説明

光学検出装置

【課題】簡便な光学系を備え、複数種類のマイクロチップに対しての汎用性を備え得る光学検出装置の提供。
【解決手段】検出対象物質が導入される複数の領域51が形成され、各領域51の所定箇所に、照射される光を検出対象物質に集光し、かつ検出対象物質から発せされる光を集光する光学レンズ52がそれぞれ配設されたマイクロチップ5と、光源1からの光を、全ての光学レンズ52に対して一括照射する光照射系と、検出対象物質から発せされ、各光学レンズ52により集光された光を、それぞれ独立に、かつ一括して検出する光検出系と、を備える光学検出装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学検出装置に関する。より詳しくは、マイクロチップ上に配設された複数の領域に物質を導入し、該物質を光学的に検出する光学検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体産業における微細加工技術を応用し、シリコンやガラス製の基板上に化学的及び生物学的分析を行うためのウェルや流路を設けたマイクロチップが開発されてきている。これらのマイクロチップは、例えば、液体クロマトグラフィーの電気化学検出器や医療現場における小型の電気化学センサなどに利用され始めている。
【0003】
このようなマイクロチップを用いた分析システムは、μ−TAS(micro-Total-Analysis System)やラボ・オン・チップ、バイオチップ等と称され、化学的及び生物学的分析の高速化や高効率化、集積化あるいは分析装置の小型化を可能にする技術として注目されている。
【0004】
μ−TASは、少量の試料で分析が可能なことや、マイクロチップのディスポーザブルユーズ(使い捨て)が可能なことから、特に貴重な微量試料や多数の検体を扱う生物学的分析への応用が期待されている。
【0005】
μ−TASの応用例として、マイクロチップ上に配設された複数の領域内に物質を導入し、該物質を光学的に検出する光学検出装置がある。このような光学検出装置としては、マイクロチップ上の流路内で複数の物質を電気泳動により分離し、分離された各物質を光学的に検出する電気泳動装置や、マイクロチップ上のウェル内で複数の物質間の反応を進行させ、生成する物質を光学的に検出する反応装置(例えば、リアルタイムPCR装置)などがある。
【0006】
例えば、特許文献1には、「被分析試料を含む流体が流動可能な複数の分析流路と、前記複数の分析流路の全てと交差するように設けられた光導波路と、前記光導波路に光を供給する励起用光源と、前記光導波路を通して前記励起用光源からの前記光を前記複数の分析流路内に導いた際に当該複数の分析流路内において発せられた蛍光を検出する複数の光検出器と、からなることを特徴とする電気泳動装置」が開示されている。この電気泳動装置では、複数の分析流路と光導波路はマイクロチップに、複数の光検出器はチップを支持するプラットフォームに、それぞれ設けられている(当該文献図1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−47150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来、マイクロチップを用いた電気泳動装置や反応装置などの光学検出装置では、マイクロチップ上に配設された複数の領域に対して、光源あるいは光検出器の少なくとも一方を複数設けたものが一般的である。例えば、上記特許文献1に開示される電気泳動装置では、複数の分析流路に対して一つの光導波路により光を照射できるものの、分析流路内からの発せられる蛍光の検出は、各分析流路に対して個別に設けられた複数の光検出器により行っている。
【0009】
このように、マイクロチップ上に配設された複数の領域に対して、複数の光源あるいは光検出器を設けた場合、装置の大型化や高コスト化の要因となっていた。また、マイクロチップ上の領域の配設位置によって、光源からの光の照射位置や光検出器の位置などが決定されるため、マイクロチップとこれを搭載可能な装置との関係に制限があり、複数種類のマイクロチップに対して汎用性がある装置を構成することは難しかった。
【0010】
そこで、本発明は、簡便な光学系を備え、複数種類のマイクロチップに対しての汎用性を備え得る光学検出装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題解決のため、本発明は、検出対象物質が導入される複数の領域が形成され、各領域の所定箇所に、照射される光を検出対象物質に集光し、かつ検出対象物質から発せされる光を集光する光学レンズがそれぞれ配設されたマイクロチップと、光源からの光を、全ての光学レンズに対して一括照射する光照射系と、検出対象物質から発せされ、各光学レンズにより集光された光を、それぞれ独立に、かつ一括して検出する光検出系と、を備える光学検出装置を提供する。
この光学検出装置において、前記光検出系は、前記検出対象物質から発せされ、前記各光学レンズにより集光された光を、波長域を選択して透過させる第一の光学フィルタと、該光を、出射角度を制限して透過させる第二の光学フィルタと、第一及び第二の光学フィルタを透過した光を、それぞれ独立に、かつ一括して検出するエリアセンサと、を含んで構成されることが好ましい。この場合、前記エリアセンサは、CCDセンサあるいはCMOSセンサとすることが好適となる。
また、この光学検出装置において、前記領域及び前記光学レンズは、各光学レンズが前記光源からの光の照射領域内に密に配列するように各領域の所定箇所に配設され、前記光照射系が、前記光源からの光を平行光とするコリメータレンズを含んで構成される場合には、各光学レンズが平行光の照射領域内に密に配列するように各領域の所定箇所に配設されていることが好ましい。
さらに、この光学検出装置において、前記光学レンズは、マイクロチップと一体的に成形されて前記各領域の所定箇所に配設されていることが好適となる。
この光学検出装置は、前記領域を、前記検出対象物質が電気泳動される流路とし、電気泳動解析装置として好適に用いられ得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、簡便な光学系を備え、複数種類のマイクロチップに対しての汎用性を備え得る光学検出装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る光学検出装置の構成を説明するための模式図である。(A)は上面図、(B)は側面図を示す。
【図2】マイクロチップ5の構成を説明するための斜視模式図である。
【図3】本発明に係る光学検出装置の光検出系の変形例を説明するための側面模式図である。
【図4】マイクロチップ5の成形方法の一例を説明する断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0015】
1.光学検出装置の光学系構成
図1に、本発明に係る光学検出装置の構成を示す。(A)は上面模式図、(B)は側面模式図を示す。本発明に係る光学検出装置Aは、大略、光源1及びコリメータレンズ2、光学フィルタ3,4,6及びエリアセンサ7を含んでなる光学系と、複数の流路51が形成されたマイクロチップ5と、から構成されている。さらに、光学系は、光源1からの光をマイクロチップ5の所定領域に導光する、光源1及びコリメータレンズ2、光学フィルタ3,4を含んでなる光照射系と、マイクロチップ5の所定領域からの光をエリアセンサ7に導光する、光学フィルタ4,6及びエリアセンサ7を含む光検出系と、に分けられる。光学検出装置Aは、マイクロチップ5の流路51に導入される検出対象物質に光を照射し、発生する光を検出することにより、該物質の検出、測定あるいは分析等を行うものである。
【0016】
また、図2には、マイクロチップ5の構成を示す。マイクロチップ5には、検出対象物質が導入される複数の流路51が形成されている。流路51は、内部に検出対象物質を導入するための不図示の供給口と、必要に応じて検出対象物質を外部に排出するための不図示の排出口を有する。各流路51の所定箇所には、光源1からの照射される光を、内部に導入された検出対象物質に集光し、かつ、光の照射によって検出対象物質から発せられる光を集光する光学レンズ52が配設されている。
【0017】
以下、光学検出装置Aの構成を、光源から発せられた光の進行方向に従って順に説明する。
【0018】
まず、光源1からの光は、コリメータレンズ2により平行光とされる。光源1は、特に限定されないが、発せられる光の指向性や収束性が良好なものが望ましく、好適には半導体レーザ(LD)光源又は発光ダイオード(LED)光源が用いられる。LD光源やLED光源では、照射光(レーザ光)の高速かつ高精度なエネルギー制御が可能である。
【0019】
コリメータレンズ2により平行光とされ、光学フィルタ3を透過した光は、光学フィルタ4により反射され、マイクロチップ5の所定領域(図2中、点線で囲った領域R参照)に照射される。光学フィルタ3は、光源1からの光を、波長域を選択して透過させる波長フィルタである。光学フィルタ3は、検出対象物質及びその励起波長に応じて適当な透過波長域を有するものが用いられる。光学フィルタ4は、光源1からの光を反射し、かつ、マイクロチップ5の流路51内の検出対象物質から発生する光を波長選択的に透過させるミラーである。なお、光学検出装置Aにおいて、光学フィルタ3は必須の構成とはならないものとする。
【0020】
光学フィルタ4により反射された平行光の照射領域(領域Rに対応)内には、光学レンズ52が配列されており、平行光は、全ての光学レンズ52に対し一括して照射される。なお、ここでは、マイクロチップ5上に8つの流路51を形成し、光学レンズ52を各流路51に一つずつ設けて平行光の照射領域Rに配設する場合を説明した。マイクロチップ5上に形成される流路51の数は、特に限定されないものとする。また、各流路51に形成される光学レンズ52の数は、特に限定されず、例えば、各流路51の異なる2以上の位置にそれぞれ光学レンズ52を設けてもよい。ただし、各流路51に設けられた光学レンズ52は、全て平行光の照射領域R内に配列されていることが必要である。
【0021】
光学レンズ52に照射された光は、流路51に導入された検出対象物質に対して集光される。この光の照射により、検出対象物質から光が発生する。発生する光は、検出対象物質が、照射される光を励起光として励起されることによって放射する蛍光とすることができる。検出対象物質の励起のため、照射される光の波長域は、検出対象物質の励起波長に応じて適当な波長域とされる。なお、照射される光の波長域は、上述の光学フィルタ3によって選択できる。
【0022】
検出対象物質から発生した光(蛍光)は、光学レンズ52によって集光され、光学フィルタ4及び光学フィルタ6を透過して、エリアセンサ7に導光され、検出される。なお、光学フィルタ4は、上述の通り、検出対象物質から発生する光を波長選択的に透過させるものである。検出対象物質から発生する光を波長選択的に透過させる機能は、光学フィルタ6に付与してもよい。あるいは、光学フィルタ4とエリアセンサ7との間に、光学フィルタ6とは別個の光学フィルタを配置し、検出対象物質から発生する光の波長を選択させてもよい。
【0023】
エリアセンサ7は、CCDセンサあるいはCMOSセンサとされ、各流路51内の検出対象物質から発生し、各光学レンズ52により集光された蛍光を、それぞれ独立に、かつ一括して検出し、電気信号へと変換する。光学検出装置Aは、エリアセンサ7からの電気信号に基づいて、各流路51内の検出対象物質の検出や、定量等の分析を行う。
光学検出装置Aは、一例として、分離材を充填した流路51に検出対象物質を導入し、流路51の両端間に電圧を印加することにより分離される検出対象物質を検出するための電気泳動解析装置として好適に応用される。この場合、流路51内を移動し、光学レンズ52の配設位置を順次通過する検出対照物質が、光学系によって検出される。
【0024】
エリアセンサ7は、光学レンズ52により集光された蛍光を、2次元で検出するため、それぞれの蛍光強度を個別に、かつ一度に検出することができるが、この際、光学レンズ52からエリアセンサ7に導光される蛍光同士が互いに干渉すると、蛍光強度の検出信号にクロストークが発生する。
【0025】
これを防止するため、光学検出装置Aの光検出系では、光学レンズ52とエリアセンサ7との間に、光学レンズ52により集光され、出射されてくる光の出射角度(あるいは進行角度)を制限して透過させるための光学フィルタ6を配置している。光学フィルタ6は、入射する光の中から規定角度で入射する光のみを透過させて、それ以外の光を遮断する角度フィルタであり、光学レンズ52から出射される光のうち、エリアセンサ7の検出面に垂直に入射する光のみを透過させる。この光学フィルタ6により、光学レンズ52からエリアセンサ7に導光される蛍光同士が互いに交差し、干渉することを排除できる。
【0026】
光学フィルタ6の配設位置は、光学レンズ52とエリアセンサ7との間であれば特に限定されず、光学レンズ52と波長フィルタ4との間に配設してもよい。光学フィルタ6を光学レンズ52に近接した位置に配置するほど、光学レンズ52からの出射光の出射角度を制限する効果を高めることができる。また、図3に示すように、光学レンズ52と波長フィルタ4との間に光学フィルタ62を、波長フィルタ4とエリアセンサ7との間に光学フィルタ61を配し、それぞれにおいてエリアセンサ7の検出面に入射する光の進行方向を制限することで、エリアセンサ7に導光される蛍光同士の干渉を一層確実に防止することができる。
【0027】
また、エリアセンサ7に導光される蛍光同士の干渉を防止するためには、マイクロチップ5上における光学レンズ52同士の配設間隔を、500μm以上とすることが有効となる。さらに、光学レンズ52の直径は、300μm〜1.5mm程度とすることが好ましい。
【0028】
このように、光学検出装置Aでは、マイクロチップ5上の所定領域Rに配列された複数の光学レンズ52に一括して光照射を行い、各流路51内の検出対象物質から発生した蛍光をエリアセンサ7によって一括して検出する構成とされている。そのため、一つの光源と一つの光検出器によって、マイクロチップ上に配設された複数の流路51内の検出対象物質の検出を行うことが可能である。従って、光学検出装置Aでは、光学系を非常に簡便に構成できる。
【0029】
さらに、光学検出装置Aでは、光学レンズ52が、光学フィルタ4により反射された平行光の照射領域R内に配列されている限り、各流路51内の検出対象物質から発生した蛍光をそれぞれ独立に検出できる。そのため、マイクロチップ5上での流路51の配設位置や光学レンズ52の配設位置は、チップ上における光の照射領域R内において任意に設定することが可能である。従って、光学検出装置Aでは、マイクロチップ5上での流路51の配設位置や光学レンズ52の配設位置を、照射領域R内において種々に設計した複数種類のマイクロチップ5を用いて、分析を行うことができる。
【0030】
この場合、光学レンズ52は、チップ上における光の照射領域R内において、上述した配設間隔を維持する範囲で可能な限り密に配列されるように、流路51の配設位置や光学レンズ52の配設位置を設計することが好ましい。これにより、一度により多くの検出対象物質の検出を行うことができる。
【0031】
2.マイクロチップの成形方法
光学レンズ52は、流路51を構成する基板層上に、基板層とは別部材として、各流路51の所定箇所に配設することもできるが、好ましくは、基板層と一体に成形されて配設される。
【0032】
図4に、マイクロチップ5の成形方法の一例を示す。
【0033】
マイクロチップ5の材質は、ガラスや各種プラスチック(PP,PC,COP、PDMS)とすることができる。マイクロチップ5の材質は、光透過性を有し、自家蛍光が少なく、波長分散が小さいために光学誤差の少ない材質を選択することが好ましい。
【0034】
マイクロチップの光透過性を維持するため、その表面には光ディスクに用いられる、いわゆるハードコート層を積層することが望ましい。マイクロチップの表面、特に光学検出部表面に指紋等の汚れが付着すると、透過光量が減少して、光学分析精度が低下するおそれがある。マイクロチップの表面に透明性及び防汚性に優れたハードコート層を積層することで、このような分析精度の低下を防止できる。
【0035】
ハードコート層は、通常使用されるハードコート剤を用いて製膜でき、例えば、フッ素系又はシリコン系防汚添加剤等の指紋付着防止剤を添加したUV硬化型ハードコート剤等を使用して製膜できる。特開2003−157579号公報には、ハードコード剤として、活性エネルギ線によって重合しうる重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(A)、メルカプト基を有する有機基と加水分解性基または水酸基とがケイ素原子に結合しているメルカプトシラン化合物で表面修飾された平均粒径1〜200nmの修飾コロイド状シリカ(B)、および、光重合開始剤(C)を含む活性エネルギ線硬化性組成物(P)が開示されている。
【0036】
マイクロチップ5に配設される流路51や光学レンズ52、不図示の供給口や排出口等の成形は、ガラス製基板層のウェットエッチングやドライエッチングによって、またプラスチック製基板層のナノインプリントや射出成型、切削加工によって行うことができる。そして、図4に示すように、光学レンズ52を形成した基板層5aと、流路51等を形成した基板層5bと、を貼り合せることで、マイクロチップ5を形成することができる。基板層の貼り合せは、例えば、熱融着、接着剤、陽極接合、粘着シートを用いた接合、プラズマ活性化結合、超音波接合等の公知の手法により行うことができる。
【0037】
このように、光学レンズ52を、流路51を構成する基板層5a,5bと一体に成形して配設することで、各流路51に対する光学レンズ52の位置決めを容易かつ正確に行うことができる。光学レンズ52は、球面又は非球面レンズとでき、回折型レンズ(フレネルレンズ)とすることが好適である。
【0038】
なお、上記では、マイクロチップ5上に形成され、検出対象物質が導入される領域を、流路51として説明したが、この領域は、ウェルなどの任意形状とされたものであってよい。
【0039】
また、上記では、光検出装置Aを、分離材を充填した流路51に検出対象物質を導入し、流路51の両端間に電圧を印加することにより検出対象物質を分離して検出する電気泳動解析装置として説明した。しかし、光検出装置Aは、マイクロチップ上のウェル内で複数の物質間の反応を進行させ、生成する物質を光学的に検出する反応装置(例えば、リアルタイムPCR装置)などとしても好適に応用が可能である。リアルタイムPCR装置とする場合、PCR反応を進行させるための温度制御手段を設け、各ウェルに配設された光学レンズ52を介して、ウェル内部で増幅される核酸鎖を光学系に検出する。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係る光学検出装置は、光学系を非常に簡便に構成でき、搭載可能なマイクロチップの設計に一定の幅を持たせることができる。そのため、本発明に係る光学検出装置は、電気泳動装置や反応装置として応用され、装置の低コスト化と汎用性の向上に寄与し得る。
【符号の説明】
【0041】
1 光源
2 コリメータレンズ
3 光学フィルタ
4 光学フィルタ(第一の光学フィルタ)
5 マイクロチップ
5a,5b 基板層
51 流路
52 光学レンズ
6,61,62 光学フィルタ(第二の光学フィルタ)
7 エリアセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象物質が導入される複数の領域が形成され、
各領域の所定箇所に、照射される光を検出対象物質に集光し、かつ検出対象物質から発せされる光を集光する光学レンズがそれぞれ配設されたマイクロチップと、
光源からの光を、全ての光学レンズに対して一括照射する光照射系と、
検出対象物質から発せされ、各光学レンズにより集光された光を、それぞれ独立に、かつ一括して検出する光検出系と、を備える光学検出装置。
【請求項2】
前記光検出系は、前記検出対象物質から発せされ、前記各光学レンズにより集光された光を、波長域を選択して透過させる第一の光学フィルタと、
該光を、出射角度を制限して透過させる第二の光学フィルタと、
第一及び第二の光学フィルタを透過した光を、それぞれ独立に、かつ一括して検出するエリアセンサと、を含んで構成される請求項1記載の光学検出装置。
【請求項3】
前記エリアセンサは、CCDセンサあるいはCMOSセンサである請求項2記載の光学検出装置。
【請求項4】
前記領域及び前記光学レンズは、各光学レンズが前記光源からの光の照射領域内に密に配列するように、各領域の所定箇所に配設されている請求項3記載の光学検出装置。
【請求項5】
前記光照射系は、前記光源からの光を平行光とするコリメータレンズを含んで構成され、
前記領域及び前記光学レンズは、各光学レンズが平行光の照射領域内に密に配列するように、各領域の所定箇所に配設されている請求項4記載の光学検出装置。
【請求項6】
前記光学レンズは、マイクロチップと一体的に成形されて前記各領域の所定箇所に配設されている請求項5記載の光学検出装置。
【請求項7】
前記領域は、前記検出対象物質が電気泳動される流路であり、電気泳動解析装置として構成された請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−158419(P2011−158419A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21959(P2010−21959)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】