説明

光学機器

【課題】楽曲に依存しない表現の自由度を得ることができる光学機器を提供すること。
【解決手段】撮像部110と、撮像部による撮像が行われた時点の前後の音声を記録する音声録音部120と、撮像部から出力された画像データと、音声録音部から出力された音声データとを少なくとも記録するデータ記録部160と、所定の処理を行う処理部150と、画像を表示する画像表示部170と、音声を再生する音声再生部180を備え、音声録音部120は、毎回の撮影において、撮影記録開始から終了までの時間tでもって音声データを記録し、処理部150が行う所定の処理において、画像データの数をNとし、データ記録部160に記録されている楽曲データの演奏開始から終了までの時間をTとしたとき、時間TとN×tとを一致させるように、音声データ中の音に応じて、音声データの各々の時間tを変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学機器、特に音楽再生と画像再生が可能な光学機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラが普及すると共に、デジタルカメラの高機能化が進んでいる。デジタルカメラが有する各種の機能として、音声の録音再生機能も提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。そして、楽曲(例えば、BGM:バックグラウンドミュージック)に合わせて、記録した画像を再生することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2003−15641号公報
【特許文献2】特開2006−304257号公報
【特許文献3】特開2001−339682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来は、楽曲の音を基準にして画像を再生している。このため画像と音声とを再生するときの表現の自由度は、楽曲側に主として規制されてしまう。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像と楽曲とを再生するとき、楽曲に依存しない表現の自由度を得ることができる光学機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、撮像部と、撮像部による撮像が行われた時点の前後の音声を記録する音声録音部と、撮像部から出力された画像データと、音声録音部から出力された音声データとを少なくとも記録するデータ記録部と、データ記録部に記録された画像データと音声データを用いて所定の処理を行う処理部と、処理部で処理された処理結果に基づいて、画像を表示する画像表示部と、処理部で処理された処理結果に基づいて、音声を再生する音声再生部を備え、音声録音部は、毎回の撮影において、記録開始から終了までの時間tでもって音声データを記録し、音声データと画像データは関連付けられており、所定の処理において、画像データの数をNとし、データ記録部に記録されている楽曲データの演奏開始から終了までの時間をTとしたとき、時間TとN×tとを一致させるように、前記音声データのうちの一部の音声データを対象にした処理を行い、音声データの各々の時間tを変化させることを特徴とする光学機器を提供できる。
【0007】
また、本発明の好ましい態様によれば、一部の音声データは、所定の閾値により決まる領域の音声データであることが望ましい。
【0008】
また、本発明の好ましい態様によれば、一部の音声データは、前半部と後半部の少なくとも一方の領域の音声データであることが望ましい。
【0009】
また、本発明の好ましい態様によれば、一部の音声データは、2つのピークの間の領域の音声データであることが望ましい。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、処理は、音声データの伸張、音声データの圧縮、別の音声データの追加、音声データの削除のいずれかであることが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる光学機器は、画像と音声とを再生するとき、楽曲(例えば、BGM)に依存しない表現の自由度を得ることができる光学機器を提供できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、本発明にかかる光学機器の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
まず、各実施例における光学機器について、説明する。図1の(a)は、光学機器の一例であるデジタルカメラ100を示す外観を示す前方斜視図である。(b)は、デジタルカメラ100の背面図である。
【0014】
図1の(a)、(b)において、デジタルカメラ100は、撮影光学系101、ファインダー光学系103、シャッターボタン105、フラッシュ106、液晶表示モニター111、焦点距離変更ボタン108、設定変更スイッチ(不図示)等を有している。ここで、102は撮影光学系101の撮影用光路、104はファインダー光学系103のファインダー用光路を示している。
【0015】
撮影光学系101の沈胴時には、カバー107をスライドすることにより、撮影光学系101とファインダー光学系103とフラッシュ106は、カバー107で覆われる。そして、カバー107を開いてデジタルカメラ100を撮影状態に設定すると、撮影光学系101は非沈胴状態になる。デジタルカメラ100の上部に配置されたシャッターボタン105を押圧すると、それに連動して撮影光学系101を通して撮影が行われる。
【0016】
撮影光学系101によって形成された被写体像が、ローパスフィルタとカバーガラスを介してCCDの撮像面上に形成される。CCDで受光された物体像は、処理部150(図2)を介し、電子画像としてカメラ背面に設けられた液晶表示モニターに表示される。また、処理部150にはデータ記録部160(図2)が接続され、撮影された電子画像を記録することもできる。なお、データ記録部160は、処理部150と別体に設けてもよいし、フレキシブルディスクやメモリーカード、MO等により電子的に記録書込を行うように構成してもよい。
【0017】
図2は、デジタルカメラ100の主要部の内部回路の構成ブロック図である。画像撮像部110は、被写体の画像を静止画として撮像する。例えば、静止画の撮像には、上述のCCDを用いることができる。
【0018】
音声録音部120は、画像撮像部110による撮像が行われた時点の前後の音声を記録する。例えば、音声録音部120は、パーティ会場で記念撮影をしているときなどに、撮影されている人物が発している「今日は楽しかったね」等の音声を録音する。音声録音部120としては、マイクロフォンを用いることができる。ここで、音声録音部120は、毎回の撮影において、記録開始から終了までの時間tでもって音声データを記録する。また、音声データと、画像データは一対一で関連付けられている。
【0019】
楽曲取得部130は、静止画を再生表示する際、再生する楽曲(例えば、BGM)のデータを取得する。楽曲取得部130は、予めデータ記録部160内に記録されている楽曲リスト内からユーザが楽曲データを選択すること、またはデータ通信部190を介して所望の楽曲データをデジタルカメラ100とは別体の外部サーバーからダウンロードすること等で楽曲データを取得できる。
【0020】
データ記録部160は、画像撮像部110から出力された画像データと音声録音部120から出力された音声データを少なくとも記録する。
【0021】
処理部150は、データ記録部160に記録された画像データ、音声データ及び音声データ中の音に応じて所定の処理を行う。所定の処理は、画像データの数をNとし、データ記録部160に記録されている楽曲の演奏開始から終了までの時間をTとしたとき、時間TとN×tとを一致させるように、前記音声データのうちの一部の音声データを対象にした処理を行い、音声データの各々の時間tを変化させる。この処理の具体的な手順については、後述する。
【0022】
また、画像表示部170は、処理部150で処理された処理結果に基づいて、画像を表示する。音声再生部180は、処理部150で処理された処理結果に基づいて、音声を再生する。画像表示部170として、図1の(b)に示す液晶モニタ部111を用いることができる。また、音声再生部180として、図1の(b)に示すスピーカ109を用いることができる。
【0023】
次に、図3のフローチャートに基づいて、楽曲と共に静止画像を再生する手順について説明する。ステップS301において、ユーザは、データ記録部160に記録されている画像データの中から、再生表示したい複数の画像データを選択、指定する。なお、全画像や日付ごとのフォルダを指定することでも、画像データを選択や指定が可能である。
【0024】
ステップS302において、選択された複数の画像データについて、表示する順番を決める設定を行う。表示する順番としては、例えば、日付順やユーザの好みの順等がある。
【0025】
ステップS303において、ユーザは、BGMとして用いる楽曲を指定する。楽曲の指定は、上述したように、予めデータ記録部160内に記録されている楽曲リスト内からユーザが楽曲を選択すること、またはデータ通信部190を介して所望の楽曲をデジタルカメラ100とは別体の外部サーバーからダウンロードすること等で行うことができる。
【0026】
ステップS304において、指定された楽曲をBGMとして用いた場合の再生時間、すなわち、選択した静止画の各々について再生するための時間を設定する。この時間設定の詳細に関しても後述する。
【0027】
ステップS305において、静止画を再生するか、否かが判断される。ステップS305の判断結果が真(Yes)のとき、ステップS306において、静止画を再生表示する。そして、処理を終了する。また、ステップS305の判断結果が偽(No)のとき、処理を終了する。
【0028】
次に、音声データの処理について説明する。音声データの処理では、音声データのうちの一部の音声データを対象にした処理を行う。この処理の対象となる一部の音声データは、(1)所定の閾値により決まる領域の音声データ、(2)前半部と後半部の少なくとも一方の領域の音声データ、(3)2つのピークの間の領域の音声データである。
【0029】
まず、処理の対象が、所定の閾値により決まる領域の音声データの場合について、説明する。図4(a)は、音声データの様子を示す図である。ここで、横軸は時間、縦軸は音量である。また、破線が所定の閾値を示している。そして、実線で示すグラフが音声データである。ここで、細線で示す部分が所定の閾値よりも小さい音量の音声データである。一方、太線で示す部分が所定の閾値よりも大きい音量の音声データである。
【0030】
図4(a)に示す処理では、所定の閾値よりも小さい音量の音声データ、すなわち、細線で示す部分の音声データが削除される。これにより、音声データ全体を短くすることができる。なお、この一部の音声データを圧縮しても良い。これにより、音声データ全体を短くすることができる。
【0031】
あるいは、この一部の音声データの領域を伸張させても良い。これにより、音声データ全体を長くすることができる。あるいは、この一部の音声データの領域に、別の音声データを追加しても良い。これにより、音声データ全体を長くすることができる。
【0032】
なお、所定の閾値よりも大きい音量の音声データに処理を加えても良い。あるいは、2つの所定の閾値の間にある音量の音声データに処理を加えても良い。
【0033】
次に、処理の対象が、最初の領域と最後の領域の少なくとも一方の領域の音声データの場合について、説明する。図4(b)も、音声データの様子を示す図である。ここで、横軸は時間、縦軸は音量である。また、一点鎖線で示す範囲が、最初の領域(図の左側)と最後の領域(図の右側)を示している。図4(b)においても、実線で示すグラフが音声データである。ここで、細線で示す部分が、音声データにおける最初の領域、及び最後の領域である。一方、太線で示す部分が、最初の領域と最後の領域の間にある音声データである。
【0034】
図4(b)に示す処理では、最初の領域と最後の領域の少なくとも一方における音声データ、すなわち、細線で示す部分の音声データが削除される。これにより、音声データ全体を短くすることができる。なお、この一部の音声データを圧縮、伸張、別の音声データの追加に関しては、前述の通りである。
【0035】
次に、処理の対象が、2つのピークの間の領域の音声データの場合について、説明する。図4(c)も、音声データの様子を示す図である。ここで、横軸は時間、縦軸は音量である。また、一点鎖線で示す範囲が、2つのピークの間の領域を示している。ピークとは、音量が大きい部分のことを指す。図4(c)においても、実線で示すグラフが音声データである。ここで、細線で示す部分が、2つのピークの間の領域(ピークバレー)である。一方、太線で示す部分が、2つのピークの間の領域以外の領域にある音声データである。
【0036】
図4(c)に示す処理では、2つのピークの間の領域における音声データ、すなわち、細線で示す部分の音声データが削除される。これにより、音声データ全体を短くすることができる。なお、この一部の音声データを圧縮、伸張、別の音声データの追加に関しては、前述の通りである。
【実施例1】
【0037】
次に、実施例1について説明する。ここでは、図5の(a)、(b)、(c)、(d)を参照して、処理部150で行われる所定の処理について説明する。図5の(a)は、デジタルカメラ100で複数の静止画を音声データと共に記録した状態を、横軸を経過時間として表した図である。ここで、便宜のため、2つの単位時間tu及びTUを考える。図5の(a)の最も下欄に並んでいる四角形のうち、実線で示す四角一つは単位時間tuに対応している。また、破線で示す四角一つは単位時間TUに対応している。また、実線で示す四角と破線で示す四角の大きさは同じであるが、本実施例ではtu≠TUである。なお、単位ユニットという考え方を採用しなくても良い。
【0038】
本実施例では、図5の(a)に示すように、画像データPH1を10時AA分に撮像したとき、同時に音声データSD1も記録される。音声録音部120は、毎回の撮影において、記録開始から終了までの時間として、5tu(=t)でもって音声データSD1を記録する。他の音声データSD2、SD3、SD4、SD5、SD6、SD7についても、同様に時間5tuで記録されている。撮影が続行されれば、更に多くの画像データが、データ記録部160に記録されることになる。
【0039】
なお、図5の(a)では、便宜上、各画像データについてもある幅(5tu)を持たせて示している。この表示だと、5tuの間ずっと撮影され続けていることになるが、そうではなく、前述のように、取得されるのは静止画像である。すなわち、シャッターボタン105が押圧された直後に撮影は終了しているものとしている。一方、図5の(c)や(d)は、再生の様子を示す図である。よって、図示されている幅の間は、画像データの表示が行なわれていることになる。この点については、他の実施例でも同じである。もちろん、シャッターボタンが押圧された前後を音声記録時間とすることも可能である。
【0040】
次に、楽曲と共に静止画像を再生する処理について説明する。この処理には、記録済みの画像データと音声データが用いられる。本実施例では、上記の画像データPH1〜PH7、音声データSD1〜SD7が用いられる。よって、本実施例では、画像データの数はN=7となる。
【0041】
ここで、各音声データの各単位ユニットには、以下の表1に示す音量の音声が記録されている。表1では、数値が大きいほど音量が大きいことを示している。
【0042】
【表1】

【0043】
一方、図5の(b)は、BGMとして用いる楽曲(楽曲データ)の演奏開始から終了までの時間Tを示している。このような楽曲に対して、音声データSD1〜SD7の各々を、そのまま(音声データを加工せず)画像データPH1〜PH7と共に再生したとする。すなわち、単純に音声データSD1〜SD7を加算すると、図5の(c)に示すように、楽曲の演奏時間Tに対して、音声データ各々の再生時間の総和が時間Tnoだけ不足してしまう。これでは、楽曲が終了する前に、最後の画像データPH7と音声データSD7の再生が終了してしまうことになる。
【0044】
そこで、本実施例では、楽曲の演奏終了時間(時刻)と、最後の音声データSD7及び画像データPH7の再生終了時間(時刻)とを一致させるようにしている。以下、一致させる処理について説明する。
【0045】
図5の(c)から明らかなように、単純に音声データSD1〜SD7を加算すると、楽曲の演奏時間Tに対して、音声データ各々の再生時間の総和が時間Tnoだけ不足する。これは換言すると、時間Tnoの分だけ音声データの再生時間を伸張することで、楽曲の終了時間と、最後の音声データSD7及び画像データPH7の再生終了時間とを一致させることができるということである。
【0046】
そこで、本実施例では、音声データのうちの一部の音声データを対象にした処理を行う。具体的には、音声データ各々の再生時間(全体:5tu)を伸張している。音声データの再生時間を伸張した結果を、図5の(d)に示す。図5の(d)において、斜線で示した領域が、音声データが伸張された領域である。
【0047】
ここで、本実施例では、音声データにおける伸張部と伸張割合の関係は、以下のようになっている。

【0048】
上記表において、処理名は簡略化されている。詳細な処理との対応は以下のようになっている。
閾値 :所定の閾値により決まる領域の音声データを処理。
前半部・後半部:前半部と後半部の少なくとも一方の領域の音声データを処理。
ピークバレー :2つのピークの間の領域の音声データを処理。
【0049】
音声データSD1では、処理は何も行われていない。音声データSD2と音声データSD3では、ピークバレー処理、すなわち、2つのピークの間の領域の音声データに対して処理が行われている。ここで、処理の対象になっている音声データは、音声データSD2では4番目の音声データ、音声データSD3では2番目と4番目の音声データである。
【0050】
また、音声データSD4と音声データSD6では、前半部・後半部処理、すなわち、前半部と後半部の少なくとも一方の領域の音声データに対して処理が行われている。ここで、処理の対象になっている音声データは、音声データSD4では5番目の音声データ、音声データSD3では1番目の音声データである。
【0051】
また、音声データSD5と音声データSD7では、閾値処理、すなわち、所定の閾値により決まる領域の音声データに対して処理が行われている。ここで、処理の対象になっている音声データは、音声データSD5では1番目と2番目の音声データ、音声データSD7では3番目の音声データである。
【0052】
なお、音声データSD5では、所定の閾値よりも大きい音量の音声データに対して処理が行われている。すなわち、音声データSD5における1番目と2番目の音声データは、所定の閾値よりも大きいデータである。また、音声データSD7では、所定の閾値よりも小さい音量の音声データに対して処理が行われている。音声データSD7における3番目の音声データは、所定の閾値よりも小さいデータである。
【0053】
また、音声データSD2、音声データSD3、音声データSD4及び音声データSD6において、閾値処理を行っても良い。また、音声データSD5において、前半部・後半部処理を行っても良い。音声データSD7において、ピークバレー処理を行っても良い。
【0054】
なお、伸張部及び伸張割合は、上記の例に限定されない。例えば、本実施例では、画像データPH1の音声データSD1に対しては伸張を行なっていない。しかしながら、音声データDS1についても、音声データ(再生時間)の伸張を行なっても良い。あるいは、音声データの伸張では、1単位ユニットを1.5倍あるいは2.5倍に伸張している。しかしながら、例えば1単位ユニットを2.8倍や3倍等に伸張してもよい。
【0055】
また、本実施例では、閾値処理、前半部・後半部処理、ピークバレー処理の3つを行っている。しかしながら、必ずしも3つの処理を行う必要はない。すなわち、これらの3つの処理の少なくとも1つの処理を行っても良い。これは、他の実施例においても同じである。
【0056】
以上のように、本実施例によれば、楽曲の終了時間と、最後の音声データ及び画像データの再生終了時間とを一致させることができる。
【実施例2】
【0057】
次に、実施例2について説明する。ここでは、図6の(a)、(b)、(c)、(d)を参照して、処理部150で行われる所定の処理について説明する。なお、デジタルカメラ100の構成は、実施例1と同一である。
【0058】
図6の(a)は、デジタルカメラ100で複数の静止画を音声データと共に記録した状態を、横軸を経過時間として表した図である。この図6の(a)は実施例1の図5の(a)と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0059】
一方、図6の(b)は、BGMとして用いる楽曲(楽曲データ)の演奏開始から終了までの時間Tを示している。このような楽曲に対して、音声データSD1〜SD7の各々を、そのまま(音声データを加工せず)画像データPH1〜PH7と共に再生したとする。すなわち、単純に音声データSD1〜SD7を加算すると、図6の(c)に示すように、音声データ各々の再生時間の総和に対して、楽曲の演奏時間Tが時間Tnoだけ不足してしまう。これでは、楽曲が終了しても、最後の画像データPH7と音声データSD7の再生が行なわれてしまうことになる。
【0060】
そこで、本実施例では、楽曲の演奏終了時間(時刻)と、最後の音声データSD7及び画像データPH7の再生終了時間(時刻)とを一致させるようにしている。以下、一致させる処理について説明する。
【0061】
図6の(c)から明らかなように、単純に音声データSD1〜SD7を加算すると、音声データ各々の再生時間の総和に対して、楽曲の演奏時間Tが時間Tnoだけ不足する。これは換言すると、時間Tnoの分だけ音声データの再生時間を圧縮することで、楽曲の終了時間と、最後の音声データSD7及び画像データPH7の再生終了時間とを一致させることができるということである。
【0062】
そこで、本実施例では、音声データのうちの一部の音声データを対象にした処理を行う。具体的には、音声データ各々の再生時間(全体:5tu)を圧縮している。音声データの再生時間を圧縮した結果を、図6の(d)に示す。図6の(d)において、斜線で示した領域が、音声データが圧縮された領域である。
【0063】
ここで、本実施例では、音声データにおける圧縮部と圧縮割合の関係は、以下のようになっている。

【0064】
ここで、音声データSD3及び音声データSD6において、閾値処理を行っても良い。また、音声データSD4において、前半部・後半部処理を行っても良い。
【0065】
また、音声データSD2では、前半部の圧縮割合と後半部の圧縮割合は共に1/4である。しかしながら、前半部の圧縮割合と後半部の圧縮割合を異ならせても良い。このとき、音量の違いによって、前半部の圧縮割合と後半部の圧縮割合を異ならせても良い。音声データSD2では、前半部の音量が後半部の音量よりも大きい。そこで、例えば、前半部の圧縮割合を、後半部の圧縮割合よりも大きくしても良い。なお、ピークバレーにおいても、バレー(谷部)の深さに応じて、圧縮割合を変えるようにしても良い。
【0066】
なお、圧縮部及び圧縮割合は、上記の例に限定されない。例えば、本実施例では、画像データPH7の音声データSD7に対しては圧縮を行なっていない。しかしながら、音声データDS7についても、音声データ(再生時間)の圧縮を行なっても良い。また、音声データの圧縮では、1単位ユニットを1/2あるいは1/4に圧縮している。しかしながら、例えば1単位ユニットを2/3や1/5等に圧縮してもよい。
【0067】
以上のように、本実施例によれば、楽曲の終了時間と、最後の音声データ及び画像データの再生終了時間とを一致させることができる。
【実施例3】
【0068】
次に、実施例3について説明する。ここでは、図7の(a)、(b)、(c)、(d)を参照して、処理部150で行われる所定の処理について説明する。なお、デジタルカメラ100の構成は、実施例1と同一である。
【0069】
図7の(a)は、デジタルカメラ100で複数の静止画を音声データと共に記録した状態を、横軸を経過時間として表した図である。この図7(a)は実施例1の図5(a)と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0070】
一方、図7の(b)は、BGMとして用いる楽曲(楽曲データ)の演奏開始から終了までの時間Tを示している。このような楽曲に対して、音声データSD1〜SD7の各々を、そのまま(音声データを加工せず)画像データPH1〜PH7と共に再生したとする。すなわち、単純に音声データSD1〜SD7を加算すると、図7の(c)に示すように、楽曲の演奏時間Tに対して、音声データ各々の再生時間の総和が時間Tnoだけ不足してしまう。これでは、楽曲が終了する前に、最後の画像データPH7と音声データSD7の再生が終了してしまうことになる。
【0071】
そこで、本実施例では、楽曲の演奏終了時間(時刻)と、最後の音声データSD7及び画像データPH7の再生終了時間(時刻)とを一致させるようにしている。以下、一致させる処理について説明する。
【0072】
図7の(c)から明らかなように、単純に音声データSD1〜SD7を加算すると、楽曲の演奏時間Tに対して、音声データ各々の再生時間の総和が時間Tnoだけ不足する。これは換言すると、時間Tnoの分だけ音声データに別の音声データを加えることで、楽曲の終了時間と、最後の音声データSD7及び画像データPH7の再生終了時間とを一致させることができるということである。別の音声データとは、たとえば無音(無声)データである。
【0073】
そこで、本実施例では、音声データのうちの一部の音声データを対象にした処理を行う。具体的には、音声データ各々の再生時間(全体:5tu)に対して、別の再生時間(別の音声データ)を加えている。これは、音声データ各々に対して、別の音声データを加えたことに他ならない。音別の声データを加えた結果を、図7の(d)に示す。図7の(d)において、斜線で示した領域が、別の音声データを加えた領域である。なお、別の音声データは無音データであるが、必ずしも無音である必要は無い。
【0074】
ここで、本実施例では、音声データにおける追加部と追加割合の関係は、以下のようになっている。

【0075】
ここで、音声データSD2、音声データSD4においては、4番目と5番目の音声データ(単位ユニット)の間に、音声データの追加が行なわれている。音声データSD3においては、1番目と2番目の音声データの間、及び4番目と5番目の音声データ(単位ユニット)の間に、音声データの追加が行なわれている。音声データSD5においては、1番目と2番目の音声データの間、及び2番目と3番目の音声データ(単位ユニット)の間に、音声データの追加が行なわれている。音声データSD6においては、1番目と2番目の音声データ(単位ユニット)の間に、音声データの追加が行なわれている。音声データSD7においては、2番目と3番目の音声データ(単位ユニット)の間に、音声データの追加が行なわれている。
【0076】
なお、追加部及び追加割合は、上記の例に限定されない。例えば、本実施例では、画像データPH1の音声データSD1に対しては、別の音声データの追加を行なっていない。しかしながら、音声データDS1についても、音声データに別の音声データを加えても良い。また、音声データの追加では、1つの音声データ全体に対して1/2の音声データを追加している。しかしながら、例えば1つの音声データに対して2/3や1/5の音声データを追加してもよい。
【0077】
以上のように、本実施例によれば、楽曲の終了時間と、最後の音声データ及び画像データの再生終了時間とを一致させることができる。
【実施例4】
【0078】
次に、実施例4について説明する。ここでは、図8の(a)、(b)、(c)、(d)を参照して、処理部150で行われる所定の処理について説明する。なお、デジタルカメラ100の構成は、実施例1と同一である。
【0079】
図8の(a)は、デジタルカメラ100で複数の静止画を音声データと共に記録した状態を、横軸を経過時間として表した図である。この図8の(a)は実施例1の図5の(a)と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0080】
一方、図8の(b)は、BGMとして用いる楽曲(楽曲データ)の演奏開始から終了までの時間Tを示している。このような楽曲に対して、音声データSD1〜SD7の各々を、そのまま(音声データを加工せず)画像データPH1〜PH7と共に再生したとする。すなわち、単純に音声データSD1〜SD7を加算すると、図8の(c)に示すように、音声データ各々の再生時間の総和に対して、楽曲の演奏時間Tが時間Tnoだけ不足してしまう。これでは、楽曲が終了しても、最後の画像データPH7と音声データSD7の再生が行なわれてしまうことになる。
【0081】
そこで本実施例では、楽曲の演奏終了時間(時刻)と、最後の音声データSD7及び画像データPH7の再生終了時間(時刻)とを一致させるようにしている。以下、一致させる処理について説明する。
【0082】
図8の(c)から明らかなように、単純に音声データSD1〜SD7を加算すると、音声データ各々の再生時間の総和に対して、楽曲の演奏時間Tが時間Tnoだけ不足する。これは換言すると、時間Tnoの分だけ音声データ(一部あるいは全部)を削除することで、楽曲の終了時間と、最後の音声データSD7及び画像データPH7の再生終了時間とを一致させることができるということである。
【0083】
そこで、本実施例では、音声データのうちの一部の音声データを対象にした処理を行う。具体的には、音声データ各々の再生時間(全体:5tu)に対して、その一部を削除している。音声データの一部を削除した結果を、図8の(d)に示す。図8の(d)のうち、矢印で示された領域は、単位時間1tuの一部が削除されたことを示している。なお、単位時間1tu全部が削除された場合については、図8(c)と比較することでそれがわかる。図8の(c)において、斜線で示した領域が、音声データの一部が削除された領域である。
【0084】
ここで、本実施例では、音声データにおける削除部と削除量の関係は、以下のようになっている。

【0085】
なお、削除部及び削除量は、上記の例に限定されない。例えば、本実施例では、画像データPH7の音声データSD7に対しては削除を行なっていない。しかしながら、音声データDS7についても、音声データ(再生時間)の削除を行なっても良い。また、音声データの削除では、1単位ユニットについて1/2あるいは3/4の量を削除している。しかしながら、例えば1単位ユニットに対して2/3や1/5の量を削除してもよい。
【0086】
以上のように、本実施例によれば、楽曲の終了時間と、最後の音声データ及び画像データの再生終了時間とを一致させることができる。
【0087】
以上説明したように、本発明によれば、楽曲データに依存した処理ではなく、音声データ中の音に依存して、音声データの伸張、圧縮、削除、あるいは音声データに対する別の音声データの追加等の処理を行う。このため、楽曲データに依存しない表現の自由度を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上のように、本発明にかかる光学機器は、静止画像と共に音声を再生する場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の実施例1に係る光学機器であるデジタルカメラの斜視構成を示す図である。
【図2】実施例1における内部ブロックを示す図である。
【図3】実施例1における処理手順を示すフローチャートである。
【図4】実施例1における処理の内容を示す図である。
【図5】実施例1における処理の内容を示す図である。
【図6】実施例2における処理の内容を示す図である。
【図7】実施例3における処理の内容を示す図である。
【図8】実施例4における処理の内容を示す図である。
【符号の説明】
【0090】
100 デジタルカメラ
101 撮影光学系
102 撮影用光路
103 ファインダー光学系
104 ファインダー用光路
105 シャッターボタン
106 フラッシュ
107 カバー
108 焦点距離変更ボタン
109 スピーカ
110 画像撮像部
111 液晶モニタ部
120 音声録音部
130 楽曲取得部
140 操作部
150 処理部
160 データ記録部
170 画像表示部
180 音声再生部
190 データ通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、
前記撮像部による撮像が行われた時点の前後の音声を記録する音声録音部と、
前記撮像部から出力された画像データと、前記音声録音部から出力された音声データとを少なくとも記録するデータ記録部と、
前記データ記録部に記録された前記画像データと前記音声データを用いて所定の処理を行う処理部と、
前記処理部で処理された処理結果に基づいて、画像を表示する画像表示部と、
前記処理部で処理された処理結果に基づいて、音声を再生する音声再生部を備え、
前記音声録音部は、毎回の撮影において、記録開始から終了までの時間tでもって前記音声データを記録し、
前記音声データと前記画像データは関連付けられており、
前記所定の処理において、前記画像データの数をNとし、前記データ記録部に記録されている楽曲データの演奏開始から終了までの時間をTとしたとき、前記時間TとN×tとを一致させるように前記音声データのうちの一部の音声データを対象にした処理を行い、前記音声データの各々の時間tを変化させることを特徴とする光学機器。
【請求項2】
前記一部の音声データは、所定の閾値により決まる領域の音声データであることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項3】
前記一部の音声データは、前半部と後半部の少なくとも一方の領域の音声データであることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項4】
前記一部の音声データは、2つのピークの間の領域の音声データであることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項5】
前記処理は、前記音声データの伸張、前記音声データの圧縮、別の音声データの追加、前記音声データの削除のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−159423(P2009−159423A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−336927(P2007−336927)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】