説明

光学式エンコーダ

【課題】主信号および副信号を検出可能で、かつ使用温度範囲を拡大できる光学式エンコーダを提供すること。
【解決手段】第1受光素子3は、基板5を介して筐体4に固定される。基板5は、筐体4に前記所定方向に移動可能に支持されるので、使用温度変化に対する第1受光素子3の所定方向の移動量は、基板5の線膨張係数に基づく。第2受光素子2は、筐体4に直接固定されるので、使用温度変化に対する所定方向の移動量は、筐体4の線膨張係数に基づく。よって、筐体4に固定される基板5の固定部53から第1受光素子3までの所定方向に沿った距離Aと、固定部53から第2受光素子2までの所定方向に沿った距離Bとの比を、筐体4の線膨張係数と、基板5の線膨張係数との比と等しくすることで、使用温度変化による第1、第2受光素子3、2の位置関係の変化を抑制でき、測定精度を向上できる。従って、使用温度範囲を拡大できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式エンコーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、相対変位信号等の主信号を検出するための受光素子および原点信号等の副信号を検出するための受光素子が設けられた検出ヘッドを、反射部または透過部が例えば一定間隔で配置された主信号用の光学格子と、反射部または透過部が例えば所定位置に配置された副信号用(原点信号用)の光学格子とが形成されたスケールに対して相対移動させ、各光学格子にて反射した光または各光学格子を透過した光を各受光素子により受光して主信号および副信号を検出する光学式エンコーダが利用される(例えば、特許文献1)。
このような光学式エンコーダにおいて、主信号検出用の受光素子および副信号検出用の受光素子が設けられる検出ヘッドの構成としては以下の構成が考えられる。
【0003】
図5は、主信号検出用の受光素子2および副信号検出用の受光素子3が設けられる検出ヘッド1Bの構成の一例を示す断面図である。
すなわち、検出ヘッド1Bの構成として、主信号検出用の受光素子2を筐体4、具体的には受光素子2をアルミ製の筐体本体41に固定された透明なガラス基板42に固定する一方、副信号検出用の受光素子3を、筐体4に固定されたガラスエポキシ製の基板5に固定する構成が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−122320公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構成では、筐体4の線膨張係数(ガラス基板42の線膨張係数は非常に低いので筐体本体41の線膨張係数)と基板5の線膨張係数との差により、使用温度によっては、筐体4の伸縮量と基板5の伸縮量とに差が生じ、受光素子2、3の位置関係に変化が生じるおそれがある。受光素子2、3の位置関係に変化が生じると、測定精度が低下し、精度保証可能な使用温度範囲が限定されてしまうという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、主信号および副信号を検出可能で、かつ使用温度範囲を拡大できる光学式エンコーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光学式エンコーダは、第1、第2受光素子が設けられた検出ヘッドをスケールに対して相対移動させ、前記第1受光素子により主信号および副信号のうち一方を検出し、前記第2受光素子により主信号および副信号のうち他方を検出する光学式エンコーダであって、前記検出ヘッドは、前記第1受光素子が実装された基板と、前記基板が取り付けられるとともに前記第2受光素子が固定された筐体とを備え、前記基板の所定方向の一端側には、前記筐体に固定される固定部が設けられ、前記基板の所定方向の他端側は、前記所定方向に移動可能に前記筐体に支持され、前記固定部から前記第1受光素子までの前記所定方向に沿った距離と、前記固定部から前記第2受光素子までの前記所定方向に沿った距離との比は、前記筐体の線膨張係数と、前記基板の線膨張係数との比と等しいことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、第1、第2受光素子により主信号および副信号を検出可能である。第1、第2受光素子のうち、第1受光素子は、基板を介して筐体に固定される。基板は筐体に前記所定方向に移動可能に支持されるので、使用温度変化に対する第1受光素子の所定方向の移動量は、基板の線膨張係数に基づく。一方、第2受光素子は筐体に直接固定されるので、使用温度変化に対する第2受光素子の所定方向の移動量は、筐体の線膨張係数に基づく。
【0009】
ここで筐体に固定される基板の固定部から第1受光素子までの所定方向に沿った距離をA(図5)、固定部から第2受光素子までの所定方向に沿った距離をB、第1、第2受光素子間の所定方向に沿った距離をX、基板の線膨張係数をE、筐体の線膨張係数をE、使用温度変化をTとすると、第1、第2受光素子間の距離Xの変動量ΔXは、
ΔX=ΔB−ΔA
=B×E×T−A×E×T
=(B×E−A×E)×T
と表される。従って、(B×E−A×E)=0の時、すなわちA:B=E:Eの時、使用温度変化Tに関係なく第1、第2受光素子間の距離Xの変動量ΔXが0になることが分かる。
【0010】
そこで、本発明では、A:B=E:Eとなる位置に第1、第2受光素子を配置し、変動量ΔXを0とする。これにより、本発明では、使用温度変化による第1、第2受光素子間の位置関係の変化を抑制でき、測定精度を向上できる。そのため、使用温度範囲を拡大できる。
【0011】
本発明の光学式エンコーダでは、前記筐体における前記他端側との接触面、および前記他端側における前記筐体との接触面のうちいずれか一方には潤滑層が積層されていることが好ましい。
本発明によれば、筐体および基板の接触面のうち一方には潤滑層が積層されるので、両者の摩擦を低減でき、使用温度変化に応じて基板を確実に伸縮させることができる。従って、本発明では、使用温度変化に応じて基板および筐体が伸縮することを前提に第1、第2受光素子が所定の位置に配置されるところ、該前提が守られるので、第1、第2受光素子間の位置関係の変化を確実に抑制できる。
【0012】
本発明の光学式エンコーダでは、前記他端側には、前記所定方向に沿って延びた貫通孔が形成され、前記筐体は、前記貫通孔を貫通するねじを備え、前記他端側との接触面と前記ねじとで前記他端側を前記所定方向に移動可能に挟持することが好ましい。
本発明によれば、貫通孔が所定方向に沿って延びているので、筐体は、貫通孔を挿通するねじにより、基板の他端側を所定方向に移動可能に挟持できる。従って、筐体は、基板の他端側を挟持するので、基板の他端側を安定して支持できる。また、基板の他端側を所定方向に移動可能に挟持する構成をねじを用いて実現するので、該構成を簡素な構成で実現できる。
【0013】
本発明の光学式エンコーダでは、前記筐体は、前記所定方向に互いに離間した位置に固定された第1、第2固定部と、前記基板が取り付けられるとともに前記第2受光素子が固定され、一端が前記第1、第2固定部の一方に接続される本体部と、前記所定方向に沿って弾性変形可能に形成され、前記本体部の他端および前記第1、第2固定部の他方を接続する弾性部とを備えることが好ましい。
【0014】
本発明によれば、筐体の本体部には、基板が取り付けられるとともに第2受光素子が固定される。この本体部の一端は、所定位置に固定された第1、第2固定部の一方に接続され、他端は、他方の第1、第2固定部に弾性部を介して接続される。使用温度変化により本体部が伸縮すると、弾性部により本体部に復元力が付与されるので、該復元力により、本体部が使用温度変化前の伸縮状態に復元することを補助できる。従って、温度に対する再現性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る検出ヘッドを示す断面図。
【図2】第1実施形態の検出ヘッドを示す平面図。
【図3】本発明の第2実施形態に係る検出ヘッドを示す断面図。
【図4】第2実施形態の検出ヘッドを示す平面図。
【図5】検出ヘッドの構成の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態に係る光学式エンコーダは、相対変位信号等の主信号を検出するための受光素子および原点信号等の副信号を検出するための受光素子が設けられた検出ヘッドと、検出ヘッドに近接配置され、主信号用の光学格子および副信号用の光学格子が形成されたスケールと、各光学格子に対して光を射出する光源とを備える。検出ヘッドがスケールに対して相対移動すると、光源から出射されて各光学格子にて反射した光または各光学格子を透過した光が各受光素子にて受光される。各受光素子にて検出された主信号および副信号に基づいて、光学式エンコーダに接続されるユーザ側の装置によりスケールの相対移動量が算出される。
【0017】
主信号用の光学格子としては、反射部または透過部が一定間隔で配置されたインクリメンタルパターンのものが例示される。副信号用の光学格子としては、反射部または透過部が所定位置に配置されて原点を示す信号を発生させるものや、反射部または透過部がランダム間隔で配置されて原点からの絶対距離を示す信号を発生させるアブソリュートパターンのものが例示される。
【0018】
光学格子としてインクリメンタルパターンが用いられる場合、光学式エンコーダには信号処理部が設けられ、受光素子からの信号は信号処理部にて処理された後、ユーザ側の装置へ出力される。光学格子としてアブソリュートパターンが用いられる場合、光学式エンコーダには演算装置が設けられる。受光素子からの信号に基づいて演算装置により位置情報が算出され、該位置情報がユーザ側の装置へ出力される。これらの信号に基づいて、ユーザ側の装置によりスケールの相対移動量が算出される。
2つの受光素子を用いて主信号および副信号を検出する光学式エンコーダの全体構成は、特許文献1に記載されるように既知であるので、以下では、スケール等の説明は省略し、本発明の特徴的な検出ヘッドの構成について主に説明する。
【0019】
図1は、検出ヘッド1を示す断面図、図2は、検出ヘッド1を示す平面図である。以下、図1中の上下左右方向を上下左右方向とする。
検出ヘッド1は、第2受光素子としての受光素子2、第1受光素子としての受光素子3、基板5、および筐体4を備える。検出ヘッド1の図1中、下方にスケールが配置される。後述するが、このスケールに対向する筐体4の下面にガラス基板42が設けられる。
受光素子2は、前記ガラス基板42の上面に受光面を下に向けた状態で実装される。受光素子2は、スケールに形成された主信号用の光学格子にて反射した光または該光学格子を透過した光をガラス基板42を介して受光し、相対変位信号等の主信号を検出する。
【0020】
また、後述するが、筐体4においてガラス基板42の上方に基板5が設けられる。
受光素子3は、この基板5の下面に受光面を下に向けた状態で実装される。受光素子3は、スケールに形成された副信号用の光学格子にて反射した光または該光学格子を透過した光をガラス基板42を介して受光し、原点信号等の副信号を検出する。
基板5はガラスエポキシ製であり、左右両端に貫通孔51、52が形成される。
【0021】
筐体4は、筐体本体41と、ガラス基板42と、ねじ43とを備える。
筐体本体41は、アルミ製とされ、本体部6と、突出端部71、72とを備える。
本体部6は、矩形に形成され、左右両端に突出端部71、72が接続する。突出端部71、72は上方に突出する。突出端部71、72は、本実施形態では所定位置に固定されず、筐体4は、使用温度変化により左右方向に伸縮可能とされる。
【0022】
本体部6の上端面61には凹部611が形成され、下端面62には、凹部611と平面視で重なる位置に凹部611よりも小さい凹部621が形成される。両凹部611、621の底部63は共通する。底部63には孔631が形成され、該孔631により両凹部611、621は連通する。底部63の下面632にはガラス基板42が取り付けられ、凹部621内にガラス基板42が収納される。ガラス基板42の孔631から露出した上面に受光素子2が実装される。
【0023】
本体部6の上端面61には基板5がねじ止めされる。具体的に、基板5の左端側には、ねじ43により本体部6に固定された固定部53が設けられる。一方、基板5の右端側に形成された貫通孔51はねじ43の軸径より径が僅かに大きいバカ穴とされ、左右方向に遊びがある、すなわち貫通孔51は左右方向に延びている。このため、基板5の右端側は、ねじ43により、左右方向に移動可能に本体部6に取り付けられる。本体部6の上端面61において、基板5の右端側が取り付けられる右側部分には、該上端面61より摩擦係数の低い潤滑層64が積層される。潤滑層64としては、ポリテトラフルオロエチレン層等のフッ素樹脂層やDLC層(Diamond like Carbon層)が採用される。基板5は、左端側が固定部53とされ、右端側が左右方向に移動可能とされるので、使用温度が変化すると、固定部53を基点として左右方向に伸縮する。この際、潤滑層64により、基板5の右端側と筐体4との摩擦が低減される。
【0024】
このような本実施形態では、受光素子2は、線膨張係数が非常に低いガラス基板42を介して本体部6に取り付けられるので、使用温度変化により筐体4(本体部6)が左右方向に伸縮すると、該伸縮に伴い、受光素子2も左右方向に移動する。従って、使用温度変化に対する受光素子2の左右方向の移動量は、筐体4の線膨張係数に基づくこととなる。
一方、受光素子3は、左右方向に伸縮可能とされた基板5に固定されるので、使用温度変化により基板5が左右方向に伸縮すると、該伸縮に伴い受光素子3も左右方向に移動する。従って、使用温度変化に対する受光素子3の左右方向の移動量は、基板5の線膨張係数に基づくこととなる。
【0025】
ここで、基板5左端の固定部53から受光素子3までの左右方向に沿った距離をA、固定部53から受光素子2までの左右方向に沿った距離をB、受光素子2、3間の左右方向に沿った距離をX、ガラスエポキシ製の基板5の線膨張係数をE(=60×10−6℃)、アルミ製の筐体4の線膨張係数をE(=21×10−6℃)、使用温度変化をTとすると、受光素子2、3間の距離Xの変動量ΔXは、
ΔX=ΔB−ΔA
=B×E×T−A×E×T
=(B×E−A×E)×T
と表される。従って、(B×E−A×E)=0の時、すなわちA:B=E:Eの時、使用温度変化Tに関係なく受光素子2、3間の距離Xの変動量ΔXが0になることが分かる。
【0026】
そこで、本実施形態では、A:B=E(=21×10−6℃):E(=60×10−6℃)=1:3となる位置に受光素子2、3が配置される。これにより、変動量ΔXが0とされるので、本実施形態では、使用温度変化Tによる受光素子2、3間の位置関係の変化を抑制でき、測定精度を向上できる。従って、使用温度範囲を拡大できる。
【0027】
以上の本実施形態では、以下の効果を奏することができる。
受光素子2、3により主信号および副信号を検出できる。
筐体4に固定される基板5の固定部53から受光素子3までの左右方向に沿った距離Aと、固定部53から受光素子2までの左右方向に沿った距離Bとの比が、筐体4の線膨張係数E(=21×10−6℃)と基板5の線膨張係数E(=60×10−6℃)との比1:3と等しくなる位置に受光素子2、3が配置されるので、使用温度変化による受光素子2、3間の位置関係の変化を抑制でき、測定精度を向上できる。そのため、使用温度範囲を拡大できる。そして、使用温度範囲の拡大により、ユーザの使用温度の多様化への要求に対応できる。
【0028】
基板5と接触する筐体4の上端面61には潤滑層64が積層されるので、該上端面61と基板5との摩擦を低減でき、使用温度変化に応じて基板5を確実に伸縮させることができる。従って、使用温度変化に応じて基板5および筐体4が伸縮することを前提に受光素子2、3が所定の位置に配置されるところ、該前提が守られるので、受光素子2、3間の位置関係の変化を確実に抑制できる。
筐体4が基板5の右端側を挟持するので、基板5の右端側を安定して支持できる。加えて、基板5の右端側を左右方向に移動可能に挟持する構成をねじ43を用いて実現するので、該構成を簡素な構成で実現できる。
【0029】
〔第2実施形態〕
図3は、本実施形態に係る検出ヘッド1Aの断面図、図4は、検出ヘッド1Aを示す平面図である。
本実施形態では、突出端部71、72(第1、第2固定部)が互いに左右方向に離間した位置に固定され、右方の突出端部72(第2固定部)と本体部6とが弾性部8により接続される。弾性部8は、平行板ばねであり、平面視クランク形状を有して左右方向に弾性変形可能とされる。本実施形態の他の構成は第1実施形態と同様である。
【0030】
本実施形態では、第1実施形態と同様の効果を奏することができるうえ、使用温度変化により本体部6が伸縮すると、弾性部8により本体部6に復元力が付与されるので、該復元力により、本体部6が使用温度変化前の伸縮状態に復元することを補助できる。従って、温度に対する再現性を向上できる。
【0031】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、基板5の右端側は、ねじ43と筐体4とにより挟持されたが、基板5の右端側は、単に筐体4上に載置されて筐体4に支持されてもよい。
前記各実施形態では、基板5の左端側に設けられた固定部53は、ねじ43により筐体4に固定されたが、固定部53は、接着により筐体4に固定されてもよい。
【0032】
前記各実施形態では、潤滑層64は筐体4側に積層されたが、潤滑層64は基板5側に積層されてもよい。
前記各実施形態では、貫通孔51はバカ穴とされたが、貫通孔51は左右方向に延びたスリット状に形成されてもよい。
【0033】
前記各実施形態では、筐体4はアルミ製、基板5はガラスエポキシ製とされたが、両部材4,5の材料は適宜のものを採用できる。
前記各実施形態では、透明なガラス基板42とガラスエポキシ製の基板5とは、スケールの法線方向に沿って積層配置されたが、ガラス基板42と基板5とは、スケールの平面方向に沿って並設されてもよい。
本発明の光学式エンコーダは、リニアエンコーダ、ロータリーエンコーダ、リニアゲージ、円弧エンコーダ等に適用できる。
【符号の説明】
【0034】
1,1A 検出ヘッド
2 受光素子(第2受光素子)
3 受光素子(第1受光素子)
4 筐体
5 基板
6 本体部
8 弾性部
43 ねじ
51 貫通孔
53 固定部
61 上端面(筐体における他端側との接触面)
64 潤滑層
71 突出端部(第1固定部)
72 突出端部(第2固定部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2受光素子が設けられた検出ヘッドをスケールに対して相対移動させ、前記第1受光素子により主信号および副信号のうち一方を検出し、前記第2受光素子により主信号および副信号のうち他方を検出する光学式エンコーダであって、
前記検出ヘッドは、前記第1受光素子が実装された基板と、前記基板が取り付けられるとともに前記第2受光素子が固定された筐体とを備え、
前記基板の所定方向の一端側には、前記筐体に固定される固定部が設けられ、前記基板の所定方向の他端側は、前記所定方向に移動可能に前記筐体に支持され、
前記固定部から前記第1受光素子までの前記所定方向に沿った距離と、前記固定部から前記第2受光素子までの前記所定方向に沿った距離との比は、前記筐体の線膨張係数と、前記基板の線膨張係数との比と等しい
ことを特徴とする光学式エンコーダ。
【請求項2】
請求項1に記載の光学式エンコーダにおいて、
前記筐体における前記他端側との接触面、および前記他端側における前記筐体との接触面のうちいずれか一方には潤滑層が積層されている
ことを特徴とする光学式エンコーダ。
【請求項3】
請求項2に記載の光学式エンコーダにおいて、
前記他端側には、前記所定方向に沿って延びた貫通孔が形成され、
前記筐体は、前記貫通孔を貫通するねじを備え、前記他端側との接触面と前記ねじとで前記他端側を前記所定方向に移動可能に挟持する
ことを特徴とする光学式エンコーダ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学式エンコーダにおいて、
前記筐体は、
前記所定方向に互いに離間した位置に固定された第1、第2固定部と、
前記基板が取り付けられるとともに前記第2受光素子が固定され、一端が前記第1、第2固定部の一方に接続される本体部と、
前記所定方向に沿って弾性変形可能に形成され、前記本体部の他端および前記第1、第2固定部の他方を接続する弾性部とを備える
ことを特徴とする光学式エンコーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−58955(P2011−58955A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209002(P2009−209002)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】