説明

光学情報読取装置モジュール及び光学情報読取装置

【課題】より小型化で且つ拡張性のある光学情報読取装置モジュール及び光学情報読取装置を提供すること。
【解決手段】光学情報読取装置モジュール10は、撮像デバイス110とデコード基板120と周辺機器基板130とを備えている。その撮像デバイス110は、読取対象とするコード記号に光を照射して、そのコード記号の画像を撮像して画像信号に変換し、それをA/D変換して出力する。周辺機器基板130には、電源ユニット131、表示器132、有線通信インタフェース133を少なくとも含む。デコード基板120を撮像デバイス110の底面に配設し、撮像デバイス110の底面と反対側の面に周辺機器基板130を配設する。この辺機器基板130は撮像デバイス110の側方に張り出して延び、周辺機器基板130の撮像デバイス110に取り付けられた面側の撮像デバイス110の側方に、追加部品を搭載できる空間部140を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物品の管理や商品の販売、精算作業などのために、物品や商品に貼付されたバーコード等のコード記号を読み取るバーコードリーダ等の光学情報読取装置の内部機器及び回路をモジュール化した光学情報読取装置モジュール及び、それを用いた光学情報読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バーコード等のコード記号を光学的に読み取る光学情報読取装置は小型化および多機能性が要求されている。
したがって、光学情報読取装置の筐体は小型化されることが望ましく、そのためには、内蔵されているハードウエアの配置あるいは配線を工夫する必要がある。
そこで、そのハードウエアを構成する部材や部品を一枚の基板にほぼ一体化するということが考えられる。例えば、光源、レンズ、ミラー等の走査エンジンと、デコード回路と、通信機器等を全て一枚の基板上に配置すれば、垂直方向の高さを小さくすることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、光学系、アナログ回路、デジタル回路等をそれぞれ別の基板に集約し、それら複数の基板をフレキシブルプリント基板で接続し、筐体の中に畳んで内蔵するという方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−326805号公報
【特許文献2】特開2002−304593号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年の光学情報読取装置はデコード回路や周辺機器等が複雑になり、デバイスが増える傾向にある。上述した前者の全構成部材を一枚の基板上に配置する構成では、デバイスが増えるごとに基板の広さを増やしていく必要がある。あるいは、基板の広さを増やさずに一定領域内でデバイスを増やしていくと、それらが近づきすぎてノイズやショートを起こす原因になるという問題があった。
【0005】
また、上述した後者の複数の基板に集約してフレキシブルプリント基板で接続して筐体内に収納する構成では、複数の基板を筐体内に収納するときに、フレキシブルプリント基板が長すぎると収納が難しく、短すぎると折り曲げたときに断線の危険がある。
【0006】
この発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、上記のような問題を生じることなく、より小型で且つ拡張性のある光学情報読取装置モジュール及び光学情報読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による光学情報読取装置モジュールは上記の目的を達成するため、次のように構成する。
読取対象とするコード記号が存在する領域に光を照射する照射部と、そのコード記号の画像を撮像するイメージセンサと、そのイメージセンサによって撮像して光電変換された画像信号を増幅する増幅回路と増幅された画像信号をA/D変換してデジタル信号を出力するA/D変換器とを有する信号処理部とを備えた撮像デバイスと、
その撮像デバイスから出力されるデジタル信号の情報をデコードするデコーダを設けたデコード基板と、
電源ユニット、表示器及び通信インタフェースを含む周辺機器を搭載した周辺機器基板とを有する。
そして、上記デコード基板を上記撮像デバイスの底面に電気的に接続して配設し、上記撮像デバイスの底面と反対側の面に上記周辺機器基板を電気的に接続して配設し、その周辺機器基板は上記撮像デバイスの側方に張り出して延び、その周辺機器基板の撮像デバイスに取り付けられた面側の該撮像デバイスの側方に、追加部品を搭載できる空間部を設けたたものである。
この場合、上記撮像デバイスの底面と反対側の面は上記周辺機器基板の全面の半分以下の面積を占めるようにするのが望ましい。
【0008】
上記光学情報読取装置モジュールにおける撮像モジュールに代えて、レーザ走査デバイスを設けてもよい。
そのレーザ走査デバイスは、読取対象とするコード記号にレーザ光を照射する光源と、
該光源が発するレーザ光を走査し、前記コード記号からの反射光を集光する走査・集光用光学系と、その走査・集光用光学系によって集光されたコード記号からの反射光を受光して光電変換する受光ユニットと、その受光ユニットからの電気信号を増幅する増幅回路とその増幅された電気信号をA/D変換してデジタル信号を出力するA/D変換器とを有する信号処理部とを備えている。
【0009】
この場合も、上記デコード基板を上記レーザ走査デバイスの底面に電気的に接続して配設し、上記レーザ走査デバイスの底面と反対側の面に上記周辺機器基板を電気的に接続して配設し、その周辺機器基板は上記レーザ走査デバイスの側方に張り出して延び、その周辺機器基板のレーザ走査デバイスに取り付けられた面側の該レーザ走査デバイスの側方に、追加部品を搭載できる空間部を設ける。
上記レーザ走査デバイスの底面と反対側の面は上記周辺機器基板の全面の半分以下の面積を占めるようにするのが望ましい。
【0010】
これらの光学情報読取装置モジュールにおいて、上記周辺機器基板に搭載される通信インタフェースを、短距離無線通信インタフェースにすることができる。
また、この発明による光学情報読取装置は、上記光学情報読取装置モジュールを、少なくとも1面に光透過窓を設けた筐体中に設置し、上記撮像デバイスあるいれーざ走査デバイスの光通路が上記光透過窓に面するようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明による光学情報読取装置モジュールおよび光学情報読取装置は、小型化を実現するとともに、機能の拡張などによる部品や回路の追加、あるいはコンデンサなどの大型部品の収納も可能であり、適用機種が広がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1及び図2は、この発明の一実施形態である光学情報読取装置モジュールを設けた光学情報読取装置の構造を示す分解斜視図である。図1は上方向から見た斜視図であり、図2は、図1の矢印F方向から見た斜視図である。
この光学情報読取装置1は、光学情報読取装置モジュール10とそれを収納する筐体であるケース20とからなる。その光学情報読取装置モジュール10は、撮像デバイス110、デコード基板120、および周辺機器基板130を備えている。
【0013】
撮像デバイス110は、読取対象とするコード記号が存在する領域に光を照射する照射部と、そのコード記号の画像を撮像するイメージセンサと、信号処理部とを備えている。その信号処理部は、後述するようにイメージセンサによって撮像して光電変換された画像信号を増幅する増幅回路と、その増幅回路によって増幅された画像信号をA/D変換してデジタル信号を出力するA/D変換器とを有する。なお、イメージセンサからの画像信号のノイズを取り除くノイズフィルタも設けるとよい。
【0014】
デコード基板120には、撮像デバイス110から出力されるデジタル信号の情報をデコードするデコーダを設けている。
周辺機器基板130には、電源ユニット131、LED等による表示器132、および有線通信インタフェース(I/F用ドライバ)133を少なくとも含み、この実施形態ではトリガスイッチ134やブザー135(図3参照)なども含む周辺機器が搭載されている。
【0015】
そして、デコード基板120を撮像デバイス110の底面(図1では下面、図2では上面)に図示していないコネクタによって直接電気的に接続して配設し、撮像デバイス110の底面と反対側の面(図1では上面、図2では下面)に周辺機器基板130を図示していないコネクタによって直接電気的に接続して配設している。この周辺機器基板130と撮像デバイス110とはねじ151,152によって一体に固着される。
この辺機器基板130は撮像デバイス110の側方に張り出して延び、周辺機器基板130の撮像デバイス110に取り付けられた面(図1では下面)側の撮像デバイス110の側方に、追加部品を搭載できる空間部140を設けている。
【0016】
この撮像デバイス110の底面と反対側の面(周辺機器基板130を装着する面)は、周辺機器基板130のそれに対向する面の全面の半分以下の面積を占めるようにするのが望ましい。それによって、周辺機器基板130の撮像デバイス110に取り付けられた面側には、撮像デバイス110の隣に比較的大きな空間部140ができる。この空間部140には、周辺機器基板130上に設置できないような大きな部品や、機能拡張などによる追加部品を配置することができる。
【0017】
例えば、図2に明示されるように、有線通信用のインタフェースコネクタ161、コイル162及び電解コンデンサ163などを配置することができる。これらは、半田付け等の適宜な方法で周辺機器基板130に接続される。
あるいは、この光学情報読取装置モジュール10の機能を拡張する場合に新たに必要になる部品などを配置することも可能である。
【0018】
このように構成した光学情報読取装置モジュール10を、ケース本体200内に挿入し、背面板210で蓋をするように閉じて、筐体であるケース20内に収納する。この時、ねじ221,222,223によってケース本体200と背面板210とが一体に締め付け固着される。
ケース本体200の前面(図1では右端面)に光透過窓201が設けられており、ケース本体200に収納された撮像デバイス110の光通路がこの光透過窓201に面するようになる。そして、この光透過窓201には、ガラス又はアクリル板等からなる透明板202を、ケース20の組み立て前あるいは組み立て後に嵌め込む。このようにして、この実施形態の光学情報読取装置1が完成する。
【0019】
トリガスイッチ134はケース20の外部から操作者が押しやすいように、トリガボタン134aが付いている。デザイン向上のために、ケース本体200の上面に流体形をした透明プラスチック製のフロントパネル230を設置することがあるが、これは必須ではない。
図2における有線通信用のインタフェースコネクタは、RS232C規格のものを示しているが、これと同様の寸法でジクビー(Zigbee)やブルートゥース(Bluetooth)等の短距離無線通信インタフェースが搭載できるように設計することもできる。
【0020】
図3は、上述したこの発明による光学情報読取装置モジュールのブロック構成図である。
上述したように、この光学情報読取装置モジュール10は、撮像デバイス110、デコード基板120、および周辺機器基板130を備えている。
撮像デバイス110は、読取対象とするコード記号が存在する領域に光を照射する照射部111と、コード記号画像を撮像するイメージセンサ112と、信号処理部113とを備えている。その信号処理部113は、イメージセンサによって撮像した画像を電気信号にを増幅する増幅回路114と、その増幅回路114によって増幅された電気信号をA/D変換してデジタル信号を出力するA/D変換器115とを有する。
【0021】
この実施形態では、撮像デバイス110としてCMOSデバイスを使用しており、イメージセンサ112はCMOSイメージセンサであり、二次元コード及びバーコードの両方を読み取ることができる。
そのCMOSイメージセンサは固定撮像素子の一種であり、半導体素子の製造技術を用いて集積回路化された光電変換素子である。フォトダイオードを二次元に配列した構成であり、一度に一画面全体のイメージを光電変換することができる。
【0022】
CMOSデバイスの照射部111は、投光LED(発光ダイオード)とエイミングLEDを備えた投光/エイミングLED基板である。その投光LEDは、撮像状態をよくするために、読み取るべきコード記号に光を照射するためのものであり、エイミングLEDは、コード記号の位置をマークするために特定の形態をした照射光を発するものである。この2種類のLEDは別々に設置する場合もあれば、1つのLEDで両方の役目をする場合もある。この実施形態では、両方の役目をするLEDを4個備えている。
【0023】
すなわち、その4個のLEDによって読み取るべきコード記号の位置がわかるようにマークするとともに、撮像に適切な量の光をそのコード記号に照射する。イメージセンサ111では、露光調整とシャッタ制御を行って撮像する。その撮像した画像信号を信号処理部113の増幅回路114によって増幅し、A/D変換機115でデジタル信号に変換してデコード基板120へ送る。
【0024】
デコード基板120には、撮像デバイス110から出力されるデジタル信号の情報をデコードするデコーダを設けている。
そのデコーダは、予め設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)121と2つのSRAM(Static Random Access Memory)122、123及びFRAM(Ferroelectric Random Access Memory)124から構成される。入力したデジタル画像信号はここでランレングス計算等がなされ、コード記号の情報を解析するためのデコードが行われる。
【0025】
周辺機器基板130には、この実施形態では電源ユニット131、表示器132、有線通信インタフェース133、トリガスイッチ134、およびブザー135が周辺機器として搭載されている。電源ユニット131は周辺機器基板130自体及びデーコード基板120に電力を供給する。表示器132は緑と赤のLEDからなり、この光学情報読取装置モジュール10が作動中であること、読取が成功したこと、読取が失敗したことなどをLEDの発光色や点滅状態などによって表示する。
【0026】
ブザー135は、読取が成功したことを知らせたり、何らかのトラブルが起きた場合の警告のために、音を発生させる。トリガスイッチ134は押すことによって読取を開始するスイッチである。有線通信インタフェース133は、通信I/F用ドライバ及び通信用コネクタからなり、ホストコンピュータ30と有線接続し、読み取った情報すなわちデコード基板120でデコードした情報を伝送する。
【0027】
図4は、この発明による光学情報読取装置モジュールの他の実施形態を示すブロック構成図である。この図4において、図3と対応する部分には同一の符号を付してあり、それらの説明は省略する。
この実施形態において図3に示した光学情報読取装置モジュールと異なるのは、ホストコンピュータ30との通信を有線ではなく無線で行うようにした点だけである。そのため、周辺機器基板130Aには通信インタフェースとして、ジグビー、ブルートゥース、無線LAN等の短距離無線通信インタフェース137を搭載している。この短距離無線通信インタフェース137は、ホストコンピュータ30との情報の送受信が可能であればよく、プロトコルを限定するものではない。
【0028】
この実施形態の場合は、図1及び図2に示した光学情報読取装置モジュール10の周辺機器基板130が、図4の周辺機器基板130Aに変わり、有線通信インタフェース133と有線通信用のインタフェースコネクタ161に代えて短距離無線通信インタフェース137が搭載されることになる。
【0029】
図5は、この発明による光学情報読取装置モジュールのさらに他の実施形態を示すブロック構成図である。この図5においても、図3と対応する部分には同一の符号を付してあり、それらの説明は省略する。
この実施形態では、図3に示した光学情報読取装置モジュール10における撮像デバイス110に代えて、レーザ走査デバイス170を設けている。
このレーザ走査デバイス170は、光源171、走査・集光用光学系172、及び受光ユニット173と、増幅回路175とA/D変換器176を有する信号処理部174とを備えている。この信号処理部174にノイズフィルタを設けてもよい。
【0030】
光源171は、レーザダイオードとコリメータレンズ等からなり、レーザ光を発射するものである。走査・集光用光学系172は、走査ミラーと集光ミラー又は集光レンズ等によって構成されている。その走査ミラーは、電磁誘導等によりシーソ状に揺動振動されて、光源171から発射されるレーザ光を、読取対象であるコード記号の全域を照射できるように所定角度範囲で走査する。集光ミラー又は集光レンズは、コード記号からの反射光を集光して受光ユニット173に受光させるための光学素子である。
受光ユニット173は、走査・集光用光学系172によって集光された光を受光して光電変換するための受光素子が内蔵されている。
【0031】
このレーザ走査デバイス170によって、例えば黒バー及び白バーから構成されるバーコード記号を読み取る。その場合、光源171から発射されるレーザ光は走査・集光用光学系172の走査ミラーによって反射されてバーコード記号に向かう。バーコード記号では、黒バー及び白バーによって反射率が異なるので反射光量が異なる。そのバーコード記号から反射された光は再び走査ミラー入射して反射される。その反射光は集光ミラー又は集光レンズによって集光され、その殆ど全ての光が受光ユニット173に受光される。
受光ユニット173では、受光素子が受光する光の強度に応じた電気信号を出力する。その電気信号を、信号処理部174の増幅回路175で増幅し、A/D変換器176によってデジタル信号に変換して、デコード基板120のデコーダへ送る。、
【0032】
デコード基板120のデコーダは、そのデジタル信号を解析してバーコードの情報を読み取る。この場合、扱う信号に二次元コードは含まれず、バーコードのみであるから、ASIC121の構成は図3及び図4に示した実施形態の場合よりも簡単になる。
周辺機器基板130の構成は図3に示した例と同じであるが、有線通信インタフェース133に代えて、図4の例と同様に短距離無線通信インタフェース137を搭載するようにしてもよい。
【0033】
この実施形態の場合は、図1及び図2に示した光学情報読取装置モジュール10の撮像デバイス110が、図5のレーザ走査デバイス170に変わるが、図1及び図2に示した光学情報読取装置モジュール10とほぼ同様な構造にすることができる。
すなわち、デコード基板120をレーザ走査デバイス170の底面(図1では下面、図2では上面)に直接電気的に接続して配設し、レーザ走査デバイス170の底面と反対側の面(図1では上面、図2では下面)に周辺機器基板130を直接電気的に接続して配設する。その周辺機器基板130とレーザ走査デバイス170とをねじ151,152によって一体に固着する。
【0034】
そして、周辺機器基板130はレーザ走査デバイス170側方に張り出して延び、周辺機器基板130のレーザ走査デバイス170に取り付けられた面側のレーザ走査デバイス170の側方に、追加部品を搭載できる空間部140を設けることになる。
その場合も、レーザ走査デバイス170の底面と反対側の面(周辺機器基板130を装着する面)は、周辺機器基板130のそれに対向する面の全面の半分以下の面積を占めるようにするのが望ましい。
【0035】
〔実際の業務への適用例〕
この発明による光学情報読取装置を実際の業務に使用する場合について説明する。
例えば、内包された物品の情報示す二次元コードなどのコード記号が添付された小包がコンベア上を搬送される際に、そのコード記号を読み取るのに使用される。
この場合、作業者が狭いスペースで光学情報読取装置(スキャナ)で小包に添付されたコード記号を読み取って検品等の作業をするので、光学情報読取装置が作業の邪魔になることがあってはならない。そのため、この発明による光学情報読取装置のような小型なものが必要である。
【0036】
図6は、この発明による光学情報読取装置を使用した倉庫の在庫管理作業の様子を示す図である。光学情報読取装置1は作業者50によって操作される。この光学情報読取装置1には、短距離無線通信インタフェースが搭載されており、ホストコンピュータ(この場合パソコン)30に無線接続されている。事務員60は、常時ではないが、ホストコンピュータ30の操作者である。物品5はラック6に格納されている。
【0037】
図示されていないが、物品5にはその物品5の情報を示すバーコードあるいは二次元コードなどのコード記号が添付されている。光学情報読取装置1の筐体は、手のひらに収まるほど小さいので、作業者50は他の倉庫業務をしながら物品5の走査ができる。また、読み取った情報を無線通信でホストコンピュータ30へ送信できるので、情報伝送のためにターミナル配置位置まで戻る必要がなく、短時間で作業ができる。
【0038】
さらに、この発明による光学情報読取装置は、試験管を使った自動分析装置において、各試験管には個体識別の目的で添付されているコード記号を読み取るのにも使用することができる。
このような自動分析装置においては、各試験管はラックに搭載されて分析対象であるサンプルが入れられ、分析を行うサンプルをサンプルプローブによって分注される位置まで移動される。その間に各試験管に添付されたコード記号を読み取らなければならないので、狭いスペースに光学情報読取装に配置して短時間でそのコード記号を読み取る必要がある。
【0039】
その場合の光学情報読取装置は自動分析装置の製造会社によって仕様が異なる。しかしながら、この発明による光学情報読取装置モジュールはその筐体を小さくすることができるので、どのような仕様であっても余裕を持って搭載することができる。
また、無線あるいは有線の変更が容易であり、情報伝送においても各仕様に対応することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
この発明による光学情報読取装置モジュールは、それを構成するデバイス及び基板の配置を工夫したことにより、デコード回路や周辺機器等が複雑になり、デバイスが増えたり部品の増加や拡大であっても、コンパクトな構成のままにすることができる。
そして、この発明による光学情報読取装置は、その筐体を小型にすることができるので、物品の搬送管理や商品の販売、精算作業などのために、物品や商品に貼付されたバーコードや二次元等のコード記号を読み取るスキャナ等に広範に利用できるのみならず、自動分析装置における試験管や標本に添付されたコード記号の読み取りなどにも有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の一実施形態である光学情報読取装置モジュールを設けた光学情報読取装置の構造を示す分解斜視図である。
【図2】図1の矢印F方向から見た分解斜視図である。
【図3】図1及び図2に示した光学情報読取装置モジュールのブロック構成図である。
【図4】この発明による光学情報読取装置モジュールの他の実施形態を示すブロック構成図である。
【図5】この発明による光学情報読取装置モジュールのさらに他の実施形態を示すブロック構成図である。
【図6】この発明による光学情報読取装を倉庫での在庫管理作業に使用する様子を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1:光学情報読取装置 10:光学情報読取装置モジュール 20:ケース(筐体
110:撮像デバイス 111:照射部 112:イメージセンサ
113:信号処理部 114:増幅回路 115:A/D変換器
120:デコード基板 121:ASIC 122,123:SRAM
124:FRAM 130:周辺機器基板 131:電源ユニット
132:表示器 133:通信インタフェース 134:トリガスイッチ
135:ブザー 140:空間部 151,152:ねじ
161:有線通信用のインタフェースコネクタ 162:コイル
163:電解コンデンサ
170:レーザ走査デバイス 171:光源 172:走査・集光用光学系
173:受光ユニット 174:信号処理部 175:増幅回路
176:A/D変換器
200:ケース本体 201:光透過窓 202:透明板
210:背面板 221,222,223:ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取対象とするコード記号が存在する領域に光を照射する照射部と、
そのコード記号の画像を撮像するイメージセンサと、
該イメージセンサによって撮像して光電変換された画像信号を増幅する増幅回路と、該増幅回路によって増幅された画像信号をA/D変換してデジタル信号を出力するA/D変換器とを有する信号処理部と
を備えた撮像デバイスと、
前記撮像デバイスから出力される前記デジタル信号の情報をデコードするデコーダを設けたデコード基板と、
電源ユニット、表示器及び通信インタフェースを含む周辺機器を搭載した周辺機器基板とを有し、
前記デコード基板を前記撮像デバイスの底面に電気的に接続して配設し、前記撮像デバイスの該底面と反対側の面に前記周辺機器基板を電気的に接続して配設し、
該周辺機器基板は前記撮像デバイスの側方に張り出して延び、該周辺機器基板の前記撮像デバイスに取り付けられた面側の該撮像デバイスの側方に、追加部品を搭載できる空間部を設けたことを特徴とする光学情報読取装置モジュール。
【請求項2】
前記撮像デバイスの前記底面と反対側の面は前記周辺機器基板の全面の半分以下の面積を占めることを特徴とする請求項1記載の光学情報読取装置モジュール。
【請求項3】
読取対象とするコード記号にレーザ光を照射する光源と、
該光源が発するレーザ光を走査し、前記コード記号からの反射光を集光する走査・集光用光学系と、
該走査・集光用光学系によって集光された前記コード記号からの反射光を受光して光電変換する受光ユニットと、
該受光ユニットからの電気信号を増幅する増幅回路と、該増幅回路によって増幅された電気信号をA/D変換してデジタル信号を出力するA/D変換器とを有する信号処理部と
を備えたレーザ走査デバイスと、
該レーザ走査デバイスから出力されるデジタル信号の情報をデコードするデコーダを設けたデコード基板と、
電源ユニット、表示器及び通信インタフェースを含む周辺機器を搭載した周辺機器基板とを有し、
前記デコード基板を前記レーザ走査デバイスの底面に電気的に接続して配設し、前記レーザ走査デバイスの前記底面と反対側の面に前記周辺機器基板を電気的に接続して配設し、
該周辺機器基板は前記レーザ走査デバイスの側方に張り出して延び、該周辺機器基板の前記レーザ走査デバイスに取り付けられた面側の該レーザ走査デバイスの側方に、追加部品を搭載できる空間部を設けたことを特徴とする光学情報読取装置モジュール。
【請求項4】
前記レーザ走査デバイスの前記底面と反対側の面は前記周辺機器基板の全面の半分以下の面積を占めることを特徴とする請求項3記載の光学情報読取装置モジュール。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学情報読取装置モジュールにおいて、前記周辺機器基板に搭載される通信インタフェースが、短距離無線通信インタフェースであることを特徴とする光学情報読取装置モジュール。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の光学情報読取装置モジュールを、少なくとも1面に光透過窓を設けた筐体中に設置し、前記撮像デバイスの光通路が前記光透過窓に面するようにしたことを特徴とする光学情報読取装置。
【請求項7】
請求項3又は4に記載の光学情報読取装置モジュールを、少なくとも1面に光透過窓を設けた筐体中に設置し、前記レーザ走査デバイスの光通路が前記光透過窓に面するようにしたことを特徴とする光学情報読取装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−133448(P2007−133448A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−322933(P2005−322933)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
3.FRAM
【出願人】(391062872)株式会社オプトエレクトロニクス (70)
【Fターム(参考)】