927(P2010−510927)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052116
【国際公開番号】WO2008/149268
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】