説明

光学システム

【課題】フィールドヘッドおよびフィールドヘッドのコントローラを備える光学機器のシステムを提案する。
【解決手段】フィールドヘッドの測定プリズム境界面に接触する媒質の屈折率または屈折率から導出可能な数量を測定するように構成され、広帯域光を提供する第1の導波手段と、上記測定プリズムの上記境界面から反射された少なくとも1つの成分光線を第2の導波手段に集める集光器とを備え、上記散乱要素は、少なくとも1つの成分光線を上記境界面からの全反射臨界角に向け、少なくとも1つの別の成分光線を、上記集光器に繋がる角度に向けるように構成され、上記集光器は、少なくとも1つの別の成分光線を集めて、到達した成分光線の分光解析を行うように構成された分光計に渡すように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、非常に広いレベルでは、媒質の性質の特定に属するが、より詳細には、独立請求項の前文に示されるように、媒質の光学性質を利用することにより媒質の性質を特定すること、および/または媒質の性質を導出可能な数量の特定に利用することに属する。
【背景技術】
【0002】
特定の光学機器は、物質の屈折率の測定または屈折率に対する依存性に基づいて導出可能な数量の特定に使用することができる。そのような導出可能な数量の例として、媒質内の成分濃度の測定を、屈折率測定に基づいて行うことができる。他の導出可能な数量としては、他の物質の濃度、含量、伝導性等が挙げられる。同じ原理を利用するそのような機器は、適宜部分的に、液体以外の媒質に適用することも可能である。すなわち、気体、液体、および透明固体物質を測定するために屈折率を特定することもできる。液体は油、水性液、その溶液等であり得る。固体はガラス、ダイアモンド、または透明固体であり得る。
【0003】
既知の測定手順の集まりはスネルの法則および2つの光学的に異なる媒質(屈折率nおよびn)間の境界面からの全反射臨界角(α)に対する予測の利用に基づく。そのようなセットアップでは、境界面は、屈折率が測定されようとしている媒質での窓により形成される。
【0004】
図1Aは、スネルの法則の利用に基づいて媒質の屈折率を特定するセットアップを示す。
(1)sin(α)=n/n=n
【0005】
図1Aの光源はLEDで示される。LEDの光は、間に窓を形成する媒質Sと測定プリズムPとの境界面に向けられる。図1Aでは、プリズムの面は、光線路を曲げるミラーとして働き、その方向は矢印で示される。反射光線(境界からの)はイメージACBを形成する。但し、Cは、対応する臨界角での検出器への入力光の位置を表す。部分Aに達した光線は、境界から検出器に全反射されるが、Bでの光線は部分的にしか反射または散乱されず、媒質S内にも部分的にしか屈折しない。したがって、明領域Aと暗領域Bとの間の影の縁Cの位置は、全反射臨界角の値を示し、したがって、そのまま使用するか、または媒質が液体の場合には媒質Sの成分濃度等の導出可能な数量を特定するために、その値を推定として使用することから屈折率を計算することができる。
【0006】
そのような測定では、媒質S中の成分濃度が変化した場合、ひいては影の縁の場所も変化する。屈折率を有する媒質成分濃度が低い場合、濃度に応じて、Aにおける明領域はBにおける明領域よりも大きく、濃度が高い場合にはこの逆である。濃度が変化した場合、Cの位置も変化する。
【0007】
影の縁Cは、例えば、CCD素子等の撮像素子により検出することができる。そのような光学機器は、リンク(非特許文献1)にさらに詳細に開示されている。
【0008】
多色光の広帯域光では、屈折率の連続測定が可能である。反射バンド縁部の波長は、プリズムセンサの率およびプリズム面への入射角度が分かっている状態で、スペクトル強度が急激に変化する波長に注目することにより測定され、物質の屈折率もスネルの法則から特定される。
【0009】
しかし、2つの媒質間の境界面での反射光の強度Iは、波長λおよび入射角αの関数である。
(2)I=I(λ,α,n)
式中、nは、境界において2つの媒質により定義される相対屈折率(すなわち、n/n)である。相対率nは、温度の関数である:n=n(T)。さらに、他の環境的数量からの依存性も生じ得るが、それら依存性はわずかであり得るため、簡潔にするために、本明細書ではこれ以上考慮しない。
【0010】
多色光を適用する既知の技法では、境界から媒質内への全反射臨界角への光の散乱強度が、入射角定数αを使用して測定される。すなわち、プリズムと試料との間の境界面で発生する散乱が、測定装置として利用され、測定すべき媒質の全反射臨界角の散乱を測定する。
【0011】
そのような既知の技法では、測定は、一定の入射角を有する単一の多色光光線を利用する。これは、スペクトルの部分によっては全反射を有し、部分によっては全反射を有さないという効果を利用している。添付図面の図1Bおよび以下の表では(但し、αは臨界角、全反射角である)、青から赤へのスペクトルを見ることができ、臨界角αのシフトは1度のオーダである。典型的な全範囲0%〜100%の濃度の濃度測定に使用される場合、これは、12度のオーダの角度に対応し、取得可能な最大測定範囲が1/12、すなわち+/−4%濃度に制限されることが分かる。これは、生来、変動が小さいことを特徴とする、海水の塩分測定等の用途によっては十分であり得る。そのような狭い範囲は、広く普及している利用可能な産業機器にとっては十分ではない。青(B)波長を示す波線は波線からなり、図1B の説明のための例でのように、いくらかの青色光(B)は部分的に反射され、部分的に媒質内に屈折する。
【0012】
【表1】

【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】http://www.kpatents.com/pdf/downloads/pr−23.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、光学機器の構造を簡易化すると同時に、既知の装置ほど頻繁にはバックアップを必要とせず、十分に広範囲の測定用途を有する、より広い多様性および耐久性を有する機器構造を得る必要がある。特に、火に反応する環境および/または爆発性ガス/蒸気を含む環境で使用するためのそのような単純な機器が必要である。
【0015】
実施形態全体の概要
上記参照した必要性および必要とされる特性は、筆者の知識によれば、優先日までの顕著な出願では単一の装置として存在していないため、そのような光学機器は、具現され特許請求される本発明において提示される。
【0016】
本発明の第1の態様によれば、本発明の実施形態では、関連する機器が様々な入射角の光を使用するように、多色光を使用して、屈折率および/または導出可能な数量の測定に使用される広帯域光を提供し、あらゆる角度が、実質的に単色の光線である成分光線(CLB)で表される。
【0017】
媒質間の境界面に入射する前に、CLB内の光の入射角をそれぞれ表す単色光成分光線に、散乱した多色光を使用することにより、実際には、実施形態には、既知の技法が利用している散乱効果の影響をなくしたという利点がある(図1B)。このようにして、本発明の実施形態は、一種の分光計または解析器により量子化可能な形態で0〜100%の全範囲の濃度に容易に達する。厳密に同じ機器を、完全にすべてではないにしても大半の可能な用途に使用可能であるため、これは産業機器において望ましい。したがって、余録として、さらに、必要なバックアップ機器は一種のみであり、較正および/または自己較正のために特定の冗長性を得ることができる。
【0018】
上記参照した必要性を満たす目的は、すべて光学動作原理であるため、電気エネルギー源を必要としない、コントローラに接続可能なフィールドヘッドと、フィールドヘッドのコントローラとを備える、具現されるシステムにより達成される。したがって、そのようなフィールドヘッドはそれ自体、本質的に、火/爆発物に反応しやすい状況で安全に使用できるものとして分類される。これは、広い測定範囲と共に、業界測定ニーズを満たす新しく独自な組み合わせになる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明によれば、測定プリズム境界面に接触した媒質の屈折率または屈折率から導出可能な数量を測定する光学機器のフィールドヘッドであって、光学機器のフィールドヘッド内に、
−広帯域光源から広帯域光を提供する第1の導波手段と、
−上記広帯域光を散乱させて、複数の成分光線に属する少なくとも1つの成分光線にする散乱要素であって、上記複数の成分光線内の各入射成分光線は、上記複数の成分光線内のその他のメンバと異なる方向の伝搬路および前記複数の成分光線内のその他のメンバの波長と区別される少なくとも1つの異なる波長を有する、散乱要素と、
上記測定プリズムの上記境界面から反射された少なくとも1つの成分光線を第2の導波手段に集める集光器と
をさらに備え、
上記散乱要素は、少なくとも1つの成分光線を上記境界面からの全反射臨界角に向け、少なくとも1つの別の光線成分を、上記集光器に繋がる角度に向けるように構成され、上記集光器は、上記少なくとも1つの別の成分光線を集めて、到達した成分光線の分光解析を行うように構成された分光計に渡すように構成される。
【0020】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドは、上記複数の光線内の成分光線が、上記境界面に入射し、上記境界面に合焦しないように構成されるように構成される。このようにして、入射ソース部から集光器までのフィールドヘッド内部の内部距離を延ばし、ひいては、合焦ジオメトリが使用される広帯域光の円錐の両極端部のそれぞれで所望の青から赤までの範囲に十分ではない場合に、単色成分光線の角度範囲を広げることが可能である。
【0021】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドは、上記複数の光線内の成分光線が、収束ジオメトリで上記表面に入射して、上記表面上で合焦するように構成されるように構成される。したがって、機器用途によっては、適した部分で、上述した望みとはいくらか逆のジオメトリを有することが有利であり得る。
【0022】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドは、上記複数の光線内の成分光線が、広帯域光の波長の関数として成分光線に固有の入射角度に散乱するように構成されるように構成される。
【0023】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドは、フィールドヘッドが、光を少なくとも上記第1の導波手段内に、または上記第2の導波手段からガイドする導波コネクタを備えるように構成される。これにより、フィールドヘッドをコントローラから離れて、ひいては、例えば、フィールドヘッド付近の状況と異なり、爆発性ガスが存在せず、電気を使用可能な場所に配置することが可能になる。
【0024】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドは、上記散乱要素および測定プリズムのうちの少なくとも一方の機能が、回折格子により実施されるように構成される。これは、より軽量の機器の場合に有利であり得るが、格子は単なるプリズムよりも高価であり得る。
【0025】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドは、散乱要素および測定プリズムが同じ構成要素に組み合わせられるか、または結合されるように構成される。したがって、パック密度が青から赤までの角度を非常に広くすることよりも望ましい場合、パック密度を増大させることができ、この逆も同様である。
【0026】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドは、コントローラの光学補償信号用の導波線出力を備えるように構成される。このようにして、センサプリズム前の強度を調べるために、光学放射を分光計に送ることができる。
【0027】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドは、上記フィールドヘッドへの電荷の蓄積を回避する帯電防止コーティングおよび/または蓄積された電荷を接地に繋げる接地手段を備えるように構成される。実施形態によれば、静電気の蓄積に対して優れた性質を得ることが可能であり、これは爆発の危険性がある状況において有用な利点である。実施形態によれば、感知プリズムをインジウムスズ酸化物(ITO)でコーティングするか、またはインジウムスズ酸化物(ITO)で作り、導電性を保ってもよいが、これは、特定のプロセスでの耐久性を犠牲にして行われる。実施形態の変形によれば、フィールドヘッドとコントローラとの間の導波手段は、全体的にではないにしろ、少なくとも部分的に外面がそのようにコーティングされて、接地に接続可能にする。
【0028】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドは、線および支持体等の動作可能な光学機械基盤構造に加えて、上記フィールドヘッドを制御する導波手段のみに基づく制御信号コネクタを備える。これには、関連する実施形態において、爆発の危険性がある状況において電気スパークを回避するという利点がある。
【0029】
本発明の実施形態によれば、光学機器のフィールドヘッドのコントローラは、
−複数の成分光線を形成して、前記フィールドヘッド内で使用するために伝搬させるために、第1の導波手段を介して多色光を出力に提供する光源と、
−フィールドヘッドから少なくとも1つの入力導波手段を介して入力された光の分光解析を行う分光計と
を備える。さらに、適した部分において既知の技法に説明されるように行われ得る、組立体の電源および機械的構造の基盤の維持。
【0030】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドのコントローラは、上記光源が、連続波長分布を有する多色光を送り、それにより、赤(R)から青(B)まで(もしくはこの逆)または上記範囲へのサブ範囲として他の広帯域範囲の成分光線を提供するように構成されるように構成される。実施形態の変形では、広帯域範囲は、可視光波長範囲外の部分を含んでもよく、または任意選択的に、全体的に紫外線範囲もしくは赤外線範囲内に配置されてもよい。
【0031】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドのコントローラは、上記光源が、上記成分光線を提供する複数の単色光源を含むように構成される。これは、例えば、単に特定の閾値を検出する、少数のみの成分光線を使用すべき場合に有用であり得る。
【0032】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドのコントローラは、上記光源が、補償信号を分光計に提供して、光源特性を補償するように構成されるように構成される。この実施形態は、補償が必要な場合に有用であるが、ルーティングまたは他の理由により、利用可能なスペースに関連する機械的な理由で、フィールドヘッドを介して信号をルーティングすることは望ましくない。しかし、時により、特定の実施形態では、単にフィールドヘッドを介してまたは両方向での入力が実施に対して有用であり得る。
【0033】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドのコントローラは、上記光源が、光パルスを生成可能な少なくとも1つの光源を備えるように構成される。これにより、コントローラをより低温に保つことができ、適切な範囲で、光学線を介する熱の伝達を回避し得る。本発明の実施形態によれば、本発明の実施形態によるコントローラヘッドでは、上記光源は、光の波長を連続して、もしくは段階的に変更する制御手段、あるパルスから別のパルスに波長を制御する制御手段、および/またはパルス長とピッチとの関係を変更する手段を備える。
【0034】
本発明の実施形態によれば、本発明の実施形態による光学システムは、少なくとも1つのフィールドヘッドおよび少なくとも1つのコントローラを備える。
【0035】
実施形態の変形によれば、第1および第2の組内に、本発明の実施形態に関して説明されたように具現される上記複数の種類のうちの少なくとも一種類の機器が存在するように、第1の組のフィールドヘッドを第2の組のコントローラユニットと組み合わせて使用し得る。また、いくつかのフィールドヘッドを1つのコントローラと組み合わせて使用してもよく、またはその逆も同様である。これは、屈折率がフロー中にプロセス内で変更すると予想される場合、プロセスフローがいくつかの場所で監視される場合に有利である。特定の場合、ユニットの動作の安全を確保するために、フィールドヘッドおよび/またはフィールドヘッドのコントローラに対して、冗長ユニットが必要であり得る。
【0036】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドの光学システムは、上記フィールドヘッドおよび上記コントローラが同じカバー内に一体化されて、1つの装置を形成するように構成される。時により、例えば、研究室で使用するために、両方の部品を一緒にすることが好都合な場合がある。これは、より相関付けられた結果を得るために、研究室内でプロセス制御に同じ製造業者の装置も利用可能であった場合に有利である。実施形態の変形によれば、フィールドヘッドおよびコントローラは、互いに直結して、または任意選択的に導波管を介して取り付け可能なように構成される。
【0037】
本発明の実施形態によれば、フィールドヘッドプリズム−測定可能媒質−境界面からの広帯域複数波長光の複数の光線に属する成分光線の全反射を介して屈折率を特定する方法であって、
−第1の波長の少なくとも上記成分光線を全反射臨界角で上記境界面に向けること
−第2の波長の少なくとも1つの別の成分光線を上記境界面に向けて、集光器に繋がる経路上で伝搬させること、
−集光器により、成分光線を分光解析するように構成された分光計に反射光を集めること、
−複数の成分光線内の送られた少なくとも1つの成分光線の波長についての情報に基づいて、スペクトルから第1の欠損成分光線を検出すること、
−上記欠損成分の波長に基づいて上記媒質の屈折率を計算すること
を含む。
【0038】
本発明の実施形態によれば、光学システムはプロセス屈折計を構成するように構成される。
【0039】
本発明の実施形態によれば、コンピュータ可読媒体上のソフトウェア製品は、コンピュータで実行された場合、本発明の実施形態による方法により分光計の機能を制御するように構成されたソフトウェア手段を含む。実施形態によれば、ソフトウェアは、光源の特性、分光計、補償、および/または入出力データ転送、並びにデータ解析、閾値設定、アラーム、および/またはデータをコントローラに、且つ/またはデータをコントローラから無線で、および/またはケーブルを介して伝達する、システムに内蔵された通信機構を制御するように構成し得る。
【0040】
本発明の実施形態によれば、ソフトウェア製品、上記ソフトウェア製品は、以下:分光計制御手段、スペクトル走査および/または解析手段、ショルダ定義手段、データログ記録手段、統計解析手段、測定データを記憶し、且つ/または処理するデータベース手段、並びに測定結果についての説明を、データを表示する表示手段に提供するように構成されたグラフィカル手段のうちの少なくとも1つを備える。
【0041】
分光計それ自体は、当業者に既知の多くの方法で実施し得る。実施形態の範囲は、単に既知の分光計の実施態様に向けられるのではなく、本発明の実施形態によれば、具現される光学システム内の分光計は、少なくとも1つのフォトセルを含む複数のフォトセルを使用することにより実施することができ、上記複数のフォトセル内の上記少なくとも1つのフォトセルが成分光線(CLB)の変更を検出するように構成されるように構成され、したがって、フォトセルの検出器回路の出力量は、主導となるCLBの変更の検出に応答して変更するように構成される。
【0042】
本発明の実施形態によれば、分光計は、CCD全体の分光動作を行うように構成されたピクセルを備えるCCD素子を備えるように実施することができる。
【0043】
本発明の実施形態によれば、分光計は、各CLBに少なくとも1つのフォトセルを備え、それにより、CLBを量子化する。そのような実施形態の変形によれば、1組のCCD素子/セルのピクセルが各CLBに構成される。量子化は、1組の実施形態では、空間的方法で、すなわち、例えば、フォトセルを平易な線形直線ジオメトリに、または線であるが、円の湾曲区画に配置して、CLBを受けることにより実施することができる。そのような線は、少なくとも1つのフォトセルユニットの最小の法線−線寸法を含む。実施形態では、特定の実施形態において冗長フォトセルが利用可能な場合、よりよい統計のために冗長フォトセルを使用してもよい。1組の実施形態では、量子化は、任意選択的に、一時的に実施してもよい。一時的な量子化では、CLBは同時に存在しなくてもよく、周期的に、または断続的なシーケンスでフィールドヘッドに導入される。
【0044】
本発明の実施形態によれば、集光は、適した部分で、CLBを光ファイバの束に向けることにより行うことができ、分光計に送り、ひいては解析するために、CLBを対応する光ファイバに量子化するように構成される。そのような実施形態では、分光計に送られる補償信号を使用することもできるが、必ずしも補償信号を使用する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1A】既知の技法の概略図を示し、既知の技法を示すために使用され、以下において、図2および図3が本発明の1組の実施形態例を示す。
【図1B】既知の技法の概略図を示し、既知の技法を示すために使用され、以下において、図2および図3が本発明の1組の実施形態例を示す。
【図2】本発明の実施形態による、具現されるフィールドヘッド、コントローラ、およびシステムの一例の概略図である。
【図3】可視光の濃度および波長への臨界角の依存性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図2は、本発明の実施形態による、少なくとも1つのフィールドヘッドおよび少なくとも1つのフィールドヘッドのコントローラを備える光学システムを示す。当業者が本発明の実施形態から理解するように、システム内のフィールドヘッドおよび/またはコントローラの数は、単に例示される数に限定されない。図2に、フィールドヘッドとコントローラとの間に、遠隔性を示す波線が示されるが、実施形態によれば、フィールドヘッドおよびコントローラを同じカバー内に組み立てて、単一の機器を構成してもよい。この種の実施形態では、同じコントローラの制御下のフィールドヘッドの数は限定されず、装置にプラグ可能なリモートフィールドヘッドの数および内部接続されるフィールドヘッドの数も限定されない。導波管を使用して、例えば、一方は第1の部屋または空間内にあり、他方が第2の部屋または空間内にあるフィールドヘッドとコントローラとを分離することができる。
【0047】
図2は、本発明の実施形態によるコントローラも示す。そのようなコントローラは、フィールドヘッド内で必要な光の提供に使用される多色光源PLSを備える。この光は、コントローラのOF(出力)を介してフィールドヘッドのOF(入力)に接続可能なように構成される。
【0048】
本発明の実施形態に関して、PLS自体を実施する多くの方法を当業者は知っている。PLSは、単一のソースであってもよいが、任意選択的に、実施形態および/または用途に特定の方法で、紫外線波長から赤外線波長までの広帯域スペクトルの必要性を満たすことができるように、いくつかのソースを含んでもよい。したがって、広帯域光は、適した部分で連続する紫外線光、可視光、および/または赤外線光の成分を含むことができるが、実施形態の変形によれば、紫外線の短波長側と赤外線の長波長側という極端部間の波長範囲に存在する離散したサブバンドで連続することも可能である。しかし、導波管OF(入力、出力、補償)が、使用される分光計の可用性を超えて観察される強度を制限しないという条件下で。
【0049】
いくつかの実施形態のうちの1組の実施形態では、補償信号は内部で、且つ/またはフィールドヘッドを介して使用し得る。補償信号を使用して、例えば、分光計、導波管、およびまたは光源のそのままでは平坦ではない応答曲線をなだらかにすることができる。PLSから分光計へのコントローラの内部補償線は、任意選択的に、光学的に具現してもよいが、そのような補償が使用される適切な実施形態のみ具現されるため、そのような導波管のOFの表示は図に示されない。
【0050】
図2のコントローラは、コントローラの構成要素および接続を実施するための電気機械構造の基盤構造に関連する様々なことおよびサポート並びに給電線および他の装置および/またはディスプレイ等への信号のルーティングおよび/またはインタフェースを例示するINFRA STRも備える。INFRA STRは、実施形態では、測定のために、媒質の屈折率導出可能な数量、すなわち、具現される実施形態により媒質を含む組成物内の物質の濃度を測定する特定の実施形態を実際に実施するために必要なそのようなメモリ、マイクロプロセッサ、並びにソフトウェアコードおよびデータ、データベース等も備える。したがって、そのような基盤構造は、簡潔化および明瞭化のためにブロックとしてのみ説明される。
【0051】
実際に、利用されるさらなる細部および選択される波長の構成は、フロー内で使用される媒質MFまたは静止状態にある試料に依存する。MFは流体の場合の測定での実施形態を示すが、実施形態を読み理解した場合、当業者はセンサプリズムSPを、移動中であってもよく、またはSPに対してゼロ速度で所定位置にしっかりと配置されてもよい固体媒体に接触して配置することもできる。その種の実施形態は、フィルムおよび/またはプレートまたはシートまたは他のラミネートの処理を対象とする用途内で具現するために有用であり得る。
【0052】
図2では、本発明の実施形態によるフィールドヘッドは、多色ソースからの入射光の入力(in)および分光計に導くべき反射光の出力(out)と示される光ファイバ(OF)として導波管を備えて示される。本発明の実施形態によれば、分光計での光源特性補償に利用される補償信号出力OF(補償)もある。
【0053】
本発明の実施形態でのように、フィールドヘッド内のすべての構成要素は、光学機械式であり、フィールドヘッド内のすべてに電気は必要ない。これは、引火性および/または爆発性媒質フローまたは条件下で動作する場合に有利である。したがって、本質的に安全な動作を得ることができる。別の利点は、そのように具現されるフィールドヘッドが、フィールドヘッド内に熱さ/寒さに敏感な電子回路がないため、高温または非常に低い温度に耐えられることである。
【0054】
動作条件下、特に温度でのセンサプリズムおよび/またはコーティングの機械的耐摩耗性は、光学導波線OF(入力)、OF(出力)、およびOF(補償)が、存在する場合、その温度に耐えるが、他の環境条件にも耐えるならば、動作最高温度を定義する。
【0055】
散乱要素DEは、1組の実施形態では、広帯域スペクトルの両端で波長のより広い散乱を得るために、測定プリズムSPとは別個の構成要素として配置されるプリズムおよび/または回折格子を使用することにより具現し得るが、別の組の実施形態では、DEは、構造をコンパクトにするためにSPに一体化される。
【0056】
導波管により実施される補償OF(補償)は、フィールドヘッドおよび/またはコントローラの実施形態内のオプションの特徴であるため、波線で示される。波線は、導波管に接続されたコントローラとフィールドヘッドとの間にも使用されて、これら部分が互いに離れ得ることを例示する。これは、例えば動作条件により、INFRA STR内の電子回路がフィールドヘッドから離れて保持すべき場合に有利である。
【0057】
集光器CONは、色レンズにより具現し得る。集光器は、到来した成分光線をフィールドヘッドのOF(出力)に集め、集められた光線は分光計に送られ、解析器内で解析され、具現されるシステムを使用しての較正および測定に利用可能なソフトウェアコードにより支援され得る。集光器CONはまた、CLBを分光計に導く1束の光ファイバにより適した部分内に具現し得る。このオプションは、研究すべき媒質の屈折率の変化を反映するようにCLBの開始に応答して動作するために外部電気が必要なそのようなフォトセル/CCD素子を使用してCLBを空間量子化する際に有用である。そのような実施形態では、1本のファイバまたはファイバの束のうちのサブセットを、対応するCLBをフォトセルに繋げるために使用することができる。実施形態によれば、フォトセルに代えて、ピクセルがCLBを受けるように構成され、それにより、CLBが各CLBに構成されたいくつかのCCDピクセルにより量子化されるように、CCD素子を使用し得る。したがって、集光部の入力端の位置が分かっており、分光計の場所での同じファイバの出力端並びにどの入力端および出力端がCLB量子化に従って互いに対応するかの関係が分かっている場合、信号の分光解析のために、そのような単一のピクセルを1本のファイバに提供することが可能である。このようにして、様々な実施形態において使用されるピクセルそれ自体は、必ずしも出力信号の色を区別可能である必要はない。すなわち、必ずしもCLBの入力光の波長を認識する必要はない。
【0058】
実施形態によれば、フォトセル、CCD素子、またはその部分の信号の解析はそれ自体、既知の技法に従って適した部分に実施することができる。
【0059】
本発明の実施形態によれば、導波管および/またはフィールドヘッドは、蓄積された電荷を接地に伝達する導電性膜でシールドされ、そのような蓄積はプロセスまたは操作スタッフにとって潜在的に脅威である。
【0060】
本発明の実施形態では、光をパルスにすることができる。そのような実施形態では、分光計はもはや必要なくてよく、単純な強度検出を使用して、臨界角αまたは問題となっている成分光線の波長に相関する他の角度を解析することができる。
【0061】
本発明の実施形態によれば、屈折率の特定にいくつかの波長を使用することができる。測定状況に対する較正では、影の縁および影の縁が発生する波長を測定することができる。同様にして、他の波長およびそれら波長がIFから反射されるべき角度を特定することもできる。したがって、例えば、利用現場での測定では、分光計または別の解析器が、複数の波長および対応する光線成分角度を較正データと比較し、ドリフトがもしあれば、ドリフトを適宜補正することができるため、機器のドリフトを検出し、且つ/または補償することができる。
【0062】
本発明の実施形態によれば、散乱要素は、タービンスキャナにより、すなわち、鏡面が、入射光を繰り返し可能に走査し、分光計に繋がった導波管内に光入力を集める集光器開口上に移動させる回転ポリゴンミラーを使用して実施することができる。しかし、電気を使用できない実施形態では、走査速度は遅くてよく、すなわち、1000rpsを超えなくてもよいため、この移動は、流体(例えば、加圧空気流)および流体移動を利用し、流体移動をタービンスキャナの移動に変換する機構により行うことができる。
【0063】
図3では、本明細書の文章の他の部分に説明される本発明の実施形態によれば、範囲が全体的または部分的に紫外線波長範囲内にあるか、可視光波長範囲内にあるか、且つ/または赤外線波長範囲内にあるかに関わりなく、赤(R)は、適用される多色光範囲の長波長端を指し、青(B)は、適用される上記多色光範囲の短波長端を指す。本発明の実施形態によれば、波長散乱の方向および/または波長の分光計走査を切り替えて、低濃度媒質および高濃度媒質の場合の伝搬方向について青色光、赤色光、および黄色(Y)光に対して示される反射光の角度のダイナミックレンジを増大または抑制することができる。図3の光線の外観は、例示のために簡潔にするという理由で図2のものと異なる。
【0064】
実施形態によれば、分光計は、複数の波長の成分光線についての情報を解析器に提供するように構成される。このようにして、統計解析のために冗長測定を検証することができる。したがって、例えば、追跡可能であり、ひいては媒質流量密度を介して関連付けて、乱流および/または成分の推定に使用できる、屈折率の逸脱に起因する媒質濃度の異常性、すなわち、多相の存在および/または媒質の変動の検出というさらなる利点を達成することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定プリズム境界面に接触した媒質の屈折率または屈折率から導出可能な数量を測定する光学機器のフィールドヘッドであって、前記光学機器のフィールドヘッド内に、
−広帯域光源から広帯域光を提供する第1の導波手段と、
−前記広帯域光を散乱させて、複数の成分光線に属する少なくとも1つの成分光線にする散乱要素であって、前記複数の成分光線内の各入射成分光線は、前記複数の成分光線内のその他のメンバと異なる方向の伝搬路および前記複数の成分光線内のその他のメンバの波長と区別される少なくとも1つの異なる波長を有する、散乱要素と、
−前記測定プリズムの前記境界面から反射された少なくとも1つの成分光線を第2の導波手段に集める集光器と
をさらに備え、
前記散乱要素は、少なくとも1つの成分光線を前記境界面からの全反射臨界角に向け、少なくとも1つの別の成分光線を、前記集光器に繋がる角度に向けるように構成され、前記集光器は、前記少なくとも1つの別の成分光線を集めて、到達した成分光線の分光解析を行うように構成された分光計に渡すように構成される、フィールドヘッド。
【請求項2】
前記複数の光線内の成分光線は、前記表面に合焦されずに前記表面に入射するように構成される、請求項1に記載のフィールドヘッド。
【請求項3】
前記複数の光線内の成分光線は、前記表面に収束ジオメトリで入射して、前記表面上に合焦されるように構成される、請求項1に記載のフィールドヘッド。
【請求項4】
前記複数の光線内の成分光線は、広帯域光の波長の関数として成分光線に固有の入射角度に散乱するように構成される、請求項1に記載のフィールドヘッド。
【請求項5】
光を少なくとも前記第1の導波手段内に、または前記第2の導波手段からガイドする導波コネクタを備える、請求項1に記載のフィールドヘッド。
【請求項6】
前記散乱要素および前記測定プリズムのうちの少なくとも一方の機能は、回折格子により実施される、請求項1に記載のフィールドヘッド。
【請求項7】
前記散乱要素および前記測定プリズムは、同じ構成要素に組み合わせれるか、または結合される、請求項1に記載のフィールドヘッド。
【請求項8】
コントローラの光学補償信号の導波線出力を備える、請求項1に記載のフィールドヘッド。
【請求項9】
前記フィールドヘッドへの電荷の蓄積を回避する帯電防止コーティングおよび/または蓄積された電荷を接地に繋ぐ接地手段を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載のフィールドヘッド。
【請求項10】
動作基盤構造に加えて、前記フィールドヘッドを制御する導波手段のみに基づく制御信号コネクタを備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載のフィールドヘッド。
【請求項11】
光学機器のフィールドヘッドのコントローラであって、
−複数の成分光線を形成して、前記フィールドヘッド内で使用するために伝搬させるために、第1の導波手段を介して多色光を出力に提供する光源と、
−前記フィールドヘッドから少なくとも1つの入力導波手段を介して入力された光の分光解析を行う分光計と
を備える、コントローラ。
【請求項12】
前記光源は、連続波長分布を有する多色光を伝送するように構成される、請求項11に記載のコントローラ。
【請求項13】
前記光源は、前記成分光線を提供する複数の単色光源を含む、請求項11に記載のコントローラ。
【請求項14】
前記光源は、前記光源の特性を補償するために、補償信号を前記分光計に提供するように構成される、請求項11に記載のコントローラ。
【請求項15】
入力はフィールドヘッドを介して実施される、請求項11に記載のコントローラ。
【請求項16】
前記光源は、光パルスを生成可能な少なくとも1つの光源を含む、請求項11に記載のコントローラ。
【請求項17】
前記光源は、前記光の波長をあるパルスから別のパルスに変更する制御手段および/またはパルス長とピッチとの関係を変更する手段を備える、請求項16に記載のコントローラ。
【請求項18】
少なくとも1つのフィールドヘッドと、少なくとも1つのコントローラとを備える、光学システム。
【請求項19】
前記フィールドヘッドおよび前記コントローラは同じカバー内に一体化される、請求項18に記載の光学システム。
【請求項20】
フィールドヘッドプリズム−測定可能媒質−境界面からの広帯域複数波長光の複数の光線に属する成分光線の全反射を介して屈折率を特定する方法であって、
−第1の波長の少なくとも前記成分光線を全反射臨界角で前記境界面に向けること、
−第2の波長の少なくとも1つの別の成分光線を前記境界面に向けて、集光器に繋がる経路上で伝搬させること、
−前記集光器により、成分光線を分光解析するように構成された分光計に反射光を集めること、−複数の成分光線内の送られた少なくとも1つの成分光線の波長についての情報に基づいて、スペクトルから第1の欠損成分光線を検出すること、
−前記欠損成分の波長に基づいて前記媒質の屈折率を計算すること
を含む、方法。
【請求項21】
コンピュータで実行される場合、請求項20に記載の分光計機能を制御するように構成されたソフトウェア手段を含むコンピュータ可読媒体上のソフトウェア製品。
【請求項22】
前記ソフトウェア製品は、以下:分光計制御手段、スペクトル走査および/または解析手段、ショルダ定義手段、データログ記録手段、統計解析手段、測定データを記憶し、且つ/または処理するデータベース手段、並びに測定結果についての説明をデータを表示する表示手段上に提供するように構成されたグラフィカル手段のうちの少なくとも1つを含む、請求項21に記載のソフトウェア製品。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−164102(P2011−164102A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18053(P2011−18053)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(511027231)
【Fターム(参考)】