説明

光吸収性金属ナノ粒子層を含んだ表示素子

【課題】表示素子用の光吸収層での使用に適した組成物および表示素子での使用に適した光吸収層の新しい構成を提供する。
【解決手段】マトリックス材料中に金属ナノ粒子を含んだ光吸収層を備えた表示素子。適したマトリックス材料には有機材料、無機材料、ポリマー材料、およびそれらを組み合わせたものが挙げられる。金属ナノ粒子は種々の規則的または不規則な形状および/または2次元または3次元の構造を有し得る。金属ナノ粒子は約2〜約20nmの粒径を有し得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子の粒径分布は±75%以下である。光吸収層は2層以上の個々の光吸収層を含む多層構成を有し得る。光吸収層は表示素子中の周囲光の反射を低減させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、種々の実施形態では、光吸収層を含んだ表示素子に関する。光吸収層はマトリックス材料中に金属ナノ粒子を含む。特に有機発光素子(OLED)に関して光吸収層を記載するが、金属ナノ粒子を含んだ光吸収層は他の類似する用途および表示素子にも馴染み易いことを理解されたい。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(OLED)はディスプレイ用途に有望な技術の代表である。典型的な有機発光素子には、第1の電極、1つまたは複数のエレクトロルミネセンス有機材料を含むルミネセンス領域、および第2の電極を含み、ここで第1の電極および第2の電極の一方は正孔注入アノードとして働き、他方は電子注入カソードとして働き、第1の電極および第2の電極の一方は前部電極であり、他方は裏電極である。前部電極は透明(または少なくとも部分的に透明)であるが、裏電極は通常は光に対して反射率が非常に高い。電圧が第1の電極および第2の電極にわたって印加されると、光がルミネセンス領域から透明な前部電極を通して放出される。高い周囲光の下で観察すると、反射性の裏電極は相当な量の周囲光を観察者に反射し、その結果、その素子自身の発光と比較して反射される照明の割合が高くなるために表示された像の「ウォッシュアウト」が生じる。
【0003】
一般にエレクトロルミネセンス・ディスプレイのコントラストを改善するために、例えば米国特許第4287449号に記載されたような光吸収層、または例えば米国特許第5049780号に記載されたような光学干渉材料を用いて周囲照明の反射が低減されてきた。
【0004】
知られている有機発光素子の別の問題は、低仕事関数の、故に高反射率の金属をカソードに使用することから生じる。その高い反射率のために、そのようなカソード材料は周囲条件において不安定であり、大気中の酸素および水と反応して非放射性のダーク・スポットを形成する。例えば、Burrowsらの「Reliability and Degradation of Organic Light Emitting Devices」、Appl.Phys.Lett.第65巻、2922〜2924頁(1994年)を参照されたい。そのような周囲の影響を低減するために、有機発光素子は典型的には、例えば10ppm未満の湿度の気圧未満のような厳格な条件下で製造直後に気密封止される。
【0005】
表示素子における周囲光の反射を抑えるための近年の他の開発は、例えば、現在は米国特許第6841932号である米国特許公報第2002/0180349号として発行されている米国特許出願第10/117812号、および米国特許公報第2003/0234609号として発行されている米国特許出願第10/401238号に記載されているような金属−有機物混合層を対象としてきた。光の反射を低減するその他の方法は、米国特許第6750609号に取り上げられている。これらの出願および特許は、その全体として本願明細書に参照により援用する。
【0006】
本出願に関連するであろう他の文書には、米国特許第4652794号、米国特許第6023073号、Liang−Sun Hungらの「Reduction of Ambient Light Reflection in Organic Light−Emitting Diodes」、Advanced Materials、第13巻、1787〜1790頁(2001年)、Liang−Sun Hungらの米国特許出願シリアル番号第09/577092号(2000年5月24日出願)、欧州特許出願第1 160 890A2号(特許請求の範囲の優先権は上記の米国特許出願シリアル番号第09/577092号に基づく)、特開平8−222374号(公開日1996年8月30日)、O Renaultらの「A low reflectivity multilayer cathode for organic light−emitting diodes」、Thin Solid Films、第379巻、195〜198頁(2000年)、PCT国際出願第01/08240 A1号、PCT国際出願第01/06816 A1号、David Johnsonらの、Technical Paper 33.3、「Contrast Enhancement of OLED Display」、http://www.luxell.com/pdfs/OLED tech ppr.pdf、1〜3頁(2001年4月)、Junji Kidoらの「Bright organic electroluminescent devices having a metal−doped electron−injecting layer」、Applied Physics Letters、第73巻、2866〜2868頁(1998年)、Jae−Gyoung Leeらの「Mixing effect of chelate complex and metal in organic light−emitting diodes」、Applied Physics Letters、第72巻、1757〜1759頁(1998年)、Jingsong Huangらの「Low−voltage organic electroluminescent devices using pin structures」、Applied Physics Letters、第80巻、139〜141頁(2002年)、L.S.Hungらの「Sputter deposition of cathodes in organic light emitting diodes」、Applied Physics Letters、第86巻、4607〜4612頁(1999年)、欧州特許出願第0 977 287 A2号、欧州特許出願第0 977 288 A2号、Hany Azizらの「Reduced reflectance cathode for organic light−emitting devices using metal organic mixtures」、Applied Physics Letters、第83巻、186〜188頁(2003年)、およびH.Michelle Grandinらの「Light−absorption Phenomena in Novel Low−Reflectance Cathodes for Organic Light−Emitting Devices Utilizing Metal−Organic Mixtures」、Advanced Materials、第15巻23号、2021〜2024頁(2003年)が挙げられる。
【0007】
上記特許、出願、および論文をそれぞれ、その全体として本願明細書に参照により援用する。
【0008】
本出願に関連するであろう他の文書は現在は放棄されている米国特許出願シリアル番号第09/800716号(2001年5月8日出願)に提出されており、そのような他の文書には次のようなものがある:米国特許第4885211号、米国特許第5247190号、米国特許第4539507号、米国特許第5151629号、米国特許第5150006号、米国特許第5141671号、米国特許第5846666号、米国特許第5516577号、米国特許第6057048号、米国特許第5227252号、米国特許第5276381号、米国特許第5593788号、米国特許第3172862号、米国特許第4356429号、米国特許第5601903号、米国特許第5935720号、米国特許第5728801号、米国特許第5942340号、米国特許第5952115号、米国特許第4720432号、米国特許第4769292号、米国特許第6130001号、Bemiusらの「Developmental progress of electroluminescent polymeric materials and devices」、SPIE Conference on Organic Light Emitting Materials and Devices III、コロラド州デンバー、1999年7月、SPIE、第3797号、129〜137頁、Baldoらの「Highly efficient organic phosphorescent emission from organic electroluminescent devices」、Nature誌、第395巻、151〜154頁(1998年)、およびKidoらの「White light emitting organic electroluminescent device using lanthanide complexes」、Jpn.J.Appl.Phys.、第35巻、L394〜L396頁(1996年)。
【0009】
上記特許、出願、および論文をそれぞれ、その全体として本願明細書に参照により援用する。
【0010】
【特許文献1】米国特許第4287449号
【特許文献2】米国特許第5049780号
【非特許文献1】Burrowsらの「Reliability and Degradation of Organic Light Emitting Devices」、Appl.Phys.Lett.第65巻、2922〜2924頁(1994年)
【特許文献3】米国特許第6841932号
【特許文献4】米国特許公報第2002/0180349号
【特許文献5】米国特許同時係属出願第10/117812号
【特許文献6】米国特許公報第2003/0234609号
【特許文献7】米国特許出願シリアル番号第10/401238号
【特許文献8】米国特許第6750609号
【特許文献9】米国特許第4652794号
【特許文献10】米国特許第6023073号
【非特許文献2】Liang−Sun Hungらの「Reduction of Ambient Light Reflection in Organic Light−Emitting Diodes」、Advanced Materials、第13巻、1787〜1790頁(2001年)
【特許文献11】米国特許出願シリアル番号第09/577092号
【特許文献12】欧州特許出願第1 160 890A2号
【特許文献13】特開平8−222374号
【非特許文献3】O Renaultらの「A low reflectivity multilayer cathode for organic light−emitting diodes」、Thin Solid Films、第379巻、195〜198頁
【特許文献14】PCT国際出願第01/08240 A1号
【特許文献15】PCT国際出願第01/06816 A1号
【非特許文献4】David Johnsonらの、Technical Paper 33.3、「Contrast Enhancement of OLED Display」、http://www.luxell.com/pdfs/OLED tech ppr.pdf、1〜3頁
【非特許文献5】Junji Kidoらの「Bright organic electroluminescent devices having a metal−doped electron−injecting layer」、Applied Physics Letters、第73巻、2866〜2868頁
【非特許文献6】Jae−Gyoung Leeらの「Mixing effect of chelate complex and metal in organic light−emitting diodes」、Applied Physics Letters、第72巻、1757〜1759頁
【非特許文献7】Jingsong Huangらの「Low−voltage organic electroluminescent devices using pin structures」、Applied Physics Letters、第80巻、139〜141頁
【非特許文献8】L.S.Hungらの「Sputter deposition of cathodes in organic light emitting diodes」、Applied Physics Letters、第86巻、4607〜4612頁
【特許文献16】欧州特許出願第0 977 287 A2号
【特許文献17】欧州特許出願第0 977 288 A2号
【非特許文献9】Hany Azizらの「Reduced reflectance cathode for organic light−emitting devices using metal organic mixtures」、Applied Physics Letters、第83巻、186〜188頁
【非特許文献10】H.Michelle Grandinらの「Light−absorption Phenomena in Novel Low−Reflectance Cathodes for Organic Light−Emitting Devices Utilizing Metal−Organic Mixtures」、Advanced Materials、第15巻23号、2021〜2024頁
【特許文献18】米国特許出願シリアル番号第09/800716号
【特許文献19】米国特許第4885211号
【特許文献20】米国特許第5247190号
【特許文献21】米国特許第4539507号
【特許文献22】米国特許第5151629号
【特許文献23】米国特許第5150006号
【特許文献24】米国特許第5141671号
【特許文献25】米国特許第5846666号
【特許文献26】米国特許第5516577号
【特許文献27】米国特許第6057048号
【特許文献28】米国特許第5227252号
【特許文献29】米国特許第5276381号
【特許文献30】米国特許第5593788号
【特許文献31】米国特許第3172862号
【特許文献32】米国特許第4356429号
【特許文献33】米国特許第5601903号
【特許文献34】米国特許第5935720号
【特許文献35】米国特許第5728801号
【特許文献36】米国特許第5942340号
【特許文献37】米国特許第5952115号
【特許文献38】米国特許第4720432号
【特許文献39】米国特許第4769292号
【特許文献40】米国特許第6130001号
【非特許文献11】Bemiusらの「Developmental progress of electroluminescent polymeric materials and devices」、SPIE Conference on Organic Light Emitting Materials and Devices III、コロラド州デンバー、1999年7月、SPIE、第3797号、129〜137頁
【非特許文献12】Baldoらの「Highly efficient organic phosphorescent emission from organic electroluminescent devices」、Nature誌、第395巻、151〜154頁
【非特許文献13】Kidoらの「White light emitting organic electroluminescent device using lanthanide complexes」、Jpn.J.Appl.Phys.、第35巻、L394〜L396頁
【特許文献41】米国特許第5703436号
【特許文献42】米国特許第5429884号
【特許文献43】米国特許出願シリアル番号第09/770154号
【特許文献44】米国特許第5457565号
【特許文献45】米国特許第5608287号
【特許文献46】米国特許第5739635号
【特許文献47】米国特許第6765348号
【特許文献48】米国特許第6614175号
【特許文献49】米国特許第5059861号
【特許文献50】米国特許第6465115号
【特許文献51】米国特許出願シリアル番号第09/208172号
【特許文献52】欧州特許出願第1009044A2号
【特許文献53】米国特許第5972247号
【特許文献54】米国特許第5935721号
【特許文献55】米国特許第6479172号
【特許文献56】米国特許出願シリアル番号09/771311号
【特許文献57】米国特許出願シリアル番号第08/829398号
【特許文献58】米国特許出願シリアル番号第09/489144号
【特許文献59】米国特許第6392339号
【特許文献60】米国特許第6392250号
【特許文献61】米国特許第3598644号
【特許文献62】米国特許第4084966号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
表示素子用の光吸収層に使用するのに適した組成物を提供する必要性が依然として存在する。さらに、表示素子での使用に適した光吸収層の新しい構成を提供する必要性もある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の態様は、そのいくつかの実施形態では、カソード、アノード、カソードとアノードとの間に配設されたルミネセンス領域、およびi)金属ナノ粒子とii)有機材料、無機材料、ポリマー材料およびそれらを組み合わせたものから成る群から選択されたマトリックス材料とを含む光吸収層を備えた表示素子を含み、光吸収層中のナノ粒子の集団の平均粒径は約2〜約20nmを含む約1〜約30nmであり、ナノ粒子は±75%以下の粒径分布を有する。
【0013】
本開示の別の態様は、そのいくつかの実施形態では、第1の電極、第2の電極、第1の電極と第2の電極との間に配設されたルミネセンス領域、およびi)金属ナノ粒子とii)ポリマー材料、無機材料、有機材料、およびそれらを組み合わせたものから成る群から選択されたマトリックス材料とを含んだ光吸収層を備えた表示素子を含み、金属ナノ粒子は約10nmを含む約5〜約15nmの平均粒径を有する。
【0014】
本開示のさらに別の態様は、そのいくつかの実施形態では、アノード、カソード、およびアノードとカソードとの間に配設されたルミネセンス領域を備えた有機発光素子を含み、前記カソードはi)金属ナノ粒子とii)ポリマー材料、無機材料、有機材料、およびそれらを組み合わせたものから成る群から選択されたマトリックス材料とを含んだ光吸収層を含み、金属ナノ粒子の集団は±25%を含む±50%以下の粒径分布を有する。
【0015】
図面および以下の説明を参照して、本開示のこれらおよび他の非限定的態様または実施形態をさらに記載する。
【0016】
本開示は光吸収層を含んだ表示素子に関する。本開示の表示素子は一般に、第1の電極、第2の電極、第1の電極と第2の電極との間に配設されたルミネセンス領域、および光吸収層(LAL)を含む。この光吸収層はマトリックス材料中に金属ナノ粒子を含む。光吸収層は表示素子中のいずれかの場所に設置または位置決めされ得る。例えば、光吸収層は第1の電極とルミネセンス領域との間、第2の電極とルミネセンス領域との間、第1の電極の一部として、第2の電極の一部として、ルミネセンス領域の一部として配設され得るか、または第1の電極または第2の電極のうちの1つの外部に設置され得る。表示素子は複数の光吸収層を含んでよい。複数の光吸収層を含んだ表示素子では、表示素子に適した1つまたは複数の他の層によって分離され得る。あるいは、複数の光吸収層は光吸収領域またはゾーンを形成するものと解釈されてよく、複数の光吸収層は相互に接している、すなわち積層構成であるか、または複数の光吸収層は層の1つまたは複数によって分離されている。
【0017】
本開示のために、以下の定義が適用可能である。特に定めのない限り、「層」という用語はi)成分の濃度およびii)個々の組成物を形成する成分のうちの少なくとも一方の点で隣接する層の組成とは異なる組成を有する単一のコーティングを意味する。例えば、隣接する層は、同じ成分を有するが異なる濃度の組成から形成される場合、別個のものであると理解されたい。本願明細書で使用されるような「光吸収層」という用語は、特定の光吸収領域またはゾーンを定める単一の光吸収層または複数の光吸収層の両方を包含することに留意されたい。「領域」という用語は、単層、2、3、4、5層以上の層などの複数の層、および/または1つまたは複数の「ゾーン」を意味する。例えば、電荷輸送ゾーン(すなわち正孔輸送ゾーンおよび電子輸送ゾーン)、発光ゾーン、および光吸収層などの本願明細書で使用されるような「ゾーン」という用語は、単層、複数の層、単一の機能的エリア、または複数の機能的エリアを意味する。「発光領域」および「ルミネセンス領域」は同義的に用いられる。
【0018】
添付図面を参照することによって、本願明細書に開示された工程および装置をより完全に理解することができる。これらの図は便宜性および本開発を実証する容易さに基づいた単なる略図であるので、表示素子またはその構成要素の相対的大きさおよび相対寸法を表すことおよび/または例示の実施形態の範囲を定義または限定することを意図したものではない。
【0019】
わかり易いように以下の説明では具体的な用語を用いるが、これらの用語は図面において説明のために選択された実施形態の特定の構造のみを示すことを意図したものであり、本開示を定義または制限することを意図したものではない。図面中および以下の説明では、同様の参照番号は同様の機能の構成要素を示すものと理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1〜7は本開示の光吸収層を含んだ表示素子のいくつかの実施形態を示している。図1を参照すると、有機発光素子110はアノード120、ルミネセンス領域130、カソード150、およびカソード150とルミネセンス領域130との間に配設された光吸収層140を含んでいる。
【0021】
図2を参照すると、有機発光素子210はアノード220、ルミネセンス領域240、カソード250、およびアノード220とルミネセンス領域240との間に配設された光吸収層230を含んでいる。
【0022】
図3を参照すると、有機発光素子310は第1の電極320、ルミネセンス領域330、および第2の電極340を含んでいる。第1および第2の電極はアノードまたはカソードの一方であってよい。付加的には、第1の電極または第2の電極のうちの一方は本開示の光吸収層を含む。
【0023】
図4を参照すると、有機発光素子410はアノード420、ルミネセンス領域430、およびカソード440を含んでいる。カソード440は光吸収層442および付加層444を含んでいる。図4に示した素子のような表示素子は層444のような1つまたは複数の付加層を含み得ることが理解されよう。層444などの付加層は、例えば、キャップ層またはキャップ領域であってよい。1つまたは複数のそのような付加層を含んだ実施形態では、光吸収層は電子注入コンタクトとして働く。この光吸収層はルミネセンス領域430と接触するように形成される。
【0024】
図5を参照すると、光吸収層が電極外部に位置するか、または位置決めされた表示素子を示している。図5では、有機発光素子510は第1の電極520、ルミネセンス領域530、第2の電極540、および第2の電極540の外側に位置する光吸収層550を含んでいる。第2の電極はカソードまたはアノードの一方であってよい。
【0025】
図6を参照すると、光吸収層がルミネセンス領域の一部として示されている。図6では、有機発光素子610は第1の電極620、ルミネセンス領域630、および第2の電極640を含んでいる。ルミネセンス領域630は第1の電荷輸送ゾーン632、発光ゾーン634、および第2の電荷輸送ゾーン636を含んでいる。図6に示したように、第2の電荷輸送ゾーン636は光吸収層636Aおよび電荷輸送層636Bを含む。第1の電極はカソードまたはアノードのいずれかであり得、第2の電極はカソードまたはアノードのいずれかであり得る。また、第1の電荷輸送ゾーン632は(第2の電荷輸送ゾーンは電子輸送ゾーンである)正孔輸送ゾーンまたは(第2の電荷輸送ゾーンは正孔輸送ゾーンである)電子輸送ゾーンのいずれかであり得る。
【0026】
この光吸収層はルミネセンス領域内部のどこかに位置し得ることが理解されよう。例えば、光吸収層は電子輸送ゾーンまたは正孔輸送ゾーン(ここでは、電子輸送ゾーンおよび正孔輸送ゾーンは同じ層、あるいはルミネセンス領域を含む2枚、3枚以上の層の機能エリアに相当する)の内部に位置し得る(したがって、電子輸送ゾーンまたは正孔輸送ゾーンの一部として見ることができる)。光吸収層は電子輸送ゾーンと発光ゾーンとの間に、または正孔輸送ゾーンと発光ゾーンとの間に位置してもよい。
【0027】
図7を参照すると、多層光吸収層を含んだ表示素子を示している。図7では、有機発光素子710は第1の電極720、ルミネセンス領域730、光吸収層740、および第2の電極750を備えている。第1の電極はカソードまたはアノードのいずれかであり得、第2の電極はカソードまたはアノードのいずれかであり得る。光吸収層または領域740は3つの別個の光吸収層742、744、および746を含む。本願明細書で使用するように、隣接する光吸収層は、隣接する層の組成が光吸収層の成分または層中の成分の比率のいずれかに関して互いに異なっている場合、別個のものであると理解されたい。すなわち、同じ成分、つまり同じ金属ナノ粒子およびマトリックス材料を有する隣接する光吸収層は、その成分が個々の層に異なる濃度レベルで存在する場合、別個の層であると理解されたい。本開示のために、まったく同じ組成を有する隣接する光吸収層は単一の光吸収層であると理解されたい。
【0028】
図には示していないが、図1〜7のOLEDのような表示素子は第1の電極または第2の電極の一方に隣接する、すなわちアノードまたはカソードの一方に隣接する基板を含み得ることを理解されたい。実質的に透明な基板は、例えば、ポリマー成分、ガラス、石英等などの種々の適した材料を含み得る。適したポリマー成分にはMYLAR(登録商標)などのポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスルホン等があるが、これに限定されるものではない。例えば、材料が効果的に他の層を支持することができ、かつ素子の機能的性能に干渉しないと仮定すれば、他の基板材料を選択することもできる。
【0029】
不透明基板は、例えば、カーボン・ブラックなどの着色剤または染料を含んだ、MYLAR(登録商標)などのポリエステルのようなポリマー成分、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスルホン等などの種々の適した材料を含み得る。この基板はアモルファス・シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン等などのシリコンから成ってもよい。この基板に使用することのできる別のクラスの材料には、金属酸化物、ハロゲン化金属、水酸化金属、金属硫化物等のような金属化合物がある。
【0030】
いくつかの実施形態では、基板は例えば約10〜約5000μmの範囲の厚さを有してよい。他の実施形態では、基板は約25〜約1000μmの厚さを有してよい。
【0031】
あるアノードはインジウムスズ酸化物(ITO)、シリコン、酸化スズ、および金、白金、およびパラジウムなどの仕事関数が約4eV〜約6eVの金属などの適した正電荷注入材料を含み得る。アノードに適した他の材料には、約4eVに等しいか、またはそれを超える仕事関数を有し、いくつかの実施形態では約4eV〜約6eVの仕事関数を有する、導電性炭素、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等のπ共役ポリマー、等が挙げられるが、これに限定されるものではない。実質的に透明なアノードは、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、例えば、約10Å〜約200Å、いくつかの実施形態では約30Å〜約100Åの厚さを有する、金、パラジウム等などの仕事関数が約4eV〜約6eVの金属を含む非常に薄い実質的に透明な金属層を含み得る。アノードのさらなる適した形態がその全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第4885211号および第5703436号に開示されている。あるアノードはその全体を本願明細書に参照により援用する米国特許同時係属出願第10/117812号に開示されたような金属−有機物混合層(MOML)も含み得る。このアノードの厚さは約10Å〜約5,000Åであり得、アノード材料の電気定数および光学定数に応じて所望の範囲を有する。アノード厚のある例示的な範囲は約300Å〜約3,000Åである。当然、この範囲外の厚さを使用することもできる。
【0032】
カソードは、例えば仕事関数が約4eV〜約6eVの金属などの高仕事関数の成分、あるいは例えば仕事関数が約2eV〜4eVの金属などの低仕事関数の成分を含んだ金属などの適した電子注入材料を含み得る。このカソードは(約4eV未満の)低仕事関数の金属と少なくとも1つの他の金属とを組み合わせたものを含み得る。低仕事関数の金属と第2または他の金属との効果的な比率は約0.1重量%〜約99.9重量%未満である。低仕事関数の金属の実例にはリチウムまたはナトリウムなどのアルカリ金属、ベリリウム、マグネシウム、カルシウムまたはバリウムなどの2A族すなわちアルカリ土類金属、および希土類金属を含むIII族金属およびスカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、ユーロピウム、テルビウム、またはアクチニウムなどのアクチニド族金属があるが、これに限定されるものではない。リチウム、マグネシウム、およびカルシウムは好適な低仕事関数の金属である。カソードを形成するのに適した材料には、その全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第4885211号、第4720432号、および第5703436号に記載されたMg−Ag合金カソードがあるが、これに限定されるものではない。他の適したカソードは、その全体を本願明細書に参照により援用する米国特許出願シリアル番号第10/117812号およびその開示の全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第5429884号に開示されたような金属−有機物混合層(MOML)を含む。カソードはアルミニウムおよびインジウムなどの高仕事関数のリチウム合金から形成することができる。
【0033】
実質的に透明なカソードは、例えば約10Å〜約200Å、いくつかの実施形態では約30Å〜約100Åの厚さを有する、Mg、Ag、Al、Ca、In、Li、および例えば約80〜95容量%のMgおよび約20〜約5容量%のAgから成るMg:Ag合金、例えば約90〜99容量%のAlおよび約10〜約1容量%のLiから成るLi:Al合金、等などのそれらの合金のような仕事関数が約2eV〜約4eVの金属から成る非常に薄い実質的に透明な金属層を含み得る。当然、この範囲外の厚さを用いることもできる。
【0034】
いくつかの実施形態では、カソードは1つまたは複数の付加層を含んでよい。カソードの1つまたは複数の付加層は少なくとも1つの金属および/または少なくとも1つの無機材料を含み得る。付加層に使用することのできる例示的な適した金属には、Mg、Ag、Al、In、Ca、Sr、Au、Li、Cr、およびこれらの混合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。付加層に使用することのできる例示的な適した無機材料にはSiO、SiO、LiF、MgF、およびこれらの混合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0035】
1つまたは複数の付加層は互いに同じ機能かまたは異なる機能を有し得る。例えば、カソードの1つまたは複数の付加層は金属を含むかまたは金属から本質的に構成されて、シート抵抗の低い(例えば、<10Ω/平方)導電層を形成する。また、カソードの1つまたは複数の付加層はMOML、ルミネセンス領域、およびアノードへ周囲の湿気が透過するのを防ぐかまたは少なくとも低減させるパッシベーション層(例えば、防湿バリアなど)を形成することによって、金属−有機物混合層を周囲から保護することができる。また、カソードの1つまたは複数の付加層は防熱層として働いて、素子が高温で短絡するのを防ぐことができる。例えば、そのような保護は、その全体を本願明細書に参照により援用する2001年1月26日に出願された米国特許出願シリアル番号第09/770154号にさらに詳細に考察されているように、約60℃〜約110℃の温度で提供することができる。
【0036】
カソードの厚さは、例えば、約10ナノメートル(nm)〜約1,000nmの範囲であり得る。この範囲外の厚さを用いることもできる。
【0037】
本発明のOLEDに使用されるアノードおよびカソードはそれぞれ、単層であってよく、または2層、3層以上の層を含んでもよい。例えば、電極は電荷注入層(すなわち、電子注入層または正孔注入層)およびキャップ層から構成され得る。しかし、いくつかの実施形態では、電荷注入層は電極とは明らかに区別できる物と解釈され得る。
【0038】
電子注入層は、例えば、約10Å〜約200Åの厚さ有し、またいくつかの実施形態では約30Å〜約100Åを有する、Mg、Ag、Al、Ca、In、Li、および例えば約80〜95容量%のMgおよび約20〜約5容量%のAgから成るMg:Ag合金、例えば約90〜99容量%のAlおよび約10〜約1容量%のLiから成るLi:Al合金、等などのそれらの合金のような仕事関数が約2eV〜約4eVの金属から成る非常に薄い実質的に透明な金属層を含み得る。当然、これらの範囲外の厚さを用いることもできる。この電子注入層は、その全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第5457565号、第5608287号、および第5739635号に記載されたような酸化物材料またはアルカリ金属化合物などの非常に薄い絶縁性材料を含むこともできる。
【0039】
正孔注入層はインジウムスズ酸化物(ITO)、シリコン、スズ酸化物、および金、白金、およびパラジウムなどの仕事関数が約4eV〜約6eVの金属のような適した正電荷注入材料から成り得る。正孔注入層に適した他の材料には、例えば約4eVに等しいかまたはこれを超える仕事関数、および特に約4eV〜約6eVの仕事関数を有する、導電性炭素、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどのπ共役ポリマー等が挙げられるが、これに限定されるものではない。実質的に透明な正孔注入材料は、例えば約10Å〜約200Å、特にいくつかの実施形態では約30Å〜約100Åの厚さを有する、金、パラジウム等などの仕事関数が約4eV〜約6eVの金属を含む非常に薄い実質的に透明な金属層から成り得る。当然、これらの範囲外の厚さを用いることもできる。正孔注入層の付加的な適した形態は、その全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第4885211号および第5703436号に開示されている。
【0040】
熱安定性を上げ、環境安定性を上げ、かつ/または何らかの他の様式では有機発光素子の性能を上げるために、アノードおよび/またはカソード上にはキャップ層を含むことができる。有機発光の熱安定性を上げるのに使用することのできるキャップ層の1例には、SiO、SiO、またはこれらの混合物から成る層がある。他の例はその全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第6765348号および第6614175号に開示されている。有機発光素子の環境安定性を上げるのに使用することのできるキャップ層の1例には、Ag、Al、In、またはAuなどの安定した金属から成る層がある。有機発光素子の環境安定性を上げるのに使用することのできるキャップ層の別の例には、例えば米国特許第5059861号に記載されたような低仕事関数の金属から成る層がある。キャップ層の厚さは、例えば、約20nm〜約5,000nmである。いくつかの実施形態では、その厚さは約50nm〜500nmである。
【0041】
表示素子は任意にはアノードと正孔輸送層との間にバッファ層を含んでよい。バッファ層は主として、アノードからの正孔の所望の電荷注入を達成するように、かつアノードと正孔輸送層との間の接着性を増大するように働き、これによって素子の操作安定性が増大する。バッファ層に使用することのできる適した材料には、例えば、その全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第4356429号に開示された1,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン銅(II)ようなポルフィリン誘導体、銅フタロシアニン、銅テトラメチルフタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、酸化チタンフタロシアニン、マグネシウムフタロシアニンなどの半導電性有機材料が挙げられる。これらの混合物および他の適した材料を用いることもできる。バッファ層に用いることのできる他の適した材料には、例えば、MgO、Al、BeO、BaO、AgO、SrO、SiO、SiO、ZrO、CaO、CsO、RbO、LiO、KOおよびNaOのような金属酸化物ならびにLiF、KCl、NaCl、CsCl、CsFおよびKFのようなハロゲン化金属などの半導電性金属化合物および絶縁性金属化合物が挙げられる。バッファ層は約1nm〜約100nmの厚さを有し得る。バッファ層の例示的な厚さの範囲は約5nm〜約25nmである。バッファ層の別の例示的な厚さの範囲は約1nm〜約5nmである。
【0042】
いくつかの実施形態では、本発明の表示素子のルミネセンス領域は、少なくとも1つのエレクトロルミネセンス有機材料を含む。このエレクトロルミネセンス材料は重要ではなく、表示素子においてエレクトロルミネセンス材料として使用するのに適した任意の材料であってよい。適した有機エレクトロルミネセンス材料には、例えば、ポリ(p−フェニレンビニレン)PPV、ポリ(2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)1,4−フェニレンビニレン(MEHPPV)およびポリ(2,5−ジアルコキシフェニレンビニレン)(PDMeOPV)、およびその全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第5247190号に開示された他の適した材料などのポリフェニレンビニレン、ポリ(p−フェニレン)(PPP)、ラダー−ポリ−パラ−フェニレン(LPPP)、およびポリ(テトラヒドロピレン)(PTHP)などのポリフェニレン、およびポリ(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジイル)、ポリ(2,8−(6,7,12,12−テトラアルキルインデノフルオレン)およびフルオレン−アミンコポリマーなどのフルオレンを含んだコポリマーなどのポリフルオレンが挙げられる(Bemiusらの「Developmental Progress of Electroluminescent Polymeric Materials and Devices」、SPIE Conference on Organic Light Emitting Materials and Devices IIIの会報、コロラド州デンバー、1999年7月、第3797巻、129頁を参照すること)。
【0043】
ルミネセンス領域に使用することのできる別のクラスの有機エレクトロルミネセンス材料には、その全体をそれぞれ本願明細書に参照により援用する米国特許第4539507号、第5151629号、第5150006号、第5141671号、および5846666号に開示されたような金属オキシノイドが挙げられるが、これに限定されるものではない。例示的な例には、トリス(8−ヒドロキシキノリネート)アルミニウム(AlQ3)およびビス(8−ヒドロキシキノリネート)−(4−フェニルフェノラート)アルミニウム(BAlq)が挙げられる。このクラスの材料の他の例には、トリス(8−ヒドロキシキノリネート)ガリウム、ビス(8−ヒドロキシキノリネート)マグネシウム、ビス(8−ヒドロキシキノリネート)亜鉛、トリス(5−メチル−8−ヒドロキシキノリネート)アルミニウム、トリス(7−プロピル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス[ベンゾ{f}−8−キノリネート]亜鉛、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリネート)ベリリウム等、およびビス(8−キノリンチオラート)亜鉛、ビス(8−キノリンチオラート)カドミウム、トリス(8−キノリンチオラート)ガリウム、トリス(8−キノリンチオラート)インジウム、ビス(5−メチルキノリンチオラート)亜鉛、トリス(5−メチルキノリンチオラート)ガリウム、トリス(5−メチルキノリンチオラート)インジウム、ビス(5−メチルキノリンチオラート)カドミウム、ビス(3−メチルキノリンチオラート)カドミウム、ビス(5−メチルキノリンチオラート)亜鉛、ビス[ベンゾ{f}−8−キノリンチオラート]亜鉛、ビス[3−メチルベンゾ{f}−8−キノリンチオラート]亜鉛、ビス[3,7−ジメチルベンゾ{f}−8−キノリンチオラート]亜鉛、等などの(その全体を本願明細書に参照により援用する)米国特許第5846666号に開示された金属チオキシノイド化合物が挙げられる。
【0044】
さらに具体的には、ルミネセンス領域に使用することのできるあるクラスの有機エレクトロルミネセンス材料は、その全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第5516577号に開示されたものなどのスチルベン誘導体を含む。適したスチルベン誘導体の非限定的な例は4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニルである。
【0045】
混合領域に使用することのできるあるクラスの二極輸送材料には、例えば、2−t−ブチル−9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセン、9,10−ジ−(2−ナフチル)アントラセン、9,10−ジ−フェニルアントラセン、9,9−ビス[4−(9−アントリル)フェニル]フッ素、および9,9−ビス[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フッ素などのアントラセンを含む。他の適したアントラセンは、現在米国特許第6465115号である米国特許出願シリアル番号第09/208172号(欧州特許出願第1009044A2号に相当)に開示されており、米国特許第5972247号に開示されたもの、米国特許第5935721号に開示されたもの、現在米国特許第6479172号である米国特許出願シリアル番号09/771311号に開示されたものがあり、これら全体を本願明細書に参照により援用する。
【0046】
ルミネセンス領域に使用するのに適した別のクラスの適した有機エレクトロルミネセンス材料には、その全体を本願明細書に参照により援用する米国特許出願シリアル番号第08/829398号に開示されたオキサジアゾール金属キレートがある。これらの材料には、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル1,3,4−オキサジアゾラート]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル1,3,4−オキサジアゾラート]ベリリウム、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾラート]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾラート]ベリリウム、ビス[5−ビフェニル−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラート]亜鉛、ビス[5−ビフェニル−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラート]ベリリウム、ビス(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾラート]リチウム、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−p−トリル−1,3,4−オキサジアゾラート]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−p−トリル−1,3,4−オキサジアゾラート]ベリリウム、ビス[5−(p−t−ブチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラート]亜鉛、ビス[5−(p−t−ブチルフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラート]ベリリウム、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(3−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラート]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラート]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(4−フルオロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラート]ベリリウム、ビス[5−(4−クロロフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,4−オキサジザゾラート]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(4−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラート]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾラート]亜鉛、ビス[2−u−(2−ヒドロキシナフチル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾラート]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−p−ピリジル−1,3,4−オキサジアゾラート]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−p−ピリジル−1,3,4−オキサジアゾラート]ベリリウム、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(2−チオフェニル)−1,3,4−オキサジアゾラート]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾラート]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−フェニル−1,3,4−チアジアゾラート]ベリリウム、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾラート]亜鉛、およびビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾラート]ベリリウム、等;それぞれその全体を本願明細書に援用する、2000年1月21日に出願された米国特許出願シリアル番号第09/489144号および米国特許第6057048号に開示されたものを含むトリアジンがある。このルミネセンス領域はドーパントとして約0.01重量%〜約25重量%のルミネセンス材料をさらに含み得る。ルミネセンス領域に使用することのできるドーパント材料の例には、例えばクマリン、ジシアノメチレンピラン、ポリメチン、オキサベンザントラン(oxabenzanthrane)、キサンテン、ピリリウム、カルボスチル、ペリレン等などの蛍光物質がある。別の適したクラスの蛍光物質はキナクリドン色素である。キナクリドン色素の例示的な例には、それぞれその全体を本願明細書に援用する米国特許第5227252号、第5276381号、および第5593788号に開示されたような、キナクリドン、2−メチルキナクリドン、2,9−ジメチルキナクリドン、2−クロロキナクリドン、2−フルオロキナクリドン、1,2−ベンゾキナクリドン、N,N’−ジメチルキナクリドン、N,N’−ジメチル−2−メチルキナクリドン、N,N’−ジメチル−2,9−ジメチルキナクリドン、N,N’−ジメチル−2−クロロキナクリドン、N,N’−ジメチル−2−フルオロキナクリドン、N,N’−ジメチル−1,2−ベンゾキナクリドン、等が挙げられる。使用してよい別のクラスの蛍光物質には縮合環蛍光色素がある。例示的な適した縮合環蛍光色素には、その全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第3172862号に開示されたような、ペリレン、ルブレン、アントラセン、コロネン、フェナントレセン、ピレン等が挙げられる。また、蛍光物質には、その全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第4356429号および第5516577号に開示されたような、1,4−ジフェニルブタジエンおよびテトラフェニルブタジエンなどのブタジエン、スチルベン、等が挙げられる。使用することのできる蛍光物質の他の例には、その全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第5601903号に開示されたものがある。
【0047】
さらに、発光領域に使用することのできる発光ドーパントには、例えば、4−(ジシアノメチレン)−2−1−プロピル−6(1,1,7,7−テトラメチルユロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(DCJTB)などの(その全体を本願明細書に参照により援用する)米国特許第5935720号に開示された蛍光色素、例えば、トリス(アセチルアセトナート)(フェナントロリン)テルビウム、トリス(アセチルアセトナート)(フェナントロリン)テルビウム、およびトリス(テノイルトリスフルオロアセトナート)(ファナントロリン)ユーロピウム、およびその全体を本願明細書に参照により援用するKidoらの「White light emitting organic electroluminescent device using lanthanide complexes」、Jpn.J.Appl.Phys.,第35巻、L394〜L396頁(1996年)に開示されたものなどのランタニド金属キレート錯体、ならびに例えばその全体を本願明細書に参照により援用するBaldoらの「Highly efficient organic phosphorescent emission from organic electroluminescent devices」、Nature誌への投稿、第395巻、151〜154頁(1998年)に開示されたものなどの強力なスピン軌道結合をもたらす重金属原子を含んだ有機金属化合物などの燐光物質がある。好適な例には、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H23H−白金ポルフィン(II)(PtOEP)およびfac−トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(Ir(ppy)3)が挙げられる。
【0048】
ルミネセンス領域には正孔輸送特性を有する1つまたは複数の材料を含むこともできる。ルミネセンス領域に使用することのできる正孔輸送材料の例には、その全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第5728801号に開示されたような、ポリピロール、ポリアニリン、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリチオフェン、ポリアリルアミン、およびそれらの誘導体;その全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第4356429号に開示された1,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン銅(II)などのポルフィリン誘導体;銅フタロシアニン;銅テトラメチルフタロシアニン;亜鉛フタロシアニン;酸化チタンフタロシアニン;マグネシウムフタロシアニン;等が挙げられる。
【0049】
ルミネセンス領域に用いることのできる特定のクラスの正孔輸送材料には、その全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第4539507号に開示されたもののような芳香族第3級アミンがある。適した例示的な芳香族第3級アミンには、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェリル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェリル)−4−フェニルシクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(4−メトキシフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ−1−ナフチル−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジン(「NPB」)、これらの混合物、等が挙げられるが、これに限定されるものではない。別のクラスの芳香族第3級アミンは多核芳香族アミンである。これらの多核芳香族アミンの例には、N,N’−ビス−[4’−(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)−4−ビフェニルイル]アニリン;N,N−ビス−[4’−(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)−4−ビフェニルイル]−m−トルイジン;N,N−ビス−[4’−(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)−4−ビフェニルイル]−p−トルイジン;N,N−ビス−[4’−(N−フェニル−N−p−トリルアミノ)−4−ビフェニルイル]アニリン;N,N−ビス−[4’−(N−フェニル−N−p−トリルアミノ)−4−ビフェニルイル]−m−トルイジン;N,N−ビス−[4’−(N−フェニル−N−p−トリルアミノ)−4−ビフェニルイル]−p−トルイジン;N,N−ビス−[4’−(N−フェニル−N−p−クロロフェニルアミノ)−4−ビフェニルイル]−m−トルイジン;N,N−ビス−[4’−(N−フェニル−N−m−クロロフェニルアミノ)−4−ビフェニルイル]−m−トルイジン;N,N−ビス−[4’−(N−フェニル−N−m−クロロフェニルアミノ)−4−ビフェニルイル]−p−トルイジン;N,N−ビス−[4’−(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)−4−ビフェニルイル]−p−クロロアニリン;N,N−ビス−[4’−(N−フェニル−N−p−トリルアミノ)−4−ビフェニルイル]−m−クロロアニリン;N,N−ビス−[4’−(N−フェニル−N−m−トリルアミノ)−4−ビフェニルイル]−1−アミノナフタレン、こららの混合物等、ならびに4,4’−ビス(9−カルバゾールイル)−1,1’−ビフェニルおよび4,4’−ビス(3−メチル−9−カルバゾールイル)−1,1’−ビフェニル等などの4,4’−ビス(9−カルバゾールイル)−1,1’−ビフェニル化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0050】
ルミネセンス領域に使用することのできる特定のクラスの正孔輸送材料には、例えば5,11−ジ−ナフチル−5,11−ジヒドロインドロ[3,2−b]カルバゾールおよび2,8−ジメチル−5,11−ジ−ナフチル−5,11ジヒドロインドロ[3,2−b]カルバゾールなどのそれぞれその全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第5942340号および第5952115号に開示されたものなどのインドロカルバゾール;N,N,N’,N’−テトラアリルベンジジン(アリルはフェニル、m−トリル、p−トリル、m−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等から選択されてよい)がある。N,N,N’,N’−テトラアリルベンジジンの例示的な例には、N,N,N’,N’−テトラアリルベンジジンの例示的な例にはN,N−ジ−1−ナフチルN,N’−ジフェニル1,1’−ビフェニル−4,4’―ジアミン;N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’―ジアミン;N,N’−ビス(3−メトキシフェニル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4、4’―ジアミン、等がある。ルミネセンス領域に使用することのできる適した正孔輸送材料はナフチル置換ベンジジン誘導体である。
【0051】
ルミネセンス領域には電子輸送特性を有する1つまたは複数の材料を含むこともできる。ルミネセンス領域に使用することのできる電子輸送材料の例には、BemiusらのSPIE Conference on Organic Light Emitting Materials and Devices IIIの会報、コロラド州デンバー、1999年7月、第3797巻、129頁に開示されたような、ポリ(9,9−ジ−n−オクチルフルオレン−2,7−ジイル),ポリ(2,8−(6,7,12,12−テトラアルキルインデノフルオレン)などのポリフルオレン、およびフルオレン−アミンコポリマーなどのフルオレンを含んだコポリマーがある。
【0052】
ルミネセンス領域に使用することのできる電子輸送材料の他の例は、その例を上に詳細に記載した、金属オキシノイド化合物、オキサドラゾール金属キレート化合物、トリアジン化合物およびスチル弁化合物から選択することができる。
【0053】
ルミネセンス領域が有機エレクトロルミネセンス材料に加えて、1つまたは複数の正孔輸送材料および/または1つまたは複数の電子輸送材料を含む実施形態では、有機エレクトロルミネセンス材料、正孔輸送材料、および/または電子輸送材料を、例えば米国特許第4539507号、4720432号、および4769292号に開示されたOLEDなどの別個の層に形成することができるか、あるいは同じ層に形成して、例えば米国特許第6130001号、第6392339号、第6392250号、および第6614175号に開示されたOLEDなどの2つ以上の材料の混合ゾーンを形成することができる。これら特許および特許出願の開示の全体を本願明細書に参照により援用する。
【0054】
ルミネセンス領域の厚さは、例えば、約1nm〜約1000nmに変動し得る。いくつかの実施形態では、ルミネセンス領域の厚さは約20nm〜約200nmであり、他の実施形態では約50nm〜約150nmである。
【0055】
本開示の光吸収層は金属ナノ粒子およぼマトリックス材料を含む。金属ナノ粒子はマトリックス材料中に分散されてよいか、完全に埋め込まれてよいか、または部分的に埋め込まれてよい。マトリックス材料はポリマー材料、無機材料、および有機材料を含む材料から選択されてよい。
【0056】
金属ナノ粒子は光吸収層に光吸収特性を付与するであろう任意の金属を含んでよい。適した金属には、例えばAg、Au、Pt、Pd、Ni、およびCu、ならびにこれらの合金などの400〜700nmのプラズマ周波数が特徴である金属が挙げられるが、これに限定するものではない。光吸収特性を有するナノ粒子を形成することが知られている他の材料には、Se、Te、As、Zn、Sn、Ga、Co、およびこれらの合金が挙げられる。いくつかの実施形態では、金属ナノ粒子はAg、Au、Cu、Se、Te、As、Zn、Ga、Co、Pt、Pd、Ni、In、Tiおよびこれらを組み合わせたものから成る群から選択される金属を含む。他の実施形態では、金属ナノ粒子はAg、Au、Cu、Se、Te、As、Zn、Sn、Ga、Co、Pt、Pd、Ni、In、Ti、Ag、Au、Cu、Se、Te、As、Zn、Sn、Ga、Co、Pt、Pd、Ni、In、Tiの合金、およびこれらを組み合わせたものから選択される。
【0057】
金属ナノ粒子は種々の形態または構造を有してよい。例えば、金属ナノ粒子は規則的形状、不規則な形状、2次元構造、および/または3次元構造を有してよい。金属ナノ粒子の適した規則的な形状の非限定的な例には、球形、偏球、長球、楕円、棹状、円筒、円錐、円盤、立方体、および矩形がある。所与の光吸収層では、金属ナノ粒子は同じ形状または異なる形状を有してよい。所与の光吸収層は同じ形状または異なる形状のおよび/または同じ大きさまたは異なる大きさの、同じ金属または異なる金属の金属ナノ粒子を含んでよい。また、所与の光吸収層には(同じかまたは異なる金属のおよび/または同じかまたは異なった形状および大きさの)個々の粒子と2次元または3次元構造体に形成される粒子を含んでよい。
【0058】
金属ナノ粒子の粒径は約1nm〜約30nmである。本願明細書で用いられるように、金属ナノ粒子の粒径とは所与のナノ粒子の1つまたは複数の特徴的寸法の大きさを指す。金属ナノ粒子の大きさの基になる金属ナノ粒子の1つまたは複数の特徴的な寸法は、ナノ粒子の形状に左右される。例えば、金属ナノ粒子の特徴的な寸法の非限定的な例には、球形、回転楕円形、または楕円形の粒子に関する直径、立方体または矩形の粒子に関する粒子の1つまたは複数の側部の長さ、および棹状、円筒状、円錐状または円盤状粒子の長さおよび/または直径があるが、これに限定されるものではない。一実施形態では、金属ナノ粒子は約1nm〜約15nmの粒径を有する。別の実施形態では、金属ナノ粒子は約15nm〜約30nmの粒径を有する。別の実施形態では金属ナノ粒子は約10nm〜約20nmの粒径を有する。さらに別の実施形態では、金属ナノ粒子は約10nmの粒径を有する。
【0059】
いくつかの実施形態では、本発明の開示による光吸収層中の金属ナノ粒子の集団のばらつきは狭い。どのような特定の理論にも拘束されないので、粒径の小さい、すなわち狭いばらつきのために、金属ナノ粒子の光吸収効果は増強される。本願明細書では、粒径のばらつきを粒径分布と呼ぶ。本願明細書では粒径分布は金属ナノ粒子の集団中の任意の所与の金属ナノ粒子の粒径と金属ナノ粒子の集団の平均粒径との間の%差として定義する。一実施形態では、光吸収層中の金属ナノ粒子の集団の平均粒径は約2〜約20nmである。別の実施形態では、光吸収層中の金属ナノ粒子の集団の平均粒径は約5〜約15nmである。さらに別の実施形態では、光吸収層中の金属ナノ粒子の集団の平均粒径は約10nmである。一実施形態では、光吸収層中の金属ナノ粒子の粒径分布は±75%以下である。別の実施形態では、粒径分布は±50%以下である。さらに別の実施形態では、粒径は±25%以下である。
【0060】
一実施形態では、光吸収層中の金属ナノ粒子の集団の平均粒径は約2〜20nmであり、粒径分布は±75%以下である。別の実施形態では、光吸収層中の金属ナノ粒子の集団の平均粒径は約5〜約15nmであり、粒径分布は±50%以下である。別の実施形態では、光吸収層中の金属ナノ粒子の集団の平均粒径は約5〜約15nmであり、粒径分布は±25%以下である。さらに別の実施形態では、光吸収層中の金属ナノ粒子の集団の平均粒径は約10nmであり、粒径分布は±50%以下である。別の実施形態では、光吸収層中の金属ナノ粒子の集団の平均粒径は約10nmであり、粒径分布は±25%以下である。
【0061】
このマトリックス材料は無機材料、ポリマー材料、および有機材料から成る群から選択することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、無機マトリックス材料は金属含有化合物である。無機マトリックス材料として適した金属含有化合物には、金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、ホウ化物、窒化物、硫化物、および炭化物、等があるが、これに限定されるものではない。無機材料の適した金属成分には、周期表のI族、II族およびIIIB族、および遷移金属、等があるがこれに限定されるものではない。さらに、無機材料は周期表のIIIA族、IVA族、またはVA族から選択した元素種あるいはそれらを組み合わせたものを含んでよい。無機マトリックス材料の一部として適した金属の例としては、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Ia、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Nm、Tc、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Bi、Se、Te、Ce、Nd、Sm、およびEuがあるが、これに限定されるものではない。無機マトリックス材料は例えばGaAsまたはInPなどのIII−V族を基にした化合物または例えばZnSなどのII−VI族を基にした化合物であってよい。無機マトリックス材料として適した材料の具体的な例には、LiF、LiCl、LiBr、LiI、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、CsF、CsCl、MgF、SrF、AlF、AgCl、AgF、CuCl、LiO、SnO、SiO、SiO、In、ITO、TiO、Al、AgO、CaF、CaB、ZnO、CsO、ZnO、CuO、CuO、AgO、NiO、TiO、Y、ZrO、Cr、LaN、YN,GaN、C、LiC、FeC、NiC、Ge、Si、SiC、SiO、SiO、Si、ZnTe、ZnSe、等があるが、これに限定されるものではない。光吸収層に適した材料の他の例には、本願明細書に参照により援用する米国特許第3598644号および4084966号に開示されたSe組成物およびSeTe組成物がある。
【0063】
無機マトリックス材料は導電性、半導電性、または非導電性であってよい。光吸収層がアノード、カソード、またはルミネセンス領域のうちの1つに位置する実施形態では、無機マトリックス材料は導電性または半導電性である。
【0064】
マトリックス材料はポリマー材料から選択されてもよい。適したポリマーマトリックス材料の例には、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリフルオレン、ポリビニルカルバゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリスチレン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。本開示の光吸収層においてマトリックス材料として適したポリマー材料の他の例には、その全体を本願明細書に参照により援用する米国特許第3598644号および第4084966号においてマイグレーション結像系に使用される軟化性材料として開示されたポリマー材料がある。そのような他の適したポリマー材料には、例えば、水素化されたかまたは一部が水素化されたロジンエステル、置換ポリスチレン、スチレンアクリレートポリマー、ポリオレフィン、ポリエステル、例えばメチル、フェニルシリコーンなどのシリコーン、ポリスチレン−オレフィンコポリマー、およびエポキシ樹脂が挙げられる。適したスチレンアクリレートポリマーの例には、スチレンおよび例えばオクチルアクリレート、ドコシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート等などのアクリレートのコポリマーがあるが、これに限定するものではない。
【0065】
光吸収層に適した有機材料は、例えば、本表示素子のルミネセンス領域を作成するのに利用することのできるエレクトロルミネセンス材料、正孔輸送材料および電子輸送材料を含む有機材料が挙げられ、そのようなエレクトロルミネセンス材料を本願明細書に記載している。例えば、光吸収層に適した有機材料には金属オキシノイド、金属キレート、第3級芳香族アミン、インドロカルボゾール、ポルフィリン、フタロシアニン、トリアジン、アントラセン、およびオキサジアゾールなどの分子(小分子)有機化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。マトリックス材料材料に適した有機材料には、米国特許出願シリアル番号第10/117812号および第10/401238号に記載された材料も挙げられる。この出願は米国特許公報第2002/0180349号および第2003/0234609号としてそれぞれ発行され、その全体を本願明細書に参照により援用する。適した有機マトリックス材料の非限定的な例には、トリス(8−ヒドロキシキノレート)アルミニウム(AlQ3)がある。
【0066】
いくつかの実施形態では、金属ナノ粒子は約5〜約50容量%の量で光吸収層中に存在し、マトリックス材料は光吸収層の約95〜約50容量%の量で存在する。他の実施形態では、金属ナノ粒子は約10〜約30容量%の量で光吸収層中に存在し、マトリックス材料は光吸収層の約90〜約70容量%の量で存在する。さらに他の実施形態では、金属ナノ粒子は約50容量%の量で存在し、マトリックス材料は光吸収層の光吸収層の約50容量%の量で存在する。
【0067】
光吸収層は単層構成または多層構成のいずれかであってよい。多層光吸収層は相互にすぐ隣接する、すなわち積層化された構成か、または1つ以上の付加層によって分離された2、3、4、5層以上の光吸収層、を含んでよい。本願明細書では、多層光吸収層は光吸収領域または光吸収ゾーンとも呼ぶ。
【0068】
複数の光吸収層から成る光吸収層を有する実施形態では、相互にすぐに隣接する層は一般に、マトリックス材料および/またはマトリックス材料の濃度の少なくとも1つの点で異なる組成を含む。例えば、いくつかの実施形態では、隣接する光吸収層は、同じマトリックス材料および同じタイプの金属(ナノ粒子)を異なる濃度で含んでよい。他の実施形態では、隣接する光吸収層は同じクラスの材料(すなわち、無機材料、ポリマー材料、または有機材料)から異なるマトリックス材料組成を含んでよい。さらに他の実施形態では、隣接する光吸収層は異なるクラスのマトリックス材料から異なるマトリックス材料組成をそれぞれ含んでよい。例えば、ある光吸収層は無機マトリックス材料を含んでよく、その最初の光吸収層に隣接する第2の光吸収層はポリマーまたは有機マトリックス材料を含んでよい。この開示のために、マトリックス材料および金属のタイプおよびそれらの濃度の両方に関して同一の組成を有する光吸収層は、単一の光吸収層として理解されたい。光吸収層が別の層によって分離された2層以上の光吸収層から成る多層構成を有する実施形態では、隣接しない光吸収層は同一の組成を有し得る。光吸収層が複数の光吸収層を積層構成で有する多層構成を有する他の実施形態では、隣接しない光吸収層は同一の組成を有し得る。
【0069】
光吸収層または複数の光吸収層の厚さは特定の用途に応じて変えられてよい。いくつかの実施形態では、光吸収層は約10nm〜約1000nmの厚さを有する。
【0070】
他の実施形態では、本開示の光吸収層は本願明細書と(同日)同時に出願された、かつその全体を本願明細書に参照により援用する米国特許出願シリアル番号第_号[20041458−US−NP]に記載されたような薄層構成を有し得る。具体的には、金属ナノ粒子を含んだ光吸収層は一実施形態では約10〜約100nm、別の実施形態では約30〜約50nmの厚さを有する薄層構成であってよい。いくつかの実施形態では、薄層光吸収層または領域は2、3、4、5層以上の光吸収層を含んだ多層構成を有してよい。薄層多層構成では、光吸収層の個々の層は約5〜約95nmの厚さを有し得る。一実施形態では、薄層光吸収層は約10〜約100nmの厚さを有する。別の実施形態では、薄層光吸収層は約30〜約50nmの厚さを有する。本願明細書で先に記載したように、光吸収層は2、3、4、5層以上の個々の光吸収層を含んでよい。他の実施形態では、光吸収層は約100〜約300nmの厚さを有する。
【0071】
光吸収層の光吸収特性は光吸収層の光学密度(O.D.)の観点で定められ得る。いくつかの実施形態では、光吸収層の光学密度は、エレクトロルミネセンス・スペクトルの可視域(すなわち、400〜700nm)の少なくとも一部に関して少なくとも0.1である。他の実施形態では、光吸収層の光学密度は約0.5〜約2.5である。
【0072】
任意の適した技術を用いて本開示の光吸収層および表示素子を形成することができる。適した技術には、物理的熱蒸着(PVD)、スピン・コーティング、スパッタリング、電子ビーム、電子アーク、化学的蒸着(CVD)、液相成長、等が挙げられるが、これに限定されるものではない。PVDでは、例えば、光吸収層は加熱された源からの金属およびマトリックス材料を共蒸着し、かつマスクを通して所望の基板/表面上にその蒸気を凝縮/堆積させることによって形成される。金属粒径および金属成分とマトリックス成分との所望の比を達成するために、個々の材料の蒸着速度が制御される。ポリマー・マトリックス材料を含んだ光吸収層は、金属およびポリマーの溶液の分散液を形成し、次いで例えばスピン・コーティング、ブレード・コーティング、ディップ・コーティング、インク・ジェット印刷、等などの任意の適した技術によって基板/素子にその分散液を塗布することによって形成することができる。ポリマー・マトリックスに金属ナノ粒子を含んだ光吸収層は、米国特許第第3598644号に記載されたようにポリマー表面上に金属ナノ粒子を熱蒸着することによって形成されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、表示素子の1つまたは複数の層は液相成長法または溶解法によって形成される。一実施形態では、少なくとも光吸収層は液相成長法または溶解法によって形成される。光吸収層のマトリックス材料または金属ナノ粒子成分の一方または両方のいずれかは液相成長法または溶解法によって形成され得ることを理解されたい。適した液相成長法の例には、スピン・コーティング、インク・ジェット印刷、ブレード・コーティング、ウェブ・コーティング、およびディップ・コーティングがあるが、これに限定されるものではない。
【0074】
本願明細書に記載したような光吸収層は、素子において周囲光の反射を低減させるために表示素子に使用されるのに適している。反射率の低減は、例えば、SEIR%(Sun/Eye−Integrated Reflectance Percentage)で表わして定量化することができる。SEIRは可視スペクトルの全可視範囲(入射光については400〜700nmの範囲)にわたって前面一体化された、その範囲にわたってヒトの眼の感度に重み付けされる表示素子、例えばOLED前方から反射された入射光の総パーセント比率である。いくつかの実施形態では、本発明の開示の光吸収層を採用した表示素子は約50%未満の%反射率を有し得る。他の実施形態では、%反射率は約20%未満であり得る。さらにほかの実施形態では%反射率は約10%未満であり得る。
【0075】
OLEDを参照して本発明の開示の光吸収層の使用について記載してきたが、そのような光吸収層は任意の種類のOLEDまたは他の表示素子に適用されてよいことを理解されたい。例えば、本開示の光吸収層は分子(小分子)をベースにしたOLED、デンドリマーをベースにしたOLED,ポリマーをベースにしたOLED、発光領域に分子材料およびポリマー材料の両方を含んだハイブリッドOLED、発光領域に有機材料および無機材料の両方を含んだハイブリッドOLED、無機エレクトロルミネセンス素子または蛍光体素子、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマ・ディスプレイ等での使用に適したものであり得る。
【0076】
本開示の光吸収層を含んだ表示素子は、以下の実施例を参照してさらに記載され、理解される。この実施例は単なる例示であって、いかなる方法によっても限定することを意図したものではない。
【0077】
以下の表1の実施例1〜4は実施のために低減された無機マトリックス中に金属ナノ粒子を含む光吸収層を備えたOLEDをまとめたものである。実施例1は光吸収層を含まない対照の素子である。全素子はUV−オゾン洗浄を用いて事前洗浄したITO−ガラス基板について真空(5×10−6トール)で物理的蒸着法を用いて作成した。括弧内の数字は層厚をオングストローム(Å)で示す。
【0078】
【表1】

【0079】
特定の実施形態を示してきたが、現在予見されていないか、または現在予見されていないかもしれない代替例、変形例、変更例、改善例、および実質的な同等物が出願人または当業者に想起されよう。したがって、出願されたようなかつ修正されるかもしれないような添付の特許請求の範囲は、そのような代替例、変形例、変更例、改善例、および実質的な同等物すべてを包含するものと意図される。
【0080】
以下の簡単な図面の説明は本願明細書に開示の実施形態を説明するためのものであって、同実施形態を限定するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】カソードとルミネセンス領域との間に配設された光吸収層を含む表示素子を示す略断面図である。
【図2】アノードとルミネセンス領域との間に配設された光吸収層を含む表示素子を示す略断面図である。
【図3】第1の電極または第2の電極の一方が光吸収層を含む表示素子を示す略断面図である。
【図4】光吸収層を含んだカソードを有する表示素子を示す略断面図である。
【図5】電極外部に位置する光吸収層を含む表示素子を示す略断面図である。
【図6】光吸収層がルミネセンス領域の一部である表示素子を示す略断面図である。
【図7】多層光吸収層を含む表示素子を示す略断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソードと、
アノードと、
前記カソードと前記アノードとの間に配設されたルミネセンス領域と、
i)金属ナノ粒子とii)有機材料、無機材料、ポリマー材料、およびそれらを組み合わせたものから成る群から選択されたマトリックス材料とを含む光吸収層とを備え、前記光吸収層中の金属ナノ粒子の集団の平均粒径が約2〜約20nmであり、かつ前記金属ナノ粒子は±75%以下の粒径分布を有する表示素子。
【請求項2】
前記金属ナノ粒子は±50%以下の粒径分布を有する請求項1に記載の表示素子。
【請求項3】
前記金属ナノ粒子は±25%以下の粒径分布を有する請求項1に記載の表示素子。
【請求項4】
前記光吸収層中の金属ナノ粒子の集団の平均粒径は約5〜15nmである請求項1に記載の表示素子。
【請求項5】
前記光吸収層中の金属ナノ粒子の集団の平均粒径は約10nmである請求項1に記載の表示素子。
【請求項6】
前記金属ナノ粒子は規則的な形状、不規則な形状、2次元構造、3次元構造、およびこれらを組み合わせたものから選択される形状を有する請求項1に記載の表示素子。
【請求項7】
前記金属ナノ粒子は球形、偏球、長球、楕円、棹状、円筒、円錐、円盤、立方体、矩形、およびこれらを組み合わせたものから成る群から選択される形状を有する請求項1に記載の表示素子。
【請求項8】
前記光吸収層は約10〜約1000nmの厚さを有する請求項1に記載の表示素子。
【請求項9】
前記光吸収層は可視スペクトルの少なくとも一部について少なくとも約0.1の光学密度を有する請求項1に記載の表示素子。
【請求項10】
前記カソードは前記光吸収層を含む請求項1に記載の表示素子。
【請求項11】
前記金属ナノ粒子は前記光吸収層の容量の約5〜約50%の量で存在し、前記マトリックス材料は前記光吸収層の容量の約95〜約50%の量で存在する請求項1に記載の表示素子。
【請求項12】
前記光吸収層は前記アノードおよびカソードのうちの1つの外部に位置する請求項1に記載の表示素子。
【請求項13】
前記光吸収層は前記ルミネセンス領域内に位置する請求項1に記載の表示素子。
【請求項14】
前記光吸収層は前記アノード内に位置する請求項1に記載の表示素子。
【請求項15】
前記金属ナノ粒子はAg、Au、Cu、Se、Te、As、Zn、Sn、Ga、Co、Pt、Pd、Ni、In、Ti、これらの合金、およびこれらの金属および合金を組み合わせたものから成る群から選択される請求項1に記載の表示素子。
【請求項16】
前記素子は有機発光素子である請求項1に記載の表示素子。
【請求項17】
任意の基板と、
第1の電極と、
第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配設されたルミネセンス領域と、
i)金属ナノ粒子とii)ポリマー材料、無機材料、有機材料、およびそれらを組み合わせたものから成る群から選択されたマトリックス材料とを含む光吸収層とを備え、前記金属ナノ粒子は約2〜約20nmの平均粒径および±75%以下の粒径分布を有する表示素子。
【請求項18】
前記金属ナノ粒子は約5〜約15nmの平均粒径を有する請求項17に記載の表示素子。
【請求項19】
前記金属ナノ粒子は±50%以下の粒径分布を有する請求項17に記載の表示素子。
【請求項20】
前記金属ナノ粒子は約10nmの平均粒径を有する請求項17に記載の表示素子。
【請求項21】
前記金属ナノ粒子は±25%以下の粒径分布を有する請求項17に記載の表示素子。
【請求項22】
前記ポリマー材料はポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリフルオレン、ポリビニルカルバゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリスチレン、置換ポリスチレン、水素化ロジンエステル、一部が水素化されたロジンエステル、スチレンアクリレートポリマー、ポリオレフィン、ポリエステル、シリコーン、ポリスチレン−オレフィンコポリマー、エポキシ樹脂、およびこれらを組み合わせたものから成る群から選択される請求項17に記載の表示素子。
【請求項23】
前記無機材料はI族、II族、およびIII族の金属から選択される金属、IIIA族、IVA族およびVA族から選択される元素種、遷移金属、およびこれらを組み合わせたものから成る群から選択される請求項17に記載の表示素子。
【請求項24】
前記無機材料はLiF、LiCl、LiBr、LiI、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、CsF、CsCl、MgF、SrF、AlF、AgCl、AgF、CuCl、LiO、SnO、SiO、SiO、In、ITO、TiO、Al、AgO、CaF、CaB、ZnO、CsO、ZnO、CuO、CuO、AgO、NiO、TiO、Y、ZrO、Cr、LaN、YN,GaN、C、LiC、FeC、NiC、Ge、Si、SiC、SiO、SiO、Si、ZnTe、ZnSe、およびこれらを組み合わせたものから成る群から選択される請求項17に記載の表示素子。
【請求項25】
前記光吸収層は約10〜約1000nmの厚さを有する請求項17に記載の表示素子。
【請求項26】
前記光吸収層は約10〜約100nmの厚さを有する請求項17に記載の表示素子。
【請求項27】
前記光吸収層は複数の層を含む請求項17に記載の表示素子。
【請求項28】
前記光吸収層は約10〜約100nmの厚さを有する請求項27に記載の表示素子。
【請求項29】
前記第1の電極はカソードであり、前記カソードは前記光吸収層を含む請求項17に記載の表示素子。
【請求項30】
前記光吸収層は前記第1のアノードおよび前記第2のアノードのうちの一方に位置する請求項17に記載の表示素子。
【請求項31】
前記光吸収層は前記ルミネセンス領域中に位置する請求項17に記載の表示素子。
【請求項32】
前記光吸収層は前記第1の電極および第2の電極のうちの1つの外部に位置する請求項17に記載の表示素子。
【請求項33】
前記金属ナノ粒子はAg、Au、Cu、Se、Te、As、Sn、S、Ga、Co、Pt、Pd、Ni、In、Ti、Ag、Au、Cu、Se、Te、As、Zn、Se、Ga、Co、Pt、Pd、Ni、In、Tiの合金、およびこれらを組み合わせたものから成る群から選択される請求項17に記載の表示素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−332046(P2006−332046A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−138553(P2006−138553)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(501426046)エルジー.フィリップス エルシーデー カンパニー,リミテッド (732)
【Fターム(参考)】