説明

光学シートの製造方法

【課題】色むらの評価の工数を削減し、また均一な評価をできる光学シートの製造方法を提供する。
【解決手段】表面16aに凸形状の単位プリズム16dが複数配列されたプリズムシート16の製造方法であって、第1判定工程及び第2判定を備え、第1判定工程では、面内位相差の平均値(nm)/(面内位相差バラツキ(nm)×シート厚さの平均値(mm))≧10(nm/mm)である場合に合格とし、面内位相差の平均値(nm)/(面内位相差バラツキ(nm)×シート厚さの平均値(mm))<10(nm/mm)である場合に不合格として、プリズムシート16の色むらを評価し、第2判定では、第1判定工程で評価した光学シートを、面内位相差のバラツキ率(nm/nm)のシート厚さのバラツキ率(μm/μm)に対する大きさが、目視評価に対応付けて設定した一定値未満である光学シートを、良品として評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面光源装置等に用いられる光学シートの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、面光源装置を備える電気光学装置等(例えば特許文献1)に用いられ、押し出し成型により形成される光学シートがあった(例えば特許文献2)。
しかし、従来の光学シートは、評価者による色むらの評価に工数がかかり、また評価者が異なると色むら評価のバラツキが生じるため、均一な評価ができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−117062号公報
【特許文献2】特許3585412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、色むらの評価の工数を削減し、また均一な評価をでき、さらに面内位相差に基づく色むらを評価できる光学シートの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
第1の発明は、少なくとも表面に凸形状の単位光学形状が複数配列され、前記表面側とは反対側の面である背面側に光源が配置され、前記光源の光線が背面から入射し表面から出射するように配置される光学シートの製造方法であって、面内位相差の平均値(nm)/(面内位相差バラツキ(nm)×シート厚さの平均値(mm))≧10(nm/mm)である場合に合格とし、面内位相差の平均値(nm)/(面内位相差バラツキ(nm)×シート厚さの平均値(mm))<10(nm/mm)である場合に不合格として、光学シートの色むらを評価する第1判定工程を備えること、を特徴とする光学シートの製造方法である。
第2の発明は、第1の発明の光学シートの製造方法において、前記第1判定工程で評価した光学シートを、前記面内位相差のバラツキ率の前記シート厚さのバラツキ率に対する大きさの程度に基づいて、色むらを評価する第2判定工程を備えること、を特徴とする光学シートの製造方法である。
第3の発明は、第2の発明の光学シートの製造方法において、前記第2判定工程は、前記面内位相差のバラツキ率(nm/nm)の前記シート厚さのバラツキ率(μm/μm)に対する大きさが、目視評価に対応付けて設定した一定値未満である光学シートを、良品として評価すること、を特徴とする光学シートの製造方法である。
第4の発明は、第3の発明の光学シートの製造方法において、前記第2判定工程は、前記目視評価に対応付けて設定した一定値が7であり、7未満である光学シートを、良品として評価すること、を特徴とする光学シートの製造方法である。
第5の発明は、第4の発明の光学シートの製造方法において、前記第2判定工程は、前記目視評価に対応付けて設定した数値が、7よりも大きいシートに対して、10以下である光学シートと、10よりも大きい光学シートとを更に選別する工程を備えること、を特徴とする光学シートの製造方法である。
第6の発明は、第2から第5までのいずれかの発明の光学シートの製造方法において、前記第2判定工程で、前記面内位相差のバラツキ率(nm/nm)の前記シート厚さのバラツキ率(μm/μm)に対する大きさが、目視評価に対応付けて設定した一定値以上の前記光学シートを、検査者が目視により評価する目視判定工程を備えること、を特徴とする光学シートの製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
第1の発明は、第1判定工程において、面内位相差の平均値(nm)/(面内位相差バラツキ(nm)×シート厚さの平均値(mm))に基づいて光学シートの色むらを評価する。このため、測定装置を利用して光学シートを評価できるため、目視によらなくても色むらを評価できる。これにより、製造工程における工数を削減でき、また評価者毎に判定が異なる等のバラツキがなくして、均一に評価できる。
第2の発明は、第1判定工程で評価した光学シートを、第2判定工程において、面内位相差のバラツキ率のシート厚さのバラツキ率に対する大きさの程度に基づいて評価するので、第1判定工程で選別された光学シートを、更にランク付けして評価できる。
【0008】
第3の発明は、第2判定工程では、面内位相差のバラツキ率(nm/nm)のシート厚さのバラツキ率(μm/μm)に対する大きさが、目視評価に対応付けて設定された一定値未満であるものを良品として評価するので、良品と判定された光学シートの目視評価が全く必要なく、製造工程における工数を一層削減できる。
第4の発明は、第2判定工程では、目視評価に対応付けて設定した一定値が7未満である光学シートを、良品として扱うことができる。
【0009】
第5の発明は、第2判定工程では、目視評価に対応付けて設定した数値が、7よりも大きいシートに対して、10以下である光学シートと、10よりも大きい光学シートとを更に選別するので、色むらの程度に応じて、更に細かく選別できる。
第6の発明は、第2判定工程で、面内位相差のバラツキ率(nm/nm)のシート厚さのバラツキ率(μm/μm)に対する大きさが一定値の光学シートを、検査者が目視により評価する目視判定工程を備える。このため、第1判定工程で良品と判断されたシートをランク付けして、ランクが低い光学シートを目視で判定できるため、不良発生の低下に貢献できる。また、この場合であっても、目視により判定しなければならない光学シートの枚数を、最低限にできるので、目視評価による工数増加を最低限にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態の表示装置1を説明する図である。
【図2】実施形態の単位プリズム16dを左右方向Xから見たときの断面の一部を拡大した図である。
【図3】実施形態の成型装置20を説明する図である。
【図4】実施形態の成型装置20の一部分を拡大して示す図である。
【図5】比較例の成型装置120を説明する図である。
【図6】実施形態の成型装置20で製造したプリズムシート16と、比較例の成型装置120で製造したプリズムシート116との比較実験について説明する図である。
【図7】実施形態の成型装置20で製造したプリズムシート16と、比較例の成型装置120で製造したプリズムシート116との賦型率、面内位相差バラツキ、収縮膨張率の比較について説明する表である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
なお、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、実施形態でもそれにならって使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味はないので、特許請求の範囲の記載は、シートという記載で統一して使用した。従って、シート、板、フィルムの文言は、適宜置き換えることができる。例えば、光学シートは、光学フィルムとしてもよいし、光学板としてもよい。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
【0012】
図1は、実施形態の表示装置1を説明する図である。
なお、以下の説明において、表示装置1の表示画面の法線方向Nを、水平方向に向けた状態において、表示画面の左右方向をX、観察方向をY(手前側Y1、奥側Y2)、鉛直方向をZとして説明する。左右方向X、観察方向Y、鉛直方向Zは、互いに直交する方向である。
表示装置1は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル2(透過型表示部)と、その奥側Y2に配置された面光源装置10とを備えている。表示装置1は、LCDパネル2の背面を面光源装置10により照明して、LCDパネル2に表示された情報をLCDパネル2の手前側Y1から観察する装置である。
【0013】
LCDパネル2は、透過型の液晶表示素子により形成されており、例えば、対角32インチ(有効画面698mm×393mm)、解像度1920×1080ドットの表示を行う。LCDパネル2は、偏光反射シート17よりも手前側Y1、つまりプリズムシート16の手前側Y1(表面16a側)に配置されている。
【0014】
面光源装置10は、奥側Y2から、反射板12と、発光管13(光源)と、乳白板14と、プリズムシート16(光学シート)と、偏光反射シート17とが積層されている。
反射板12は、発光管13が発光した光線のうち奥側Y2に向かって発光された光線を、手前側Y1に向けて反射するシートである。反射板12は、発光管13の奥側Y2(背面側)の全面に設けられており、奥側Y2へ進む照明光を拡散反射して、手前側Y1の乳白板14の方向(出射側)へ向かわせ、乳白板14への入射光照度を均一に近づけるためのものである。
発光管13は、面光源装置10の光源部であり、例えば冷陰極管である。発光管13は、長手方向が左右方向Xになるように配置される。実施形態では、複数の発光管13が、鉛直方向Zに配列される。
なお、発光管13の代わりに、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の点光源を用いてもよいし、有機EL(Electro Luminescence)や無機ELのような面光源を用いてもよい。
乳白板14は、無指向性の光拡散特性を有した拡散板である。
【0015】
プリズムシート16は、発光管13が出射した光を、所定の視野角範囲内に集光、拡散する光学シートである。プリズムシート16は、奥側Y2(背面側)の面である背面16bが平面状に形成され、発光管13の光線が背面16bから入射し、手前側Y1の面である表面16a(シート面)から出射するようになっている。つまり、プリズムシート16は、背面16bが入射面であり、表面16aが出射面である。
【0016】
プリズムシート16は、表面16aに光学形状部16cを有している。
光学形状部16cは、プリズムシート16の表面16aに形成される。光学形状部16cは、複数の単位プリズム16d(単位光学形状)が配列され形成される。
この単位プリズム16dは、表面16aに凸状に形成された三角柱形状である。単位プリズム16dは、鉛直方向Zに複数並べて配列されている。
なお、実施形態では、背面16bは、平面状である例を示すが、必要に応じてマット面、光学形状部を備えていてもよい。
プリズムシート16の詳細に関しては、後述する。
【0017】
偏光反射シート17は、特定の偏光状態の光のみを透過し、それ以外の偏光状態の光は反射するという作用を有し、LCDパネル2とプリズムシート16との間に配置されており、視野角を狭めることなく輝度を上昇させる効果を有する。本実施形態では、DBEF(住友スリーエム株式会社製)であり、その厚さは、0.4mmである。
【0018】
図2は、実施形態の単位プリズム16dを左右方向Xから見たときの断面の一部を拡大した図である。
なお、図2では、鉛直方向Zが図面の左右方向になるように、手前側Y1が図面の上側になるように図示する。
図2(a)に示すように、単位プリズム16dの断面形状は、頂角αが90°の頂部16eを有し、手前側Y1である出射側(LCDパネル2側)が凸である直角二等辺三角形状、又は略直角二等辺三角形である。
プリズムシート16は、単位プリズム16dの頂部16eの形状が、角状に形成されている程、光学特性がよい。つまり、プリズムシート16を製造するための型16gによる賦型率が高い程、単位プリズム16dによる集光効果が高く正面輝度が高くなる。
【0019】
一方、図2(b)に示すように、型の形状が100%賦型されない場合には、頂部16fが曲面となってしまい、光学特性が悪くなる。
実施形態では、後述するように、成型装置20を用いることにより、後述する形状の単位プリズム16dの賦型率を100%にすることができ、光学特性を向上できる、
【0020】
なお、賦型率(%)は、「(h/H)×100」で表す。
つまり、賦型率は、型16gの高さHに対する、実際形成された単位プリズム16dの高さh(奥行方向Yにおける頂部16e,16fから谷底vまでの高さ)の割合である。
【0021】
図3は、実施形態の成型装置20を説明する図である。
図4は、実施形態の成型装置20の一部分を拡大して示す図である。
成型装置20は、熱可塑性樹脂をシート状にして押し出し、そのシート材料に対して単位光学系を賦型してプリズムシート16を製造するスリーブ方式の製造装置である。
【0022】
賦型シート21は、図3の一部拡大図に示すように、その表面21aに単位プリズム16dを賦型する凹凸形状の型が形成されたシートである。図4中2点鎖線で示すように、この凹凸形状は、賦型シート21の送り方向21b(MD方向)に直交する幅方向21d(TD方向)に並べて配列されている。つまり、凹凸形状の稜線は、送り方向21bに平行である。賦型シート21は、UVプリズムシートつまり紫外線硬化樹脂により形成され、金属等に比較して熱容量が小さい。
成型装置20は、押出機22と、ダイ23と、賦型シート送り部30と、ベルト加圧送り部40と、プリズムシート巻き取り部50とを備えている。
【0023】
押出機22は、ホッパ22aから供給された熱可塑性樹脂を、加熱溶融して先端に設けられたダイ23から押し出す装置である。
実施形態では、樹脂材料がポリカーボネート樹脂であり、ガラス転移点が約145℃であるため、押出機22は、約280℃まで加熱する。押出機22は、樹脂材料を溶融加熱して、先端に設けられたダイ23から、シート状部材24に加工して押し出す。
ダイ23の開口の形状は、長方形であり、その短辺は、後工程で加圧成型されるために、プリズムシート16の厚みよりも少し大きく、その長辺は、プリズムシート16の幅(図1、図2に示す鉛直方向Zの長さ)とほぼ同一である。
【0024】
賦型シート送り部30は、賦型シート21を送り方向21bへ送るための装置である。
賦型シート送り部30は、シート供給ロール部31と、第1送りロール32と、第2送りロール33と、第3送りロール34と、分離ロール部36と、シート巻き取りロール37とが、賦型シート21の送り方向21bにこの順序で配置されている。
シート供給ロール部31は、賦型シート21を供給する部分である。シート供給ロール部31は、ロール状に巻かれた賦型シート21を、回転可能に支持している。
【0025】
第1送りロール32は、シート供給ロール部31から供給された賦型シート21が、最初に巻きかけられるロールである。
第2送りロール33及び第3送りロール34は、第1送りロール32から送られた賦型シート21及びプリズムシート16が巻き掛けられている。
第1送りロール32、第2送りロール33及び第3送りロール34には、内部に冷却管(図示せず)が通されており、賦型シート21及びシート状部材24(プリズムシート16)の温度を調整できるようになっている。第1送りロール32の温度調整は、主に、賦型時の賦型シート21及びシート状部材24の温度調整のためであり、一方、第2送りロール33及び第3送りロール34の温度調整は、製造するプリズムシート16の反り調整のためである。
また、第1送りロール32、第2送りロール33及び第3送りロール34には、速度調整機構(図示せず)が設けられており、第1送りロール32の設定速度を基準にして、第2送りロール33及び第3送りロール34の速度を調整できるようになっている。この速度調整は、主に、賦型シート21及びシート状部材24のテンションの調整、反りや歪み(位相差)調整のためである。なお、第2送りロール33の速度調整は、剥離調整等のためにも行う。
分離ロール部36は、賦型シート21及びプリズムシート16を分離し、離型させるロールである。分離ロール部36は、賦型シート21をシート巻き取りロール37へと振り分け、一方、プリズムシート16をプリズムシート巻き取り部50へと振り分ける。
【0026】
シート巻き取りロール37は、分離ロール部36から送られた賦型シート21を巻き取るロールである。シート巻き取りロール37は、駆動装置(図示せず)により回転駆動されて、賦型シート21を巻き取る。また、シート巻き取りロール37が回転駆動されることにより、賦型シート送り部30は、賦型シート21を送り方向21bに送ることができる。
【0027】
図4に示すように、ベルト加圧送り部40は、スリーブベルト41を回転駆動する装置であり、スリーブベルト41と、これが巻き掛けられたゴムローラ42と、第1金属ローラ43と、第2金属ローラ44とを備えている。
スリーブベルト41は、Ni合金により形成されたベルトである。このように、スリーブベルト41に金属ベルトを使用する理由は、熱伝導がよく、またテンションをかけても伸びが少ないためである。例えば、ゴムベルトの場合には、熱伝導が悪く、ゴムローラ42、第1金属ローラ43及び第2金属ローラ44で冷却を行っても、スリーブ温が上昇を続け、剥離不良を起こしてしまうし、また伸びが大きいため、テンションをかけたときに、伸びてテンションの安定性がない。これに対して、金属ベルトは、このような問題を解決できる。
また、金属ベルトを使用する場合には、ゴムベルトの場合に比べて、伸びが少ないため仕上げ精度(寸法精度)を向上でき、また耐久性も向上できる。
【0028】
ゴムローラ42及び第1金属ローラ43は、これらの間に掛け渡されたスリーブベルト41が、第1送りロール32に巻き掛けられた賦型シート21との間に、シート状部材24を挟み込んで加圧できるように、配置される(図4に示す2点鎖線参照)。
つまり、ゴムローラ42及び第1金属ローラ43は、シート状部材24の加圧部分24cで、賦型シート21の送り経路21cに対応した送り経路41cを有するようにスリーブベルト41を送る。
【0029】
第1金属ローラ43は、回転軸の位置が調整可能である。これにより、第1金属ローラ43は、加圧部分24cの長さ(接触長)を調整できる。また、第1金属ローラ43は、スリーブベルト41の張力を調整でき、シート状部材24を加圧する圧力を調整できる。
第2金属ローラ44は、回転軸の位置が調整可能である。これにより、第2金属ローラ44は、第1金属ローラ43と同様に、シート状部材24を加圧する圧力を調整できる。
なお。ゴムローラ42、第1金属ローラ43、第2金属ローラ44は、内部に冷却管が通されており、スリーブベルト41の温度を調整できるようになっている。
【0030】
図3に示すように、プリズムシート巻き取り部50は、分離ロール部36によって、賦型シート21から分離したプリズムシート16を巻き取る装置である。プリズムシート巻き取り部50は、ロール等によってプリズムシート16の弛みを吸収しながらプリズムシート16を送り、後端に設けられた巻き取り装置によってプリズムシート16をロール状にして巻き取る。
【0031】
(プリズムシート16の製造方法)
プリズムシート16の製造方法について説明する。
(1)押し出し工程
図3に示すように、押出機22は、ホッパ22aから供給されたポリカーボネート樹脂のガラス転移点を越える温度(約280℃)にまで加熱溶融して、ダイ23からシート状部材24として押し出す。
(2)賦型シート21送り工程
図4に示すように、シート状部材24は、賦型シート21とスリーブベルト41との間に送り出される。シート状部材24は、賦型シート21が送り方向21bに送られることにより、賦型シート21の送り経路と同様な経路に沿って送られる。
(3)ベルト加圧送り工程
シート状部材24は、賦型シート21に沿って移動することにより、加圧部分24cにおいて、賦型シート21及びスリーブベルト41の間に挟み込まれ、送り方向21bかつ幅方向(図1、図2に示す左右方向X)において、つまり加圧部分24cの接触長全域にわたってほぼ一定の圧力で加圧される。シート状部材24は、スリーブベルト41及び賦型シート21に面接触しながら、加圧部分24cを通過していく。
【0032】
このとき、賦型シート21の熱容量が小さいため、シート状部材24は、賦型シート21に接触したとしても、硬化が急速に進まずにゆっくりと進む。このため、賦型シート21及びシート状部材24間の圧力を小さくしても、シート状部材24は、賦型シート21の凹凸形状部分に十分に流れ込むことができ、賦型率を向上できる。また、シート状部材24は、強いせん断力をかかることなく成型されるので、配向性を低減でき、後述するように面内位相差等を低減できる。
また、成型時のシート状部材24の保圧時間が長くできるので、樹脂の弾性戻りを抑えることができるため、成型後の変形等を防止できる。
なお、以下の説明において、加圧部分24cを通過した後のシート状部材24を、プリズムシート16とする。
【0033】
(4)プリズムシート送り工程
プリズムシート16及びシート状部材24は、加圧部分24cを通過してスリーブベルト41から離れると、賦型シート21に接触した状態で、第2ロール33、第3ロール34を経て、分離ロール部36まで送られる。この間、プリズムシート16は、賦型シート21や外気等との接触により冷却され、プリズムシート16の表面は、温度がポリカーボネート樹脂のガラス転移点以下になり硬化する。また、賦型シート21(UV樹脂)も、プリズムシート16に接触された状態にされるので、ガラス転移点(50℃程度)以下まで冷却される。これにより、プリズムシート16及び賦型シート21は、剥離性が向上でき、また離型後の変形を抑制できる。
【0034】
(5)分離工程
プリズムシート16は、分離ロール部36まで送られると、賦型シート21と分離される。
(6)巻き取り工程
分離ロール部36により分離されたプリズムシート16は、プリズムシート巻き取り部50により巻き取られ、一連の工程が終了する。
【0035】
なお、上記製造工程において、プリズムシート16を加圧する条件を設定する加圧調整工程を、適宜設けることができる。加圧調整工程は、例えば、第2金属ローラ44の回転軸の位置を調整して、スリーブベルト41の張力を調整したり、加圧部分24cの接触長を調整することにより行う。
加圧調整工程は、例えば、製造するプリズムシート16の条件に合わせて予め定められた条件に設定するものでもよいし、製造過程において、必要に応じて条件を適宜調整して設定するものでもよい。
【0036】
<比較例との比較:賦型率、面内位相差バラツキ、収縮膨張率>
次に、実施形態の成型装置20で製造したプリズムシート16と、比較例の成型装置120で製造したプリズムシート116との賦型率、面内位相差バラツキ、収縮膨張率についての比較について説明する。
図5は、比較例の成型装置120を説明する図である。
成型装置120は、賦型シート21ではなく、単位光学系を賦型する型が形成された金属製の成型ロール132を利用した。ロール141は、金属製冷却ロールである。
【0037】
図6は、実施形態の成型装置20で製造したプリズムシート16と、比較例の成型装置120で製造したプリズムシート116との比較実験について説明する図である。
製造条件、測定方法は、以下の通りである(図6参照)。
<共通条件>
成型速度:15m/min
樹脂温:300℃
ピッチ:P=50μm
厚み:280μm
【0038】
<異なる条件>
成型装置20(本願発明)
賦型シート:UVプリズムシート
プリズム先端R1=2μm、プリズム谷R2=0μm
押圧: 線圧:75kg/cm
加圧部分24cの接触長(スリーブ接触長):60mm
成型装置120(比較例)
賦型ロール:金属
先端R101=2μm、谷R102=0μm
押圧:面圧:12.5kg/cm(=75kg/cm÷60mm)
【0039】
<測定方法>
面内位相差(Re)のバラツキ:
プリズムシートを9分割した場合の面内位相差(Re)の最大値−最小値
<測定器>
厚み測定機器:
デジマチック標準外側マイクロメータ MDC−MJ/PJ (株式会社ミツトヨ製)
位相差測定機器:
位相差測定装置:KOBRA−WR (王子計測機器株式会社製)
プリズムシートの賦型面でない面(背面16b)を入射面として光源側に向け、プリズム稜線が図1のX1−X2方向(左右方向X)と平行になるように配置
ソフトウェア:KOBRA−RE Ver1.20
測定モード:入射角依存性測定
測定方法:標準
波長:λ(約590nm)
Nave:1.585
採用データ:θ=0°のデータを記録
【0040】
(賦型率の比較)
表60に示すように、賦型率は、実施形態の成型装置20では、100%であるのに対して、比較例の成型装置120では、96.8%であった。これにより、成型装置20は、賦型性を向上できることを確認できた。
【0041】
(面内位相差(Re)のバラツキの比較)
表60に示すように、面内位相差バラツキは、実施形態の成型装置20では、150nm未満であるのに対して、比較例の成型装置120では、150nm以上であった。これにより、成型装置20は、面内位相差バラツキを低減できることが確認できた。また、プリズムシート16は、使用時の色むらの改善を期待できる。
【0042】
(収縮膨張率の比較)
表60に示すように、収縮膨張率は、実施形態の成型装置20では、「MD:−0.02%、TD:0.00%」であるのに対して、比較例の成型装置120では、「MD:0.05%、TD:0.04%」であった。ここで、MDは、シートの送り方向21b(図1、図2に示す左右方向X)の収縮膨張率を表し、TDは、幅方向(図1、図2に示す鉛直方向Z)の収縮膨張率を表す。
これにより、成型装置20は、収縮膨張率を低減できることを確認できた。この収縮膨張率を低減が樹脂の配向性を低減し、前述した面内位相差バラツキの低減に寄与したと考えられる。
【0043】
以上説明したように、実施形態の成型装置20は、熱可塑性樹脂を、スリーブベルト41と賦型シート21との間に挟み込んでほぼ一定の圧力で加圧しながら送るので、樹脂の配向性を低減し、面内位相差及びそのバラツキを低減できる。
また、実施形態の成型装置20は、賦型性を向上できるので、低ピッチのプリズムシート16を製造できる。
【0044】
<比較例との比較:色むらの検証>
次に、実施形態の成型装置20で製造したプリズムシート16と、比較例の成型装置120で製造したプリズムシート116との色むらについて説明する。
図7は、実施形態の成型装置20で製造したプリズムシート16と、比較例の成型装置120で製造したプリズムシート116との賦型率、面内位相差バラツキ、収縮膨張率の比較について説明する表である。
サンプルNo.1〜27は、実施形態の成型装置20で製造したプリズムシート16である。
サンプルNo.28〜49は、比較例の成型装置120で製造したプリズムシート116である。
【0045】
(プリズムシートの色むらの目視判定)
最初に、No.1〜49のプリズムシート16,116を面光源装置10に組み込んで、偏光反射シート17上の色むらの程度を目視により確認した(列8)。
実施形態のプリズムシート16(サンプルNo.1〜27)は、列8に示すようになり、一部に色むらが認められた。
一方、比較例のプリズムシート116(サンプルNo.28〜49)は、列8に示すように、全てに色むらが認められた(表70に×で示す)。
【0046】
このように、実施形態の成型装置20は、色むらの発生を低減したプリズムシート16を製造できた。
実施形態では、熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂を用いている。ポリカーボネート樹脂は、配向性が大きい材料である。このため、比較例の金属製の成型ロール132(図5参照)で熱可塑性樹脂を押し込んだ場合、熱可塑性樹脂(シート状部材124)に急激に強い線圧(せん断力)が掛かり、また急激に冷却されてしまうため、送り方向21bに大きく配向し、かつ配向のバラツキが発生する。これにより、比較例では、面内位相差バラツキが大きくなって、表70に示すプリズムシート116のように、色むらを発生してしまう。
【0047】
次に、上記目視の判定と、プリズムシート16,116の面内位相差等との関連を、以下の手順により検証した。
(第1判定)
最初に、プリズムシート16,116の測定結果から、列1〜列6の数値を求めた。列1〜列6は、以下の内容を表す。
(列1:面内厚シートバラツキ)
図6に示すように、プリズムシート16,116を9分割した場合のシート厚の最大値−最小値である。
(列2:面内位相差(Re)バラツキ)
図6に示すものと同様に、プリズムシート16,116を9分割した場合の面内位相差(Re)の最大値−最小値である。
(列3:面内平均シート厚)
図6に示すように、プリズムシート16,116を9分割したときの各シート厚の平均値である。
(列4:平均位相差(Re)(nm))
図6に示すように、プリズムシート16,116を9分割した場合の面内位相差(Re)の平均値である。
(列5:単位厚み当たりの面内位相差(Re)(nm/mm))
「(列4の数値)/(列3の数値)」により求めた数値であり、つまり「平均位相差/面内平均シート厚」であり、「複屈折の面内の平均値」に相当する。なお、単位を「nm/μm」から「nm/mm」に変えたために、数値1000を積算した。
列6:色むら値A
色むら値A(1/mm)=(列5の数値)/(列3の数値)・・・式1
により求めた数値であり、つまり、色むら値Aは、「単位厚みあたりの位相差(複屈折の面内の平均値)/面内位相差バラツキ」である。この数値は、「複屈折の面内の平均値」の「面内位相差バラツキ」に対する大きさの程度を表す数値である。
なお、単位は、「1/mm」であるが、例えば「1/μm」、「1/nm」等の単位で表現することもできる。この場合には、数値を適宜10分の1,10分の1等すればよい。
【0048】
次に、目視での色むら(列8)と比較して、
色むら値A<10 →×
10≦色むら値A →○
という規則により、プリズムシート16,116を選別した。これにより、比較例のプリズムシート116を、目視での色むら判定(列8)に整合させて選別できた。
【0049】
なお、色むら値Aで選別することにより、「平均的な厚みと位相差」という概念、つまりシートの厚みが均一と仮定した場合の複屈折の概念を取り入れて、複屈折のバラツキが色むらに与える影響を低減できるため、面内位相差バラツキだけで選別するよりも、より正確な選別をすることができる。
すなわち、例えば厚み100μmのシートと厚み500μmのシートとにおいて、例えば同じ200nmの位相差バラツキであったとしても、複屈折のバラツキは、厚みの小さい100μmのシートの方が大きいので、色むらに与える悪影響が大きくなる。つまり、色むら値Aが小さい程複屈折のバラツキが大きいことを表し、色むらに悪影響を与える。
【0050】
一方、これとは異なり、面内位相差バラツキだけで判定する場合には、この複屈折の概念がないため、目視での選別との誤差が生じてしまう。これに対して、色むら値Aで判定する場合には、複屈折の概念を取り入れて、目視での選別により近い選別をできる。
【0051】
(第2判定)
次に、第1判定した実施形態のプリズムシート16の面内位相差等と、上記目視の判定との関連を以下の手順により検証した。
プリズムシート16の測定結果から、列7の数値を求めた。列7は、以下の内容を表す。
(列7:数値B)
数値B=[列2の数値/(列4の数値)]/[(列1の数値)/(列3の数値)]・・・式2
により求めた数値である。なお、面面シート厚みバラツキが0(μm)の場合には、有効測定最小値(1μm)として、数値Bを算出した。また単位は、「(nm/nm)/(μm/μm)」であるので無次元となるが、例えば「μm/nm」等の単位を付して表現することもできる。この場合には、数値を適宜1000倍等して、積算すればよい。
ここで、[(列2の数値/(列4の数値)]は、「位相差のバラツキ率」を表し、[(列1の数値)/(列3の数値)]は、「厚みのバラツキ率」を表す。
従って、数値Bは、「位相差のバラツキ率」の「厚みのバラツキ率」に対する大きさの程度を表す数値である。仮に、複屈折にバラツキがないと仮定すると、位相差のバラツキは、厚みのバラツキ率に比例する。
【0052】
従って、色むら値Aで選別した後に、さらに、数値Bで選別することにより、厚みバラツキの概念を、複屈折に取り入れて、選別精度の向上を期待できる。
すなわち、仮に位相差バラツキが150nmであるとしても、厚みバラツキが30μmのシートと1μmのシートとでは、色むらの発生具合は変わってくる場合がある。これは、「30μmの厚みバラツキがあっても厚みが薄い部分の位相差が小さく、厚みの厚い部分の位相差が大きいときには、複屈折の差が少ない」ということであり、複屈折のバラツキに起因する色むらが発生しない可能性があるためである。逆に、「厚みバラツキが1μmしかないにも関わらず、位相差バラツキが150nmであれば、複屈折のバラツキが大きい」ということであり、色むらが発生する可能性があるためである。
しかし、色むら値Aだけでは、厚みバラツキを十分に考慮できないため、「厚みバラツキが1μmしかないにも関わらず、位相差バラツキが150nmであれば、複屈折のバラツキが大きい」等の場合の色むらを選別できない場面が予想される。
【0053】
そこで、図7に示す例では、数値Bに基づいて、以下のような判断基準でプリズムシート16を選別した。数値Bの選別基準は、目視評価による色むら判定(列8)に対応付けたものとし、目視評価による色むら判定(列8)との相関を取れるものとした。なお、プリズムシート116は、第1判定で全て「×」であったため、第2判定を省略した。
B<7 →○
7≦B≦10→△
10<B →×
【0054】
このように、実施形態では、第1判定で「平均的な厚みと位相差」という概念で複屈折のバラツキに基づいて色むらを判定し、第2判定では、さらに複屈折に厚みバラツキの概念を取り入れることにより、選別精度の向上を期待できる。
また、第1判定で評価したプリズムシート16を、第2判定でさらに評価するので、目視による色むら判定(列8)との合致できる。これにより、目視による色むらの判定と同様な選別をすることができる。
さらに、第1判定で選別されたプリズムシート16を、更にランク付けして評価できる。
【0055】
なお、第2判定で、「△」又は「△及び×」と判定されたプリズムシート16を、さらに検査者が目視により評価する目視判定工程を備えていてもよい。これにより、第1判定で「○(良品)」と判断されたシートをランク付けして、そのランクが低い「△」又は「△及び×」のプリズムシート16を、目視によって判定し、不良発生の低下に貢献できる。この場合であっても、目視により判定しなければならないプリズムシート16の枚数を最低限にできるので、目視評価による工数増加を最低限にできる。
【0056】
このように、本実施形態は、ベルト加圧送り工程及びプリズムシート送り工程を経て製造されたプリズムシート16に対して、第1判定及び第2判定を行って選別する判定工程を設けることにより、目視による色むらの判定と同様な選別をすることができる。これにより、目視による色むらの検査工程、評価工程を設けなくても、目視と同様にプリズムシート16を選別できるので、製造工程における工数を削減でき、また評価者毎に判定が異なる等のバラツキがなくして、均一に評価できる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0058】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)実施形態では、単位光学形状は、シート面の法線方向に平行であり、配列方向に平行な断面形状が、頂角90°である二等辺三角形形状である例を示したが、これに限らず、例えば、他の三角形形状や、半球形状、楕円形形状の一部形状であってもよい。例えば、単位光学形状の断面形状が楕円形形状の一部形状である場合には、単位光学形状は、光の集光作用に加えて光拡散作用も有するので、面光源装置の発光管等の光源の位置に起因した光源むら等の輝度むらを解消することができる。なお、単位光学形状の断面形状を楕円形形状の一部とする場合には、長軸がシート面に直交する楕円形形状の一部とすることが、光拡散性と高い集光性とを両立する観点から好ましい。
また、実施形態では、単位プリズムは、シート面に沿って鉛直方向に配列される例を示したが、これに限らず、例えば、左右方向に配列してもよい。
さらに、実施形態では、単位プリズムは、長手方向を左右方向とする三角柱形状であり、シート面に沿って一方向に配列される例を示したが、これに限らず、例えば、半球形状や四角錐形状とし、シート面に沿って二方向(例えば、鉛直方向及び左右方向)に配列してもよい。
【0059】
(2)実施形態では、プリズムシートは、拡散材等を含有していない例を示したが、これに限らず、例えば、樹脂材料にスチレンビーズ等の拡散材を混錬したものを用いてもよい。また、例えば、拡散材を含有する樹脂材料と拡散材を有しない樹脂材料とを用いて2層押し出しして単位プリズムを形成してもよい。
【0060】
(3)実施形態では、プリズムシートは、面光源装置に用いられる例を示したが、これに限らず、例えば、透過型スクリーン等に使用してもよい。
【0061】
(4)実施形態では、色むらの評価は、製造後のプリズムシートに対して行う例を示したが、これに限定されない。成型装置に、色むらの評価用の評価装置を設け、成型装置内での工程の一部に、色むらの評価工程を設けてもよい。この場合、いわゆるインライン方式で色むらの評価をでき、プリズムシートの生産性を向上できる。
【符号の説明】
【0062】
1 表示装置
2 LCDパネル
10 面光源装置
12 反射板
13 発光管
14 乳白板
16 プリズムシート
16c 光学形状部
16d 単位プリズム
20 成型装置
21 賦型シート
22 押出機
30 賦型シート送り部
31 シート供給ロール部
32 第1送りロール
33 第2送りロール
34 第3送りロール
36 分離ロール部
40 ベルト加圧送り部
41 スリーブベルト
42 ゴムローラ
43 第1金属ローラ
44 第2金属ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも表面に凸形状の単位光学形状が複数配列され、前記表面側とは反対側の面である背面側に光源が配置され、前記光源の光線が背面から入射し表面から出射するように配置される光学シートの製造方法であって、
面内位相差の平均値(nm)/(面内位相差バラツキ(nm)×シート厚さの平均値(mm))≧10(nm/mm)である場合に合格とし、
面内位相差の平均値(nm)/(面内位相差バラツキ(nm)×シート厚さの平均値(mm))<10(nm/mm)である場合に不合格として、光学シートの色むらを評価する第1判定工程を備えること、
を特徴とする光学シートの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の光学シートの製造方法において、
前記第1判定工程で評価した光学シートを、前記面内位相差のバラツキ率の前記シート厚さのバラツキ率に対する大きさの程度に基づいて、色むらを評価する第2判定工程を備えること、
を特徴とする光学シートの製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載の光学シートの製造方法において、
前記第2判定工程は、前記面内位相差のバラツキ率(nm/nm)の前記シート厚さのバラツキ率(μm/μm)に対する大きさが、目視評価に対応付けて設定した一定値未満である光学シートを、良品として評価すること、
を特徴とする光学シートの製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の光学シートの製造方法において、
前記第2判定工程は、前記目視評価に対応付けて設定した一定値が7であり、7未満である光学シートを、良品として評価すること、
を特徴とする光学シートの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の光学シートの製造方法において、
前記第2判定工程は、前記目視評価に対応付けて設定した数値が、7よりも大きいシートに対して、10以下である光学シートと、10よりも大きい光学シートとを更に選別する工程を備えること、
を特徴とする光学シートの製造方法。
【請求項6】
請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の光学シートの製造方法において、
前記第2判定工程で、前記面内位相差のバラツキ率(nm/nm)の前記シート厚さのバラツキ率(μm/μm)に対する大きさが、目視評価に対応付けて設定した一定値以上の前記光学シートを、検査者が目視により評価する目視判定工程を備えること、
を特徴とする光学シートの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−53282(P2012−53282A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195905(P2010−195905)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】