説明

光学情報読取装置

【課題】 マーカー光用の1の回折格子プレートを用いて種々の画角の光学系を備える受光センサに対応し得る光学情報読取装置を提供する。
【解決手段】 光学情報読取装置では、QRコード等の二次元コード用に設定された画角が広い撮像範囲を投射するための回折格子プレート66を用いる。該回折格子プレート66のエリアマーカーMEのパターンを、視野絞り68のスリット68aで制限し、中心部の十字形状の中央ガイドMbのみ通過させたマーカー光Mを当てるようにすることで、刻印のダイレクトマーキングDの読み取り用等の画角の狭い光学系を備える光学情報読取装置に転用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学情報コードを読み取るための光学情報読取装置に関し、特に、読み取り位置を示すマーカー光を投射するマーカー投射器を備える光学情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、バーコードリーダや光学情報読取装置等の光学情報読取装置においては、紙や商品等に印刷された情報コード(バーコードや2次元コード)を読み取るため、LEDやレーザによる照明光を読取口から情報コードに照射しその反射光を当該読取口内の受光センサ等で受光することによって当該情報コードによる光学情報を読取可能にしている。ここで、読み取り範囲を明示するマーカー光を投射して、該マーカー光内に読み取り対象の情報コードを位置させることで、読み取りを行えるようにし、情報コードに対する位置合わせを容易にしている。
【0003】
マーカー光を投影する従来技術のマーカー投射器の構成を図9を参照して説明する。図中には、説明のためマーカー光Mを投射するマーカー投射器160の斜視図と共に、マーカー投射器160を構成するレーザダイオード162、コリメートレンズ164及び回折格子プレート166を併せて示してある。結像レンズ127及び受光センサ123に近接して配置されるマーカー投射器160は、回折格子プレート166を用いることで、受光センサ123の結像レンズ127等の光学系の画角(本明細書中で画角とは、カメラレンズの光学的中心が画面の対角をなす二点と作る角度、カメラレンズで明瞭に撮像できる範囲の角度を意味する)と合うように、マーカー光Mが広げられる。このように、回折格子プレートを用いることで、数センチ程度の近距離から、30〜50センチ程度の遠く離れた情報コードまで読み取りの際に、受光センサ123の撮像範囲とマーカー光とが一致するように構成されている。特許文献1には、フォログラムで像を投射する技術が開示されている。
【特許文献1】US6347163B2公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光学情報読取装置は、画角がそれぞれ異なり、視野の大きさが異なるため、それぞれの画角に合わせて回折格子プレートを用意する必要がある。しかしながら、画角の異なる回折格子プレートを作るためには、それぞれ専用の型を起こすことが要求され、型作りのために莫大な費用が掛かっていた。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、マーカー光用の1の回折格子プレートを用いて種々の画角の光学系を備える受光センサに対応し得る光学情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、読み取り対象に対して読み取り位置を示すためのマーカーを照射するための回折格子プレート66及び光源62を備え、情報コードを結像レンズ27及び受光センサ23を介して読み取る光学情報読取装置10において、前記回折格子プレート66の読み取り対象側に配置され、スリット66aを有しマーカー光を制限する視野絞りであって、該スリット66aにより前記マーカーの大きさ縮め、又は、形状を変える視野絞り68を備えたことを技術的特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の光学情報読取装置では、回折格子プレートを透過したマーカー光を、視野絞りのスリットで制限することで、マーカー光の大きさを縮め、又は、形状を変えるため、1の回折格子プレートを用いて種々の画角の光学系を備える受光センサに対応することができる。
【0008】
請求項2では、QRコード等の二次元コード用に設定された十字のマーカー光を、視野絞りのスリットで制限し、マーカー光の大きさを縮めることで、中心部のみにマーカー光を当てるようにして、画角の小さな光学系を備える例えば刻印のダイレクトマーキングの読み取り用の光学情報読取装置に転用することができる。また、視野絞りの横長のスリットで制限し、マーカー光を1本の横ラインに変えることで、バーコード等の一次元コード用の光学情報読取装置に転用することができる。
【0009】
請求項3では、QRコード等の二次元コード用に設定された横ラインと縦ラインとから形成されているマーカー光を、視野絞りのスリットで制限し、横ラインと縦ラインとの長さを短くして中心部のみにマーカー光を当てるようにして、画角の小さな光学系を備える例えば刻印のダイレクトマーキングの読み取り用の光学情報読取装置に転用することができる。また、視野絞りの横長のスリットで制限し、マーカー光を1本の横ラインに変えることで、バーコード等の一次元コード用の光学情報読取装置に転用することができる。
【0010】
請求項4では、QRコード等の二次元コード用に設定された横ラインと縦ラインとから形成されているマーカー光を、視野絞りの横長のスリットで制限し、マーカー光を1本の横ラインに変えることで、バーコード等の一次元コード用の光学情報読取装置に転用することができる。縦ラインが横ラインに対して離されて形成されているため、縦ラインのみを視野絞りの横長のスリットで容易に消すことが可能である。
【0011】
請求項5では、重心が一致して、2辺が互いに平行になる複数の大きさの異なる四角形を備えるマーカー光を、視野絞りのスリットで制限し、マーカー光の大きさを縮め内側の四角形のマーカー光のみ照射するようすることで、画角の小さな光学系の受光センサを備える光学情報読取装置に転用することができる。また、視野絞りの横長のスリットで制限し、マーカー光を1本の横ラインに変えることで、バーコード等の一次元コード用の光学情報読取装置に転用することができる。
【0012】
請求項6では、格子状のマーカー光を、視野絞りのスリットで制限し、マーカー光の大きさを縮め内側の格子(四角形)のマーカー光のみ照射するようすることで、画角の小さな光学系の受光センサを備える光学情報読取装置に転用することができる。また、視野絞りの横長のスリットで制限し、マーカー光を1本の横ラインに変えることで、バーコード等の一次元コード用の光学情報読取装置に転用することができる。
【0013】
請求項7では、中央の横ラインと、該横ラインから離されて配置され、横ラインと平行な長辺を有し、該横ラインに対して対称に配置された2つの四角形と、該四角形の2辺にそれぞれ平行で、該四角形を区画する2本以上の直線とから形成されているマーカー光を、視野絞りのスリットで制限し、マーカー光の大きさを縮め内側のみ照射するようすることで、画角の小さな光学系の受光センサを備える光学情報読取装置に転用することができる。また、視野絞りの横長のスリットで制限し、マーカー光を1本の横ラインに変えることで、バーコード等の一次元コード用の光学情報読取装置に転用することができる。中央の横ラインに対して四角形が離されて形成されているため、四角形及び該四角形を区画する直線を視野絞りの横長のスリットで容易に消すことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。まず、第1実施形態に係る光学情報読取装置10の構成概要を図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示すように、光学情報読取装置10は、丸みを帯びた薄型のほぼ矩形箱状なすハウジング本体11と、このハウジング本体11の下面ほぼ中央後端寄りにハウジング本体11に一体に形成されるグリップ部12と、からなるガンタイプのハウジングを備えている。このグリップ部12は、作業者が片手で把持可能な程度の外径に設定されており、当該グリップ部12を握った作業者の人差し指が当接する部位に、後述する照明光Lfやマーカー光Mの出射を指示するトリガースイッチ14が設けられている。
【0015】
ハウジング本体11の内部には、後述する回路部20が収容されており、またハウジング本体11の先端部には、照明光Lfの出射する発光ダイオード21が配置され、反射光Lrの入射を可能にする読取口11aが形成されている。なお、図1には、回路部20を構成するプリント配線板15,16や、このプリント配線板16に実装される受光センサ23、結像レンズ27、マーカー光Mを投射するマーカー投射器60等が図示されている。
【0016】
図2に示すように、回路部20は、主に、マーカー投射器60、発光ダイオード21、受光センサ23、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されており、前述したプリント配線板15,16に実装あるいはハウジング本体11内に内装されている。
【0017】
光学系は、マーカー投射器60、発光ダイオード21、受光センサ23、結像レンズ27等から構成されている。第1実施形態で発光ダイオード21は、ハウジング本体11の読取口11aを介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。なお、この読取対象物Rには、刻印のダイレクトマーキング(ドットインパクトダイレクトマーキング)からなる情報コードDが形成されている。
【0018】
受光センサ23は、読取対象物Rや情報コードDに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を100万個オーダでm行n列の2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ23の受光面23aは、ハウジング本体11外から読取口11aを介して外観可能に位置しており、受光センサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光をこの受光面23aで受光可能にプリント配線板16に実装されている。
【0019】
結像レンズ27は、外部から読取口11aを介して入射する入射光を集光して受光センサ23の受光面23aに像を結像可能な結像光学系として機能するもので、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとにより構成されている。本実施形態では、発光ダイオード21から照射された照明光Lfが情報コードDに反射して読取口11aに入射する反射光Lrを集光することにより、受光センサ23の受光面23aにコード像を結像可能にしている。
【0020】
図3(A)は、マーカー投射器60の構成を示す説明図であり、図3(B)は、第1実施形態のマーカー光Mの視野絞り68による制限を示す説明図である。図4(A)は、回折格子プレート66によるエリアマーカーMEのパタンを示す説明図であり、図4(B)は、視野絞り68により制限されたマーカー光Mのパターンを示す説明図である。マーカー投射器60は、照射光Lfの照射可能範囲内の所定位置を示し得るマーカー光Mを発光するもので、図3(A)に示すようにレーザダイオード62とこのレーザダイオード62の出射側に設けられるコリメートレンズ64、エリアマーカーMEのガイドパターンを形成可能な回折格子プレート66、図3(B)中に示すように中央部に円形のスリット68aの設けられた視野絞り68等とから構成されている。
【0021】
第1実施形態の回折格子プレート66は、主としてQRコード等の読み取り用に相対的に広い撮像視野(照射可能範囲内の所定位置:広い画角)が撮像可能な光学系を備える受光センサ用に設計されたもので、図4(A) に示すように、エリアマーカーMEのガイドパターンは、受光センサの撮像視野E1の四隅を示す4つのL字形状の視野ガイドMaと、当該撮像視野のほぼ中央を示す十字形状の中央ガイドMbと、各視野ガイドMa間の中間を示すT字形状の中間ガイドMdと、から構成されている。これにより、読取対象物に向けて当該エリアマーカーMEが照射されると、当該読取対象物の表面には、4つの視野ガイドMaとその中央を示す中央ガイドMbとが映し出されるので、これらの視野ガイドMaで囲まれた範囲内、つまり撮像視野内に読取ターゲットとなる2次元コードQを位置決めできる。
【0022】
第1実施形態の光学情報読取装置では、図4(A)を参照して上述したQRコード用の広い撮像視野用のエリアマーカーMEを投射する回折格子プレート66を用いて、図4(B)に示すように、エリアマーカーMEの中央の十字形状中央ガイドMbから成るマーカー光Mを照射し、相対的に狭い撮像視野(狭い画角)E2の結像レンズ27及び受光センサ23等から成る光学系を用いてダイレクトマーキングDを読み取る。このため、図3(B)に示すように、回折格子プレート66により投影されるエリアマーカーMEの中央部のみを、視野絞り68の円形のスリット68aにより通過させ、十字形状の中央ガイドMbからなるマーカー光Mを投射する。
【0023】
次に、図2に戻ってマイコン系の構成概要を説明する。マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、その名の通り、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40およびメモリ35と中心に構成されるもので、前述した光学系によって撮像されたコード像の画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。また制御回路40は、当該光学情報読取装置10の全体システムに関する制御も行っている。
【0024】
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されて蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0025】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。またROMには、画像処理プログラムの他、マーカー投射器60、発光ダイオード21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0026】
制御回路40は、光学情報読取装置10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、第1実施形態の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等を接続されている。これにより、例えば、電源スイッチ41や操作スイッチ42の監視や管理、またインジケータとして機能するLED43の点灯・消灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、さらには読み取った情報コードDによるコード内容を画面表示可能な液晶表示器46の画面制御や外部機器とのシリアル通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御等を可能にしている。なお、操作スイッチ42には、前述のトリガースイッチ14が含まれている。
【0027】
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な2次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。
【0028】
このように光学情報読取装置10を構成することによって、例えば、電源スイッチ41がオンされて所定の自己診断処理等が正常終了し、作業者が、トリガースイッチ14を押圧しオンにすると、制御回路40が同期信号を基準に発光ダイオード21、及び、マーカー投射器60に発光信号を出力する。これにより、当該発光信号を受けた発光ダイオード21は照明光Lfを照射し、マーカー投射器60はマーカー光Mを投射するため、マーカー光Mで位置合わせされ当該撮像視野内に位置する情報コードDに照明光Lfが照射されてその反射光Lrが読取口11aを介して結像レンズ27に入射する。このため、受光センサ23の受光面23aには、結像レンズ27によりコード像が結像され、それぞれの像が受光センサ23の受光素子に対して露光可能となる。
【0029】
第1実施形態の光学情報読取装置では、QRコード等の二次元コード用に設定された画角が広い撮像範囲を投射するための回折格子プレート66を用いる。該回折格子プレート66のエリアマーカーMEのパタンを、視野絞り68のスリット68aで制限し、中心部の十字形状の中央ガイドMbのみ通過させたマーカー光Mを当てるようにすることで、刻印のダイレクトマーキングDの読み取り用等の画角の狭い光学系を備える光学情報読取装置10に当該回折格子プレート66を転用できる。
【0030】
[第2実施形態]
引き続き、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、図4(A)を参照して上述したように、受光センサの撮像視野の四隅を示すエリアマーカーMEを投射する回折格子プレートを用いた。これに対して、第2実施形態では、図5(A)に示すようにマーカー光Mのパターンは十字で形成され、縦ラインMvは、横ラインMhに対して離されて形成されている。図5(A)中に示すマーカー光Mは、視野絞り68の矩形形状のスリット68bによって投射されるものである。
【0031】
図5(B)は、図5(A)よりも小さな矩形形状のスリット68cによって投射されるマーカー光Mの形状を示している。スリット68cの大きさに応じて、マーカー光Mが図5(A)と比較して小さくなっている。
【0032】
図5(C)は、横線からなる線状スリット68dによって投射されるマーカー光Mの形状を示している。スリット68dを通過した横ラインMhによってマーカー光Mが形成されている。
【0033】
第2実施形態では、図5(A)に示すQRコード等の二次元コード用に設定された十字のマーカー光Mを、図5(B)に示す視野絞り68の小型スリット68cで制限し、マーカー光の大きさを縮めることで、中心部のみにマーカー光を当てるようにして、画角の小さな光学系を備える例えば、刻印のダイレクトマーキングの読み取り用の光学情報読取装置に転用することができる。また、図5(C)に示すように視野絞りの線状スリット68dで制限し、マーカー光を1本の横ラインMhに変えることで、バーコード等の一次元コード用の光学情報読取装置に転用することができる。また、第2実施形態では、縦ラインMvが横ラインMhに対して離されて形成されているため、縦ラインMvのみを視野絞りの横長のスリット68dで容易に消すことが可能である。
【0034】
[第2実施形態の改変例]
図6(A1)及び図6(B1)は、第2実施形態の改変例に係るマーカー光Mのパターンを示している。第2実施形態の改変例では、第2実施形態の十字のマーカーパターンに加えて、複数の縦ラインMvが設けられている。このため、図6(A2)、図6(B2)に示すように、小さな矩形形状のスリットによって投射されるマーカー光Mの形状が小さくした際に、十字パターンよりも撮像視野の4角を分かり易く指示することができる。
【0035】
[第3実施形態]
図6(C)は、第3実施形態に係るマーカー光Mのパターンを示している。第3実施形態のマーカー光Mのパターンは、複数本の横ラインMhと、複数本の縦ラインMvから形成されている。
【0036】
第3実施形態では、QRコード等の二次元コード用に設定された複数本の横ラインMhと縦ラインMvとから形成されているマーカー光Mを、視野絞りのスリットで制限し、横ラインMhと縦ラインMvとの長さを短くして中心部のみにマーカー光を当てるようにして、画角の小さな光学系を備える例えば刻印のダイレクトマーキングの読み取り用の光学情報読取装置に転用することができる。また、視野絞りの横長のスリットで制限し、マーカー光を1本の横ラインに変えることで、バーコード等の一次元コード用の光学情報読取装置に転用することができる。特に、縦ラインMvが中央の横ラインMhに対して離されて形成されているため、縦ラインMvのみを視野絞りの横長の線状スリットで容易に消すことが可能である。
【0037】
[第4実施形態]
図7(A)、図7(B)、図7(C)は、第4実施形態の掛かるマーカー光Mのパターンを示している。
第4実施形態では、マーカー光Mのパターンが、中央の横ラインMh及び縦ラインMvに加えて、重心が一致して、2辺が互いに平行になる複数の大きさの異なる四角形Msを備える。第4実施形態では、複数の大きさの異なる四角形Msを、視野絞りのスリットで制限し、マーカー光の大きさを縮め内側の四角形Msのみ照射するようすることで、画角の大きな光学系用の回折格子プレートを画角の小さな光学系の受光センサを備える光学情報読取装置に転用することができる。また、視野絞りの横長の線状スリットで制限し、マーカー光を1本の中央横ラインMhに変えることで、バーコード等の一次元コード用の光学情報読取装置に転用することができる。
【0038】
[第4実施形態の改変例]
図7(D)、図7(E)は、第4実施形態の改変例に係るマーカー光Mのパターンを示している。第4実施形態の改変例では、四角形Msが、中央の横ラインMhと離れるように形成されている。第4実施形態の改変例でも、第4実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0039】
[第5実施形態]
図7(F)は、第5実施形態のマーカー光Mのパターンを示している。第5実施形態では、マーカー光Mの縦ラインMvと横ラインMhとが格子状に配置されている。第5実施形態では、格子状Mのマーカー光を、視野絞りのスリットで制限し、マーカー光の大きさを縮め内側の格子(四角形)のマーカー光のみ照射するようすることで、画角の大きな光学系用の回折格子プレートを画角の小さな光学系の受光センサを備える光学情報読取装置に転用することができる。また、視野絞りの横長の線状スリットで制限し、マーカー光を1本の横ラインに変えることで、バーコード等の一次元コード用の光学情報読取装置に転用することができる。
【0040】
[第6実施形態]
図8(A)、図8(B)、図8(C)は、第6実施形態のマーカー光Mのパターンを示している。第6実施形態では、マーカーのパターンは、中央の横ラインMchと、該横ラインMchから離されて配置され、横ラインMchと平行な長辺を有し、該横ラインに対して対称に配置された2つの四角形Msと、該四角形Msの2辺にそれぞれ平行で、該四角形を区画する縦ラインMv、横ラインMhとから成る。
【0041】
第6実施形態では、マーカー光を、視野絞りのスリットで制限し、マーカー光の大きさを縮め内側のみ照射するようすることで、画角の大きな光学系用の回折格子プレートを画角の小さな光学系の受光センサを備える光学情報読取装置に転用することができる。また、視野絞りの横長の線状スリットで制限し、マーカー光を1本の横ラインに変えることで、バーコード等の一次元コード用の光学情報読取装置に転用することができる。中央の横ラインMchに対して四角形Msが離されて形成されているため、四角形Ms及び該四角形を区画する縦ラインMv、横ラインMhを視野絞りの横長の線状スリットで容易に消すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光学情報読取装置のハウジング等の構成概要を示す部分縦断面図である。
【図2】第1実施形態に係る光学情報読取装置の回路部の構成概要を示すブロック図である。
【図3】図3(A)は、マーカー投射器の構成を示す説明図であり、図3(B)は、第1実施形態のマーカー光Mの視野絞りによる制限を示す説明図である。
【図4】図4(A)は、回折格子プレートによるエリアマーカーMEのパタンを示す説明図であり、図4(B)は、視野絞りにより制限されたマーカー光Mのパターンを示す説明図である。
【図5】第2実施形態のマーカー光形状及び視野絞りのスリットを示す説明図である。
【図6】図6(A1)、図6(A2)、図6(B1)、図6(B2)は、第2実施形態のマーカー光Mのパタンを示す説明図であり、図6(C1)、図6(C2)は、第3実施形態のマーカー光Mのパタンを示す説明図である。
【図7】図7(A)、図7(B)、図7(C)は、第4実施形態のマーカー光Mのパタンを示す説明図であり、図7(D)、図7(E)は、第4実施形態の改変例に係るマーカー光Mのパタンを示す説明図であり、図7(F)は、第5実施形態に係るマーカー光Mのパターンを示す説明図である。
【図8】図8(A)、図8(B)、図8(C)は、第6実施形態のマーカー光Mのパタンを示す説明図である。
【図9】従来技術のマーカー投射器の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0043】
10…光学情報読取装置(光学情報読取装置)
21…発光ダイオード
23…受光センサ
27…結像レンズ
60…マーカー投射器
62…レーザダイオード
64…コリメートレンズ
66…回折格子プレート
68…視野絞り
68a、68b、68c、68d…スリット
M…マーカー光
D…2次元コード(情報コード)
E1、E2…撮像範囲(撮像画像)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読み取り対象に対して読み取り位置を示すためのマーカーを照射するための回折格子プレート及び光源を備え、情報コードを結像レンズ及び受光センサを介して読み取る光学情報読取装置において、
前記回折格子プレートの読み取り対象側に配置され、スリットを有しマーカー光を制限する視野絞りであって、該スリットにより前記マーカーの大きさ縮め、又は、形状を変える視野絞りを備えたことを特徴とする光学情報読取装置。
【請求項2】
前記マーカーのパターンは十字で形成されていることを特徴とする請求項1の光学情報読取装置。
【請求項3】
前記マーカーのパターンは、少なくとも1本の横ラインと、少なくとも1本の縦ラインから形成されていることを特徴とする請求項1の光学情報読取装置。
【請求項4】
前記縦ラインは、前記横ラインに対して離されて形成されていることを特徴とする請求項3の光学情報読取装置。
【請求項5】
前記マーカーのパターンは、更に、重心が一致して、2辺が互いに平行になる複数の大きさの異なる四角形を備えることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1の光学情報読取装置。
【請求項6】
前記マーカーのパターンは格子状に形成されていることを特徴とする請求項1の光学情報読取装置。
【請求項7】
前記マーカーのパターンは、中央の横ラインと、
該横ラインから離されて配置され、横ラインと平行な長辺を有し、該横ラインに対して対称に配置された2つの四角形と、
該四角形の2辺にそれぞれ平行で、該四角形を区画する2本以上の直線とから形成されていることを特徴とする請求項1の光学情報読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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