説明

光学式検出装置、表示システム及び情報処理システム

【課題】従来よりも小型な構成で効率良く対象物の位置を検出することができる光学式検出装置、表示システム及び情報処理システム等を提供すること。
【解決手段】光学式検出装置100は、発光素子駆動用の電圧を出力する第1〜第k(kは2以上の整数)の駆動電圧出力端子DO1〜DOkを有する制御装置110と、対象物の検出用の第1の照射光を出射する第1の照射ユニットEU1と、対象物の検出用の第2の照射光を出射する第2の照射ユニットEU2と、選択切換部SEL1とを含む。第1の照射ユニットEU1は、複数の発光素子と、複数の発光素子のうちの第1の発光素子LD1又は第1の発光素子群の一端側が接続される第1の入力端子DI1と、複数の発光素子のうちの第2の発光素子LD2又は第2の発光素子群の一端側が接続される第2の入力端子DI2とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式検出装置、表示システム及び情報処理システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、パーソナルコンピューター、カーナビゲーション装置、券売機、銀行の端末などの電子機器では、近年、表示部の前面にタッチパネルが配置された位置検出機能付きの表示装置が用いられる。この表示装置によれば、ユーザーは、表示部に表示された画像を参照しながら、表示画像のアイコン等をポインティングすることで、情報を入力することなどが可能になる。このような表示装置における位置検出方式としては、例えば、表示エリアに沿ってライトガイドを設け、複数の光源からライトガイドを介して照射光を照射し、対象物で反射した照射光を受光部で検出する方式が特許文献1に開示されている。このような構成の光学式位置検出装置では、受光部での受光結果に基づいて対象物の位置を検出する。
【0003】
一方、上述の特許文献1に開示される方式では、表示エリアと同等の大きさのライトガイドが必要となる。従って、投写型表示装置(プロジェクター)やデジタルサイネージ用の表示装置に適用した場合には、携帯電話やパーソナルコンピューターの表示装置に比べて、その表示エリアが広いために、位置検出装置の構成が大型になってしまう。そのために特許文献1に開示される方式を用いて位置検出をすることは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−295318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の幾つかの態様によれば、従来よりも小型な構成で効率良く対象物の位置を検出することができる光学式検出装置、表示システム及び情報処理システム等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、発光素子駆動用の電圧を出力する第1の駆動電圧出力端子〜第k(kは2以上の整数)の駆動電圧出力端子を有する制御装置と、対象物の検出用の第1の照射光を出射する第1の照射ユニットと、前記対象物の検出用の第2の照射光を出射する第2の照射ユニットと、選択切換部とを含み、前記第1の照射ユニットは、複数の発光素子と、前記複数の発光素子のうちの第1の発光素子又は第1の発光素子群の一端側が接続される第1の入力端子と、前記複数の発光素子のうちの第2の発光素子又は第2の発光素子群の一端側が接続される第2の入力端子とを有し、前記第2の照射ユニットは、複数の発光素子と、前記複数の発光素子のうちの第3の発光素子又は第3の発光素子群の一端側が接続される第3の入力端子と、前記複数の発光素子のうちの第4の発光素子又は第4の発光素子群の一端側が接続される第4の入力端子とを有し、前記選択切換部は、前記第1の照射光を用いて前記対象物の位置情報を検出する第1の検出期間では、前記第1の駆動電圧出力端子〜前記第kの駆動電圧出力端子のうちの第i(iは1≦i≦kである整数)の駆動電圧出力端子を前記第1の入力端子に接続し、前記第1の駆動電圧出力端子〜前記第kの駆動電圧出力端子のうちの第j(jは1≦j≦k且つi≠jである整数)の駆動電圧出力端子を前記第2の入力端子に接続し、前記第2の照射光を用いて前記対象物の位置情報を検出する第2の検出期間では、前記第iの駆動電圧出力端子を前記第3の入力端子に接続し、前記第jの駆動電圧出力端子を前記第4の入力端子に接続し、前記第1の照射ユニットは、前記第1の検出期間では、第1の照射光強度分布と第2の照射光強度分布とを交互に形成し、前記第2の照射ユニットは、前記第2の検出期間では、第3の照射光強度分布と第4の照射光強度分布とを交互に形成する光学式検出装置に関係する。
【0007】
本発明の一態様によれば、第i、第jの駆動電圧出力端子を用いて、第1の検出期間では第1の照射ユニットを駆動し、第2の検出期間では第2の照射ユニットを駆動することができる。こうすることで、第1、第2の照射ユニットを駆動するための駆動電圧出力端子の個数を減らすことができるから、制御装置の構成を簡素にしたり、消費電力を低減することなどが可能になる。その結果、検出装置の小型化などが可能になり、効率の良い光学式検出装置を実現することなどが可能になる。
【0008】
また本発明の一態様では、第1の受光素子を有し、前記第1の照射光が前記対象物により反射されることによる第1の反射光を受光する第1の受光部と、第2の受光素子を有し、前記第2の照射光が前記対象物により反射されることによる第2の反射光を受光する第2の受光部と、第2の選択切換部とを含み、前記制御装置は、第1の受光信号検出端子及び第2の受光信号検出端子を有し、前記第2の選択切換部は、前記第1の検出期間では、前記第1の受光素子の一端側を前記第1の受光信号検出端子に接続し、他端側を前記第2の受光信号検出端子に接続し、前記第2の検出期間では、前記第2の受光素子の一端側を前記第1の受光信号検出端子に接続し、他端側を前記第2の受光信号検出端子に接続してもよい。
【0009】
このようにすれば、第1、第2の受光信号検出端子を用いて、第1の検出期間では、第1の受光素子からの受光信号を検出し、第2の検出期間では、第2の受光素子からの受光信号を検出することができるから、制御装置の構成を簡素にすることができる。その結果、検出装置の小型化などが可能になり、効率の良い光学式検出装置を実現することなどが可能になる。
【0010】
また本発明の一態様では、前記第1の照射ユニットは、前記第1の検出期間では、前記第iの駆動電圧出力端子からの駆動電圧に基づいて前記第1の照射光強度分布を形成し、前記第jの駆動電圧出力端子からの駆動電圧に基づいて前記第2の照射光強度分布を形成し、前記第2の照射ユニットは、前記第2の検出期間では、前記第iの駆動電圧出力端子からの駆動電圧に基づいて前記第3の照射光強度分布を形成し、前記第jの駆動電圧出力端子からの駆動電圧に基づいて前記第4の照射光強度分布を形成してもよい。
【0011】
このようにすれば、第i、第jの駆動電圧出力端子を用いて、第1の検出期間では第1、第2の照射光強度分布を形成し、第2の検出期間では第3、第4の照射光強度分布を形成することができるから、制御装置の構成を簡素にし、且つ検出精度を高めることなどが可能になる。その結果、検出精度が高く且つ効率の良い光学式検出装置を実現することなどが可能になる。
【0012】
また本発明の一態様では、前記第1の照射ユニットは、前記第1の検出期間では、前記第1の照射ユニットの一端側から他端側に向かうにつれて前記照射光の強度が低くなる前記第1の照射光強度分布と、前記第1の照射ユニットの一端側から他端側に向かうにつれて前記照射光の強度が高くなる前記第2の照射光強度分布とを交互に形成し、前記第2の照射ユニットは、前記第2の検出期間では、前記第2の照射ユニットの一端側から他端側に向かうにつれて前記照射光の強度が低くなる前記第3の照射光強度分布と、前記第2の照射ユニットの一端側から他端側に向かうにつれて前記照射光の強度が高くなる前記第4の照射光強度分布とを交互に形成してもよい。
【0013】
このようにすれば、第1、第2の照射ユニットは、強度分布の異なる2つの照射光強度分布を交互に形成することができるから、環境光などの外乱光の影響を最小限に抑えた、より精度の高い対象物の検出などが可能になる。
【0014】
また本発明の一態様では、前記第1の照射ユニットは、前記第1の発光素子を有する第1の光源部と、前記第2の発光素子を有する第2の光源部と、前記第1の光源部又は前記第2の光源部からの光源光を曲線状の導光経路に沿って導光する曲線形状の第1のライトガイドと、前記第1のライトガイドからの出射光を受け、曲線形状の前記第1のライトガイドの内周側から外周側へと向かう方向、又は外周側から内周側へと向かう方向に前記第1の照射光の照射方向を設定する第1の照射方向設定部を含み、前記第2の照射ユニットは、前記第3の発光素子を有する第3の光源部と、前記第4の発光素子を有する第4の光源部と、前記第3の光源部又は前記第4の光源部からの光源光を曲線状の導光経路に沿って導光する曲線形状の第2のライトガイドと、前記第2のライトガイドからの出射光を受け、曲線形状の前記第2のライトガイドの内周側から外周側へと向かう方向、又は外周側から内周側へと向かう方向に前記第2の照射光の照射方向を設定する第2の照射方向設定部を含んでもよい。
【0015】
このようにすれば、第1、第2の照射ユニットは、2つの光源部からの光源光に基づいて、曲線形状のライトガイドの内周側から外周側へと向かう方向、又は外周側から内周側へと向かう方向に照射光を出射することができる。その結果、コンパクトな構成の照射ユニットで、広いエリアに照射光を出射することができるから、小型な構成で対象物の位置情報を検出することなどが可能になる。
【0016】
また本発明の一態様では、前記第1の照射ユニットは、前記第1の照射ユニットの一端と他端との間の曲線に沿って配置される前記第1の発光素子群又は前記第2の発光素子群から出射される光源光に基づいて、前記第1の照射光を出射し、前記第2の照射ユニットは、前記第2の照射ユニットの一端と他端との間の曲線に沿って配置される前記第3の発光素子群又は前記第4の発光素子群から出射される光源光に基づいて、前記第2の照射光を出射してもよい。
【0017】
このようにすれば、第1、第2の照射ユニットは、照射ユニットの一端と他端との間の曲線に沿って配置される発光素子群から出射される光源光に基づいて、第1、第2の照射光をそれぞれ出射することができる。その結果、コンパクトな構成の照射ユニットで、広いエリアに照射光を出射することができるから、小型な構成で対象物の位置情報を検出することなどが可能になる。
【0018】
また本発明の一態様では、前記第1の発光素子群は、前記第1の照射ユニットの一端と他端との間の第1の曲線に沿って配置される第1の発光素子〜第m(mは2以上の整数)の発光素子を有し、前記第2の発光素子群は、前記第1の曲線とは離れて位置する前記第1の照射ユニットの一端と他端との間の第2の曲線に沿って配置される第m+1の発光素子〜第n(nはn>m+1である整数)の発光素子を有し、前記第3の発光素子群は、前記第2の照射ユニットの一端と他端との間の第3の曲線に沿って配置される第n+1の発光素子〜第p(pはp>n+1である整数)の発光素子を有し、前記第4の発光素子群は、前記第3の曲線とは離れて位置する前記第2の照射ユニットの一端と他端との間の第4の曲線に沿って配置される第p+1の発光素子〜第q(qはq>p+1である整数)の発光素子を有してもよい。
【0019】
このようにすれば、第1の照射ユニットは、第1の曲線に沿って配置される第1〜第mの発光素子と第2の曲線に沿って配置される第m+1〜第nの発光素子とから交互に出射される光源光に基づいて、第1の照射光を出射することができる。また、第2の照射ユニットは、第3の曲線に沿って配置される第n+1〜第pの発光素子と第4の曲線に沿って配置される第p+1〜第qの発光素子とから交互に出射される光源光に基づいて、第2の照射光を出射することができる。
【0020】
また本発明の一態様では、前記第1の発光素子群は、第1の発光素子〜第m(mは2以上の整数)の発光素子を有し、前記第2の発光素子群は、第m+1の発光素子〜第n(nはn>m+1である整数)の発光素子を有し、前記第1の発光素子〜前記第mの発光素子の各発光素子と前記第m+1の発光素子〜前記第nの発光素子の各発光素子とは、前記第1の照射ユニットの一端と他端との間の前記曲線に沿って交互に配置され、
前記第3の発光素子群は、第n+1の発光素子〜第p(pはp>n+1である整数)の発光素子を有し、前記第4の発光素子群は、第p+1の発光素子〜第q(qはq>p+1である整数)の発光素子を有し、前記第n+1の発光素子〜前記第pの発光素子の各発光素子と前記第p+1の発光素子〜前記第qの発光素子の各発光素子とは、前記第2の照射ユニットの一端と他端との間の前記曲線に沿って交互に配置されてもよい。
【0021】
このようにすれば、第1の照射ユニットは、曲線に沿って交互に配置される第1〜第mの発光素子と第m+1〜第nの発光素子とから交互に出射される光源光に基づいて、第1の照射光を出射することができる。また、第2の照射ユニットは、曲線に沿って交互に配置される第n+1〜第pの発光素子と第p+1〜第qの発光素子とから交互に出射される光源光に基づいて、第2の照射光を出射することができる。
【0022】
また本発明の一態様では、前記第1の照射ユニットは、前記第1の発光素子〜前記第nの発光素子に流れる電流の電流値を設定する第1の電流調整部〜第nの電流調整部を有し、前記第2の照射ユニットは、前記第n+1の発光素子〜前記第qの発光素子に流れる電流の電流値を設定する第n+1の電流調整部〜第qの電流調整部を有してもよい。
【0023】
このようにすれば、第1の照射ユニットは、第1〜第nの電流調整部により第1〜第nの発光素子に流れる電流の電流値を設定することで、照射光の強度分布が異なる第1、第2の照射光強度分布を交互に形成することができる。また、第2の照射ユニットは、第n+1〜第qの電流調整部により第n+1〜第qの発光素子に流れる電流の電流値を設定することで、照射光の強度分布が異なる第3、第4の照射光強度分布を交互に形成することができる。
【0024】
本発明の他の態様は、上記いずれかに記載の光学式検出装置と、画像を表示する表示装置とを含む表示システムに関係する。
【0025】
本発明の他の態様は、上記いずれかに記載の光学式検出装置と、前記光学式検出装置からの検出情報に基づいて処理を行う情報処理装置と、前記情報処理装置からの画像データに基づいて画像を表示する表示装置とを含む情報処理システムに関係する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1(A)、図1(B)は、光学式検出装置の第1の構成例。図1(C)は、光学式検出装置の第2の構成例。
【図2】光学式検出装置の第1の構成例の詳細。
【図3】光学式検出装置の第1の構成例の動作を説明するタイミングチャート。
【図4】光学式検出装置の第2の構成例。
【図5】光学式検出装置の第2の構成例の動作を説明するタイミングチャート。
【図6】照射ユニットの第1の構成例。
【図7】図7(A)、図7(B)は、照射ユニットの第2の構成例。
【図8】図8(A)、図8(B)は、照射ユニットの第3の構成例。
【図9】照射ユニットの第3の構成例の回路構成例。
【図10】図10(A)、図10(B)は、照射ユニットの第3の構成例による照射光を説明する図。
【図11】図11(A)、図11(B)は、照射ユニットの第4の構成例。
【図12】図12(A)、図12(B)は、光学式検出装置による位置情報を検出する手法を説明する図。
【図13】第1、第2の照射ユニットを用いて対象物の位置を検出する手法を説明する図。
【図14】表示システム及び情報処理システムの構成例。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0028】
1.光学式検出装置
図1(A)、図1(B)に、本実施形態の光学式検出装置100の第1の構成例を示す。本構成例の光学式検出装置100は、制御装置110、第1、第2の照射ユニットEU1、EU2、第1、第2の受光部RU1、RU2及び第1、第2の選択切換部SEL1、SEL2を含む。なお、本実施形態の光学式検出装置は図1(A)、図1(B)の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0029】
本実施形態の光学式検出装置100は、図1(A)に示すようにスクリーン20(表示部)の前方側(Z軸方向側)に設定された検出エリアRDETにおいて、ユーザーの指やタッチペンなどの対象物OBを光学的に検出する。
【0030】
第1、第2の照射ユニットEU1、EU2は、複数の発光素子を含み、対象物OBを検出するための第1、第2の照射光LT1、LT2をそれぞれ出射する。発光素子は例えば赤外光(可視光領域に近い近赤外線)を出射するLED(発光ダイオード)等である。照射ユニットEU1、EU2は、複数の発光素子が出射する光源光に基づいて、照射方向に応じて強度が異なる照射光を放射状に出射する。その結果、検出エリアRDETには、第1の照射ユニットEU1により照射方向に応じて強度が異なる第1、第2の照射光強度分布LID1、LID2が交互に形成される。また、第2の照射ユニットEU2により照射方向に応じて強度が異なる第3、第4の照射光強度分布LID3、LID4が交互に形成される。
【0031】
ここでX−Y平面とは、例えば表示部20によって規定される対象面(表示面)に沿った平面である。対象面とは、検出エリアRDETの設定対象となる面であって、例えば情報処理装置のディスプレイの表示面、或いは投射型表示装置(プロジェクター)の投影面、或いはデジタルサイネージにおけるディスプレイ面などである。
【0032】
検出エリアRDETとは、対象物OBが検出されるエリア(領域)であって、具体的には、例えば照射光が対象物OBに反射されることによる反射光を、受光部RU1、RU2が受光して、対象物OBを検出することができるエリアである。より具体的には、受光部RU1、RU2が反射光を受光して対象物OBを検出することが可能であって、かつ、その検出精度について、許容できる範囲の精度が確保できるエリアである。
【0033】
照射ユニットEU1、EU2の形状は、中心角が180度である半円形状に限定されるものではなく、中心角が180度より小さい扇形形状であってもよい。また、半円又は扇形の曲線部分(弧の部分)は、円弧(真円の一部)でなくてもよい。例えば楕円等の一部であってもよい。
【0034】
第1、第2の受光部RU1、RU2は、照射ユニットEU1、EU2が出射した照射光LT1、LT2が検出エリアRDETに存在する対象物OBにより反射されることによる反射光LR1、LR2をそれぞれ受光する。受光部RU1、RU2は、照射ユニットEU1、EU2の半円形状の中心に配置されてもよい。この受光部RU1、RU2は、例えばフォトダイオードやフォトトランジスターなどの受光素子により実現できる。
【0035】
制御装置110は、照射光LT1、LT2が対象物OBにより反射することによる反射光LR1、LR2の受光結果に基づいて、対象物OBの位置情報を検出する。例えば制御装置110は、受光部RU1、RU2の受光素子が対象物からの反射光を受光することで発生した検出電流を、検出電圧に変換し、受光結果である検出電圧に基づいて、対象物の位置情報を検出する。また制御装置110は、光学式検出装置100の各種の制御処理を行う。具体的には照射ユニットEU1、EU2が有する発光素子の発光制御などを行う。この制御装置110の機能は、アナログ回路等を有する集積回路装置や、マイクロコンピューター上で動作するソフトウェア(プログラム)などにより実現できる。
【0036】
ここで対象物の位置情報(位置特定情報)とは、対象物の位置を特定する情報であればよく、対象物の位置座標には限定されず、例えば対象物の位置を特定するための角度等であってもよい。なお、第1の構成例による位置情報検出の詳細については後述する。
【0037】
図1(C)は、光学式検出装置100の第2の構成例をX軸に沿った方向から見た図である。第2の構成例の光学式検出装置100は、第1〜第4の照射ユニットEU1〜EU4を含む。具体的には、例えば図1(C)に示すように、EU1及びEU2はRU1をZ軸方向において挟むように配置され、EU3及びEU4はRU2をZ軸方向において挟むように配置される。なお、本実施形態の光学式検出装置は図1(C)の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0038】
EU1から出射された照射光LT1は、検出エリアRDET1に存在する対象物OBにより反射され、その反射光LR1がRU1により受光される。また、EU2から出射された照射光LT2は、検出エリアRDET2に存在する対象物OBにより反射され、その反射光LR2がRU1により受光される。同様に、EU3から出射された照射光LT3は、検出エリアRDET1に存在する対象物OBにより反射され、その反射光LR3がRU2により受光される。また、EU4から出射された照射光LT4は、検出エリアRDET2に存在する対象物OBにより反射され、その反射光LR4がRU2により受光される。このようにすることで、対象物OBが2つの検出エリアRDET1、RDET2のどちらに存在するかを検出することができる。即ち、対象物OBのZ座標位置を検出することができる。なお、第2の構成例の詳細については後述する。
【0039】
図2に、光学式検出装置100の第1の構成例の詳細を示す。第1の構成例の光学式検出装置100は、制御装置110、第1、第2の照射ユニットEU1、EU2、第1、第2の受光部RU1、RU2及び第1、第2の選択切換部SEL1、SEL2を含む。なお、本実施形態の光学式検出装置は図2の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0040】
制御装置110は、発光素子駆動用の電圧を出力する第1〜第k(kは2以上の整数)の駆動電圧出力端子DO1〜DOk及び受光素子からの受光信号が入力される第1、第2の受光信号検出端子DS1、DS2を有する。また制御装置110は、発光素子駆動用の電圧を生成する第1〜第kの駆動部DRV1〜DRVk、発光素子の発光タイミング等を制御するタイミング制御部111、駆動電圧を出力する駆動部を選択する選択部112、発光素子を駆動する電流を制御する駆動電流制御部113、受光信号を比較し、比較結果を出力する比較部114、第1、第2の受光信号検出端子DS1、DS2から入力された受光信号を検出し増幅する受光信号検出部115を含む。
【0041】
制御装置110は、駆動電流制御部113が出力する駆動電流制御情報LCNを、位置検出情報として、例えば情報処理装置(PCなど)に対して出力する。なお、位置情報検出の手法については後述する。
【0042】
第1の照射ユニットEU1は、複数の発光素子と、複数の発光素子のうちの第1の発光素子又は第1の発光素子群の一端側が接続される第1の入力端子DI1と、複数の発光素子のうちの第2の発光素子又は第2の発光素子群の一端側が接続される第2の入力端子DI2とを含む。例えば図2では、EU1は、第1、第2の発光素子LD1、LD2を含み、LD1の一端側が第1の入力端子DI1に接続され、LD2の一端側が第2の入力端子DI2に接続される。なお、第1の発光素子LD1を第1の発光素子群に、また第2の発光素子LD2を第2の発光素子群に置き換えてもよい。
【0043】
発光素子が発光ダイオード(LED)である場合には、例えば発光素子の一端側とは発光ダイオードのアノード(陽極)側であり、他端側とはカソード(陰極)側である。
【0044】
第2の照射ユニットEU2は、複数の発光素子と、複数の発光素子のうちの第3の発光素子又は第3の発光素子群が接続される第3の入力端子DI3と、複数の発光素子のうちの第4の発光素子又は第4の発光素子群の一端側が接続される第4の入力端子DI4とを含む。例えば図2では、EU2は、第3、第4の発光素子LD3、LD4を含み、LD3の一端側が第3の入力端子DI3に接続され、LD4の一端側が第4の入力端子DI4に接続される。なお、第3の発光素子LD3を第3の発光素子群に、また第4の発光素子LD4を第4の発光素子群に置き換えてもよい。
【0045】
第1の選択切換部SEL1は、第1の照射光LT1を用いて対象物OBの位置情報を検出する第1の検出期間では、第1〜第kの駆動電圧出力端子DO1〜DOkのうちの第i(iは1≦i≦kである整数)の駆動電圧出力端子DOiを第1の入力端子DI1に接続する。また第1〜第kの駆動電圧出力端子DO1〜DOkのうちの第j(jは1≦j≦k且つi≠jである整数)の駆動電圧出力端子DOjを第2の入力端子DI2に接続する。一方、第2の照射光LT2を用いて対象物OBの位置情報を検出する第2の検出期間では、SEL1は、第iの駆動電圧出力端子DOiを第3の入力端子DI3に接続し、第jの駆動電圧出力端子DOjを第4の入力端子DI4に接続する。
【0046】
例えば図2では、SEL1はスイッチ回路SW11、SW12を含み、第1の検出期間では、DO1(広義にはDOi)をDI1に接続し、DO2(広義にはDOj)をDI2に接続する。また第2の検出期間では、DO1をDI3に接続し、DO2をDI4に接続する。なお、DOi及びDOjは隣接する端子でなくてもよく、またi<jであっても、i>jであってもよい。
【0047】
第1の選択切換部SEL1のスイッチ回路SW11、SW12は、例えば制御装置110のタイミング制御部111からの選択信号SC1により制御することができる。
【0048】
第1の照射ユニットEU1は、第1の検出期間では、第iの駆動電圧出力端子DOiからの駆動電圧に基づいて第1の照射光強度分布を形成し、第jの駆動電圧出力端子DOjからの駆動電圧に基づいて第1の照射光強度分布とは異なる第2の照射光強度分布を形成する。
【0049】
また第2の照射ユニットEU2は、第2の検出期間では、第iの駆動電圧出力端子DOiからの駆動電圧に基づいて第3の照射光強度分布を形成し、第jの駆動電圧出力端子DOjからの駆動電圧に基づいて第3の照射光強度分布とは異なる第4の照射光強度分布を形成する。
【0050】
具体的には、例えば図2においてDO1(広義にはDOi)及びDO2(広義にはDOj)から駆動電圧が交互に出力されるから、第1の検出期間ではLD1とLD2とが交互に発光する。こうすることで、第1の照射ユニットEU1は第1の照射光LT1を出射し、第1の照射光強度分布と第2の照射光強度分布とを交互に形成することができる。また第2の検出期間ではLD3とLD4とが交互に発光することで、第2の照射ユニットEU2は第2の照射光LT2を出射し、第3の照射光強度分布と第4の照射光強度分布とを交互に形成することができる。なお、第1〜第4の照射光強度分布の詳細については、後述する。
【0051】
図2では、各発光素子LD1〜LD4の他端(カソード)は低電位電源ノードVSSに接続されているが、これ以外の所定の電圧ノードに接続してもよい。或いは、各発光素子LD1〜LD4の極性を逆にし、アノードを高電位電源ノードVDDに接続してもよい。この場合には、駆動部DRV1〜DRVkは低電位レベルを出力することで各発光素子を駆動する。
【0052】
第1の受光部RU1は、第1の受光素子PD1を有し、第1の照射光LT1が対象物OBにより反射されることによる第1の反射光LR1を受光する。また第2の受光部RU2は、第1の受光素子PD2を有し、第2の照射光LT2が対象物OBにより反射されることによる第2の反射光LR2を受光する。
【0053】
第2の選択切換部SEL2は、第1の検出期間では、第1の受光素子PD1の一端側を第1の受光信号検出端子DS1に接続し、他端側を第2の受光信号検出端子DS2に接続する。また第2の検出期間では、第2の受光素子PD2の一端側を第1の受光信号検出端子DS1に接続し、他端側を第2の受光信号検出端子DS2に接続する。このようにすることで、受光信号検出部115は、第1の検出期間では第1の受光部RU1からの受光信号を検出し、第2の検出期間では第2の受光部RU1からの受光信号を検出することができる。
【0054】
受光素子がフォトダイオードである場合には、例えば受光素子の一端側とはフォトダイオードのアノード(陽極)側であり、他端側とはカソード(陰極)側である。
【0055】
第2の選択切換部SEL2のスイッチ回路SW21、SW22は、例えば制御装置110のタイミング制御部111からの選択信号SC2により制御することができる。
【0056】
図3は、光学式検出装置100の第1の構成例(図2)の動作を説明するタイミングチャートである。図3には、駆動部DRV1、DRV2から出力される駆動電圧波形、照射ユニットEU1、EU2、受光部RU1、RU2の各動作状態及び受光信号検出部115に入力される受光信号を示す。
【0057】
第1の検出期間TD1では、上述したように、SEL1は駆動電圧出力端子DO1を入力端子DI1に接続し、DO2をDI2に接続する。従って、DRV1及びDRV2から交互に出力される駆動電圧によって、第1の照射ユニットEU1の発光素子LD1、LD2が交互に発光し、EU1は第1の照射光LT1を出射する。そして第1の照射光LT1が対象物OBにより反射されることによる第1の反射光LR1を第1の受光部RU1が受光する。第1の検出期間TD1では、上述したように、SEL2は第1の受光素子PD1を第1、第2の受光信号検出端子DS1、DS2に接続する。従って、第1の受光部RU1が受光した第1の反射光LR1による受光信号が、受光信号検出部115に入力される。
【0058】
一方、第2の検出期間TD2では、上述したように、SEL1は駆動電圧出力端子DO1を入力端子DI3に接続し、DO2をDI4に接続する。従って、DRV1及びDRV2から交互に出力される駆動電圧によって、第2の照射ユニットEU2の発光素子LD3、LD4が交互に発光し、EU2は第2の照射光LT2を出射する。そして第2の照射光LT2が対象物OBにより反射されることによる第2の反射光LR2を第2の受光部RU2が受光する。第2の検出期間TD2では、上述したように、SEL2は第2の受光素子PD2を第1、第2の受光信号検出端子DS1、DS2に接続する。従って、第2の受光部RU2が受光した第2の反射光LR2による受光信号が、受光信号検出部115に入力される。
【0059】
このように本実施形態の光学式検出装置100によれば、第1の検出期間TD1ではEU1及びRU1により対象物の位置情報を検出し、第2の検出期間TD2ではEU2及びRU2により対象物の位置情報を検出することができる。2組の照射ユニット及び受光部を用いることで、対象物の位置情報を精度良く検出することが可能になる。
【0060】
また、本実施形態の光学式検出装置100によれば、選択切換部SEL1、SEL2を設けることで、制御装置110の構成を簡素にすることができる。例えば図2に示したように、選択切換部SEL1で切り換えることで、4個の発光素子LD1〜LD4を駆動するためには2つの駆動部DRV1、DRV2で足りる。また選択切換部SEL2で切り換えることで、2つの受光素子PD1、PD2からの受光信号を検出するためには1つの受光信号検出部115で足りる。このように駆動部及び受光信号検出部の個数を減らすことができるから、制御装置110の構成を簡素にすることができる。その結果、制御装置110の設計コスト及び製造コストの低減などが可能になる。また光学式検出装置の構成を小型にすることが可能になる。
【0061】
さらに本実施形態の光学式検出装置100によれば、駆動部の個数を減らすことにより、待機状態での消費電力を低減することができる。例えばLD3、LD4を駆動するために、SEL1を用いずに第3、第4の駆動部DRV3、DRV4を設ける構成では、第1の検出期間TD1ではDRV3、DRV4が待機状態になり、第2の検出期間TD2ではDRV1、DRV2が待機状態になる。一方、図2に示す本実施形態の制御装置110では、2個の駆動部DRV1、DRV2のみ設ける構成にすることができるから、第1、第2の検出期間TD1、TD2において待機状態になる駆動部がなくなり、待機状態での消費電力を低減することができる。
【0062】
図4に、本実施形態の光学式検出装置100の第2の構成例を示す。第2の構成例は、4つの照射ユニットEU1〜EU4を含む。また選択切換部SEL1は、4つのスイッチ回路SW11、SW12、SW13、SW14を含む。照射ユニットEU1〜EU4及び受光部RU1、RU2の配置は、例えば図1(C)に示した配置とすることができる。
【0063】
第1の検出期間では、選択切換部SEL1は、DO1をDI1に接続し、DO2をDI2に接続し、DO3をDI3に接続し、DO4をDI4に接続する。こうすることで、第1の検出期間では、照射ユニットEU1、EU2が照射光LT1、LT2をそれぞれ出射する。そして受光部RU1が反射光LR1、LR2を受光して、RU1からの受光信号が受光信号検出部115により検出される。
【0064】
また第2の検出期間では、選択切換部SEL1は、DO1をDI5に接続し、DO2をDI6に接続し、DO3をDI7に接続し、DO4をDI8に接続する。こうすることで、第1の検出期間では、照射ユニットEU3、EU4が照射光LT3、LT4をそれぞれ出射する。そして受光部RU2が反射光LR3、LR4を受光して、RU2からの受光信号が受光信号検出部115により検出される。
【0065】
図5は、光学式検出装置100の第2の構成例(図4)の動作を説明するタイミングチャートである。図5には、駆動部DRV1〜DRV4から出力される駆動電圧波形、照射ユニットEU1〜EU4、受光部RU1、RU2の各動作状態及び受光信号検出部115に入力される受光信号を示す。
【0066】
第1の検出期間TD1では、上述したように、SEL1は駆動電圧出力端子DO1を入力端子DI1に接続し、DO2をDI2に接続し、DO3をDI3に接続し、DO4をDI4に接続する。従って、第1の検出期間TD1の前半期間TD11では、DRV1及びDRV2から交互に出力される駆動電圧によって、第1の照射ユニットEU1の発光素子LD1、LD2が交互に発光し、EU1は第1の照射光LT1を出射する。そしてLT1が対象物OBにより反射されることによる第1の反射光LR1を第1の受光部RU1が受光する。第1の検出期間TD1では、上述したように、SEL2は第1の受光素子PD1を第1、第2の受光信号検出端子DS1、DS2に接続する。従って、RU1が受光したLR1による受光信号が受光信号検出部115に入力される。
【0067】
また第1の検出期間TD1の後半期間TD12では、DRV3及びDRV4から交互に出力される駆動電圧によって、第2の照射ユニットEU2の発光素子LD3、LD4が交互に発光し、EU2は第2の照射光LT2を出射する。そしてLT2が対象物OBにより反射されることによる第2の反射光LR2を第1の受光部RU1が受光する。RU1が受光したLR2による受光信号が受光信号検出部115に入力される。
【0068】
一方、第2の検出期間TD2では、上述したように、SEL1は駆動電圧出力端子DO1を入力端子DI5に接続し、DO2をDI6に接続し、DO3をDI7に接続し、DO4をDI8に接続する。従って、第2の検出期間TD2の前半期間TD21では、DRV1及びDRV2から交互に出力される駆動電圧によって、第3の照射ユニットEU3の発光素子LD5、LD6が交互に発光し、EU3は第3の照射光LT3を出射する。そしてLT3が対象物OBにより反射されることによる第3の反射光LR3を第2の受光部RU2が受光する。第2の検出期間TD2では、上述したように、SEL2は第2の受光素子PD2を第1、第2の受光信号検出端子DS1、DS2に接続する。従って、RU2が受光したLR3による受光信号が受光信号検出部115に入力される。
【0069】
また第2の検出期間TD2の後半期間TD22では、DRV3及びDRV4から交互に出力される駆動電圧によって、第4の照射ユニットEU4の発光素子LD7、LD8が交互に発光し、EU4は第4の照射光LT4を出射する。そしてLT4が対象物OBにより反射されることによる第4の反射光LR4を第2の受光部RU2が受光する。RU2が受光したLR4による受光信号が受光信号検出部115に入力される。
【0070】
このように本実施形態の光学式検出装置100の第2の構成例によれば、第1の検出期間TD1ではEU1、EU2及びRU1により対象物の位置情報を検出し、第2の検出期間TD2ではEU3、EU4及びRU2により対象物の位置情報を検出することができる。こうすることで、例えば図1(C)に示すような対象物のZ座標位置の検出など、対象物の位置情報をより詳細に検出することが可能になる。
【0071】
また第2の構成例によれば、選択切換部を設けることで、4個の照射ユニットを駆動するための駆動部の個数を8個から4個に減らすことができるから、制御装置110の構成を簡素にすることができ、また待機状態での消費電力を低減することができる。或いは、選択切換部を設けずに、4個の駆動部を含む制御装置を2個用いる構成と比較すると、本実施形態の第2の構成例では制御装置が1個で足りるから、光学式検出装置の構成を簡素にすることができ、コストの低減などが可能になる。また、制御装置が1個で足りるから、制御装置と情報処理装置(PCなど)との通信処理が容易になる。
【0072】
2.照射ユニット
図6に、本実施形態の照射ユニットEU(EU1、EU2など)の第1の構成例を示す。照射ユニットEUの第1の構成例は、複数の発光素子として第1、第2の発光素子LD1、LD2を含み、図示していないが第1の入力端子DI1及び第2の入力端子DI2をさらに含む。また照射ユニットEUは、照射ユニットEUの一端から他端に沿って設けられるライトガイドLG、照射ユニットEUの一端に設けられる第1の光源部LSU1、照射ユニットEUの他端に設けられる第2の光源部LSU2及び照射光LTの照射方向を設定する照射方向設定部LEを含む。また、照射ユニットEUは、反射シートRSをさらに含んでもよい。なお、照射ユニットEUの一端或いは他端は、照射ユニットEUの厳密な端でなくてもよい。
【0073】
なお、本実施形態の照射ユニットEUは図6の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。また、図6では、第1の照射ユニットEU1を例として示すが、他の照射ユニットEU2〜EU4なども同様の構成とすることができる。
【0074】
ライトガイドLGは、第1の光源光が入射する第1の入射部LA1と、第2の光源光が入射する第2の入射部LA2と、第1の入射部LA1と第2の入射部LA2とに接続され、凸面を有する湾曲した導光路LBとを含む。
【0075】
第1、第2の光源部LSU1、LSU2は、LED(発光ダイオード)等の発光素子LD1、LD2をそれぞれ有し、例えば赤外光(可視光領域に近い近赤外線)の第1、第2の光源光を第1、第2の入射部LA1、LA2にそれぞれ出射する。そして、第1、第2の光源光に基づいて、照射光LT1が出射される。光源部LSU1、LSU2が発光する光源光は、ユーザーの指やタッチペン等の対象物により効率的に反射される波長帯域の光や、外乱光となる環境光にあまり含まれない波長帯域の光であることが望ましい。具体的には、人体の表面での反射率が高い波長帯域の光である850nm付近の波長の赤外光や、環境光にあまり含まれない波長帯域の光である950nm付近の赤外光などである。
【0076】
照射方向設定部LEは、導光路LBの凸面から出射される光源光の出射方向を、光源光の出射位置における凸面の法線方向に設定する。
【0077】
ライトガイドLGは、光源部LSU1、LSU2からの光源光を曲線状の導光路LB(広義には導光経路)に沿って導光し、その形状は曲線形状になっている。具体的には図6ではライガイドLGは円弧形状になっている。なお、図6ではライトガイドLGはその中心角が180度の円弧形状になっているが、中心角が180度よりも小さい円弧形状であってもよい。ライトガイドLGは、例えばアクリル樹脂やポリカーボネートなどの透明な樹脂部材等により形成される。
【0078】
ライトガイドLGの外周側及び内周側の少なくとも一方には、ライトガイドLGからの光源光の出光効率を調整するための加工が施されている。加工手法としては、例えば反射ドットを印刷するシルク印刷方式や、スタンパーやインジェクションで凹凸を付ける成型方式や、溝加工方式などの種々の手法を採用できる。
【0079】
プリズムシートPSとルーバーフィルムLFにより実現される照射方向設定部LEは、ライトガイドLGの外周側に設けられ、ライトガイドLGの外周側(外周面)から出射される光源光を受ける。そして曲線形状(円弧形状)のライトガイドLGの内周側から外周側へと向かう方向に照射光LT1の照射方向を設定する。即ち、ライトガイドLGの外周側から出射される光源光の方向を、ライトガイドLGの例えば法線方向(半径方向)に沿った照射方向に設定(規制)する。これにより、ライトガイドLGの内周側から外周側に向かう方向に、照射光LT1が出射される。
【0080】
このような照射光LT1の照射方向の設定は、照射方向設定部LEのプリズムシートPSやルーバーフィルムLFなどにより実現される。例えばプリズムシートPSは、ライトガイドLGの内周側から低視角で出射される光源光の方向を、法線方向側に立ち上げて、出光特性のピークが法線方向になるように設定する。またルーバーフィルムLFは、法線方向以外の方向の光(低視角光)を遮光(カット)する。
【0081】
例えば図3に示したように、第1の検出期間TD1では駆動部DRV1、DRV2から駆動電圧が交互に出力され、発光素子LD1、LD2(即ち、光源部LSU1、LSU2)が交互に第1、第2の光源光を出射する。LSU1が発光する期間には、第1の光源光に基づいて照射光LT1aが出射される。この照射光LT1aは、図6に示すように、照射ユニットEUの一端側から他端側に向かうにつれて照射光の強度が低くなる第1の照射光強度分布LID1を有する。またLSU2が発光する期間には、第2の光源光に基づいて照射光LT1bが出射される。この照射光LT1bは、図6に示すように、照射ユニットEUの一端側から他端側に向かうにつれて照射光の強度が高くなる第2の照射光強度分布LID2を有する。このように、第1の検出期間TD1では、照射ユニットEU1は強度分布が異なる第1、第2の照射光強度分布LID1、LID2を交互に形成する。
【0082】
図示していないが、第2の照射ユニットEU2についても、EU1と同様の構成とすることができる。例えば図3に示したように、第2の検出期間TD2では駆動部DRV1、DRV2から駆動電圧が交互に出力され、発光素子LD3、LD4(即ち、光源部LSU3、LSU4)が交互に第3、第4の光源光を出射する。LSU3が発光する期間には、第3の光源光に基づいて照射光LT2aが出射される。この照射光LT2aは、照射ユニットEUの一端側から他端側に向かうにつれて照射光の強度が低くなる第3の照射光強度分布LID3を有する。またLSU4が発光する期間には、第4の光源光に基づいて照射光LT2bが出射される。この照射光LT2bは、照射ユニットEUの一端側から他端側に向かうにつれて照射光の強度が高くなる第4の照射光強度分布LID4を有する。このように、第2の検出期間TD2では、照射ユニットEU2は強度分布が異なる第3、第4の照射光強度分布LID3、LID4を交互に形成する。
【0083】
図7(A)、図7(B)に、本実施形態の照射ユニットEU(EU1、EU2など)の第2の構成例を示す。照射ユニットEUの第2の構成例では、第1の構成例と異なり、ライトガイドLGは凹面を有する湾曲した導光路LBを含む。そして照射方向設定部LEは、導光路LBの凹面から出射される光源光の出射方向を、光源光の出射位置における凹面の法線方向に設定する。
【0084】
具体的には、照射方向設定部LEは、ライトガイドLGの内周側に設けられ、ライトガイドLGの内周側(内周面)から出射される光源光を受ける。そして曲線形状(円弧形状)のライトガイドLGの外周側から内周側へと向かう方向に照射方向が設定された照射光LTを出射する。即ち、ライトガイドLGの内周側から出射される光源光の方向を、ライトガイドLGの例えば法線方向(半径方向)に沿った照射方向に設定(規制)する。これにより、ライトガイドLGの外周側から内周側に向かう方向に、照射光LTが出射される。
【0085】
図7(A)には、第1の光源部LSU1(発光素子LD1)が発光する期間に出射される照射光LT1a及び第1の照射光強度分布LID1を示す。
【0086】
第1の検出期間TD1では駆動部DRV1、DRV2から駆動電圧が交互に出力され、発光素子LD1、LD2(光源部LSU1、LSU2)が交互に第1、第2の光源光を出射する。LSU1が発光する期間には、第1の光源光に基づいて照射光LT1aが出射される。この照射光LT1aは、図7(A)に示すように、照射ユニットEUの一端側から他端側に向かうにつれて照射光の強度が低くなる第1の照射光強度分布LID1を有する。
【0087】
またLSU2が発光する期間には、第2の光源光に基づいて照射光LT1bが出射される。この照射光LT1bは、図7(B)に示すように、照射ユニットEUの一端側から他端側に向かうにつれて照射光の強度が高くなる第2の照射光強度分布LID2を有する。このように、第1の検出期間TD1では、照射ユニットEU1は強度分布が異なる第1、第2の照射光強度分布LID1、LID2を交互に形成する。
【0088】
図示していないが、第2の照射ユニットEU2についても同様に、第2の検出期間TD2において強度分布が異なる第3、第4の照射光強度分布LID3、LID4を交互に形成することができる。
【0089】
照射ユニットEUの第2の構成例では、図7(A)、図7(B)に示すように、受光部RUは照射ユニットEUと検出エリアRDETとの間に配置され、より具体的には、照射光の照射基準面に垂直な方向において、照射ユニットEUとは異なる位置に配置される。このようにすれば、受光部RUが照射ユニットEUから出射された照射光を遮ることがなくなる。さらに受光部RUは、基準点PEから照射基準面に垂直な方向に離れて配置されてもよい。このようにすれば、基準点PEと検出エリアRDETとの距離を短くすることができるから、光学式検出装置の取り付け位置などの制約を少なくすることが可能になる。
【0090】
図8(A)、図8(B)に、本実施形態の照射ユニットEU1の第3の構成例を示す。照射ユニットEU1の第3の構成例は、第1の照射ユニットEU1の一端と他端との間の曲線に沿って配置される第1の発光素子群及び第2の発光素子群を含み、第1、第2の発光素子群から出射される光源光に基づいて、第1の照射光を出射する。また図示していないが、第1の入力端子DI1及び第2の入力端子DI2をさらに含み、第1の入力端子DI1には第1の発光素子群の一端側が接続され、第2の入力端子DI2には第2の発光素子群の一端側が接続される。
【0091】
具体的には、第1の発光素子群は、第1の照射ユニットの一端と他端との間の第1の曲線CUR1に沿って配置される第1の発光素子〜第m(mは2以上の整数)の発光素子を有する。また第2の発光素子群は、第1の曲線CUR1とは離れて位置する第1の照射ユニットの一端と他端との間の第2の曲線CUR2に沿って配置される第m+1の発光素子〜第n(nはn>m+1である整数)の発光素子を有する。
【0092】
なお、本実施形態の照射ユニットは図8(A)、図8(B)の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0093】
図8(A)に示すように、第3の構成例では、第1の発光素子群を構成する第1〜第m(mは1<m<nである整数)の発光素子LD1〜LDmは、照射ユニットEUの一端と他端との間の第1の曲線CUR1に沿って配置される。また、第2の発光素子群を構成する第m+1〜第nの発光素子LDm+1〜LDnは、第1の曲線CUR1とは離れて位置する第2の曲線CUR2に沿って配置される。
【0094】
第1の曲線CUR1の一端に第1の発光素子LD1が配置され、他端に第mの発光素子LDmが配置される。また、第2の曲線CUR2の一端に第m+1の発光素子LDm+1が配置され、他端に第nの発光素子LDnが配置される。なお、第1、第2の曲線CUR1、CUR2の一端或いは他端は、各曲線CUR1、CUR2の厳密な端でなくてもよい。
【0095】
第1〜第nの発光素子LD1〜LDnは、例えば赤外光(可視光領域に近い近赤外線)を出射するLED(発光ダイオード)等であって、曲線CUR1、CUR2に沿って配置され、光源光をそれぞれ出射する。照射ユニットEUは、第1〜第nの発光素子LD1〜LDnから出射される光源光に基づいて、照射光(第1の照射光LT1など)を出射する
曲線CUR1、CUR2は円弧線であってもよいし、曲率半径が変化する曲線であってもよい。また、各発光素子の配置間隔は等間隔であってもよいし、変化する間隔であってもよい。
【0096】
以下の説明のために、図8(A)に示すように、第1、第2、第3の方向D1、D2、D3を定義する。すなわち、曲線CUR1、CUR2の他端から一端へ向かう方向を第2の方向D2とし、第2の方向D2に垂直で曲線CUR1、CUR2の内側から外側に向かう方向を第1の方向D1とする。そして第1、第2の方向D1、D2に垂直な方向を第3の方向D3とする。
【0097】
第1の曲線CUR1と第2の曲線CUR2とは、互いに交差せず、離れた位置に配置される。具体的には、例えば第1の曲線CUR1と第2の曲線CUR2とは、第3の方向D3において分離して配置される。第1の曲線CUR1と第2の曲線CUR2との第3の方向D3における距離(間隔)は、一定であってもよいし、変化してもよい。
【0098】
図8(B)は、第3の構成例を第2の方向D2から見た図である。第1〜第mの発光素子LD1〜LDmは、第1の照射基準面SL1に沿って光源光をそれぞれ出射する。また、第m+1〜第nの発光素子LDm+1〜LDnは、第2の照射基準面SL2に沿って光源光をそれぞれ出射する。第1、第2の照射基準面SL1、SL2は、照射ユニットEUが照射光を出射する方向を規定するための仮想的な面であって、これら照射基準面SL1、SL2に沿って照射光が出射される。
【0099】
ただし、各発光素子からの光源光は一定の角度で広がりを持つから、その光源光に基づいて出射される照射光も、照射基準面SL1、SL2の面内に限定されず、照射基準面SL1、SL2を基準として第3の方向D3及びその反対方向に一定の広がりを持つ。
【0100】
図9に、照射ユニットEUの第3の構成例の回路構成例を示す。図9では第1の照射ユニットEU1を例として示すが、他の照射ユニット(EU2〜EU4など)も同様の構成とすることができる。第3の構成例のEU1は、複数の発光素子として第1の発光素子群LD1〜LDm、第2の発光素子群LDm+1〜LDnを含み、さらに第1〜第nの電流調整部AJ1〜AJn、第1、第2の入力端子DI1、DI2を含む。
【0101】
第1の発光素子群LD1〜LDmの各発光素子の一端側は第1の入力端子DI1に接続され、第2の発光素子群LDm+1〜LDnの各発光素子の一端側は第2の入力端子DI2に接続される。
【0102】
第1〜第nの電流調整部AJ1〜AJnは、第1〜第nの発光素子LD1〜LDnとそれぞれ直列に接続され、LD1〜LDnに流れる電流の電流値を設定する。図9では、電流調整部AJ1〜AJnは各発光素子の他端側、即ち各発光素子と低電位電源端子VSSとの間に設けられているが、各発光素子の一端側、即ち各発光素子と第1、第2の入力端子DI1、DI2との間に設けてもよい。
【0103】
電流調整部AJ1〜AJnは、例えば抵抗素子であってもよいし、電流制限用ダイオードであってもよい。電流調整部AJ1〜AJnが抵抗素子である場合には、例えば以下のように抵抗値が設定される。即ち、電流調整部AJ1〜AJnの抵抗値をR1〜Rnとした場合に、R1<R2<R3<・・・<Rm及びRm+1>Rm+2>Rm+3>・・・>Rnとなるように設定される。このようにすることで、発光素子LD1〜LDnに流れる電流の電流値をI1〜Inとした場合に、I1>I2>I3>・・・<Im及びIm+1<Im+2<Im+3<・・・<Inとなるように設定することができる。
【0104】
このように電流値を設定することで、第1の入力端子DI1に駆動電圧が入力される期間には、第1の発光素子群LD1〜LDmは、第1の曲線CUR1の一端から他端に向かうにつれて、各発光素子の光量が低くなる第1〜第mの光源光LS1〜LSmを出射する。また第2の入力端子DI2に駆動電圧が入力される期間には、第2の発光素子群LDm+1〜LDnは、第2の曲線CUR2の一端から他端に向かうにつれて、各発光素子の光量が高くなる第m+1〜第nの光源光LSm+1〜LSnを出射する。
【0105】
図10(A)、図10(B)は、照射ユニットEUの第3の構成例による照射光を説明する図である。図10(A)、図10(B)では、例えば第1の発光素子群として第1〜第13の発光素子LD1〜LD13を含み、第2の発光素子群として第14〜第26の発光素子LD14〜LD26を含む構成例について示す。
【0106】
図10(A)に、第1の入力端子DI1に駆動電圧が入力される期間(第1の期間)に出射される照射光を示す。第1の期間では、第1の発光素子群(LD1〜LD13)は、第1の曲線CUR1の一端から他端に向かうにつれて、各発光素子の光量が低くなる光源光LS1〜LS13を出射する。例えば、LD1は光源光LS1を出射し、次のLD2はLD1よりも光量が低い光源光LS2を出射し、次のLD3はLD2よりも光量が低い光源光LS3を出射する。そして最後のLD13はLD12よりも光量の低い光源光LS13を出射する。すなわち、第1の曲線CUR1の一端からは最も光量の高い光源光が出射され、一端から他端に向かって徐々に光量が減少し、他端からは最も光量の低い光源光が出射される。
【0107】
このようにして、第1の期間では光源光LS1〜LS13が出射され、これに基づいて照射ユニットEUの一端側から他端側に向かうにつれて照射光の強度が低くなる第1の照射光強度分布LID1が形成される。
【0108】
図10(B)に、第2の入力端子DI2に駆動電圧が入力される期間(第2の期間)に出射される照射光を示す。第2の期間では、第2の発光素子群(LD14〜LD26)は、第2の曲線CUR2の一端から他端に向かうにつれて、各発光素子の光量が高くなる光源光LS14〜LS26を出射する。例えば、LD14は光源光LS14を出射し、次のLD15はLD14よりも光量が高い光源光LS15を出射し、次のLD16はLD15よりも光量が高い光源光LS16を出射する。そして最後のLD26はLD25よりも光量の高い光源光LS26を出射する。すなわち、第2の曲線CUR2の一端からは最も光量の低い光源光が出射され、一端から他端に向かって徐々に光量が増加し、他端からは最も光量の高い光源光が出射される。
【0109】
このようにして、第2の期間では光源光LS14〜LS26が出射され、これに基づいて照射ユニットEUの一端から他端に向かうにつれて照射光の強度が高くなる第2の照射光強度分布LID2が形成される。
【0110】
図11(A)、図11(B)に、本実施形態の照射ユニットEU1の第4の構成例を示す。照射ユニットEU1の第4の構成例は、第1の照射ユニットEU1の一端と他端との間の曲線に沿って配置される第1の発光素子群及び第2の発光素子群を含み、第1、第2の発光素子群から出射される光源光に基づいて、第1の照射光を出射する。また図示していないが、第1の入力端子DI1及び第2の入力端子DI2をさらに含み、第1の入力端子DI1には第1の発光素子群の一端側が接続され、第2の入力端子DI2には第2の発光素子群の一端側が接続される。
【0111】
具体的には、第1の発光素子群は、第1〜第m(mは2以上の整数)の発光素子を有し、第2の発光素子群は、第m+1〜第n(nはn>m+1である整数)の発光素子を有する。そして第1〜第mの発光素子の各発光素子と第m+1〜第nの発光素子の各発光素子とは、第1の照射ユニットEU1の一端と他端との間の曲線CURに沿って交互に配置される。
【0112】
照射ユニットEU1の第4の構成例においても、上述した第3の構成例と同様に、第1の期間では、第1の発光素子群から光源光が出射され、これに基づいて照射ユニットEU1の一端側から他端側に向かうにつれて照射光の強度が低くなる第1の照射光強度分布LID1が形成される。また第2の期間では、第2の発光素子群から光源光が出射され、これに基づいて照射ユニットEU1の一端から他端に向かうにつれて照射光の強度が高くなる第2の照射光強度分布LID2が形成される。
【0113】
以上説明したように、本実施形態の照射ユニットEUによれば、第1の検出期間TD1では、第1の照射ユニットEU1が第1の照射光強度分布LID1と第2の照射光強度分布LID2とを交互に形成することができる。第1の照射光強度分布LID1は、照射ユニットEU1の一端側から他端側に向かうにつれて照射光の強度が低くなる分布であり、第2の照射光強度分布LID2は、照射ユニットEU1の一端から他端に向かうにつれて、照射光の強度が高くなる分布である。
【0114】
同様に、第2の検出期間TD2では、第2の照射ユニットEU2が第3の照射光強度分布LID3と第4の照射光強度分布LID4とを交互に形成することができる。第3の照射光強度分布LID3は、照射ユニットEU2の一端側から他端側に向かうにつれて照射光の強度が低くなる分布であり、第4の照射光強度分布LID4は、照射ユニットEU2の一端から他端に向かうにつれて、照射光の強度が高くなる分布である。
【0115】
なお、光学式検出装置100の第2の構成例(図4)における第3、第4の照射ユニットについても、上述した照射ユニットの第1〜第3の構成例と同様の構成とすることができ、強度分布の異なる2つの照射光強度分布を交互に形成することができる。
【0116】
このように本実施形態の光学式検出装置100では、照射ユニットEU(EU1〜EU4など)が強度分布の異なる2つの照射光強度分布を交互に形成することができるから、環境光などの外乱光の影響を最小限に抑えた、より精度の高い対象物の検出が可能になる。
【0117】
3.位置情報検出の手法
図12(A)、図12(B)は、本実施形態の光学式検出装置100による位置情報を検出する手法を説明する図である。以下の説明では、例えば図3において駆動部DRV1から駆動電圧が出力される期間を第1の期間とし、駆動部DRV2から駆動電圧が出力される期間を第2の期間とする。例えば照射ユニットEU1により、第1の期間に第1の照射光強度分布LID1が形成され、第2の期間に第2の照射光強度分布LID2が形成される。
【0118】
図12(A)のE1は、第1の照射光強度分布LID1において、第1の期間の照射光の照射方向の角度と、その角度での照射光の強度(光度、放射強度)との関係を示す図である。図12(A)のE1では、照射方向が図12(B)のDD1の方向(左方向)である場合に強度が最も低くなる。一方、DD3の方向(右方向)である場合に強度が最も高くなり、DD2の方向ではその中間の強度になる。具体的には方向DD1から方向DD3への角度変化に対して照射光の強度は単調増加しており、例えばリニアー(直線的)に変化している。
【0119】
また図12(A)のE2は、第2の照射光強度分布LID2において、第2期間の照射光の照射方向の角度と、その角度での照射光の強度との関係を示す図である。図12(A)のE2では、照射方向が図12(B)のDD1の方向である場合に強度が最も高くなる。一方、DD3の方向である場合に強度が最も低くなり、DD2の方向ではその中間の強度になる。具体的には方向DD1から方向DD3への角度変化に対して照射光の強度は単調減少しており、例えばリニアーに変化している。なお図12(A)では照射方向の角度と強度の関係はリニアーな関係になっているが、本実施形態はこれに限定されず、例えば双曲線の関係等であってもよい。
【0120】
そして図12(B)に示すように、角度θの方向DDBに対象物OBが存在したとする。すると、第1の期間において第1の照射光強度分布LID1を形成した場合(E1の場合)には、図12(A)に示すように、DDB(角度θ)の方向に存在する対象物OBの位置での強度はINTaになる。一方、第2の期間において第2の照射光強度分布LID2を形成した場合(E2の場合)には、DDBの方向に存在する対象物OBの位置での強度はINTbになる。従って、これらの強度INTa、INTbの関係を求めることで、対象物OBの位置する方向DDB(角度θ)を特定できる。
【0121】
このような強度INTa、INTbの関係を求めるために、本実施形態では、受光部RUが、照射光強度分布LID1を形成した際の対象物OBの反射光(第1の期間の反射光)を受光する。この時の反射光の検出受光量をGaとした場合に、このGaが強度INTaに対応するようになる。また受光部RUが、照射光強度分布LID2を形成した際の対象物OBの反射光(第2の期間の反射光)を受光する。この時の反射光の検出受光量をGbとした場合に、このGbが強度INTbに対応するようになる。従って、検出受光量GaとGbの関係が求まれば、強度INTa、INTbの関係が求まり、対象物OBの位置する方向DDBを求めることができる。
【0122】
例えば光源部LSU1の制御量(例えば電流量)、変換係数、放出光量を、各々、Ia、k、Eaとする。また光源部LSU2の制御量(電流量)、変換係数、放出光量を、各々、Ib、k、Ebとする。すると下式(1)、(2)が成立する。
【0123】
Ea=k・Ia (1)
Eb=k・Ib (2)
また光源部LSU1からの光源光に基づく照射光の減衰係数をfaとし、この照射光に対応する反射光の検出受光量をGaとする。また光源部LSU2からの光源光に基づく照射光の減衰係数をfbとし、この照射光に対応する反射光の検出受光量をGbとする。すると下式(3)、(4)が成立する。
【0124】
Ga=fa・Ea=fa・k・Ia (3)
Gb=fb・Eb=fb・k・Ib (4)
従って、検出受光量Ga、Gbの比は下式(5)のように表せる。
【0125】
Ga/Gb=(fa/fb)・(Ia/Ib) (5)
ここでGa/Gbは、受光部RUでの受光結果から特定することができ、Ia/Ibは、照射ユニットEUの制御量から特定することができる。そして図12(A)の強度INTa、INTbと減衰係数fa、fbとは一意の関係にある。例えば減衰係数fa、fbが小さな値となり、減衰量が大きい場合は、強度INTa、INTbが小さいことを意味する。一方、減衰係数fa、fbが大きな値となり、減衰量が小さい場合は、強度INTa、INTbが大きいことを意味する。従って、上式(5)から減衰率の比fa/fbを求めることで、対象物の方向、位置等を求めることが可能になる。
【0126】
より具体的には、一方の制御量IaをImに固定し、検出受光量の比Ga/Gbが1になるように、他方の制御量Ibを制御する。例えば第1の期間の照射光と第2の期間の照射光を交互に出射する制御を行い、検出受光量の波形を解析し、検出波形が観測されなくなるように(Ga/Gb=1になるように)、他方の制御量Ibを制御する。そして、この時の他方の制御量Ib=Im・(fa/fb)から、減衰係数の比fa/fbを求めて、対象物の方向、位置等を求める。
【0127】
また下式(6)、(7)のように、Ga/Gb=1になると共に制御量IaとIbの和が一定になるように制御してもよい。
【0128】
Ga/Gb=1 (6)
Im=Ia+Ib (7)
上式(6)、(7)を上式(5)に代入すると下式(8)が成立する。
【0129】
Ga/Gb=1=(fa/fb)・(Ia/Ib)
=(fa/fb)・{(Im−Ib)/Ib} (8)
上式(8)より、Ibは下式(9)のように表される。
【0130】
Ib={fa/(fa+fb)}・Im (9)
ここでα=fa/(fa+fb)とおくと、上式(9)は下式(10)のように表され、減衰係数の比fa/fbは、αを用いて下式(11)のように表される。
【0131】
Ib=α・Im (10)
fa/fb=α/(1−α) (11)
従って、Ga/Gb=1になると共にIaとIbの和が一定値Imになるように制御すれば、そのときのIb、Imから下式(10)によりαを求め、求められたαを上式(11)に代入することで、減衰係数の比fa/fbを求めることができる。これにより、対象物の方向、位置等を求めることが可能になる。そしてGa/Gb=1になると共にIaとIbの和が一定になるように制御することで、外乱光の影響等を相殺することが可能になり、検出精度の向上を図れる。
【0132】
上記の説明では、照射ユニットEUの第1、第2の構成例(図6、図7(A)、図7(B))を例として説明したが、第3の構成例(図8(A)、図8(B))及び第4の構成例(図11(A)、図11(B))についても同様な手法で対象物OBの位置する方向(角度θ)を特定できる。第3、第4の構成例では、第1の発光素子群LD1〜LDmが上記の第1の光源部LSU1に相当し、第2の発光素子群LDm+1〜LDnが上記の第2の光源部LSU2に相当する。
【0133】
図13は、本実施形態の第1、第2の照射ユニットEU1、EU2を用いて対象物の位置を検出する手法を説明する図である。図13では、第1、第2の照射ユニットEU1、EU2は、対象物OBの検出エリアRDETの面に沿った方向において所与の距離DSだけ離れて配置される。即ち図1(A)、図1(B)のX軸方向に沿って距離DSだけ離れて配置される。
【0134】
第1の照射ユニットEU1は、照射方向に応じて強度が異なる第1の照射光LT1を出射する。第2の照射ユニットEU2は、照射方向に応じて強度が異なる第2の照射光LT2を出射する。第1の受光部RU1は、第1の照射ユニットEU1からの第1の照射光LT1が対象物OBに反射されることによる第1の反射光LR1を受光する。第2の受光部RU2は、第2の照射ユニットEU2からの第2の照射光LT2が対象物OBに反射されることによる第2の反射光LR2を受光する。そして制御装置110は、受光部RU1、RU2での受光結果に基づいて、対象物OBの位置POBを検出する。
【0135】
具体的には、制御装置110は、第1の反射光LR1の受光結果に基づいて、第1の照射ユニットEU1に対する対象物OBの方向を第1の方向DDB1(第1の角度θ1)として検出する。また第2の反射光LR2の受光結果に基づいて、第2の照射ユニットEU2に対する対象物OBの方向を第2の方向DDB2(第2の角度θ2)として検出する。そして検出された第1の方向DDB1(第1の角度θ1)及び第2の方向DDB2(第2の角度θ2)と、第1、第2の照射ユニットEU1、EU2の間の距離DSとに基づいて、対象物OBの位置POBを求める。
【0136】
4.表示システム及び情報処理システム
図14に、本実施形態の表示システム及び情報処理システムの構成例を示す。図14に示す表示システムの構成例は、光学式検出装置100及び表示装置10を含む。また、図14に示す情報処理システムの構成例は、光学式検出装置100、表示装置10及び情報処理装置200を含む。
【0137】
情報処理装置200は、例えばパーソナルコンピューター(PC)などであって、光学式検出装置100からの検出情報に基づいて処理を行う。光学式検出装置100と情報処理装置200とは、USBケーブルUSBCを介して電気的に接続される。表示装置10は、例えば投射型表示装置(プロジェクター)などであって、情報処理装置200からの画像データに基づいて、表示部(スクリーン)20に画像を表示する。ユーザーは、表示部20に表示された画像を参照しながら、表示画像のアイコン等をポインティングすることで、情報処理装置200に対して必要な情報を入力することができる。なお、情報処理装置200は、例えばFPGAなどで構成する専用の情報処理装置であってもよい。
【0138】
なお、図14では、光学式検出装置100が表示部20に取り付けられているが、他の場所に取り付けることもできる。例えば、光学式検出装置100を表示装置10に取り付けてもよいし、天井や壁などに取り付けてもよい。また、表示装置10としては、投射型表示装置(プロジェクター)に限定されるものではなく、例えばデジタルサイネージ用表示装置であってもよい。
【0139】
上述したように、本実施形態の光学式検出装置100によれば、複数の照射ユニット及び複数の受光部を用いることで、広い表示エリアに対しても対象物の位置情報を精度良く検出することが可能になる。また、照射ユニット及び受光部の個数を増やした場合でも、選択切換部を設けることで、制御装置110の構成を簡素にすることができるから、消費電力の低減及び検出装置の小型化などが可能になり、その結果、検出精度が高く且つ効率の良い光学式検出装置を実現することなどが可能になる。
【0140】
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は全て本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また光学式検出装置、表示システム及び情報処理システムの構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0141】
EU1、EU2 第1、第2の照射ユニット、RU1、RU2 第1、第2の受光部、
LT1、LT2 第1、第2の照射光、LR1、LR2 第1、第2の反射光、
LD1〜LDn 第1〜第nの発光素子、LS1〜LSn 第1〜第nの光源光、
LID1、LID2 第1、第2の照射光強度分布、RDET 検出エリア、
OB 対象物、DI1〜DI4 第1〜第4の入力端子、
SEL1、SEL2 選択切換部、DO1〜DOk 第1〜第kの駆動電圧出力端子、
DS1、DS2 第1、第2の受光信号検出端子、AJ1〜AJn 電流調整部、
10 表示装置、20 表示部、100 光学式検出装置、110 制御装置、
200 情報処理装置、220 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子駆動用の電圧を出力する第1の駆動電圧出力端子〜第k(kは2以上の整数)の駆動電圧出力端子を有する制御装置と、
対象物の検出用の第1の照射光を出射する第1の照射ユニットと、
前記対象物の検出用の第2の照射光を出射する第2の照射ユニットと、
選択切換部とを含み、
前記第1の照射ユニットは、
複数の発光素子と、
前記複数の発光素子のうちの第1の発光素子又は第1の発光素子群の一端側が接続される第1の入力端子と、
前記複数の発光素子のうちの第2の発光素子又は第2の発光素子群の一端側が接続される第2の入力端子とを有し、
前記第2の照射ユニットは、
複数の発光素子と、
前記複数の発光素子のうちの第3の発光素子又は第3の発光素子群の一端側が接続される第3の入力端子と、
前記複数の発光素子のうちの第4の発光素子又は第4の発光素子群の一端側が接続される第4の入力端子とを有し、
前記選択切換部は、
前記第1の照射光を用いて前記対象物の位置情報を検出する第1の検出期間では、
前記第1の駆動電圧出力端子〜前記第kの駆動電圧出力端子のうちの第i(iは1≦i≦kである整数)の駆動電圧出力端子を前記第1の入力端子に接続し、
前記第1の駆動電圧出力端子〜前記第kの駆動電圧出力端子のうちの第j(jは1≦j≦k且つi≠jである整数)の駆動電圧出力端子を前記第2の入力端子に接続し、
前記第2の照射光を用いて前記対象物の位置情報を検出する第2の検出期間では、
前記第iの駆動電圧出力端子を前記第3の入力端子に接続し、
前記第jの駆動電圧出力端子を前記第4の入力端子に接続し、
前記第1の照射ユニットは、前記第1の検出期間では、第1の照射光強度分布と第2の照射光強度分布とを交互に形成し、
前記第2の照射ユニットは、前記第2の検出期間では、第3の照射光強度分布と第4の照射光強度分布とを交互に形成することを特徴とする光学式検出装置。
【請求項2】
請求項1において、
第1の受光素子を有し、前記第1の照射光が前記対象物により反射されることによる第1の反射光を受光する第1の受光部と、
第2の受光素子を有し、前記第2の照射光が前記対象物により反射されることによる第2の反射光を受光する第2の受光部と、
第2の選択切換部とを含み、
前記制御装置は、
第1の受光信号検出端子及び第2の受光信号検出端子を有し、
前記第2の選択切換部は、
前記第1の検出期間では、前記第1の受光素子の一端側を前記第1の受光信号検出端子に接続し、他端側を前記第2の受光信号検出端子に接続し、
前記第2の検出期間では、前記第2の受光素子の一端側を前記第1の受光信号検出端子に接続し、他端側を前記第2の受光信号検出端子に接続することを特徴とする光学式検出装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記第1の照射ユニットは、
前記第1の検出期間では、前記第iの駆動電圧出力端子からの駆動電圧に基づいて前記第1の照射光強度分布を形成し、前記第jの駆動電圧出力端子からの駆動電圧に基づいて前記第2の照射光強度分布を形成し、
前記第2の照射ユニットは、
前記第2の検出期間では、前記第iの駆動電圧出力端子からの駆動電圧に基づいて前記第3の照射光強度分布を形成し、前記第jの駆動電圧出力端子からの駆動電圧に基づいて前記第4の照射光強度分布を形成することを特徴とする光学式検出装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記第1の照射ユニットは、
前記第1の検出期間では、前記第1の照射ユニットの一端側から他端側に向かうにつれて前記照射光の強度が低くなる前記第1の照射光強度分布と、前記第1の照射ユニットの一端側から他端側に向かうにつれて前記照射光の強度が高くなる前記第2の照射光強度分布とを交互に形成し、
前記第2の照射ユニットは、
前記第2の検出期間では、前記第2の照射ユニットの一端側から他端側に向かうにつれて前記照射光の強度が低くなる前記第3の照射光強度分布と、前記第2の照射ユニットの一端側から他端側に向かうにつれて前記照射光の強度が高くなる前記第4の照射光強度分布とを交互に形成することを特徴とする光学式検出装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記第1の照射ユニットは、
前記第1の発光素子を有する第1の光源部と、
前記第2の発光素子を有する第2の光源部と、
前記第1の光源部又は前記第2の光源部からの光源光を曲線状の導光経路に沿って導光する曲線形状の第1のライトガイドと、
前記第1のライトガイドからの出射光を受け、曲線形状の前記第1のライトガイドの内周側から外周側へと向かう方向、又は外周側から内周側へと向かう方向に前記第1の照射光の照射方向を設定する第1の照射方向設定部を含み、
前記第2の照射ユニットは、
前記第3の発光素子を有する第3の光源部と、
前記第4の発光素子を有する第4の光源部と、
前記第3の光源部又は前記第4の光源部からの光源光を曲線状の導光経路に沿って導光する曲線形状の第2のライトガイドと、
前記第2のライトガイドからの出射光を受け、曲線形状の前記第2のライトガイドの内周側から外周側へと向かう方向、又は外周側から内周側へと向かう方向に前記第2の照射光の照射方向を設定する第2の照射方向設定部を含むことを特徴とする光学式検出装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記第1の照射ユニットは、
前記第1の照射ユニットの一端と他端との間の曲線に沿って配置される前記第1の発光素子群又は前記第2の発光素子群から出射される光源光に基づいて、前記第1の照射光を出射し、
前記第2の照射ユニットは、
前記第2の照射ユニットの一端と他端との間の曲線に沿って配置される前記第3の発光素子群又は前記第4の発光素子群から出射される光源光に基づいて、前記第2の照射光を出射することを特徴とする光学式検出装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記第1の発光素子群は、前記第1の照射ユニットの一端と他端との間の第1の曲線に沿って配置される第1の発光素子〜第m(mは2以上の整数)の発光素子を有し、
前記第2の発光素子群は、前記第1の曲線とは離れて位置する前記第1の照射ユニットの一端と他端との間の第2の曲線に沿って配置される第m+1の発光素子〜第n(nはn>m+1である整数)の発光素子を有し、
前記第3の発光素子群は、前記第2の照射ユニットの一端と他端との間の第3の曲線に沿って配置される第n+1の発光素子〜第p(pはp>n+1である整数)の発光素子を有し、
前記第4の発光素子群は、前記第3の曲線とは離れて位置する前記第2の照射ユニットの一端と他端との間の第4の曲線に沿って配置される第p+1の発光素子〜第q(qはq>p+1である整数)の発光素子を有することを特徴とする光学式検出装置。
【請求項8】
請求項6において、
前記第1の発光素子群は、第1の発光素子〜第m(mは2以上の整数)の発光素子を有し、
前記第2の発光素子群は、第m+1の発光素子〜第n(nはn>m+1である整数)の発光素子を有し、
前記第1の発光素子〜前記第mの発光素子の各発光素子と前記第m+1の発光素子〜前記第nの発光素子の各発光素子とは、前記第1の照射ユニットの一端と他端との間の前記曲線に沿って交互に配置され、
前記第3の発光素子群は、第n+1の発光素子〜第p(pはp>n+1である整数)の発光素子を有し、
前記第4の発光素子群は、第p+1の発光素子〜第q(qはq>p+1である整数)の発光素子を有し、
前記第n+1の発光素子〜前記第pの発光素子の各発光素子と前記第p+1の発光素子〜前記第qの発光素子の各発光素子とは、前記第2の照射ユニットの一端と他端との間の前記曲線に沿って交互に配置されることを特徴とする光学式検出装置。
【請求項9】
請求項7又は8において、
前記第1の照射ユニットは、
前記第1の発光素子〜前記第nの発光素子に流れる電流の電流値を設定する第1の電流調整部〜第nの電流調整部を有し、
前記第2の照射ユニットは、
前記第n+1の発光素子〜前記第qの発光素子に流れる電流の電流値を設定する第n+1の電流調整部〜第qの電流調整部を有することを特徴とする光学式検出装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の光学式検出装置と、
画像を表示する表示装置とを含むことを特徴とする表示システム。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれかに記載の光学式検出装置と、
前記光学式検出装置からの検出情報に基づいて処理を行う情報処理装置と、
前記情報処理装置からの画像データに基づいて画像を表示する表示装置とを含むことを特徴とする情報処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−221084(P2012−221084A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84244(P2011−84244)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】